JP2001192474A - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents
熱収縮性ポリエステル系フィルムInfo
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Abstract
ワ、歪み、折れ込み等の欠点の発生が極めて少なく美麗
な収縮仕上がり外観を得ることができ、特に保管時にお
ける収縮仕上がり性の低下が極めて少ない、フルラベル
やキャップシール用途に好適に用いられる熱収縮性ポリ
エステル系フィルムを提供すること。 【解決手段】 80℃温水中での10秒処理後の主収縮
方向の熱収縮率が40%以上で、非可逆熱流束曲線より
得られる、フィルムのガラス転移付近の吸熱ピーク量Δ
H1が(式1)を満足することを特徴とする熱収縮性ポリ
エステル系フィルム。 5.0J/g≦ΔH1≦8.0J/g (式1)
Description
熱収縮性ポリエステル系フィルムに関し、特に、熱風に
よる収縮工程において、フィルムの熱収縮後の収縮斑、
シワ、歪み、折れ込み等の発生が極めて少なく、また、
使用前の保管時において、収縮収縮仕上がり性の低下が
少ない、ラベル用途に好適な熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムに関するものである。
縮する性質を利用して、収縮包装、収縮ラベル、キャッ
プシール等の用途に広く用いられている。なかでも、塩
化ビニル系樹脂やポリスチレン系樹脂、ポリエステル系
樹脂等からなる延伸フィルムがポリエチレンテレフタレ
ート(PET)容器やポリエチレン容器、ガラス容器な
どの各種容器にラベル用として用いられている。
時に塩化水素ガス等の有害ガスを発生するなどの問題を
抱えている。また、熱収縮性塩化ビニル系樹脂フィルム
をPET容器などの収縮ラベルとして用いると、容器の
リサイクル利用に際してラベルと容器を分離してラベル
を廃棄する必要がある。さらに、容器の形状により収縮
ラベルが高い熱収縮率を必要とするフルラベル等の用途
においては、熱収縮性塩化ビニル系樹脂フィルムは熱収
縮率が低く収縮不足となる為に使用できない問題があ
る。
エステル系樹脂のフィルムは焼却時に塩化水素ガス等の
有害物質を発生しないため、塩化ビニル系樹脂フィルム
に代わる容器用収縮ラベルとして期待されている。
収縮後の仕上がり外観性は良好であるものの、耐溶剤性
が悪い為に印刷の際には特殊インキを使用しなければな
らない。また、高温での焼却を必要とし、焼却時に多量
の黒煙と異臭を発生するなど、その廃棄にも問題があっ
た。さらに、塩化ビニル系樹脂フィルムと同様に高い熱
収縮率を必要とする用途においては収縮不足となる為に
使用できない問題がある。これらの問題を解決できる素
材としてポリエステル系樹脂フィルムは非常に期待さ
れ、その使用量も増加してきている。
系フィルムも、その熱収縮特性においては充分満足でき
るものではなかった。特に、収縮時に収縮斑やシワ、歪
みや折れ込みが発生しやすく、さらに、PETボトル、
ポリエチレンボトル、ガラス瓶などの容器に被覆収縮す
る際に、あらかじめ収縮前のフィルムに印刷した文字、
図柄が収縮後に歪んだり、容器へのフィルムの密着が充
分でなかったりするなどの問題を有していた。また、室
温で長期間保管すると、収縮工程において、低温での収
縮性が著しく低下するため、収縮が急に起こり、収縮斑
やシワ、歪みや折れこみなどの不良がさらに発生しやす
くなるという問題があった。
熱収縮性ポリエステル系フィルムの有する問題点を解決
し、熱風収縮工程において収縮時に収縮斑やシワ、歪
み、折れ込み等の欠点の発生が極めて少なく美麗な収縮
仕上がり外観を得ることができ、特に保管時における収
縮仕上がり性の低下が極めて少ない、フルラベルやキャ
ップシール用途に好適に用いられる熱収縮性ポリエステ
ル系フィルムを提供することを目的とする。
め、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは80℃
温水中での10秒処理後の主収縮方向の熱収縮率が40
