JP2001096690A - 外装建材 - Google Patents

外装建材

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JP2001096690A
JP2001096690A JP28028699A JP28028699A JP2001096690A JP 2001096690 A JP2001096690 A JP 2001096690A JP 28028699 A JP28028699 A JP 28028699A JP 28028699 A JP28028699 A JP 28028699A JP 2001096690 A JP2001096690 A JP 2001096690A
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exterior building
weather resistance
coated
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Hitoshi Hayashi
仁司 林
Riyouta Kitagawa
良太 喜多河
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材ポリオレフィン樹脂を被覆する高耐候性
樹脂の使用量を抑制し、かつ高価な変性スチレン−エチ
レン・ジエン−スチレン系ブロック共重合体等の樹脂を
用いないで、温度変化による熱伸縮で破損、変形のしな
いかつ環境問題に対応できる外装建材の提供。 【解決手段】 ポリオレフィン樹脂からなる基材層の外
面の一部もしくは全面に非極性樹脂、極性樹脂双方に融
着可能な表層樹脂Aを被覆し、さらにその外面の高耐候
性を要求される部分に高耐候性樹脂Bが被覆された外装
建材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外装建材に関し、
特にポリオレフィン樹脂からなる基材層を表層樹脂及び
高耐候性樹脂で被覆した外装建材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の雨樋、窓枠、波板、デッキ板等の
外装建材は、硬質塩化ビニル樹脂で形成された物が一般
的であるが、塩化ビニル樹脂は線膨張係数が高いために
継手等で建物に固定された後に夏冬・昼夜の温度変化に
よる熱伸縮で破損したり変形する場合があった。
【0003】また、塩化ビニル樹脂は、難燃性であり燃
焼時に塩化水素ガス等が発生することもあるため環境問
題から焼却が困難であり、また分解温度が軟化温度より
も低いために廃材の再成形も困難である。
【0004】このような問題を解決するために、特開平
6−344520号公報では、塩化ビニル樹脂の代替と
して、ポリオレフィン系樹脂を基材とし、その上にアク
リル系の高耐候性樹脂層を変性スチレン−エチレン・ジ
エン−スチレン系ブロック共重合体等のゴム状樹脂を接
着剤とし積層した積層体が提案されている。しかしなが
ら、接着層に用いる変性スチレン−エチレン・ジエン−
スチレン系ブロック共重合体は、ポリオレフィン系基材
層、高耐候性樹脂に強固に融接着性を示すが、高価な樹
脂であり、また屋外で使用するために全面に高耐候性樹
脂を被覆しているので材料費が高くなるという問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基材
ポリオレフィン樹脂を被覆する高耐候性樹脂の使用量を
抑制し、かつ高価な変性スチレン−エチレン・ジエン−
スチレン系ブロック共重合体等の樹脂を用いないで、温
度変化による熱伸縮で破損、変形のしないかつ環境問題
に対応できる外装建材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオレフィン基材層
に基材樹脂及び高耐候性樹脂の双方に融着可能な表層樹
脂を被覆し、更に日光の直射を受けるなどの高耐候性を
要求される部位に高耐候樹脂を被覆することにより、温
度変化による熱伸縮で破損、変形のしないかつ環境問題
に対応できる低コストの外装建材が得られることを見出
し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明の第1の発明は、ポリオ
レフィン樹脂からなる基材層の外面の一部もしくは全面
に非極性樹脂、極性樹脂双方に融着可能な表層樹脂Aを
