JP3176483B2 - 多層雨樋 - Google Patents

多層雨樋

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JP3176483B2 JP16894493A JP16894493A JP3176483B2 JP 3176483 B2 JP3176483 B2 JP 3176483B2 JP 16894493 A JP16894493 A JP 16894493A JP 16894493 A JP16894493 A JP 16894493A JP 3176483 B2 JP3176483 B2 JP 3176483B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱伸縮による変形が少
なく、且つ耐候性等に優れた表面樹脂層が設けられた、
耐久性に優れた多層雨樋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、雨樋はポリ塩化ビニル製のものが
一般に使用されていたが、ポリ塩化ビニル樹脂は耐候性
に劣るので、耐候性を向上させる技術として、例えば、
ポリ塩化ビニル製の管状芯体の外周面に、アクリル樹脂
にポリスチレンやポリアクリロニトリル─スチレンを含
有させて形成した樹脂膜を被覆した雨樋が提案されてき
た(特開昭56─146554号公報)。
【0003】しかし、この雨樋は、ポリ塩化ビニルの線
膨張係数が大きいため、熱伸縮が大きく、四季の気温の
変化や昼夜の温度差により、建物に継手と共に取付けら
れると、熱伸縮により継手から抜けたり、曲げられて変
形し破損したりすることがあった。又、ポリ塩化ビニル
は、難燃性の樹脂であり、廃棄物処理に問題があること
に加え、熱安定性に乏しくリサイクル利用できないとい
う問題点を有していた。
【0004】この問題点に鑑み、雨樋の原料として線膨
張率の小さいポリプロピレンを使用し、ポリプロピレン
中に紫外線吸収剤等の耐候性向上剤や酸化防止剤等を添
加しておく方法が考えられるが、屋外で長期間使用でき
るほどの耐候性の改善がなされていなかった。
【0005】そこで、ポリプロピレンからなる芯層に耐
候性の優れた樹脂層を被覆する方法として、例えば、 1)ポリオレフィン系合成樹脂層とアクリル系樹脂層か
らなる多層複合成形する際に、両層を接着する中間層ポ
リマーとして、モノビニール置換芳香族化合物と共役ジ
エンとからなるブロック共重合体を用いる方法(特開昭
54─131682号公報) 2)エチレン─酢酸ビニル共重合体/塩化ビニル共重合
体(以下、EVA/VCグラフト共重合体という)を含
有させたアクリル樹脂のフィルムとポリオレフィンを積
層接着する方法(特公昭49─35341号公報)が提
案されてきた。
【0006】しかしながら、1)の方法では、中間層ポ
リマーとしてのモノビニール置換芳香族化合物と共役ジ
エンとからなるブロック共重合体の、ポリオレフィン系
合成樹脂層とアクリル系樹脂層に対する接着性が充分で
ないために、ポリオレフィン系合成樹脂層とアクリル系
樹脂層間が剥離し易いという問題点があった。又、2)
の方法では、EVA/VCグラフト共重合体の耐熱性が
劣るために、成形時における熱安定性が悪く、又、得ら
れた積層品を長期間屋外で使用したとき変色したり、物
性が低下し易いという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決し、芯層を熱伸縮による変形が少ないポリオレフ
ィンから形成し、その両面にポリオレフィンの短所であ
る耐候性等を改善した表面樹脂層を設け、両層間を、両
層に対して接着力に優れた接着層を介して接着すること
により、耐久性を改善した多層雨樋を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の多層雨樋は芯層
の少なくとも片面に、エチレン−(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体層が積層されてなる。
【0009】本発明において、芯層はポリオレフィン系
樹脂からなる。ポリオレフィンとしては、α─オレフィ
ンの単独重合体及び共重合体、α─オレフィンとジオレ
フィンとの共重合体、α─オレフィンと不飽和カルボン
酸エステルとの共重合体等が使用される。
【0010】α─オレフィンの単独重合体及び共重合体
としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、プ
