JP2001199022A - 外装建材 - Google Patents

外装建材

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JP2001199022A
JP2001199022A JP2000013017A JP2000013017A JP2001199022A JP 2001199022 A JP2001199022 A JP 2001199022A JP 2000013017 A JP2000013017 A JP 2000013017A JP 2000013017 A JP2000013017 A JP 2000013017A JP 2001199022 A JP2001199022 A JP 2001199022A
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weather resistance
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exterior building
layer
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Hitoshi Hayashi
仁司 林
Riyouta Kitagawa
良太 喜多河
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系樹脂からなる基材層に、接
着剤としての表層樹脂層を介して高耐候性樹脂層を積層
した外装建材において、優れた耐候性を有し、しかも温
度変化による熱伸縮に起因して破損したり変形したりす
ることがなくかつ環境問題に対応できる低コストの外装
建材を提供すること。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂からなる基材層1
の外面の一部または全面に、非極性樹脂および極性樹脂
の双方に対して融着可能でありかつカーボンブラックを
0.2〜4.0重量%含有する表層樹脂A2、3を被覆
し、さらにその外面の高耐候性を要求される部分に高耐
候性樹脂B4が被覆されてなることを特徴とする外装建
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外装建材に関し、
特にポリオレフィン系樹脂からなる基材層に、カーボン
ブラックを含有する表層樹脂および高耐候性樹脂を被覆
した外装建材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の雨樋、窓枠、波板、デッキ板等の
外装建材は、硬質塩化ビニル樹脂で形成された物が一般
的であるが、硬質塩化ビニル樹脂は線膨張係数が高いた
めに継手等で建物に固定された後に夏冬・昼夜の温度変
化による熱伸縮に起因して破損したり変形したりする場
合があった。
【0003】また、硬質塩化ビニル樹脂は、難燃性であ
り燃焼時に塩化水素ガス等が発生することもあるため環
境問題から焼却が困難であり、また分解温度が軟化温度
よりも低いために廃材を再成形することも困難であっ
た。
【0004】このような問題を解決するために、特開平
6−344520号公報では、硬質塩化ビニル樹脂の代
替として、ポリオレフィン系樹脂を基材層とし、その上
にアクリル系の高耐候性樹脂層を変性スチレン−エチレ
ン・ジエン−スチレン系ブロック共重合体等のゴム状樹
脂を接着剤として積層した積層体が提案されている。
【0005】この場合、接着剤樹脂として用いる変性ス
チレン−エチレン・ジエン−スチレン系ブロック共重合
体は、基材層および高耐候性樹脂層の双方に対して強固
な融接着性を示すものの高価な樹脂であり、また屋外で
使用するために基材層の全面に高耐候性樹脂を被覆して
いるので経済的でないという問題があった。
【0006】これに対して、本発明者らは、特願平11
−280286号において、高価な高耐候性樹脂の使用
量を削減するために直射日光が当る部位にのみ高耐候性
樹脂層を被覆し、また高価な変性スチレン−エチレン・
ジエン−スチレン系ブロック共重合体等のゴム状接着剤
樹脂に替えて、基材層への紫外線透過を抑制するポリオ
レフィン系樹脂とアクリロニトリル−スチレン系共重合
樹脂とのブレンド樹脂等を用いた外装建材を提案した。
【0007】しかしながら、該接着剤樹脂は紫外線吸収
能力が不充分であることから、直射日光を受けない部位
においては、基材層樹脂への紫外線透過を十分に防ぐこ
とができず、このために該接着剤樹脂層の厚みを基材層
と高耐候性樹脂層との融着に必要な厚み以上とする必要
があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
オレフィン系樹脂からなる基材層に、接着剤としての表
層樹脂層を介して高耐候性樹脂層を積層した外装建材に
