JP2001200076A - 熱収縮性ポリエステルフィルム - Google Patents

熱収縮性ポリエステルフィルム

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JP2001200076A JP2000011003A JP2000011003A JP2001200076A JP 2001200076 A JP2001200076 A JP 2001200076A JP 2000011003 A JP2000011003 A JP 2000011003A JP 2000011003 A JP2000011003 A JP 2000011003A JP 2001200076 A JP2001200076 A JP 2001200076A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱殺菌に使用した場合に、外観不良、ゆる
みを生じない熱収縮性ポリエステルフィルムを提供す
る。 【解決手段】 ポリエステル樹脂(A)5〜40重量%
とポリエステル樹脂(B)60〜95重量%からなる熱
収縮性フィルムであって、(A)はガラス転移温度が3
5〜55℃、イソフタル酸、シクロヘキサンジメタノー
ル、ネオペンチルグリコールの少なくとも1種が特定量
共重合されたPETまたはPBT樹脂であるポリエステ
ル樹脂、(B)はガラス転移温度が75〜120℃、イ
ソフタル酸、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチ
ルグリコールの少なくとも1種が特定量共重合されたP
ETまたはPBT樹脂であるポリエステル樹脂組成物か
らなる熱収縮性ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、瓶・ボトル等のラ
ベル、キャップシール、被覆に用いられる熱収縮性ポリ
エステルフィルムに関し、さらに詳しくは、収縮処理時
に高温収縮させてもシワなどの発生がなく、また、レト
ルト処理などの熱殺菌処理でゆるみを生じない熱収縮性
ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック収縮フィルムは瓶やボトル
等のラベル、キャップシール、電子部品、電池、長尺物
の結束、被覆等に使用されている。従来、収縮フィルム
用樹脂にはポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピ
レンなどがあるが、これらは一般に耐熱性が乏しく、ボ
イル処理や、レトルト処理に耐えられないものが多い。
またこれらは、例えば、ポリ塩化ビニルからなるフィル
ムは、ポリマーや添加剤のゲル状物が生成し易く、印刷
時に印刷ぬけを生じることがある。ポリスチレンからな
るフィルムは、耐候性や耐溶剤性に劣りクラックが生じ
易くフィルムの寸法が安定しないという問題がある。ポ
リプロピレンからなるフィルムは低温度域での収縮性が
悪く、収縮部分にシワや斑を生じ易いという問題があ
る。
【0003】これに対してポリエステルは耐熱性、耐候
性及び耐溶剤性の面で非常に優れた素材である。反面、
収縮フィルムとして収縮率が不充分であったり、収縮温
度が比較的高温であるためプラスチックボトル等のラベ
ル用として問題があったが、ネオペンチルグリコールや
イソフタル酸の共重合による収縮率の改善(特開平1−
4326号公報、特開昭63−222845号公報)、
あるいは、脂肪族ジカルボン酸の共重合による収縮開始
温度の引き下げ(特開平2−153941号公報)等に
より改善されている。
【0004】通常、収縮フィルムは140℃から180
℃の比較的高温で収縮処理を行うが、ポリエステル系収
縮フィルムは収縮開始までの時間が長く、かつ、収縮を
開始すると急激に収縮率が増大するため、高速、高温の
収縮条件では収縮率不足のため斑が発生したり、急激な
収縮によるシワの発生等の外観不良を起こし易い。これ
に対処するため脂肪族ジカルボン酸の共重合により収縮
開始温度を引き下げる方法(特開平2−153941号
公報)や、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレートエラストマー等のガラス転移温度の低い
ポリエステルのブレンドによる方法(特開平4−335
041号公報、特開平7−216109号公報)により
改善されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような技術的背
景により、収縮フィルムとして十分な収縮率と収縮特性
さらには外観不良の抑制がなされているが、食品等の熱
殺菌を必要とする用途に用いられる場合、高温処理でゆ
るみが生じないものが必要とされる。本発明はこの点を
解決しようとするものであり、その目的とするところ
は、外観不良を起こさず、熱殺菌工程でゆるみを生じな
い熱収縮性ポリエステルフィルムを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、異なる2種のポリエス
テルのブレンドにより、収縮後の外観に優れるフィルム
を得るに至った。すなわち本発明は、ポリエステル樹脂
(A)5〜40重量%とポリエステル樹脂(B)60〜
95重量%からなる熱収縮性フィルムであって、(A)
はガラス転移温度が35〜55℃、主たる酸成分をテレ
フタル酸、主たるグリコール成分をエチレングリコール
またはブタンジオールとし、これ以外にイソフタル酸、
シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール
の中の少なくとも1種を含み、かつ、これらの合計(イ
ソフタル酸の場合全酸成分中のmol%、シクロヘキサ
