JPH11336915A - パッキンと気密容器の気密機構と気密容器 - Google Patents

パッキンと気密容器の気密機構と気密容器

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JPH11336915A
JPH11336915A JP10144418A JP14441898A JPH11336915A JP H11336915 A JPH11336915 A JP H11336915A JP 10144418 A JP10144418 A JP 10144418A JP 14441898 A JP14441898 A JP 14441898A JP H11336915 A JPH11336915 A JP H11336915A
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JP
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packing
groove
airtight
door
opening
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JP10144418A
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Masatsugu Nakazawa
雅嗣 中澤
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Chiyoda Manufacturing Corp
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Chiyoda Manufacturing Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パッキンの外面と凹溝の内側面との間に生ず
る隙間を少なくして凹溝内に供給された作動流体の凹溝
からの漏れだしを極力低減する。 【解決手段】 扉20により開口部16が密閉される滅
菌室14を有する滅菌器の開口部16の周縁に形成され
た環状の凹溝28内に凹溝28の内底面28bに対して
接離動自在に装着され、凹溝28内に供給される作動流
体の流体圧により凹溝28の内底面28bから離反する
方向へ移動した際には、凹溝28から突出する先端が凹
溝28と対向する扉20と密着することによって滅菌室
14の開口部16を気密するパッキン50である。環状
の外形を有し、弾性変形可能な材料を用いて形成された
パッキン本体30と、パッキン本体30の内部に長手方
向に沿って形成された環状の空洞部52と、パッキン本
体30の凹溝28の内底面28bと対向する底面30a
と空洞部52とを連通する連通孔54を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、扉により気密室の
開口部が閉塞される気密容器の気密機構に使用されるパ
ッキン、このパッキンを有する気密容器の気密機構、こ
の気密機構を有する気密容器に関する。
【0002】
【従来の技術】扉により開口部が閉塞されることによっ
て内部が気密状態となる気密室を有する容器、つまり気
密容器としては、圧力容器、保温・保冷容器等、種々の
ものがあるが、一例として圧力容器の範疇に含まれる高
圧滅菌器を用いてその構成や作用について説明する。高
圧滅菌器10は、図10に示すように滅菌器10の筐体
12に設けられた気密室としての滅菌室14の内部にリ
ネンや手術器機等の医療機材を収納し、滅菌室14の開
口部16を筐体12にヒンジ18等により開閉自在に取
り付けられた扉20で閉塞した後に、滅菌室14の内部
に高圧の蒸気を供給して医療機材の滅菌を行うものであ
る。そして、滅菌室14内に高圧の蒸気を供給する関係
上、滅菌室14の開口部16を扉20でもって密閉すべ
く滅菌室14と扉20との間は気密性を保つ必要があ
り、この滅菌室14と扉20との間の気密機構には一般
的にパッキン22が使用されている。また、筐体12の
正面には温度や湿度、圧力、時間等を設定するための操
作パネル24が設けられている。なお、図示はしない
が、扉20には公知のロック機構が設けられており、開
口部16を閉塞した際にロック機構を作動させれば、扉
20が開かなくなる。
【0003】次に、従来のパッキン22を用いた気密機
構26の構成について説明する。この気密機構26は図
11に示すように、滅菌室14の扉20で閉塞される開
口部16の周縁にわたって形成された凹溝28と、凹溝
28内部に摺動可能に配された環状のパッキン22とか
ら成る。ここで、パッキン22の構造について説明する