おいて、優れた耐候性を有し、しかも温度変化による熱
伸縮に起因して破損したり変形したりすることがなくか
つ環境問題に対応できる低コストの外装建材を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂
からなる基材層に、基材層樹脂および高耐候性樹脂の双
方に融着可能であり、しかもカーボンブラックを含有さ
せた表層樹脂を被覆し、さらにその外面に日光の直射を
受けるなどの高耐候性を要求される部位にのみ高耐候性
樹脂を被覆することにより、優れた耐候性を有し、しか
も温度変化による熱伸縮に起因して破損したり変形した
りすることがなくかつ環境問題に対応できる低コストの
外装建材が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹
脂からなる基材層の外面の一部または全面に、非極性樹
脂および極性樹脂の双方に対して融着可能でありかつカ
ーボンブラックを0.2〜4.0重量%含有する表層樹
脂Aを被覆し、さらにその外面の高耐候性を要求される
部分に高耐候性樹脂Bが被覆されてなることを特徴とす
る外装建材を提供するものである。
【0011】また、本発明は、該表層樹脂Aは、主成分
がポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン
系共重合体樹脂、スチレン−エチレン・ジエン−スチレ
ン系共重合体樹脂およびその各変性樹脂からなる群れか
ら選ばれることを特徴とする上記外装建材、該高耐候性
樹脂Bは、主成分がアクリル系樹脂またはアクリロニト
リル−スチレン系共重合体樹脂から選ばれることを特徴
とする上記外装建材を提供するものである。
【0012】さらに、本発明は、該表層樹脂Aの厚み
は、該高耐候性樹脂Bが被覆されている部位では10〜
100μmであり、該高耐候性樹脂Bが被覆されていな
い部位では100〜300μmであることを特徴とする
上記外装建材、該高耐候性樹脂Bの厚みは、100〜3
00μmであることを特徴とする上記の外装建材を提供
するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の外装建材は、基材層ポリ
オレフィン系樹脂の表面に、非極性樹脂および極性樹脂
の双方に融着可能でありしかもカーボンブラックを含有
してなる表層樹脂Aを被覆し、さらにその外面の日光の
直射を受けるなど特に耐候性が要求される部位に高耐候
性樹脂を被覆したものである。以下、本発明を詳細に説
明する。
【0014】1.基材層 本発明で用いる基材層は、ポリオレフィン系樹脂を主成
分とするものである。ポリオレフィン系樹脂としては、
α−オレフィンの単独重合体、α−オレフィンとジオレ
フィンとの共重合体、α−オレフィンと不飽和カルボン
酸エステルとの共重合体等を挙げることができる。ま
た、α−オレフィンの単独重合体および共重合体として
は、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテ
ン、デセン等の単独重合体および共重合体を挙げること
ができる。さらに、これら各種の単独重合体および共重
合体を2種以上組み合わせてなる組成物を挙げることが
できる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1
共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体
等を挙げることができる。
【0015】α−オレフィンとジオレフィンとの共重合
体としては、例えばエチレン−ブタジエン共重合体、プ
ロピレン−ブタジエン共重合体等を挙げることができ
る。α−オレフィンと不飽和カルボン酸エステルとの共
重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を挙
げることができる。これらの中で、プロピレン系重合体
は、物性およびコストの面から好ましい。
【0016】プロピレン系重合体としては、プロピレン
の単独重合体であるホモポリプロピレンの他、エチレン
−プロピレン共重合体、プロピレン−ブタジエン共重合
体やれに類する共重合体、さらに不飽和カルボン酸エス
テルとの共重合体として、プロピレン−酢酸ビニル共重
合体等を挙げることができる。
【0017】本発明で用いる基材層は、本発明の目的を
損なわない範囲で、さらに機能を向上させるために強化
繊維、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、改質剤等を添加す
ることができる。
【0018】強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維
等の無機繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維等の有機繊
