JP6738559B2 - エアリーク検知装置とこれを備えた蒸気滅菌装置 - Google Patents

エアリーク検知装置とこれを備えた蒸気滅菌装置 Download PDF

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Description

本発明は、蒸気滅菌装置の滅菌槽内へのエアリークの有無または量を確認するためのエアリーク検知装置と、このエアリーク検知装置を備えた蒸気滅菌装置に関するものである。
蒸気滅菌装置は、周知のとおり、滅菌槽内を飽和蒸気雰囲気にして、滅菌槽内の被滅菌物を蒸気で滅菌する装置である。従って、滅菌槽内へのエアリーク(外部から滅菌槽内への空気流入)が生じると、滅菌槽内を飽和蒸気雰囲気に維持できず、所期の滅菌を図れないおそれがある。
従来、滅菌槽内へのエアリークの有無(より詳細には基準値を超えるエアリークの有無)を事前に確認するために、運転前にリークテストがなされる。具体的には、滅菌槽内を一旦減圧して保持し、その間の圧力上昇を監視することで、エアリークの有無を確認している。
特開2000−237287号公報
しかしながら、従来技術のように運転前にリークテストを行うだけでは、運転中(つまり蒸気滅菌中)に生じたエアリークを検知することができない。たとえば、蒸気滅菌装置は、運転開始後、滅菌槽内の減圧を伴う前処理工程において、滅菌槽内からの空気排除が図られるが、この前処理工程において、滅菌槽内を減圧した際に、外部から滅菌槽内へ空気が流入するおそれがある。また、滅菌槽と扉との隙間を封止するために、パッキンを加圧空気で扉へ押し付ける場合があるが(たとえば上記特許文献1)、加圧空気の圧力は滅菌槽内の圧力よりも高いので、パッキン溝から漏れた加圧空気が滅菌槽内へ流入するおそれもある。そして、従来技術では、このような運転中のエアリークを検知することができない。
一方、出願人は、運転中に生じたエアリークを検知可能なエアリーク検知装置を提案し、既に特許出願済である(特願2015−215403)。この装置は、図6に示すように、内管35と外管36との二重管構造の熱交換器30を備え、内管35の中空穴は滅菌槽内と連通され、内管35と外管36との間の円筒状空間は通液部33として水が通される。典型的には、熱交換器30は、各管35,36の軸線を上下方向へ沿って配置され、通液部33には下方から上方へ設定流量で水が通される。熱交換器30への給水口に入口温度センサ46が設けられる一方、熱交換器30からの排水口に出口温度センサ47が設けられる。そして、両温度センサ46,47の検出温度差、つまり、通液部33に対する水の出口温度と入口温度との温度差に基づき、滅菌槽内へのエアリークの有無を判定する。すなわち、熱交換器30において、蒸気は凝縮するが空気は凝縮しないことを利用して、エアリークがあれば前記温度差が出にくいことになり、エアリークの発生を検知することができる。
しかしながら、蒸気滅菌装置の場合、滅菌温度(前述したとおり飽和蒸気雰囲気で滅菌が行われるので言い換えれば滅菌圧力)を変えて運転する場合がある。たとえば、121℃(205kPaA)の標準滅菌と、135℃(313kPaA)の高温滅菌との内、いずれかを選択して運転する場合がある。そして、滅菌温度を変更すると、滅菌槽内ひいては内管35内の圧力も変わるので、内管35内の空気の圧縮具合が変動する。
具体的には、図6において、(A)は滅菌温度が121℃の場合、(B)は滅菌温度が135℃の場合であり、それぞれ内管35上部の網掛部が空気溜まり(空気濃度が高い部分)を示している。もちろん、実際には、内管35内には、蒸気と空気とが混合して存在するし、上方へ行くほど空気濃度(空気分圧ということもできる)が高くなるように空気が溜まる。従って、図面における網掛部は、空気濃度が所定よりも高くなっている箇所ということができ、それを空気溜まりとして示している。
なお、このような空気溜まりが生じる理由は、次のとおりである。すなわち、まず、エアリーク検知装置の熱交換器30では、滅菌槽内から蒸気が供給されるが、その蒸気は、熱交換器30で通水により冷却されて凝縮され、凝縮水は下方へ脱落する。この際、滅菌槽内からの蒸気に空気が混入していると、空気は凝縮せずに残ることになる。そして、滅菌槽内から熱交換器30へ向かう蒸気の流れにより、飽和蒸気に混入していた空気は、熱交換器30に閉じ込められる形になり、熱交換器30では時間の経過と共に、空気濃度が徐々に上昇する。このようにして、内管35の上方へ行くほど空気濃度が高くなることになる。そして、熱交換器30での空気濃度の上昇は、凝縮熱伝達率を低下させることになる。
このように、滅菌槽内での蒸気滅菌中にエアリークが生じた場合、内管35内の上部には徐々に空気が溜まる。但し、同図(A),(B)を比較して分かるように、同じ空気量であっても、滅菌温度が異なれば圧力が異なるので、内管35内に占める空気溜まりの大きさが異なることになる。これに加えて、空気溜まりの空気濃度は、蒸気圧の低下により相対的に上昇するため、滅菌規格(JIS規格)において許容されるエアリーク量であっても、滅菌温度が低いと、熱交換器30内での通水との熱交換が妨げられ、判定不良につながるおそれがある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、運転中に生じたエアリークを検知可能で、しかも滅菌温度の変更にも対応可能なエアリーク検知装置とこれを備えた蒸気滅菌装置を提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、滅菌槽内から空気排除後に、滅菌槽内に蒸気供給して滅菌槽内の被滅菌物を滅菌する蒸気滅菌装置に用いられ、前記滅菌槽外に設けられ、前記滅菌槽内と連通する中空部を有すると共に、この中空部内の流体と熱交換する液体の通液部を有する熱交換器と、前記通液部に対する液体の入口温度、出口温度および流量に基づき、前記滅菌槽内へのエアリークの有無または量を判定する判定手段とを備え、前記中空部は、一端部に前記滅菌槽が接続される一方、他端部に前記通液部よりも外方への突出部を備える、エアリーク検知装置であって、前記熱交換器は、内管と、これを取り囲むよう設けられた外管とを備え、前記内管は、一端部が前記外管よりも外方へ延出して前記滅菌槽に接続されることで、前記内管の中空穴が前記滅菌槽内と連通される一方、他端部が前記突出部として前記外管よりも外方へ延出して延出先端部を閉塞され、前記内管の突出部は、滅菌工程において前記滅菌槽内へのエアリークがあった場合、前記通液部の通液との熱交換で凝縮せずに残った空気を溜めることができる大きさに設定され、前記内管の突出部の大きさは、前記外管の長さの1/2倍〜1倍とされることを特徴とするエアリーク検知装置である。
請求項1に記載の発明によれば、エアリーク検知装置の熱交換器は、中空部が滅菌槽内と連通すると共に、通液部には液体が通される。従って、熱交換器において、滅菌槽内からの蒸気の凝縮熱伝達により、通液部の液体は加温されて昇温される。この際、滅菌槽内へのエアリークがあると、熱交換器の中空部にも蒸気に同伴して空気が導入されるので、蒸気に空気が混入した分だけ、通液部の液体への熱伝達量が減少し、通液部の液体の昇温が妨げられる。これを利用して、通液部に対する液体の入口温度、出口温度および流量に基づき、滅菌槽内へのエアリークの有無または量を判定することができる。しかも、蒸気滅菌装置の運転中、つまり蒸気滅菌中において、エアリークの有無や量を判定することができる。
