JP4537176B2 - 熱可塑性樹脂組成物、及びその押出成形品、押出積層成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、及びその押出成形品、押出積層成形品 Download PDF

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Description

本発明は、耐擦傷性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその押出成形品、又はその熱可塑性組成物を被覆層とする押出積層成形品に関するものである。尚、本発明の配合組成を示す「部」「%」の単位は、特に断らない限り質量基準で表示する。
近年、塩ビ樹脂のダイオキシン問題などでスチレン系耐候性樹脂が塩ビ樹脂代替として使用されるケースが増加している。スチレン系耐候性樹脂は塩ビ樹脂と同等の成形性を持ち、耐候性は塩ビ樹脂に比べ優れており屋外用途に広く使用されている。しかし、塩ビ樹脂に比べ耐擦傷性が劣るという問題がある。
耐擦傷性を改良するために、オレフィン系樹脂層とスチレン系エラストマー層とからなる複合成形体が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2004−148725号公報
本発明は、耐擦傷性に優れた熱可塑性樹脂組成物及びその押出成形品、又はその熱可塑性組成物を被覆層とする押出積層成形品を提供することにある。
本発明はゴム強化芳香族ビニルーシアン化ビニル共重合体に、エラストマー中のブタジエン単量体単位が1質量%未満のスチレン系エラストマーを配合することで、耐擦傷性に優れた熱可塑性樹脂組成物となることを見出したものである。
即ち、本発明は、樹脂成分が、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合体又はアクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体:50〜99質量%と、エラストマー中のブタジエン単量体単位が1質量%未満であるスチレン−ブタジエン共重合体又はその水素添加物:50〜1質量%とからなる熱可塑性樹脂組成物である
方で本発明は、該熱可塑性樹脂組成物からなる押出成形品であり、又該熱可塑性樹脂組成物を被覆層とする押出積層成形品であり、さらに、該押出積層成形品が雨樋である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品は、耐擦傷性に優れた成形品を得ることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ゴム強化芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体50〜99質量%、好ましくは75〜95質量%と、エラストマー中のブタジエン単量体単位が1質量%未満であるスチレン系エラストマー50〜1質量%、好ましくは25〜5質量%からなる該樹脂組成物である。ゴム強化芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体が50質量%未満であると、該樹脂組成物の成形性、耐熱性が悪くなり、一方、99質量%を超えると該樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いた成形品の耐擦傷性が低下する。又、スチレン系エラストマーが1質量%未満であると、該樹脂組成物の耐擦傷性が低下する、一方、50質量%を超えると該樹脂組成物の成形性、耐熱性が悪くなる。
本発明のゴム強化芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体は、ゴム質重合体の存在化に芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物との共重合体の他、必要に応じてこれらと共重合可能なビニル単量体より選ばれる1種以上を共重合して得られる共重合体を挙げることができる。
ゴム強化芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体は、樹脂組成物(I)60〜95質量%、好ましくは65〜90質量%と、変性ポリオレフィン系重合体(II)5〜40質量%、好ましくは10〜35質量%からなる。変性ポリオレフィン系重合体(II)が5質量%未満では前記樹脂組成物の耐衝撃強度が劣ることがあり、又40質量%を超えると該樹脂組成物の耐熱性及び剛性が低下することがあるので好ましくない。