維、金属繊維等を挙げることができ、充填剤としては、
マイカ、タルク、炭酸カルシウム等の無機充填剤や木粉
等の有機充填剤等を挙げることができる。また、難燃剤
としては、種々のハロゲン系、ノンハロゲン系、無機系
の難燃剤を挙げることができ、酸化防止剤としては、ヒ
ンダードアミン系酸化防止剤等を挙げることができる。
さらに、改質剤としては、変性ポリオレフィン等を挙げ
ることができる。
【0019】2.表層樹脂A 本発明で用いる表層樹脂Aは、非極性樹脂および極性樹
脂の双方に相溶して両樹脂を融着でき、しかも所定量の
カーボンブラックを含有する接着剤樹脂である。本発明
においては、表層樹脂Aは、所定量のカーボンブラック
を含有することが肝要である。カーボンブラックを含有
することにより、基材層の耐候性を向上させることがで
きる。
【0020】表層樹脂Aは、上述したとおり、非極性樹
脂および極性樹脂の双方に相溶できるものであることか
ら、基材層や後述する高耐候性樹脂Bと同一樹脂系のも
のが好ましいが異なるものであってもよい。表層樹脂A
は、基材層および高耐候性樹脂Bの双方に融着するの
で、両層が強固に一体化すると共に、基材層への紫外線
透過を抑制するので、日光の直射を受けることがなく、
したがって高耐候性樹脂Bが被覆されていない部位にお
いても十分な耐候性を有する。
【0021】本発明で用いる表層樹脂Aは、上述したと
おりの非極性樹脂および極性樹脂の双方に相溶して両樹
脂を融着できる限り特に限定するものではないが、通常
主成分がポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル−ス
チレン系共重合体樹脂、スチレン−エチレン・ジエン−
スチレン系共重合体樹脂およびその各変性樹脂である。
【0022】(i)ポリオレフィン系樹脂 ポリオレフィン系樹脂としては、上述した基材層と同様
のポリオレフィン系樹脂および該ポリオレフィン系樹脂
に不飽和カルボン酸誘導体等が付加重合されている変性
ポリオレフィン系樹脂等を挙げることができる。不飽和
カルボン酸誘導体とは、炭化水素基中にエチレン性不飽
和結合またはアセチレン性不飽和結合を有するカルボン
酸およびその誘導体をいう。不飽和カルボン酸として
は、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等を挙げることができ、不飽和カルボン
酸の誘導体としては、例えばマレイン酸無水物等の不飽
和カルボン酸無水物、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸エステル、
(メタ)アクリル酸アミド、マレイン酸アミド、マレア
ミド等の不飽和カルボン酸アミド、マレイミド、N−ブ
チルマレイミド等の不飽和カルボン酸アミド、(メタ)
アクリル酸ナトリウム等の不飽和カルボン酸金属塩等を
挙げることができる。これらは単独で用いることができ
るが、2種以上を組合せた組成物を用いることもでき
る。上記不飽和カルボン酸誘導体の付加重合の量は、ポ
リオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜20
重量部であるのが好ましい。
【0023】(ii)アクリロニトリル−スチレン系共
重合体樹脂 アクリロニトリル−スチレン系共重合体樹脂としては、
アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエン共重
合体−スチレン共重合体であるAES樹脂、アクリロニ
トリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体である
ACS樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレ
ン共重合体であるAAS樹脂等を挙げることがでる。こ
れらは単独で用いることができるが、2種以上を組合せ
た組成物を用いることもできる。また、グラフト重合等
により変性を行った樹脂を用いてもよい。
【0024】(iii)スチレン−エチレン・ジエン−
スチレン系共重合樹脂 スチレン−エチレン・ジエン−スチレン系共重合体樹脂
は、スチレンとエチレン・ジエン共重合体とがブロック
共重合されたものであり、ジエン成分としては、例えば
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ン、2,3−ジメチルブタジエン等を挙げることができ
る。これらは単独で用いることができるが、2種以上を
組合せた組成物を用いることもできる。また、これらは
共重合後に水添されてもよいし、二重結合が残存してい
てもよい。さらに、グラフト重合等により変性を行なっ
た樹脂を用いることもできる。
【0025】エチレン・ジエン成分の量は、少なくなる
