JP2001200272A - 廃棄物処理装置用の熱分解反応器 - Google Patents

廃棄物処理装置用の熱分解反応器

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JP2001200272A
JP2001200272A JP2000013198A JP2000013198A JP2001200272A JP 2001200272 A JP2001200272 A JP 2001200272A JP 2000013198 A JP2000013198 A JP 2000013198A JP 2000013198 A JP2000013198 A JP 2000013198A JP 2001200272 A JP2001200272 A JP 2001200272A
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Japan
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pyrolysis
pyrolysis reactor
discharge port
diameter
rotary drum
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Withdrawn
Application number
JP2000013198A
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English (en)
Inventor
Toru Ogasawara
徹 小笠原
Kenichi Muroyama
賢一 室山
Hiroaki Harada
裕昭 原田
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱分解反応器の回転ドラムの排出口側に送られ
てくる熱分解残留物、特にこの熱分解残留物に含まれる
塊状不燃物を滞留させることなく、連続的に排出でき
て、これらの塊状不燃物の滞留が原因となって発生する
トラブルを防止できる廃棄物処理装置用の熱分解反応器
を提供する。 【解決手段】廃棄物処理装置用の熱分解反応器を、該熱
分解反応器1の本体を横型の回転ドラム2で形成すると
共に、該回転ドラム2の後端部に、該回転ドラム2より
小径の排出口40を設け、該排出口40の上流側に、該排出
口40の径と前記回転ドラム2の径との間の径を持ち、順
次上流側に向かって拡径する複数の案内筒部44a,44
b,44c,44dを階段状に接続して設けて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃棄物処理装置用の
熱分解反応器、より詳しくは、廃棄物を加熱して熱分解
し、乾留ガスと共に発生する、主として不揮発性成分よ
りなる熱分解残留物を、確実に効率よく排出できる廃棄
物処理装置用の熱分解反応器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミなどの一般廃棄物や廃プラスチ
ックなどの可燃物を含む産業廃棄物の処理装置の一つと
して、廃棄物を熱分解反応器に入れて低酸素雰囲気で加
熱して熱分解し、乾留ガスと主として不揮発性成分から
なる熱分解残留物を生成し、さらにこの熱分解残留物を
冷却した後、分離装置に供給してカーボンを主体とする
燃焼性成分と、例えば金属や陶器の破片、砂利、コンク
リート片等のガレキ成分よりなる不燃焼性成分とに分離
し、分離した前記燃焼性成分を粉砕し、この粉砕した燃
焼性成分と前記乾留ガスとを燃焼溶融炉に供給して燃焼
処理し、発生した燃焼灰を溶融スラグにして冷却固化す
るようにした廃棄物処理装置が、例えば特開平1−49
816号に記載されているように、知られている。
【0003】そして、この廃棄物処理装置の系統図の一
例を図5に示す。
【0004】この廃棄物処理装置では、都市ごみ等の可
燃物を含有する廃棄物aを廃棄物処理装置用の熱分解反
応器1に供給する廃棄物供給装置14が配設されている。
この廃棄物供給装置14は、バケット15を有するクレーン
16とスクリューフィーダ9とにより構成されている。
【0005】そして、廃棄物処理装置用の熱分解反応器
1には、燃焼器である溶融炉17の後流に配置された高温
空気加熱器18により加熱された加熱空気cが加熱媒体と
