JP2001200048A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】エステル交換法の実施に際し、黒色異物の混入
が少ないため透明度に優れ、かつ色調にも優れた芳香族
ポリカーボネートを提供すること。 【解決手段】エステル交換反応触媒の存在下、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物とのエステル
交換法によって得られた芳香族ポリカーボネートを、ベ
ント式押出機を用いて連続的に脱揮するに際し、ベント
ラインの閉塞が起こらないように操作条件を調整するこ
とを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ジヒドロキ
シ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換法により製
造され、黒色異物の混入が少なく、色相にも優れた芳香
族ポリカーボネートを提供することに関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】近年、芳香族ポリカーボネートは、耐熱
性、耐衝撃性、透明性等に優れたエンジニアリングプラ
スチックスとして、多くの分野において幅広く用いられ
ている。この芳香族ポリカーボネートの製造法について
は、従来種々の研究が行われ、その中で、芳香族ジヒド
ロキシ化合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)と
ホスゲンとの界面重縮合法が工業化されている。
【0003】しかしながら、この界面重縮合法において
は、有毒なホスゲンを用いなければならないこと、副生
する塩化水素や塩化ナトリウム、溶媒として大量に用い
る塩化メチレン等の含塩素化合物により装置が腐食する
こと、ポリマー物性に悪影響を及ぼす塩化ナトリウム等
の不純物や残留塩化メチレンの分離が困難なこと等の問
題があった。
【0004】一方、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジ
エステル化合物とから、芳香族ポリカーボネートを製造
する方法としては、例えば、ビスフェノールAとジフェ
ニルカーボネートとを、溶融状態でエステル交換し、副
生するフェノールを抜き出しながら重合する、溶融法が
以前から知られている。溶融法は、界面重縮合法と異な
り、溶媒を使用しない等の利点がある一方、ホスゲン法
に比べて高温で重合するため、製品のポリカーボネート
が着色しやすいという問題がある。また、溶融法では、
最終製品中に残存する原料モノマー、副生モノヒドロキ
シ化合物、オリゴマー等の低分子量化合物の存在が、色
相、熱安定性、加水分解性を劣化させる原因の一つに考
えられている。これらの残存する原料モノマー、副生モ
ノヒドロキシ化合物、オリゴマー等の低分子量体を除く
ための方法が、種々開発されている。
【0005】例えば、特公平07−002364号公報
や特開平08−259688号公報では、これらの残存
する原料モノマー、副生モノヒドロキシ化合物、オリゴ
マー等の低分子量体を取り除くために、ベント式の押出
機を用い注水しながら脱揮する手法が開示されている。
しかしながら、このように脱揮を行うことにより、確か
に原料モノマー、副生モノヒドロキシ化合物、オリゴマ
ー等の低分子量体は取り除かれるが、その反面、黒色異
物が発生する問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物とのエステル交
換法の実施に際し、黒色異物の混入が少ないため透明度
に優れ、かつ色調にも優れた芳香族ポリカーボネートを
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明者等
は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物
とのエステル交換法により製造され、黒色異物の混入が
少なく、色相にも優れた芳香族ポリカーボネートを提供
するために、種々検討した結果、次のような知見を得
た。すなわち、注水を実施後、減圧下で発泡させると樹
脂の飛沫がベントラインに付着し、徐々にベントライン
に樹脂が溜まり、高温で長時間滞留することによって焼
けが生じる。そのまま長時間運転していると、これらの
異物種は、押出機内に落ちて黒色異物として製品ペレッ
トに混入し、光学用途では、記録エラーや外観不良等の
問題点を生じ、一般用途のレンズ等に関しても重大な欠
陥をもたらす要因となる。
【0008】本発明は、エステル交換反応触媒の存在
下、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物
とのエステル交換法によって得られた芳香族ポリカーボ
ネートを、ベント式押出機を用いて連続的に脱揮するに
際し、ベントラインの閉塞が起こらないように操作条件
を調整することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施形態】以下、本発明について具体的に説明
する。本発明に係わる芳香族ポリカーボネートを製造す
る原料としては、炭酸ジエステル化合物と芳香族ジヒド
ロキシ化合物とが用いられる。炭酸ジエステル化合物 炭酸ジエステル化合物は、下記式(1)で表される。
【0010】
【化1】
【0011】(式中、A及びA’は、炭素数1〜18
の、置換されていてもよい、脂肪族基又は芳香族基であ
り、AとA’とは、同一でも異なってもよい。)
【0012】式(1)で表される炭酸ジエステル化合物
の具体例としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、ジ
フェニルカーボネート及びジトリルカーボネート等の置
