JP2010236628A - 圧力容器および圧力容器の扉開制御方法 - Google Patents

圧力容器および圧力容器の扉開制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010236628A
JP2010236628A JP2009085814A JP2009085814A JP2010236628A JP 2010236628 A JP2010236628 A JP 2010236628A JP 2009085814 A JP2009085814 A JP 2009085814A JP 2009085814 A JP2009085814 A JP 2009085814A JP 2010236628 A JP2010236628 A JP 2010236628A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
atmospheric pressure
door
processing tank
predetermined
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009085814A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5332820B2 (ja
Inventor
Tooru Koide
通 小出
Yuichi Takahashi
裕一 高橋
Takashi Osaki
崇嗣 大▲崎▼
Masashi Taniguchi
昌志 谷口
Katsuhiko Hasebe
克彦 長谷部
Yohei Nishihara
洋平 西原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miura Co Ltd
Original Assignee
Miura Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miura Co Ltd filed Critical Miura Co Ltd
Priority to JP2009085814A priority Critical patent/JP5332820B2/ja
Publication of JP2010236628A publication Critical patent/JP2010236628A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5332820B2 publication Critical patent/JP5332820B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pressure Vessels And Lids Thereof (AREA)

Abstract

【課題】複雑な機構を新たに設けることなく、扉を安全に開くことができるようにすること。
【解決手段】この圧力容器1は、被処理物を入れる処理槽2と、その処理槽2を閉じる密閉扉3とを有し、大気圧を超える圧力または大気圧を下回る圧力にて所定の処理を行う。そして、処理槽2内の圧力を減圧させる減圧手段となる真空ポンプ4と、処理槽2内の圧力を復圧させる復圧手段となる無菌空気弁5と、密閉扉3の開操作を制御する制御部6と、を有し、制御部6は、この装置の運転が停止した状態において、減圧手段4を動作させ、処理槽2内が所定圧力まで減圧した、または減圧手段4が所定時間、動作した、のいずれか一方が満足したことを検出すると、復圧手段5によって処理槽2内を復圧させ、処理槽2内を大気圧状態にしてから、密閉扉3の開操作を可能にすることとなる扉開制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧力容器および圧力容器の扉開制御方法に関する。
被処理物を入れた処理構内を大気圧以上の高圧にしたり、真空状態にして、滅菌や調理などをする圧力容器が知られている。この種の圧力容器としては、高圧蒸気滅菌器、酸化エチレンガス滅菌器、レトルト滅菌装置、蒸気釜、蒸煮調理装置、基板処理容器などが挙げられる。
圧力容器は、内部を高圧にしたり、真空状態にしたりするため、気密性が要求される、また不活性ガスや高温の蒸気を圧力容器内部に入れることがあり、同様に気密性が要求される。このように気密性が要求されるため、特許文献1では、扉の内面に、気密室の開口部を囲むように環状凹溝を設け、その環状凹溝に環状パッキンを収納している。そして、環状パッキンを下面から加圧し、扉に押しつけ気密にし、一方、扉を開く場合は、環状パッキンの下面と環状凹溝部との間の空間を減圧している。
また、圧力容器は、内部が高圧になっていたり、内部に不活性ガスや高温の蒸気が充満していたりするため、次のような危険が存在している。すなわち、滅菌や調理など、所定の処理が終了したり、または、何らかの原因で停止したりしたときに、作業者が密閉扉を開く場合、内部圧力で密閉扉が急に開き、作業者を傷つけたり、不活性ガスの急激な噴出により作業者が窒息したり、高温の蒸気の噴出により、やけどを負ったりすることがある。
このような危険を回避するために、特許文献2では、真空容器内に充満した不活性ガスが、扉を開けたときに噴出しないようにするため、扉を開く場合、複数段階に分けて開くようにしている。
特開2001−200935号公報 特開平11−132356号公報
特許文献1記載の技術は、次のような欠点がある。すなわち、容器内が蒸気によって大気圧より高い圧力状態になっている場合に、何らかの原因で環状パッキンを環状凹溝に収納する操作が行われると、扉の内面と環状パッキンとが離れ、その隙間から大量の蒸気が噴出し危険な状態となる。また、気密を解除せずに扉を開く動作を行うと、扉が一度に開き、作業者が大怪我をする可能性がある。これらの危険を回避するために、特許文献2の技術を採用すると安全性は高まるものの、2つの技術を採用したものとなり、扉の構造が複雑となり、大型化すると共に高価化する。
また、特許文献2の技術を採用した場合、扉を複数回に分けて開くようにしているので、扉開作業に長時間を要することとなる。また、扉を所定量開いてから停止させる動作を行なわせる為に、複雑な機構(扉開機構と停止機構)が必要となり、安全性に欠けがちになると共に、コストアップとなり易いものとなる。
本発明は、このような背景のもとに行われたものであり、複雑な機構を新たに設けることなく、扉を安全に開くことができる圧力容器および圧力容器の扉開制御方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明の圧力容器は、被処理物を入れる処理槽と、その処理槽を閉じる密閉扉とを有し、大気圧を超える圧力または大気圧を下回る圧力にて所定の処理を行う圧力容器において、処理槽内の圧力を減圧させる減圧手段と、処理槽内の圧力を復圧させる復圧手段と、密閉扉の開操作を制御する制御部とを有し、制御部は、この装置の運転が停止した状態において、減圧手段を動作させ、処理槽内が所定圧力まで減圧した、または減圧手段が所定時間、動作した、のいずれか一方が満足したことを検出すると、復圧手段によって処理槽内を復圧させ、処理槽内を大気圧状態にしてから、密閉扉の開操作を可能にすることとなる扉開制御を行っている。
なお、制御部は、処理槽内の圧力が大気圧より高い状態で運転が停止した際は、処理槽内を大気圧以下まで減圧させた後、復圧手段によって復圧させる制御を行うようにするのが好ましい。
また、制御部は、処理槽内の圧力が大気圧より低い状態で運転が停止した際は、処理槽内に蒸気または不活性ガスが流入していると判断される場合は扉開制御を行い、処理槽内に蒸気または不活性ガスが流入していると判断されない場合は、扉開制御を行わないようにするのが好ましい。
さらに、運転の停止は、所定の処理が終了した終了停止および所定の処理が終了しない段階の異常停止の両者を含むものとしている。
また、制御部は、装置の運転停止後、処理槽内の圧力が大気圧をはさんだ所定の範囲内になったときに、扉開制御を開始できる状態にする制御を行ってもよい。さらに、制御部は、装置の運転停止後、処理槽内の圧力が大気圧をはさんだ所定の範囲内になり、かつ処理槽内の温度が所定温度以下または所定温度未満となったときに、扉開制御を開始できる状態にする制御を行ってもよい。