被覆し、さらにその外面の高耐候性を要求される部分に
高耐候性樹脂Bが被覆された外装建材である。
【0008】本発明の第2の発明は、表層樹脂Aの被覆
厚みが、高耐候性樹脂Bが被覆されている部分では10
〜100μm、高耐候性樹脂Bが被覆されていない部分
では100〜300μmであることを特徴とする上記第
1の発明に記載の外装建材である。
【0009】本発明の第3の発明は、高耐候性樹脂Bの
被覆厚みが、100〜300μmであることを特徴とす
る上記第1又は第2の発明に記載の外装建材である。
【0010】本発明の第4の発明は、表層樹脂Aが、ポ
リオレフィン系樹脂とアクリロニトリル−スチレン系共
重合体樹脂とのブレンド樹脂であることを特徴とする上
記第1乃至第3の発明に記載の外装建材である。
【0011】本発明の第5の発明は、表層樹脂Aが、ス
チレン−エチレン・ジエン−スチレン系共重合体樹脂と
高耐候樹脂Bに相溶可能な樹脂とのブレンド樹脂である
ことを特徴とする上記第1乃至第3の発明に記載の外装
建材である。
【0012】本発明の第6の発明は、高耐候性樹脂B
が、アクリル系樹脂又はアクリロニトリル−スチレン系
共重合体樹脂であることを特徴とする上記第1乃至第5
の発明に記載の外装建材である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の外装建材は、基材層であ
るポリオレフィン系樹脂に、非極性樹脂、極性樹脂双方
に融着可能な表層樹脂を被覆し、更に日光の直射を受け
るなど特に耐候性能を要求される部位に高耐候樹脂を被
覆することにより、安価に高耐候性能を付与した外装建
材である。以下、詳細に説明する。
【0014】1.基材層樹脂 基材層として用いられるポリオレフィン樹脂は、α−オ
レフィンの単独重合体及び共重合体、α−オレフィンと
ジオレフィンとの共重合体、α−オレフィンと不飽和カ
ルボン酸エステルとの共重合体等が挙げられる。α−オ
レフィンの単独重合体及び共重合体としては、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、デセン
等の単独重合体及び共重合体であり、具体的にはポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メ
チルペンテン−1共重合体等が挙げられる。α−オレフ
ィンとジオレフィンとの共重合体としては、例えばエチ
レン−ブタジエン共重合体、プロピレン−ブタジエン共
重合体等が挙げられる。α−オレフィンと不飽和カルボ
ン酸エステルとの共重合体としては、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等が挙げられる。更にこれら単独重合体及
び共重合体を2種以上組み合わせてなる組成物が挙げら
れる。これらの中で、プロピレン系重合体が、物性、コ
ストの面から好ましい。
【0015】プロピレン系重合体としては、プロピレン
の単独重合体のホモポリプロピレンの他、エチレン−プ
ロピレン共重合体、プロピレン−ブタジエン共重合体や
それに類する共重合体、更に不飽和カルボン酸エステル
との共重合体として、プロピレン−酢酸ビニル共重合体
等が挙げられ、更にこれら各種の単独重合体及び共重合
体を2種以上組み合わせてなる組成物が挙げられる。
【0016】上記ポリオレフィン樹脂には、本発明の目
的を損なわない範囲で、更に機能を向上させるために強
化繊維、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、改質剤等を添加
することができる。強化繊維としては、炭素繊維、ガラ
ス繊維等の無機繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維等の
有機繊維、金属繊維等が挙げられる。充填剤としては、
マイカ、タルク、炭酸カルシウム等の無機充填剤や木粉
等の有機充填剤等が挙げられる。難燃剤としては、種々
のハロゲン系、ノンハロゲン系、無機系難燃剤が挙げら
れる。酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系酸化防
止剤等が挙げられる。改質剤としては、変性ポリオレフ
ィン等が挙げられる。
【0017】2.表層樹脂A 基材層の外周に被覆される表層樹脂Aは、非極性樹脂及
び極性樹脂双方に融着可能なブレンド樹脂であり、基材
