JPH09314767A - 耐候性に優れた共押出成形体 - Google Patents

耐候性に優れた共押出成形体

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JPH09314767A
JPH09314767A JP8131835A JP13183596A JPH09314767A JP H09314767 A JPH09314767 A JP H09314767A JP 8131835 A JP8131835 A JP 8131835A JP 13183596 A JP13183596 A JP 13183596A JP H09314767 A JPH09314767 A JP H09314767A
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JP
Japan
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ethylene
copolymer
resin
olefin
intermediate layer
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Application number
JP8131835A
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English (en)
Inventor
Akemasa Masunaga
明正 増永
Kiyoshi Akita
清 秋田
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Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン系樹脂と耐候性熱可塑性樹脂とが
強固に積層され、オレフィン系樹脂の優れた成形性及び
軽量性を有しながら、優れた耐候性、耐熱性、耐湿性等
を備えた共押出成形体を提供することにある。 【解決手段】 基体となるオレフィン系樹脂と、外表面
となる耐候性熱可塑性重合体とを、エチレン成分とα−
オレフィン成分とを含む共重合体から成る中間層を介し
て隣接する位置関係で共押出して成ることを特徴とする
耐候性に優れた共押出成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン系樹脂
と耐候性熱可塑性重合体とを共押出して成る成形体に関
するもので、より詳細には、中間層に特定のエチレン系
共重合体を介在させることにより、成形を可能にし且つ
耐熱性、耐候性、耐湿性に優れた多層構造を形成させた
成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンやポリプロピレンに代表さ
れるオレフィン系樹脂は、一般に耐熱性等の諸特性に優
れており、プラスチック成形品として種々の用途に広く
使用されている。然しながら、このオレフィン系樹脂は
耐候性が悪いという欠点があるため、屋外での使用に供
される場合においては、通常、紫外線吸収剤等の配合に
より耐候性の改善が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、オレフィン
系樹脂に紫外線吸収剤を配合したとしても、耐候性が満
足する程に向上するものではなく、更に耐候性の改善が
要求されている。また、紫外線吸収剤等の耐候性向上剤
は、それ自体高価なものであることから、紫外線吸収剤
等を多量に配合することは、オレフィン系樹脂の特性を
損ねるばかりか、コスト的にも不満足なものとなってし
まう。
【0004】一方、耐候性に優れた熱可塑性樹脂として
は、ポリカーボネート樹脂等、種々の樹脂が知られてい
る。従って、このような耐候性熱可塑性重合体を、上記
のポリオレフィン樹脂にラミネートすることにより、耐
候性を改善することが考えられる。然しながら、オレフ
ィン系樹脂は本質的に無極性であることから、ポリカー
ボート等の耐候性熱可塑性樹脂との相溶性、接着性を全
く有しておらず、オレフィン系樹脂に耐候性熱可塑性樹
脂をラミネートする手段を採用することはできなかっ
た。
【0005】従って、本発明の目的は、オレフィン系樹
脂と耐候性熱可塑性樹脂とが強固に積層され、オレフィ
ン系樹脂の優れた成形性及び軽量性を有しながら、優れ
た耐候性、耐熱性、耐湿性等を備えた共押出成形体を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基体と
なるオレフィン系樹脂と、外表面となる耐候性熱可塑性
重合体とを、エチレン成分とα−オレフィン成分とを含
む非晶質乃至低結晶性の共重合体から成る中間層を介し
て隣接する位置関係で共押出して成ることを特徴とする
耐候性に優れた共押出成形体が提供される。
【0007】中間層を形成する共重合体において、前記
α−オレフィンが炭素数3乃至12、特に4乃至12の
α−オレフィンであることが好ましく、特に好適なもの