樹脂組成物(I)は、芳香族ビニル単量体単位、シアン化ビニル単量体単位及びエポキシ基を有するビニル単量体単位を重合してなる共重合体(A)からなる組成物である。樹脂組成物(I)として共重合体(A)を単独に使用する場合は、樹脂組成物(I)における共重合体(A)中に共重合したエポキシ基を有するビニル単量体単位の量は、共重合体(A)の100質量部に対して0.1〜l0質量部がよい。エポキシ基を有するビニル単量体単位の量が、0.1質量部未満では、該熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃強度が劣り、一方、10質量部を超えると流動性が極めて低くなり、かつ衝撃強度も落ちることがある。
又、樹脂組成物(I)は、芳香族ビニル単量体単位、シアン化ビニル単量体単位及びエポキシ基を有するビニル単量体単位を重合してなる共重合体(A)と該共重合体(A)と芳香族ビニル単量体単位及びシアン化ビニル単量体単位を重合してなる共重合体(B)との組成物である場合は、エポキシ基を有するビニル単量体単位0.1〜30質量部を含有する共重合体(A)を用いることができるが、共重合体(A)と共重合体(B)の合計量100質量部中にはエポキシ基を有するビニル単量体単位の量は0.1〜l0質量部含有するものが好ましい。エポキシ基を有するビニル単量体単位の量が、該割合の範囲であれば共重合体(A)と共重合体(B)の割合を限定するものではない。エポキシ基を有するビニル単量体単位の量が、0.1質量部未満では、該熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃強度が劣り、10質量部を超えると流動性が極めて低くなり、かつ衝撃強度も落ちることがある。
共重合体(A)及び共重合体(B)に用いられる芳香族ビニル単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、及びt−ブチルスチレン等が挙げられ、スチレン、α−メチルスチレンが特に好ましい。又、シアン化ビニル単量体の具体例としては、アクリロニトリル及びメタアクリロニトリル等が挙げられ、アクリロニトリルが好ましい。更に、エポキシ基を有するビニル単量体の具体例としては、グリシジルメタクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられ、グリシジルメタクリレートが特に好ましい。
共重合体(A)及び共重合体(B)は、必要に応じてその他の共重合可能なメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル等の単量体単位を含んでもかまわない。
共重合体(A)の各単量体単位の割合は、共重合可能な範囲であれば特に限定するものでないが、好ましくは芳香族ビニル単量体単位とシアン化ビニル単量体単位の合計量が99.9〜70質量%、さらに好ましくは99.9〜90質量%であり、エポキシ基を有するビニル単量体単位は、好ましくは0.1〜30質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%がよい。
芳香族ビニル単量体単位とシアン化ビニル単量体単位の100質量%中における、芳香族ビニル単量体単位の割合は、好ましくは50〜90質量%、特に好ましくは65〜85質量%がよい。芳香族ビニル単量体単位の割合がこの範囲以外では、該熱可塑性樹脂組成物の耐薬品性及び流動性が低下することがある。
共重合体(B)の芳香族ビニル単量体単位とシアン化ビニル単量体単位の割合は、特に限定するものでないが、好ましくは両者の合計100質量%中に芳香族ビニル単量体単位の割合が50〜90質量%、更に好ましくは65〜85質量%の範囲が良い。芳香族ビニル単量体単位の割合がこれより少ないと該熱可塑性樹脂組成物の流動性が低く、これより多いと耐薬品性が低下することがある。
本発明の変性ポリオレフィン系重合体(II)とは、オレフィン単量体の重合体又はその共重合体の変性物を指し、用いられるオレフィン単量体の具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、2−ブテン、シクロブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテン、1−ヘキセン、シクロヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。
該変性ポリオレフィン系重合体(II)の好ましい組成範囲を例示するならば、エチレン20〜90モル%、α−オレフィン単量体単位10〜80モル%及びその他の単量体単位0〜10モル%であり、好ましくはエチレン単量体含有率が50〜85モル%であり、特に好ましくは50〜80モル%である。又、これら変性ポリオレフィン系重合体(II)のガラス転移温度は、温度が−10℃以下、特に好ましくは−30℃以下である。
ポリオレフィン系重合体又は共重合体を変性する不飽和ジカルボン酸無水物単量体の具体例としては、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水1,2−ジメチルマレイン酸、無水エチルマレイン酸、無水フェニルマレイン酸等が挙げられ、無水マレイン酸が特に好ましい。又不飽和カルボン酸単量体の具体的な例としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。