%以上で、非可逆熱流束曲線より得られる、フィルムの
ガラス転移付近の吸熱ピーク量ΔH1が(式1)を満足す
ることを特徴とするものである。 5.0J/g≦ΔH1≦8.0J/g (式1)
系フィルムは熱風収縮工程においても優れた収縮仕上が
り性を有する。特に、用いられる容器形状のために高い
収縮率を必要とするフルラベル用途やキャップシール用
途に好適に用いられ、収縮斑、シワ、歪み、折れ込みが
極めて少ない美麗な収縮仕上がり外観を得ることができ
る。低温での収縮性に優れているため、収縮工程の高速
化、低温での加工が可能となり、顕著なエネルギー節
約、生産性の向上が可能となる。長期間保管しても低温
での収縮率が低下せず、優れた収縮仕上がり性を維持で
きる。すなわち、一般的な低温保存ではなく、より高
温、例えば常温で保存しても品質が長期間維持でき、さ
らに品質保持期間を伸ばすことが可能となる。
テル系フィルムは可逆熱流束曲線より得られる、フィル
ムのガラス転移温度が60℃以上75℃未満であること
が好適である。
リエステル系フィルムは、フィルムを40℃雰囲気下で
160時間放置した前後の、フィルムのエンタルピー緩
和量の変化が3.0J/g未満であることができる。
する。本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、主
収縮方向の80℃温水中での10秒処理後の熱収縮率が
40%以上であることが必要である。熱収縮率が40%
未満であると、容器形状によりフィルムラベルが高い収
縮率を必要とするフルラベル用途やキャップシール用途
では、収縮不足のために収縮仕上がり性が不良となる。
より安定した収縮仕上がり外観性を得る為には、主収縮
方向の80℃温水中での10秒処理後の熱収縮率が50
%以上であることが好ましく、60%以上であることが
特に好ましい。また、主収縮方向と直交方向の熱収縮率
に関しては特に制限するものではないが、熱収縮率が大
きいとラベルのタテ方向の収縮によるタテヒケや図柄の
歪みが発生するので80℃温水中での10秒処理後の熱
収縮率が15%以下であることが好ましい。
査熱量測定における非可逆熱流束曲線より得られるフィ
ルムのガラス転移付近の吸熱ピーク量ΔH1が5.0J
/g≦ΔH1≦8.0J/gであることが必要である。
フィルムのΔH1が8.0J/gを越えると、例えば飲
料用のプラスティックボトルまたは瓶ボトルのラベル用
途やキャップシール用途等において、被包装物の高い収
縮率を必要とする部分では美麗な収縮仕上がりを安定し
て得ることができなくなり、折れ込みやシワ等の欠点が
生じる。さらに安定した収縮仕上がり性を得る為には、
非可逆熱流束曲線より得られるフィルムのΔH1が7.
0J/g以下であることが好ましい。フィルムのΔH1
が5.0J/g未満であると、保存期間でのエンタルピ
ー緩和量が大きく、低温での収縮率低下が顕著となり、
長期保存後、収縮斑やシワ、歪みや折れこみなどの不良
がさらに発生しやすくなる。さらに、保管期間中、安定
した収縮仕上がり性を得る為には、非可逆熱流束曲線よ
り得られるフィルムの吸熱ピークΔH1が6.0J/g
以上であることが好ましい。
査走査熱量測定における可逆熱流束曲線より得られるフ
ィルムのガラス転移温度が60℃以上75℃未満である
ことが必要である。ガラス転移温度が75℃以上である
と、必要とする収縮量を得る為には高温まで加熱しなけ
ればならなくなる。しかし被包装物の耐熱性についての
制限もあり、自ずから適用範囲が狭められてしまう。例
えば熱可塑性プラスチックボトル用途の場合には加熱に
よるボトルの変形、変質を招くことになる。また、可逆
熱流束曲線により得られるフィルムのガラス転移温度が
60℃以下であると、フィルムの経時寸法安定性が悪化
する。さらに良好な経時寸法安定性を得るには65℃以
上であることが好ましい。
雰囲気下で160時間放置した前後の、フィルムのエン
タルピー緩和量の変化が3.0J/g以下であることが
必要である。フィルムのエンタルピー緩和量の変化が
3.0J/g以上のものは室温で長期間保管すると、熱
収縮工程における、低温での収縮性が著しく低下する。