換ジフェニルカーボネート等があるが、好ましくはジフ
ェニルカーボネート、置換ジフェニルカーボネートがあ
り、特にジフェニルカーボネートが好ましい。これらの
炭酸ジエステルは、単独でも、2種以上を混合して用い
てもよい。
【0013】また、上記のような炭酸ジエステルと共
に、好ましくは50%以下、さらに好ましくは30モル
%以下の量でジカルボン酸又はジカルボン酸エステルを
使用してもよい。このようなジカルボン酸又はジカルボ
ン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が
挙げられる。このようなカルボン酸又はカルボン酸エス
テルを炭酸ジエステルと併用した場合には、ポリエステ
ルカーボネートが得られる。
【0014】芳香族ヒドロキシ化合物 もう一つの原料である芳香族ジヒドロキシ化合物は、下
記式(2)で示される。
【0015】
【化2】
【0016】(式中、Bは、1〜15の炭素数を有する
2価の炭化水素基、ハロゲン置換の2価の炭化水素基、
−S−基、−SO2 −基、−SO−基、−O−基又は−
CO−基を示し、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜14
のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数1
〜8のオキシアルキル基又は炭素数6〜18のオキシア
リール基を示す。mは、0又は1であり、yは、0〜4
の整数である。)
【0017】式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化
合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン[=ビスフェノールA]、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエ
チルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シ−(3,5−ジフェニル)フェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメ
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジク
ロロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−
2,5−ジエトキシジフェニルエーテル等が例示され
る。これらの中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパンが好ましい。また、これらの芳香族ジ
ヒドロキシ化合物は、単独で又は2種以上を混合して、
用いることができる。
【0018】炭酸ジエステル化合物と芳香族ジヒドロキ
シ化合物との混合比率は、所望する芳香族ポリカーボネ
ートの分子量と末端ヒドロキシ基量により決められる。
末端ヒドロキシ基量は、製品ポリカーボネートの熱安定
性と加水分解安定性に大きな影響を及ぼし、実用的な物
性を持たせるためには1000ppm以下にすることが
必要となる。従って、芳香族ジヒドロキシ化合物1モル
に対して炭酸ジエステルを等モル量以上用いるのが一般
的であり、1.01〜1.30モル、好ましくは1.0
1〜1.20モルの量で用いられるのが望ましい。
【0019】エステル交換触媒 エステル交換法により芳香族ポリカーボネートを製造す
る際には、通常エステル交換触媒が使用される。エステ
ル交換触媒としては、主として、アルカリ金属化合物及
び/又はアルカリ土類金属化合物が使用され、補助的
に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性ア
ンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を
併用することも可能である。これらの触媒は、1種類で
使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよ
い。
【0020】触媒量は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合
物1モルに対して、1×10‐8〜1×10‐5モルの範
囲で用いられる。この量より少なければ、所定の分子
量、末端ヒドロキシ基量のポリカーボネートを製造する
のに長時間必要な重合活性が得られず、この量より多い
場合は、ポリマー色相が悪化し、ゲルの発生による異物
量も増大する傾向となる。特に、アルカリ金属化合物及
び/又はアルカリ土類金属化合物を用いる場合、それら
の金属量として1×10‐8〜2×10‐6モルの範囲が
好ましく、0.5×10‐7〜1×10‐6モルの範囲が
特に好ましい。
【0021】アルカリ金属化合物としては、リチウム、
ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの水酸化
物、炭酸水素塩、炭酸塩、酢酸塩、リン酸水素塩、フェ
ニルリン酸塩等の無機アルカリ金属化合物や、ステアリ
ン酸、安息香酸等の有機酸類、メタノール、エタノール
等のアルコール類、石炭酸、ビスフェノールA等のフェ
ノール類との塩等の有機アルカリ金属化合物等が挙げら
れる。
【0022】アルカリ土類金属化合物としては、ベリリ
ウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バ
リウムの水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、酢酸塩等の無
機アルカリ土類金属化合物や、有機酸類、アルコール
類、フェノール類との塩等の有機アルカリ土類金属化合
物等が挙げられる。
【0023】塩基性ホウ素化合物の具体例としては、テ
トラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピ
ルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ
素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホ
ウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホ
ウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジル
ホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホ
ウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニ
ルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素、等の水素化物、
ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩、バリウム塩、或いはストロンチウ
ム塩等が挙げられる。
【0024】塩基性リン化合物としては、例えば、トリ
エチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、ト
リイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、
あるいは四級ホスホニウム塩等が挙げられる。
【0025】塩基性アンモニウム化合物としては、例え
ば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエ
チルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモ
ニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロ
キシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、
トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメ
チルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメ
チルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルア
ンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニ
ウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒ
ドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキ
シド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベン
ジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルト
リフェニルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリフェ
ニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
【0026】アミン系化合物としては、例えば、4−ア
ミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル
−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、
2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−
メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、
2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカ
プトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキ
ノリン等が挙げられる。
【0027】エステル交換反応 反応は、実質的に無酸素下で行われることが好ましく、
例えば、運転開始前に原料調整槽、反応器及び配管内を
窒素ガス等の不活性ガスで置換しておく。通常、芳香族
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの溶融混合物
を、竪型反応器に供給する。触媒は、原料とは別のライ
ンで第1反応槽に直接供給してもよいし、第1反応槽に
入る手前の配管内で、スタティックミキサー等により原
料と混合した状態で供給させてもよい。必要に応じて、
触媒を溶解あるいは懸濁するための溶媒が用いられる。
好ましい溶媒としては、水、アセトン、フェノール等が
挙げられる。
【0028】液供給口は、反応槽側壁液相部にあり、抜
き出し口は、反応槽底部にあるのが好ましい。また、各
槽から反応液を連続して抜き出す方法は、落差を利用す
る方法、圧力差を利用する方法、ギアポンプ等の送液ポ
ンプを用いる方法等、反応液の物性に適応した方法で行
うのが好ましい。
【0029】反応方式は、バッチ式、連続式、又はバッ
チ式と連続式の組合せのいずれでもよい。使用する装置
は、槽型、管型又は塔型のいずれの形式であってもよ
く、例えば、ファードラー翼、アンカー翼、タービン
翼、ダブルヘリカル翼、マックスブレンド翼を具備した
竪型重合槽等を使用することができる。
【0030】本発明で用いる芳香族ポリカーボネートと
して、粘度平均分子量が10000〜100000が好