本発明における変性ポリオレフィン系重合体(II)は、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位及び/又は不飽和カルボン酸単量体単位0.1〜10質量%で変性されたものであり、変性した量が0.1質量%未満では、該熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃強度が劣り、10質量%を超えると該組成物の耐衝撃強度が劣りかつ、流動性が低くなることがある。
本発明でいう変性とは、ポリオレフィン系重合体の主鎖あるいは側鎖の変性に用いられた単量体単位、例えば無水マレイン酸単量体単位が存在することを示すものであり、ランダム共重合、グフフト重合等の公知技術で変性を行うことができる。変性方法は特に制限はなく、例えば、特公昭39−6810号公報、同52−43677号公報、同53−5716号公報、同56−9925号公報及び同58−445号公報に開示された方法に従って変性を行うことができる。
又、変性は、主鎖への導入よりもグラフト体として変性をしてあるものの方が、前記熱可塑性樹脂組成物の低温衝撃値等の点で好ましく、又、未反応の単量体残量は0.5質量%以下が物性面で好ましい。
変性ポリオレフィン系重合体(II)の重量平均分子量は、特に制限がないが、耐衝撃性や成形性のバランスから5万〜50万、特に好ましくは10万〜30万のものが好ましい。これらの変性ポリオレフィン系重合体(II)としては、例えば、三井化学株式会社製の商品名「タフマーMP−0620」等が挙げられる。
ゴム強化芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体としては、例えば、AES樹脂(アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、ACS樹脂(アクリロニトリル−塩素化ポリエチレンースチレン共重合体)又はABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等が挙げられるが、ACS樹脂は焼却時のダイオキシン発生の懸念がある。屋外用途においては、耐候性に優れたAES樹脂又はAAS樹脂が好ましい。
従来、AES樹脂のゴム成分は第3成分として少量のエチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等のジエン系モノマーが導入されたエチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)が一般的であり、又従来AAS樹脂のゴム成分はアクリル酸エステル(エチルアクリレート、nブチルアクリレート)を主成分にその他のモノマー(アクリロニトリル、スチレン、メチルメチクリレート等)及び必須成分として架橋点となる活性基を有する成分(ブタジエン、クロロエチルビニルエーテル、クロル酢酸ビニル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、エチリデンノルボルネン等)との共重合体であるアクリルゴムが一般的であり、従来AES樹脂又はAAS樹脂は一般的に二重結合成分を含むゴム成分が使用されている。
ゴム強化芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体のAES樹脂又はAAS樹脂の製造法は特に制限はなく、従来公知の溶液又は乳化重合法等により製造されたものでもかまわない。より好ましくは、乳化剤等の不純物が少なく又二重結合成分を含まないゴム成分からなるAES樹脂であり、特開平5−43758号公報、特開平6−9840号公報に示される芳香族ビニル単量体単位、シアン化ビニル単量体単位及びエポキシ基を有するビニル単量体単位を必須の単量体単位とする共重合体と変性ポリオレフィン系重合体とを溶融混合して得られる樹脂組成物を必須成分とするAES樹脂である。
本発明のスチレン系エラストマーは、芳香族ビニル炭化水素の重合体ブロックとエラストマー性の重合体ブロックとからなり、その芳香族ビニル炭化水素の重合体ブロックがハードセグメントを、エラストマー性の重合体ブロックがソフトセグメントをそれぞれ構成している。代表的には、芳香族ビニル炭化水素重合体ブロック−エラストマー性重合体ブロック、又は、芳香族ビニル炭化水素重合体ブロック−エラストマー性重合体ブロック−芳香族ビニル炭化水素重合体ブロックで表される共重合構造を有し、エラストマー性重合体ブロックの二重結合が部分的に或いは完全に水素添加されていてもよいブロック共重合体であって、一般にスチレン系エラストマーとして知られているものである。