また、制御部は、密閉扉の開くためのスイッチがオンになった場合で、かつ処理槽内の圧力をXとし、所定圧力を8〜10kPaGとしたとき、大気圧≦Xまたは大気圧<Xのときで、かつX≦大気圧+所定圧力またはX<大気圧+所定圧力、の条件を満足した場合は、扉開制御を開始し、スイッチがオンになった場合で、かつ処理槽内の圧力Xが大気圧以下または大気圧未満の条件を満足した場合には、復圧手段を動作させた後、または動作させないで、密閉扉の開操作を可能とする制御を行うようにするのが好ましい。
また、本発明の圧力容器の扉開制御方法は、処理槽内を大気圧を超えた高圧または大気圧を下回る低圧にして所定の処理を行う圧力容器の扉開制御方法において、装置の運転停止がされた後に、処理槽内が所定圧力まで減圧されたかまたは所定時間、減圧動作が行われたかのいずれか一方が満足されるまで、減圧を行う減圧ステップと、減圧ステップの後に、処理槽内を大気圧状態に戻す復圧ステップと、復圧ステップの後に、処理槽内の圧力が大気圧状態である否かを判断する大気圧判断ステップと、大気圧判断ステップにおいて、大気圧状態と判断されたとき、処理槽を密閉している密閉扉の開操作を許可するまたは開操作を実行する許可・実行ステップと、を有するものとしている。
さらに、減圧ステップの前に、装置の運転停止を検知する停止検知ステップと、この検知停止ステップにて運転停止を検知した後、処理槽内の圧力が大気圧をはさんだ所定の範囲内になるまで待機する待機ステップと、待機ステップによって、所定の範囲内に処理槽内の圧力が納まったときに密閉扉を開くためのスイッチがオンにされたか否かを検出するオン判定ステップとを設け、このオン判定ステップでオンが判定され、かつ処理槽内の圧力をXとし、所定圧力を8〜10kPaGとしたき、大気圧≦Xまたは大気圧<Xのときで、かつX≦大気圧+所定圧力またはX<大気圧+所定圧力のときに、減圧ステップを行うようにするのが好ましい。
本発明によれば、複雑な機構を新たに設けることなく、扉を安全に開くことができる圧力容器および圧力容器の扉開制御方法を得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る圧力容器となる蒸気滅菌器の概略構成図である。 図2は、図1に示す蒸気滅菌器の密閉扉とその近傍部分を上方から見た要部断面図である。 図3は、図1に示す蒸気滅菌器による滅菌処理の各工程を説明するための図である。 図4は、図1に示す蒸気滅菌器が終了停止した場合の第1の扉開制御フローを示す図である。 図5は、図1に示す蒸気滅菌器の内部空間の圧力が、所定の経過時間以内に大気圧未満になる場合の状態を示す図で、横軸に時間、縦軸に圧力を取り、圧力が時間の経過とともにどのように変化するかを示す図である。 図6は、図1に示す蒸気滅菌器の内部空間の圧力が、所定の経過時間以内に大気圧まで下がらない場合の状態を示す図で、横軸に時間、縦軸に圧力を取り、圧力が時間の経過とともにどのように変化するかを示す図である。 図7は、図1に示す蒸気滅菌器が終了停止した場合の第2の扉開制御フローを示す図である。 図8は、図4および図7に示す各フロー中、ステップS2とS3、およびステップS12とS13の各間に入る工程の第1の例を示す図である。 図9は、図4および図7に示す各フロー中、ステップS2とS3、およびステップS12とS13の各間に入る工程の第2の例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る圧力容器および圧力容器の扉開制御方法について、図を参照しながら説明する。なお、以下では圧力容器として蒸気滅菌器を例にして説明するが、他の種類の圧力容器にも以下の扉開制御を適用することができる。
(蒸気滅菌器の概要構成と主な構成要素)
図1は、圧力容器となる蒸気滅菌器1の概略構成図で、各部材をつなぐ管路を線として表わした図である。図2は、蒸気滅菌器1を上方から見た要部断面図である。この蒸気滅菌器1は、図1および図2に示すように、被処理物を入れる直方体状の処理槽2と、この処理槽2の開口部を閉じる密閉扉3と、処理槽2の内部の圧力を減圧させる減圧手段としての真空ポンプ4と、処理槽2の圧力を復圧させる復圧手段としての無菌空気弁5と、密閉扉3の開操作を制御する制御部6とを有する。なお、制御部6は、CPU(Central Processing Unit)などからなる電子回路で構成されている。
蒸気滅菌器1は、処理槽2の内部空間11に被処理物となる医療用具等を入れ、蒸気を用いてその医療用具等を滅菌するものである。この蒸気滅菌器1は、空気排除工程、滅菌工程および乾燥工程の各工程を備える(詳細は後述)。処理槽2は、シャッター式の密閉扉3が上方から下方に降りてきて、開口部を塞ぐことで、閉じられる。
(蒸気滅菌器の他の構成要素とその動作)
蒸気滅菌器1は、上述した主な構成要素に加え、次のような構成要素を有している。まず、処理槽2は二重缶状に形成されており、上述した内部空間11と、その内部区間11を囲むジャケット12を有する構造とされている。
内部空間11へは蒸気が供給されたり無菌空気が供給されたりする。内部空間11への蒸気の供給(以下、「給蒸」という。)は、図1に示すように、給蒸を遮断可能とする給蒸遮断弁22、給蒸時の圧力を減圧可能とする減圧弁23および内部空間11への給蒸を制御する内缶給蒸弁24を通じて行なわれる。内部空間11への無菌空気の供給は、図1に示すように、無菌空気フィルタ27、無菌空気の供給を制御すると共に復圧手段ともなる無菌空気弁5および第1の逆止弁28を通じて行なわれる。
ジャケット12には、蒸気が供給され処理槽2を外側から加熱する。ジャケット12への給蒸は、給蒸遮断弁22、減圧弁23およびジャケット12への給蒸を制御する外缶給蒸弁29を通じて行なわれる。
ここで無菌空気弁5、給蒸遮断弁22、減圧弁23、内缶給蒸弁24および外缶給蒸弁29は、制御部6の制御を受けて、その開き具合や閉じ具合が変化する。また、第1の逆止弁28は、内部空間11側への無菌空気の通過のみを許し、逆方向への流れを阻止する。なお、図1に示す各逆止弁に付与した実線矢印は、蒸気などの流れ方向を示す。また、図1に示す点線矢印のうち、各部材から発している矢印(制御部6のものを除く)は制御部6への通知または送信を示し、各部材に向いている矢印(制御部6のものを除く)はその部材が制御部6の制御を受けていることを示す。
また、給蒸元から給蒸遮断弁22との間の管路には、給蒸される蒸気の圧力を計測する元蒸気圧力計31と、蒸気の圧力確認するための元蒸気確認圧力スイッチ32が接続されている。また、内缶給蒸弁24と内部空間11とをつなぐ管路には、内缶用安全弁33が接続され、外缶給蒸弁29とジャケット12とをつなぐ管路には、外缶用安全弁34が接続されている。
さらに減圧弁23と、内缶給蒸弁24および外缶給蒸弁29との間の管路には、圧力計35が接続されている。この圧力計35に表示される圧力値に基づいて、手動にて減圧弁23を調整する。
内部空間11からの排気、排水は以下の管路(ルート)で行なわれる。排気は、2つのルートで行なわれる。第1は、大気圧以上の圧力下の気体を排出するラインで、内部空間11が大気圧以上のときに開く内缶排気弁41、第2の逆止弁42および第3の逆止弁43からなるルートである。第2は、大気圧以下の圧力の気体を排出するラインで、真空状態を調整する真空弁44、第4の逆止弁45、減圧手段としての真空ポンプ4および第5の逆止弁46からなるルートである。内部空間で発生する蒸気凝縮水(ドレン)は、内缶スチームトラップ48および第6の逆止弁49を通じて排出される。このスチームトラップが構成されているラインは、内部空間11が大気圧以上において、内部空間11内に発生するであるドレンを排出するラインである。
ジャケット12からの排気と排水は、外缶スチームトラップ52および第7の逆止弁53を通じて行なわれる。なお、排気と排水のための共通管路には、給蒸遮断弁22の上流側にまで流入するドレンを排出するためのトラップ用の排水ラインが接続されるようにしてもよい。
図1に示すように、内部空間11から導出される管路であって内部空間11と各管路の分岐位置との間には、内部空間11の温度を計測するための第1の温度センサ61が配置されている。また、ジャケット12から導出される管路であってジャケット12と各管路の分岐位置との間には、ジャケット12の温度を計測するための第2の温度センサ62が配置されている。なお、温度センサとしては、熱電対、白金測温抵抗体、サーミスタなどが採用される。