また、熱交換器の中空部は、滅菌槽への接続側とは逆側に、通液部よりも外方への突出部を備える。そのため、滅菌槽内へのエアリークがあった場合、通液部の液体との熱交換で凝縮せずに残った空気は、滅菌槽内から連続的に流入する混合気(空気を微量に含む蒸気)によって突出部へ押し出されるため、熱交換器の熱交換部における空気濃度の上昇が起こり難い。このように、熱交換器において、凝縮しない空気を突出部へ移動させることで、滅菌槽内からの混合気と通液部の液体との熱交換が、残留空気によって阻害されることがない。特に、滅菌温度(言い換えれば蒸気圧力)が低く、空気の圧縮が比較的少ない場合でも、残留空気による悪影響を防止することができる。これにより、熱交換器において、滅菌温度によらずに正確な温度変化を監視して、エアリークの有無や量を判定できる。
さらに、エアリーク検知装置が滅菌槽外に設けられるので、滅菌槽内における被滅菌物の収容空間を狭めるおそれはないし、被滅菌物の出し入れを邪魔するおそれもない。また、エアリーク検知装置が滅菌槽外に設けられるので、滅菌蒸気により外部から熱を受けるおそれがなく、エアリークの有無や量を正確に知ることができる。
その他、請求項1に記載の発明によれば、内管と外管との二重管を用いて、熱交換器を容易に構成することができる。そして、内管の一端部を滅菌槽に接続する一方、内管の他端部を外管よりも外方へ延出して、凝縮せずに残った空気を溜めるための突出部とすることができる。
請求項2に記載の発明は、前記通液部に対する液体の入口部および出口部が、前記外管の周側壁に、前記外管の長手方向に離隔して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアリーク検知装置である。
請求項3に記載の発明は、前記外管には、前記内管の前記突出部を覆う延長管部が設けられ、前記内管の突出部と前記外管の延長管部との隙間は、前記通液部に連通することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアリーク検知装置である。
請求項3に記載の発明によれば、内管の突出部を覆う延長管部を外管に設け、内管の突出部と外管の延長管部との隙間を、通液部に連通させた。これにより、内管の突出部の熱膨張を抑えることができる。
請求項4に記載の発明は、前記内管および前記外管は、軸線を上下方向へ沿って配置され、前記外管の周側壁には、下端部に前記通液部に対する液体の入口部が設けられる一方、上端部に前記通液部に対する液体の出口部が設けられ、前記通液部には、下方から上方へ向けて液体が通されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアリーク検知装置である。
請求項4に記載の発明によれば、内管は、下端部が滅菌槽に接続されるから、内管への蒸気導入と、内管からの凝縮水排出とが円滑になされる。また、通液部には、下方から上方へ向けて液体が通されるので、通液部からの空気抜きを図ることができ、正確にエアリークの有無や量を判定することができる。
請求項5に記載の発明は、前記通液部には、液体が設定流量で通され、前記判定手段は、前記通液部に対する液体の入口温度および出口温度に基づき、前記滅菌槽内へのエアリークの有無または量を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエアリーク検知装置である。
請求項5に記載の発明によれば、通液部に液体を設定流量で通すことで、通液部に対する液体の入口温度および出口温度に基づき、滅菌槽内へのエアリークの有無または量を判定することができる。
請求項6に記載の発明は、前記滅菌槽内で被滅菌物を滅菌中、前記判定手段は、前記通液部に対する液体の出口温度と入口温度との温度差に基づき、前記滅菌槽内へのエアリークの有無または量を判定することを特徴とする請求項5に記載のエアリーク検知装置である。
請求項6に記載の発明によれば、通液部に液体を設定流量で通しつつ、滅菌槽内で被滅菌物を滅菌中、通液部に対する液体の出口温度と入口温度との温度差に基づき、容易に確実に、滅菌槽内へのエアリークの有無または量を判定することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアリーク検知装置を備えた蒸気滅菌装置であって、被滅菌物が収容されると共に前記エアリーク検知装置が接続される滅菌槽と、この滅菌槽内の気体を外部へ吸引排出して前記滅菌槽内を減圧する減圧手段と、減圧された前記滅菌槽内へ外気を導入して前記滅菌槽内を復圧する復圧手段と、前記滅菌槽内へ蒸気を供給する給蒸手段と、前記滅菌槽内から蒸気の凝縮水を排出するドレン排出手段と、大気圧との差圧により前記滅菌槽内の気体を外部へ排出する排気手段と、前記滅菌槽内の圧力を検出する圧力センサと、前記滅菌槽内の温度を検出する温度センサと、これらセンサの検出信号に基づき前記各手段を制御して、前記滅菌槽内の空気を排除する前処理工程、前記滅菌槽内の被滅菌物を蒸気で滅菌する滅菌工程、前記滅菌槽内から蒸気を排出する排気工程、および前記滅菌槽内を減圧して被滅菌物を乾燥する乾燥工程を順次に実行する制御手段とを備え、前記滅菌工程において、前記エアリーク検知装置の前記熱交換器に液体を通して、前記判定手段により前記滅菌槽内へのエアリークの有無または量を判定することを特徴とする蒸気滅菌装置である。
請求項7に記載の発明によれば、上記各請求項に記載の発明の作用効果を奏する蒸気滅菌装置を実現することができる。特に、滅菌工程において、エアリーク検知装置の熱交換器に液体を通して、滅菌槽内へのエアリークの有無または量を判定することができる。
さらに、請求項8に記載の発明は、前記通液部に対する液体の入口温度、出口温度および流量の内、出口温度の他、入口温度を設定温度に維持しない場合には入口温度も、また、流量を設定流量に維持しない場合には流量も、前記滅菌工程中、所定時間ごとに運転データ記憶手段に保存し、この運転データ記憶手段に保存されたデータを、所定機器に出力可能とされたことを特徴とする請求項7に記載の蒸気滅菌装置である。
請求項8に記載の発明によれば、通液部に対する液体の出口温度の他、所望により入口温度および流量を、滅菌工程中、所定時間ごとに運転データ記憶手段に保存しておき、必要に応じて所定機器に出力可能であるから、滅菌管理を容易に確実に行うことができる。
本発明のエアリーク検知装置とこれを備えた蒸気滅菌装置によれば、運転中に生じたエアリークを検知可能で、しかも滅菌温度の変更にも対応可能となる。