リブテン、ポリヘキセン、ポリオクテン、ポリデセン、
エチレン─プロピレン共重合体、エチレン─ブテン─1
共重合体、エチレン─4─メチルペンテン─1共重合体
等が挙げられる。
【0011】α─オレフィンとジエチレンとの共重合体
としては、例えば、エチレン─ブタジエン共重合体、プ
ロピレン─ブタジエン共重合体等が挙げられる。α─オ
レフィンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体とし
ては、エチレン─酢酸ビニル共重合体、プロピレン─酢
酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらのポリオレフ
ィンは、単独で使用されてもよいし、2種以上併用され
てもよい。
【0012】本発明において使用されるエチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体とはエチレン成分と、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸n─ブチル、(メタ)アクリル
酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル成分との共
重合体であって、重量平均分子量が100,000〜6
00,000のものが押出成形性がよいので好ましい。
上記エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体中
の(メタ)アクリル酸エステルの量は少なくなると表面
硬度が低下し、多くなると芯層のポリオレフィン樹脂と
の接着性が低下するので5〜50重量%が好ましい。
【0013】上記芯層及びエチレン−(メタ)アクリル
酸エステル共重合体層には必要に応じて、高強度付与
材、低線膨張付与材、難燃剤、紫外線吸収剤等を含有さ
れていてもよい。高強度付与材、低線膨張付与材として
は、例えば、マイカ、タルク、ガラス繊維、金属繊維な
どがあげられる。難燃剤としては、例えば、ハロゲン
系、ノンハロゲン系、無機系の難燃剤があげられる。紫
外線吸収剤としては、例えば、ヒンダーアミン系の紫外
線吸収剤などがあげられる。
【0014】本発明2の多層雨樋は、上記エチレン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体に代えてアクリロ
ニトリル−オレフィン−スチレンブロック共重合体また
はアクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エステル−ス
チレンブロック共重合体が使用される以外は本発明と同
様である。
【0015】上記アクリロニトリル−オレフィン−スチ
レンブロック共重合体とは、アクリロニトリル成分と、
上記α─オレフィン、ジオレフィン及び必要に応じて前
記不飽和カルボン酸エステルからなるオレフィン成分
と、スチレン成分とのブロック共重合体であって、重量
平均分子量が100,000〜600,000のものが
押出成形性がよいので好ましい。上記オレフィン成分は
必要に応じて塩素化されていてもよいし、官能基がグラ
フトされていてもよい。
【0016】上記アクリロニトリル−オレフィン−スチ
レンブロック共重合体中のアクリロニトリル、オレフィ
ン、スチレンの量はそれぞれ5〜40重量%、20〜3
0重量%、40〜70重量%であることが好ましい。
【0017】上記アクリロニトリル−(メタ)アクリル
酸エステル−スチレンブロック共重合体とはアクリロニ
トリル成分と、上記(メタ)アクリル酸エステル成分
と、スチレン成分とのブロック共重合体であって重量平
均分子量が100,000〜600,000のものが押
出成形性がよいので好ましい。
【0018】上記アクリロニトリル−(メタ)アクリル
酸エステル−スチレンブロック共重合体中のアクリロニ
トリル、(メタ)アクリル酸エステル、スチレンの量は
それぞれ5〜40重量%、20〜30重量%、40〜7
0重量%であることが好ましい。
【0019】上記アクリロニトリル−オレフィン−スチ
レンブロック共重合体又はアクリロニトリル−(メタ)
アクリル酸エステル−スチレンブロック共重合体からな
る層には必要に応じて上記高強度付与材、低線膨張付与
材、難燃剤、紫外線吸収剤等を含有されていてもよい。
【0020】本発明3の多層雨樋は、芯層の少なくとも
片面に接着層を介してアクリロニトリル−オレフィン−
