JP2001200076A - 熱収縮性ポリエステルフィルム - Google Patents
熱収縮性ポリエステルフィルムInfo
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Abstract
みを生じない熱収縮性ポリエステルフィルムを提供す
る。 【解決手段】 ポリエステル樹脂(A)5〜40重量%
とポリエステル樹脂(B)60〜95重量%からなる熱
収縮性フィルムであって、(A)はガラス転移温度が3
5〜55℃、イソフタル酸、シクロヘキサンジメタノー
ル、ネオペンチルグリコールの少なくとも1種が特定量
共重合されたPETまたはPBT樹脂であるポリエステ
ル樹脂、(B)はガラス転移温度が75〜120℃、イ
ソフタル酸、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチ
ルグリコールの少なくとも1種が特定量共重合されたP
ETまたはPBT樹脂であるポリエステル樹脂組成物か
らなる熱収縮性ポリエステルフィルム。
Description
ベル、キャップシール、被覆に用いられる熱収縮性ポリ
エステルフィルムに関し、さらに詳しくは、収縮処理時
に高温収縮させてもシワなどの発生がなく、また、レト
ルト処理などの熱殺菌処理でゆるみを生じない熱収縮性
ポリエステルフィルムに関する。
等のラベル、キャップシール、電子部品、電池、長尺物
の結束、被覆等に使用されている。従来、収縮フィルム
用樹脂にはポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピ
レンなどがあるが、これらは一般に耐熱性が乏しく、ボ
イル処理や、レトルト処理に耐えられないものが多い。
またこれらは、例えば、ポリ塩化ビニルからなるフィル
ムは、ポリマーや添加剤のゲル状物が生成し易く、印刷
時に印刷ぬけを生じることがある。ポリスチレンからな
るフィルムは、耐候性や耐溶剤性に劣りクラックが生じ
易くフィルムの寸法が安定しないという問題がある。ポ
リプロピレンからなるフィルムは低温度域での収縮性が
悪く、収縮部分にシワや斑を生じ易いという問題があ
る。
性及び耐溶剤性の面で非常に優れた素材である。反面、
収縮フィルムとして収縮率が不充分であったり、収縮温
度が比較的高温であるためプラスチックボトル等のラベ
ル用として問題があったが、ネオペンチルグリコールや
イソフタル酸の共重合による収縮率の改善(特開平1−
4326号公報、特開昭63−222845号公報)、
あるいは、脂肪族ジカルボン酸の共重合による収縮開始
温度の引き下げ(特開平2−153941号公報)等に
より改善されている。
℃の比較的高温で収縮処理を行うが、ポリエステル系収
縮フィルムは収縮開始までの時間が長く、かつ、収縮を
開始すると急激に収縮率が増大するため、高速、高温の
収縮条件では収縮率不足のため斑が発生したり、急激な
収縮によるシワの発生等の外観不良を起こし易い。これ
に対処するため脂肪族ジカルボン酸の共重合により収縮
開始温度を引き下げる方法(特開平2−153941号
公報)や、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレートエラストマー等のガラス転移温度の低い
ポリエステルのブレンドによる方法(特開平4−335
041号公報、特開平7−216109号公報)により
改善されている。
景により、収縮フィルムとして十分な収縮率と収縮特性
さらには外観不良の抑制がなされているが、食品等の熱
殺菌を必要とする用途に用いられる場合、高温処理でゆ
るみが生じないものが必要とされる。本発明はこの点を
解決しようとするものであり、その目的とするところ
は、外観不良を起こさず、熱殺菌工程でゆるみを生じな
い熱収縮性ポリエステルフィルムを提供することにあ
る。
解決するため鋭意検討した結果、異なる2種のポリエス
テルのブレンドにより、収縮後の外観に優れるフィルム
を得るに至った。すなわち本発明は、ポリエステル樹脂
(A)5〜40重量%とポリエステル樹脂(B)60〜
95重量%からなる熱収縮性フィルムであって、(A)
はガラス転移温度が35〜55℃、主たる酸成分をテレ
フタル酸、主たるグリコール成分をエチレングリコール
またはブタンジオールとし、これ以外にイソフタル酸、
シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール
の中の少なくとも1種を含み、かつ、これらの合計(イ
ソフタル酸の場合全酸成分中のmol%、シクロヘキサ
ンジメタノール、ネオペンチルグリコールの場合は全グ
リコール成分中のmol%)が15〜50mol%であ
るポリエステル樹脂であり、(B)はガラス転移温度が
75〜120℃、テレフタル酸またはナフタレンジカル
ボン酸を主たる酸成分、エチレングリコールを主たるグ
リコール成分とし、これにイソフタル酸、シクロヘキサ
ンジメタノール、ネオペンチルグリコールの中の少なく
とも1種を含み、かつ、これらの合計(イソフタル酸の
場合全酸成分中のmol%、シクロヘキサンジメタノー
ル、ネオペンチルグリコールの場合は全グリコール成分
中のmol%)が15〜50mol%であるポリエステ
ル樹脂からなる熱収縮性ポリエステルフィルムにある。
40℃から90℃まで上昇させフィルムの収縮率の変化