ンジメタノール、ネオペンチルグリコールの場合は全グ
リコール成分中のmol%)が15〜50mol%であ
るポリエステル樹脂であり、(B)はガラス転移温度が
75〜120℃、テレフタル酸またはナフタレンジカル
ボン酸を主たる酸成分、エチレングリコールを主たるグ
リコール成分とし、これにイソフタル酸、シクロヘキサ
ンジメタノール、ネオペンチルグリコールの中の少なく
とも1種を含み、かつ、これらの合計(イソフタル酸の
場合全酸成分中のmol%、シクロヘキサンジメタノー
ル、ネオペンチルグリコールの場合は全グリコール成分
中のmol%)が15〜50mol%であるポリエステ
ル樹脂からなる熱収縮性ポリエステルフィルムにある。
【0007】さらに本発明は、上記発明において水温を
40℃から90℃まで上昇させフィルムの収縮率の変化
を測定した場合、70℃から80℃に温度を上昇させた
場合の収縮率の増大が5%より大きく、温水に10秒浸
漬した場合のフィルムの収縮率が70℃で5〜40%、
90℃で35%以上である熱収縮性ポリエステルフィル
ムにある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の熱収縮性ポリエステルフ
ィルムは(A),(B)2種のポリエステル樹脂の組成
物からからなる。ポリエステル樹脂(A)はガラス転移
温度(以下、Tgと記載する。)35〜55℃、主たる
酸成分をテレフタル酸、主たるグリコール成分をエチレ
ングリコールまたはブタンジオールとし、これ以外にイ
ソフタル酸、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチ
ルグリコールの中の少なくとも1種を含み、かつ、これ
らの合計(イソフタル酸の場合全酸成分中のmol%、
シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール
の場合は全グリコール成分中のmol%)が15〜50
mol%であるポリエステル樹脂である。より好ましく
はTgが40〜50℃、イソフタル酸、シクロヘキサン
ジメタノール、ネオペンチルグリコールの中の少なくと
も1種の合計が20〜40mol%である。
【0009】ポリエステル樹脂(A)のTgが35℃よ
り低いとフィルムは室温で収縮を起こし、55℃より高
い場合は低温域における収縮が不足し外観不良を起こ
す。また、イソフタル酸、シクロヘキサンジメタノー
ル、ネオペンチルグリコールの中の少なくとも1種の合
計(イソフタル酸の場合全酸成分中のmol%、シクロ
ヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールの場合
は全グリコール成分中のmol%)が15mol%より
少ないとフィルムは低温域における収縮が不足し、ま
た、50mol%より多いと熱殺菌処理後にオリゴマー
を発生しフィルムが濁る等の不都合を生じる。
【0010】ポリエステル樹脂(A)には、テレフタル
酸、イソフタル酸、エチレングリコール、ブタンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコ
ール以外の酸性分、グリコール成分を、得られるポリエ
ステル樹脂のTgが上記の範囲中内であれば共重合する
ことが可能である。
【0011】共重合可能な酸成分としては、芳香族ジカ
ルボン酸、脂肪族ジカルボン酸及び脂環式ジカルボン酸
の何れも用いることができる。芳香族ジカルボン酸とし
ては、オルトフタル酸、5−tert−ブチルイソフタ
ル酸等のベンゼンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸等のナフタレンジカルボン酸類、4,4’−
ジカルボキシジフェニル、2,2,6,6−テトラメチ
ルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸等のジカルボキ
シビフェニル類、1,1,3−トリメチル−3−フェニ
ルインデン4,5−ジカルボン酸及びその置換体、1,
2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸及び
その置換体等が挙げられる。
【0012】また、脂肪族ジカルボン酸としては、シュ
ウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸、
ウンデカン酸、ドデカンジカルボン酸、ブラシル酸、テ
トラデカンジカルボン酸、タプシン酸、ノナデカンジカ
ルボン酸、ドコサンジカルボン酸等が挙げられる。さら
に、上記脂環式ジカルボン酸としては1,4−ジカルボ
キシシクロヘキサン、1,3−ジカルボキシシクロヘキ
サン等が挙げられる。
【0013】共重合可能なグリコール成分としては、脂
肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオールの何
れもが用いられる。脂肪族ジオールとしてはジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−2
−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ジエチル−
1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ブチ
ル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。脂環式ジ
オールとしては、1,3−シクロヘキサンジメタノール
等が挙げられる。さらに上記芳香族ジオールとしては