本発明の一実施例のエアリーク検知装置とこれを備えた蒸気滅菌装置を示す概略図であり、一部を断面にして示している。 図1のエアリーク検知装置の主要部を示す概略図であり、(A)は滅菌温度が121℃の場合、(B)は滅菌温度が135℃の場合であり、それぞれ内管上部の網掛部が空気溜まりを示している。 滅菌温度121℃にて、エアリークの影響を確認した実験結果の一例を示すグラフであり、(A)および(B)が図2のエアリーク検知装置の場合、(A´)および(B´)が図6のエアリーク検知装置の場合を示している。 滅菌温度135℃にて、エアリークの影響を確認した実験結果の一例を示すグラフであり、(A)および(B)が図2のエアリーク検知装置の場合、(A´)および(B´)が図6のエアリーク検知装置の場合を示している。 図1のエアリーク検知装置の変形例を示す概略図である。 先願発明のエアリーク検知装置の主要部を示す概略図であり、(A)は滅菌温度が121℃の場合、(B)は滅菌温度が135℃の場合であり、それぞれ内管上部の網掛部が空気溜まりを示している。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例のエアリーク検知装置1とこれを備えた蒸気滅菌装置2を示す概略図であり、一部を断面にして示している。なお、図1においては、エアリーク検知装置1を、蒸気滅菌装置2よりも拡大して示している。以下、まずは、蒸気滅菌装置2について説明し、その後、エアリーク検知装置1について説明する。
本実施例の蒸気滅菌装置2は、被滅菌物が収容されると共にエアリーク検知装置1が接続される滅菌槽3と、この滅菌槽3内の気体を外部へ吸引排出して滅菌槽3内を減圧する減圧手段4と、減圧された滅菌槽3内へ外気を導入して滅菌槽3内を復圧する復圧手段5と、滅菌槽3内へ蒸気を供給する給蒸手段6と、滅菌槽3内から蒸気の凝縮水を排出するドレン排出手段7と、大気圧との差圧により滅菌槽3内の気体を外部へ排出する排気手段8と、これら各手段4〜8を制御する第一制御手段(図示省略)とを備える。
被滅菌物は、特に問わないが、典型的には医療器具である。被滅菌物は、所望により、滅菌バッグ、不織布または滅菌コンテナなどに収容されていてもよい。被滅菌物は、滅菌槽3内の棚に載せられるか、台車に載せられて台車ごと滅菌槽3内に収容される。
滅菌槽3は、内部空間の減圧および加圧に耐える中空容器であり、典型的には略矩形の箱状に形成されている。本実施例の滅菌槽3は、被滅菌物を出し入れするための扉(図示省略)を正面(図1の紙面に対し垂直手前側)に備える。但し、正面および背面にそれぞれ扉を備え、一方の扉を、滅菌槽3内に滅菌前の被滅菌物を入れるための搬入扉とし、他方の扉を、滅菌槽3外に滅菌後の被滅菌物を取り出すための搬出扉としてもよい。いずれにしても、扉を閉じることで、滅菌槽3の開口部を気密に閉じることができる。つまり、滅菌槽3と扉との隙間は、パッキン(図示省略)で封止される。この際、滅菌槽3の開口部に沿って設けた環状パッキンを、加圧空気で扉へ押し付けて、両者の隙間を封止してもよい。
滅菌槽3内を外側から温めるために、本実施例では、滅菌槽3の外壁に蒸気ジャケット9が設けられる。具体的には、蒸気滅菌装置2は、内缶10と外缶11とを備え、内缶10にて滅菌槽3が構成され、内缶10と外缶11との隙間が蒸気ジャケット9とされる。本実施例では、蒸気ジャケット9は、滅菌槽3の上下左右の各壁体に連続的に設けられる。蒸気ジャケット9には、ジャケット給蒸路(図示省略)を介して蒸気が供給され、その蒸気の凝縮水は、ジャケットドレン排出路(図示省略)を介して外部へ排出される。蒸気ジャケット9内を所定圧力に維持するように、蒸気ジャケット9内への蒸気供給を制御することで、滅菌槽3内を外側から所定温度で加熱することができる。
減圧手段4は、真空排気路12を介して、滅菌槽3内の気体を外部へ吸引排出する。滅菌槽3内からの真空排気路12には、真空弁13、水封式の真空ポンプ14および逆止弁15が順に設けられる。さらに、真空排気路12には、真空弁13と真空ポンプ14との間に、蒸気凝縮用の熱交換器が設けられてもよい。真空弁13を開放すると共に真空ポンプ14を作動させることで、滅菌槽3内の気体を外部へ吸引排出して、滅菌槽3内を減圧することができる。
復圧手段5は、減圧下の滅菌槽3内に、給気路16を介して外気を導入する。滅菌槽3内への給気路16には、エアフィルタ17、給気弁18および逆止弁19が順に設けられる。但し、給気弁18と逆止弁19とは、設置順序を入れ替えてもよい。滅菌槽3内が減圧された状態で給気弁18を開放すると、差圧により外気を滅菌槽3内へ導入して、滅菌槽3内を復圧することができる。その際、エアフィルタ17により、清浄な空気が滅菌槽3内へ導入される。なお、給気弁18を開度調整可能に構成すれば、滅菌槽3内の復圧を徐々に行うことができる。
給蒸手段6は、給蒸路20を介して、滅菌槽3内へ蒸気(飽和蒸気)を供給する。給蒸路20には、給蒸弁21が設けられている。給蒸弁21を開放することで、蒸気供給源(図示省略)からの蒸気を滅菌槽3内へ供給することができる。給蒸弁21の開閉または開度を調整して、滅菌槽3内への蒸気供給の有無または量を変更することができる。
ドレン排出手段7は、ドレン排出路22を介して、滅菌槽3内から蒸気の凝縮水を排出する。滅菌槽3内からのドレン排出路22には、スチームトラップ23および逆止弁24が順に設けられる。給蒸手段6により滅菌槽3内へ蒸気を供給中、蒸気の凝縮水はドレン排出手段7により滅菌槽3外へ排出される。
排気手段8は、加圧下の滅菌槽3内から、排気路25を介して気体を導出する。滅菌槽3内からの排気路25には、排気弁26および逆止弁27が順に設けられる。滅菌槽3内が加圧された状態で排気弁26を開放すると、差圧により滅菌槽3内の気体を外部へ導出して、滅菌槽3内の圧力を下げることができる。なお、図示例では、排気路25は、上流側(滅菌槽3側)において、ドレン排出路22と共通管路とされている。
滅菌槽3には、滅菌槽3内の圧力を検出する圧力センサ28と、滅菌槽3内の温度を検出する温度センサ29とが設けられる。圧力センサ28の設置位置は、特に問わないが、たとえば図示例のように、滅菌槽3の上方側部に設けられる。一方、温度センサ29は、滅菌に関する各種の規格に沿って、所定の位置に設けられる。図示例では、前記共通管路(ドレン排出路22と排気路25との共通管路)の内、滅菌槽3からの出口部に設けられる。
第一制御手段は、前記各センサ28,29の検出信号や経過時間などに基づき、前記各手段4〜8を制御する第一制御器(図示省略)である。具体的には、真空弁13、真空ポンプ14、給気弁18、給蒸弁21、排気弁26、圧力センサ28および温度センサ29などは、第一制御器に接続される。そして、第一制御器は、後述するように、所定の手順(プログラム)に従い、滅菌槽3内の被滅菌物の滅菌を図る。
さらに、本実施例では、蒸気滅菌装置2は、タッチパネル(図示省略)の他、所望により操作ボタン(図示省略)などを備え、これらも第一制御器に接続される。タッチパネルは、ディスプレイの表面に入力パネルを配置して構成され、ディスプレイ上に各種表示を行うと共に、ディスプレイ上の表示ボタンが押されると入力パネルでそれを検知し、適宜画面表示を変えながら、各種の設定または操作を可能とする。タッチパネルの表示画面のデータや、蒸気滅菌装置2の動作用プログラムなどは、情報記憶部(図示省略)に記憶されている。この情報記憶部は、後述する運転データを記憶するための運転データ記憶部(運転データ記憶手段)として用いることもできる。