と得られる樹脂層が固くなりすぎ、多くなると強度が低
くなるので、いずれの場合も最終的に得られる積層体の
接着強度が低くなり好ましくない。エチレン・ジエン成
分の好ましい量は、ブロック共重合体の全構成成分中に
30〜90重量%である。
【0026】表層樹脂Aの基材層への被覆が押出成形に
よりなされる場合には、該スチレン−エチレン・ジエン
−スチレン系共重合体樹脂の重量平均分子量は、400
00〜150000であることが好ましい。小さい場合
には金型等からの樹脂漏れを発生し易くなり、大きい場
合には成形性が劣る。
【0027】(iv)ブレンド樹脂 本発明で用いる表層樹脂Aは、上記したとおり、通常主
成分がポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル−スチ
レン系共重合体樹脂、スチレン−エチレン・ジエン−ス
チレン系共重合体樹脂およびその各変性樹脂であるが、
これらの樹脂を2種以上併用したブレンド樹脂であって
よい。この場合、その配合割合は、非極性樹脂および極
性樹脂の両樹脂に相溶する配合割合であれば特に限定す
るものではないが、表層樹脂Aを構成する樹脂により、
次の様な割合で用いるのが好ましい。
【0028】例えば、表層樹脂Aとして、ポリオレフィ
ン系樹脂とアクリロニトリル−スチレン系共重合体樹脂
のブレンド樹脂を用いる場合は、ブレンド樹脂中のアク
リロニトリル−スチレン系共重合樹脂の量は、40〜9
0重量%が好ましい。40重量%未満の場合には十分な
耐候性能を示すことができず、90重量%を超える場合
には基材層樹脂への融着力が不足する。ポリオレフィン
系樹脂とアクリロニトリル−スチレン系共重合樹脂との
ブレンドの好ましい組合せとしては、ポリプロピレンと
AES樹脂の組合せを挙げることができる。
【0029】また、スチレン−エチレン・ジエン−スチ
レン系共重合樹脂とアクリロニトリル−スチレン系共重
合体樹脂のブレンド樹脂を用いる場合は、ブレンド樹脂
中のスチレン−エチレン・ジエン−スチレン系共重合樹
脂量は、20〜80重量%が好ましい。20重量%未満
だと十分な耐候性能を示すことができず、80重量%以
上だと高耐候性樹脂Bへの融着力が不足する。
【0030】(v)カーボンブラック 表層樹脂Aに配合するカーボンブラックは、特に限定す
るものではないが粒子径が50μm以下のものが好まし
い。50μmを超える場合には、表層樹脂Aの紫外線劣
化抑制効果が小さくなる。しかし、粒子径が小さすぎる
場合は、表層樹脂A中への分散が困難となる。好ましく
は10〜30μmである。また、カーボンブラックの配
合割合は、表層樹脂A100重量部に対して、0.2〜
4.0重量部が望ましい。4.0重量部を超える場合に
は、表層樹脂Aの紫外線劣化抑制効果が飽和状態となる
ことから経済的でない。また0.2重量部未満の場合に
は、表層樹脂Aの紫外線劣化抑制効果が不充分である。
【0031】(vi)添加剤 表層樹脂Aに配合する添加剤は、特に限定するものでは
なく、本発明の外装建材の性能を阻害しない範囲で公知
のものを用いることができる。例えば、相溶化剤、難燃
剤、酸化防止剤、改質剤、カーボンブラックを除く他の
紫外線吸収剤等を挙げることができる。
【0032】3.高耐候性樹脂B 本発明で用いる高耐候性樹脂Bは、日光の直射を受ける
部位などのさらなる高耐候性能を要求される部位に、表
層樹脂Aの上から被覆する最外層樹脂である。高耐候性
樹脂Bの主成分は、優れた耐候性を有しかつ被覆成形可
能な熱可塑性樹脂である範囲で特に限定するものではな
く、例えばアクリル系樹脂や、AES樹脂、AAS樹脂
等のアクリロニトリル−スチレン系共重合樹脂等を挙げ
ることができる。これらは単独で用いることができる
が、2種以上を組合せた組成物を用いることもできる。
好ましくは、アクリル系樹脂またはアクリロニトリル−
スチレン系共重合樹脂である。また、高耐候性樹脂Bを
任意の色相に着色することにより、表層樹脂Aに含有さ
れるカーボンブラック色を隠蔽することができる。
【0033】(i)アクリル系樹脂 アクリル系樹脂としては、メタクリル酸エステルを単独
もしくはアクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸ラウリル等の共重合可能なモノマーとの共
重合体、およびエチレン−アクリル酸エチル共重合体で
あるEEA樹脂等、他のモノマーとの共重合体やブレン
ドポリマー等、アクリル酸を含む熱可塑性樹脂を挙げる
ことができる。
【0034】(ii)アクリロニトリル−スチレン系共
重合樹脂 アクリロニトリル−スチレン系共重合樹脂としては、上
述した表層樹脂Aで用いたアクリロニトリル−スチレン
系共重合樹脂と同様のものを挙げることができる。
【0035】(iii)その他の熱可塑性樹脂 その他の熱可塑性樹脂としては、例えばエチレン−酢酸