2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシジフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエ
トキシジフェニル)スルホン等のビスフェノール系化合
物のエチレンオキサイド付加物、キシリレングリコール
が挙げられる。また、ポリエチレングリコールやポリプ
ロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール等
が挙げられる。
【0014】ポリエステル樹脂(B)は、Tgが75〜
120℃、テレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸
を主たる酸成分、エチレングリコールを主たるグリコー
ル成分とし、これにイソフタル酸、シクロヘキサンジメ
タノール、ネオペンチルグリコールの中の少なくとも1
種を含み、かつ、これらの合計(イソフタル酸の場合全
酸成分中のmol%、シクロヘキサンジメタノール、ネ
オペンチルグリコールの場合は全グリコール成分中のm
ol%)が15〜50mol%であるポリエステル樹脂
であり、より好ましくはTgが80〜110℃、イソフ
タル酸、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグ
リコールの中の1つ以上の合計(イソフタル酸の場合全
酸成分中のmol%、シクロヘキサンジメタノール、ネ
オペンチルグリコールの場合は全グリコール成分中のm
ol%)が20〜40mol%である。
【0015】ポリエステル樹脂(B)のTgが75℃よ
り低いとフィルムの急激な収縮の抑制が不充分であり、
120℃より高いと通常の収縮条件ではフィルムの収縮
率が不足し不都合である。また、イソフタル酸、シクロ
ヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールの中の
少なくとも1種の合計が15mol%より少ないとフィ
ルムの十分な収縮率が得られず、50mol%より多い
と熱殺菌処理後にオリゴマーがフィルム表面に析出し白
化の原因となる。
【0016】ポリエステル樹脂(B)にはテレフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、エチレン
グリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチ
ルグリコール以外の酸成分、グリコール成分をTgが上
記の範囲であれば共重合することが可能である。
【0017】共重合可能な酸成分としては芳香族ジカル
ボン酸、脂肪族ジカルボン酸及び脂環式ジカルボン酸の
何れも用いることができる。芳香族ジカルボン酸として
は、オルトフタル酸、5−tert―ブチルイソフタル
酸等のベンゼンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシ
ジフェニル、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル
−4,4’−ジカルボン酸等のジカルボキシビフェニル
類、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン
4,5−ジカルボン酸及びその置換体、1,2−ジフェ
ノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸及びその置換体
等が挙げられる。
【0018】また、脂肪族ジカルボン酸としては、シュ
ウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸、
ウンデカン酸、ドデカンジカルボン酸、ブラシル酸、テ
トラデカンジカルボン酸、タプシン酸、ノナデカンジカ
ルボン酸、ドコサンジカルボン酸等が挙げられる。さら
に、上記脂環式ジカルボン酸としては1,4−ジカルボ
キシシクロヘキサン、1,3−ジカルボキシシクロヘキ
サン等が挙げられる。
【0019】また、共重合可能なグリコール成分として
は脂肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオール
の何れもが用いられる。脂肪族ジオールとしてはブタン
ジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオ
ール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−
エチル−2−n−ブチル−1,3プロパンジオール等が
挙げられる。脂環式ジオールとしては、1,3−シクロ
ヘキサンジメタノール等が挙げられる。さらに、上記芳
香族ジオールとしては2,2−ビス(4’−β−ヒドロ
キシエトキシジフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4’−β−ヒドロキシエトキシジフェニル)スルホン
等のビスフェノール系化合物のエチレンオキサイド付加
物、キシリレングリコールが挙げられる。またポリエチ
レングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリ
アルキレングリコール等が挙げられる。
【0020】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムを
構成するポリエステル樹脂(A),(B)は、公知の直
接重合法やエステル交換法等により製造することがで
き、連続式あるいはバッチ式の何れの方法で調製しても
よい。
【0021】ポリエステル樹脂(A),(B)の重合度
は、特に限定されるものではないが、フィルム原反の成
形性から極限粘度[η](フェノール/テトラクロロエ
タン等重量混合溶液を溶媒として25℃で測定)が0.