として、エチレンとα−オレフィンとを95:5乃至8
0:20のモル比で共重合させた、密度が0.880乃
至0.920g/cm3 の極低密度乃至低密度の線状エ
チレン−α−オレフィン共重合体、特にエチレン−ブテ
ン−1共重合体が挙げられる。
【0008】中間層を形成する共重合体の他の例とし
て、エチレン−ブテンブロック或いはエチレン−プロピ
レンブロックを含有するブロック共重合体エラストマ
ー、特にスチレン/エチレン−ブテン/スチレンブロッ
ク共重合体またはスチレン/エチレン−プロピレン/ス
チレンブロック共重合体がある。このブロック共重合体
のエチレン−ブテンブロックまたはエチレン−プロピレ
ンブロックが共重合体当たり60乃至80重量%で存在
するのがよい。
【0009】本発明の共押出成形体において、中間層が
0.01乃至3mmの厚みで存在し、一方外表面層が
0.05乃至5mmの厚みで存在するのが好ましい。
【0010】
【発明の実施形態】本発明においては、オレフィン系樹
脂を基体として、耐候性熱可塑性重合体を外表面層とし
て共押出成形するが、この際両者の間にエチレン成分と
α−オレフィン成分とを含む共重合体エラストマーを中
間層として介在させることにより、耐候性、耐熱性及び
耐湿性に優れた多層成形体を製造することができる。
【0011】本発明の多層共押出成形体が、苛酷な熱衝
撃性、耐湿性、耐候性等に耐えるという事実は、後述す
る実施例を参照することにより明らかであるが、この事
実は多くの試行錯誤の末に見いだされたものであって、
その理由は未だ明らかではないが、次のようなものと思
われる。
【0012】即ち、第1に、本発明で用いるエチレン成
分とα−オレフィン成分とを含む非晶質乃至低結晶性の
共重合体は、オレフィン系樹脂に対しても、耐候性熱可
塑性重合体に対しても溶融状態での混和性を有してい
る。一般に、物質の相溶性を評価するための目安とし
て、溶解度指数(Solubility Parame
ter、SP値)が広く使用されている。このSP値と
は、J.BRANDRUP等編 Polymer Ha
ndbook(1967年) 第4章に定義されている
ように、凝集エネルギー密度の1/2乗値であり、物質
の水素結合の程度を表しており、水素結合の程度が大き
いと、大きい値を取る。例として、ポリエチレンの場合
8.0(cal/cm3 1/2 、また水素結合の強い
ポリアクリロニトリルの場合 15.4(cal/cm
3 1/2である。ポリプロピレンやポリエチレンのSP
値は8.1(cal/cm3 1/2 であり、一方エチレ
ン及びα−オレフィン単位を含む共重合体や共重合体中
のエチレン・α−オレフィン共重合ブロックはこれに近
い溶解度指数を有するので、両者の混和が行われる。こ
れは、エチレン及びα−オレフィン単位を含む共重合体
と耐候性熱可塑性樹脂とについても同様である。例え
ば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂の場
合、メチルメタクリレートが海、アクリル酸ブチルが島
となった海−島構造をとるが、アクリル酸ブチルの溶解
度指数は8.9(cal/cm3 1/2 であって、両樹
脂の相溶が生じるものと認められる。中間層として用い
る共重合体中に耐候性熱可塑性樹脂の構成単位と同様な
単位を導入することも、両樹脂の相溶性向上に有効であ
り、この例として、中間層用共重合体としてのSEBS
エラストマーと、耐候性樹脂としてのAES樹脂との組
み合わせがある。しかも、共押出に際して、この共重合
体エラストマーの溶融物は、多層多重ダイ中で、オレフ
ィン系樹脂の溶融物層ともまた耐候性熱可塑性重合体の
溶融物層とも一定の時間接触状態におかれる。このた
め、中間層樹脂とオレフィン系樹脂及び耐候性熱可塑性
重合体との相互作用が強まり、強固な接着が形成されて
いると思われる。用いるエチレン成分とα−オレフィン
成分とを含む共重合体エラストマーの融点乃至軟化点が
比較的低く、密度も比較的低い(凝集力が小さい)こと
も、ポリマー間の相互作用増大に寄与している。
【0013】第2に、本発明で用いるエチレン成分とα
−オレフィン成分とを含む共重合体は、ガラス転移点が
低いという特徴があり、このため、中間層と基体との界
面や、中間層と外表面層との界面に生じる応力が分散さ
れ、応力集中が回避されるので、機械的衝撃や熱的衝撃
に耐える接着構造が形成されることになる。
【0014】本発明の成形体では、オレフィン系樹脂を
基体としているため、成形体の押出成形性がよく、また
成形体を軽量にできる。また、耐候性熱可塑性重合体を
外表面層としているため、十分な耐候性が得られると共
に、外表面層及び中間層を薄く成形でき、オレフィン系
樹脂の優れた成形性を損なわず、また成形体を安価に提
供できるという利点をも与えるものである。
【0015】本発明の共押出成形体において、中間層が
0.01乃至3mmの厚みで存在し、一方外表面層が
0.05乃至5mmの厚みで存在するのがよく、中間層