その結果、長期保存したフィルムは、熱収縮工程におい
て、Tg付近で収縮が一気に始まるため、収縮斑やシワ、
歪みや折れこみなどの不良率が増加し、工業生産上問題
となる。工業生産における安定性の見地からは、フィル
ムを40℃雰囲気下で160時間放置した前後の、フィ
ルムのエンタルピー緩和量の変化が2.5J/g未満で
あることがより好ましい。
ィルムの厚みは特に限定するものではないが、例えばラ
ベル用収縮フィルムとして10〜200μmが好まし
く、20〜100μmがさらに好ましい。
に使用するポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とし
て、芳香族ジカルボン酸又はそれらのエステル形成誘導
体、又は脂肪族ジカルボン酸と、多価アルコール成分を
主成分とするものである。芳香族ジカルボン酸として、
例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,
4―もしくは−2,6−ジカルボン酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸等が挙げられる。またこれらのエス
テル誘導体としてはジアルキルエステル、ジアリールエ
ステル等の誘導体が挙げられる。また脂肪族ジカルボン
酸としては、ダイマー酸、グルタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸等が挙げ
られる。また、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボ
ン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の多
価のカルボン酸を、必要に応じて併用してもよい。
に使用するポリエステル樹脂の多価アルコール成分とし
ては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ダ
イマージオール、プロピレングリコール、トリエチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジ
オール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、2−メ
チル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−
1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、
1,10−デカンジオールなどのアルキレングリコー
ル、ビスフェノール化合物又はその誘導体のエチレンオ
キサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール、ポリオキシテトラメチレン
グリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
また、多価アルコールではないが、ラクトン系化合物、
例えばイプシロンカプロラクトンも同様に使用可能であ
る。
は、上記例示したジカルボン酸成分と多価アルコール成
分を通常それぞれ1種類以上組み合わせて用いることが
好ましい。組みあわせて用いられるモノマーの成分の種
類及び含有量は所望のフィルム特性、経済性なども考慮
して適宜決定され得るが、少なくとも1種のポリエステ
ルを含有する組成物よりなり、含有されるポリエステル
全体の10〜75モル%がエチレンテレフタレートユニ
ットであることが好ましい。より好ましくは15〜70
モル%である。エチレンテレフタレートユニットが10
モル%より少ないとフィルムの耐破断性や耐溶剤性が悪
化してしまい、75モル%を越えると熱収縮率が低下
し、充分な収縮性能が得られないので好ましくない。
における前記のガラス転移温度付近の吸熱ピーク量、ガ
ラス転移温度、エンタルピー緩和量の変化を満足する為
には前述のポリエステル樹脂の構成成分等を用いること
と、フィルムの製膜条件を組み合わせることにより、本
発明の目的とする範囲内に制御することが可能である。
該ポリエステルは、単独でもよいし、2種以上を混合し