と、パッキン22は、環状の外形を有し、剛性を有する
がある程度は弾性変形可能な材料(シリコン等のゴム)
を用いて長手方向と直交する方向に沿った断面形状が、
正方形や長方形等の矩形、若しくは図12に示すような
台形に形成されたパッキン本体30と、パッキン本体3
0の凹溝28内に装着された際に凹溝28の内底面と対
向する底面30a中央にパッキン本体30の長手方向に
沿って形成された断面V字若しくはU字状の環状溝32
とから構成される。パッキン本体30は図12に示すよ
うに中心部分までゴム等が詰まった構成となっている。
【0004】そして凹溝28内にパッキン22を装着す
る際には、環状溝32を利用して底面30a側を弾性変
形させてその幅を狭めながらパッキン22を底面30a
側から凹溝28内に装着する。装着された後は、パッキ
ン22は自らの弾性力によって底面30a側が広がり、
パッキン本体30の両側面30bが凹溝28の内側面2
8aと密着する。
【0005】この気密機構26の動作は、滅菌室14の
開口部16を扉20で閉じた後、凹溝28内に高圧滅菌
器10に設けたポンプ等の流体供給手段34から給排路
36を介して圧縮空気等の作動流体を供給することによ
ってパッキン22の底面に、詳細にはパッキン本体30
の底面30aに圧力を加える。すると、パッキン22は
凹溝28の内底面28bから離反する方向(本実施の形
態では扉20側)に向けて凹溝28内を摺動しつつ移動
し、その凹溝28から突出する先端が扉20の凹溝28
に対応する部位に押し当てられて密着する。なお、扉2
0は閉じた際に、扉20と滅菌室14と間に設けられた
公知のロック機構により開放されない状態に保持される
ため、押し当てられたパッキン22との間に隙間が生じ
ないようになる。これにより、扉20と滅菌室14との
間の気密性が保たれ、滅菌室14が気密状態となる。ま
た、図12に矢印で示すように、凹溝28内に供給され
た作動流体はパッキン本体30の底面30aに設けられ
た環状溝32の内面にも作用し、パッキン本体30の底
面30aの環状溝32の両側部分(いわゆるリップ部)
30cをそれぞれ凹溝28の内側面方向へ押し広げる。
よって、リップ部30cと凹溝28の内側面との間の密
着性が一層高まり、凹溝28内に供給された作動流体が
凹溝28から漏れだすことを有効に防止できる。
【0006】また、扉20を開放する際には、凹溝28
内部の作動流体を流体供給手段34等、排気機能を有す
る手段で引き、減圧する。これにより、突出したパッキ
ン22は凹溝28内部に引き戻され、パッキン22の先
端が扉20から離反して気密状態が解除される。その
後、扉20と滅菌室14とのロック状態を解除すること
によって、扉20を開くことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
パッキンや、このパッキンを用いた気密容器の気密機構
や、この気密機構を用いた気密容器には次のような課題
がある。この滅菌装置の気密機構では、凹溝28内部で
パッキン22が摺動しつつ突出入する構造であるため
に、パッキン22の凹溝28の内側面との接触面が磨耗
しやすい。そして当該接触面が磨耗すると、凹溝28と
の間に隙間が生じて作動流体が漏れだし、凹溝28内の
加圧が十分に行えず、パッキン22の押しつけ力が低下
して扉20との間の気密性が確保できなくなる。また、
凹溝28との間の隙間から漏れだした作動流体が滅菌室
14内に漏れ込んでしまうという課題もある。
【0008】従って、本発明は上記課題を解決すべくな
され、その目的とするところは、パッキンの外面と凹溝
の内側面との間に生ずる隙間を少なくして凹溝内に供給
された作動流体の凹溝からの漏れだしを極力低減できる
パッキンを提供することにある。また、このパッキンを
用いた気密容器の気密機構、またこの気密機構を用いた
気密容器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る請求項1のパッキンは、扉により開口
部が密閉される気密室を有する気密容器の該開口部の周
縁若しくは前記扉の該開口部の周縁に対応する部位に形
成された環状の凹溝内に該凹溝の内底面に対して接離動
自在に装着され、凹溝内に供給される作動流体の流体圧
により凹溝の内底面から離反する方向へ移動した際に
は、凹溝から突出する先端が凹溝と対向する扉若しくは
気密室の部位と密着することによって気密室の開口部を
気密するパッキンにおいて、環状の外形を有し、弾性変
形可能な材料を用いて形成されたパッキン本体と、該パ
ッキン本体の内部に、パッキン本体の長手方向に沿って
形成された環状の空洞部と、前記パッキン本体の前記凹
溝の内底面と対向する底面と前記空洞部とを連通する連
通孔とを具備することを特徴とする。