ビニル共重合体からなるEVA樹脂、エチレン−ビニル
アルコール共重合体からなるEVOH樹脂等の被覆成形
可能な熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0036】(iv)添加剤 高耐候性樹脂Bに配合する添加剤は、特に限定するもの
ではなく、本発明の外装建材の性能を阻害しない範囲で
公知のものを用いることができる。上述した表層樹脂A
に配合することができる添加剤と同様のものを、適宜選
択して用いることができる。
【0037】4.外装建材 本発明の外装建材は、上記した基材層の外面の一部また
は全面に、上記した表層樹脂Aを被覆し、さらにその外
面の直射日光を受けるなどさらなる高耐候性を要求され
る部位に上記した高耐候性樹脂Bを被覆してなるもので
ある。表層樹脂Aの被覆厚みは、高耐候性樹脂Bを被覆
する部位において、被覆しない部位より薄くするのが好
ましい。
【0038】表層樹脂Aの被覆厚みは、高耐候性樹脂B
が被覆されていない部位において100〜300μmが
好ましい。被覆厚みが100μm未満の場合は、紫外線
の透過を抑制することができず、基材層の紫外線劣化を
招く。一方、被覆厚みが300μmを超える場合は、外
装建材の機械的強度を低下させると共に材料費が余分に
かかるという問題がある。
【0039】また、表層樹脂Aの被覆厚みは、高耐候性
樹脂Bが被覆される部位においては、基材層と高耐候性
樹脂Bとを融着させるために必要な厚みがあればよく、
10〜100μmが好ましい。被覆厚みが10μm未満
の場合は、十分な融着力が得られない。一方、100μ
m超える場合は、表層樹脂A自身の凝集力に起因して剥
離強度が低下すると共に材料費が余分にかかるという問
題がある。
【0040】高耐候性樹脂Bの被覆厚みは、基材層の紫
外線劣化を抑制できる厚みであればよく、通常100〜
300μmが好ましい。被覆厚みが100μm未満の場
合は、紫外線の透過を抑制することができず、基材層の
紫外線劣化を招く。一方、被覆厚みが300μmを超え
る場合は、外装建材の機械的強度を低下させると共に材
料費が余分にかかるという問題がある。
【0041】本発明の外装建材を、図面を用いて説明す
る。図1は、本発明の外装建材の例である雨樋の断面図
を表す。図1において、1は基材層であり、2および3
は基材層1に被覆した表層樹脂Aである。表層樹脂A2
の厚みは、表層樹脂A3より薄くしてなるものである。
さらに、4は日光の直射を受ける表層樹脂A2の表面に
被覆した高耐候性樹脂Bである。
【0042】5.外装建材の製造方法 本発明の外装建材は、特に限定するものではなく、公知
の方法を採用して製造することができる。例えば、溶融
した基材層樹脂、表層樹脂Aおよび高耐候性樹脂Bを、
それぞれ別個の押出機で溶融混練し、この順で200〜
250℃の金型内に注入して各層を積層させた後、冷却
固化させて製造することができる。また、各樹脂層を積
層する際に、表層樹脂Aをトルエン、キシレン等の溶剤
に溶解し、得られた溶液を基材層または高耐候性樹脂B
のうちの一方に塗布し、この塗布面に他方の樹脂層を積
層して乾燥することもできる。
【0043】本発明の外装建材の製造方法の一例を、図
面を用いて説明する。図2において、基材層樹脂は、二
軸同方向回転押出機11内で溶融混練され、必要に応じ
て強化繊維等をフィーダー12から押し込んだ後、押出
金型13から基材層として押出成形される。それと同時
に、基材層の上に表層樹脂Aおよび高耐候性樹脂Bが順
次表層樹脂押出機14および高耐候性樹脂押出機15か
ら押出されて基材層に被覆され、連続した成形体19が
得られる。次いで、成形体19は、冷却サイジング装置
16および引き取り装置17を経て、さらに切断装置1
8にて所望の大きさに切断されて、本発明の外装建材2
0が製造される。
【0044】
【実施例】以下に、本発明を実施例を挙げてさらに詳細
に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。また、実施例1〜4および比較例1〜
2の成形体を構成する基材層、表層樹脂Aおよび高耐候
性樹脂Bには、下記材料を用いた。
【0045】(基材層)ガラス繊維添加PP:ポリプロ
ピレン(三菱化学製ポリプロEA9)に、強化繊維とし
てガラス繊維チョップ(日東紡CS3PE956)を1
0容量%添加したもの。
【0046】(表層樹脂A) (イ)SEBS60/AES40 SEBS樹脂(旭化成製タフテックH1041)60重
量部とAES樹脂(日本A&L製ユニブライトUB−4
00)40重量部とのブレンド樹脂。 (ロ)AES60/PP10/MAH変性PO10 AES樹脂(日本A&L製ユニブライトUB−400)
60重量部、ポリプロピレン(三菱化学製ポリプロEA
9)10重量部および無水マレイン酸変性ポリオレフィ