50〜1.5dl/gであることが好ましい。
【0022】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムを
構成するポリエステル樹脂(A),(B)の配合比は、
ポリエステル樹脂(A)が5〜70重量%とポリエステ
ル樹脂(B)が30〜95重量%であり、好ましくはポ
リエステル樹脂(A)が10〜60重量%とポリエステ
ル樹脂(B)が40〜90重量%である。ポリエステル
樹脂(A)が5重量%より少なく、ポリエステル樹脂
(B)が95重量%より多いと、フィルムの収縮率の不
足、外観不良を生じ、またポリエステル樹脂(A)が7
0重量%より多く、ポリエステル樹脂(B)が30重量
%より少ないと、フィルムの外観不良を起こす原因とな
る。
【0023】ポリエステル樹脂(A),(B)を所定の
比率で配合したポリエステル樹脂組成物は、例えば、以
下の方法によって熱収縮性ポリエステルフィルムに成形
される。まず、ポリエステル樹脂を乾燥、あるいは、ベ
ント式の押出機で加水分解による重合度の低下を抑制
し、押出機から冷却ドラム上に押し出してフィルム原反
を作成する。
【0024】次いで、このフィルム原反を、ブレンドし
たポリエステル樹脂のTgより3℃以上高い温度で縦方
向あるいは横方向に1.5〜5.0倍、好ましくは1.
0〜4.8倍に延伸し、高い収縮率をフィルムに付与す
る。さらに、必要に応じて前記延伸方向と直角方向に
1.0〜1.8倍、好ましくは1.0〜1.5倍に延伸
する。これはフィルムの主収縮方向に対して直角方向の
強度を向上させ前記延伸方向の収縮を必要以上に収縮さ
せないために有効である。フィルムの延伸は、同時二軸
延伸、逐次二軸延伸、一軸延伸の方法により行われ、横
方向の延伸と縦方向の延伸はどちらを先に延伸してもよ
い。延伸された熱収縮フィルムは、そのまま製品として
使用することも可能であるが、寸法安定性の点から50
℃から150℃の温度で数秒から数十秒の熱処理を行っ
てもよい。
【0025】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムの
厚さは特に限定されるものではないが1〜600μmの
範囲のものが実用的に使われる。
【0026】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムに
は、さらに、特定の性能を付与するために公知の各種の
加工処理を施すことができる。その例としては紫外線、
α線、β線、γ線、あるいは電子線等の照射、コロナ処
理、火炎処理等の処理、塩化ビニリデン、ポリビニルア
ルコール、ポリアミド、ポリオレフィン等の樹脂の塗
布、ラミネート、あるいは金属の蒸着等が挙げられる。
【0027】また、本発明の熱収縮性ポリエステルフィ
ルムには、必要に応じて各種の既知の添加剤を含有させ
ることができる。その例としてはポリアミド、ポリオレ
フィン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート
等の樹脂、二酸化チタン、微粒子状シリカ、カオリン、
炭酸カルシウム等の滑剤、酸化チタン、カーボンブラッ
ク等の顔料、紫外線吸収剤、離型剤、難燃剤等、帯電防
止剤、老化防止剤が挙げられる。
【0028】以上のようにして得られたフィルムの収縮
挙動は、以下に説明するような収縮特性を有するため、
シワやムラのない外観の良好な熱収縮性ポリエステルフ
ィルムとなる。すなわち、フィルムの収縮特性は、 水温
を40℃から90℃まで上昇させ収縮率の変化を測定し
た場合、70℃から80℃の収縮率の増大が3%以上好
ましくは5%以上であり、温水に10秒浸漬した場合の
収縮率が70℃で5〜30%好ましくは10〜25%、
90℃で35%以上、好ましくは40%以上である。7
0℃から80℃に温度を上昇させた場合の収縮率の増大
が3%より少ないと、熱殺菌処理時にゆるみが生じ不都
合である。また、70℃の温水中での収縮率が5%より
低いと収縮率不足、外観不良を起こし、逆に、35%を
超えるとしわの発生等の外観不良を起こし易い。また、
90℃の温水中での収縮率が35%より低いと熱収縮性
フィルムとしては実用的でない。
【0029】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明をさら