してラインL1を経由して、加熱管4に供給される。こ
の加熱管4内を流れる加熱空気cにより、熱分解反応器
1の内部は低酸素雰囲気で300℃〜600℃、通常は
450℃程度に加熱される。
【0006】それと同時に、熱分解反応器1の内部は、
後流側に配置された誘引送風機19により、大気圧以下
(負圧)に保持されて、ガス漏れ等を防止する。
【0007】そして、20℃程度の温度で廃棄物供給装
置14により回転ドラム2内に投入された廃棄物aは、こ
の回転ドラム2内で加熱されて熱分解し、乾留ガスG1
と、不揮発性成分である熱分解残留物dとからなる熱分
解生成物bを生成する。この熱分解生成物bは排出装置
13において乾留ガスG1と熱分解残留物dと分離され、
分離された乾留ガスG1は溶融炉17のバーナ20に、又熱
分解残留物dは冷却装置21に夫々供給される。
【0008】一方、排出装置13により分離された熱分解
残留物dは、冷却装置21で80℃程度まで冷却された
後、分離装置22に供給され、ここでカーボンを主体とし
た燃焼性成分gと金属や陶器、砂利、コンクリート片等
のガレキよりなる不燃焼性成分hとに分離される。この
不燃焼性成分hはコンテナ23により回収され、一方の燃
焼性成分gは粉砕機24に供給されて、ここで例えば1mm
以下の微粉に粉砕される。この粉砕された燃焼性成分
g′はラインL3を経由して溶融炉17のバーナ20に供給
される。
【0009】この粉砕された燃焼性成分g′と、前記し
たラインL2から供給される乾留ガスG1は、押込送風
機25によりラインL4から供給される燃焼用空気jによ
り約1,300℃程度の高温域で燃焼処理され、この燃
焼により生じた燃焼灰と燃焼性成分g中に含まれる灰分
とは溶融して溶融スラグkとなり、溶融炉17の内壁に沿
って流下し水槽26内で冷却固化される。
【0010】そして、発生した燃焼ガスG2はラインL
5で高温空気加熱器18と発電装置32に蒸気sを供給する
廃熱ボイラ28により熱回収された後、集塵装置29とガス
洗浄装置30により除塵及びガス洗浄されて比較的低温の
クリーンな排ガスG3となって大部分は煙突27から大気
中に放出され、一部は押込送風機31によってラインL6
を経由して冷却装置21に不活性ガスとして供給される。
【0011】そして、以上のような構成の廃棄物処理装
置において使用される従来技術の熱分解反応器1の本体
は、図6及び図7に示すように加熱管4a,4b,4c
を内装した横型の回転ドラム2Aで構成され、この回転
ドラム2A内に投入される廃棄物aは、加熱管4a,4
b,4c内に供給される加熱流体cにより間接加熱され
て300℃〜600℃、通常は450℃程度で熱分解さ
れる。
【0012】この加熱管4a,4b,4cは、横型回転
ドラム2Aの廃棄物投入側の二重壁よりなるジャケット
5aと排出側のジャケット5bとを連通するように形成
される。このジャケット5aと5bとはそれぞれ、ヘッ
ダー7aと7bを介して加熱空気cのラインL1,L
1’に連通している。また、付着物掻落し部材6をジャ
ケット5の内壁面に接近して配設し、溶融した合成樹脂
等の内壁面の付着を防止している。
【0013】この熱分解反応器1においては、回転ドラ
ム2Aは、図10に示すように、排出側が下側になるよ
うに、小さな傾斜角θではあるが、傾斜して配置されて
いるので、回転ドラムA2(径Dd)の回転に伴い、熱
分解残留物dは、一部の掻き上げ機能を持つ加熱管4
b,4cにより掻き上がられては落下して、僅かづつで
はあるが、1回転につき移動量M(=Dd×θ)で前方
に移動して、回転ドラム2Aの終端側(排出側)に設け
た排出口40に到達して排出される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術の回転ド
ラム2Aにおいては、排出部分は、図8〜図10に示す
ように、回転ドラム2Aの端面の加熱管4a,4b,4
cの管板2aの中心に回転ドラム2Aより小径の排出管
41に連通する排出口40が設けられており、熱分解残留物
dを、加熱管4b,4cで掻き上げては落とし、排出口
40側に移動させ、端部で溢れた熱分解残留物dを排出管
41より排出している。
【0015】この図6〜図9に示す構造の回転ドラム2
Aにおいては、図10に示すように排出口40側端部の隅
の滞留部(斜線部)Xに、熱分解残留物dの滞留が生じ
やすく、滞留した熱分解残留物dにワイヤやタイヤチェ