て用いてもよい。2種以上を併用する場合は、ポリエチ
レンテレフタレートと共重合ポリエステルの混合系であ
ってもよく、又、共重合ポリエステル同士の組み合わせ
でもかまわない。また、ポリブチレンテレフタレート、
ポリシクロヘキシレンジメチルテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどの
ホモポリエステルとの組み合わせであってもよい。
度などの耐熱性改善の目的で、酸化アンチモン、酸化ゲ
ルモニウム、チタン化合物等の重合触媒以外に、酢酸マ
グネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩、酢酸カルシ
ウム、塩化カルシウム等のCa塩、酢酸マンガン、塩化
マンガン等のMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等のZn塩、
塩化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩 を、生成ポリ
エステルに対し各々金属イオンとして300ppm以
下、リン酸またはリン酸トリメチルエステル、リン酸ト
リエチルエステル等のリン酸エステル誘導体を燐(P)
換算で200ppm以下添加することも可能である。
成ポリエステルに対し300ppm、またP量が200
ppmを越えるとポリマーの着色が顕著になるのみなら
ず、ポリマーの耐熱性及び耐加水分解性も著しく低下す
る。
で、総P量(P)と総金属イオン量(M)とのモル原子
比(P/M)は、0.4〜1.0であることが好まし
い。モル原子比(P/M)が0.4未満または1.0を
越える場合には、本発明の組成物の着色、粗大粒子の発
生が顕著となり、好ましくない。
が、ジカルボン酸類とグリコール類とを直接反応させ得
られたオリゴマーを重縮合する、いわゆる直接重合法、
ジカルボン酸のジメチルエステル体とグリコールとをエ
ステル交換反応させたのちに重縮合する、いわゆるエス
テル交換法などが挙げられ、任意の製造法を適用するこ
とができる。
の添加時期は特に限定しないが、一般的には金属イオン
類は原料仕込み時、すなわちエステル交換前またはエス
テル化前に、リン酸類は重縮合反応前に添加するのが好
ましい。
ン、カオリン、炭酸カルシウム等の微粒子を添加しても
よく、更に酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着
色剤、抗菌剤等を添加することもできる。なおフィルム
を形成する為の好ましい固有粘度は限定されるものでは
ないが通常0.40〜1.30dl/gである。
ードライヤー、パドルドライヤー等の乾燥機、又は真空
乾燥機を用いて乾燥し、200〜300℃の温度でフィ
ルム状に押し出す。あるいは、未乾燥のポリエステル原
料をベント式押し出し機内で水分を除去しながら同様に
フィルム状に押し出す。押し出しに際してはTダイ法、
チューブラ法等、既存のどの方法を採用しても構わな
い。押し出し後急冷して未延伸フィルムを得る。該未延
伸フィルムに対して延伸処理を行うが、本発明の目的を
達成するには主収縮方向としては横方向が実用的である
ので以下主収縮方向が横方向である場合の製膜法の例を
示すが、主収縮方向を縦方向とする場合も下記方法にお
ける延伸方向を90度変えるほか通常の操作に準じて製
膜することができる。
フィルムの厚み分布を均一化させることに着目すれば、
テンターを用いて横方向に延伸する際、延伸工程に先立
って実施される予備加熱工程では熱伝導係数を0.00
13カロリー/cm2・sec・℃以下の低風速でTg
+0℃〜Tg+60℃までのフィルム温度になるまで加
熱を行うことが好ましい。横方向の延伸はTg−20℃
〜Tg+40℃の温度で、2.3〜7.3倍、好ましく
は2.5〜6.0倍延伸する。このとき、横延伸を2段
あるは3段で行うことが好ましい。しかる後、50℃〜
110℃の温度で、0〜15%の伸張あるいは0〜15
%の緩和をさせながら熱処理し、必要に応じて40℃〜
100℃の温度でさらに熱処理をして熱収縮性ポリエス
テル系フィルムを得る。
延伸ばかりでなく、縦方向に1.0倍〜2.3倍以下、