内部空間11と第1の温度センサ61との間の管路には、計測用の分岐管路65が接続されている。この分岐管路65には、内部空間11の圧力を検知し制御部6へ通知する内缶圧力センサ66のための管路と、内部空間11の圧力を測定し表示する内缶圧力計67のための管路と、内部空間11の圧力が一定値以下(この実施の形態では、10kPaG以下)となったか否かを検出し、一定値以下となったときにその旨を制御部6へ伝える内缶ゼロ圧力スイッチ68のための管路と、内部空間11の圧力が所定値以上または所定値を超えたか否かを検出し所定値以上または所定値を超えた場合にその旨を制御部6へ伝え、給蒸を遮断する内缶ハイカット圧力スイッチ69のための管路がそれぞれ接続されている。なお、分岐管路65ではなく、内部空間11につながる別の管路を設けるようにしてもよい。
ジャケット12には、計測用の管路71が接続されている。この管路71には、ジャケット12の圧力を測定する外缶圧力計72のための管路と、ジャケット12の圧力が所定値以上または所定値を超えたか否かを検出し、所定値以上または所定値を超えた場合にその旨を制御部6へ伝え、給蒸を遮断する外缶ハイカット圧力スイッチ73のための管路がそれぞれ接続されている。
真空ポンプ4には、給水のための管路が接続されている。給水は、真空ポンプ給水弁76および流量調整弁77を介して、真空ポンプ4に供給される。
(密閉扉により処理槽を開閉する構造について)
密閉扉3は、上述したように、上方から下方にシャッター式に下降させることで処理槽2の開口部を塞ぐものとされている。また密閉扉3を開けるときは密閉扉3を上方に上げることとなる。この密閉扉3の上下のスライドはドア開スイッチ(図示省略)とドア閉スイッチ(図示省略)を押すことで実行される。密閉扉3が閉じているときに、ドア開スイッチを押す(オンする)と、制御部6は後述する所定の処理をした直後、密閉扉3を開く。
図2に示すように、処理槽2の前面側の開口部を囲む開口囲み部81には、開口部を囲むように設けられた環状の溝82が設けられている。そして、この環状の溝82には、環状のパッキン83が収納されている。処理槽2の前面両側方には、密閉扉3の上下動を案内するガイドレール84が、上下方向に各1本設置されている。このガイドレール84,84は、溶接にて開口囲み部81に固定されている。
環状のパッキン83は、溝82の底側に凹部86を有し、この凹部86を有する底側に圧縮空気を入れることで、図2の上方(=密閉扉3の側に向かう方向)に移動するフローティングパッキンである。圧縮空気は、開口囲み部81を通る通路87を通じて、コンプレッサ等の圧縮手段から溝82の底側に送られる。そして、圧縮空気は溝82の底面からパッキン83の底面側に噴出し、凹部86へ入り込む。これにより、パッキン83を密閉扉3に押しつけて確実なシールを行うことができる。密閉扉3を開くときは、まず、圧縮空気の供給を遮断したのち、真空ポンプ4を作動させて、パッキン83の底面側と溝82の内面とに挟まれる空間を減圧することによって、パッキン83を溝82の内部に収納することで、密閉を解除する。その後、密閉扉3は、図2に示されるガイドレール84,84の内側を上方にスライドし、開口部を開けることとなる。
なお、内部空間11は、図2に示すように、内胴91によって上下左右が囲まれ、前後が密閉扉3と後方壁(図示省略)によって囲まれる空間となっている。また、ジャケット12は、内胴91と、その内胴91の外側に配置される外胴92で囲まれる空間となっている。ジャケット12は、処理槽2の上下左右の4面に形成されている。なお、前方に密閉扉3が形成され、後方壁に、もう1つの密閉扉が形成される両扉方式の蒸気滅菌器としてもよい。
(滅菌処理について)
図3は、蒸気滅菌器1による滅菌処理の工程例を示す図で、横軸に時間を取り、縦軸に処理槽2の内部の圧力を示した図である。この図3を参照しながら滅菌処理について説明する。なお、滅菌処理の際、乾燥工程(詳細は後述)を行わないようにしたり、後述する予熱工程を行わないようにしたりすることができる。また、図3で縦軸の「0」は、蒸気滅菌器1が置かれている環境下の大気圧を指す。また、説明に当たっては、各弁などの部材のうち本発明と関連する主な部材の動作のみを説明し、詳細な説明は省略することとする。
まず、制御部6は、電源ONされると、それを検知し、外缶給蒸弁29を開け、ジャケット12へ給蒸し、ジャケット12を選定された滅菌温度と等しい温度まで上昇させる。このとき、制御部6は、第2の温度センサ62の検出温度(または図示しない外缶圧力センサの検出圧力)によって、所要温度(または所要圧力)になるように、外缶給蒸弁29を開閉する制御を行い、所定温度(圧力)に保持する。ジャケット12が所定温度(圧力)に到達したら、次に、医療用具等の被処理物となる被滅菌物を処理槽2内へ収納する。そして、ドア閉スイッチ(図示省略)を押し、密閉扉3を下降させ、密閉扉3を閉じる。この状態で、スタートスイッチ(図示省略)が操作されると、制御部6は、設定された工程に従って運転を開始する。なお、予熱工程が設定されている場合は、その設定時間の間は、蒸気滅菌器1の外観上の動きは全くない。予熱工程は、ジャケット12からの熱を、輻射および処理槽2内の空気の対流によって、被滅菌物に伝え、被滅菌物を暖める工程であり、設定時間、継続される。ジャケット12への給蒸は、その後の工程である前処理工程(空気排除工程)、滅菌工程および乾燥工程などにおいても、継続して実施される。このようにして、ジャケット12は、蒸気滅菌器1の電源スイッチが投入されている状態の間、制御部6によって、所要の滅菌温度と同じ温度に維持される。なお、滅菌を行う温度を作業者が変更すれば、ジャケット12の温度(圧力)も変更され、制御部6は、その変更された温度(圧力)を維持する制御を行う。
次に、予熱工程の設定時間が経過すると、または予熱工程の設定が無い運転の場合のスタートスイッチ(図示省略)が操作された後は、制御部6の制御によって、蒸気滅菌器1は前処理工程(空気排除工程)Mを行う。この前処理工程Mは、大気圧以下とする第1空気排出工程M1と、その後の第2空気排出工程M2に分かれる。第1空気排出工程M1では、制御部6は、まず真空弁44を開くと共に真空ポンプ4を稼動させて、処理槽2の内部空間11の圧力を−92kPaGまで減圧させる制御を行う。内缶圧力センサ66が−92kPaGを検出すると、制御部6は、真空弁44を閉じると共に、真空ポンプ4を停止させる。次に、制御部6は、内缶給蒸弁24を開き、内部空間11へ給蒸し、処理槽2の内部空間11の圧力を略大気圧まで復圧する制御を行う。この減圧(真空引き)と復圧(給蒸)からなる第1排気操作を2回繰り返す。なお、この第1排気操作の回数は、稼働前に、制御部6に対して設定されるものであり、1回でもよく、また3回以上としてもよい。
第1空気排出工程M1での減圧の下限値は、被処理物の種類や被処理物の収納容器の形状、熱容量および熱伝導性等を考慮して制御部6に対して設定される。制御部6は、内缶圧力センサ66に下限値を設定する。そして、大気圧に戻ったか否かや設定された下限値に達したか否かは、内缶圧力センサ66によって検出される。なお、減圧の下限値は−95〜−90kPaGの範囲に設定され、復圧時の上限値は、−0.5〜+0.0kPaGの範囲に設定される。
第1空気排出工程M1に続いて、制御部6によって制御される蒸気滅菌器1は、第2空気排出工程M2を実施する。第2空気排出工程M2では、まず、制御部6は、内缶排気弁41を閉じると共に内缶給蒸弁24を開き、内部空間11へ給蒸すると共に高圧とする制御を行う。この実施の形態では、約200kPaGになるまで給蒸する。その後、制御部6は、内缶給蒸弁24を閉じると共に内缶排気弁41を開く制御を行う。これにより、処理槽2内の蒸気を排出すると共に内部空間11の圧力を略大気圧まで戻す。この給蒸と蒸気排出からなる第2排気操作を2回繰り返す。なお、この第2排気操作の回数も、稼働前に、制御部6に対して設定されるものであり、被処理物の状況等により、0回や1回にしたり、3回以上としたりしてもよい。
この第2空気排出工程M2における圧力の上限値は、100kPaGから滅菌温度に相当する飽和蒸気圧力を超えない圧力の範囲とするのが好ましい。一方、下限値は+0.0〜20kPaGの範囲に設定するのが好ましい。この上限値と下限値も、制御部6に対して設定され、制御部6は、設定された圧力範囲内になるよう内缶圧力センサ66の検出圧力に基づいて、内缶給蒸弁24および内缶排気弁41を制御する。
以上のような前処理工程Mが終了すると、次に、蒸気滅菌器1は給蒸工程K1と滅菌工程K2とを連続して実施する。なお、給蒸工程K1と滅菌工程K2の両者を合わせて滅菌工程Kと呼んでもよい。
