JP2001197865A - 含油餡生地の製造法 - Google Patents

含油餡生地の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高油分の油を餡生地に練り込んでも生地保存時
に生地からの油のシミだしがなく、またフィリングとし
て包餡した場合、外皮へ経時的な油のシミだしがなく、
加熱調理時にも外皮への油のシミだしが極めて少ない特
徴を有した風味、食感の良好な含油餡生地を提供するこ
と。 【解決手段】0.22M TCA 可溶率20%以上の蛋白加水分
解物を含油餡生地中に0.1〜5重量%含むように配合
添加し、含油餡生地の油分が3〜40重量%の範囲に調
整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、油を含んだ餡生地
に関し、生地保存時に生地からの油のシミだしがなく、
またフィリングとして包餡した場合外皮へ経時的な油の
シミだしがなく、加熱調理時にも外皮への油のシミだし
が極めて少ない特徴を有し、風味、食感の良好な含油餡
生地の製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】餡は、まんじゅう、餅、だんごなどに包
んだりあるいはまぶす練物として伝統的な食品素材であ
る。近年では、中華マン、パン、パイ、ケーキなど洋菓
子のフィリングとしても広く利用されてきている。日本
では、小豆、いんげんなどの豆類を煮たものが餡として
多く利用されており、変わったところではさつまいも、
じゃがいも、カボチャ、枝豆、大豆、栗なども餡の原料
として利用される。餡には原料に由来して黒あん、白あ
ん、うぐいすあんなど色調が異なるものがあり、また形
態として、一般に粒あん、つぶしあん、こしあんに大別
される。詳しく述べると豆の粒の形を残したまま、やわ
らかく煮上げて味付けしたものが粒あんであり、粒の形
を多少残した程度に煮て、皮を除かず味付けしたものが
つぶしあんと呼ばれる。こしあんは、豆をやわらかく煮
上げ、ざるなどに入れこれをしゃくしなどで粒を潰し
て、うらごしし水をそそいでデンプン粒を洗い流し、こ
のデンプン粒の汁を布袋に入れて、水分を絞り取ったも
のが生こしあんと呼ばれる。この生こしあんを乾燥させ
たものがさらしあんである。こしあんは、一般的にこの
生こしあんまたはさらしあんを水もどしした生こしあん
に砂糖等を加え、加熱しながら練り上げることで調製さ
れる。
【0003】最近では、餡の利用用途が広がってきたこ
とから、洋菓子用途を中心に前述した従来の生あんと砂
糖等の糖類で調製される調製品以外に餡の食感改良、風
味改良、照り、つやの改善などを目的としてごま油など
の植物油、ラードなど動物脂等を餡生地に練り込み調製
される含油餡生地も利用されるようになってきた。中国
では、含油餡生地を用いた月餅などが有名である。ま
た、餡の食感面から添加する油としては口溶けの良い、
融点の低い液体油が好まれる。しかしながら、餡生地に
油を練り込んだ場合、餡自身の保油力が乏しい為、融点
が低い液体油の添加では、油分離による製造工程中での
ライン汚染による作業的問題、練り込んだ餡をパック充
填した場合、保存中に包装内で油分離して外観上問題と
なったり、保存中や調理時に包餡した外皮に分離した油
が移行するなど商品価値が低下する等の問題が生じてい
た。この問題については、融点の高い常温で固体の油を
練り込むことで油のシミだしは防止できるものの、餡生
地表面に白く油の結晶化が起こったり、得られる餡その
ものの口溶け感が悪くなり、外観、食感とも不十分で有
効な方法ではない。また、特開平7−194312公報
では、餡のしっとり感の付与を目的として生餡に油脂、
糖質、澱粉またはセルロース、蛋白質および増粘剤を含
む水中油型乳化物を配合し、含油餡生地の製造を提案し
ている。しかしながら、この方法では乳化物をあらかじ
め別途調製しておく作業性の問題があるばかりでなく、
得られる餡の油分も10重量%以上の高配合の場合で
は、油のシミだしが生じやすく、安定な餡生地調製には
限界があった。以上のように、油のシミだし、外観、食
感すべてを考慮した場合、現状では油のシミだしが目立
たない程度に油を添加するしか方法がなく、使用する油
の量が極少量に限定されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した餡
に対して油を練り込んだ含油餡生地に関して、高油分の
油を餡生地に練り込んでも生地保存時に生地からの油の
シミだしがなく、またフィリングとして包餡した場合、
外皮へ経時的な油のシミだしがなく、加熱調理時にも外
皮への油のシミだしが極めて少ない特徴を有し、風味、
食感の良好な含油餡生地を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、高油分の油
を餡生地に練り込んでも生地保存時に生地からの油のシ
ミだしがなく、またフィリングとして包餡した場合、外
皮へ経時的な油のシミだしがなく、加熱調理時にも外皮
への油のシミだしが極めて少ない特徴を有した風味、食
感の良好な含油餡生地を調製する為には、油を保持する
機能を持った他素材を餡に配合添加する必要があると判
断し、蛋白素材の可能性を鋭意研究した。その結果、0.