ン(三井石油化学製アドマーQB550)10重量部の
ブレンド樹脂。 (ハ)CB:カーボンブラック(三菱化学製MA7
A)。
【0047】(高耐候性樹脂B) (イ)AES:AES樹脂(日本A&L製ユニブライト
UB−400)。 (ロ)ACR:アクリル樹脂(三菱レイヨン製アクリペ
ットVH)。
【0048】(実施例1)図2に示した製造装置におい
て、表1に示した成形体の構成に基づいてコ字状の外装
建材(成形体)を作製した。図3に、得られた成形体の
概略断面図を示した。図3において、表層樹脂A2およ
び表層樹脂A3は、基材層1の外側表面にのみ被覆して
なり、表層樹脂A2の厚みは、表層樹脂A3の厚みより
薄くしてなるものである。また、高耐候性樹脂B4は成
形体の片側の側壁部(表層樹脂A3の外面)にのみ被覆
してなる。さらに、得られた成形体は、底辺部の幅10
0mm、側壁部の高さ40mmのものであり、また基材
層1の厚みは約1.5mm、表層樹脂A2の厚みは約
0.05mm、表層樹脂A3の厚みは約0.20mm、
高耐候性樹脂B4の厚みは約0.15mmであった。次
いで、得られた成形体について、基材層と表層樹脂Aと
の融着力およびキセノン光に対する耐候性を下記の方法
で評価した。表1に融着力および耐候性の評価結果を示
した。
【0049】
【表1】
【0050】融着力は、次のようにして評価した。図4
に、成形体の融着力および耐候性を評価した評価部を示
した。図4において、5は評価部1であり、6は評価部
2である。作製直後の成形体の評価部1において、碁盤
目試験により剥離枚数を測定した。また、作製後の成形
体を75℃〜20℃の冷熱水に300回繰返し浸漬した
後、同様にして剥離枚数を測定した。融着力は、評価し
た枚数に対する剥離枚数の割合で表した。
【0051】耐候性は、次のようにして評価した。作製
直後の成形体の評価部1および評価部2について、押出
方向の最大引張応力を測定した。また、キセノンウエザ
ーメーター(スガ試験機製、WEL−SAN−HC)を
用いて、作製後の成形体に矢印方向7からキセノン光を
2000時間照射した後、同様にして押出方向の最大引
張応力を測定した。耐候性は、キセノン光照射前後の引
張強度保持率(=照射後の最大引張応力/照射前の最大
引張応力)により評価した。
【0052】(実施例2)実施例1において、高耐候性
樹脂BのAES樹脂に替えてアクリル樹脂を用いたこと
の他は、実施例1と同様にして成形体を作製し、得られ
た成形体の融着力および耐候性を評価した。表1に成形
体の構成と、融着力および耐候性の評価結果とを示し
た。
【0053】(実施例3)実施例1において、表層樹脂
AのSEBS樹脂60重量部とAES樹脂40重量部と
のブレンド樹脂に替えて、AES樹脂60重量部、ポリ
プロピレン10重量部および無水マレイン酸変性ポリオ
レフィン10重量部のブレンド樹脂を用いたことの他
は、実施例1と同様にして成形体を作製し、得られた成
形体の融着力および耐候性を評価した。表1に成形体の
構成と、融着力および耐候性の評価結果とを示した。
【0054】(実施例4)実施例3において、高耐候性
樹脂BのAES樹脂に替えてアクリル樹脂を用いたこと
の他は、実施例3と同様にして成形体を作製し、得られ
た成形体の融着力および耐候性を評価した。表1に成形
体の構成と、融着力および耐候性の評価結果とを示し
た。
【0055】(比較例1)実施例1において、表層樹脂
Aとして、SEBS樹脂60重量部とAES樹脂40重
量部とのブレンド樹脂にカーボンブラックを添加しない
ものを用いたことの他は、実施例1と同様にして成形体
を作製し、得られた成形体の融着力および耐候性を評価
した。表1に成形体の構成と、融着力および耐候性の評
価結果とを示した。
【0056】(比較例2)実施例2において、表層樹脂
Aとして、SEBS樹脂60重量部とAES樹脂40重
量部とのブレンド樹脂にカーボンブラックを添加しない
ものを用いたことの他は、実施例2と同様にして成形体
を作製し、得られた成形体の融着力および耐候性を評価
した。表1に成形体の構成と、融着力および耐候性の評
価結果とを示した。
【0057】表1から明らかな様に、実施例1〜4の成
形体は、作製直後においても冷熱水サイクル後において
も優れた融着力を有し、また評価部1においても評価部
2においても優れた耐候性(強度保持力)を有した。ま
た、評価部1において優れた強度保持力を有する実施例
1〜4の成形体は、全面に高耐候性樹脂Bを被覆した成
形体と同様に、優れた耐候性を有するものである。これ
に対して、比較例1および比較例2の成形体は、耐候性
が顕著に劣るものであった。
【0058】
【発明の効果】本発明の外装建材は、ポリオレフィン系
樹脂からなる基材層の外面の一部または全面に、非極性
樹脂および極性樹脂の双方に対して融着可能でありかつ