ーン等があると、回転ドラム2Aの回転により、塊状不
燃物kが生成され、これらが、端部に留まって排出され
ない恐れがある。
【0016】また、この部分で発生した塊状不燃物kを
排出し易くするために、熱分解反応器1の下流側の設計
寸法を大きくすると必要がある。
【0017】この塊状不燃物kは、回転ドラム2Aの投
入口側では廃棄物aに混ざっているので、廃棄物aと共
に移動するが、熱分解が進むに連れて炭化し、廃棄物a
が熱分解残留物dに変化していくと、この塊状不燃物k
が分離し、表面に出てきて排出されにくくなる。
【0018】従って、この塊状不燃物kの生成の問題
は、回転ドラム2Aの排出側の端部で特に問題となる。
【0019】そして、この滞留の原因は、排出口40側端
部で、回転ドラム2Aの大きな径(Dd)から急に排出
口40の小さな径(Do)に断面を絞っていることに起因
していると考えられる。つまり、排出口40の上側40uか
ら落下した熱分解残留物dは、小径(Do)の部分での
移動量m(=Do×θ)しか移動しないため、排出口40
から排出管41への移動が難しく、また、移動したとして
も、塊状不燃物kは排出口40からこぼれ落ち易く、ある
程度の熱分解残留物dが溜まらないと、塊状不燃物kは
排出管41へ移動して行かないためであると考えられる。
【0020】この端部における滞留を防止するために、
図11及び図12に示すように、回転ドラム2Bの内側
に、排出口40に接続して排出補助部材50を設けた装置が
ある。この排出補助部材50は、排出口40側が狭くなる排
出部50aと、幅広部50bとで形成されている格子状の部
材であり、排出口40の半円部分に沿って設けられ、細か
くなった熱分解残留物dはこの格子の隙間から抜け落ち
るが、塊状不燃物kはこの格子で受け止められる構造と
なっている。
【0021】そして、この排出補助部材50の幅広部50b
により、回転ドラム2Bの回転に伴い落下してくる塊状
不燃物kを受けて、回転に伴って格子上を滑り落しなが
ら、排出口40側の徐々に狭くなる排出部50aで排出口40
へ案内して排出管41へ排出する。
【0022】しかしながら、この排出補助部材50の受け
側50cでは加熱管4a,4b,4cを覆うので、この受
け側50cの下側部分における熱分解残留物dの滞留を防
止することは出来るが、回転ドラム2Bの回転に伴い、
落下してくる熱分解残留物dを受け入れるために、片側
に開口部51を設ける必要があり、この開口部51側におい
ては、加熱管4a,4b,4cが露出し、図10と同様
な滞留部分(斜線部)Xが生じ、また、排出補助部材50
の裏側(外周側)と加熱管4a,4b,4cとの間にも
滞留し易い部分が生じてしまうという問題がある。
【0023】また、開口部51を設ける必要性から、排出
口40の円周に対して、落下してくる塊状不燃物kを部分
的にしか受けることができず、熱分解残留物dの排出が
不連続となり、これらの排出を効率良く行えないという
問題がある。
【0024】そこで、図13に示すように、排出口40側
に向かって断面を緩やかに絞り、円錐状の傾斜面60を設
ければ、排出口40側端部において、滞留部分Xを加熱管
4a,4b,4cごとを覆うことができるので、熱分解
残留物dの滞留を防止できると考え、実験を行ったが、
この円錐形状の傾斜面60を設けた回転ドラム2Cの排出
構造では、傾斜面60と加熱管4a,4b,4cとの間に
おいて、楔状の空間Yが形成されてしまうため、却っ
て、塊状不燃物kが排出されにくいという問題が生じ
た。
【0025】また、更に、この円錐形状の排出構造で
は、その傾斜面60における径Dが小さくなるに従って、
移動距離M(=D×θ)は徐々に小さくなるが、傾斜面
60が下側に来たときに、廃棄物aが投入される上流側が
低くなる逆勾配の斜面となってしまうため、戻り方向へ
力が作用しスリップSを生じる。そのため、熱分解残留
物dの排出が旨く行えないという問題が生じ、更に、円
錐形状の排出構造は実際に制作する場合に制作しにくい
という問題も生じた。
【0026】本発明は前記したような従来技術の問題点
を解決するためになされたものであって、その目的は、
熱分解反応器の回転ドラムの排出口側に送られてくる熱
分解残留物、特にこの熱分解残留物に含まれる塊状不燃
物を滞留させることなく、連続的に排出できて、これら
の塊状不燃物の滞留が原因となって発生するトラブルを