層を構成するポリオレフィン樹脂の非極性樹脂に相溶
し、かつ日光の直射を受けるなど更なる高耐候性能を要
求される部位に被覆する高耐候性樹脂Bに相溶するブレ
ンド樹脂である。
【0018】高耐候性樹脂Bに相溶可能な樹脂は、最外
層に被覆される高耐候性樹脂と相溶性があればよく、最
外層に被覆される高耐候性樹脂と同一樹脂系のものが好
ましいが、異なるものであっても良い。 該ブレンド樹
脂は基材ポリオレフィン樹脂及び高耐候性樹脂B双方に
融着するので、各層が強固に一体化すると共に、基材ポ
リオレフィンへの紫外線透過を抑制するので、日光の直
射を受けない部位では十分な耐候性能を示す。
【0019】具体的には、ポリオレフィン系樹脂とアク
リロニトリル−スチレン系共重合体樹脂とのブレンド樹
脂、変性ポリオレフィン系樹脂とアクリロニトリル−ス
チレン系共重合体樹脂とのブレンド樹脂、スチレン−エ
チレン・ジエン−スチレン系共重合樹脂とアクリロニト
リル−スチレン系共重合樹脂とのブレンド樹脂等が挙げ
られる。以下に具体的に樹脂の説明をする。
【0020】(i)ポリオレフィン系樹脂 ポリオレフィン系樹脂としては、上記基材層樹脂と同様
のポリオレフィン樹脂及び該ポリオレフィン樹脂に不飽
和カルボン酸誘導体等が付加重合されている変性ポリオ
レフィン樹脂等が挙げられる。ここで、不飽和カルボン
酸誘導体とは、炭化水素基中にエチレン性不飽和結合ま
たはアセチレン性不飽和結合を有するカルボン酸及びそ
の誘導体をいう。不飽和カルボン酸としては、例えば
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸等が挙げられ、不飽和カルボン酸の誘導体としては、
例えばマレイン酸無水物等の不飽和カルボン酸無水物、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル
等の不飽和カルボン酸エステル、(メタ)アクリル酸ア
ミド、マレイン酸アミド、マレアミド等の不飽和カルボ
ン酸アミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド等の不
飽和カルボン酸アミド、(メタ)アクリル酸ナトリウム
等の不飽和カルボン酸金属塩等が挙げられる。これらは
単独で使用されてもよいし、2種以上併用されてもよ
い。上記不飽和カルボン酸誘導体の付加重合の量は、ポ
リオレフィン樹脂100重量部に対して0.1〜20重
量部であるのが好ましい。
【0021】(ii)アクリロニトリル−スチレン系共
重合体樹脂 アクリロニトリル−スチレン系共重合体樹脂としては、
アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエン共重
合体−スチレン共重合体であるAES樹脂、アクリロニ
トリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体である
ACS樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレ
ン共重合体であるAAS樹脂等が挙げられ、単独もしく
は組み合わせられて用いられる。また、グラフト重合等
により変性を行った樹脂を用いても良い。
【0022】(iii)スチレン−エチレン・ジエン−
スチレン系共重合樹脂 スチレン−エチレン・ジエン−スチレン系共重合体樹脂
は、スチレンとエチレン・ジエン共重合体とがブロック
共重合されたものであり、ジエン成分としては、例え
ば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が挙げられる。
これらは共重合後に水添されてもよいし、二重結合が残
存していてもよい。
【0023】エチレン・ジエン成分の量は、少なくなる
と得られる樹脂層が固くなりすぎ、多くなると強度が低
くなるので、いずれの場合も最終的に得られる積層体の
接着強度が低くなり好ましくない。エチレン・ジエン成
分の好ましい量は、ブロック共重合体全構成成分中に3
0〜90重量%である。
【0024】表層樹脂の被覆を押出成形によりなされる
ときは、該スチレン−エチレン・ジエン−スチレン系共
重合体樹脂の重量平均分子量は、小さいと金型等からの
樹脂漏れを発生し易くなり、大きいと成形性が劣ってく
るので、40000〜150000であることが好まし
い。
【0025】(iv)ブレンド割合 表層樹脂Aは、上記のポリオレフィン系樹脂と高耐候性