22M TCA可溶率20%以上の蛋白加水分解物が、保油剤
として効果が高く、このような性質を有する蛋白加水分
解物を0.1〜5重量%餡生地に配合添加することで前
述した問題を解決できることを見い出し、本発明に至っ
たものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における餡とは、小豆、い
んげん豆、えんどう豆、ささげ、そら豆、大豆、枝豆、
ひよこ豆、らい豆、りょくとうなどの一般に餡の素材と
される豆類の他、さつまいも、じゃがいもなどの芋類、
かぼちゃなどの瓜類、栗、ぎんなんなどの種実類等のデ
ンプン質を多く含む素材を煮上げて、これを潰したペー
スト状のものも含んでいる。生餡の製造は従来知られて
いる方法で調製することができる。豆類では、形態とし
て粒あん、つぶしあん、こしあんの3形態が可能であ
る。得られた生餡は、上白糖、黒砂糖など一般的に使用
される蔗糖の他、異性化糖、麦芽糖、乳糖、ブドウ糖、
果糖、キシロース、水飴、はちみつ、メープルシロッ
プ、カップリングシュガー、パラチノース、イソマルト
オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクト
オリゴ糖、キシロオリゴ糖、マンニトール、マルチトー
ル、キシリトール、ソルビトール、パラチニット、エリ
スリトール及び還元澱粉糖化物などを甘味付けで使用す
ることができる。また、糖類を添加した餡に食塩を極少
量添加することで甘味を引き出すことも可能である。
【0007】本発明で餡に練り込む油脂は、ゴマ油の
他、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生
油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カ
ポック油、月見草油、パーム油、シア油、サル油、カカ
オ油、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、
牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、
上記油脂類の単独叉は混合油或いはそれらの硬化、分
別、エステル交換等を施した加工油脂が使用できる。特
に、得られる餡生地を常温で滑らかなものとするには、
常温で液体の油脂が好ましいが、食べる時の温度が高い
場合では融点の高い油脂でも問題とならないので餡を利
用する食品の食場面に合わせて選択することが良い。ま
た、牛乳、チーズ、バター、生クリームなどの乳脂を含
んだ食品また上記油脂を含んだクリーム、ピーナッツバ
ター、チョコレートなどの加工食品乳化物を添加して含
油餡の風味付けと食感改良を同じに行うことも可能であ
る。油脂の添加量は、3〜40重量%、好ましく5〜3
0重量%最終餡生地に含まれるように配合する。油分が
3重量%未満では、得られる食感の滑らかさの付与、照
り、つやの外観改善に効果が少なく、かつ40重量%を
越えると、得られる餡が油ぽくなり過ぎるので好ましく
なくなる。
【0008】味付けした加糖餡生地に前述した油脂を練
り込んだ含油餡生地の水分含量は、通常10〜35重量
%、好ましくは15〜30重量%であり、添加する油脂
量を考慮して最終これら水分含量になるよう加糖餡生地
水分をあらかじめ配合調製しておくか過剰な水分を加熱
しながら練り上げ蒸発させるなどして所望の水分含量に
調製する。水分含量が、10重量%未満では、得られる
含油餡生地が固くなり過ぎる為、生地の可塑性が悪くな
り包餡時やシート状調製時の作業性が悪くなり、かつ食
感自身も低下し好ましくなくなる。また、35重量%を
越えると、含油餡生地から離水が生じたり、生地が柔ら
かくなり過ぎて保形性が低下する為、同様に包餡時やシ
ート状調製時の作業性が悪くなり好ましくなくなる。
【0009】次いで、本発明で用いる含油餡に使用する
蛋白素材であるが、0.22M トリクロロ酢酸(TCA )で2
0%以上の可溶率、好ましくは30〜90%の可溶率、
より好ましくは40〜90%の可溶率を有する加水分解
された蛋白加水分解物であり、その蛋白源としては、大
豆、小麦、乳由来のものが例示される。0.22M TCA 可溶
率が20%未満の蛋白加水分解物では、低水分である含
油餡生地での溶解性が低い為、蛋白の小さなダマが出来
やすかったり、餡の煮上げ時にこげが生じやすくなった
り、得られる含油餡の色調に変化が生じ易くなったりし
て好ましくない。これらの蛋白加水分解物は、1種また
は、2種以上を0.1〜5重量%、好ましくは1〜3重
量%含ませる。添加量が、0.1重量未満では効果が低
く、また5重量%を越えると、蛋白加水分解物の風味が
感じられるとともに色調的にも変化が大きくなる為、好