好ましくは1.1倍〜1.8倍の延伸を施すことができ
る。しかしながら2.3倍を超えて延伸すると、主収縮
方向と直交方向の80℃温水中での10秒処理後の熱収
縮率が大きくなり、15%を超えるので本発明には好ま
しくない。該2軸延伸では、逐次2軸延伸、同時2軸延
伸のいずれでもよく、必要に応じて再延伸を行ってもよ
い。また、逐次2軸延伸においては延伸の順序として、
縦横、横縦、縦横縦、横縦横等のいずれの方式でもよ
い。延伸に伴うフィルムの内部発熱を抑制し、巾方向の
フィルム温度斑を小さくする点に着目すれば、延伸工程
の熱伝達係数は0.0009カロリー/cm2・sec
・℃以上、好ましくは0.0013〜0.0020カロ
リー/cm2・sec・℃の条件がよい。以上に説明し
たように本発明はフィルム原料のポリエステル組成と延
伸方法との組み合わせによって達成される。
に詳細に説明するが、以下の実施例に限定されるもので
はなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施す
ることは全て本発明の技術範囲に包含される。 また、
実施例及び比較例で得られたフィルムの物性の測定・評
価方法を下記に示す。
所定温度±0.5℃の温水中に無荷重状態で10秒間処
理して熱収縮させた後、フィルムの縦及び横方向の寸法
を測定し、下記式に従い熱収縮率を求めた。該熱収縮率
の大きい方向を主収縮方向とした。 熱収縮率=(収縮前の長さ−収縮後の長さ)÷収縮前の
長さ×100(%)
920のModulatedモードにて測定し、昇温速度5℃/分、
温度振幅±1℃、周期60秒にて測定した。得られた非
可逆熱流束曲線より、ガラス転移温度付近の吸熱ピーク
量を△H1として定量した。その際、ベースラインがは
っきりしない場合には、吸熱ピークが極大値をとる温度
(ピークが複数有る場合は低温側からT1max・・・
Tnmaxとする)をTmaxとし、始点Tmax-20℃
(ピークが複数有る場合は、T1max‐20℃)から終点
Tmax+20℃(ピークが複数有る場合は、Tnmax+20
℃)までの吸熱ピーク面積をΔH1として算出した。な
お、前記の温度幅内に、吸熱ピークの極小値が入る場合
は、極小値を始点または終点として、ΔH1を算出し
た。測定例を図1に示す。
試料フィルムのガラス転移温度を定量した。ここで言う
ガラス転移点は、ステップ状曲線の解析におけるInf
lection温度を算出した。
量変化 フィルムを、温度40℃±1℃、相対湿度30%±2%
に制御した恒温恒湿器内に160時間放置しエージング
後取り出し、上記(2)の測定法により、エージング前
の吸熱ピーク量を△H1、エージング後の吸熱ピーク量
を△H2として下記(2)式に従いエンタルピー緩和量
変化を求めた。 エンタルピー緩和量変化=△H2−△H1
(型式:SH−1500−L)を使用し、1.5Lペッ
トボトル(サントリー(株)烏龍茶に用いられている)を用
い、あらかじめ東洋インキ製造(株)製の草色、金色、
白色のインキで3色印刷した熱収縮フィルムラベルを装
着後、トンネル通過時間10秒、1ゾーン温度/2ゾー
ン温度=80℃/90℃の条件で通過させてテストし収
縮仕上がり性を目視にて判定した。なお、収縮仕上がり
性のランクについては5段階評価を行い、 5:仕上がり性最良 4:仕上がり性良 3:欠点少し有り(2ヶ所以内) 2:欠点有り(3〜6ヶ所) 1:欠点多い(6ヶ所以上) として、4以上を合格レベルとした(試料数n=1
0)。なお、ここで欠点とは、シワ、ラベル端部折れ込
み、色斑、収縮不足を総称したものをさす。
び部分環流式冷却器を備えたステンレススチール製オー
トクレーブにニ塩基酸成分としてジメチルテレフタレー
ト(DMT)100モル%、グリコール成分としてエチ
レングリコール(EG)72モル%とネオペンチルグリ
コール(NPG)28モル%の組成で、グリコールがモ
ル比でメチルエステルの2.2倍になるように仕込み、
エステル交換触媒として酢酸亜鉛を0.05モル(酸成
分に対して)、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.