【0010】これによれば、凹溝内に作動流体が供給さ
れるとパッキンは作動流体から受けた圧力によりその底
面が凹溝の内底面から離反する方向へ移動し、凹溝から
突出する先端が凹溝と対向する扉若しくは気密室の部位
と密着する。そして密着後は凹溝内でのパッキンの移動
は規制させるが、作動流体は連通孔を介して内部に形成
された空洞部に供給され、空洞部の内面に外方へ向けた
圧力を加える。するとパッキンはこの圧力により膨ら
み、幅広となってパッキンの外面と凹溝の内側面との間
の密着性が高まり、パッキンの外面と凹溝の内側面との
間に生ずる隙間が少なくなって作動流体の凹溝からの漏
れだしが低減される。
【0011】具体的には、前記パッキン本体の底面中央
部分には、パッキン本体の長手方向に沿って形成された
断面V字若しくはU字状の環状溝が設けられて、該環状
溝の両側が前記凹溝の内側面との密着性を高めるリップ
部に形成され、前記連通孔は該環状溝の内部に形成され
る。この場合には、空洞部内に供給された作動流体から
外方への圧力が加わりパッキンが膨らむと共に、環状溝
の内面にもリップ部を両側へ広げる力が作用するから、
リップ部と凹溝の内側面との間の密着性が一層良好にな
る。
【0012】また、本発明に係る請求項3記載の気密容
器の気密機構は、扉により気密室の開口部が密閉される
気密容器の気密機構において、前記気密室の開口部の周
縁若しくは前記扉の該気密室の開口部の周縁に対応する
部位に形成された環状の凹溝と、該凹溝内に装着された
請求項1または2記載のパッキンとを具備し、前記凹溝
と前記パッキンとの間の空間内に作動流体を供給してパ
ッキンを凹溝の内底面から離反する方向へ移動させ、凹
溝から突出する先端を凹溝と対向する前記扉若しくは前
記気密室の部位と密着させることにより前記気密室の開
口部を気密することを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る請求項4記載の気密容
器は、扉と、該扉により開口部が密閉される気密室とを
具備する気密容器において、前記扉と前記気密室との間
に設けられ、該扉により閉塞された該気密室の内部の気
密性を確保するための請求項3記載の気密容器の気密機
構と、前記凹溝と前記パッキンとの間の空間内に作動流
体を供給してパッキンを凹溝の内底面から離反する方向
へ移動させ、凹溝から突出する先端を凹溝と対向する前
記扉若しくは前記気密室の部位と密着させる流体供給手
段とを具備することを特徴とする。これらでは、作動流
体によってパッキン自体が膨らみ、凹溝との間の密着性
が高められるから、凹溝に供給された作動流体が凹溝か
ら漏れだすことを抑制でき、パッキンに作動流体から加
わる圧力の低下が少なくなるからパッキンの凹溝から突
出する先端と凹溝と対向する扉若しくは気密室の部位と
の密着性が高まる。また凹溝から作動流体が気密室に漏
れ込むことも効果的に抑制できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るパッキン、こ
のパッキンを用いた気密容器の気密機構、この気密機構
を用いた気密容器の好適な実施の形態を添付図面に基づ
いて詳細に説明する。一例として気密容器としては、圧
力容器の一種である滅菌器(若しくは滅菌装置)を用い
て説明するが、本実施の形態で説明する気密容器の気密
機構は一般的な圧力容器にも適用できることは当然であ
り、また内部が高圧とならずに保管のために内容物を外
部から遮断させる保温・保冷容器や防塵容器、また内部
を減圧して負圧にする気密容器にも適用可能である。な
お、ここで「容器」とは物や者を収納する機能を有する
ものであり、外形の大小は問わない。よって、被滅菌物
を収納する滅菌器若しくは大型な滅菌装置や、物を保温
・保冷庫若しくはより大きな保温・保冷倉庫、気密室内
への外部からの塵や埃の侵入を防止する防塵容器若しく
はより大型な気密室内の塵や埃を排除するクリーンルー
ムなどもこの「容器」の概念に含まれるものとする。
【0015】まず、図1と図2を用いて滅菌器10に使
用されるパッキン50について説明する。なお、従来例
と同じ構成については同じ符号を付し、詳細な説明は省
略する。パッキン50は、図1に示すように環状の外形
を有し、剛性はあるがある程度弾性変形可能な材料(シ
リコンゴム等)を用いて形成されたパッキン本体30
と、パッキン本体30の内部に、パッキン本体30の長
手方向に沿って形成された環状の空洞部52と、パッキ
ン本体30の底面30bと空洞部52とを連通する連通
孔54とを具備している。
【0016】パッキン本体30の断面形状としては従来
例と同様に、図3に示すような正方形や長方形等の矩
形、若しくは図4に示す台形が一般的である。また、空