スチレンブロック共重合体またはアクリロニトリル−
(メタ)アクリル酸エステル−スチレンブロック共重合
体からなる層が積層された以外は本発明2と同様であ
る。
【0021】本発明3において接着層は、熱可塑性を示
し常温でゴム弾性を示す樹脂成分からなる。
【0022】上記熱可塑性を示し常温でゴム弾性を示す
樹脂成分としては、例えば、イソプレンゴム、ブタジエ
ンゴム、ブチルゴム等の一般ゴム、エチレン─プロピレ
ンゴム、エチレン─プロピレン─ジエンゴム、クロロプ
レン化ポリエチレン、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー、スチレン─ブタジエン─スチレン共重合体エラスト
マー、スチレン─イソプレン─スチレン共重合体エラス
トマー、スチレン─エチレン/ブタジエン─スチレン共
重合体エラストマー、スチレン─エチレン/プロピレン
─スチレン共重合エラストマー、スチレン─エチレン/
イソプレン─スチレン共重合エラストマー、スチレン─
エチレン/ブタジエン─スチレン共重合エラストマー等
のスチレン系の共重合体エラストマー、(メタ)アクリ
ル酸─クロロビニルエーテル共重合体エラストマー、
(メタ)アクリル酸─アクリロニトリル共重合体エラス
トマー、エチレン─メチル(メタ)アクリレート共重合
体エラストマー等のアクリル系の共重合体エラストマ
ー、ウレタンエラストマー、ポリエステル系エラストマ
ー、ポリアミド系エラストマー等が挙げられ、熱溶融に
よりシート成形が可能であって、弾性率10-1〜102
kg/cm2 を有するものが好適に使用される。
【0023】本発明4の多層雨樋は上記芯層の少なくと
も片面に、接着層を介して、アクリル系樹脂層が設けら
れ、上記接着層が、熱可塑性を示し常温でゴム弾性を示
す樹脂と、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン、エポ
キシ変性ポリオレフィン、シラノール変性ポリオレフィ
ンよりなる群より選ばれる樹脂成分からこと以外は本発
明と同様である。
【0024】本発明4において使用されるアクリル系樹
脂は、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート単独重
合体、及びポリメチル(メタ)アクリレートを主成分と
し、アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n─ブチ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の共重合可能な他単
量体を若干含む共重合体であって、重量平均分子量が1
00,000〜600,000のものが押出成形性がよ
いので好ましい。
【0025】上記芯層及びアクリル系樹脂からなる層に
は必要に応じて、上記高強度付与材、低線膨張付与材、
難燃剤、紫外線吸収剤等を含有されていてもよい。
【0026】本発明4において、接着層は、熱可塑性を
示し常温でゴム弾性を示す樹脂と、不飽和カルボン酸変
性ポリオレフィン、エポキシ変性ポリオレフィン、シラ
ノール変性ポリオレフィンよりなる群より選ばれる1種
以上の樹脂からなる。
【0027】上記熱可塑性を示し常温でゴム弾性を示す
樹脂成分としては、本発明3と同様のものが使用され
る。
【0028】本発明4において使用される不飽和カルボ
ン酸変性ポリオレフィンとは、不飽和カルボン酸又はそ
の誘導体がポリオレフィンに付加されたものである。不
飽和カルボン酸としては例えば、(メタ)アクリル酸、
マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタ
コン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、
ナジック酸(登録商標)などがあげられる。不飽和カル
ボン酸の誘導体としては、塩化マレニル等の酸ハライ
ド、マレイミド等の酸イミド、、無水マレイン酸、無水
シトラコン酸等の酸無水物、マレイン酸モノメチル、マ
レイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等のエステル
などがあげられる。
【0029】その付加方法としては、公知の種々の方法
があり、例えば、ポリオレフィンに、無水マレイン酸等
を触媒の存在下或いは不存在下でラジカル開始剤を添加
し加熱処理する方法や、ポリオレフィンに、不飽和カル
ボン酸又はその誘導体を、過酸化物(ラジカル発生剤)