前記芳香族ビニル炭化水素としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−、m−、及びp−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられ、中でも、スチレンが好ましく、又、エラストマー性重合体ブロックとしては、エラストマー性が発現されれば共役ジエン系でも共役ジエン系以外でもよいが、一般に共役ジエン系が好ましい。この場合の共役ジエンとしては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン−エチレン・ブチレン共重合体−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体−スチレン(SEPS)あるいはスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)のようなA−B−A型ブロック共重合体や及びこれらA−B−A型ブロック共重合体の水素添加物、スチレン−エチレン・ブチレン共重合体やスチレン−エチレン・プロピレン共重合体あるいはスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体のようなA−B型ブロック共重合体やこれらA−B型ブロック共重合体の水素添加物などを挙げることができる。好ましくは、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物がよい。より好ましくは、耐候性がより優れているスチレン−ブタジエン共重合体の完全水素添加物がよい。これらのスチレン系エラストマーを1種若しくは2種以上を適宜混合して用いることができる。
スチレン系エラストマー中のブタジエン単量体単位が1質量%未満は、0を含むものである。好ましくは0.5質量%未満である。該エラストマー中のブタジエン単量体単位が1質量%を超えると、熱可塑性樹脂組成物の耐候性の低下や成形時の目ヤニの原因になりロングラン製造ができなくなる。該ブタジエン単量体単位は、ハロゲン化付加法により測定することができる。
熱可塑性樹脂組成物は、用途に応じて他の添加剤あるいは改質剤を加えて組成物とすることが可能であり、具体的には、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、摺動剤またはガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等の補強繊維、タルク、シリカ、クレー、マイカ、炭酸カルシウム等の充填剤等が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物を得るための混合は、通常の溶融混練装置を用いて行うことができる。好適に使用できる溶融混練装置としては、スクリュー押出機、バンバリーミキサー、コニーダー、混合ロール等がある。又、熱可塑性樹脂組成物の成形品を得ようとする場合、成形する方法に特に制限はなく、射出成形機、単軸または二軸押出し成形機、プレス成形機による成形が一般的である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を被覆層とする積層成形品を得ようとする場合、芯層材は特に制限はないが、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。屋外で使用される場合は、塩化ビニル系樹脂、AES樹脂及びAAS樹脂等のスチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が好ましく、経済的に塩化ビニル系樹脂がよい。
芯層材となる樹脂に、被覆層として本発明の熱可塑性樹脂組成物を被覆してなる積層成形品を成形する方法は、芯層材を二軸押出機で押出し、被覆材を単軸押出機にて押出しダイ内先端部にて被覆する方法が一般的である。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明する。又、これらはいずれも例示的なものであって、本発明を限定するものではない。
Figure 0004537176
表1における「Rockwell硬度」は、ISO2039準拠する方法で、上島製作所製3Rを用いてRスケールにより測定した。
表1における「シャルピー衝撃強度」は、ISO179−2に準拠する方法で、23℃で測定した。
表1におけるメルトフローレート「MFR」は、熱可塑性樹脂組成物を射出成型したものについてJIS K 6874に準拠する方法で、温度220℃、荷重10kgで測定した。