防止できる廃棄物処理装置用の熱分解反応器を提供する
ことにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の廃棄物処理装置用の熱分解反応器は、次のように構成
される。
【0028】1)廃棄物を加熱して熱分解し、乾留ガス
と熱分解残留物とを生成する熱分解反応器と、該熱分解
反応器から排出される前記乾留ガスと前記熱分解残留物
とを分離する排出装置と、該排出装置から排出される前
記熱分解残留物を冷却する冷却装置と、該冷却装置によ
り冷却された前記熱分解残留物を燃焼性成分と不燃焼性
成分とに分離する分離装置と、前記燃焼性成分を粉砕す
る粉砕装置と、前記乾留ガスと前記粉砕された燃焼性成
分とを燃焼処理する燃焼溶融炉とを備えた廃棄物処理装
置における熱分解反応器であって、該熱分解反応器の本
体を横型の回転ドラムで形成すると共に、該回転ドラム
の後端部に、該回転ドラムより小径の排出口を設け、該
排出口の上流側に、該排出口の径と前記横型回転ドラム
の径との間の径を持ち、順次上流側に向かって拡径する
複数の案内筒部を階段状に接続して設けて構成される。
【0029】つまり、横型の回転ドラムの排出口の端部
より、少し手前から、断面積が段階的に減少するよう
に、徐々に小径となる案内筒部を多段に階段状に接続し
て、最小の径の案内筒部が排出口に接続するように形成
する。
【0030】この構成によれば、熱分解ドラム内に滞留
することが多かった熱分解残留物、特にその中に含まれ
る塊状不燃物も、順次隣の小径の案内筒部に移動し、し
かも、案内筒部の筒面は、回転ドラムの傾斜と同じ傾斜
をして配設されているので、逆戻りせずに連続的に確実
に出口側に送り出すので、熱分解残留物やそれに含まれ
る塊状不燃物を滞留させることなく、塊状不燃物が絡む
前に単品で、また、絡んだとしても小さい塊の内に排出
できる。
【0031】2)また、上記の廃棄物処理装置用の熱分
解反応器において、前記前記案内筒部の側面に、前記案
内筒部の筒面より内側に突出するリング状の戻り防止板
を設けて構成する。つまり、各段の案内筒部の側面に熱
分解残留物、特に塊状不燃物が逆戻りするのを防止する
リング状の戻り防止板を付ける。
【0032】この戻り防止板により、案内筒部の内周面
に載った熱分解残留物が、この案内筒部より大径の案内
筒部に逆戻りすることを防止する。
【0033】3)更に、上記の廃棄物処理装置用の熱分
解反応器において、前記排出口近傍の前記案内筒部に、
該案内筒部の筒面より内側に突出する掻上げ板を設けて
構成する。
【0034】つまり、出口側の部分に配置された案内筒
部に、内側に張出す掻上げ板を設けて、案内筒部により
隠れてしまう加熱管の掻き上げ機能を補充する。
【0035】
【発明の実施の形態】以下図面に基づき本発明の実施の
形態の廃棄物処理装置用の熱分解反応器について説明す
る。
【0036】本発明に係る実施の形態の熱分解反応器1
は、図1〜図4に示す回転ドラム2の排出口40側の端部
の構造以外は、図6に示す熱分解反応器1と共通する部
分が多いので、先ず、図6で熱分解反応器1の全体的な
構造を説明する。
【0037】この廃棄物処理装置用の熱分解反応器1
は、図6に示すように、横型回転ドラム式であり、この
熱分解反応器1の本体部分を構成する回転ドラム2は、
モータ等の駆動装置3により中心軸周りに回転できるよ
うに構成され、その内部には加熱管4と二重壁よりなる
ジャケット5a,5bやヘッダー7a,7bや付着物掻
落し部材6とを配設して構成される。
【0038】この加熱管4は、図7に示すように回転ド
ラム2の内壁に沿って配置される複数の加熱管4aと、
回転ドラム2の半径方向に配置され、掻上げ機能を持つ
複数の加熱管4b,4cとから構成され、これらの加熱
管4(4a,4b,4c)は、その一端を加熱空気cの
供給用にヘッダー7bに、他端をジャケット5aに連通
して設けられている。更に、このジャケット5aは加熱
空気cの排出用のヘッダー7aに連通して形成されてい
る。
【0039】そして、廃棄物aの供給側には、廃棄物a
を回転ドラム2内に投入するために、スクリューフィー
ダ9が設けられており、このスクリューフィーダ9は、
ケーシング10とスクリュー軸11とスクリュー12とから形
成されている。
【0040】このスクリューフィーダ9の先のケーシン
グ10の外側に、回転ドラム2の軸方向に延設された板状