と共に混練反応させる方法等があげられる。
【0030】本発明4に使用されるエポキシ変性ポリオ
レフィンとは、エポキシ基がポリオレフィンに付加され
たものであり、例えば、ビスフェノールとエピクロルヒ
ドリンによるジエポキシサイド等をポリオレフィンに付
加したもの等が挙げられる。エポキシ変性ポリプロピレ
ンとしては、例えば日本油脂社製、商品名;ブレンマな
どがあげられる。その付加方法としては、公知の種々の
方法を採用することができる。
【0031】本発明4に使用されるシラノール変性ポリ
オレフィンとしては、例えば、ビニルメトキシシラン、
ビニルエトキシシラン等の反応性(重合性)シランをポ
リオレフィンに付加させるか、反応性低分子オレフィン
と反応性(重合性)シランとの共重合により得られたも
の等が挙げられる。
【0032】これらの付加成分を付加するポリオレフィ
ンは、芯層を形成するポリオレフィンと同種の樹脂(例
えば、ポリプロピレンの場合ポリプロピレン)が接着性
が良好なため好ましく、その分子量(重量平均分子量)
は大きくなると熱可塑性を示し常温でゴム弾性を示す樹
脂成分との分散相溶性が低下するため約500,000
以下が好ましい。付加成分のポリオレフィンへの付加状
態としては、1分子毎の付加が少量の添加で接着性向上
が好ましいが、ブロック状、ランダム状に付加されても
よい。付加成分のポリオレフィンへの付加量は、少なく
なると芯層及び表面樹脂層との接着性が低下するため、
ポリオレフィンに対して、0.3重量%以上が好まし
い。
【0033】本発明5の多層雨樋は、接着層が、不飽和
カルボン酸変性、エポキシ変性若しくはシラノール変性
された、熱可塑性を示し常温で不飽和カルボン酸変性、
エポキシ変性若しくはシラノール変性された、熱可塑性
を示し常温でゴム弾性を示す樹脂成分からなること以外
は本発明4の多層雨樋と同様である。
【0034】本発明5において、熱可塑性を示し常温で
ゴム弾性を示す樹脂成分に、直接不飽和カルボン酸変
性、エポキシ変性、シラノール変性を行う方法として
は、上記のポリオレフィンに対する変性を、直接熱可塑
性を示し常温でゴム弾性を示す樹脂成分に対して行う。
【0035】以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1は本発明1の多層雨樋の一例を示す断面図である。
図1において、1は前高角軒樋型の多層雨樋であって、
底壁部1Aの両縁部より上方に前壁部1Bと後壁部1C
が立設され、前壁部1Bと後壁部1Cの上部には長手方
向に沿って耳部1Dが設けられている。
【0036】底壁部1A、前壁部1B、後壁部1Cは、
芯層11の両面に、エチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体からなる層13が積層され、両耳部1Dは
断面略ロ字状の芯層11′の外周面に、エチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体からなる層13が積層
された構成とされている。本発明2〜5の多層雨樋の構
成も概略同様である。
【0037】図2は本発明3の多層雨樋の要部を拡大し
て示す断面図である。芯層11の両面に、接着層12を
介して、アクリロニトリル−オレフィン−スチレンブロ
ック共重合体またはアクリロニトリルブロック−(メ
タ)アクリル酸エステル−スチレン−共重合体からなる
層131が積層されている。
【0038】
【作用】本発明及び本発明2の多層雨樋は、芯層が線膨
張率の小さいポリオレフィン系樹脂からなるので、熱伸
縮による変形が少なくて、建物に継手と共に取付けられ
たとき、熱伸縮により継手から抜けたり、曲げられて変
形し破損したりすることがなく、耐候性等に優れた樹脂
層が積層されているので、芯層を形成するポリオレフィ
ンの短所である耐候性等が改善されており、且つ、上記
樹脂層が芯層に対して接着性の優れているので、熱伸縮
による層剥離を起こすことがなく、長期間屋外にて使用
できるだけの耐久性を備えている。本発明3の多層雨樋
は、さらに接着層が設けられ、接着層が熱可塑性を示し
常温でゴム弾性を示す樹脂成分からなるので、芯層とア
クリロニトリル−オレフィン−スチレンブロック共重合
体またはアクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エステ
ル−スチレンブロック共重合体からなる層間が、両層に