の厚みが上記範囲よりも薄くなると、均一且つ一様な接
着が困難となる傾向があり、一方この厚みが上記範囲よ
りも厚くなると、中間層の凝集破壊による接着力の低下
が生じるので好ましくなく、経済的にも不利となる。ま
た、外表面層の厚みが上記範囲を下回ると、成形体の耐
候性が不十分となり、逆に上記範囲を上回ると、成形性
が低下したり、オレフィン系樹脂の利点が失われたり、
経済的も不利となる。
【0016】(オレフィン系樹脂)基体として用いるオ
レフィン系樹脂としては、低−,中−或いは高密度のポ
リエチレン、超高分子量ポリエチレン等の各種ポリエチ
レンや、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリブテン−1、ポリ(4−メチルペンテン−
1)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレ
フィン共重合体(アイオノマー)などが使用される。
【0017】オレフィン系樹脂は、結晶性であることが
好ましく、ポリエチレンやポリプロピレンが特に適して
いる。ポリプロピレンとしては、アイソタクティックポ
リプロピレンやシンジオタクティックポリプロピレンが
使用され、これらは、公知の不均一系触媒を用いて重合
させたものでも、メタロセン系触媒を用いて重合させた
ものであってもよい。尚、ポリプロピレンは、ホモポリ
マーであっても、結晶性である限り、ブロック共重合体
であっても、ランダム共重合体であってもよい。オレフ
ィン系樹脂のメルトインデックスは、0.1乃至100
g/10分の範囲から成形体の用途に応じて適当なもの
を選ぶ。
【0018】オレフィン系樹脂層には、それ自体公知の
各種配合剤、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウ
ム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、
雲母粉、アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸カ
ルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、二硫化モリブデ
ン、グラファイト、ガラス繊維、ガラス球、シラスバル
ーン、カーボン繊維等の充填剤;カーボンブラック、酸
化チタン、亜鉛華、ベンガラ、群青、紺青、アゾ顔料、
ニトロソ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料;フェ
ノール系、サルファイト系、フォスファイト系、アミン
系等の耐熱安定剤;紫外線吸収剤;発泡剤;帯電防止
剤;金属石ケン、ワックス等の滑剤;などを、接着性が
損なわれない限りの量で配合することもできる。特に、
強度、硬度、成形性、耐熱性等の点からは、充填剤を、
上述したポリオレフィン樹脂100重量部当り1乃至1
00重量部迄の量で配合するのが好ましい。
【0019】(耐候性熱可塑性樹脂層)外表面層として
用いる耐候性熱可塑性重合体としては、熱成形可能な熱
可塑性重合体の内、耐候性に優れているものは全て使用
できる。その例は、決してこれに限定されないが、ポリ
カーボネート樹脂、アクリルニトリル−スチレン(A
S)樹脂、アクリルニトリル−エチレン−スチレン(A
ES)樹脂、アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エ
ステル−スチレン(AAS)樹脂、アクリロニトリル−
スチレン/ポリカーボネート(ASC)樹脂、ポリメチ
ルメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリテトラフロオ
ロエチレン等のフッ素樹脂等である。これらは、単独で
も或いは2種以上の組み合わせでも使用でき、例えばポ
リマーアロイ等のブレンド物の形でも使用される。
【0020】これらの耐候性熱可塑性重合体は、酸変成
されたものでもよく、酸変性には、不飽和カルボン酸ま
たはこれらの誘導体によるグラフト重合が用いられる。
酸またはその誘導体としては、具体的には、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン
酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸等のα,β−
不飽和カルボン酸、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2
−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸、
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、
テトラヒドロ無水フタル酸等のα,β不飽和カルボン酸
無水物、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−