カーボンブラックを含有する表層樹脂を被覆し、さらに
その外面の高耐候性を要求される部分に高耐候性樹脂B
を被覆してなる構成としたことから、優れた耐候性を有
し、しかも外装建材の原単位を大幅に削減することがで
きると共に、温度変化による熱伸縮に起因して破損した
り変形することがなくかつ環境問題に対応できるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外装建材の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の外装建材を製造するための製造装置の
一例を示す模式図である。
【図3】実施例および比較例の成形体の断面図である。
【図4】実施例および比較例の成形体について、キセノ
ン光の照射方向と、融着力および耐候性の評価部を示す
図である。
【符号の説明】
1 基材層 2 表層樹脂A(厚さの薄い層) 3 表層樹脂A(厚さの厚い層) 4 高耐候性樹脂B 5 評価部1 6 評価部2 7 キセノン光の照射方向 11 二軸同方向回転押出機 12 繊維供給押し込みフィーダー 13 押出金型 14 表層樹脂押出機 15 高耐候性樹脂押出機 16 冷却サイジング装置 17 引き取り装置 18 切断装置 19 成形体 20 外装建材
フロントページの続き Fターム(参考) 2E110 AA26 AA48 AB22 BA03 BA04 BA12 BA24 BB04 GB43W GB43X GB43Z GB44W GB44X 4F100 AA37B AK01B AK01C AK03A AK04B AK12B AK12C AK12J AK25C AK27B AK27C AK27J AK28B AK28J AL01B AL01C AL06B BA03 BA07 BA10A BA10C GB07 JA20B JA20C JL09 JL09C YY00B YY00C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂からなる基材層の
    外面の一部または全面に、非極性樹脂および極性樹脂の
    双方に対して融着可能でありかつカーボンブラックを
    0.2〜4.0重量%含有する表層樹脂Aを被覆し、さ
    らにその外面の高耐候性を要求される部分に高耐候性樹
    脂Bが被覆されてなることを特徴とする外装建材。
  2. 【請求項2】 該表層樹脂Aは、主成分がポリオレフィ
    ン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン系共重合体樹
    脂、スチレン−エチレン・ジエン−スチレン系共重合体
    樹脂およびその各変性樹脂からなる群れから選ばれるこ
    とを特徴とする請求項1記載の外装建材。
  3. 【請求項3】 該高耐候性樹脂Bは、主成分がアクリル
    系樹脂またはアクリロニトリル−スチレン系共重合体樹
    脂から選ばれることを特徴とする請求項1または請求項
    2のいずれかに記載の外装建材。
  4. 【請求項4】 該表層樹脂Aの厚みは、該高耐候性樹脂
    Bが被覆されている部位では10〜100μmであり、
    該高耐候性樹脂Bが被覆されていない部位では100〜
    300μmであることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の外装建材。
  5. 【請求項5】 該高耐候性樹脂Bの厚みは、100〜3
    00μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の外装建材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008155590A (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Dainippon Printing Co Ltd 耐候性フィルム
JP2008230172A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Dainippon Printing Co Ltd 耐候性フィルム

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JP2008155590A (ja) * 2006-12-26 2008-07-10 Dainippon Printing Co Ltd 耐候性フィルム
JP2008230172A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Dainippon Printing Co Ltd 耐候性フィルム

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