洞部52の断面形状は図3や図4に示すように一例とし
て円形としているが、それ以外にも楕円や、三角形、台
形、正方形、長方形等の多角形等の非円形とすることも
可能である。また、連通孔54の数は、効率よく空洞部
52へ作動流体を供給でき、また空洞部52より作動流
体を排出できれば1つでも良いが、通常は連通孔54の
内径はそれ程大きくはできないため、空洞部52の長手
方向に沿って、例えば所定の間隔で複数個設けるように
する。また、パッキン本体30の底面30aの環状溝3
2を設けた場合には、上述したように環状溝32の両側
部分(いわゆるリップ部)30cは、環状溝32の内面
に作用する作動流体の圧力により凹溝28の内側面28
aへ押し付けられるから、このリップ部30cに連通孔
54を設けると十分な内径が確保できない恐れがある。
よって、この場合には図4に示すようにV字若しくはU
字状に形成される環状溝32の奥部に連通孔54の開口
部を設けると良い。
【0017】次に、このパッキン50を含む滅菌器10
の気密機構26と、この気密機構26を持つ滅菌器10
について構成を説明すると共に、気密機構26の動作と
併せてパッキン50の動作について説明する。気密機構
26および滅菌器10の構成はパッキン50を除き、図
10や図11に示す従来例と同じ構成である。つまり、
扉20により密閉される滅菌器10の滅菌室14の開口
部16の周縁に形成された環状の凹溝28と、この凹溝
28内に装着されるパッキン50と、凹溝28内に作動
流体を供給し、また凹溝28内に供給された作動流体を
排出する流体供給手段34と、凹溝28と流体供給手段
34とを連絡する給排路36とから構成される。なお、
本実施の形態では排出機構が流体供給手段34に備わっ
ているものとしているが、この排出機構を有する手段
(不図示)を流体供給手段34とは別個に設けても良
い。この場合には給排路36は、流体供給手段34と凹
溝28とを連絡する供給路(不図示)と排出機構を有す
る手段と凹溝28とを連絡する排出路(不図示)とから
構成されるようになる。流体供給手段28や排出機構を
有する手段は電動ポンプを使用して構成でき、作動流体
としては加圧空気や液体、または液体の充填材が使用で
きる。
【0018】なお、凹溝28を扉20の開口部16の周
縁に対応する部位に設け、凹溝28内に装着したパッキ
ン50を滅菌室14の当該凹溝28と対応する部位に密
着させる構成も可能である。
【0019】次に、この気密機構26の動作と共にパッ
キン50の気密動作について図5を用いて説明する。ま
ず、扉20で滅菌室14を気密する場合には、凹溝28
の内側面28a、内底面28bおよびパッキン本体30
の底面30aとの間で形成された空間58内に、給排路
36を介して流体供給手段34から高圧の作動流体を供
給する。これにより、底面30aに作動流体からの流体
圧を受けたパッキン50は凹溝28の内底面28bから
離反する方向へ移動し、凹溝28から突出するパッキン
50の先端が凹溝28と対向する扉20の内面と密着す
る。これにより、滅菌室14の開口部は扉20によって
気密性が確保された状態で閉塞される。
【0020】凹溝28内に作動流体が供給されると、パ
ッキン50の空洞部52にも連通孔54を介して作動流
体が供給されるが、パッキン50が凹溝28内で扉20
方向へ摺動している間は、パッキン本体30の底面30
aや空洞部52の内周面には流体供給手段34が出力し
た作動流体の流体圧そのものよりも低い圧力が加わって
いると考えられる。すると、空洞部52の内周面に加わ
る作動流体の圧力によりパッキン50の膨らむ量もそれ
程多くなく、パッキン50の先端が扉20と当接して移
動が規制されるまではパッキン本体30の両側面30b
と凹溝28の両内側面28aとの間の摩擦もそれ程大き
くならないため、パッキン50の両側面30bの磨耗は
従来とそれ程変わらない。しかし、パッキン50の先端
が扉20と当接して移動が規制された後は、空間58の
容積は増えないから、作動流体の流体圧そのものがパッ
キン本体30の底部30aと空洞部52の内周面に加わ
るため、パッキン50は十分に扉20に押圧されると共
に、その幅方向の膨らみ量は移動中よりも増え、リップ
部30cと凹溝28との間の密着性が増すと考えられ
る。
【0021】また、図4のように空洞部52とパッキン
50の先端との間の肉厚D1や空洞部52とパッキン本
体30の両側面30bとの間の肉厚D2に比べて、空洞
部52とパッキン本体30の底面30a(環状溝32が
ある場合には環状溝32の奥部)との間の肉厚D3の方
が薄くなる構成とすると、空洞部52に作動流体が供給
された際に肉薄となる空洞部52と底面30aとの間の
部分の伸び量がパッキン50の肉厚の他の部分の伸び量