蒸気滅菌装置2は、その運転内容を特に問わないが、典型的には、予熱工程、前処理工程、滅菌工程、排気工程および乾燥工程を順次に実行する。以下、各工程について説明する。なお、初期状態において、給気弁18および排気弁26は開けられている一方、これ以外の各弁13,21は閉じられており、真空ポンプ14は停止している。そして、予熱工程中またはその前後には、滅菌槽3内に被滅菌物が収容され、滅菌槽3の扉は気密に閉じられる。その際、給気弁18および排気弁26も閉じられる。
予熱工程では、滅菌槽3内を加熱する。具体的には、蒸気ジャケット9内に蒸気を供給し、蒸気ジャケット9内を所定圧力に維持することで、滅菌槽3内を所定温度に加熱して維持する。予熱工程の開始から所定時間経過後、前処理工程を開始するが、予熱工程の内容は、以降の各工程においても継続して実施される。
前処理工程では、滅菌槽3内の空気を排除する。具体的には、減圧手段4により滅菌槽3内を減圧するが、その際、給蒸手段6による給蒸を伴ってもよい。また、減圧手段4により滅菌槽3内を一旦減圧後、給蒸手段6による給蒸と減圧手段4による減圧とを繰り返してもよいし、給蒸手段6による給蒸で大気圧を超える圧力まで滅菌槽3内を加圧する場合には、給蒸手段6による給蒸と排気手段8による排気とを繰り返してもよい。いずれにしても、滅菌槽3内からの空気排除を図った後、最終的には、給蒸手段6による給蒸で、滅菌槽3内を滅菌圧力まで昇圧する。そして、温度センサ29の検出温度が滅菌温度になるか、圧力センサ28の検出圧力が滅菌圧力になると、次工程へ移行する。
滅菌工程では、滅菌槽3内の被滅菌物を蒸気で滅菌する。具体的には、温度センサ29の検出温度が滅菌温度(典型的には121℃または135℃)を維持するように、給蒸手段6を制御して、滅菌時間保持することで、滅菌槽3内の被滅菌物を滅菌する。あるいは、圧力センサ28の検出圧力が滅菌圧力(滅菌温度相当の飽和蒸気圧力)を維持するように、給蒸手段6を制御して、滅菌時間保持することで、滅菌槽3内の被滅菌物を滅菌する。その後、給蒸手段6による給蒸を停止して、次工程へ移行する。
排気工程では、加圧下の滅菌槽3内から蒸気を排出して、滅菌槽3内の圧力を大気圧付近まで下げる。具体的には、排気弁26を開放して、滅菌槽3外へ蒸気を導出する。排気弁26の開放から設定排気時間経過するか、滅菌槽3内の圧力が設定排気圧力(大気圧またはそれよりも若干高い圧力)まで下がると、排気弁26を閉鎖して、次工程へ移行する。
乾燥工程では、滅菌槽3内の被滅菌物を乾燥させる。具体的には、減圧手段4により滅菌槽3内を乾燥圧力まで減圧して乾燥時間保持することで、滅菌槽3内の被滅菌物を真空乾燥させる。但し、乾燥工程では、減圧手段4による乾燥圧力までの減圧と、復圧手段5による大気圧近くまでの復圧とを、繰り返してもよい。被滅菌物の乾燥後には、減圧手段4を停止する一方、復圧手段5により滅菌槽3内を大気圧まで復圧して、一連の運転を終了する。
次に、本実施例のエアリーク検知装置1について説明する。本実施例のエアリーク検知装置1は、滅菌槽3に接続される熱交換器30と、この熱交換器30に対する給排水手段31と、この給排水手段31を制御すると共に滅菌槽3内へのエアリークの有無または量を判定する第二制御手段(図示省略)とを備える。
熱交換器30は、滅菌槽3外に設けられ、滅菌槽3内と連通する中空部32を有すると共に、この中空部32内の流体と熱交換する液体の通液部33を有する。つまり、熱交換器30は、中空部32内の流体と通液部33内の通液とを混ぜることなく熱交換する。通液部33に通される液体は、特に問わないが、典型的には水(常温水)である。以下、通液部33に通される液体は、水であるとして説明するが、その他の液体の場合も同様である。
熱交換器30は、前述した中空部32と通液部33とを有し、中空部32の一端部に滅菌槽3が接続される一方、中空部32の他端部に後述する外方への突出部34を備えるのであれば、その構成を特に問わない。本実施例の熱交換器30は、金属製の二重管から構成される。具体的には、熱交換器30は、図1において、軸線を上下方向へ沿って配置された内管35と、これを取り囲むよう設けられた外管36とを備える。
内管35および外管36は、好ましくは、断面円形状とされ、軸線を揃えて配置される。また、内管35および外管36の各管部は、所望により、複数の部材が接続されて構成されてもよい。但し、内管35は、少なくとも、外管36の下端部よりも上方については、熱応力を考慮して、単一の管で構成されるのが好ましい。
外管36は、図1において符号Lで示される領域を基本部分(本体部)とする。そのため、以下において、単に外管36というとき、通常、外管36の本体部をいう。一方、内管35は、外管36の下端部よりも下方へ延出すると共に、外管36の上端部よりも上方へ延出する。つまり、詳細は変形例として後述するが、本実施例の熱交換器30の基本的構成は、図5に示すように、内管35が外管36を貫通して軸方向両側へ延出した構成とされる。
図1において、内管35の下端部は、連通管37を介して、滅菌槽3に接続される。これにより、内管35の中空穴が滅菌槽3内と連通される。一方、内管35の上端部は、外管36よりも上方へ延出しており、この延出部の上部開口は上端壁38で閉じられる。なお、内管35のうち、外管36よりも上方への延出部を、単に突出部34ということにする。
内管35の突出部34は、詳細は後述するが、滅菌工程において空気溜まりとして機能するように、大きさが設定される。好ましくは、滅菌温度が最小(つまり蒸気圧が最小)で且つ、少なくとも滅菌規格で許容される最大エアリーク度(なお、エアリーク度とは、所定時間内での滅菌槽3内の空気による昇圧分をいう(kPa/min))の空気が蒸気に混入した場合において、その混合気が滅菌工程において熱交換器30にて通水と熱交換することで空気が残るが、その残留空気を滅菌工程中に溜めることができる大きさに設定される。本実施例では、たとえば、外管36の長さの1/2倍〜1倍程度とされ、図示例では3/4倍程度とされている。
外管36の上端部には、内管35の突出部34を覆う延長管部39が設けられている。この際、延長管部39は、外管36と一体形成されていてもよいし、外管36とは別体の管を外管36に接続されてもよい。
外管36の下端部において、外管36の下部開口(言い換えれば外管36と内管35との隙間)は、下端壁40で閉じられる。一方、外管36の延長管部39の上端部において、延長管部39の上部開口は、上端壁41で閉じられる。この際、内管35の上端壁38と外管36の上端壁41とを共通化して、一つの上端壁に内管35と外管36の各上端部を接続してもよいが、後述するように、内管35の熱膨張および熱収縮による熱応力緩和のために、図示例のように、内管35と外管36とを異なる上端壁38,41で閉じて、両者の間に隙間をあけておくのがよい。
内管35の外周面と外管36の内周面との間の円筒状空間は、ジャケット状の通液部33とされる。そのために、外管36の周側壁には、外管36の長手方向に離隔して、通液部33に対する給排水用の口部36a,36bが設けられる。具体的には、外管36の周側壁の上下両端部には、外管36の径方向外側へ延出して、円筒状の口部36a,36bが設けられている。この口部36a,36bは、通液部33に対する水の出入口であり、給排水手段31に接続される。