部材で構成される付着物掻落し部材6が取付けられてい
る。この付着物掻落し部材6の外縁はジャケット5の内
壁面に接近して配設され、しかも、廃棄物aの投入を妨
げないように、ケーシング10の上部に1個、又は2以上
の個数で適宜選択され配置される。
【0041】また、廃棄物aの供給側と反対側には、熱
分解生成物dを排出する排出装置13を設けて構成する。
この排出側においては、横型回転ドラム2の後端部の加
熱管4の管板2aの中央に、回転ドラム2より小径の排
出管41を接続して、熱分解残留物dを排出する回転ドラ
ム2より小径の排出口40を設けるそして、本発明におい
ては、図1〜図4に示すように、この熱分解残留物dの
排出側、即ち、後端部において、排出口40の前方に、こ
の排出口40の径Dsと前回転ドラム2の径Ddとの間の
径を持ち、順次前方に向かって拡径する複数の案内筒部
44a,44b,44c,44dを階段状に接続して設けて構成
される。
【0042】つまり、回転ドラム2より小径の案内筒部
44a,44b,44c,44dを排出口40の径まで順次縮径し
て、階段状に多段に形成する。従って、排出口40がある
後端部2aより少し手前から、徐々に小径となり断面積
が段階的に減少する、円錐状に近い階段状となり、最小
径の案内筒部44dが排出口40に接続することになる。
【0043】この案内筒部44a,44b,44c,44dは、
通常は、制作が容易で構造的にも強いので、回転ドラム
2と同心の円筒で形成されるが、階段状に断面積が縮小
し、排出口40に接続していけばよく、必ずしも真円であ
る必要はなく、断面が楕円や長円や多角形等の筒でもよ
い。
【0044】また、案内筒部44a,44b,44c,44dの
各側面に、筒面より内側に突出するリング状の戻り防止
板45a,45b,45c,45dを設けて、この戻り防止板45
a,45b,45c,45dにより、熱分解残留物d、特に塊
状不燃物kが逆戻りするのを防止する。例えば、案内筒
部44bに載った熱分解残留物bが、この案内筒部44bよ
り大径の案内筒部44aに戻ることを防止する。
【0045】更に、排出口40近傍においては、掻き上げ
機能を有する加熱管4b,4cが隠れてしまうので、排
出口40近傍の案内筒部44c,44dに、案内筒部44c,44
dの筒面から内側に突出する掻上げ板46c,46dを設
け、案内筒部44c,44dにより隠れてしまう加熱管の掻
き上げ機能を補充する。
【0046】以上の構成によれば、熱分解残留物dやこ
の熱分解残留物d中に含まれる塊状不燃物kは、回転ド
ラム2の排出口40側の端部において、案内筒部44a,44
b,44c,44dの部分で順次隣の案内筒部に移動して、
排出口40に導かれて排出される。
【0047】この時、熱分解残留物dが載る部分である
案内筒部44a,44b,44c,44dの筒面(内周面)は、
回転ドラム2と同じ傾斜角θを有しているので、逆戻り
することなく排出され、しかも、案内筒部44a,44b,
44c,44dは、周方向に連続した内周面を有しているの
で、途中で滞留することが無い。
【0048】また、案内筒部44a,44b,44c,44dの
側面にリング状の戻り防止板45a,45b,45c,45dを
設けたので、一端、後方の案内筒部44a,44b,44c,
44dに載った熱分解残留物dが逆戻りするのを確実に防
止できる。
【0049】更に、排出口40近傍の案内筒部44c,44d
に、筒面から内側に突出する掻上げ板46c,46dを設け
たので、排出口40近傍における掻き上げ機能を維持する
ことができる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による廃棄物処理装置用の熱分解反応器によれば、熱分
解残留物やこの熱分解残留物中に含まれる塊状不燃物
を、回転ドラムの排出口側において、回転ドラムの回転
に伴い、掻き上げたは落下させることにより、案内筒部
を設けた階段状部分で順次隣の案内筒部に移動させて、
排出口に導いて、逆戻りや滞留を防止しながら、効率よ
く排出することができる。
【0051】また、案内筒部の側面にリング状の戻り防
止板を設けることにより、一旦、後方の案内筒部に載せ
た熱分解残留物の逆戻りを確実に防止することができ
る。
【0052】更に、排出口近傍の案内筒部に、筒面から
内側に突出する掻上げ板を設けることにより、排出口近
傍における掻き上げ機能を維持できるので、効率よく熱