よりも多くなり、結果としてパッキン50は先端部分の
肉厚部Wを基点として両側部Xが点線のように広がろう
とすると考えられる。従って、両側部Xの底面30a側
の端部にあたるリップ部30cが効率よく凹溝28の内
側面28aに押しつけられて効果的な気密が可能となる
と考えられる。
【0022】また、空洞部52の形状が図4のような断
面円形の場合には作動流体から空洞部52の内周面に加
わる圧力の方向は360度全方向となる。しかしなが
ら、特にパッキン50の先端方向に加わる圧力は凹溝2
8とパッキン50との間の気密性を高めるという点に関
して見れば、何ら作用を奏するものではないと考えられ
る。そこで、パッキン50の幅方向の膨らみを増やす力
を増やすために、図6に示すように空洞部52の断面形
状をパッキン本体30の先端から底面30aにかけて延
びる長方形に形成し、パッキン50の両側面方向の空洞
部52の内面の面積を増やす構成とすることも有効であ
る。また、この場合空洞部52の断面形状は長方形のみ
ならず、図7に示すようなパッキン本体30の先端から
底面30aにかけて延びる楕円としても良い。
【0023】また、パッキン50は空洞部52内の作動
流体の圧力により、先端部分の肉厚部Wを基点として両
側部Xが広がって凹溝28との密着性が増すということ
を考えると、さらに空洞部52の断面形状を、図8や図
9に示すようにパッキン本体30の底面30aから先端
方向へ向かうに従って空洞部52の開口幅Lが次第に狭
くなる断面三角形(図8参照)や断面台形(図9参照)
として、パッキン50の両側部Xが広がり易くなる構成
としても良い。
【0024】また、空洞部52の断面形状は上述したよ
うに種々の形状を採り得るが、パッキン50が風船のよ
うに全体的に肉厚が薄くなるような膨らみ方は、本願の
目的とする膨らみ方ではなく、パッキン50全体の形状
は元の正方形等の矩形や台形を保持しつつ、なおかつ幅
方向が若干膨らむ膨らみ方が望ましい。これにより、凹
溝28から突出したパッキン50の先端が局部的に扉2
0の内面に沿って膨らんでしまい、パッキン50の先端
と扉20の内面との接触面積が増加し、パッキン50の
扉20への押圧力が低下するのを防止できるからであ
る。よって、空洞部52の断面積はパッキン50の総断
面積に対して必要以上に多くしない方が良く、パッキン
50全体の剛性を保持するためにも例えば約8〜12パ
ーセント程度が好ましい。
【0025】また、パッキン50内に空洞部52を設け
る位置は、上記のようにパッキン50は凹溝28から突
出する先端側寄りも凹溝28内に残る部分の膨らみ方を
多くする方向が望ましいし、また上記のように空洞部5
2とパッキン50の先端との間の肉厚D1よりも空洞部
52とパッキン本体30の底面30aとの間の肉厚D3
の方が薄くなる方向が望ましいと考えられるから、空洞
部52は図4に示すようにパッキン50の先端から底面
30aに延びるセンターラインM上であって、かつ先端
と底面30aの略中間若しくは若干底面30a寄りが好
ましい。なお、パッキン本体30の底面30aに環状溝
32を設けた場合には、環状溝32の分だけ局部的に肉
厚D3が薄くなるから、環状溝32を設けない場合に比
べて若干先端寄りに空洞部52を設ける構成としても良
いと考える。
【0026】次に、扉20を開ける場合には、逆に凹溝
28とパッキン50との間の空間58内に供給された作
動流体を強制的に引き抜く。これにより、空間58の内
部が負圧となり、突出したパッキン50は凹溝28内に
引かれてパッキン50の先端の凹溝28からの突出長が
減少し、若しくはパッキン50全体が凹溝28内に入り
込んで、パッキン50と扉20の内面との密着状態が解
除される。
【0027】以上、本発明の好適な実施の形態について
種々述べてきたが、本発明は上述する実施の形態に限定
されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲で多
くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0028】
【発明の効果】本発明に係るパッキンによれば、内部に
設けた空洞部に連通孔を介して作動流体が供給され、作
動流体の圧力によって膨らみ、幅広となってパッキンの
外面と凹溝の内側面との間の密着性が高まる。よって、
パッキンの外面と凹溝の内側面との間に生ずる隙間が少
なくなって作動流体の凹溝からの漏れだしが低減される
という効果がある。また、本発明に係る気密容器の気密
機構や気密容器によれば、作動流体によってパッキン自
体が膨らみ、凹溝との間の密着性が高められるから、凹
溝に供給された作動流体が凹溝から漏れだすことを抑制
でき、パッキンに作動流体から加わる圧力の低下が少な