また、内管35の突出部34や外管36の延長管部39において、突出部34の外周面と延長管部39の内周面との間(および内管35の上端壁38と外管36の上端壁41との間)に、隙間が形成され、この隙間は、通液部33と連通する。図示例では、内管35と外管36との間の円筒状空間が、突出部34と延長管部39との間にも連続的に形成されて、互いに連通する。
このようにして、突出部34と延長管部39との隙間にも、通液部33に通される水が流入するように構成すれば、内管35部分の熱膨張を抑えることができる。また、内管35は、外管36の下端部において、下端壁40に溶接されて保持され、上端部を自由端とされるので、この点からも、内管35の熱膨張および熱収縮による熱応力の軽減を図ることができる。
ところで、通液部33とは、文字通り、基本的には、液体を一方通行で流通させる領域をいう。内管35の突出部34と外管36の延長管部39との隙間は、液体が流れにくいため、通液部33と区別することができる。両者の境目(通液部33の上端位置)は、口部36a,36bの配置にもよるが、少なくとも、上側の口部36bの内周面の最上部と対応した箇所までは、通液部33となる。本実施例では、図1において符号Lで示される領域を、通液部33としている。
内管35の下端部は、図示例では、連通管37を介して、滅菌槽3と接続される。連通管37は、たとえば、内管35と同一の内外径を有する管から構成される。その場合、連通管37と内管35とを連続的に、言い換えれば一つの部材として構成することもできる。但し、連通管37の内外径を、内管35の内外径と異ならせてもよい。なお、熱交換器30および連通管37は、断熱材で覆われるのが好ましい。また、図示例では、熱交換器30には、壁体への取付用フランジ42が設けられている。
給排水手段31は、熱交換器30の通液部33に通水する。前述したとおり、本実施例では、熱交換器30の通液部33は、内管35と外管36との間の円筒状空間から構成されるが、この円筒状空間には、下方から上方へ向けて通水されるのが好ましい。そのため、本実施例では、下側の口部36aが給水口とされ、上側の口部36bが排水口とされる。
給排水手段31について具体的に説明すると、通液部33には、給水路43と排水路44とが接続される。本実施例では、前述したとおり、外管36の周側壁の上下両端部には、外管36の径方向外側へ延出して、円筒状の口部36a,36bが設けられている。そして、下側の口部36aに給水路43が接続される一方、上側の口部36bに排水路44が接続される。この際、図示例では、各接続部にT字管45(45X,45Y)が用いられている。T字管45は、左右方向へ延出する直管状(短管状)の主管部45aと、その主管部45aの長手方向中央部から径方向外側へ延出する枝管部45bとが一体形成されている。
そして、下側の口部36aと給水路43とは、次のようにして接続される。すなわち、下側のT字管45Xは、主管部45aを左右方向へ沿って配置され、一方の開口部が下側の口部36aに接続され、他方の開口部には、後述する入口温度センサ46が設けられつつ閉塞される。そして、枝管部45bを下方へ向けて配置され、その下部開口に給水路43が接続される。
一方、上側の口部36bと排水路44とは、次のようにして接続される。すなわち、上側のT字管45Yは、主管部45aを左右方向へ沿って配置され、一方の開口部が上側の口部36bに接続され、他方の開口部には、後述する出口温度センサ47が設けられつつ閉塞される。そして、枝管部45bを上方へ向けて配置され、その上部開口に排水路44が接続される。
このような構成により、熱交換器30の通液部33には、下方から上方へ向けて、水が通されることになる。従って、熱交換器30の通液部33からの空気抜きを自然に図ることができ、通液部33の通水と中空部32内の流体との熱交換を安定して図ることができる。
給水路43には、熱交換器30へ向けて、ストレーナ48、給水弁49、減圧弁50および流量調整用ノズル51が順に設けられる。ストレーナ48は水中の夾雑物を捕捉し、給水弁49は電磁弁から構成され、減圧弁50は出口側圧力を所定に維持する。そして、流量調整用ノズル51により、給水弁49の開放時、設定流量で熱交換器30に通水することができる。
ところで、本実施例では、給水弁49を開くことで、給水源の圧力により、熱交換器30に通水することができる。但し、給水源の圧力によっては、給水弁49に代えてまたはこれに加えて、給水路43に給水ポンプを設置してもよい。その場合、以下の説明において、給水弁49の開放時、給水ポンプを作動させればよい。なお、給水ポンプを定流量ポンプから構成する場合、減圧弁50および流量調整用ノズル51の設置を省略することができる。
排水路44は、前述したとおり、上側のT字管45Yの枝管部45bに接続される。その際、上方へ向けた枝管部45bの上部に接続され、図示例では、エルボ管などの適宜の配管を介して、最終的には下方の排水ピットなどへ向けて配管される。なお、排水路44には、所望により排水弁を設けてもよい。その場合、排水弁は、給水弁49と連動して開閉を制御される。
通液部33に対する水の入口温度および出口温度を監視可能に、温度センサ46,47が設けられる。具体的には、通液部33への入口部には、入口温度センサ46が設けられる一方、通液部33からの出口部には、出口温度センサ47が設けられる。図示例では、前述したとおり、下側のT字管45Xの主管部45aは、一方の開口部が熱交換器30の口部36aに接続され、他方の開口部に入口温度センサ46が差し込まれて設けられる。また、上側のT字管45Yの主管部45aは、一方の開口部が熱交換器30の口部36bに接続され、他方の開口部に出口温度センサ47が差し込まれて設けられる。その他、給水路43または排水路44には、所望により、通水流量を監視する流量センサ(図示省略)を設けてもよい。特に、流量調整用ノズル51がないなどにより、設定流量で通水できない場合には、流量センサが設けられる。
第二制御手段は、前記各センサ46,47の検出信号や経過時間などに基づき、給排水手段31などを制御する第二制御器(図示省略)である。具体的には、給水弁49の他、入口温度センサ46および出口温度センサ47などは、第二制御器に接続される。そして、第二制御器は、以下に述べるようにして、滅菌槽3内へのエアリークの有無または量を判定する判定手段としても機能する。
第二制御器には、第一制御器と同様、所望により、タッチパネル(図示省略)、操作ボタン(図示省略)、および情報記憶部(図示省略)が接続される。そして、この情報記憶部は、後述する運転データを記憶するための運転データ記憶部(運転データ記憶手段)としても機能する。