給蒸工程K1では、制御部6は、内缶排気弁41を閉じると共に、内缶給蒸弁24を開き、内部空間11へ給蒸し、処理槽2の内部空間11を蒸気で満たす制御を行う。内部空間11の内部圧力が211.7kPaGとなったことを内缶圧力センサ66が検出したら、制御部6は給蒸を少なくし、滅菌工程K2へ移行する。滅菌工程K2では、制御部6は、内部空間11の圧力を211.7KPaGに維持する。この211.7KPaGの維持は、実際は、上下一定幅の範囲で行われる。
内部空間11内の圧力は、滅菌温度135℃に対応する飽和蒸気圧力である211.7kPaGに維持される。なお、この滅菌温度は、被滅菌物の耐熱性や所要の滅菌条件に応じて115〜135℃の範囲で選択が可能となっている。この設定は、操作画面(図示省略)で作業者が操作することによって行われ、その設定値は、制御部6に記憶される。
滅菌工程K2が終了すると、次に排蒸工程N1へ移行する。排蒸工程N1では、蒸気滅菌器1の制御部6は、内缶給蒸弁24を完全に閉じると共に、内缶排気弁41を開き、内部空間11の圧力を略大気圧にする。続いて、蒸気滅菌器1は、乾燥工程N2を実施する。乾燥工程N2では、制御部6は、内缶排気弁41を閉じると共に真空弁44を開き、真空ポンプ4を稼動する制御を行う。この真空ポンプ4の駆動によって、内部空間11は、−92kPaGまで減圧される。
制御部6は、−92kPaGの減圧状態を維持する制御を行い、所定時間経過後に、真空ポンプ4を停止すると共に、真空弁44を閉じ、無菌空気弁5を開く制御を行う。無菌空気弁5が開かれると、無菌空気が内部空間11へ流入する。内部空間11が略大気圧まで復圧すると、制御部6は、無菌空気弁5を閉じると共に真空弁44を開き、真空ポンプ4を稼動する制御を行う。蒸気滅菌器1は、制御部6の制御によって、この真空引きと無菌空気導入からなる乾燥操作を設定された時間の間、繰り返し行う。
この乾燥工程N2の終了後、密閉扉3を開き、滅菌処理をした被処理物を搬出する。以上が滅菌処理の流れである。なお、乾燥工程N2を省略する処理を正常処理として行う場合がある。各工程の省略や追加、時間設定などは、蒸気滅菌器1を動作させる前に、作業者が制御部6に対して設定できる。
(第1の扉開制御フローについて)
蒸気滅菌器1が停止すると、制御部6は、以下のような扉開制御を行う。この扉開制御について図4、図5および図6を参照しながら説明する。なお、図5と図6は、内部空間11内が加圧状態で蒸気滅菌器1が終了停止した例である。たとえば、乾燥工程N2が無い滅菌処理を設定した場合にこのような停止が生ずることがある。停止には、この終了停止と異常停止の2つがあるが、この扉開制御は、終了停止と異常停止の両者に適用される。終了停止とは、制御部6に対して設定された各工程を設定通り、実行して停止するものである。一方、異常停止には、装置の故障の場合、作業者が処理途中で停止させる場合、停電などによって停止する場合が存在する。
まず、制御部6は、装置すなわち、蒸気滅菌器1が停止状態となっているかを常時確認している(ステップS1)。このステップS1は、装置の運転停止を検知する停止検知ステップとなる。なお、制御部6は、各部材の動作をチェックしており、その動作が異常なときは滅菌処理の動作を停止する。このため制御部6は、装置の停止を自身の制御により判断することもある。ステップS1でYes、すなわち装置が停止したことを検出したら、制御部6は、缶内圧力、すなわち内部空間11の圧力が大気圧をはさんだ所定の範囲にあるか否かをステップS2によって判定する。この実施の形態では、下限値P1を−5kPaGとし、上限値P2を10kPaGとし、所定の範囲としては、−5〜10kPaGとしている。なお、ステップS1とS2との間は、待機ステップとなる。
たとえば、蒸気滅菌器1が図5に示すように、10kPaGを超える圧力下で停止したら(図5の矢示A)、制御部6は、まず、内缶排気弁41を開き、内部空間11の圧力を大気圧状態となるように下げる。なお、内部空間11の圧力が20kPaG以下となると、制御部6は、無菌空気弁5も開く。内缶排気弁41と無菌空気弁5は、停電時にオープン(開)となるように通電時閉バルブとなっているため、停電時にも内部空間11の圧力は徐々に下がっていき、停電が長引くと大気圧に戻る。停電が生ずると、密閉扉3はロックされ、開くことはない。停電から復帰したら、蒸気滅菌器1は、停電前に滅菌工程K2まで完了していれば、大気圧を判定する工程(=ステップS2や後述するステップS12)に移行し、終了停止する。一方、停電前に滅菌工程K2が完了していなければ、蒸気滅菌器1は、停電から復帰したら異常停止する。また、こうした停電時に内缶排気弁41が仮に開かない状態となったとしても、処理槽2内に蒸気が導入されている場合、放熱によって凝縮が起こり、圧力は徐々に低下する。なお、ジャケット12も給蒸が遮断されるため、放熱によって徐々に圧力が低下する。
その後、内部空間11の圧力が、−5〜10kPaGの範囲内になったら(図5の矢示B、ステップS2でYes)、制御部6は、ドア開スイッチ(図示省略)をオンできる状態になったことを表示する。この表示は、ドア開スイッチまたはその近傍を点灯させることで行うが、蒸気滅菌器1に設けた表示部に表示したり、アラームで表示したりしてもよい。なお、制御部6に上る、圧力が所定の範囲内になったか否かの判断は、内缶圧力センサ66と内缶ゼロ圧力スイッチ68とを利用して行っている。
作業者がドア開スイッチをオンすると、制御部6は、そのオンを検知する(ステップS3)。このステップS3は、密閉扉3を開くためのスイッチがオンにされたか否かを検出するオン判定ステップとなる。続いて、制御部6は、内部空間11の圧力が、大気圧(0kPaG)から10kPaGの範囲内にあるか否かの判定を行う(ステップS4)。この判定も内缶圧力センサ66と内缶ゼロ圧力スイッチ68を利用して行う。内部空間11の圧力が0〜10kPaGの範囲であったら(ステップS4のYes)、内缶排気弁41を閉止し、減圧手段としての真空ポンプ4をオンする(ステップS5)。このステップS5は、減圧ステップとなる。
制御部6は、真空弁44を開き真空ポンプ4を駆動することで、内部空間11を減圧する。そして、制御部6は、内部空間11の圧力が大気圧(0kPaG)未満となるか、または真空ポンプ4の駆動開始後t1時間(第1経過時間)を経過したかのいずれか一方が満足したかどうかを判定する(ステップS6)。大気圧未満か否かの判断は、内缶圧力センサ66の値を利用して制御部6が行っている。なお、内缶ゼロ圧力スイッチ68の値は、内部空間11の圧力が一定値以下(この実施の形態では−0.03〜0.2kPaG以下)であるかの判定に利用されている。また、第1経過時間t1は、この実施の形態では7秒としている。
第1経過時間t1が経過する前に、内部空間11の圧力が大気圧以下となると(図5の矢示C、ステップS6でYes)、制御部6は、真空ポンプ4をオフし(ステップS7)、復圧手段としての無菌空気弁5を開く(ステップS8)。また、第1経過時間t1が経過しても大気圧未満とならなかったときには、制御部6は、第1経過時間t1が経過したことを検知したとき(ステップS6でYes、図6の矢示D)、真空ポンプ4をオフし(ステップS7)、復圧手段としての内缶排気弁41および無菌空気弁5を開く(ステップS8)。この図6に示す状態のとき、復圧手段は内部空間11をさらに減圧し大気圧状態とするように働く。なお、ステップS8は、復圧ステップとなる。この復圧ステップS8で動作する復圧手段は、内部空間11の圧力が大気圧未満のときは圧力を上げるように働き、内部空間11の圧力が大気圧を超えているときは、圧力を下げるように働く。このように、復圧手段は、いずれの場合も内部空間11の圧力を大気圧状態とする手段となるものである。
復圧手段がオンとなったとき、制御部6は、内部空間11の圧力が−5kPaG以上でt2時間(第2経過時間)を経過したか否かを判定する(ステップS9)。このステップS9は、処理槽2内の圧力が大気圧状態である否かを判断する大気圧判断ステップとなる。ステップS9でYes、すなわち、内部空間11が−5kPaG以上でt2時間を経過したら、内部空間11は、限りなく大気圧(0kPaG)に近づいている状態(=大気圧状態)と判断され、制御部6は、密閉扉3の開操作を許可する(ステップS10)。