くなるからパッキンの凹溝から突出する先端と凹溝と対
向する扉若しくは気密室の部位との密着性を高められ
る。また凹溝から作動流体が気密室に漏れ込むことも効
果的に抑制できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパッキンの実施の形態の一例の構
成を示す平面図である。
【図2】図1のパッキンの底面図の要部拡大図である。
【図3】図2のA−A断面図である(パッキン本体の断
面形状が正方形の場合)。
【図4】図2のA−A断面図である(パッキン本体の断
面形状が台形の場合)。
【図5】本発明に係るパッキンおよび気密容器の気密機
構の動作を説明するための説明図である。
【図6】本発明に係るパッキンの実施の形態の他の例の
構成を示す断面図である(空洞部の断面形状が長方形の
場合)。
【図7】本発明に係るパッキンの実施の形態の他の例の
構成を示す断面図である(空洞部の断面形状が楕円の場
合)。
【図8】本発明に係るパッキンの実施の形態の他の例の
構成を示す断面図である(空洞部の断面形状が三角形の
場合)。
【図9】本発明に係るパッキンの実施の形態の他の例の
構成を示す断面図である(空洞部の断面形状が台形の場
合)。
【図10】気密容器としての圧力容器の範疇に含まれる
高圧滅菌器の一般的な構成を示す斜視図である。
【図11】図10の気密容器の気密機構の構成を示す説
明図である。
【図12】従来のパッキンの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 滅菌器 14 滅菌室 16 開口部 20 扉 28 凹溝 28b 凹溝の内底面 30 パッキン本体 30a パッキン本体の底面 50 パッキン 52 空洞部 54 連通孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扉により開口部が密閉される気密室を有
    する気密容器の該開口部の周縁若しくは前記扉の該開口
    部の周縁に対応する部位に形成された環状の凹溝内に該
    凹溝の内底面に対して接離動自在に装着され、凹溝内に
    供給される作動流体の流体圧により凹溝の内底面から離
    反する方向へ移動した際には、凹溝から突出する先端が
    凹溝と対向する扉若しくは気密室の部位と密着すること
    によって気密室の開口部を気密するパッキンにおいて、 環状の外形を有し、弾性変形可能な材料を用いて形成さ
    れたパッキン本体と、 該パッキン本体の内部に、パッキン本体の長手方向に沿
    って形成された環状の空洞部と、 前記パッキン本体の前記凹溝の内底面と対向する底面と
    前記空洞部とを連通する連通孔とを具備することを特徴
    とするパッキン。
  2. 【請求項2】 前記パッキン本体の底面中央部分には、
    パッキン本体の長手方向に沿って形成された断面V字若
    しくはU字状の環状溝が設けられて、該環状溝の両側が
    前記凹溝の内側面との密着性を高めるリップ部に形成さ
    れ、 前記連通孔は該環状溝の内部に形成されていることを特
    徴とする請求項1記載のパッキン。
  3. 【請求項3】 扉により気密室の開口部が密閉される気
    密容器の気密機構において、 前記気密室の開口部の周縁若しくは前記扉の該気密室の
    開口部の周縁に対応する部位に形成された環状の凹溝
    と、 該凹溝内に装着された請求項1または2記載のパッキン
    とを具備し、 前記凹溝と前記パッキンとの間の空間内に作動流体を供
    給してパッキンを凹溝の内底面から離反する方向へ移動
    させ、凹溝から突出する先端を凹溝と対向する前記扉若
    しくは前記気密室の部位と密着させることにより前記気
    密室の開口部を気密することを特徴とする気密容器の気
    密機構。
  4. 【請求項4】 扉と、該扉により開口部が密閉される気
    密室とを具備する気密容器において、 前記扉と前記気密室との間に設けられ、該扉により閉塞
    された該気密室の内部の気密性を確保するための請求項
    3記載の気密容器の気密機構と、 前記凹溝と前記パッキンとの間の空間内に作動流体を供
    給してパッキンを凹溝の内底面から離反する方向へ移動
    させ、凹溝から突出する先端を凹溝と対向する前記扉若
    しくは前記気密室の部位と密着させる流体供給手段とを
    具備することを特徴とする気密容器。
JP10144418A 1998-05-26 1998-05-26 パッキンと気密容器の気密機構と気密容器 Pending JPH11336915A (ja)

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