対して接着性の優れた接着層により接着されていて、熱
伸縮による層剥離を起こすことがなく、長期間屋外にて
使用できるだけの耐久性を備えている。本発明4の多層
雨樋は、ポリオレフィン系樹脂からなる芯層の少なくと
も片面に、接着層を介して、アクリル系樹脂からなる層
が設けられた多層雨樋であって、接着層が、熱可塑性を
示し常温でゴム弾性を示す樹脂と、不飽和カルボン酸変
性ポリオレフィン、エポキシ変性ポリオレフィン、シラ
ノール変性ポリオレフィンよりなる群より選ばれる樹脂
成分からなるので、両層間が、両層に対して接着性の優
れた接着層により接着されていて、熱伸縮による層剥離
を起こすことがなく、長期間屋外にて使用できるだけの
耐久性を備えている。本発明5の多層雨樋は、本発明4
の多層雨樋の接着層にさらに不飽和カルボン酸変性ポリ
オレフィン、エポキシ変性ポリオレフィン、シラノール
変性ポリオレフィンよりなる群より選ばれる1種以上の
樹脂が添加され線膨張率の小さいポリオレフィンからな
るので、接着性に優れ、熱伸縮による層剥離を起こすこ
とがなく、長期間屋外にて使用できるだけの耐久性を備
えている。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例1 芯層形成用の樹脂として、ポリプロピレン〔三菱油化
製、商品名;EC−8、MFR(230℃)=4〕70
重量%、ガラス繊維(日本電気硝子社製、Eガラス、繊
維径9μm、繊維長6mm)30重量%をドライブレン
ドして使用した。
【0040】エチレン─メチルメタクリレート共重合体
として、住友化学社製、商品名;アクリフト(アクリル
含有量20%)を使用した。
【0041】同方向2軸押出機を用いて芯層形成用樹脂
を、単軸押出機を用いてエチレン─メチルメタクリレー
ト共重合体をそれぞれ押出機内で混練溶融させて押出成
形し、多層金型内にて、1.2mmの芯層の両面に、
0.2mmのエチレン─メチルメタクリレート共重合体
層を積層し、図1に示した1.6mmの厚みの多層雨樋
を得た。又、押出成形時における樹脂の熱安定性を評価
した。
【0042】得られた多層雨樋から試験片を切り出し
て、以下の試験を行い、結果を表1に示した。 耐熱性 ASTM D−684に準じ、荷重18.6kgで熱変
形温度(HDT)を測定した。 耐候性 サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機(JIS
B 7753相当)に2000時間かけた後JIS
A 1408に準じて曲げ強度の測定を行い、試験前か
らの曲げ強度の低下率を求めた。さらに色差計(スガ試
験社製)により色差変化(ΔY)を求めた。 接着強度 図3に示した試験片を作成し、JIS K 6854に
準じて、引張速度:5mm/分、試験温度:23℃の条
件にて180°剥離試験による接着強度の評価を行っ
た。尚、上記熱安定性については、成形時に樹脂が分解
しないものには○、分解したものには×を記した。
【0043】実施例2 芯層形成用の樹脂として、繊維強化ポリプロピレン(チ
ッソ社製、商品名;R800C)を使用し、エチレン−
アクリル酸エステル共重合体として住友化学社製、商品
名;アクリフト(アクリル含有量25%)を使用した以
外は実施例1と同様の多層雨樋を得、実施例1と同様の
評価に供した。
【0044】実施例3 芯層形成用の樹脂として、マイカ30%含有ポリプロピ
レン(クラレ社製、商品名;MRP)繊維強化ポリプロ
ピレン(チッソ社製、商品名;R800C)、アクリロ
ニトリル−オレフィン−スチレンブロック共重合体とし
てアクリロニトリル−エチレン−スチレンブロック共重
合体(住友化学社製、商品名UB−500)を使用した
以外は実施例1と同様の多層雨樋を得、実施例1と同様
の評価に供した。
【0045】実施例4 単軸押出機3台を用いて、芯層形成用の樹脂として、マ
イカ30%含有ポリプロピレン(クラレ社製、商品名;
MRP)、接着層形成用の樹脂としてスチレン─エチレ
ン/ブタジエン─スチレン共重合エラストマー(住友化
学社製、商品名;H1041、エチレン/ブタジエン含
有量70重量%)、及びアクリロニトリル−エチレン−
スチレンブロック共重合体(住友化学社製、商品名UB
−500)をそれぞれ押出機内で混練溶融させて押し出
し、多層金型内にて、芯層の両面に、接着層を介して、
表面樹脂層を積層し、芯層/接芯層の両面に、接着層を
介して、アクリロニトリル−エチレン−スチレンブロッ
ク共重合体からなる層を積層し、それぞれの厚みが1.