樹脂Bに相溶する樹脂のブレンド樹脂であり、そのブレ
ンド割合は、両樹脂に相溶する割合であれば、どのよう
な割合でもよいが、用いる樹脂により、次の様な割合で
用いるのが好ましい。
【0026】例えばポリオレフィン系樹脂とアクリロニ
トリル−スチレン系共重合体樹脂のブレンド樹脂を用い
る場合は、ブレンド樹脂中のアクリロニトリル−スチレ
ン系共重合樹脂の量は、40〜90重量%が好ましい。
40重量%未満だと十分な耐候性能を示すことができ
ず、90重量%を超えると基材層樹脂への融着力が不足
する。上記ポリオレフィン系樹脂とアクリロニトリル−
スチレン系共重合樹脂とのブレンドの好ましい組合せと
しては、ポリプロピレンとAES樹脂の組合せが挙げら
れる。
【0027】スチレン−エチレン・ジエン−スチレン系
共重合樹脂とアクリロニトリル−スチレン系共重合体樹
脂のブレンド樹脂を用いる場合は、ブレンド樹脂中のス
チレン−エチレン・ジエン−スチレン系共重合樹脂量
は、20〜80重量%が好ましい。20重量%未満だと
十分な耐候性能を示すことができず、80重量%以上だ
と高耐候樹脂Bへの融着力が不足する。
【0028】(v)ブレンド樹脂Aへの添加剤等 ブレンド樹脂Aへの添加剤は特に限定されないが、ブレ
ンドの際の相溶化のための相溶化剤、難燃剤、酸化防止
剤、改質剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。特に、基材
樹脂への紫外線透過を防ぐために、表層樹脂Aには顔料
や紫外線吸収剤を添加することが望ましい。
【0029】3.高耐候性樹脂B 高耐候性樹脂Bは、日光の直射を受けるなど更なる高耐
候性能を要求される部位に表層樹脂Aの上から被覆する
最外層樹脂である。高耐候性樹脂Bとしては、被覆成形
可能な熱可塑性樹脂及びそれらの組み合わせ等が挙げら
れ、具体的には、アクリル系樹脂やAES樹脂、AAS
樹脂等のアクリロニトリル−スチレン系共重合樹脂が好
適に用いられ、耐候性を有し、被覆成形可能な熱可塑性
樹脂であれば、それらの組み合わせ等、特には限定され
ない。
【0030】高耐候樹脂Bとして用いることのできるア
クリル系樹脂としては、メタクリル酸エステルを単独も
しくはアクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、メ
タクリル酸ラウリル等の共重合可能なモノマーとの共重
合体、及びエチレン−アクリル酸エチル共重合体である
EEA樹脂等、他のモノマーとの共重合体やブレンドポ
リマー等、アクリル酸を含む熱可塑性樹脂が挙げられ
る。
【0031】高耐候樹脂Bとして用いることのできるア
クリロニトリル−スチレン系共重合樹脂としては、上記
表層樹脂Aで用いた樹脂と同様の樹脂が挙げられる。
【0032】また、その他の例としては、エチレン−酢
酸ビニル共重合体からなるEVA樹脂、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体からなるEVOH樹脂等、被覆成
形が可能な熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0033】4.被覆層の厚み 本発明の外装建材は、表記基材層に表層樹脂Aを被覆
し、さらに日光の直射を受けるなど更なる高耐候性能を
要求される部位に表層樹脂Aの上から高耐候性樹脂Bを
被覆して得られるが、表層樹脂Aの被覆厚みは、高耐候
性樹脂Bを被覆する部分と被覆しない部分において異な
るようにするのが好ましい。
【0034】高耐候性樹脂Bが被覆されていない部分で
の表層樹脂Aの被覆層厚みは、100〜300μmが好
ましい。被覆層厚みが100μm未満では、紫外線の透
過を抑制することができず、基材層ポリオレフィン樹脂
の紫外線劣化を招く。一方、被覆層厚みが300μmを
超えると外装建材である複合素材の強度を低下させると
共に材料費が余分にかかることになる。
【0035】高耐候性樹脂Bが被覆される部分での表層
樹脂Aの被覆層厚みは、基材ポリオレフィンと高耐候樹
脂Bとの融着に必要な厚みがあればよく、10〜100
μmが好ましい。被覆厚みが10μm未満だと十分な融
着力が得られない。一方、100μm超だと表層樹脂A
自身の凝集力により返って剥離強度が低くなると共に材
料費が余分にかかることになる。
【0036】5.外装建材の製造 本発明の外装建材は、例えば図1に示す様に基材層