5,6−ジカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸の無
水物、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイ
ン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマール酸ジエ
チル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テ
トラヒドロ無水フタル酸ジメチル、ビシクロ〔2,2,
1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメチル
等の不飽和カルボン酸のエステル等を例示することがで
きるが、これらの中でも、マレイン酸、ビシクロ〔2,
2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸また
はこれらの無水物が好適であり、この成分は、耐候性熱
可塑性重合体の接着性を向上せしめる。
【0021】耐候性熱可塑性重合体もフィルムを形成す
るに足る分子量を有するべきである。また、かかる耐候
性熱可塑性重合体には、必要に応じて、前述した各種配
合剤を配合することもできる。
【0022】(中間層)本発明では、中間層として、エ
チレン成分とα−オレフィン成分とを含有する共重合体
を使用する。前記α−オレフィンとしては、炭素数3乃
至12、特に4乃至12のα−オレフィン、例えば1−
ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1
−ヘキセン、2−メチル−1−ブテン、1−オクテン等
が挙げられる。
【0023】好適なものとして、エチレンとα−オレフ
ィンとを95:5乃至80:20のモル比で共重合させ
た、密度が0.880乃至0.920g/cm3 の極低
密度乃至低密度の線状エチレン−α−オレフィン共重合
体、特にエチレン−ブテン−1共重合体が使用される。
密度が0.905g/cm3 以下のものが特に適してい
る。メルトインデックスは0.5乃至30g/10分の
範囲にあるのがよい。
【0024】これらの共重合体は、全体としての重合体
鎖は線状であるが、共単量体に基づく分岐鎖を有してい
る。この構造の故に、他のエチレン系重合体に比して密
度が低く、またこの共重合体では、分岐鎖の増大に伴っ
て、密度が低くなる傾向がある。この分子構造は、オレ
フィン系樹脂や耐候性熱可塑性重合体との接着に役立っ
ていると信じられる。
【0025】中間層の形成に好適に使用される共重合体
の他の例として、エチレンとα−オレフィンとの共重合
ブロック、特にエチレン−ブテンブロック或いはエチレ
ン−プロピレンブロックを含有するブロック共重合体エ
ラストマーがある。この共重合体エラストマーの具体例
として、スチレン/エチレン−ブテン/スチレンブロッ
ク共重合体(SEBS)またはスチレン/エチレン−プ
ロピレン/スチレンブロック共重合体が挙げられる。
【0026】このスチレン/エチレン−ブテン/スチレ
ンブロック共重合体(SEBS)は、スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体の水素添加により製造
され、またスチレン/エチレン−プロピレン/スチレン
ブロック共重合体は、スチレン−イソプレン−スチレン
ブロック共重合体の水素添加により製造される。これら
の共重合体では、スチレンブロックが硬いセグメントと
なり、エチレン−ブテンブロック或いはエチレン−プロ
ピレンブロックが柔らかいセグメントとなって、熱可塑
性エラストマーとしての特性が発現される。
【0027】本発明に用いるスチレン/エチレン・ブテ
ン(エチレン・プロピレン)/スチレンブロック共重合
体エラストマーは、密度が0.89ないし0.93g/cm3
あり、スチレン部分(a)とエチレン・ブテン(エチレ
ン・プロピレン)部分(b)の重量比が(a)/(b)
= 20/80乃至40/60であるものが好ましい。
【0028】本発明で用いる上記エチレン−αオレフィ
ン共重合体は、耐候性熱可塑性重合体について述べたよ
うに、酸変性されていてもよい。
【0029】(共押出成形体及びその製法)本発明の共
押出成形体は、オレフィン系樹脂、耐候性熱可塑性重合
体及びエチレン成分とα−オレフィン成分とを含有する
共重合体を、それぞれ対応する押出機で溶融混練し、多
層多重ダイを通して、基体となるオレフィン系樹脂と、
外表面となる耐候性熱可塑性重合体とを、エチレン成分
とα−オレフィン成分とを含む共重合体から成る中間層
を介して隣接する位置関係で共押出することにより製造
される。
【0030】ダイヘッドとしては、シート形成用のフラ
ットダイ、パイプ形成用のリングダイ、異形断面ダイ等
が、共押出成形体の形状に応じて適宜選択使用される。
多層多重ダイとして、エチレン成分とα−オレフィン成
分とを含有する共重合体と耐候性熱可塑性重合体或いは
オレフィン系樹脂との融着が行われるようなダイ通路を