第二制御器は、蒸気滅菌装置2にて実行中の工程を把握可能に、第一制御器にも接続される。但し、これに代えて、第二制御器は、第一制御器と共通化してもよい。つまり、蒸気滅菌装置2の運転を制御するための第一制御器に、滅菌槽3内へのエアリークの有無または量を判定する判定機能を持たせてもよい。以下、第一制御器と第二制御器とが共通の一つの制御器として構成された例について説明するが、第一制御器と第二制御器とに分けて構成されてもよい。その場合、第一制御器が、前述したように蒸気滅菌装置2の運転を制御し、第二制御器が、以下に述べる各処理を実行する。第一制御器と第二制御器とを分けて構成する場合、既存または既設の蒸気滅菌装置2に、本実施例のエアリーク検知装置1を後付けで設置することも容易となる。
以下、本実施例のエアリーク検知装置1の使用方法について説明する。
前述したように、蒸気滅菌装置2では、予熱工程、前処理工程、滅菌工程、排気工程および乾燥工程が順次に実行される。前処理工程では、滅菌槽3内からの空気排除がなされるが、これに伴い、滅菌槽3内と連通する熱交換器30の内管35内(言い換えれば中空部32内)からも空気排除がなされる。その後の滅菌工程では、滅菌槽3内へ蒸気が導入されるが、これに伴い、熱交換器30の内管35内へも蒸気が導入される。
前記各工程の内、少なくとも滅菌工程中、給排水手段31により熱交換器30の通液部33に通水する。たとえば、滅菌工程の開始に伴い、給水弁49を開けて、熱交換器30の通液部33に通水する。これにより、中空部32内の流体と通液部33の通水とが熱交換され、通液部33の出口側水温は、入口側水温よりも高くなる。つまり、熱交換器30において、滅菌槽3内からの蒸気の凝縮熱伝達により、通液部33の通水は加温されて昇温される。ここで、仮に滅菌槽3内へのエアリークが生じた場合(たとえば前処理工程において滅菌槽3内を減圧した際に外部から滅菌槽3内へ空気が流入したり、滅菌槽3と扉との隙間を封止するパッキンを加圧するための加圧空気が滅菌槽3内へ流入したりした場合)、熱交換器30の中空部32にも蒸気に同伴して空気が導入され、蒸気に空気が混入した分だけ、通液部33の通水への熱伝達量が減少し、通液部33の通水の昇温が妨げられる。これを利用して、通液部33に対する通水の入口温度、出口温度および流量に基づき、滅菌槽3内へのエアリークの有無(より詳細には基準値を超えるエアリークの有無)または量(空気が占める割合や濃度ということもできる)を判定することができる。
このように、滅菌工程中(但し滅菌工程開始から設定時間経過後の滅菌工程中などとしてもよい)、通液部33に対する水の入口温度、出口温度および流量に基づき、滅菌槽3内へのエアリークの有無または量を判定することができる。具体的には、制御器は、入口温度センサ46、出口温度センサ47および流量センサの検出信号に基づき、熱交換器30において通水が加温される熱量を把握できるから、その熱量が設定値未満であるか否かで、滅菌槽3内へのエアリークの有無を判定することができる。また、エアリークの量が多いほど、熱交換器30において通水が加温される熱量が減り、エアリークの量と熱交換器30における通水の加温量とには一定の関係があるので、熱交換器30における通水が加温される熱量に基づき、エアリークの量を判定することができる。
ここで、図示例のように、通液部33に設定流量で水を通す場合、通液部33に対する水の入口温度および出口温度に基づき、滅菌槽3内へのエアリークの有無または量を判定することもできる。すなわち、通液部33への通水流量を設定流量に維持できる場合、制御器は、入口温度センサ46および出口温度センサ47の検出信号に基づき、滅菌槽3内へのエアリークの有無または量を判定することができる。この際、滅菌工程中の熱交換器30に対する水の出口温度と入口温度との温度差が設定値未満であるか否かにより、滅菌槽3内へのエアリークの有無を判定することもできる。つまり、温度差が設定値未満であれば、滅菌槽3内へのエアリークがあると判定でき、温度差が設定値以上であれば、滅菌槽3内へのエアリークがないと判定できる。また、温度差が小さいほど、エアリークの量が多いことになるので、温度差に基づき、エアリークの量を判定することもできる。なお、エアリークの有無または量の判定は、滅菌工程中における通水の出口温度と入口温度との最大温度差に基づき行ってもよい。
さらに、通液部33に設定流量で水を通すと共に、通液部33の入口水温を設定温度に維持できる場合、通液部33に対する水の出口温度に基づき、滅菌槽3内へのエアリークの有無または量を判定することもできる。たとえば、通液部33への通水流量を設定流量に維持でき、しかも、通液部33への給水温度を設定温度に維持できる場合、入口温度センサ46の設置を省略して、制御器は、出口温度センサ47の検出信号に基づき、滅菌槽3内へのエアリークの有無または量を判定することができる。この際、滅菌工程中、熱交換器30に対する水の出口温度が設定値未満であるか否かにより、滅菌槽3内へのエアリークの有無を判定することもできる。つまり、出口温度が設定値未満であれば、滅菌槽3内へのエアリークがあると判定でき、出口温度が設定値以上であれば、滅菌槽3内へのエアリークがないと判定できる。また、出口温度に基づき、エアリークの量を把握することもできる。
いずれにしても、従来のリークテストとは異なり、滅菌運転中のエアリークを検知することができる。そして、好適には、滅菌工程の終了時まで、エアリークの有無を監視し続け、所望により、その結果を出力機器(たとえば蒸気滅菌装置2またはエアリーク検知装置1に設けられたタッチパネル)に出力することができる。つまり、滅菌槽3内へのエアリークがあると判定した場合、その旨、出力機器(たとえばタッチパネル)に出力して異常を報知する。あるいは、これに代えてまたはこれに加えて、蒸気滅菌装置2の運転を中止してもよい。
ところで、本実施例のエアリーク検知装置1は、内管35が通液部33よりも外方への突出部34を備えるので、滅菌槽3内へのエアリークがあった場合、通液部33の通水との熱交換で凝縮せずに残った空気は、滅菌槽3内から連続的に流入する混合気(空気を微量に含む蒸気)によって突出部34へ押し出されるため、熱交換器30の熱交換部における空気濃度の上昇が起こり難い。このように、熱交換器30において、凝縮しない空気を突出部34へ移動させることで、滅菌槽3内からの混合気と通液部33の通水との熱交換が、残留空気によって阻害されることがない。特に、滅菌温度(言い換えれば蒸気圧力)が低く、空気の圧縮が比較的少ない場合でも、残留空気による悪影響を防止することができる。これにより、熱交換器30において、滅菌温度によらずに正確な温度変化を監視して、エアリークの有無や量を判定できる。
図2は、本実施例のエアリーク検知装置1の主要部を示す概略図であり、(A)は滅菌温度が121℃の場合、(B)は滅菌温度が135℃の場合であり、それぞれ内管35上部の網掛部が空気溜まり(空気濃度が高い部分)を示している。一方、図6は、比較例として、内管35に突出部34がないエアリーク検知装置1の主要部を示す概略図であり、(A)は滅菌温度が121℃の場合、(B)は滅菌温度が135℃の場合であり、それぞれ内管35上部の網掛部が空気溜まりを示している。なお、これらの図において、実際には、内管35やその突出部34には、蒸気と空気とが混合して存在するし、上方へ行くほど空気濃度(空気分圧ということもできる)が高くなるように空気が溜まる。従って、図面における網掛部は、空気濃度が比較的高くなっている箇所ということができ、それを空気溜まりとして示している。