025モル%(酸成分に対して)添加し、生成するメタ
ノールを系外へ留去しながらエステル交換反応を行っ
た。その後、280℃で0.2トールの減圧条件のもと
で重縮合反応を行い固有粘度0.68dl/gのポリエ
ステル(A)を得た。
エステルを得た。
ボン酸、ブタンジオール(BD)、ダイマージオール
(DIDO)もそれぞれ用いた。それぞれのポリエステ
ルの固有粘度は、(B):0.70dl/g、(C):
1.25dl/g、(D):0.60であった。
65wt%、Bを10wt%、Cを25wt%をそれぞ
れレジンの状態で混合し、280℃で溶融押出し後急冷
して、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。該未延
伸フィルムを110℃で8秒間予熱後、横方向に85℃
で1.3倍さらに80℃で1.7倍、さらに75℃で
1.8倍延伸し、ついで60℃に冷却後、70℃で3%
伸張しながら10秒間熱処理を行い厚さ45μmの熱収
縮性ポリエステル系フィルムを得た。得られたフィルム
の物性値を表2に示す。
50wt%、Bを25wt%、Cを25wt%をそれぞ
れレジンの状態で混合し、280℃で溶融押出し後急冷
して、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。該未延
伸フィルムを110℃で8秒間予熱後、横方向に85℃
で1.3倍さらに80℃で1.7倍、さらに75℃で
1.8倍延伸し、ついで60℃に冷却後、70℃で3%
伸張しながら10秒間熱処理を行い厚さ45μmの熱収
縮性ポリエステル系フィルムを得た。得られたフィルム
の物性値を表2に示す。
50wt%、Bを40wt%、Cを10wt%それぞれ
レジンの状態で混合し、280℃で溶融押出し後急冷し
て、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。該未延伸
フィルムを110℃で8秒間予熱後、横方向に85℃で
1.3倍さらに80℃で1.7倍、さらに75℃で1.
8倍延伸し、ついで60℃に冷却後、70℃で3%伸張
しながら10秒間熱処理を行い厚さ45μmの熱収縮性
ポリエステル系フィルムを得た。得られたフィルムの物
性値を表2に示す。
75wt%、Bを12wt%、Cを13wt%それぞれ
レジンの状態で混合し、275℃で溶融押出し後急冷し
て、厚さ175μmの未延伸フィルムを得た。該未延伸
フィルムを105℃で10秒間予熱後、横方向に78℃
で3.9倍延伸し、ついで73℃で固定しながら10秒
間熱処理を行い厚さ45μmの熱収縮性ポリエステル系
フィルムを得た。得られたフィルムの物性値を表2に示
す。
32wt%、Bを50wt%、Cを10wt%、Eを8
wt%それぞれレジンの状態で混合し、280℃で溶融
押出し後急冷して、厚さ180μmの未延伸フィルムを
得た。該未延伸フィルムを110℃で8秒間予熱後、横
方向85℃で4.0倍延伸し、ついで75℃で10秒間
熱処理をして厚さ45μmの熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムを得た。得られたフィルムの物性値を表2に示
す。
ムは、収縮時に収縮斑やシワ、歪み、折れ込み等の欠点
の発生が極めて少なく美麗な収縮仕上がり外観を得るこ
とができ、特に保存による経時での収縮仕上がり性の低
下が少ない、飲料用プラスティックボトルまたはガラス
瓶のラベル用途に好適に用いられるものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 フィルムの80℃温水中での10秒処理
後の主収縮方向の熱収縮率が40%以上で、非可逆熱流
束曲線より得られる、フィルムのガラス転移付近の吸熱
ピーク量ΔH1が(式1)を満足することを特徴とする熱
収縮性ポリエステル系フィルム。 5.0J/g≦ΔH1≦8.0J/g (式1) - 【請求項2】 請求項1記載の熱収縮性ポリエステル系
フィルムで、可逆熱流束曲線より得られる、フィルムの
ガラス転移点温度が60℃以上75℃未満であることを
特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の熱収縮性ポリエ
ステル系フィルムで、40℃雰囲気下で160時間放置
した前後の、フィルムのエンタルピー緩和量の変化が
3.0J/g未満であることを特徴とする熱収縮性ポリ
エステル系フィルム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000002799A JP2001192474A (ja) | 2000-01-11 | 2000-01-11 | 熱収縮性ポリエステル系フィルム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000002799A JP2001192474A (ja) | 2000-01-11 | 2000-01-11 | 熱収縮性ポリエステル系フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001192474A true JP2001192474A (ja) | 2001-07-17 |
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JP2000002799A Pending JP2001192474A (ja) | 2000-01-11 | 2000-01-11 | 熱収縮性ポリエステル系フィルム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2001192474A (ja) |
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