この実施の形態では、第2経過時間t2を7秒としている、また、ステップS9での圧力の上限値は設定されていないが、内缶排気弁41および無菌空気弁5が開かれているため、上限値は、蒸気滅菌器1が置かれている環境下の大気圧となる。また、ステップS10で密閉扉3の開操作の許可としては、制御部6内で扉開動作可能フラグを立てたり、蒸気滅菌器1に設けられる表示部に開操作OKの表示をしたり、アラームなどで表示をしたりなどを採用することができる。また、開操作の許可ではなく、自動的に密閉扉3を開ける制御を制御部6が行うようにしてもよい。なお、このステップS10は、処理槽2を密閉している密閉扉3の開操作を許可するまたは開操作を実行する許可・実行ステップとなる。
なお、ステップS4でNoと判定されたとき、すなわち、内部空間11の圧力が−5kPaG以上大気圧未満の場合、図5に示す矢示Cの状態にあることとなり、減圧はせず、ステップS8に移行する。また、ステップS4でNoの場合、真空ポンプ4を駆動させないこととなるので、ステップS8へ移行せず、ステップS10へ移行してもよい。しかし、内部空間11に蒸気が入っている場合もあることから、ステップS8へ移行した方が好ましい。すなわち内部空間11は大気圧未満であっても蒸気が入っていると、密閉扉3をすぐに開くと蒸気が室内に立ち入る問題が生ずるため、ステップS10への移行よりはステップS8への移行の方が好ましい。ステップS10の終了後、作業者は密閉扉3を開き、または、自動的に密閉扉3が開き、被処理物を搬出することとなる。以上の各工程が、制御部6が行う扉開制御である。
(第2の扉開制御フローについて)
次に、第2の扉開制御フローについて、図7ならびに図5および図6を参照して説明する。この第2の扉開操作フローは、第1の扉開制御フローと同様、終了停止と異常停止の両者に適用される。説明に当たっては、内部空間11の状態が加圧状態のときに、蒸気滅菌器1が停止する場合を例として説明する。
制御部6は、蒸気滅菌器1が停止状態になっているか否かを常時監視している(ステップS11)。このステップS11は先のステップS1と同じである。制御部6は、蒸気滅菌器1が停止したことを検出したら、内部空間の圧力が大気圧をはさんだ所定の範囲内にあり、かつ缶内温度、すなわち内部空間11の温度が所定温度T1以下であるか否かをステップS12によって判定する。この実施形態では、所定の範囲としては−5〜10kPaGとし、所定温度T1としては105℃を採用している。
たとえば、蒸気滅菌器1が排蒸工程N1で加圧側から大気圧へ圧力が下がる方向で、かつ図5に示すように10kPaGを超える圧力で停止したら(図5の矢示A)、制御部6は、まず、内缶排気弁41と無菌空気弁5を開き、内部空間11の圧力を大気圧状態とするように徐々に下げる。
その後、内部空間11の圧力が−5〜10kPaGの範囲内になり、かつ内部空間11の温度が105℃以下になったら(図5の矢示B、ステップS12で、Yes)、制御部6は、ドア開スイッチ(図示省略)をオンできる状態になったことを表示する。この表示は、ステップS2後の表示と同様である。なお制御部6による、圧力が所定の範囲となったか否かの判断は、内缶圧力センサ66と内缶ゼロ圧力スイッチ68とを利用して行っている。また、内部空間11の温度検出は、第1の温度センサ61で行っている。
作業者がドア開スイッチをオンすると、制御部6は、そのオンを検知する(ステップS13)。続いて制御部6は、内部空間11の圧力が大気圧(0kPaG)から10kPaGの範囲内にあるか否かの判定を行う(ステップS14)。このステップS14は、先のステップS4と同じである。内部空間11の圧力が0〜10kPaGの範囲であったら(ステップS14のYes)、内缶排気弁41を閉止し、減圧手段としての真空ポンプ4をオンする(ステップS15)。
真空弁44を開き、真空ポンプ4を駆動することで、内部空間11の圧力は急激に減少する。そして制御部6は、内部空間11の圧力が大気圧(0kPaG)未満となったかと、真空ポンプ4の駆動開始後t1時間を(第1経過時間)を経過したかのいずれか一方が満足したかどうかを判定する(ステップS16)。制御部6が、このステップS16で行う制御は、先のステップS6と同じである。なお、第1経過時間t1はこの実施の形態でも7秒としている。
第1経過時間t1が経過する前に、内部空間11の圧力が大気圧以下となると(図5の矢示C、ステップS16でYes)、制御部6は、真空ポンプ4をオフし(ステップS17)、復圧手段としての無菌空気弁5を開く(ステップS18)。また、第1経過時間t1が経過しても大気圧未満とならない場合には、制御部6は、第1経過時間t1が経過したことを検知したとき(ステップS16でYes、図6で矢示D)、真空ポンプ4をオフし(ステップS17)、復圧手段としての内缶排気弁41および無菌空気弁5を開く(ステップS18)。このステップS16、S17、S18における制御部6の制御は、ステップS6、S7、S8と同じ制御となる。なお、内缶排気弁41および無菌空気弁5が開いているため、内部空間11の圧力は、大気圧(0kPaG)より10kPaG以上高い圧力となることはない。
この後のステップS19、S20やステップS14からステップS18への移行またはステップS20への移行については、第1の扉開制御フローの場合と同様であり、制御部6は、同様の制御を行う。なお、蒸気滅菌器1は、ステップS18で復圧後、制御部6がP1≦P、すなわち内部空間11の圧力Pが所定のマイナス圧力、たとえば−5kPaGを確認すると、パッキン83の引き込み動作を行う。このため、密閉扉3の内面とパッキン83による密閉が解除される。この結果、内部空間11は10kPaG以上となることはなく、またステップS20以後の操作がやりやすくなる。パッキン83のこの動きは、第1の開制御フローのときも同様となる。
(他の扉開制御について)
第1の扉開制御フローと第2の扉開制御フローの説明に当たって、図5、図6を利用している。この図5、図6は、加圧側から大気圧へ圧力が下がる方向で終了停止(正常終了)した場合を示している。しかし、蒸気滅菌器1が加圧側から大気圧へ圧力が下がる方向では無いときに終了停止したり、また蒸気滅菌器1が異常停止したりする場合にも、図5、図6を利用して説明することができる。
乾燥工程N2の正常終了時点または前処理工程Mの途中で、仮に、内部空間11の圧力が0kPaG(大気圧)を超え、さらに10kPaGを超えて停止したら、ステップS1からの制御やステップS11からの制御を開始する。また、乾燥工程N2の正常終了または異常停止の際、蒸気滅菌器1が0kPaGを超え、10kPaG以下で停止した(図5、図6の矢示B)ときは、ステップS1、S2からステップS3にただちに移行し、またはステップS11、S12からステップ13にただちに移行していくことになる。蒸気滅菌器1が−5kPaG以上0kPaG以下で正常終了(終了停止)や異常停止したときも同様にステップS3や、ステップS13へただちに進むことになる。また、内部空間11の圧力が−5kPaG未満で、蒸気滅菌器1が停止した場合、ステップS2またはステップS12の条件が満足されるまで待って、その後のステップS3以降やステップS13以降のステップを行うこととなる。このように、加圧側から大気圧へ圧力が下がる方向では無いときの終了停止(正常終了)の場合や異常停止の場合においても、第1、第2の扉開制御フローを適用することができる。
(蒸気滅菌器1や各扉開制御方法が有する効果)
蒸気滅菌器1や各扉開制御方法は、以下のような効果を有する、すなわち、上述した扉開制御方法を実行する蒸気滅菌器1は、扉を開く作業者が傷ついたり、もしくは、やけどを負ったり、または室内に蒸気が入り込むなどの危険を防止できるものとなる。なぜなら、蒸気滅菌器1は、大気圧近傍を判定して、初めて密閉扉3を開く操作ができるようになっているためである(ステップS1、S2、S3、ステップS11、S12、S13)。なお、このときの大気圧近傍の判断は、内缶圧力センサ66と内缶ゼロ圧力スイッチ68によって判定している。
上述した扉開制御方法を実行する蒸気滅菌器1は、ステップS4以降やステップS14以降の処理を行うことで、さらに、安全性を高めている。もし、内缶圧力センサ66や内缶ゼロ圧力スイッチ68が故障やズレによって大気圧よりも高い圧力にも関わらず大気圧近傍と判定したら、密閉扉3を開く動作をした途端に、内圧によって密閉扉3が激しく開いてしまう。この結果、作業者は大怪我をする危険性が生じる。このように、物理的判断には限界があるため、上述した扉開制御では、その後に真空ポンプ4を動作させ、内部空間11を減圧方向に向かわせ(ステップS5、ステップS15)、さらに、復圧手段としての無菌空気弁5をON(開く)する(ステップS8、ステップS18)ことで、安全性を高い状態で担保している。