図2(A)と図6(A)との比較、および、図2(B)と図6(B)との比較から明らかなように、内管35に突出部34を設けない場合(図6)、通液部33内の通水との熱交換により凝縮せずに残った空気は、通液部33と対応した高さの内管35内に溜まるので、熱交換を継続的に阻害するが、内管35に突出部34を設けた場合(図2)、通液部33内の通水との熱交換により凝縮せずに残った空気は、通液部33よりも上方の突出部34へ押し出され、滅菌槽3内からの気体との熱交換を阻害しない。
特に、滅菌温度が低い場合、内管35内の圧力が低くなる分、空気溜まりが大きくなり、熱交換部(通液部33と対応した高さの内管35内)の空気濃度が上昇しやすい。そのため、図6(A)のように、内管35に突出部34を設けないと、内管35内の残留空気の影響が大きく、滅菌規格(JIS規格)において許容されるエアリーク量であっても、熱交換器30内での通水との熱交換が妨げられ、判定不良につながるおそれがある。一方、図2(A)のように、内管35に突出部34を設けておけば、滅菌槽3内からの蒸気圧により残留空気を突出部34へ押し出されることになる。そして、熱交換器30の熱交換部には、滅菌槽3内からの混合気(蒸気と空気との混合気)が順次流入し、その混合気と通液部33の液体とが熱交換される。熱交換器30において、凝縮しない空気を突出部34へ移動させることで、滅菌槽3内からの混合気と通液部33の通水との熱交換が、残留空気によって阻害されることがない。これにより、熱交換器30において、滅菌温度によらずに正確な温度変化を監視して、エアリークの有無や量を判定できる。
図3は、滅菌温度121℃にて、エアリークの影響を確認した実験結果の一例を示すグラフであり、(A)および(B)が、内管35に突出部34を設けたエアリーク検知装置1(図2)の場合、(A´)および(B´)が、内管35に突出部34を設けないエアリーク検知装置1(図6)の場合を示している。また、図4は、滅菌温度135℃にて、エアリークの影響を確認した実験結果の一例を示すグラフであり、(A)および(B)が、内管35に突出部34を設けたエアリーク検知装置1(図2)の場合、(A´)および(B´)が、内管35に突出部34を設けないエアリーク検知装置1(図6)の場合を示している。
各図において、Tは、滅菌槽3内の温度(左縦軸)、Pは、滅菌槽3内の圧力(右縦軸)、ΔTは、出口温度センサ47の検出温度と入口温度センサ46の検出温度との温度差(左縦軸)を示している。また、横軸は、経過時間であり、予熱工程から乾燥工程までの各工程が順次になされていることが示されており、滅菌槽内温度Tが121℃付近(図3)または135℃付近(図4)を略水平に維持される箇所が、滅菌工程に対応する。また、各グラフの下部には、リーク度(kPa/min)と、滅菌工程中の最大温度差ΔTとを示している。
各図において、(A)と(A´)との比較、および、(B)と(B´)との比較から分かるように、同じリーク量であっても、内管35に突出部34を設けることで、ΔTを大きくできる。そのため、滅菌温度つまり蒸気圧力が低い場合でも、ΔTに基づき、安定して確実に、エアリークの有無または量を判定することができる。つまり、滅菌温度が比較的低い場合でも水温変化があるので、一般的な滅菌温度領域(121〜135℃)において、エアリークの判定基準としての温度差を確保することができる。それにより、滅菌規格(JIS)よりも少ないエアリーク量(リーク度)については、正常と判定する一方、滅菌規格よりも多いエアリーク量については、不良と判定することができる。なお、各グラフの下部に、滅菌工程中の最大温度差ΔTを数値で示しているが、この数値に基づきエアリークの有無を判定可能である。
なお、本実施例のエアリーク検知装置1とこれを備えた蒸気滅菌装置2によれば、エアリーク検知装置1(特に熱交換器30)が滅菌槽3外に設けられるので、滅菌槽3内における被滅菌物の収容空間を狭めるおそれがないし、被滅菌物の出し入れを邪魔するおそれもない。また、エアリーク検知装置1が滅菌槽3外に設けられるので、滅菌蒸気により外部から熱を受けるおそれがなく、滅菌槽3内へのエアリークの有無を正確に知ることができる。
ところで、制御器(第一制御器または第二制御器)は、次のようにして、滅菌管理を実施可能なことが好ましい。すなわち、通液部33に対する水の入口温度、出口温度および流量の内、出口温度の他、入口温度を設定温度に維持しない場合には入口温度も、また、流量を設定流量に維持しない場合には流量も、少なくとも滅菌工程中、所定時間ごとに運転データ記憶部に保存し、この運転データ記憶部に保存されたデータを、所定機器に出力可能とするのがよい。
たとえば、流量調整用ノズル51により設定流量で通水できる場合、入口温度センサ46と出口温度センサ47の各検出温度を、所定時間ごとに(たとえば数秒間隔で)、運転データ記憶部に保存する。その際、運転ごとに、運転日時、滅菌条件(滅菌圧力、滅菌温度、滅菌時間)などの各種設定値の他、実際の運転中の所定時間ごとの滅菌槽3内の圧力や温度なども保存するのが好ましい。そして、これらデータを、必要に応じて、たとえば運転日時に基づき運転データ記憶部から取得して、タッチパネルなどに出力可能とする。これにより、過去の履歴の確認が可能となり、滅菌管理を容易に確実に行うことができる。
次に、本実施例のエアリーク検知装置1の変形例について説明する。図5は、図1のエアリーク検知装置1の変形例を示す概略図である。
本変形例のエアリーク検知装置1は、前記実施例のエアリーク検知装置1と、基本的には同様である。そこで、以下では、両者の異なる点を中心に説明し、同じ箇所については説明を省略する。また、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。なお、図5では、熱交換器30の箇所のみを示しているが、これ以外の構成は、図1と同様である。
前記実施例では、内管35および外管36の軸線を上下方向へ沿って配置されたが、本変形例では、内管35および外管36の軸線を左右方向へ沿って配置される。このように、熱交換器30の使用時の姿勢は、特に問わない。但し、前述したとおり、内管35および外管36を上下方向に沿って配置した方が、内管35からの凝縮水の排出や、通液部33からの空気抜きを容易に図ることができる。
熱交換器30の中空部32は、一端部に滅菌槽3が接続される一方、他端部に通液部33よりも外方への突出部34を備える点は、前記実施例と変わらない。そのため、前記実施例において、内管35や外管36の下端部(下方)を、一端部(一方)ということができ、内管35や外管36の上端部(上方)を、他端部(他方)ということができる。
前記実施例では、内管35は、通液部33よりも外方への突出部34を備え、その突出部34は、外管36の延長管部39により覆われたが、本変形例では、内管35の突出部34は、外管36の延長管部39により覆われない。つまり、外管36に、延長管部39は設けられない。この場合、外管36の軸方向両端部において、内管35との隙間が端壁40,41で塞がれる。なお、内管35の突出部34を含めた熱交換器30は、断熱材で覆われるのがよい。