3mm/90μm/120μmの多層雨樋を得、実施例
1と同様の評価に供した。
【0046】実施例5 芯層形成用の樹脂として、ガラス繊維30%含有ポリプ
ロピレン(三井石油化学社製、商品名;FRPP 23
0−M4)、接着層形成用の樹脂としてスチレン─エチ
レン/イソプレン─スチレン共重合エラストマー(クラ
レ社製、商品名;セプトン2043、エチレン/イソプ
レン含有量87重量%)を使用した以外は実施例4と同
様にして多層雨樋を得、実施例1と同様の評価に供し
た。
【0047】実施例6 ポリプロピレン(三菱油化社製、商品名;EC−8)7
0重量%、ガラス繊維(日本電気硝子社製、チョップド
ストランド;商品名T−340,繊維径11μm、繊維
長3mm)30重量%をドライブレンドして同方向2軸
押出機に供給し芯層形成用の樹脂を得た。得られた芯層
形成用と、接着層形成用の樹脂として、オレフィン系熱
可塑性エラストマー(三井石油化学社製、商品名;ミラ
ストマー7030B)100重量部、マレイン酸無水物
1重量部、ラジカル開始剤(日本油脂社製、商品名;パ
ークミルH、クメンパーオキサイド)0.04重量部を
ホッパーに投入し、押出機中で混練溶融させ押し出して
冷却後ペレット化したもの(表1中、マレイン酸変性エ
ラストマーと略記)を使用し、アクリロニトリル−アク
リル酸エステル−スチレンブロック共重合体として三菱
レーヨン社製、商品名:E−300を使用したこと以外
は実施例4と同様にして多層雨樋を得た。接着層形成用
の樹脂としてスチレン─エチレン/イソプレン─スチレ
ン共重合エラストマー(クラレ社製、商品名;セプトン
2043、エチレン/イソプレン含有量87重量%)を
使用したこと以外は実施例4と同様に押し出して多層雨
樋を得、実施例1と同様の評価に供した。
【0048】実施例7 芯層形成用の樹脂として、ポリプロピレン〔三菱油化
製、商品名;EC−8、MFR(230℃)=4〕を使
用した。
【0049】接着層形成用の樹脂として、エチレン─メ
チルメタクリレート共重合体(住友化学社製、商品名;
アクリフト、アクリル含有量15%)100重量部と、
エポキシ変性ポリプロピレン(日本油脂社製、商品名:
ブレンマー、重量平均分子量9000、エポキシ等量5
29)0.4重量部の混合物を使用した。アクリル系樹
脂として、住化ハース社製、商品名;HFI−10、M
FR(230℃)=1.5を使用した。
【0050】同方向2軸押出機3台を用いて、それぞ
れ、芯層形成用樹脂、接着層形成用樹脂、アクリル系樹
脂の樹脂を押出機内で混練溶融させて押し出し、多層金
型内にて、芯層の両面に、接着層を介して、アクリル系
樹脂層表面樹脂層を積層し、それぞれのの厚みが1.3
mm/50μm/100μmの多層雨樋を得、実施例1
と同様の評価に供した。