を測定した場合、70℃から80℃に温度を上昇させた
場合の収縮率の増大が5%より大きく、温水に10秒浸
漬した場合のフィルムの収縮率が70℃で5〜40%、
90℃で35%以上である熱収縮性ポリエステルフィル
ムにある。
ィルムは(A),(B)2種のポリエステル樹脂の組成
物からからなる。ポリエステル樹脂(A)はガラス転移
温度(以下、Tgと記載する。)35〜55℃、主たる
酸成分をテレフタル酸、主たるグリコール成分をエチレ
ングリコールまたはブタンジオールとし、これ以外にイ
ソフタル酸、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチ
ルグリコールの中の少なくとも1種を含み、かつ、これ
らの合計(イソフタル酸の場合全酸成分中のmol%、
シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール
の場合は全グリコール成分中のmol%)が15〜50
mol%であるポリエステル樹脂である。より好ましく
はTgが40〜50℃、イソフタル酸、シクロヘキサン
ジメタノール、ネオペンチルグリコールの中の少なくと
も1種の合計が20〜40mol%である。
り低いとフィルムは室温で収縮を起こし、55℃より高
い場合は低温域における収縮が不足し外観不良を起こ
す。また、イソフタル酸、シクロヘキサンジメタノー
ル、ネオペンチルグリコールの中の少なくとも1種の合
計(イソフタル酸の場合全酸成分中のmol%、シクロ
ヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールの場合
は全グリコール成分中のmol%)が15mol%より
少ないとフィルムは低温域における収縮が不足し、ま
た、50mol%より多いと熱殺菌処理後にオリゴマー
を発生しフィルムが濁る等の不都合を生じる。
酸、イソフタル酸、エチレングリコール、ブタンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコ
ール以外の酸性分、グリコール成分を、得られるポリエ
ステル樹脂のTgが上記の範囲中内であれば共重合する
ことが可能である。
ルボン酸、脂肪族ジカルボン酸及び脂環式ジカルボン酸
の何れも用いることができる。芳香族ジカルボン酸とし
ては、オルトフタル酸、5−tert−ブチルイソフタ
ル酸等のベンゼンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸等のナフタレンジカルボン酸類、4,4’−
ジカルボキシジフェニル、2,2,6,6−テトラメチ
ルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸等のジカルボキ
シビフェニル類、1,1,3−トリメチル−3−フェニ
ルインデン4,5−ジカルボン酸及びその置換体、1,
2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸及び
その置換体等が挙げられる。
ウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸、
ウンデカン酸、ドデカンジカルボン酸、ブラシル酸、テ
トラデカンジカルボン酸、タプシン酸、ノナデカンジカ
ルボン酸、ドコサンジカルボン酸等が挙げられる。さら
に、上記脂環式ジカルボン酸としては1,4−ジカルボ
キシシクロヘキサン、1,3−ジカルボキシシクロヘキ
サン等が挙げられる。
肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオールの何
れもが用いられる。脂肪族ジオールとしてはジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−2
−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ジエチル−
1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ブチ
ル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。脂環式ジ
オールとしては、1,3−シクロヘキサンジメタノール
等が挙げられる。さらに上記芳香族ジオールとしては
2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシジフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエ
トキシジフェニル)スルホン等のビスフェノール系化合
物のエチレンオキサイド付加物、キシリレングリコール
が挙げられる。また、ポリエチレングリコールやポリプ
ロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール等
が挙げられる。
120℃、テレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸
を主たる酸成分、エチレングリコールを主たるグリコー
ル成分とし、これにイソフタル酸、シクロヘキサンジメ
タノール、ネオペンチルグリコールの中の少なくとも1
種を含み、かつ、これらの合計(イソフタル酸の場合全
酸成分中のmol%、シクロヘキサンジメタノール、ネ