に説明する。 [樹脂1,2,4〜9,11,15,16,18の製
造]表1に記載したポリエステル生成原料を還流塔、攪
拌装置を備えた反応容器に入れ、200℃から240℃
で副生する水を留去しながら水の留出量が理論量の90
%になるまで反応させエステル化物を得た。ついで、こ
のエステル化物に仕込み原料の重量に対して500pp
mの三酸化アンチモンを添加し、285℃で副生するグ
リコール成分を600Pa以下の高真空で留去させつ
つ、285℃の溶融粘度が極限粘度[η]が0.7dl
/gのポリエチレンテレフタレート(PET)の285
℃におけるトルク値に相当するまで溶融重合しポリエス
テル樹脂を得た。
【0030】[樹脂3,10の製造]表1記載の原料を
還流塔、攪拌装置を備えた反応容器に入れ原料に対して
500ppmのテトラブチレンチタネートを添加し反応
温度140℃から240℃で副生するメタノールを留去
しながらメタノール留出量が理論量の90%になるまで
反応させエステル化物を得た。このエステル化物を25
0℃で副生するグリコール成分を600Pa以下の高真
空で留去させつつ、250℃における溶融粘度が極限粘
度[η]が0.7dl/gのPETの285℃における
トルク値に相当するまで溶融重合しポリエステル樹脂を
得た。
【0031】[樹脂12〜14, 17,19の製造]表
1記載の原料を還流塔、攪拌装置を備えた反応容器に入
れ、原料に対して800ppmの酢酸マンガン4水和物
を添加し副生するメタノールを留去しながらメタノール
の留出量が理論量の90%になるまで反応させエステル
化物を得た。ついで、このエステル化物に原料の重量に
対して500ppmの三酸化アンチモンを添加し、28
5℃で副生するグリコール成分を600Pa以下の高真
空で留去させつつ、攪拌トルクが極限粘度[η]0.7
dl/gのPETの285℃におけるトルク値になるま
で溶融重合しポリエステル樹脂を得た。以上の各例で製
造したポリエステル樹脂の組成及びTgを表1、表2に
示した。
【0032】
【表1】
【表2】
【0033】なお、樹脂組成は樹脂をヒドラジンで加水
分解した後クロマトグラフィーにより求めた。また、T
gは以下のようにして求めた。 [Tgの測定]樹脂を280℃で5分間メルトした後、
ドライアイスにてクエンチを行って得た試料を用い、
(株)島津製作所製、示差走査熱量計(DSC)で昇温
速度10℃/分で窒素気流化で測定し、Tgをベースラ
インのショルダー値とした。
【0034】[フィルムの作成]前記各例で得たポリエ
ステル樹脂を真空乾燥により水分率が100ppm以下
になるまで乾燥し、表3に示した配合比になるような樹
脂組成とし、これを260℃で冷却ドラム(20℃)上
に押し出しフィルム原反を得た。このフィルム原反をバ
ッチ式の延伸機によりブレンドした樹脂のTgより25
℃高い温度で原反の製膜方向に対して直角方向に4.0
倍延伸し(製膜方向は1.0倍)厚さ50μmのポリエ
ステルフィルムを得た。得られたフィルムについて温度
変化に対する収縮率、所定温度における収縮率、収縮後
外観、熱殺菌特性、フィルムの保存性を評価した。以下
に測定条件について述べる。
【0035】[温度変化に対する収縮率]延伸方向に1
40mm、その直角方向に30mmの大きさに切り出し
たフィルムを、チャック間隔50mmで固定し、水温4
0℃から90℃までを2℃/分で昇温し温度変化に対す
る収縮率の変化を測定した。測定には東洋精機製収縮率
測定装置を使用した。また、収縮率は下式により求め
た。 収縮率(%)={(L−L’)/L}×100 L:収縮前の標線間長さ L’:収縮後の標線間長さ 表3に80℃における収縮率と、70℃における収縮率
の増大分を示した。
【0036】[所定温度での収縮率]延伸方向に150
mm、その直角方向に20mmの大きさに切り出したポ
リエステルフィルムに、標線を間隔100mmに設けて
70、90℃の温水浴に10秒間浸漬し、下式により求
めた。 収縮率(%)={(L−L’)/L}×100 L:収縮前の標線間長さ L’:収縮後の標線間長さ
【0037】[収縮処理後の外観] 収縮処理 フィルムを円筒状にチューブ化し、丸形容器に被せ、シ
ュリンクトンネルを通過させた。シュリンクトンネルの
通過条件は、150℃で滞留時間10秒とした。