また、ドア開スイッチがオン(ステップS3、S13)にならないと密閉扉3は開かないようになっているので、次のような効果が生じる。すなわち、滅菌処理完了後の動作として、すぐに密閉扉3を開ける必要がない場合は密閉扉3を閉じた状態のままにして被処理物を無菌的に保管できる効果がある。制御部6は、ドア開スイッチを作業者がオンとしない限り、密閉扉3を閉めたままとしている。作業者は、密閉扉3を開く必要が生じたときに、ドア開スイッチをオンする(押す)。なお、このドア開ススイッチをオンする工程(ステップS3、ステップS13)を省略してもよい。
ドア開スイッチがオン可能となるということは、正常終了の場合は、(イ)滅菌処理が完了し、(ロ)内部圧力が大気圧近傍にあること、または内部圧力が大気圧近傍で内部温度が所定温度以下になっていること、を示す。異常終了の場合は、上述の(イ)と(ロ)を併せ持つ状態ではなく、(ロ)の状態になっていることを示す。これらの状態で、ステップS4、ステップS14へ移行し、上述した処理を行うことで、制御部6は、密閉扉3の開操作の許可をし、または密閉扉3の自動開動作を実行させる(ステップS10、ステップS20)。このような過程を含むことで、正常終了の場合も異常停止の場合も、共に安全に密閉扉3を開けることができる。
上述した扉開制御方法を実行する蒸気滅菌器1では、減圧時(ステップS6、ステップS16)には気圧と第1経過時間t1との「OR」条件とし、復圧時(ステップS9、ステップS19)には、気圧と第2経過時間t2の「AND」条件としている。これにより、蒸気滅菌器1は、処理の高速化と危険低減の両効果を得ている。すなわち、前者を「OR」条件とすることで、減圧が早く進めば早くステップが進み、処理の高速化を達成できる(図5の例を参照)。また、後者を「AND」条件とすることで、確実に大気圧に近づけることができ、安全性がより確保される。後者も「OR」条件とすると、−5kPaGより少し上の−4kPaGのようなときに密閉扉3が開かれることが起こり得る。そのような場合、密閉が破壊された部分から外部の空気を大量に吸い込んでしまい、汚染物などが蒸気滅菌器1に大量に入り込む危険が生じ、またその給気時に音が発生する問題が生ずる。「AND」条件は、このような問題を減少させている。
また、図7に示すフローでは、缶内温度、すなわち内部空間11の温度Tを加味している。この温度Tの条件を加えることで、大気圧のずれのバックアップとして有効となる。すなわち、大気圧は、高地、台風などの強い低気圧の接近などによって変化する相対的なものである。これに対して、温度は絶対評価である。圧力の条件と温度Tの条件を「AND」条件とすることで、一層の安全確保が図られる。
(他の実施の形態について)
以上、本発明の実施の形態に係わる圧力容器としての蒸気滅菌器1および圧力容器の扉開制御方法について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更実施できる。たとえば、蒸気滅菌器1の内部空間11の圧力が大気圧より低い状態で運転が停止したとしても、その圧力が−10kPaGより小さい値であるときは、ステップS2またはステップS12の条件が満足されるまで待ち、かつ蒸気が流入していると制御部6が判断したときに、ステップS4〜S10、またはステップS14〜S20の制御を行うようにしてもよい。一方、蒸気が流入していないと制御部6が判断したときは、ステップS3からステップS8もしくはステップS10へ移行、または、ステップS13からステップS18もしくはステップS20へ移行させる制御を行うようにする。蒸気が流入している否かの判断は、たとえば停止した工程がどの段階の工程かを制御部6が判定することでなされる。
また、圧力容器としては、蒸気滅菌器1の他に、扉がメカロック式の蒸気滅菌器や扉が下方にスライドして開く蒸気滅菌器が含まれる。また、背景技術において説明したように、圧力容器としては各種の装置があり、それらの装置にも本発明を適用することができる。各種の圧力容器の中には、不活性ガスを使用するものがあるが、上述した制御方法は、蒸気の代わりに、または蒸気に加えて不活性ガスを使用するものにも適用できる。また、密閉扉3としては、上述したシャッター方式や下方にスライドさせて開くスライド式以外に、手前側に回転させて開く回転式など他の方式の扉としてもよい。また、密閉扉3の密閉方式も、圧縮空気とパッキン83を使用する方式以外に、ロックハンドルを使用してロックする方式、ソレノイドの励磁による方式など、他の密閉方式としてもよい。
また、ステップS2、ステップS12において、大気圧近傍として判定される圧力は、−5〜10kPaGとしているが、この値は種々変更してもよい。たとえば、上述の実施の形態では、ステップS2、ステップS12の気圧の下限値P1を−5kPaGとしているが、他の値、たとえば−7〜−3kPaGの範囲内の所定値としてもよい。この下限値P1は、より大気圧に近い0〜−1kPaGの範囲が妥当とも考えられるが、その値にすると、内缶圧力センサ66などの誤差などによって、密閉扉3が開かない問題が生ずることがある。このためやや広い範囲とするのが好ましい。一方、あまりにも低い圧力を下限値P1とすると、密閉が破壊された部分から内部空間11に空気が流入し、汚染の危険性が高まる。これらのため、下限値P1は−7〜−3kPaGの範囲が好ましい。
また、上述の実施の形態では、ステップS2、ステップS12の気圧の上限値P2、すなわち、大気圧にプラスする所定圧力を10kPaGとしているが、他の値、たとえば5〜20kPaGの範囲の所定値としてもよい。しかし、上述したように、10kPaGでも相当の圧力が密閉扉3に加わるので、所定圧力としては8〜10kPaGの範囲とするのが好ましい。また、10kPaGは大気圧判定としては高い圧力であるが、上限値P2を5kPaGとすると、仮に、滅菌処理を完了後、作業者が密閉扉3を開けずに放置すると、ジャケット空間12の熱によって内部空間11の空気が膨張して圧力が背圧分まで上昇し、上限値P2である5kPaGを超えてしまうことがある。この状態になると、ステップS2やステップS12の条件を満足しなくなり、密閉扉3を開く動作を行えなくなるという問題が生ずることがある。このリスクを低減するため、上限値P2は10kPaGとしている。
この問題へ対処する第1の方法として、図8に示すように、ステップS2とS3の間またはステップS12とS13の間に、ステップS31、S32、S33を入れる手段がある。ステップS31で、制御部6は、内部空間11の圧力が大気圧近傍を維持しているかを確認し、維持していれば(ステップS31でYes)、ステップS3やステップS13へ移行し、その後の処理を行う。もし、制御部6がステップS31でNoと判定したときは、制御部6は、内部空間11の圧力を検知し、減圧手段または復圧手段を動作させ(ステップS32)、ステップS33において、ステップS2またはステップS12と同様な判定を行う。
密閉扉3を開く動作を行えなくなるという問題への対処方法の第2の例としては、図9に示すように、ステップS2とS3の間またはステップS12とS13の間に、ステップS41、S42、S43を入れる手段がある。ステップS41で、制御部6は、ステップS2またはステップS12の条件が満足されてから所定時間t3が経過していないかの判定を行い、所定時間t3が経過していないのであれば(ステップS41でYes)、ステップS3やステップS13へ移行し、その後の処理を行う。もし、制御部6がステップS41でNoと判定したときは、制御部6は、内部空間11の圧力を検知し、ステップS42において、ステップS2またはステップS12と同様な判定を行う。この判定でNoの場合、制御部6は、減圧手段または復圧手段を動作させる(ステップS43)。
また、第1の経過時間t1と第2の経過時間t2を共に7秒としているが、他の値、たとえば6秒、8秒、10秒など6〜10秒の範囲内のいずれかの値としてもよい。なお、7秒という値は、−5kPaGから大気圧に復圧する際に、上述した給気による汚染、給気の音問題があり、しかも大気圧に近づくにつれて圧力上昇速度が低下して長い時間を要することから、それらを考慮して決定したものであり、6.5秒以上7.5秒以下が好ましいと判断される。
また、缶内温度、すなわち内部空間11の所定温度T1を105℃としているが、この値も他の値としてもよい。たとえば、100〜106℃の範囲のいずれかの値としてもよい。なお、この範囲を103〜105℃の範囲とするのが好ましい。また、所定温度T1を105℃としたのは、内部空間11の温度を設定する第1の温度センサ61の検出精度を考慮したためである。所定温度T1を103℃とすると、飽和蒸気圧力は11.3kPaGとなり、大気圧近傍か否かの判定条件である気圧の上限値P2の10kPaGに近い値になり、見かけ上は好ましいが、第1の温度センサ61の検出精度を考慮すると、105℃(飽和蒸気圧力としては19.5kPaG)がより好ましいものとなる。