ところで、本変形例の場合、外管36に延長管部39を設けないことで、内管35の突出部34は水冷されないため、内管35に熱膨張または熱収縮による熱応力が生じやすい。また、内管35は、外管36の長手方向両端部において端壁40,41に溶接されることになる。そのため、内管35は、いわゆる両持ちで保持されるものの、自由度がなくなる分だけ、熱膨張または熱収縮による熱応力が生じやすい。その点、前記実施例の場合、内管35の突出部34を水冷でき、また、内管35と外管36との溶接個所が一箇所となるため、内管35の熱膨張および熱収縮による熱応力を防止することができる。
本発明のエアリーク検知装置1とこれを備えた蒸気滅菌装置2は、前記実施例の構成(制御を含む)に限らず適宜変更可能である。特に、(a)滅菌槽3外に設けられ、滅菌槽3内と連通する中空部32を有すると共に、この中空部32内の流体と熱交換する液体の通液部33を有する熱交換器30と、(b)通液部33に対する液体の入口温度、出口温度および流量の内、少なくとも出口温度に基づき、滅菌槽3内へのエアリークの有無または量を判定する判定手段とを備え、(c)中空部32は、一端部に滅菌槽3が接続される一方、他端部に通液部33よりも外方への突出部34を備えるのであれば、その他の構造は適宜に変更可能である。
たとえば、前記実施例において、熱交換器30と滅菌槽3とを接続する連通管37には、所望により開閉弁を設けてもよい。その場合、たとえば乾燥工程において、開閉弁を閉じておくことで、滅菌槽3内から熱交換器30への伝熱を防止できる。
また、前記実施例において、エアリークの有無や量の判定中(滅菌工程中)、入口温度センサ46の検出温度が上限温度を超えると、たとえば給水弁49の故障などにより、通水が所望になされていないと判定して、その旨、ユーザに報知するようにしてもよい。
1 エアリーク検知装置
2 蒸気滅菌装置
3 滅菌槽
4 減圧手段
5 復圧手段
6 給蒸手段
7 ドレン排出手段
8 排気手段
28 圧力センサ
29 温度センサ
30 熱交換器
31 給排水手段
32 中空部
33 通液部
34 突出部
35 内管
36 外管
37 連通管
39 延長管部
43 給水路
44 排水路
46 入口温度センサ
47 出口温度センサ
49 給水弁
50 減圧弁
51 流量調整用ノズル

Claims (8)

  1. 滅菌槽内から空気排除後に、滅菌槽内に蒸気供給して滅菌槽内の被滅菌物を滅菌する蒸気滅菌装置に用いられ、
    前記滅菌槽外に設けられ、前記滅菌槽内と連通する中空部を有すると共に、この中空部内の流体と熱交換する液体の通液部を有する熱交換器と、
    前記通液部に対する液体の入口温度、出口温度および流量に基づき、前記滅菌槽内へのエアリークの有無または量を判定する判定手段とを備え、
    前記中空部は、一端部に前記滅菌槽が接続される一方、他端部に前記通液部よりも外方への突出部を備える、エアリーク検知装置であって、
    前記熱交換器は、内管と、これを取り囲むよう設けられた外管とを備え、
    前記内管は、一端部が前記外管よりも外方へ延出して前記滅菌槽に接続されることで、前記内管の中空穴が前記滅菌槽内と連通される一方、他端部が前記突出部として前記外管よりも外方へ延出して延出先端部を閉塞され、
    前記内管の突出部は、滅菌工程において前記滅菌槽内へのエアリークがあった場合、前記通液部の通液との熱交換で凝縮せずに残った空気を溜めることができる大きさに設定され
    前記内管の突出部の大きさは、前記外管の長さの1/2倍〜1倍とされる
    ことを特徴とするエアリーク検知装置。
  2. 前記通液部に対する液体の入口部および出口部が、前記外管の周側壁に、前記外管の長手方向に離隔して設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のエアリーク検知装置。
  3. 前記外管には、前記内管の前記突出部を覆う延長管部が設けられ、
    前記内管の突出部と前記外管の延長管部との隙間は、前記通液部に連通する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアリーク検知装置。
  4. 前記内管および前記外管は、軸線を上下方向へ沿って配置され、
    前記外管の周側壁には、下端部に前記通液部に対する液体の入口部が設けられる一方、上端部に前記通液部に対する液体の出口部が設けられ、
    前記通液部には、下方から上方へ向けて液体が通される
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアリーク検知装置。
  5. 前記通液部には、液体が設定流量で通され、
    前記判定手段は、前記通液部に対する液体の入口温度および出口温度に基づき、前記滅菌槽内へのエアリークの有無または量を判定する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエアリーク検知装置。
  6. 前記滅菌槽内で被滅菌物を滅菌中、前記判定手段は、前記通液部に対する液体の出口温度と入口温度との温度差に基づき、前記滅菌槽内へのエアリークの有無または量を判定する
    ことを特徴とする請求項5に記載のエアリーク検知装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアリーク検知装置を備えた蒸気滅菌装置であって、
    被滅菌物が収容されると共に前記エアリーク検知装置が接続される滅菌槽と、
    この滅菌槽内の気体を外部へ吸引排出して前記滅菌槽内を減圧する減圧手段と、
    減圧された前記滅菌槽内へ外気を導入して前記滅菌槽内を復圧する復圧手段と、
    前記滅菌槽内へ蒸気を供給する給蒸手段と、
    前記滅菌槽内から蒸気の凝縮水を排出するドレン排出手段と、
    大気圧との差圧により前記滅菌槽内の気体を外部へ排出する排気手段と、
    前記滅菌槽内の圧力を検出する圧力センサと、
    前記滅菌槽内の温度を検出する温度センサと、
    これらセンサの検出信号に基づき前記各手段を制御して、前記滅菌槽内の空気を排除する前処理工程、前記滅菌槽内の被滅菌物を蒸気で滅菌する滅菌工程、前記滅菌槽内から蒸気を排出する排気工程、および前記滅菌槽内を減圧して被滅菌物を乾燥する乾燥工程を順次に実行する制御手段とを備え、
    前記滅菌工程において、前記エアリーク検知装置の前記熱交換器に液体を通して、前記判定手段により前記滅菌槽内へのエアリークの有無または量を判定する
    ことを特徴とする蒸気滅菌装置。
  8. 前記通液部に対する液体の入口温度、出口温度および流量の内、出口温度の他、入口温度を設定温度に維持しない場合には入口温度も、また、流量を設定流量に維持しない場合には流量も、前記滅菌工程中、所定時間ごとに運転データ記憶手段に保存し、
    この運転データ記憶手段に保存されたデータを、所定機器に出力可能とされた
    ことを特徴とする請求項7に記載の蒸気滅菌装置。
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