オペンチルグリコールの場合は全グリコール成分中のm
ol%)が15〜50mol%であるポリエステル樹脂
であり、より好ましくはTgが80〜110℃、イソフ
タル酸、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグ
リコールの中の1つ以上の合計(イソフタル酸の場合全
酸成分中のmol%、シクロヘキサンジメタノール、ネ
オペンチルグリコールの場合は全グリコール成分中のm
ol%)が20〜40mol%である。
り低いとフィルムの急激な収縮の抑制が不充分であり、
120℃より高いと通常の収縮条件ではフィルムの収縮
率が不足し不都合である。また、イソフタル酸、シクロ
ヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールの中の
少なくとも1種の合計が15mol%より少ないとフィ
ルムの十分な収縮率が得られず、50mol%より多い
と熱殺菌処理後にオリゴマーがフィルム表面に析出し白
化の原因となる。
酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、エチレン
グリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチ
ルグリコール以外の酸成分、グリコール成分をTgが上
記の範囲であれば共重合することが可能である。
ボン酸、脂肪族ジカルボン酸及び脂環式ジカルボン酸の
何れも用いることができる。芳香族ジカルボン酸として
は、オルトフタル酸、5−tert―ブチルイソフタル
酸等のベンゼンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシ
ジフェニル、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル
−4,4’−ジカルボン酸等のジカルボキシビフェニル
類、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン
4,5−ジカルボン酸及びその置換体、1,2−ジフェ
ノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸及びその置換体
等が挙げられる。
ウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸、
ウンデカン酸、ドデカンジカルボン酸、ブラシル酸、テ
トラデカンジカルボン酸、タプシン酸、ノナデカンジカ
ルボン酸、ドコサンジカルボン酸等が挙げられる。さら
に、上記脂環式ジカルボン酸としては1,4−ジカルボ
キシシクロヘキサン、1,3−ジカルボキシシクロヘキ
サン等が挙げられる。
は脂肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオール
の何れもが用いられる。脂肪族ジオールとしてはブタン
ジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオ
ール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−
エチル−2−n−ブチル−1,3プロパンジオール等が
挙げられる。脂環式ジオールとしては、1,3−シクロ
ヘキサンジメタノール等が挙げられる。さらに、上記芳
香族ジオールとしては2,2−ビス(4’−β−ヒドロ
キシエトキシジフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4’−β−ヒドロキシエトキシジフェニル)スルホン
等のビスフェノール系化合物のエチレンオキサイド付加
物、キシリレングリコールが挙げられる。またポリエチ
レングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリ
アルキレングリコール等が挙げられる。
構成するポリエステル樹脂(A),(B)は、公知の直
接重合法やエステル交換法等により製造することがで
き、連続式あるいはバッチ式の何れの方法で調製しても
よい。
は、特に限定されるものではないが、フィルム原反の成
形性から極限粘度[η](フェノール/テトラクロロエ
タン等重量混合溶液を溶媒として25℃で測定)が0.
50〜1.5dl/gであることが好ましい。
構成するポリエステル樹脂(A),(B)の配合比は、
ポリエステル樹脂(A)が5〜70重量%とポリエステ
ル樹脂(B)が30〜95重量%であり、好ましくはポ
リエステル樹脂(A)が10〜60重量%とポリエステ
ル樹脂(B)が40〜90重量%である。ポリエステル
樹脂(A)が5重量%より少なく、ポリエステル樹脂
(B)が95重量%より多いと、フィルムの収縮率の不
足、外観不良を生じ、またポリエステル樹脂(A)が7
0重量%より多く、ポリエステル樹脂(B)が30重量
%より少ないと、フィルムの外観不良を起こす原因とな
る。
比率で配合したポリエステル樹脂組成物は、例えば、以
下の方法によって熱収縮性ポリエステルフィルムに成形
される。まず、ポリエステル樹脂を乾燥、あるいは、ベ
ント式の押出機で加水分解による重合度の低下を抑制
し、押出機から冷却ドラム上に押し出してフィルム原反
を作成する。
たポリエステル樹脂のTgより3℃以上高い温度で縦方
向あるいは横方向に1.5〜5.0倍、好ましくは1.