ましくなくなる。
【0010】特に使用する蛋白加水分解物としては、大
豆蛋白中の7S及び11S成分を別途に加水分解して得
られるポリペプチド(加水分解物)が、保油力に優れ得
られる含油餡の品質も優れ、使用素材としては好適であ
る。大豆蛋白中の7S及び11S成分が別途に加水分解
して得られるポリペプチド(加水分解物)とは、以下の
ような物理化学的性質を有したものが特に好ましい。
1)ポリペプチドの構成成分がメルカプトエタノールを
含むSDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分析
で、分子量5,000〜35,000の範囲にあるポリ
ペプチドの混合物が主体である。2)ポリペプチドのゲ
ルろ過法により主ピーク分子量が約8,000で、分子
量範囲5,000〜30,000が全ピークエリア面積
の70%以上であり、分子量範囲5,000以下が全ピ
ークエリア面積の20%以下である。3)0.22M TCA 可
溶率で30〜90%である。
【0011】本発明の含油餡生地の製造法は、生餡また
は、さらし餡を水もどしして生餡としたものに上白糖な
どの糖類を添加しこれに前述した蛋白加水分解物を粉末
または、水分散液の状態で添加して、加熱しながら煮上
げて糖類を溶解し均一に練り上げる。または、生餡と糖
類を加熱して練り上げた油脂を含まない餡生地に蛋白加
水分解物を粉末または、水分散液の状態で添加して均一
混合したものを調製する。次いでこの餡生地を80℃程
度に加温をしながら、同じく80℃程度に加熱して溶液
状態にある油脂を徐々に添加し、均一に練り上げて生地
全体に油を分散させ含油餡生地を調製する。得られた餡
は必要に応じて脱気処理して生地中に含まれた空気を抜
いた後、室温まで冷却し、フィリングとして包餡し、最
終商品形態に調製したり、パック詰めしてフィリング剤
の形態で保存し、フィリング素材とする。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施様態を具体
的に説明するが、本発明がこれらによってその技術範囲
が限定されるものではない。
【0013】(蛋白加水分解物の調製例)不二製油
(株)製の低変性脱脂大豆フレーク(NSI 90)に40
℃の温水10倍量を加え、これにNaOH溶液を加えてpH
7.0に調整した。これを緩やかに撹拌して1時間抽出
し、遠心分離機にて不溶画分のオカラと可溶画分の脱脂
豆乳とに分離した。得られた脱脂豆乳に塩酸を加えてpH
を4.5に調整し、生じた蛋白質沈殿物を遠心分離機に
て回収し分離大豆蛋白カードを得た。分離大豆蛋白カー
ドに加水し塩酸を加えてpH3.5、分離大豆蛋白10重
量%に調整し、この溶液1L に対してペプシン(日本バ
イオコン)200mgを加え、70℃で30分間加水分解
した(第一反応)。反応液を電気泳動で分析した結果、
大豆蛋白中の7S成分は選択的に加水分解され、7S成
分に相当する移動度のバンドは消失し、7S成分に由来
するポリペプチド成分、および分解を受けていない11
S成分に相当する移動度のバンドが認められた。反応液
を37℃まで冷却して塩酸を加えてpH2. 0に調整し、
ペプシン200mgを加え、37℃で30分間加水分解し
た(第二反応)。反応液をNaOH溶液を用いてpH6. 5に
調整した後、これを噴霧乾燥させて大豆蛋白由来の蛋白
加水分解物(T−1)を調製した。
【0014】得られポリペプチドの組成は、SDS電気
泳動分析の結果、分子量5,000〜35,000の範
囲に90%以上含まれていた。また、ゲルろ過分析の結
果主ピーク分子量が約8,000程度であり、分子量範
囲5,000〜30,000の範囲のピークエリア面積
が約90%であった。そしてその一般分析値は、粗蛋白
質85%、灰分10%、水分5%であり、0.22M TCA 可
溶率は、56%であった。
【0015】(評価試料)上記蛋白素材(T−1)以外
の評価試料として、未分解の分離大豆蛋白(商品名「フ
ジプロ-E」不二製油社製)(t−1)、同じく未分解の
カゼインNa(t−2)、0.22M TCA 可溶率が23%であ
る酵素分解分離大豆蛋白(商品名「フジプロ-CLE」不二
製油社製)(T−2)を用いた。
【0016】(油のシミだし評価)油のシミだし評価は
以下に述べる方法にて評価した。縦、横、高さが、2c
m×2cm×1cmの金属性の型枠に調製した餡生地を
充填し、これをろ紙上に置き、餡生地を抜き出したもの
を温度30℃、相対湿度60%の恒温器で4時間保存す
る場合と、同じくろ紙上に抜き出したものをアルミ性の
密閉容器に入れ、さらに水1gをろ紙にシミ込ませてふ
たをした後、温度150℃で10分間加熱処理の2条件
で油のシミだし評価を行った。30℃保存後または15