表1における「シフター試験」は、熱可塑性樹脂組成物を被覆層とする押出積層成形品に強制的に振動を加えて、該成形品表面の傷の程度を評価した試験である。容器(長さ300mm、底面幅240mm、上部幅310mm、高さ300mmの上部開口の容器で、中央部に平板を置き仕切りとした)に長さ298mmの該成形品を複数本入れ、該容器をシフター(寸法600×1300mm、振幅幅25mm、振幅速度260回/分)の上に設置して30分間の振動を与え該成形品同士が振動で接触した後、目視判断で該成形品表面の傷の程度を確認し、以下の基準で評価した。
× 一目で傷が確認でき、製品として不合格である。
△ 至近距離で確認した時、目立つ細かい傷が存在して、製品として不合格である。
○ 至近距離で確認した時、細かい傷は存在するが目立たなく、製品として合格である。
◎ ほぼ傷がなく、製品として合格である。
表1における「輸送試験」は、長さ2700mmの押出積層成形品30本を1梱包単位として、トラックによる輸送試験(千葉県市原市から熊本県玉名市まで)を行った後、目視判断で押出積層成形品表面の傷の程度を確認し、以下の基準で評価した。なお、梱包方法は中央部を長さ2400mmの梱包紙で包みPP製バンドを3箇所かけ、両端を段ボール箱で覆い、段ボール箱の上からPP製バンドを各1箇所かけた。
× 一目で傷が確認でき、製品として不合格である。
△ 至近距離で確認した時、目立つ細かい傷が存在して、製品として不合格である。
◎ ほぼ傷がなく、製品として合格である。
(実施例1)
AES樹脂(電気化学工業株式会社製、WP−1010E:樹脂組成物(I)88質量%/変性ポリオレフィン系重合体(II)12質量%)90質量%、ブタジエン単量体単位0.5質量%のSBRの水素添加物(旭化成ケミカルズ株式会社製、S.O.E−SS L601)10質量%を混合した熱可塑性樹脂組成物、硬質塩ビ樹脂配合物(電気化学工業株式会社製、重合度1100、鉛系安定剤配合)、芯層として硬質塩ビ樹脂配合物を65mmφ異方向二軸押出機で、被覆層として熱可塑性樹脂組成物を50mmφ単軸押出機にて、金型温度170℃の金型から押出し量100kg/時間で共押出を行い、図1に示す直径約60mmの押出積層成形品を作成した。芯層は厚み約0.9mm、被服層は厚み約0.2mmである。
本実施例1においては、全ての特性値が良好と評価され、目的とする耐擦傷性に優れた押出積層成形品が得られた。なお、以下に説明する比較例は、特に記載しない限り本実施例と同様のものである。
(実施例2)
実施例1の熱可塑性樹脂組成物におけるAES樹脂の配合割合を60質量%、SBRの水素添加物の配合割合を40質量%とした以外は、実施例1と同様にして押出積層成形品を得た。全ての特性値が良好と評価され、目的とする耐擦傷性に優れた押出積層成形品が得られた。
(実施例3)
実施例1の熱可塑性樹脂組成物におけるAES樹脂を、AAS樹脂(日立化成工業株式会社製、バイタックスV5000A)とした以外は、実施例1と同様にして押出積層成形品を得た。全ての特性値が良好と評価され、目的とする耐擦傷性に優れた押出積層成形品が得られた。
(比較例1)
実施例1の熱可塑性樹脂組成物におけるAES樹脂の配合割合を100質量%とした以外は、実施例1と同様にして押出積層成形品を得た。シフター試験、輸送試験とも不合格であった。
(比較例2)
実施例1の熱可塑性樹脂組成物におけるブタジエン単量体単位を16質量%とした以外は、実施例1と同様にして押出積層成形品を得た。シフター試験が不合格であった。
(比較例3)
実施例1の熱可塑性樹脂組成物におけるAES樹脂の配合割合を40質量%、SBRの水素添加物の配合割合を60質量%とした以外は、実施例1と同様にして押出積層成形品を得た。シフター試験が不合格であった。
(比較例4)
実施例1の熱可塑性樹脂組成物におけるAES樹脂の配合割合を99.5質量%、SBRの水素添加物の配合割合を0.5質量%とした以外は、実施例1と同様にして押出積層成形品を得た。シフター試験、輸送試験とも不合格であった。
実施例1における押出積層成形品の断面図である。
符号の説明
1 芯層
2 被覆層

Claims (5)

  1. 樹脂成分が、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合体又はアクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体:50〜99質量%と、エラストマー中のブタジエン単量体単位が1質量%未満であるスチレン−ブタジエン共重合体又はその水素添加物:50〜1質量%とからなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる押出成形品。
  3. 雨樋であることを特徴とする請求項2に記載の押出成形品。
  4. 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物を被覆層とする押出積層成形品。
  5. 雨樋であることを特徴とする請求項4に記載の押出積層成形品。
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