0〜4.8倍に延伸し、高い収縮率をフィルムに付与す
る。さらに、必要に応じて前記延伸方向と直角方向に
1.0〜1.8倍、好ましくは1.0〜1.5倍に延伸
する。これはフィルムの主収縮方向に対して直角方向の
強度を向上させ前記延伸方向の収縮を必要以上に収縮さ
せないために有効である。フィルムの延伸は、同時二軸
延伸、逐次二軸延伸、一軸延伸の方法により行われ、横
方向の延伸と縦方向の延伸はどちらを先に延伸してもよ
い。延伸された熱収縮フィルムは、そのまま製品として
使用することも可能であるが、寸法安定性の点から50
℃から150℃の温度で数秒から数十秒の熱処理を行っ
てもよい。
厚さは特に限定されるものではないが1〜600μmの
範囲のものが実用的に使われる。
は、さらに、特定の性能を付与するために公知の各種の
加工処理を施すことができる。その例としては紫外線、
α線、β線、γ線、あるいは電子線等の照射、コロナ処
理、火炎処理等の処理、塩化ビニリデン、ポリビニルア
ルコール、ポリアミド、ポリオレフィン等の樹脂の塗
布、ラミネート、あるいは金属の蒸着等が挙げられる。
ルムには、必要に応じて各種の既知の添加剤を含有させ
ることができる。その例としてはポリアミド、ポリオレ
フィン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート
等の樹脂、二酸化チタン、微粒子状シリカ、カオリン、
炭酸カルシウム等の滑剤、酸化チタン、カーボンブラッ
ク等の顔料、紫外線吸収剤、離型剤、難燃剤等、帯電防
止剤、老化防止剤が挙げられる。
挙動は、以下に説明するような収縮特性を有するため、
シワやムラのない外観の良好な熱収縮性ポリエステルフ
ィルムとなる。すなわち、フィルムの収縮特性は、 水温
を40℃から90℃まで上昇させ収縮率の変化を測定し
た場合、70℃から80℃の収縮率の増大が3%以上好
ましくは5%以上であり、温水に10秒浸漬した場合の
収縮率が70℃で5〜30%好ましくは10〜25%、
90℃で35%以上、好ましくは40%以上である。7
0℃から80℃に温度を上昇させた場合の収縮率の増大
が3%より少ないと、熱殺菌処理時にゆるみが生じ不都
合である。また、70℃の温水中での収縮率が5%より
低いと収縮率不足、外観不良を起こし、逆に、35%を
超えるとしわの発生等の外観不良を起こし易い。また、
90℃の温水中での収縮率が35%より低いと熱収縮性
フィルムとしては実用的でない。
に説明する。 [樹脂1,2,4〜9,11,15,16,18の製
造]表1に記載したポリエステル生成原料を還流塔、攪
拌装置を備えた反応容器に入れ、200℃から240℃
で副生する水を留去しながら水の留出量が理論量の90
%になるまで反応させエステル化物を得た。ついで、こ
のエステル化物に仕込み原料の重量に対して500pp
mの三酸化アンチモンを添加し、285℃で副生するグ
リコール成分を600Pa以下の高真空で留去させつ
つ、285℃の溶融粘度が極限粘度[η]が0.7dl
/gのポリエチレンテレフタレート(PET)の285
℃におけるトルク値に相当するまで溶融重合しポリエス
テル樹脂を得た。
還流塔、攪拌装置を備えた反応容器に入れ原料に対して
500ppmのテトラブチレンチタネートを添加し反応
温度140℃から240℃で副生するメタノールを留去
しながらメタノール留出量が理論量の90%になるまで
反応させエステル化物を得た。このエステル化物を25
0℃で副生するグリコール成分を600Pa以下の高真
空で留去させつつ、250℃における溶融粘度が極限粘
度[η]が0.7dl/gのPETの285℃における
トルク値に相当するまで溶融重合しポリエステル樹脂を
得た。
1記載の原料を還流塔、攪拌装置を備えた反応容器に入
れ、原料に対して800ppmの酢酸マンガン4水和物
を添加し副生するメタノールを留去しながらメタノール
の留出量が理論量の90%になるまで反応させエステル
化物を得た。ついで、このエステル化物に原料の重量に
対して500ppmの三酸化アンチモンを添加し、28
5℃で副生するグリコール成分を600Pa以下の高真
空で留去させつつ、攪拌トルクが極限粘度[η]0.7
dl/gのPETの285℃におけるトルク値になるま
で溶融重合しポリエステル樹脂を得た。以上の各例で製
造したポリエステル樹脂の組成及びTgを表1、表2に
示した。
分解した後クロマトグラフィーにより求めた。また、T
gは以下のようにして求めた。 [Tgの測定]樹脂を280℃で5分間メルトした後、
ドライアイスにてクエンチを行って得た試料を用い、