(1)の外側に、表層樹脂A(2)が被覆され、さらに
日光がよく当たる部位へ高耐候性樹脂B(3)が被覆さ
れている。高耐候性樹脂B(3)が被覆されている部分
の表層樹脂Aの厚みは高耐候性樹脂B(3)が被覆され
ていない他の(2)の部分より薄い層となっているのが
好ましい。
【0037】以下、図面を用いて本発明の外装建材の製
造工程の一例の概要を説明すると、図2において、基材
層樹脂は、二軸同方向回転押出機(11)内で溶融混練
され、必要に応じて強化繊維等をフィーダー(12)か
ら押し込んだ後、押出金型(13)から基材層(1)と
して押出成形され、それと同時に、基材層(1)の上に
表層樹脂A(2)および高耐候樹脂B(3)が順次表層
樹脂層押出機(14)、高耐候性樹脂押出機(15)か
ら押出され、基材層(1)上に被覆され、連続した成形
体が得られる。その後、この成形体は、冷却サイジング
装置(16)、引き取り装置(17)を経て、切断装置
(18)にて所望のおおきさに切断され、本発明の外装
建材が得られる。
【0038】
【実施例】以下に、本発明について実施例を挙げてさら
に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に特に
限定されるものではない。なお、実施例で用いた試験
法、評価法は、次の通りである、 (1)融着力:表層樹脂と基材樹脂との融着力を碁盤目
試験にて行った。製造直後及び75℃〜20℃の冷熱水
への繰り返し浸漬の300サイクル後の融着力を剥離枚
数により評価した。 (2)耐候性:耐候性能をサンシャインウエザロ500
時間照射前後の色差により評価した。
【0039】実施例1 図2に示す製造装置を用いて、図3に概略断面図を示す
ような底辺部の幅が100mmで、側壁部の高さが40
mmのコ字状の成形体を製造した。コ字状の成形体にお
いて、基材層(1)の厚みは約1.5mmであり、表層
樹脂A(2)の厚みは、約100μmであり、高耐候性
樹脂B(3)の被覆は、片方の側壁部のみであり、その
厚さ約100μmであった。
【0040】その際、基材樹脂としては、ポリプロピレ
ン(三菱化学製ポリプロEA9)を用い、強化繊維とし
てガラス繊維チョップ(日東紡CS3PE956)を1
0容量%添加した。表層樹脂Aとしては、AES樹脂
(日本A&L製ユニブライトUB−400)60重量部
とポリプロピレン(三菱化学製ポリプロEA9)10重
量部と無水マレイン酸変性ポリオレフィン(三井学製ア
ドマーQB550)10部とのブレンド樹脂を用いた。
高耐候性樹脂Bとしては、アクリル樹脂(三菱レイヨン
製アクリペットVH)を用いた。
【0041】得られた成形体の基材樹脂と表層樹脂との
融着力を碁盤目試験にて行い、その結果を表1に示し
た。さらに、サンシャインウエザロ法により図4に示す
ように高耐候性樹脂Bの被覆側に紫外線を照射させて高
耐候性樹脂Bの被覆部の色差Bを測定し(図4)、耐候
性を評価した。その結果を表1に示す。
【0042】実施例2 高耐候性樹脂Bとして、AES樹脂(日本A&L製ユニ
ブライトUB−400)を用いた他は、実施例1と同様
にして外装建材を得、その評価を行った。結果を表1に
示す。
【0043】実施例3 表層樹脂Aとして、SEBS樹脂(旭化成製タフテック
H1041)60重量部とAES樹脂(日本A&L製ユ
ニブライトUB−400)40重量部のブレンド樹脂を
用いた他は、実施例1と同様にして外装建材を得、その
評価を行った。結果を表1に示す。
【0044】実施例4 高耐候性樹脂Bとして、AES樹脂(日本A&L製ユニ
ブライトUB−400)を用いた他は、実施例3と同様
にして外装建材を得、その評価を行った。結果を表1に
示す。
【0045】実施例5 図2に示す製造装置を用いて、図5に概略断面図を示す
ような底辺部の幅が100mmで、側壁部の高さが40
mmのコ字状の成形体を製造した。コ字状の成形体にお
いて、基材層(1)の厚みは約1.5mmであり、表層
樹脂A(2)の厚みは、表層樹脂B未被覆部で約150
μmであり、表層樹脂B被覆部で70μmであり、高耐
候性樹脂B(3)の被覆は、片方の側壁部のみであり、
その厚さ約150μmであった。
【0046】その際、基材樹脂としては、ポリプロピレ
ン(三菱化学製ポリプロEA9)を用い、強化繊維とし
てガラス繊維チョップ(日東紡CS3PE956)を1
0容量%添加した。表層樹脂Aとしては、AES樹脂
(日本A&L製ユニブライトUB−400)60重量部