また、復圧手段としては、バルブの一種である無菌空気弁5や、内缶排気弁41と無菌空気弁5の組合せを挙げ、無菌空気弁5を開くことで減圧した状態の内部空間11の圧力を上げ、内缶排気弁41と無菌空気弁5を開くことで大気圧を超えている圧力を大気圧状態に下げているが、それらの代わりに、通常の大気を導入する通常の弁としてもよい。一方、減圧手段としては、真空ポンプ4を示したが、各種の排気ポンプなどとしてもよい。
また、扉開操作の許可としては、圧力容器の扉がメカロック機構を備えているものの場合、その扉の操作禁止のためのロックを解除することなどが相当する。さらに、図4,図7、図8および図9の各フロー中では、ステップS2、S4、S9およびステップS12、S14、S19では判定の際に、以上や以下を意味する「≦」を使用しているが、代わりに、超えるや未満を意味する「<」をすべて使用したり、いずれかのステップについてのみ、「<」としたりしてもよい。また、ステップS6およびステップS16では、判定の際に「<」を使用しているが、「≦」を使用してもよい。
また、各フロー中では、減圧時(ステップS6、ステップS16)には気圧と第1経過時間t1との「OR」条件とし、復圧時(ステップS9、ステップS19)には、気圧と第2経過時間t2の「AND」条件としている。しかし、蒸気滅菌器1に要求される仕様によっては、共に「OR」条件としたり、共に「AND」条件としたり、前者を「AND」条件にし、後者を「OR」条件としたりしてもよい。さらには、減圧時(ステップS6、ステップS16)には気圧と第1経過時間t1のいずれかのみとしたり、復圧時(ステップS9、ステップS19)には、気圧と第2経過時間t2のいずれかのみとしたりしてもよい。また、ステップS6、ステップS16では、気圧と第1経過時間t1の両条件に加え、3つ以上の条件の「OR」条件としてもよく、ステップS9、ステップS19では、気圧と第2経過時間t2の両条件に加え、3つ以上の条件の「AND」条件としてもよい。
また、制御部6には、上述した扉開制御フローを実行するプログラムがインストールされているが、このプログラムは、蒸気滅菌器1の完成時にインストールしてもよいが、インターネットなどを利用してプログラムをダウンロードすることにより、インストールしてもよい。また、上述した扉開制御は、終了停止と異常停止の両者に適用されるが、いずれか一方のみに適用するようにしてもよい。
1 蒸気滅菌器(圧力容器)
2 処理槽
3 密閉扉
4 真空ポンプ(減圧手段)
5 無菌空気弁(復圧手段)
6 制御部
11 内部空間
12 ジャケット

Claims (9)

  1. 被処理物を入れる処理槽と、その処理槽を閉じる密閉扉とを有し、大気圧を超える圧力または大気圧を下回る圧力にて所定の処理を行う圧力容器において、
    上記処理槽内の圧力を減圧させる減圧手段と、
    上記処理槽内の圧力を復圧させる復圧手段と、
    上記密閉扉の開操作を制御する制御部と、
    を有し、
    上記制御部は、この装置の運転が停止した状態において、上記減圧手段を動作させ、上記処理槽内が所定圧力まで減圧した、または減圧手段が所定時間、動作した、のいずれか一方が満足したことを検出すると、上記復圧手段によって上記処理槽内を復圧させ、上記処理槽内を大気圧状態にしてから、上記密閉扉の開操作を可能にすることとなる扉開制御を行うこと、
    を特徴とする圧力容器。
  2. 請求項1記載の圧力容器において、
    前記制御部は、前記処理槽内の圧力が大気圧より高い状態で運転が停止した際は、前記処理槽内を大気圧以下まで減圧させた後、前記復圧手段によって復圧させる制御を行うことを特徴とする圧力容器。
  3. 請求項1記載の圧力容器において、
    前記制御部は、前記処理槽内の圧力が大気圧より低い状態で運転が停止した際は、前記処理槽内に蒸気または不活性ガスが流入していると判断される場合は、前記扉開制御を行い、前記処理槽内に蒸気または不活性ガスが流入していると判断されない場合は、前記扉開制御を行わないことを特徴とする圧力容器。
  4. 請求項1、2または3記載の圧力容器において、
    前記運転の停止は、前記所定の処理が終了した終了停止および前記所定の処理が終了しない段階の異常停止の両者を含むことを特徴とする圧力容器。
  5. 請求項1、2または3記載の圧力容器において、
    前記制御部は、装置の運転停止後、前記処理槽内の圧力が大気圧をはさんだて所定の範囲内になったときに、前記扉開制御を開始できる状態にする制御を行うことを特徴とする圧力容器。
  6. 請求項1、2または3記載の圧力容器において、
    前記制御部は、装置の運転停止後、前記処理槽内の圧力が大気圧をはさんだて所定の範囲内になり、かつ前記処理槽内の温度が所定温度以下または所定温度未満となったときに、前記扉開制御を開始できる状態にする制御を行うことを特徴とする圧力容器。
  7. 請求項5または6に記載の圧力容器において、
    前記制御部は、前記密閉扉の開くためのスイッチがオンになった場合で、かつ前記処理槽内の圧力をPとし、所定圧力を8〜10kPaGとしたときに、
    大気圧≦Pまたは大気圧<Pのときで、かつP≦大気圧+所定圧力またはP<大気圧+所定圧力の条件を満たした場合は、前記扉開制御を開始し、前記スイッチがオンとなった場合で、かつ前記処理槽内の圧力Pが大気圧以下または大気圧未満の条件を満たした場合には、前記復圧手段を動作させた後、または動作させないで、前記密閉扉の開操作を可能とする制御を行うこと、
    を特徴とする圧力容器。
  8. 処理槽内を、大気圧を超える高圧または大気圧を下回る低圧にして、所定の処理を行う圧力容器の扉開制御方法において、
    装置の運転停止がされた後に、上記処理槽内が所定圧力まで減圧されたかまたは所定時間、減圧動作が行われたかのいずれか一方が満足されるまで、減圧を行う減圧ステップと、
    上記減圧ステップの後に、上記処理槽内を大気圧状態に戻す復圧ステップと、
    上記復圧ステップの後に、上記処理槽内の圧力が大気圧状態である否かを判断する大気圧判断ステップと、
    上記大気圧判断ステップにおいて、大気圧状態と判断されたとき、上記処理槽を密閉している密閉扉の開操作を許可するまたは開操作を実行する許可・実行ステップと、
    を有することを特徴とする圧力容器の扉開制御方法。
  9. 請求項8に記載の圧力容器において、
    前記減圧ステップの前に、
    装置の運転停止を検知する停止検知ステップと、この検知停止ステップにて運転停止を検知した後、前記処理槽内の圧力が大気圧をはさんだ所定の範囲内になるまで待機する待機ステップと、
    上記待機ステップによって、所定の範囲内に前記処理槽内の圧力が納まったときに前記密閉扉を開くためのスイッチがオンにされたか否かを検出するオン判定ステップとを設け、
    このオン判定ステップでオンが判定され、かつ前記処理槽内の圧力をXとし、所定圧力を8〜10kPaGとしたときに、大気圧≦Xまたは大気圧<Xのときで、かつX≦大気圧+所定圧力またはX<大気圧+所定圧力
    の条件を満足した場合に、前記減圧ステップを行うこと、
    を特徴とする圧力容器の扉開制御方法。
JP2009085814A 2009-03-31 2009-03-31 圧力容器 Expired - Fee Related JP5332820B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009085814A JP5332820B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 圧力容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009085814A JP5332820B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 圧力容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010236628A true JP2010236628A (ja) 2010-10-21