(株)島津製作所製、示差走査熱量計(DSC)で昇温
速度10℃/分で窒素気流化で測定し、Tgをベースラ
インのショルダー値とした。
ステル樹脂を真空乾燥により水分率が100ppm以下
になるまで乾燥し、表3に示した配合比になるような樹
脂組成とし、これを260℃で冷却ドラム(20℃)上
に押し出しフィルム原反を得た。このフィルム原反をバ
ッチ式の延伸機によりブレンドした樹脂のTgより25
℃高い温度で原反の製膜方向に対して直角方向に4.0
倍延伸し(製膜方向は1.0倍)厚さ50μmのポリエ
ステルフィルムを得た。得られたフィルムについて温度
変化に対する収縮率、所定温度における収縮率、収縮後
外観、熱殺菌特性、フィルムの保存性を評価した。以下
に測定条件について述べる。
40mm、その直角方向に30mmの大きさに切り出し
たフィルムを、チャック間隔50mmで固定し、水温4
0℃から90℃までを2℃/分で昇温し温度変化に対す
る収縮率の変化を測定した。測定には東洋精機製収縮率
測定装置を使用した。また、収縮率は下式により求め
た。 収縮率(%)={(L−L’)/L}×100 L:収縮前の標線間長さ L’:収縮後の標線間長さ 表3に80℃における収縮率と、70℃における収縮率
の増大分を示した。
mm、その直角方向に20mmの大きさに切り出したポ
リエステルフィルムに、標線を間隔100mmに設けて
70、90℃の温水浴に10秒間浸漬し、下式により求
めた。 収縮率(%)={(L−L’)/L}×100 L:収縮前の標線間長さ L’:収縮後の標線間長さ
ュリンクトンネルを通過させた。シュリンクトンネルの
通過条件は、150℃で滞留時間10秒とした。
ワ、ゆがみ、収縮ムラ等の観点から目視により次の基準
で判定した。 ○:収縮ムラ、シワ等の外観不良無し。 △:収縮ムラ、シワはないが、収縮率が不足し密着不
良。 ×:収縮ムラ、シワ等が著しい。
収縮処理を行った各フィルムについて容器ごと120℃
の飽和水蒸気中で30分処理した後、フィルムのゆる
み、白化の状況について外観を評価した。 フィルムのゆるみ 上記殺菌処理後のゆるみを目視により次の基準で判定し
た。(収縮処理で外観不良のあったものについては判定
対象外とした。) ○:ゆるみがなく密着良好。 ×:ゆるみがあり密着不良。 フィルムの白化 殺菌処理後のフィルムの白化を目視により次の基準で判
定した。 ○:白化が認められない。 ×:白化が認められる。
オーブンに74時間保持し、外観の変化から保存性を次
の基準で判定した。 ○:収縮等の変化が見られない。 ×:収縮等の変化が認められる。
は、シワ、ムラ等の外観不良がなく、熱殺菌処理によっ
てもゆるみを生ずることがなく、瓶、ボトル等のキャッ
プシール、ラベル、被覆等の用途で良好な性能を発揮す
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリエステル樹脂(A)5〜40重量%
とポリエステル樹脂(B)60〜95重量%からなる熱
収縮性フィルムであって、(A)はガラス転移温度が3
5〜55℃、主たる酸成分をテレフタル酸、主たるグリ
コール成分をエチレングリコールまたはブタンジオール
とし、これ以外にイソフタル酸、シクロヘキサンジメタ
ノール、ネオペンチルグリコールの中の少なくとも1種
を含み、かつ、これらの合計(イソフタル酸の場合全酸
成分中のmol%、シクロヘキサンジメタノール、ネオ
ペンチルグリコールの場合は全グリコール成分中のmo
l%)が15〜50mol%であるポリエステル樹脂で
あり、(B)はガラス転移温度が75〜120℃、テレ
フタル酸またはナフタレンジカルボン酸を主たる酸成
分、エチレングリコールを主たるグリコール成分とし、
これにイソフタル酸、シクロヘキサンジメタノール、ネ
オペンチルグリコールの中の少なくとも1種を含み、か
つ、これらの合計(イソフタル酸の場合全酸成分中のm
ol%、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグ
リコールの場合は全グリコール成分中のmol%)が1
5〜50mol%であるポリエステル樹脂からなる熱収
縮性ポリエステルフィルム。 - 【請求項2】 水温を40℃から90℃まで上昇させ収
縮率の変化を測定した場合、70℃から80℃に温度を
上昇させた場合の収縮率の増大が5%より大きく、温水
に10秒浸漬した場合の収縮率が70℃で5〜40%、
90℃で35%以上である請求項1記載の熱収縮性ポリ
エステルフィルム。
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