確保すべきであり、例えば、エチレン成分とα−オレフ
ィン成分とを含有する共重合体の溶融物層と耐候性熱可
塑性重合体の溶融物層とを合流させ、次いでこの溶融物
の積層体をオレフィン系樹脂の溶融物と合流させて押し
出すことができる。
【0031】本発明では、精度の高い多層共押出成形体
の製造が可能であり、例えば金型(賦形ダイ及びサイジ
ングダイ)を用いての共押出による異形成形が可能であ
る。
【0032】本発明の共押出成形体は、窓枠、敷居、外
壁材、床材、内装材等の建材;パイプ、雨樋、各種構造
材、家具、事務用機器、機械部品、各種装置のハウジン
グ等に有用である。
【0033】
【実施例】本発明を次の例で更に説明する。実施例にお
ける試験は次の通り行った。 <試験項目> (1)耐熱試験 共押出成形体の耐候性熱可塑性重合体層の温度を、−1
0℃、80℃に変化させ、昇温及び降温を3hrかけて
行い、上記各温度に3hr保持し、これを5サイクル行
って成形体に剥離が起こるか否かをテストした。 (2)耐湿試験 共押出成形体の耐候性熱可塑性重合体層の温度及び湿度
を、0℃、80℃(飽和湿度)に変化させ、昇温及び降
温を3hrかけて行い、上記各温度及び湿度に3hr保
持し、これを5サイクル行って成形体に剥離が起こるか
否かをテストした。 (3)サンシャインウエザーメーター(83℃) 共押出成形体の耐候性熱可塑性重合体層側を、サンシャ
インウエザーメーターを用いて、0,500,100
0,2000,3000hr照射し、成形体に剥離が起
こるか否かをテストした。
【0034】(実施例1)各層の形成材料として、次の
重合体を使用し、共押出により、オレフィン系樹脂層・
中間層・耐候性熱可塑性樹脂層=3mm・0.2mm・
0.5mmの厚みの3層構成の成形体を作成した。 オレフィン系樹脂層;ポリプロピレン(三井東圧化学
製:BG−G) 中間層;エチレン−ブテン−1共重合体(日本合成ゴム
製:EBM2021P) ブテン−1含量:20重量% 密度m:0.88g/cm3 耐候性熱可塑性樹脂層;ポリメタクリル酸メチル(三菱
レーヨン:ハイペットHBS−001) この共押出成形体を、耐熱試験、耐湿試験、耐候試験に
付した結果は満足すべきものであった。
【0035】(実施例2)中間層形成材として、 スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合
体(SEBS)(旭化成社製:タフテックH1051) スチレン/エチレン・ブテン(重量比)=40/60 密度m:0.93g/cm3 を使用した以外は、実施例1と全く同様にして3層構成
の成形体を作成した。この共押出成形体を、耐熱試験、
耐湿試験、耐候試験に付した結果は満足すべきものであ
った。
【0036】(実施例3)耐候性熱可塑性樹脂として、
AES樹脂(日本合成ゴム製:AES−110)を使用
した以外は、実施例1と全く同様にして3層構成の成形
体を作成した。この共押出成形体を、耐熱試験、耐湿試
験、耐候試験に付した結果は満足すべきものであった。
【0037】(実施例4)オレフィン系樹脂として、ポ
リエチレン(出光石油化学製:750LB)を使用した
以外は、実施例1と全く同様にして3層構成の成形体を
作成した。この共押出成形体を、耐熱試験、耐湿試験、
耐候試験に付した結果は満足すべきものであった。
【0038】(実施例5)中間層形成材として、実施例
2で用いたSEBSの無水マレイン酸変性物(旭化成
製:タフテックM1962)を用いた以外は実施例1と
同様にて3層構成の成形体を作成した。この共押出成形
体を、耐熱試験、耐湿試験、耐候試験に付した結果は満
足すべきものであった。
【0039】(実施例6)耐候性熱可塑性樹脂として、
ポリメチルメタクリル酸メチルの酸変性物(住友化成
製:スミペックスTR)を使用し、且つ中間層形成材と
して、実施例5で用いたものと同じSEBSの無水マレ
イン酸変性物を用いた以外は実施例1と同様にて3層構
成の成形体を作成した。この共押出成形体を、耐熱試
験、耐湿試験、耐候試験に付した結果は満足すべきもの
であった。
【0040】(比較例1)中間層形成材を使用しない以
外は、実施例1と全く同様にして共押出を行ったが、オ
レフィン系樹脂(ポリプロピレン)層と耐候性熱可塑性
樹脂(ポリメタクリル酸メチル)層とが接着した2層の
成形体を得ることは出来得なかった。
【0041】(比較例2)ポリプロピレン(三井東圧化
学製:BG−G)100重量部にタルク(フジタルク)
を50重量部配合した以外は、比較例1と全く同様にし
て共押出を行ったが、やはり2層が接着した成形体を得
ることは出来なかった。
【0042】(比較例3)ポリメタクリル酸メチルの代
わりにAES樹脂(日本合成ゴム製:AES−110)
を使用した以外は、比較例1と全く同様にして共押出を
行ったが、やはり2層が接着した成形体を得ることは出
来なかった。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、基体となるオレフィン