とポリプロピレン(三菱化学製ポリプロEA9)10重
量部と無水マレイン酸変性ポリオレフィン(三井学製ア
ドマーQB550)10部とのブレンド樹脂を用いた。
高耐候性樹脂Bとしては、アクリル樹脂(三菱レイヨン
製アクリペットVH)を用いた。
【0047】得られた成形体の基材樹脂と表層樹脂Aと
の融着力を碁盤目試験にて行い、その結果を表1に示し
た。さらに、サンシャインウエザロ法により高耐候性樹
脂Bの未被覆部の色差Aと高耐候性樹脂Bの被覆部の色
差Bを測定し、耐候性を評価した。その結果を表1に示
す。
【0048】実施例6 表層樹脂Bとして、AES樹脂(日本A&L製ユニブラ
イトUB−400)を用いた他は、実施例5と同様にし
て外装建材を得、その評価を行った。結果を表1に示
す。
【0049】実施例7 表層樹脂Aとして、スチレン−エチレン・ジエン−スチ
レン系共重合体樹脂であるSEBS樹脂(旭化成製タフ
テックH1041)60重量部とアクリロニトリル−ス
チレン系共重合体樹脂であるAES樹脂(日本A&L製
ユニブライトUB−400)40重量部とのブレンド樹
脂を用いた他は、実施例5と同様にして外装建材を得、
その評価を行った。結果を表1に示す。
【0050】実施例8 表層樹脂Bとして、AES樹脂(日本A&L製ユニブラ
イトUB−400)を用いた他は、実施例7と同様にし
て外装建材を得、その評価を行った。結果を表1に示
す。
【0051】実施例9 表層樹脂Aとして、無水マレイン酸変性ポリプロピレン
(三井化学製アドマーQB550)30重量部とAES
樹脂(日本A&L製ユニブライトUB−400)70重
量部のブレンド樹脂を用いた他は、実施例5にして外装
建材を得、その評価を行った。結果を表1に示す。
【0052】実施例10 表層樹脂Bとして、AES樹脂(日本A&L製ユニブラ
イトUB−400)を用いた他は、実施例9と同様にし
て外装建材を得、その評価を行った。結果を表1に示
す。
【0053】比較例1 表層樹脂Aとして、無水マレイン酸変性SEBS(旭化
成製タフテックM1962)を用い、高耐候性樹脂Bを
成形体全面に被覆する他は、実施例1と同様にして外装
建材を得、その評価を行った。結果を表2に示す。
【0054】比較例2 表層樹脂Aとして、無水マレイン酸変性SEBS(旭化
成製タフテックM1962)を用い、高耐候性樹脂Bを
成形体全面に被覆する他は、実施例2と同様にして外装
建材を得、その評価を行った。結果を表2に示す。
【0055】比較例3 基材層の表面に表層樹脂Aを約150μmで均一に被覆
した他は、実施例5と同様にして外装建材を得、その評
価を行った。結果を表2に示す。
【0056】比較例4 基材層の表面に表層樹脂Aを約150μmで均一に被覆
した他は、実施例6と同様にして外装建材を得、その評
価を行った。結果を表2に示す。
【0057】比較例5 基材層の表面に表層樹脂Aを約150μmで均一に覆し
た他は、実施例7と同様にして外装建材を得、その評価
を行った。結果を表2に示す。
【0058】比較例6 基材層の表面に表層樹脂Aを約150μmで均一に被覆
した他は、実施例8と同様にして外装建材を得、その評
価を行った。結果を表2に示す。
【0059】比較例7 基材層の表面に表層樹脂Aを約150μmで均一に被覆
した他は、実施例9と同様にして外装建材を得、その評
価を行った。結果を表2に示す。
【0060】比較例8 基材層の表面に表層樹脂Aを約150μmで均一に被覆
した他は、実施例10と同様にして外装建材を得、その
評価を行った。結果を表2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】表1及び表2から明らかな様に、ポリプロ
ピレンからなる基材にポリオレフィン及び高耐候性樹脂
双方に融着性を有する表層樹脂Aを被覆し、照射部分の
みに高耐候性樹脂Bを被覆した成形体の融着力は優れ、
全面に耐候性樹脂を被覆した場合と同等の耐候性能を示
し、経済的にも有利な外装建材であることがわかる(実
施例1〜4及び比較例1〜2参照)。また、表層樹脂A
の被覆厚さを、高耐候性樹脂Bを被覆する部分で10〜
100μmにコントロールすることによって、成形体の
融着力は優れ、耐候性樹脂Aの厚さをコントロールしな
い場合と同等の耐候性能を示し、経済的にも有利な外装
建材であることがわかる(実施例5〜10及び比較例3
〜6参照)。
【0064】