【0051】実施例8 接着層形成用の樹脂として、スチレン─エチレン/ブタ
ジエン─スチレンブロック共重合体(旭化成社製、商品
名;H1041、エチレン/ブタジエン含有量70重量
%)100重量部、マレイン酸無水物1重量部、ラジカ
ル開始剤(日本油脂社製、商品名;パークミルH、クメ
ンパーオキサイド)0.04重量部をホッパーに投入
し、押出機中で混練溶融させ押し出して冷却後ペレット
化したものを使用したこと以外は実施例7と同様にし
て、実施例7と同様の寸法の多層雨樋を得、実施例1と
同様の評価に供した。
【0052】実施例9 接着層形成用の樹脂として、スチレン─エチレン/イソ
プレン─スチレンブロック共重合体(旭化成社製、商品
名;H1041、エチレン/イソプレン含有量70重量
%)100重量部、マレイン酸無水物1重量部、ラジカ
ル開始剤(日本油脂社製、商品名;パークミルH、クメ
ンパーオキサイド)0.04重量部をホッパーに投入
し、押出機中で混練溶融させ押し出して冷却後ペレット
化したものを使用したこと以外は実施例7と同様にし
て、実施例7と同様の寸法の多層雨樋を得、実施例1と
同様の評価に供した。
【0053】実施例10 接着層形成用の樹脂として、エチレン─プロピレン─ジ
エン共重合体(日本合成ゴム社製、商品名;JSP E
P)に、シラノール変性ポリプロピレンを、重量比で
4:1の割合で配合したものを使用したこと以外は実施
例7と同様にして、実施例7と同様の寸法の多層雨樋を
得た。
【0054】尚、シラノール変性ポリプロピレンとして
は、ポリプロピレン〔徳山ソーダ社製、商品名:RB6
10、MFR(230℃)=0.5〕100重量部、反
応性(重合性)シラン(信越シリコーン社製、ビニルメ
トキシシラン)5重量部及びラジカル開始剤(日本油脂
社製、商品名:パークミルH、クメンパーオキサイド)
0.04重量部をホッパーに投入し、押出機中で混練溶
融させ押し出して冷却後ペレット化したものを使用し
た。
【0055】比較例1 同方向2軸押出機を用いて塩化ビニル樹脂(徳山積水社
製、商品名;TS−800)を押出し、実施例1と同形
状の単層雨樋を得、実施例1と同様の評価に供した。
【0056】比較例2 実施例1で使用した芯層形成用樹脂を用いて、比較例1
と同様にして実施例1と同様の形状の単層雨樋を得、実
施例1と同様の評価に供した。
【0057】比較例3 比較例2で使用した芯層形成用樹脂100重量部にさら
に紫外線吸収剤としてヒンダードアミン系紫外線安定剤
0.5重量部を添加した以外は比較例2と同様して実施
例1と同様の形状の単層雨樋を得、実施例1と同様の評
価に供した。
【0058】比較例4 実施例1と同様にして、比較例1で使用した塩化ビニル
樹脂からなる芯層の両面にアクリル樹脂〔住化ハース社
製、商品名;HFI−10、MFR(230℃)=1.