ましく、特に12000〜40000が好ましい。
【0031】残存触媒の中和 上記の方法で製造された芳香族ポリカーボネート中に
は、種々の化合物が残存している。中でも、アルカリ金
属化合物等の触媒を用いる場合には、ポリカーボネート
中に残存する触媒を中和するために、酸性化合物、特に
イオウ含有酸性化合物を、触媒金属1当量に対して0.
5〜10当量、好ましくは1〜5当量を添加することが
できる。これは、ポリマーの重量に対して、通常0.0
1〜20ppm、好ましくは0.1〜10ppm、さら
に好ましくは3〜7ppmの添加量となる。
【0032】イオウ含有酸性化合物の例としては、スル
ホン酸、スルフィン酸又はそれらのエステル誘導体であ
り、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸及びドデシルベンゼンスルホン酸、それらのメ
チル、エチル、ブチル、t−ブチル、オクチル、ドデシ
ル、フェニル、ベンジル、フェネチル等のエステル類、
ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸、ナフタ
レンスルホン酸等が挙げられる。これらの化合物の内、
p−トルエンスルホン酸のエステル又はベンゼンスルホ
ン酸のエステルが好ましく、これらの化合物を2種以上
使用してもよい。さらに、これらの化合物のアルカリ金
属塩を、これらの化合物と併用すると、分散性が向上し
失活効果が高まるので好ましい。併用する量としては、
非アルカリ金属塩に対してアルカリ金属塩を、重量比で
0.3〜3倍程度の量用いることが好ましい。
【0033】イオウ含有酸性化合物のポリカーボネート
への添加方法は、任意の方法により行うことができる。
例えば、イオウ含有酸性化合物を、直接又は希釈剤で希
釈して、溶融又は固体状態にあるポリカーボネートに添
加し、分散させることができる。具体的には、重縮合反
応器中、反応器からの移送ライン中、混練・ペレット化
のための押出機中に供給して混合することができ、通常
は押出機中に供給される。また、ミキサー等で、ポリカ
ーボネートや、他種ポリマーのペレット、フレーク、粉
末等と混合後、押出機に供給して混練することもでき
る。以上の中では、ポリカーボネートのフレークに、イ
オウ含有酸性化合物の原液を添加し、ミキサー等で混合
後、マスターバッチとして添加することが好ましい。さ
らに、添加の際には、重量フィーダー等を用いて、添加
量を精度良く制御することが好ましい。
【0034】また押出機で、ベントによる減圧処理を行
う場合又は水添加、熱安定剤、離型剤、染料、顔料、紫
外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、有機・無機充填剤等
を添加する場合は、これらの添加及び処理は、イオウ含
有酸性化合物と同時に行ってもよいが、イオウ含有酸性
化合物を最初に添加、混練することが好ましい。
【0035】脱揮とベントライン 本発明で、ペレット化に用いられる押出機は、連続的に
脱揮する機能を備えたものであればどのような形式のも
のでもよい。具体的には、ベント式の単軸または多軸押
出機が挙げられるが、特に噛み合い型二軸押出機が好ま
しく、回転方向は同方向回転でも異方向回転でもよい。
ベント数に制限はないが、通常は2段から10段の多段
ベントが用いられる。
【0036】本発明において、ベントラインは、押出機
のベント孔に始まりこれに連結された排気ラインであっ
て、ラインの終端又は途中に設置される排気のための減
圧装置や圧力制御弁を含む。このベントラインに、ベン
トアップセンサーを装備していることが重要である。ベ
ントアップセンサーの種類としては、ベントライン内の
流体の温度や圧力が感知できればどのようなタイプでも
よいが、好ましくは、静電容量式の温度計、熱電対、静
電容量式のレベル計、樹脂圧力計等が特に好ましい。
【0037】また、ベントアップセンサーを取り付ける
位置としては、ベントラインの閉塞につながる異常をな
るべく早期に感知することが好ましいことより、各ベン
ト孔を押出機内の樹脂流路域に開口させたことによって
生じた交叉面と殆ど接するベント孔内の位置がよい。さ
らに、ベントアップセンサーが温度又は圧力の異常を感
知した場合、手動あるいは自動でベントラインの圧力を
制御することが好ましい。すなわち、自動制御を行う場
合には、ベントアップセンサーの示す温度又は圧力が所
定の値を超えたときに、異常として感知し、これに応じ
て速やかにベントラインに設けられている圧力制御弁の
開度を調節して、ベントアップセンサーの示す温度又は
圧力が正常値に戻るまで制御を続けるように、自動制御
システムを設定しておくことが好ましい。
【0038】本発明において、発泡現象による樹脂のベ
ントラインへの付着及び閉塞の防止が十分行われたか否
かを知る指標の1つとして、芳香族ポリカーボネートペ
レット中の、10μm以上100μm以下の黒色異物量
がある。この黒色異物量は、1個/10g以下であるこ
とが好ましい。芳香族ポリカーボネート中に混入する異
物種は、外部から混入するダストや系内で発生する結晶
化物、ゲル化物や焼け等様々だが、上記の黒色異物種
は、特に樹脂の焼けに起因し、主に、樹脂が高温で滞留
する部分で生じ易いからである。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例になんら制限を受けるもの
ではない。なお分析は以下の方法で行った。
【0040】(1)粘度平均分子量(Mv) ウベローデ粘度計を用いて、塩化メチレン中20℃の極
限粘度[η]を測定し、以下の式より粘度平均分子量
(Mv)を求めた。 [η]=1.23×10-4×(Mv)0.83
【0041】(2)色相 射出成形機J100SS−2(日本製鋼所製)を用い
て、バレル温度280℃、金型温度90℃の条件下にて