系樹脂と、外表面となる耐候性熱可塑性重合体とを、エ
チレン成分とα−オレフィン成分とを含む非晶質乃至低
結晶性の共重合体から成る中間層を介して隣接する位置
関係で共押出することにより、オレフィン系樹脂と耐候
性熱可塑性樹脂とが強固に積層され、オレフィン系樹脂
の優れた成形性及び軽量性を有しながら、優れた耐候
性、耐熱性、耐湿性等を備えた共押出成形体を提供する
ことができた。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体となるオレフィン系樹脂と、外表面
    となる耐候性熱可塑性重合体とを、エチレン成分とα−
    オレフィン成分とを含む共重合体から成る中間層を介し
    て隣接する位置関係で共押出して成ることを特徴とする
    耐候性に優れた共押出成形体。
  2. 【請求項2】 前記α−オレフィンが炭素数3乃至1
    2、特に4乃至12のα−オレフィンである請求項1記
    載の共押出成形体。
  3. 【請求項3】 中間層を形成する共重合体がエチレンと
    α−オレフィンとを95:5乃至80:20のモル比で
    共重合させた、密度が0.880乃至0.920g/c
    3 の極低密度乃至低密度の線状エチレン−α−オレフ
    ィン共重合体である請求項1記載の共押出成形体。
  4. 【請求項4】 中間層を形成する共重合体がエチレン−
    ブテン−1共重合体である請求項1記載の共押出成形
    体。
  5. 【請求項5】 中間層を形成する共重合体がエチレン−
    ブテン・ブロック或いはエチレン−プロピレン・ブロッ
    クを含むブロック共重合体エラストマーである請求項1
    記載の共押出成形体。
  6. 【請求項6】 中間層を形成する共重合体がスチレン/
    エチレン−ブテン/スチレンブロック共重合体またはス
    チレン/エチレン−プロピレン/スチレンブロック共重
    合体である請求項5記載の共押出成形体。
  7. 【請求項7】 前記ブロック共重合体のエチレン−ブテ
    ンブロックまたはエチレン−プロピレンブロックが共重
    合体当たり60乃至80重量%で存在する請求項6記載
    の共押出成形体。
  8. 【請求項8】 中間層を形成する共重合体が酸変成され
    たエチレン−ブテン共重合体或いはエチレン−ブテンブ
    ロック含有共重合体である請求項1記載の共押出成形
    体。
  9. 【請求項9】 オレフィン系樹脂がポリエチレン又はポ
    リプロピレンである請求項1記載の共押出成形体。
  10. 【請求項10】 耐候性樹脂が、ポリカーボネート樹
    脂、アクリルニトリル−スチレン(AS)樹脂、アクリ
    ルニトリル−エチレン−スチレン(AES)樹脂、アク
    リロニトリル−(メタ)アクリル酸エステル−スチレン
    樹脂 (AAS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン/
    ポリカーボネート(ASC)樹脂、ポリメチルメタクリ
    レート(PMMA)樹脂、フッ素樹脂或いはこれらの酸
    変性樹脂である請求項1記載の共押出成形体。
  11. 【請求項11】 中間層が0.01乃至3mmの厚みで
    存在する請求項1記載の成形体。
  12. 【請求項12】 外表面層が0.05乃至5mmの厚み
    で存在する請求項1記載の共押出成形体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001034383A1 (fr) * 1999-11-08 2001-05-17 Sumiron Co., Ltd Film a structure laminee a excellente adaptation a la configuration tridimensionnelle, et utilisation
WO2001068785A1 (fr) * 2000-03-13 2001-09-20 Sumitomo Chemical Company, Limited Adhesif, procede de production de stratifie avec l'adhesif, et stratifie
US6475582B1 (en) 2000-03-02 2002-11-05 Basell Poliolefine Italia S.P.A. Co-extruded, multi-layer tubing made from polyamide and olefin polymer materials
JP2006522696A (ja) * 2003-02-21 2006-10-05 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 耐候性多層物品及びその製造方法

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