0℃加熱後、ろ紙上への油のシミだし面積を測定。油の
シミだし率(%)=(油のシミだし面積−餡生地の底面
積)÷餡生地の底面積×100の計算式にて油のシミだ
し率(%)とし、油のシミだし評価を行う。
【0017】(含油餡生地の配合)表1の配合表に従い
油分の異なる含油餡の試作により評価を実施した。
【0018】
【表1】
【0019】(含油餡生地の試験)本発明での蛋白素材
T−1、T−2および比較試料t−1、t−2を用いて
各餡生地を調製した。具体的には、糖を添加し練り上げ
済みの油を添加していない市販こしあん生地をジャケッ
ト付き横型のニーダーに入れ80℃まで加温し、各蛋白
粉末を徐々に添加していきながら、回転数26rpm で均
一に分散させた。次いで、これに同じく80℃に加温し
ておいた油を徐々に添加して回転数26rpmで5分間練
り上げ油を餡生地に分散させた後、生地に含まれる空気
を真空ポンプを用いて脱気処理し、室温まで冷却して含
油餡生地を調製した。
【0020】(評価結果)表2に評価結果を示す。
【表2】
【0021】本発明での蛋白素材T−1、T−2を用い
て調製された含油餡生地は、実施例1〜4の結果のよう
に高油分の添加を行っても30℃での保存では、餡から
の油のシミだしは殆ど観察されなかった。また、この餡
生地を150℃で加熱処理をした場合でも餡からの油の
シミだしは極わずかであり、加熱処理される包餡フィリ
ング剤としても適した素材であると判断された。本結果
は、添加した蛋白素材が有効に作用していることに由来
すると判断できる。特にT−1の蛋白素材では、良好な
結果であった。また、これらの蛋白素材を用いた含油餡
生地は、生地のつや、照りが良く、油を添加していない
こしあんに比べて、ソフトで滑らかな口溶け感があり風
味、食感ともに好ましいものであった。この傾向は、油
分を高める程その傾向にあった。一方、比較試料とした
未分解の大豆蛋白(t−1)、同じく未分解のカゼイン
Na(t−2)の場合では、比較例1〜4の結果にあるよ
うにいずれの油分条件においても30℃の保存条件では
わずかながら油のシミだしが観察された。また、この餡
生地を150℃で加熱処理をした場合では、いずれの油
分条件とも油が生地から著しくシミだし、加熱処理され
る包餡フィリング素材としては全く商品価値のないもの
であった。これらの蛋白素材を用いた含油餡生地は、生
地のつや、照りがやや劣っており、油を添加していない
こしあんに比べて、ソフトではあるものの油ぽさが感じ
られて滑らかさが乏しく風味、食感ともにあまり好まし
いものではなかった。この傾向は、油分を高める程その
傾向にあった。
【0022】
【発明の効果】本発明により、高油分の油を餡生地に練
り込んでも生地保存時に生地からの油のシミだしがな
く、またフィリングとして包餡した場合、外皮へ経時的
な油のシミだしがなく、加熱調理時にも外皮への油のシ
ミだしが極めて少ない特徴を有した風味、食感の良好な
含油餡生地を提供することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 辰己 茨城県筑波郡谷和原村絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社つくば研究開発センタ ー内 (72)発明者 釘宮 渉 茨城県筑波郡谷和原村絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社つくば研究開発センタ ー内 Fターム(参考) 4B014 GG05 GG06 GG13 GG14 GK12 GL08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.22M TCA 可溶率20%以上の蛋白加水
    分解物を含むことを特徴とする含油餡生地の製造法。
  2. 【請求項2】 蛋白加水分解物を0.1〜5重量%含む
    請求項1記載の含油餡生地の製造法。
  3. 【請求項3】 含油餡生地の油分が3〜40重量%の範
    囲にある請求項1または2記載の含油餡生地の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024038767A1 (ja) * 2022-08-17 2024-02-22 不二製油グループ本社株式会社 油脂含有固型食品の製造方法

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WO2024038767A1 (ja) * 2022-08-17 2024-02-22 不二製油グループ本社株式会社 油脂含有固型食品の製造方法

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