成形した厚み3mm、一辺100mm角のシートについ
て、カラーテスター(スガ試験機株式会社製SC−1−
CH)で色の絶対値である三刺激値XYZを測定し、次
の関係式により黄色度の指標であるYI値を計算した。 YI=(100/Y)×(1.28X−1.06Z) このYI値が大きいほど着色していることを示す。
【0042】(3)10μm以上100μm以下の黒色
異物量 上記(2)で成形した厚み3mm、一辺100mm角の
シート(約30g)について、実体顕微鏡を用いて、大
きさが10μm以上100μm以下の黒色異物の数を数
え、10g当たりの異物数を算出した。
【0043】実施例1エステル交換反応 窒素ガス雰囲気下、ビスフェノールAとジフェニルカー
ボネートとを一定のモル比(DPC/BPA=1.06
5)に混合調製し、140℃で溶融混合した混合物を、
140℃に加熱した原料導入管を介して、常圧、窒素雰
囲気下、210℃に制御した第1竪型撹拌重合槽内に連
続供給し、平均滞留時間が60分になるように槽底部の
ポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつ
つ、液面レベルを一定に保った。また、上記原料混合物
の供給を開始すると同時に、触媒として炭酸セシウム水
溶液をビスフェノールA1モルに対し、0.5×10‐
6モルの流量で連続供給した。
【0044】第1竪型撹拌重合槽底より排出された重合
液は、引き続き第2、3、4の竪型重合槽並びに第5の
横型重合槽に逐次連続供給された。各重合槽での重合条
件は、それぞれ、第2重合槽(210℃、13300P
a)、第3重合槽(240℃、1995Pa)、第4重
合槽(260℃、67Pa)、第5重合槽(265℃、
67Pa)で反応の進行とともに高温、高真空、低撹拌
速度に条件を設定した。反応の間、各槽の平均滞留時間
が60分になるように液面レベルを制御し、また同時に
副生するフェノールの留去も行った。ポリカーボネート
の製造速度は50kg/Hrである。得られたポリカー
ボネートの分子量は、15000±500の範囲であっ
た。
【0045】脱揮・ペレット化 このポリマーを溶融状態のまま、3段ベント口を具備
し、ベント孔の間に水導入口を具備し、各ベント孔を押
出機内の樹脂流路域に開口させたことによって生じた交
叉面と殆ど接するベント孔内の位置に、熱電対式のベン
トアップセンサーを設置した、2軸押出機(神戸製鋼所
(株)製、46mmφ、噛み合いスクリュー、同方向)
に導入し、注水脱揮操作後、絶対濾過精度10μmのポ
リマーフィルターを通した後ペレット化した。ベントア
ップセンサーが温度異常を感知した時は、すなわちベン
トアップセンサーの示す温度が所定の温度(200℃)
を超えた場合は、速やかにベントラインに設けられてい
る圧力制御弁の開度を調節して、ベントアップセンサー
の示す温度を正常値に戻すように自動制御しながら、連
続300時間運転を継続する。300時間連続運転した
後のペレットの、10μm以上100μ以下の黒色異物
量及び色相を測定した結果を、表−1に示した。
【0046】実施例2 実施例1において、押出機のベント孔内に設置したベン
トアップセンサーを、熱電対式のものに代えて静電容量
式のレベル計を用いた以外は、実施例1と全く同様に脱
揮・ペレット化を行った。すなわち、ベントアップセン
サーの先端に樹脂が当たるとレベルスイッチが作動し、
速やかにベントラインに設けられている圧力制御弁の開
度を調節して、ベントアップセンサーの作動を解除する
ように自動制御しながら、連続300時間運転を継続し
た。300時間後のペレットの、10μm以上100μ
m以下の黒色異物量及び色相を測定した結果を、表−1
に示した。
【0047】比較例1 実施例1において、押出機にベントアップセンサーを設
置しない以外は、実施例1と全く同様に脱揮・ペレット
化を行った。300時間後のペレットの、10μm以上
100μm以下の黒色異物量及び色相を測定した結果
を、表−1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、芳香族ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステルとのエステル交換法により製造さ
れ、黒色異物の混入が少なく、色相にも優れた芳香族ポ
リカーボネートを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 純志 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎事業所内 Fターム(参考) 4J029 AA09 AB05 BB12A BB13A BF14A BG06X BG24X BH02 DB07 DB12 DB13 HC04A HC05A KH06 KJ05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エステル交換反応触媒の存在下、芳香族ジ
    ヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物とのエステル
    交換法によって得られた芳香族ポリカーボネートを、ベ
    ント式押出機を用いて連続的に脱揮するに際し、ベント
    ラインの閉塞が起こらないように操作条件を調整するこ
    とを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】調整される操作条件が、ベントラインの圧
    力であることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリカ
    ーボネートの製造方法。
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