【発明の効果】本発明の第1の発明の外装建材は、ポリ
オレフィン基材層に表層樹脂Aを被覆し、さらにより高
耐候性機能を必要とする部分にのみ高耐候性樹脂を被覆
した外装建材であるので樹脂材料費の削減が行え、温度
変化による熱伸縮で破損、変形のしないかつ環境問題に
対応できる経済的に有利な外装建材である。
【0065】また、本発明の第2〜第3の発明の外装建
材は、表層樹脂層の厚さを特定厚みにすることによる表
層樹脂Aの厚みを抑制しない場合と同等の耐候性能を確
保し、樹脂材料費の削減が行え、温度変化による熱伸縮
で破損、変形のしないかつ環境問題に対応できる経済的
に有利な外装建材である。
【0066】さらに、本発明の第4〜第6の発明は、表
面層樹脂、高耐候性樹脂を特定することによる樹脂材料
費の削減が行え、温度変化による熱伸縮で破損、変形の
しないかつ環境問題に対応できる経済的に有利な外装建
材である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外装建材の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の外装建材を製造するための製造装置の
一例を示す模式図である。
【図3】本発明の外装建材の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の外装建材の耐候性を測定するための照
射方向を示す図である。
【図5】本発明の外装建材の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基材層 2 表層樹脂層 3 高耐候性樹脂層 11 二軸同方向回転押出機 12 繊維供給押し込みフィーダー 13 押出金型 14 表層樹脂層押出機 15 高耐候性樹脂押出機 16 冷却サイジング装置 17 引き取り装置 18 切断装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53/02 C08L 53/02 101/00 101/00 E04D 13/064 501 E04D 13/064 501K Fターム(参考) 4F100 AG00 AK03A AK03B AK04B AK04J AK12B AK12C AK12J AK25C AK27B AK27C AK27J AK29B AK29J AL01B AL01C AL05B BA03 BA07 BA10A BA10C CB03B DC30 EH17 GB07 JL09 YY00B 4J002 BB03W BB04 BB05W BB06W BB11W BB12W BB16W BB21W BG03Z BG10X BN05W BN07Z BN12Z BP01Y GF00 GL00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂からなる基材層の外
    面の一部もしくは全面に非極性樹脂、極性樹脂双方に融
    着可能な表層樹脂Aを被覆し、さらにその外面の高耐候
    性を要求される部分に高耐候性樹脂Bが被覆された外装
    建材。
  2. 【請求項2】 表層樹脂Aの被覆厚みが、高耐候性樹脂
    Bが被覆されている部分では10〜100μm、高耐候
    性樹脂Bが被覆されていない部分では100〜300μ
    mであることを特徴とする請求項1に記載の外装建材。
  3. 【請求項3】 高耐候性樹脂Bの被覆厚みが、100〜
    300μmであることを特徴とする請求項1乃至2に記
    載の外装建材。
  4. 【請求項4】 表層樹脂Aが、ポリオレフィン系樹脂と
    アクリロニトリル−スチレン系共重合体樹脂とのブレン
    ド樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の
    外装建材。
  5. 【請求項5】 表層樹脂Aが、スチレン−エチレン・ジ
    エン−スチレン系共重合体樹脂と高耐候樹脂Bに相溶可
    能な樹脂とのブレンド樹脂であることを特徴とする請求
    項1乃至3に記載の外装建材。
  6. 【請求項6】 高耐候性樹脂Bが、アクリル系樹脂又は
    アクリロニトリル−スチレン系共重合体樹脂であること
    を特徴とする請求項1乃至5に記載の外装建材。
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