5、ポリメチルメタクリレート〕からなる、実施例1と
同形状の多層雨樋を得、実施例1と同様の評価に供し
た。
【0059】比較例5 実施例1と同様にして、実施例1で使用したポリプロピ
レン系樹脂からなる芯層の両面に接着層形成用の樹脂と
して、スチレン─エチレン・ブタジエン─スチレンブロ
ック共重合体(旭化成社製、商品名;H1041、スチ
レン/エチレン・ブタジエン=30/70)を介してア
クリル樹脂(住化ハース社製、商品名:HFI−10、
MFR(230℃)=1.5、ポリメチルメタクリレー
ト)からなる、実施例4と同形状の多層雨樋を得、実施
例1と同様の評価に供した。
【0060】比較例6 実施例1と同様にして、実施例1で使用したポリプロピ
レン系樹脂からなる芯層の両面に、EVA/VCグラフ
ト共重合体(住友化学社製、商品名;スミグラフトG
F)を積層したこと以外は実施例1と同様にして多層雨
樋を得、実施例1と同様の評価に供した。
【0061】比較例7 接着層形成用の樹脂中にラジカル開始剤を添加しなかっ
たこと以外は実施例7と同様にして多層雨樋を得、実施
例1と同様の評価に供した。
【0062】比較例8 接着層形成用の樹脂中にラジカル開始剤を添加しなかっ
たこと以外は実施例8と同様にして、実施例1と同様の
寸法の多層雨樋を得、実施例1と同様の評価に供した。
【0063】比較例9 接着層形成用の樹脂として、EVA/VCグラフト共重
合体(住友化学社製、商品名;スミグラフトGF)を使
用したこと以外は実施例7と同様にして多層雨樋を得、
実施例1と同様の評価に供した。
【0064】比較例10 芯層形成用の樹脂として、硬質ポリ塩化ビニル(徳山積
水社製、商品名;TS−800E)を使用し、接着層を
設けなかったこと以外は実施例7と同様にして、実施例
1と同様の寸法の多層雨樋を得、実施例1と同様の評価
に供した。以上の結果を表1に示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明の多層雨樋は、上記の如き構成と
されているので、熱伸縮による変形が少なくて、建物に
継手と共に取付けられたとき、熱伸縮により継手から抜
けたり、曲げられて変形し破損したりすることがなく、
耐候性等が改善されており、且つ両層間が、両層に対し
て接着性の優れた接着層により接着されていて、熱伸縮
による層剥離を起こすことがなく、長期間屋外にて使用
できるだけの耐久性を備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層雨樋の一例を示す断面図である。
【図2】本発明3の多層雨樋の底壁部の一部を拡大して
示す断面図である。
【図3】180°剥離試験を行う試験片を示す正面図で
ある。
【符号の説明】 1 多層雨樋 1A 底壁部 1B 前壁部 1C 後壁部 1D 耳部 11 芯層 12 接着層 13 エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
からなる層

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂からなる芯層の少
    なくとも片面に、エチレン−(メタ)アクリル酸エステ
    ル共重合体からなる層が積層されていることを特徴とす
    る多層雨樋。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂からなる芯層の少
    なくとも片面に、アクリロニトリル−オレフィン−スチ
    レンブロック共重合体またはアクリロニトリル−(メ
    タ)アクリル酸エステル−スチレンブロック共重合体層
    からなるが積層されていることを特徴とする多層雨樋。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂からなる芯層の少
    なくとも片面に、接着層を介して、アクリロニトリル−
    オレフィン−スチレンブロック共重合体またはアクリロ
    ニトリル−(メタ)アクリル酸エステル−スチレンブロ
    ック共重合体からなる層が積層された多層雨樋であっ
    て、接着層が、熱可塑性を示し常温でゴム弾性を示す樹
    脂成分からなることを特徴とする多層雨樋。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン系樹脂からなる芯層の少
    なくとも片面に、接着層を介して、アクリル系樹脂から
    なる層が設けられた多層雨樋であって、接着層が、熱可
    塑性を示し常温でゴム弾性を示す樹脂と、不飽和カルボ
    ン酸変性ポリオレフィン、エポキシ変性ポリオレフィ
    ン、シラノール変性ポリオレフィンよりなる群より選ば
    れる樹脂成分からなることを特徴とする多層雨樋。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィン系樹脂からなる芯層の少
    なくとも片面に、接着層を介して、アクリル系樹脂から
    なる層が設けられた多層雨樋であって、接着層が、不飽
    和カルボン酸変性、エポキシ変性若しくはシラノール変
    性された、熱可塑性を示し常温でゴム弾性を示す樹脂か
    らなることを特徴とする多層雨樋。
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