分解残留物やそれに含まれる塊状不燃物を速やかに排出
口側に移動して排出できる。
【0053】従って、塊状不燃物等を含む熱分解残留物
を回転ドラム内に滞留させることなく、連続的に確実に
排出口側に送り出すことができるので、塊状不燃物の生
成を防止できる。また、例え塊状不燃物が出来ても、回
転ドラムの端部に滞留させることなく排出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃棄物処理装置用の熱分解反応器
の側断面図である。
【図2】図1のA−A断面,B−B断面,C−C断面,
D−D断面を部分的に示すE−E矢視図である。
【図3】本発明に係る廃棄物処理装置用の熱分解反応器
を内側から見た図である。
【図4】本発明に係る熱分解残留物の移動を説明するた
めの模式的な側断面図である。
【図5】本発明に係る熱分解反応器を組み込んだ廃棄物
処理装置の一実施例の系統図である。
【図6】廃棄物処理装置用の熱分解反応器の実施の形態
を示す模式的な側面図である。
【図7】熱分解反応器の加熱管の配置を示す模式的な断
面図である。
【図8】従来技術の熱分解反応器の排出口側を示す模式
的な側面図である。
【図9】図8の模式的な断面図である。
【図10】図8の熱分解反応器における熱分解残留物の
移動を説明するための模式的な側断面図である。
【図11】排出補助部材を設けた熱分解反応器の排出口
側を示す模式的な側面図である。
【図12】図11の模式的な断面図である。
【図13】円錐状の傾斜面を設けた熱分解反応器におけ
る熱分解残留物の移動を説明するための模式的な側断面
図である。
【符号の説明】
1 廃棄物処理装置用の熱分解反応器 2 横型の回転ドラム 4,4a,4b,4c 加熱管 13 排出装置 17 燃焼溶融炉 21 冷却装置 22 分離装置 24 粉砕装置 40 排出口 44a,44b,44c,44d 案内筒部 45a,45b,45c,45d 戻り防止板 46c,46d 掻上げ板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 裕昭 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井造 船株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA07 AA46 CA04 CA12 CA15 CA24 CA28 CA29 CA32 CB09 CB13 CB31 CB43 4H012 HB03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を加熱して熱分解し、乾留ガスと
    熱分解残留物とを生成する熱分解反応器と、該熱分解反
    応器から排出される前記乾留ガスと前記熱分解残留物と
    を分離する排出装置と、該排出装置から排出される前記
    熱分解残留物を冷却する冷却装置と、該冷却装置により
    冷却された前記熱分解残留物を燃焼性成分と不燃焼性成
    分とに分離する分離装置と、前記燃焼性成分を粉砕する
    粉砕装置と、前記乾留ガスと前記粉砕された燃焼性成分
    とを燃焼処理する燃焼溶融炉とを備えた廃棄物処理装置
    における熱分解反応器であって、 該熱分解反応器の本体を横型の回転ドラムで形成すると
    共に、該回転ドラムの後端部に、該回転ドラムより小径
    の排出口を設け、該排出口の上流側に、該排出口の径と
    前記回転ドラムの径との間の径を持ち、順次上流側に向
    かって拡径する複数の案内筒部を階段状に接続して設け
    たことを特徴とする廃棄物処理装置用の熱分解反応器。
  2. 【請求項2】 前記案内筒部の側面に、前記案内筒部の
    筒面より内側に突出するリング状の戻り防止板を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理装置用の熱
    分解反応器。
  3. 【請求項3】 前記排出口近傍の前記案内筒部に、該案
    内筒部の筒面より内側に突出する掻上げ板を設けたこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物処理装置用
    の熱分解反応器。
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