【0038】 収縮後外観、フィルムの保存性 上記の収縮処理後のフィルムの収縮仕上がりを、シ
ワ、ゆがみ、収縮ムラ等の観点から目視により次の基準
で判定した。 ○:収縮ムラ、シワ等の外観不良無し。 △:収縮ムラ、シワはないが、収縮率が不足し密着不
良。 ×:収縮ムラ、シワ等が著しい。
【0039】[熱殺菌処理後の外観]殺菌処理として、
収縮処理を行った各フィルムについて容器ごと120℃
の飽和水蒸気中で30分処理した後、フィルムのゆる
み、白化の状況について外観を評価した。 フィルムのゆるみ 上記殺菌処理後のゆるみを目視により次の基準で判定し
た。(収縮処理で外観不良のあったものについては判定
対象外とした。) ○:ゆるみがなく密着良好。 ×:ゆるみがあり密着不良。 フィルムの白化 殺菌処理後のフィルムの白化を目視により次の基準で判
定した。 ○:白化が認められない。 ×:白化が認められる。
【0040】[フィルムの保存性]フィルムを40℃の
オーブンに74時間保持し、外観の変化から保存性を次
の基準で判定した。 ○:収縮等の変化が見られない。 ×:収縮等の変化が認められる。
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルム
は、シワ、ムラ等の外観不良がなく、熱殺菌処理によっ
てもゆるみを生ずることがなく、瓶、ボトル等のキャッ
プシール、ラベル、被覆等の用途で良好な性能を発揮す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:02 B29K 105:02 B29L 7:00 B29L 7:00 (72)発明者 木原 英樹 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 3E086 AD16 BA02 BA15 BA33 BB67 CA03 CA31 4F071 AA45 AA83 AA86 AF43 AH05 AH06 AH19 BC01 BC02 4F210 AA26 AE01 AG01 RA03 RC02 RG04 RG43 4J002 CF051 CF052 GG00 GJ02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂(A)5〜40重量%
    とポリエステル樹脂(B)60〜95重量%からなる熱
    収縮性フィルムであって、(A)はガラス転移温度が3
    5〜55℃、主たる酸成分をテレフタル酸、主たるグリ
    コール成分をエチレングリコールまたはブタンジオール
    とし、これ以外にイソフタル酸、シクロヘキサンジメタ
    ノール、ネオペンチルグリコールの中の少なくとも1種
    を含み、かつ、これらの合計(イソフタル酸の場合全酸
    成分中のmol%、シクロヘキサンジメタノール、ネオ
    ペンチルグリコールの場合は全グリコール成分中のmo
    l%)が15〜50mol%であるポリエステル樹脂で
    あり、(B)はガラス転移温度が75〜120℃、テレ
    フタル酸またはナフタレンジカルボン酸を主たる酸成
    分、エチレングリコールを主たるグリコール成分とし、
    これにイソフタル酸、シクロヘキサンジメタノール、ネ
    オペンチルグリコールの中の少なくとも1種を含み、か
    つ、これらの合計(イソフタル酸の場合全酸成分中のm
    ol%、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグ
    リコールの場合は全グリコール成分中のmol%)が1
    5〜50mol%であるポリエステル樹脂からなる熱収
    縮性ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 水温を40℃から90℃まで上昇させ収
    縮率の変化を測定した場合、70℃から80℃に温度を
    上昇させた場合の収縮率の増大が5%より大きく、温水
    に10秒浸漬した場合の収縮率が70℃で5〜40%、
    90℃で35%以上である請求項1記載の熱収縮性ポリ
    エステルフィルム。
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