JP5332820B2 JP5332820B2 (ja) 2013-11-06

Family

ID=43091136

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009085814A Expired - Fee Related JP5332820B2 (ja) 2009-03-31 2009-03-31 圧力容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5332820B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104279325A (zh) * 2013-07-04 2015-01-14 许久胜 蒸压釜安全联锁系统

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5054608U (ja) * 1973-09-13 1975-05-24
JPS5030653Y1 (ja) * 1970-04-07 1975-09-08
JPS61837U (ja) * 1984-06-07 1986-01-07 石川島播磨重工業株式会社 圧力容器の扉の安全装置
JPH03122342U (ja) * 1990-03-27 1991-12-13
JPH0743066A (ja) * 1993-07-28 1995-02-10 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd 真空乾燥装置
JPH08168118A (ja) * 1994-12-15 1996-06-25 Tokyo Gas Co Ltd 内圧防爆用加圧ユニット
JPH116563A (ja) * 1997-06-18 1999-01-12 Miura Co Ltd 圧力容器
JPH11132356A (ja) * 1997-10-28 1999-05-21 Kokusai Electric Co Ltd 扉開装置
JP2001200935A (ja) * 2000-01-14 2001-07-27 Chiyoda Manufacturing Co Ltd 環状パッキン及び圧力容器の気密機構
JP2003519934A (ja) * 2000-01-12 2003-06-24 セミトゥール・インコーポレイテッド 高圧下ウエハ処理および乾燥の方法および装置
JP2005312348A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Miura Co Ltd 真空含浸装置および真空冷却装置
JP2006181001A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Miura Co Ltd 蒸煮冷却システムおよび蒸煮システム
JP2006180889A (ja) * 2004-12-24 2006-07-13 Miura Co Ltd 蒸煮冷却システムおよび蒸煮冷却機
JP2009039380A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Sanyo Electric Co Ltd 高圧蒸気滅菌器

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5030653Y1 (ja) * 1970-04-07 1975-09-08
JPS5054608U (ja) * 1973-09-13 1975-05-24
JPS61837U (ja) * 1984-06-07 1986-01-07 石川島播磨重工業株式会社 圧力容器の扉の安全装置
JPH03122342U (ja) * 1990-03-27 1991-12-13
JPH0743066A (ja) * 1993-07-28 1995-02-10 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd 真空乾燥装置
JPH08168118A (ja) * 1994-12-15 1996-06-25 Tokyo Gas Co Ltd 内圧防爆用加圧ユニット
JPH116563A (ja) * 1997-06-18 1999-01-12 Miura Co Ltd 圧力容器
JPH11132356A (ja) * 1997-10-28 1999-05-21 Kokusai Electric Co Ltd 扉開装置
JP2003519934A (ja) * 2000-01-12 2003-06-24 セミトゥール・インコーポレイテッド 高圧下ウエハ処理および乾燥の方法および装置
JP2001200935A (ja) * 2000-01-14 2001-07-27 Chiyoda Manufacturing Co Ltd 環状パッキン及び圧力容器の気密機構
JP2005312348A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Miura Co Ltd 真空含浸装置および真空冷却装置
JP2006180889A (ja) * 2004-12-24 2006-07-13 Miura Co Ltd 蒸煮冷却システムおよび蒸煮冷却機
JP2006181001A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Miura Co Ltd 蒸煮冷却システムおよび蒸煮システム
JP2009039380A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Sanyo Electric Co Ltd 高圧蒸気滅菌器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104279325A (zh) * 2013-07-04 2015-01-14 许久胜 蒸压釜安全联锁系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP5332820B2 (ja) 2013-11-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI500876B (zh) 氣體減壓供應裝置、具備其之壓缸櫃、閥箱及基板處理裝置,以及氣體減壓供應方法
US20130084225A1 (en) Steam sterilizer
KR102544881B1 (ko) 진공 냉각 장치
JP5332820B2 (ja) 圧力容器
US20090186311A1 (en) Seal structure, cooling treatment apparatus, multi-chamber heat treatment apparatus, pressure regulating method, operating method
JP4773986B2 (ja) オゾンガス殺菌装置
JP5907424B2 (ja) 殺菌装置
JP7049582B2 (ja) 殺菌装置
JP6229887B2 (ja) 殺菌装置
JP2014009887A (ja) ドレン回収システム
JP6909443B2 (ja) 殺菌装置
JP7371428B2 (ja) 殺菌装置
JP6738559B2 (ja) エアリーク検知装置とこれを備えた蒸気滅菌装置
JP2015130824A (ja) 殺菌装置
JP2005210959A (ja) 蒸気加熱処理装置
JP4192809B2 (ja) 低圧蒸気加熱装置
JP6555477B2 (ja) エアリーク検知装置とこれを備えた蒸気滅菌装置
JP6869487B2 (ja) ガス滅菌器
JP6176436B2 (ja) 飲料の容器内充填装置とその制御方法
JP2021101757A (ja) 加熱殺菌装置
JP7137129B2 (ja) 食品機械
JPS6034392B2 (ja) 蒸気滅菌機の空気障害除去装置
JP5755919B2 (ja) ガスリファイニングシステム
JP4605542B2 (ja) 蒸気調理装置
JP2019037611A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130715

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5332820

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees