JP2001193796A - 金属ベルト用エレメント及び金属ベルト - Google Patents

金属ベルト用エレメント及び金属ベルト

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JP2001193796A
JP2001193796A JP31536699A JP31536699A JP2001193796A JP 2001193796 A JP2001193796 A JP 2001193796A JP 31536699 A JP31536699 A JP 31536699A JP 31536699 A JP31536699 A JP 31536699A JP 2001193796 A JP2001193796 A JP 2001193796A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エレメント、バンド及びプーリの損傷及び異常
摩耗を防止できるとともに、動力伝達において円滑に動
作させることができるようにする金属ベルト用エレメン
ト、金属ベルト及び金属ベルトの組付方法を提供するこ
と。 【解決手段】金属ベルト17は、無端状の金属製のバン
ド18と、金属製のエレメント19と、バンド18より
やや幅広の金属製の脱落防止体20とにより構成されて
いる。エレメント19の凹部30内に、バンド18及び
脱落防止体20がその内部を通るように、エレメント1
9がバンド18に支持され、脱落防止体20がエレメン
ト19の係合突起33に係合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動プーリと被
動プーリとの間に掛け装される無端帯状をなす金属製の
バンドの延長方向に積層配置される金属ベルト用エレメ
ントと、多数のエレメントを積層配置した金属ベルト
と、その金属ベルト組付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車の無段変速機等に使用さ
れる金属ベルトは、無端帯状をなす金属製のバンドに、
金属板を打ち抜き成形してなる多数の平板状をなすエレ
メントを、ベルトの長手方向へ相対滑り可能に積層配置
して構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この場合、エレメント
に角が立っていると、その角とバンドとの接触によりバ
ンドに傷がついて、バンドの破断等の原因となる。とこ
ろが、金属ベルトのエレメントはかなり小さなものであ
ることに加えて、従来のエレメントは全体が1枚の板材
により打ち抜き形成されているため、バンドと接触する
コーナ部に面取り等の加工を施すことは事実上難しい。
しかも、前述のようにエレメントが1枚の板材により構
成されているため、エレメントを軽量化することができ
ない。このため、エレメントが無段変速機のプーリのと
ころに移動されると、エレメントは円軌道上を周回する
ことになるが、エレメントの重量、すなわち質量が大き
いと、エレメントにはその自重により大きな遠心力が作
用する。加えて、車両の加減速の際には、大きなイナー
シャが作用する。これらの過大な遠心力及びイナーシャ
は、応答性の悪化等につながり、無段変速機の円滑な動
作の障害になる。従って、エレメントが大重量である
と、これらの問題が顕在化する。
【0004】さらに、エレメントが1枚の板材により構
成されていると、プーリとの接触によりエレメントに過
大な負荷や力が作用した場合、エレメントが変形するこ
とはほとんどなく、その負荷や力を逃がすことができ
ず、エレメント、バンド及びプーリの損傷あるいは異常
摩耗の原因になった。この発明は、このような従来の技
術に存在する問題点に着目してなされたものである。そ
の目的とするところは、エレメントやプーリの損傷及び
異常摩耗を防止できるとともに、動力伝達において円滑
に動作させることができるようにする金属ベルト用エレ
メント、金属ベルト及び金属ベルトの組付方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、駆動プーリと被動プ
ーリとの間に掛け装される無端帯状をなす金属製のバン
ドの延長方向に積層配置される金属ベルト用エレメント
において、輪郭を形成する外周部を線材によって構成し
たことをその要旨とする。請求項2に記載の発明では請
求項1に記載の発明の構成に加え、前記線材は円形又は
楕円形の断面形状を有することをその要旨とする。請求
項3に記載の発明では請求項1に記載の発明の構成に加
え、前記線材は角部を弧状に面取りした矩形断面形状を
有することをその要旨とする。請求項4に記載の発明で
は請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加え、
前記プーリに形成された環状溝の内側面と接触部を介し
て接触するボディ部と、ピラー部を介して一体成形され
たヘッド部とを備え、同ピラー部の両側にはバンドを挿
通するためのスリットを設けたことをその要旨とする。
請求項5に記載の発明では請求項4に記載の発明の構成
に加え、前記ボディ部における輪郭の内側には空間が形
成されていることをその要旨とする。請求項6に記載の
発明では請求項4又は5に記載の発明の構成に加え、隣
接する前記ボディ部同士を凹凸関係で係合するために同
ボディ部のピッチ線近傍に前記バンドの延長方向に凹凸
する凹凸部を設けたことをその要旨とする。請求項7に
記載の発明では請求項4又は5に記載の発明の構成に加
え、隣接する前記ヘッド部同士を凹凸関係で係合するた
めに同ヘッド部に前記バンドの延長方向に凹凸する凹凸
部を設けたことをその要旨とする。請求項8に記載の発
明では請求項6又は7に記載の発明の構成に加え、前記
凹凸部は以下のa)横幅が高さ方向に連続的に変化す
る。又はb)横幅が高さ方向に連続的かつ直線的に変化
する。のいずれかであることをその要旨とする。
【0006】請求項9に記載の発明では請求項1〜3の
いずれかに記載の発明の構成に加え、プーリに形成され
た環状溝の内側面に接触部を介して接触するボディ部
と、同ボディ部の両側からそれぞれ立ち上がる立設部と
同立設部から内方に向かって延出形成された折り曲げ部
とからなる対向配置された一対の鈎状部とを備え、同ボ
ディ部上面と両鈎状部とによって包囲されたバンド挿入
開口部を形成したことをことをその要旨とする。請求項
10に記載の発明では請求項9に記載の発明の構成に加
え、前記一対の立設部は外方に向かって拡開されている
ことをその要旨とする。請求項11に記載の発明では請
求項9又は10に記載の発明の構成に加え、前記ボディ
部には前記バンドの延長方向に凹凸する凹凸部を設けた
ことをその要旨とする。請求項12に記載の発明では請
求項9〜11のいずれかに記載の発明の構成に加え、前
記凹凸部はa)横断面円形。c)高さ方向に同幅で形成
されるとともに、前記エレメントの周回面を含む平面に
対して斜状に配置される。のいずれかであることをその
要旨とする。請求項13に記載の発明では、駆動プーリ
と被動プーリとの間に掛け装される無端帯状をなす金属
製のバンドの延長方向に多数のエレメントを積層配置し
た金属ベルトにおいて、前記エレメントの輪郭を形成す
る外周部を線材によって構成し、同エレメントは前記プ
ーリに形成された環状溝の内側面に接触部を介して接触
するボディ部と、同ボディ部の両側からそれぞれ立ち上
がる立設部と同立設部から内方に向かって延出形成され
た折り曲げ部とからなる対向配置された一対の鈎状部と
を備え、同ボディ部上面と両鈎状部とによって包囲され
たバンド挿入開口部を形成するとともに、同バンド挿入
開口部内にバンドと脱落防止体を重合配置するようにし
たことをその要旨とする。請求項14に記載の発明では
請求項13に記載の発明の構成に加え、前記脱落防止体
は透孔を有し、同透孔によって剛性を軽減して撓曲可能
な薄板状に構成したことをその要旨とする。請求項15
に記載の発明では請求項1〜12に記載の金属ベルト用
エレメントをバンドに係合した状態でバンドの長さ方向
に積層配置したことをその要旨とする。請求項16に記
載の発明では、無端帯状をなす金属製のバンドの延長方
向に多数のエレメントを積層配置した金属ベルトの組付
方法において、前記バンドに無端帯状をなす脱落防止体
を重合し、その脱落防止体をその幅方向に撓曲させた状
態で、請求項1〜14に記載の金属ベルト用エレメント
をその凹部と連通する開放部からバンドに取り付け、撓
曲が復元された状態の脱落防止体に前記開放部の両側縁
に係合させるようにしたことをその要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明を自動車の無段変
速機において具体化した複数の実施の形態について、図
面に基づいて詳細に説明する。 (実施の形態1)実施の形態1を、図1〜図12に基づ
いて詳細に説明する。本実施の形態1において上下とは
図2又は図4における図の上下方向をいい、左右とは同
図における左右方向をいうものとする。また、前後とは
同図の紙面からみて手前方向と奧方向をそれぞれいうも
のとする。
【0008】図1及び図3に示すように、駆動軸11に
は駆動プーリ12が取り付けられ、その外周には略V字
状の環状溝13が形成されている。駆動軸11と対応す
る被動軸14には被動プーリ15が取り付けられ、その
外周には略V字状の環状溝16が形成されている。駆動
プーリ12及び被動プーリ15の各環状溝13,16間
には無端状をなす金属ベルト17が掛装され、駆動プー
リ12の回転が金属ベルト17を介して被動プーリ15
に伝達される。図2及び図3に示すように、この金属ベ
ルト17は、無端状の金属製のバンド18と、多数の金
属製のエレメント19と、バンド18よりやや幅広で、
かつ無端帯状をなす金属製脱落防止体20とにより構成
されている。前記エレメント19は、バンド18がその
内部を通るように、それらの長さ方向に相対滑り可能に
積層して配置される。バンド18は、複数の金属薄板を
板厚方向に積層重合して構成され、図8に示すように、
その両面またはいずれか一方の面には、サンドブラスト
あるいはショットピーニングによりサーフェスプロファ
イリングが形成され、このサーフェスプロファイリング
に潤滑油を保持して、バンド18と各エレメント19と
の間の摩擦抵抗が軽減される。
【0009】図4〜図6に示すように、前記各エレメン
ト19は、引き抜きにより形成された断面円形の金属線
材19aを所定長さに切断し、それをエレメント19の
形状に湾曲した後プレスしてなる左右対称をなす形状で
ある。図4及び図5(a)に示す2点鎖線は、プレス成
形前の形状を示す。さらに、エレメント19の外周面全
体には、バンド18の場合と同様に、サンドブラストあ
るいはショットピーニングによりサーフェスプロファイ
リングが形成され、このサーフェスプロファイリングに
潤滑油を保持して、各エレメント19間の摩擦抵抗が軽
減される。エレメント19の水平部分をなすボディ部3
1の両側上端部から上方へ鈎状部としてのピラー部32
が突出されており、それらの間に前記バンド18及び脱
落防止体20を収容するためのバンド挿入開口部として
の凹部30が形成されている。ピラー部32の各先端
は、内側に屈曲する折り曲げ部としての係合突起33と
されている。そして、この両係合突起33間に、バンド
18よりやや幅広で、かつ脱落防止体20よりやや幅狭
の開放部34が形成されている。エレメント19は、凹
部30においてバンド18に支持されている。
【0010】バンド18が載置されるボディ部31の肩
部35は、緩やかに上方へ膨らむ円弧状に形成され、バ
ンド18が左右に蛇行するのを防止する。従って、この
肩部35の上面がバンド18を載置するための載置面に
なる。前記エレメント19のボディ部31の一側面に
は、図4及び図5(a)の下方に向かって板厚が薄くな
る方向に傾斜する第1傾斜部36が、研磨加工により形
成されている。この第1傾斜部36は、図1および図2
に示すように、このエレメント19の列がプーリ12,
15の部分でプーリ12,15の外周に沿って湾曲する
のを許容する。前記ボディ部31の両側端には、図4の
下方に向かって収束する第2傾斜部37が研磨加工によ
り形成されている。図3に示すように、この第2傾斜部
37は前記両プーリ12,15の環状溝13,16の内
側面に係合する。
【0011】ボディ部31の中央には、プレス加工によ
り突起38が形成されている。その突起38の裏面側に
おいて、ボディ部31には凹部39が形成されている。
そして、隣接する各エレメント19の突起38と凹部3
9とは互いに嵌まり合い、各エレメント19が整列して
連結される。図7に示すように、脱落防止体20には、
複数の長孔40が透設され、その長孔40と隣接して小
孔40aが透設されている。長孔40は、脱落防止体2
0の等間隔をおいた複数の位置に複数対ずつ設けられて
いるが、脱落防止体20の全周に連続して設けてもよ
い。また、脱落防止体20の両面またはいずれか一方の
面には、サンドブラストあるいはショットピーニングに
よりサーフェスプロファイリングが形成され、潤滑油を
保持して、脱落防止体20と最外層のバンド18及び各
エレメント19との間の摩擦抵抗が軽減される。
【0012】脱落防止体20をバンド18の外周に嵌め
て、脱落防止体20の図7に示す幅広の通常状態から、
前記小孔40aに工具(図示しない)を引掛けて、その
工具により幅を狭めることにより、脱落防止体20を図
8及び図10に示す幅狭の撓曲状態とする。脱落防止体
20は、その撓曲状態でエレメント19の開放部34の
幅よりやや幅狭となっている。そして、図9に示すよう
に、エレメント19の開放部34を通してエレメント1
9をバンド18に支持して、次々とエレメント19を幅
広の方向へ順送りして、全部のエレメント19を通した
後、工具をはずす。この状態では、図11及び図12に
示すように、脱落防止体20は、エレメント19の側端
部が係合突起33に係合される幅広平板の状態に戻る。
この状態において、エレメント19のバンド18からの
脱落が防止されている。
【0013】次に、上記実施形態によって発揮される効
果について説明する。 (1−1)本実施形態においては、エレメント19に
は、バンド18の幅に対応した開放部34が設けられる
ため、エレメント19の軽量化が実現でき、金属ベルト
17全体が軽量になる(金属ベルト全体で20〜30%
の軽量化が可能になった)。このため、イナーシャが小
さくなり、加減速等にともなう応答性の向上が期待でき
る。しかも、エレメント19は、引き抜きされた線材に
より構成されているため、安価である。加えて、エレメ
ント19は断面円形をなす線材がプレス成形されたもの
であるため、板材を打ち抜きしたものとは異なり、角部
にエッジが立つことはない。このため、バンド18や脱
落防止体20にダメージを与えることがほとんどなく、
金属ベルト17としての耐久性を向上できる。また、エ
レメント19はその両側にピラー部32を有しているた
め、丈夫であり、破損のおそれはほとんどない。
【0014】(1−2)エレメントをバンドに支持した
状態で、エレメントが脱落しないように脱落防止の手段
を講じる必要があり、そのための構成として、従来いく
つかの手段が提案されている。すなわち、特開昭55−
100443号公報には、図24に示す構成が開示され
ている。図24に示す構成においては、バンド300に
係合するエレメント301の1つの凹部302が横方向
に向かって開放されている。また、特開昭62−351
36号公報においては、図25に示すように、エレメン
ト301の凹部302にバンド300を収容した後に、
凹部302の開放部に横材304を架設するようにした
構成が開示されている。しかし、図24の構成において
は、エレメント301が凹部302の側端の開放部から
脱落するおそれがある。図25の構成においては、エレ
メント301をバンド300に組み付けた後に、多数の
エレメント301に対して横材304を溶接などにより
架設する必要があって、エレメント301がそれほど大
きくないこともあり、困難な作業を強いられた。しか
も、各エレメント301に対して横材304を用意する
必要があり、部品点数が増えて構成が複雑になる。本実
施の形態1ではエレメント19の係合突起33と脱落防
止体20との係合によりエレメントの19の脱落を確実
に防止できる。また、エレメント19の脱落防止のため
に、1枚の脱落防止体20が設けられているだけである
から、例えば上記図25のようなエレメントごとに脱落
防止用の横材304を設けた従来構成とは異なり、構成
が複雑になることがない。 (1−3) 脱落防止体20の撓曲変形を利用して、バ
ンド18にエレメント19を支持するため、組付けがき
わめて容易である。 (1−4) 脱落防止体20にそれをを撓曲変形させる
ための長孔40及び小孔40aが形成されているため、
金属ベルト全体の軽量化に寄与できる。
【0015】(実施の形態2)実施の形態2を、図13
〜図17に基づいて詳細に説明する。本実施の形態2に
おいて上下とは図15における図の上下方向をいい、左
右とは同図における左右方向をいうものとする。また、
前後とは同図の紙面からみて手前方向と奧方向をそれぞ
れいうものとする。図13及び図15に示すように、駆
動軸111には駆動プーリ112が取り付けられ、その
外周にはほぼV字状の環状溝112aが形成されてい
る。駆動軸111と対応する被動軸113には被動プー
リ114が取り付けられ、その外周にはほぼV字状の環
状溝114aが形成されている。駆動プーリ112及び
被動プーリ114の環状溝112a,114a間には無
端状の金属ベルト115が掛装され、駆動軸111の回
転が駆動プーリ112、金属ベルト115及び被動プー
リ114を介して被動軸113に伝達される。
【0016】図14及び図15に示すように、前記金属
ベルト115は、金属製の左右一対のバンド116と、
両バンド116間においてそれらの長さ方向に相対滑り
可能に積層して配置された多数枚の金属製のエレメント
117とから構成されている。各バンド116は、金属
薄板よりなる複数の無端帯状体118を板厚方向に積層
重合して構成され、各無端帯状体118の両面またはい
ずれか一方の片面には、サーフェスプロファイリング1
18aが施されている。このサーフェスプロファイリン
グ118aは、例えば複数のローラを介して薄板状の無
端帯状体118を圧延成形する際に、いずれか1つのロ
ーラの周面に設けられたプロファイリング、すなわち凹
凸状の模様によって形成される。また、その他の方法と
しては、所定板厚に圧延された無端帯状体118に、サ
ンドブラストあるいはショットピーニングにて、微小な
断面ほぼ円弧状をなす多数の凹部を付与することにより
形成される。そして、このサーフェスプロファイリング
118aの形成によって、バンド116の各無端帯状体
118間、及びバンド116と各エレメント117との
間の接触面積が小さくなるとともに、サーフェスプロフ
ァイリング118aの凹部に潤滑油が保持される。この
ため、バンド116の各無端帯状体118間、及びバン
ド116と各エレメント117との間の摩擦抵抗が軽減
される。
【0017】図14〜図17に示すように、前記各エレ
メント117は、断面ほぼ矩形状をなす所定長さの線材
124を全体の輪郭が構成されるように曲げ加工して、
左右対称をなす形状に成形されている。エレメント11
7は線材124を所定長さに切断するとともに、それを
曲げ加工して得られる。この場合、図15に2点鎖線の
円150で示す突き合わせ部分は溶接により固着され
る。従って、線材124の内側には空間Sが形成されて
いる。線材124としては、例えば硬鋼線材等の鉄系金
属が用いられている。エレメント117の外周面全体に
は、サンドブラストあるいはショットピーニングにより
サーフェスプロファイリング117aが形成され、潤滑
油を保持して、各エレメント117間、及びバンド11
6と各エレメント117との間の摩擦抵抗が軽減され
る。
【0018】そして、このエレメント117には、ボデ
ィ部119及びヘッド部120がそれらの中央のピラー
部121を介して一体形成されている。従って、ヘッド
部120はボディ部119からピラー部121を介して
延長されている。ピラー部121両側には前記左右のバ
ンド116をそれぞれ通すための一対のスリット125
が形成されている。この両スリット125内を前記バン
ド116が通り、ヘッド部121は、バンド116の外
れを防止する。スリット125の下部に位置し、バンド
116を載置するためのボディ部119の肩部127
は、緩やかに膨らむ円弧状に形成され、バンド116が
左右に蛇行するのを防止する。従って、この肩部127
の上面がバンド116を載置するための載置面になる。
スリット125の上部に位置するヘッド部120の先端
部128は、上方へ円弧状に逃がしてあり、その先端部
128がバンド116の表面に点当たりするの防止す
る。
【0019】前記エレメント117のボディ部119の
一側面には、図16の下方に向かって板厚が薄くなる方
向に傾斜する第1傾斜部119aが形成されている。同
じくエレメント117のボディ部119の両側端には下
方へ向かって延出された第2傾斜部119bがそれぞれ
形成されおり、この第2傾斜部119bは前記両プーリ
112,114の環状溝112a,114aの内面に係
合する。そして、前述のように、駆動プーリ112の回
転にともない、金属ベルト115が周回移動されて、被
動プーリ114に回転が伝達される。また、駆動側ある
いは被動側のトルク変動による一方または双方のプーリ
112,114の環状溝112a,114aの幅が変更
された場合には、それに追随してエレメント117がプ
ーリ112,114の半径方向に移動する。前記ボディ
部119の中央には、突起130が形成されている。突
起130の両側にはボディ119の上端部分において最
も幅広とされ下方に向かってテーパ状に狭まりボディ1
19の下端部分において最も幅狭とされるテーパ面13
0aが形成されている。その突起130の裏面側には同
突起130の突出形状に対応した凹部131が形成され
ている。そして、隣接する各エレメント117の突起1
30と凹部131とは互いに嵌まり合い、エレメント1
17の整列が崩れるのを防止する。
【0020】図17に示すように、前記線材124はそ
の四隅の角部123が円弧状に面取り加工されている。
このため、エレメント117の外周に角が立つことがな
く、切り立った角によりバンド116の表面やプーリ1
12,114の環状溝112a,114aの内面が損傷
されることはない。そして、エレメント117は図17
に示す断面形状の線材124を所定長さに切断するとと
もに、それを曲げ加工して得られる。線材124の両端
部は、ピラー部121において突き合わせられる。この
突き合わせ部は単なる突き合わせでもよく、また溶接に
より固定してもよい。前記線材124は押し出し加工、
すなわち冷間圧延によって得られる。従って、各角部1
23の円弧状面取りは、押し出しの際に同時形成される
とともに、線材124の全外周面が鏡面のような成形面
になる。
【0021】前記の実施形態によって期待できる効果に
ついて、以下に記載する。 (2−1)この実施形態のエレメント117は輪郭が線
材124により構成されている。従って、前述のように
線材124の角部123に対して押し出し成形と同時に
面取り加工を容易に施すことができる。このように、角
部123が円弧状に面取り加工されているため、バンド
116やプーリ112,114に傷がついたりするよう
なことを阻止でき、耐久性を向上できる。 (2−2)エレメント117は、輪郭のみが線材124
で構成され、内部には空間Sが形成されている。従っ
て、エレメント117自体、ひいては金属ベルト115
全体の軽量化が可能になる。このため、金属ベルト11
7のプーリ112,114の周回部分における遠心力
や、加減速にともなうイナーシャを低減でき、良好な応
答性と動力伝達において円滑な動作を得ることができ
る。 (2−3) エレメント117は外周輪郭が線材124
により構成されているため、エレメント117に過大な
負荷や力が作用した場合、例えば、プーリ112,11
4によりエレメント117の第2傾斜部119bに対し
て内方への圧力が加えられた場合、エレメント117は
それに応じて内方へわずかに撓む。このため、その負荷
や力を逃がして、プーリ112,114やエレメント1
17自体の損傷及び異常磨耗を防止できて、耐久性に優
れたものにすることができる。
【0022】(2−4) 線材124として断面ほぼ矩
形状をなすものを使用しているため、各エレメント11
7は線材124の相互の面接触によりバンド116の長
さ方向に沿って整然と積層され、振動や騒音を抑制し
て、動力伝達の効率を向上できる。 (2−5) エレメント117は、その外周面全体が切
断面ではなく、冷間圧延面である。従って、たとえ、エ
レメント117に対してサンドブラスト等の加工を施し
ても、フラットな面に凹部が形成されるだけであって、
切断面の場合とは異なり、表面のフラット性は損なわれ
ない。このため、各エレメント117間の面接触を確保
でき、効率的な動力伝達に寄与できる。 (2−6)肩部127が円弧状をなしているため、バン
ド116が蛇行するのを抑制でき、バンド116やエレ
メント117の損傷を防止できる。 (2−7)ヘッド部120の先端が円弧状に逃げている
ため、そのヘッド部120の先端128やバンド116
の損傷を防止できる。 (実施形態3)実施の形態3を図18〜図20に基づい
て説明する。本実施の形態3は実施の形態2の変形例で
ある。実施の形態3におけるヘッド120の先端部12
8は前方へ向かって湾曲している。従って、この実施の
形態3においては隣接するエレメント117間の先端部
128の重なりにより、エレメント117の整列を保持
できることとなる。
【0023】(実施形態4)実施の形態4を図21〜図
23に基づいて説明する。本実施の形態4は実施の形態
1の変形例である。実施の形態4における左右の突起5
5はプレス加工により形成されている。左右の突起55
はボディ部31の上端から下端にかけて逆ハの字となる
ように、すなわちエレメント19の周回面を含む平面Q
を境として鏡像の関係となるように対向して斜状に形成
されている。凹凸部45は上下方向に同幅で形成され、
その裏面側には凹部56が形成されている。更に、ボデ
ィ部31に上方から過大な加重がかかった場合には肩部
35はより穏やかな曲率となる方向に(つまり直線に近
く方向に)撓んで応力を軽減することができる。
【0024】(その他の実施形態) ・例えば実施の形態1のエレメント19の形状を種々変
更すること。例えば、軽量化を促進するため、ボディ部
31に貫通孔を形成してもよい。 ・実施の形態1の脱落防止体20は、その軽量化のため
の長孔40等が、図7の形状に限定されるものではな
く、単純な四角形状、菱形等、各種の形状を採用でき
る。 ・実施の形態1においてボディ部31に形成される突起
38は、隣接するエレメント19同士が脱落することな
く連結されて、金属ベルト17としての機能を維持でき
れば、その形状や大きさを問うものでなく、例えば、断
面四角形の突起であってもよい。なお、その場合、凹部
39は突起38の形状に対応した凹部形状に変更され
る。 ・実施の形態1において突起38及び凹部39はボディ
部31に形成されていた。これは、隣接するエレメント
19同士が脱落することなく連結されて、金属ベルト1
7としての機能を維持できれば、突起38及び凹部39
の形成位置を問うものでなく、ピラー部32に形成して
もよい。また、隣接するエレメント19同士の連結は、
突起38と凹部39との嵌合に限ることなく、例えば、
ボディ部31の下端部や係合突起33の先端部を、エレ
メント19同士の連結方向に反らせて、それらの係合で
おこなってもよい。 ・実施の形態1において脱落防止体20を撓曲させて、
エレメント19をバンド18に支持させたが、エレメン
ト19を斜めにして、脱落防止体20の一側縁を凹部3
0内に位置させ、次いで、その脱落防止体20の一側縁
を中心にエレメント19を回転させるようにして凹部3
0内にバンド18を収容してもよい。 ・各エレメント117において、前記各実施形態とは別
の位置にて線材124が隣接する部分で溶接を行うこ
と。 ・字においてヘッド部120の先端部128を図20に
おいて逆方向、すなわち後方に湾曲させること。
【0025】・線材124のコーナ部123の面取り
を、円弧状ではなく、斜め直線状に切除して構成するこ
と。 ・線材31,124により構成した端部の内側の空間S
内に、振動吸収,吸音等を目的とした合成樹脂材を充填
すること。 ・エレメント19,117として2種以上の異なった金
属材料よりなるものを用意し、異種材料のものを隣接さ
せるように順に配置して構成すること。このように構成
すれば、隣接するエレメント19,117の固有振動数
が異なるため、振動や騒音を低減できる。 ・エレメント19,117として前記実施形態とは異な
る材質のもの、例えば硬鋼材以外の鉄系金属,ステンレ
ススチール等を用いること。 ・エレメント19,117のボディ部31,119の肩
部35,127や第2傾斜部37,119b上に、表面
硬化処理を施すこと。 ・エレメント19,117のボディ部31,119の肩
部35,127や第2傾斜部37,119b上に、超硬
度の金属粉末を散布するとともに加熱により溶融凝固さ
せて、超硬度合金層を形成するように構成すること。
【0026】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明では、エレメントを、輪郭を構成する外周部を線材に
より構成した。このため、線材に対して押し出し成形に
より面取り加工を容易に施すことができて、バンド等の
損傷を防止できるとともに、1枚の板材で構成された場
合とは異なり、軽量化が可能である。また、エレメント
に過大な負荷や力が作用した場合、エレメントはそれに
応じてわずかに撓むことができ、その負荷や力を逃がし
て、プーリやエレメントの損傷及び異常摩耗を防止でき
る。さらに、エレメントの外周面を冷間圧延面にするこ
とができ、表面を鏡面状に仕上げて、接触面積を確保で
きる。特にプーリの環状溝の内側面に接触するボディ部
及びバンドを通すためのスリット部に対して、従来の板
材を打ち抜いたエレメントのように微少量ずつ削り取る
精密打ち抜きのような手間をかけなくても、容易に鏡面
のようにすることができ、効率的な動力伝達に寄与でき
る。
【0027】請求項2に記載の発明では請求項1に記載
の発明の効果に加え、線材として円形又は楕円形をなす
ものを使用したことにより、隣接する他のエレメントと
の接触面積を確保でき、円滑な動力伝達に寄与できると
ともに、曲面のみで形成され角部を有さないためエレメ
ントやベルト等の損傷を防止でき、耐久性を向上するこ
とができる。請求項3に記載の発明では請求項1に記載
の発明の効果に加え、線材として断面ほぼ矩形状をなす
ものを使用したことにより、隣接する他のエレメントと
の接触面積を確保でき、円滑な動力伝達に寄与でき、更
に断面のコーナ部を面取りしたことにより、エレメント
やベルト等の損傷を防止でき、耐久性を向上することが
できる。請求項4に記載の発明では請求項1〜3のいず
れかに記載の発明の効果に加え、ボディ部と、ピラー部
を介してボディ部と一体形成されたヘッド部とを備え、
エレメントは、ピラー部の側部にはバンドを通すための
スリットを形成したことにより、金属ベルト用として好
適である。請求項5に記載の発明では請求項4に記載の
発明の効果に加え、線材の内側に空間を形成したことに
より、エレメントをさらに軽量化でき、ひいては、金属
ベルト全体を軽量化できる。請求項6に記載の発明では
請求項4又は5に記載の発明の効果に加え、隣接するエ
レメントと係合するための凹凸部をボディ部のピッチ線
近傍に設置したことにより、ピッチ線を中心にしてエレ
メントの円滑な遥動が許容されるともに、エレメントを
整列状態に保持することができ、動力伝達を円滑に行う
ことができる。請求項7に記載の発明では請求項4又は
5に記載の発明の効果に加え、隣接するエレメントと係
合するための凹凸部をヘッド部に設置したことにより、
エレメントを整列状態に保持することができ、動力伝達
を円滑に行うことができる。請求項8に記載の発明では
請求項6又は7に記載の発明の効果に加え、隣接するエ
レメント同士がよりしっかりと嵌合される。
【0028】請求項9又は10に記載の発明では、エレ
メントの両側に立設部を有しているため丈夫であり、エ
レメントは破損しにくくなる。また、バンド挿入開口部
を設けたことによりバンドや脱落防止体の装着作業が簡
単になるとともに、バンド挿入開口部が形成されている
ことによって、エレメントの軽量化に寄与することとな
る。更に、脱落防止体はそれ自体でバンドと同様の役割
を果たす。請求項11に記載の発明では請求項9又は1
0に記載の発明の効果に加え、凹凸部によってエレメン
トが確実に整列して連結される。また、プーリの周回時
においてエレメントの左右方向の相対移動が制限され横
ずれが生じにくくなる。請求項12に記載の発明では請
求項9〜11のいずれかに記載の発明の効果に加え、隣
接するエレメント同士がよりしっかりと嵌合される。請
求項13に記載の発明では、エレメントの両側に立設部
を有しているため丈夫であり、エレメントは破損しにく
くなる。また、バンド挿入開口部を設けたことによりバ
ンドや脱落防止体の装着作業が簡単になるとともに、バ
ンド挿入開口部が形成されていることによって、エレメ
ントの軽量化に寄与することとなる。更に、脱落防止体
はそれ自体でバンドと同様の役割を果たす。請求項14
に記載の発明では、請求項13に記載の発明の効果に加
え、脱落防止体は透孔を有し、その透孔の部分で容易に
撓曲可能になっていることにより、透孔に工具を掛け
て、脱落防止体を容易に幅狭にすることができて、エレ
メントの組付け作業が容易になる。請求項15に記載の
発明では請求項1〜12のいずれかに記載のエレメント
を用て金属バンドを構成したことにより、前述した各種
の効果のうちの少なくともひとつの効果を有する金属ベ
ルトとすることができる。請求項16に記載の発明で
は、前記バンドに無端帯状をなす脱落防止体を重合し、
その脱落防止体をその幅方向に撓曲させた状態で、前記
エレメントをその凹部と連通する開放部からバンドに取
り付け、撓曲状態が復元された脱落防止体に前記開放部
の両側縁に係合させることにより、前記請求項1〜14
のいずれかに記載した発明と同様な効果を発揮する。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態1の金属ベルトを示す側面図。
【図2】 金属ベルトを示す一部側断面図。
【図3】 同じく金属ベルトを示す縦側面図。
【図4】 同じく金属ベルトを示す拡大縦側面図。
【図5】 同じく、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図6】 線材の断面図。
【図7】 脱落防止体を示す平面図。
【図8】 組み付け状態を示す平面図。
【図9】 組み付け状態を示す側面図。
【図10】 組み付け状態を示す縦断面図。
【図11】 組み付け終了状態を示す平面図。
【図12】 組み付け終了状態を示す縦断面図。
【図13】 実施の形態2の変速装置を示す側面図。
【図14】 実施の形態2の金属ベルトを示す部分平面
図。
【図15】 同じ金属ベルトのエレメントを示す縦断面
図。
【図16】 同じく側面図。
【図17】 線材の断面図。
【図18】 実施の形態3の金属ベルトのエレメントを
示す側面図。
【図19】 同じ金属ベルトの縦断面図。
【図20】 同じ金属ベルトのエレメントの平面図。
【図21】 実施の形態4のエレメントの正面図。
【図22】 同じく底面図。
【図23】 同じく側面図。
【図24】 従来のエレメントの正面図。
【図25】 従来のエレメントの正面図。
【符号の説明】
12,15…プーリ、17,115…金属ベルト、1
8,116…バンド、19,117…エレメント、19
a,124…線材、31,119…ボディ部、20…脱
落防止体、32…鈎状部としてのピラー部、33…折り
曲げ部としての係合突起、34…開放部としてのバンド
挿入開口部、37,119b…接触部としての第2傾斜
部、38,55…凹凸部としての突起、120…ヘッド
部。
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月8日(2000.6.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 金属ベルト用エレメント及び金属ベル
【特許請求の範囲】
請求項2】 少なくとも駆動プーリと被動プーリの環
状溝間に掛け装される無端帯状をなす金属製のバンド
と、 同環状溝と接するボディ部、同ボディ部に立設され相対
向する一対のピラー部及び同ピラー部間に形成された前
記バンドを挿通するためのバンド挿入開口部とが形成さ
れ同バンドの延長方向に複数積層配置される金属ベルト
用エレメントとより構成した金属ベルトにおける同金属
ベルト用エレメントにおいて、 前記各エレメントは単体の線材にて折り曲げ形成してな
るとともに、同線材の断面形状を円形、楕円形又は角部
を円弧状に面取り加工したことを特徴とする金属ベルト
用エレメント。
請求項3】 前記一対のピラー部は前記環状溝に接し
ていることを特徴とする請求項1に記載の金属ベルト。
請求項4】 バンド挿入開口部には前記バンドに脱落
防止体を重合配置するようにしたことを特徴とする請求
項1又は3に記載の金属ベルト。
請求項5】 前記脱落防止体は透孔を有し、同透孔に
よって剛性を軽減して撓曲可能な薄板状に構成したこと
を特徴とする請求項4に記載の金属ベルト。
請求項6】 少なくとも駆動プーリと被動プーリの環
状溝間に掛け装される無端帯状をなす金属製のバンド
と、 同環状溝と接するボディ部、同ボディ部に立設されたピ
ラー部、同ピラー部上端に形成されたヘッド部及び同ピ
ラー部の両側であって同ヘッド部とボディ部とによって
挟まれた前記バンドを挿通するためのスリットが形成さ
れ同バンドの延長方向に複数積層配置される金属ベルト
用エレメントとより構成した金属ベルトにおいて、 隣接する前記ボディ部同士を凹凸関係で係合するために
同ボディ部又はヘッド部には凹凸部を曲げ加工によって
設けたことを特徴とする金属ベルト。
請求項7】 少なくとも駆動プーリと被動プーリの環
状溝間に掛け装される無端帯状をなす金属製のバンド
と、 同環状溝と接するボディ部、同ボディ部に立設されたピ
ラー部、同ピラー部上端に形成されたヘッド部及び同ピ
ラー部の両側であって同ヘッド部とボディ部とによって
挟まれた前記バンドを挿通するためのスリットが形成さ
れ同バンドの延長方向に複数積層配置される金属ベルト
用エレメントとより構成した金属ベルトにおける同金属
ベルト用エレメントにおいて、 隣接する前記ボディ部同士を凹凸関係で係合するために
同ボディ部又はヘッド部には凹凸部を曲げ加工によって
設けたことを特徴とする金属ベルト用エレメント。
請求項8】 前記各エレメントは単体の線材にて折り
曲げ形成してなるとともに、前記各エレメントのボディ
部の輪郭の内側には微少空間が形成されていることを特
徴とする請求項6に記載の金属ベルト。
請求項9】 前記凹凸部は以下のa)又はb)のいず
れかであることを特徴とする請求項6又は8に記載の金
属ベルト。 a)横幅が高さ方向に連続的に変化する。 b)横幅が高さ方向に連続的かつ直線的に変化する。
請求項10】 前記ボディ部は下方に向かって薄肉に
形成されていることを特徴とする請求項1、3〜6、8
及び9のいずれかに記載の金属ベルト
請求項11】 前記ボディ部は下方に向かって薄肉に
形成されていることを特徴とする請求項2又は7に記載
の金属ベルト用エレメント。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動プーリと被
動プーリとの間に掛け装される無端帯状をなす金属製の
バンドの延長方向に積層配置される金属ベルト用エレメ
ントと、多数のエレメントを積層配置した金属ベルト
と、その金属ベルト組付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車の無段変速機等に使用さ
れる金属ベルトは、無端帯状をなす金属製のバンドに、
金属板を打ち抜き成形してなる多数の平板状をなすエレ
メントを、ベルトの長手方向へ相対滑り可能に積層配置
して構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この場合、エレメント
に角が立っていると、その角とバンドとの接触によりバ
ンドに傷がついて、バンドの破断等の原因となる。とこ
ろが、金属ベルトのエレメントはかなり小さなものであ
ることに加えて、従来のエレメントは全体が1枚の板材
により打ち抜き形成されているため、バンドと接触する
コーナ部に面取り等の加工を施すことは事実上難しい。
しかも、前述のようにエレメントが1枚の板材により構
成されているため、エレメントを軽量化することができ
ない。このため、エレメントが無段変速機のプーリのと
ころに移動されると、エレメントは円軌道上を周回する
ことになるが、エレメントの重量、すなわち質量が大き
いと、エレメントにはその自重により大きな遠心力が作
用する。加えて、車両の加減速の際には、大きなイナー
シャが作用する。これらの過大な遠心力及びイナーシャ
は、応答性の悪化等につながり、無段変速機の円滑な動
作の障害になる。従って、エレメントが大重量である
と、これらの問題が顕在化する。
【0004】さらに、エレメントが1枚の板材により構
成されていると、プーリとの接触によりエレメントに過
大な負荷や力が作用した場合、エレメントが変形するこ
とはほとんどなく、その負荷や力を逃がすことができ
ず、エレメント、バンド及びプーリの損傷あるいは異常
摩耗の原因になった。この発明は、このような従来の技
術に存在する問題点に着目してなされたものである。そ
の目的とするところは、エレメントやプーリの損傷及び
異常摩耗を防止できるとともに、動力伝達において円滑
に動作させることができるようにする金属ベルト用エレ
メント、金属ベルト及び金属ベルトの組付方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、少なくとも駆動プー
リと被動プーリの環状溝間に掛け装される無端帯状をな
す金属製のバンドと、同環状溝と接するボディ部、同ボ
ディ部に立設され相対向する一対のピラー部及び同ピラ
ー部間に形成された前記バンドを挿通するためのバンド
挿入開口部とが形成され同バンドの延長方向に複数積層
配置される金属ベルト用エレメントとより構成した金属
ベルトにおいて、前記各エレメントは単体の線材にて折
り曲げ形成してなるとともに、同線材の断面形状を円
形、楕円形又は角部を円弧状に面取り加工した矩形断面
形状としたことをその要旨とする。請求項2に記載の発
明では、少なくとも駆動プーリと被動プーリの環状溝間
に掛け装される無端帯状をなす金属製のバンドと、同環
状溝と接するボディ部、同ボディ部に立設され相対向す
る一対のピラー部及び同ピラー部間に形成された前記バ
ンドを挿通するためのバンド挿入開口部とが形成され同
バンドの延長方向に複数積層配置される金属ベルト用エ
レメントとより構成した金属ベルトにおける同金属ベル
ト用エレメントにおいて、前記各エレメントは単体の線
材にて折り曲げ形成してなるとともに、同線材の断面形
状を円形、楕円形又は角部を円弧状に面取り加工したこ
とをその要旨とする。
【0006】請求項3に記載の発明では請求項1に記載
の発明の構成に加え、前記一対のピラー部は前記環状溝
に接していることをその要旨とする。請求項4に記載の
発明では請求項1又は3に記載の発明の構成に加え、バ
ンド挿入開口部には前記バンドに脱落防止体を重合配置
するようにしたことをその要旨とする。請求項5に記載
の発明では請求項4に記載の発明の構成に加え、前記脱
落防止体は透孔を有し、同透孔によって剛性を軽減して
撓曲可能な薄板状に構成したことをその要旨とする。請
求項6に記載の発明では、少なくとも駆動プーリと被動
プーリの環状溝間に掛け装される無端帯状をなす金属製
のバンドと、同環状溝と接するボディ部、同ボディ部に
立設されたピラー部、同ピラー部上端に形成されたヘッ
ド部及び同ピラー部の両側であって同ヘッド部とボディ
部とによって挟まれた前記バンドを挿通するためのスリ
ットが形成され同バンドの延長方向に複数積層配置され
る金属ベルト用エレメントとより構成した金属ベルトに
おいて、隣接する前記ボディ部同士を凹凸関係で係合す
るために同ボディ部又はヘッド部には凹凸部を曲げ加工
によって設けたことをその要旨とする。請求項7に記載
の発明では、少なくとも駆動プーリと被動プーリの環状
溝間に掛け装される無端帯状をなす金属製のバンドと、
同環状溝と接するボディ部、同ボディ部に立設されたピ
ラー部、同ピラー部上端に形成されたヘッド部及び同ピ
ラー部の両側であって同ヘッド部とボディ部とによって
挟まれた前記バンドを挿通するためのスリットが形成さ
れ同バンドの延長方向に複数積層配置される金属ベルト
用エレメントとより構成した金属ベルトにおける同金属
ベルト用エレメントにおいて、隣接する前記ボディ部同
士を凹凸関係で係合するために同ボディ部又はヘッド部
には凹凸部を曲げ加工によって設けたことをその要旨と
する。請求項8に記載の発明では請求項6に記載の発明
の構成に加え、前記各エレメントは単体の線材にて折り
曲げ形成してなるとともに、前記各エレメントのボディ
部の輪郭の内側には微少空間が形成されていることをそ
の要旨とする。請求項9に記載の発明では請求項6又は
8に記載の発明の構成に加え、前記凹凸部をは以下の
a)又はb)のいずれかであることをその要旨とする。 a)横幅が高さ方向に連続的に変化する。 b)横幅が高さ方向に連続的かつ直線的に変化する。 請求項10に記載の発明では請求項1、3〜6、8及び
9のいずれかに記載の発明の構成に加え前記ボディ部を
下方に向かって薄肉に形成したことをその要旨とする。
請求項11に記載の発明では請求項2又は7に記載の発
明の構成に加え前記ボディ部を下方に向かって薄肉に形
成したことをその要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明を自動車の無段変
速機において具体化した複数の実施の形態について、図
面に基づいて詳細に説明する。 (実施の形態1)実施の形態1を、図1〜図12に基づ
いて詳細に説明する。本実施の形態1において上下とは
図2又は図4における図の上下方向をいい、左右とは同
図における左右方向をいうものとする。また、前後とは
同図の紙面からみて手前方向と奧方向をそれぞれいうも
のとする。
【0008】図1及び図3に示すように、駆動軸11に
は駆動プーリ12が取り付けられ、その外周には略V字
状の環状溝13が形成されている。駆動軸11と対応す
る被動軸14には被動プーリ15が取り付けられ、その
外周には略V字状の環状溝16が形成されている。駆動
プーリ12及び被動プーリ15の各環状溝13,16間
には無端状をなす金属ベルト17が掛装され、駆動プー
リ12の回転が金属ベルト17を介して被動プーリ15
に伝達される。図2及び図3に示すように、この金属ベ
ルト17は、無端状の金属製のバンド18と、多数の金
属製のエレメント19と、バンド18よりやや幅広で、
かつ無端帯状をなす金属製脱落防止体20とにより構成
されている。前記エレメント19は、バンド18がその
内部を通るように、それらの長さ方向に相対滑り可能に
積層して配置される。バンド18は、複数の金属薄板を
板厚方向に積層重合して構成され、図8に示すように、
その両面またはいずれか一方の面には、サンドブラスト
あるいはショットピーニングによりサーフェスプロファ
イリングが形成され、このサーフェスプロファイリング
に潤滑油を保持して、バンド18と各エレメント19と
の間の摩擦抵抗が軽減される。
【0009】図4〜図6に示すように、前記各エレメン
ト19は、引き抜きにより形成された断面円形の金属線
材19aを所定長さに切断し、それをエレメント19の
形状に湾曲した後プレスしてなる左右対称をなす形状で
ある。図4及び図5(a)に示す2点鎖線は、プレス成
形前の形状を示す。さらに、エレメント19の外周面全
体には、バンド18の場合と同様に、サンドブラストあ
るいはショットピーニングによりサーフェスプロファイ
リングが形成され、このサーフェスプロファイリングに
潤滑油を保持して、各エレメント19間の摩擦抵抗が軽
減される。エレメント19の水平部分をなすボディ部3
1の両側上端部から上方へ鈎状部としてのピラー部32
が突出されており、それらの間に前記バンド18及び脱
落防止体20を収容するためのバンド挿入開口部として
の凹部30が形成されている。ピラー部32の各先端
は、内側に屈曲する折り曲げ部としての係合突起33と
されている。そして、この両係合突起33間に、バンド
18よりやや幅広で、かつ脱落防止体20よりやや幅狭
の開放部34が形成されている。エレメント19は、凹
部30においてバンド18に支持されている。
【0010】バンド18が載置されるボディ部31の肩
部35は、緩やかに上方へ膨らむ円弧状に形成され、バ
ンド18が左右に蛇行するのを防止する。従って、この
肩部35の上面がバンド18を載置するための載置面に
なる。前記エレメント19のボディ部31の一側面に
は、図4及び図5(a)の下方に向かって板厚が薄くな
る方向に傾斜する第1傾斜部36が、研磨加工により形
成されている。この第1傾斜部36は、図1および図2
に示すように、このエレメント19の列がプーリ12,
15の部分でプーリ12,15の外周に沿って湾曲する
のを許容する。前記ボディ部31の両側端には、図4の
下方に向かって収束する第2傾斜部37が研磨加工によ
り形成されている。図3に示すように、この第2傾斜部
37は前記両プーリ12,15の環状溝13,16の内
側面に係合する。
【0011】ボディ部31の中央には、プレス加工によ
り突起38が形成されている。その突起38の裏面側に
おいて、ボディ部31には凹部39が形成されている。
そして、隣接する各エレメント19の突起38と凹部3
9とは互いに嵌まり合い、各エレメント19が整列して
連結される。図7に示すように、脱落防止体20には、
複数の長孔40が透設され、その長孔40と隣接して小
孔40aが透設されている。長孔40は、脱落防止体2
0の等間隔をおいた複数の位置に複数対ずつ設けられて
いるが、脱落防止体20の全周に連続して設けてもよ
い。また、脱落防止体20の両面またはいずれか一方の
面には、サンドブラストあるいはショットピーニングに
よりサーフェスプロファイリングが形成され、潤滑油を
保持して、脱落防止体20と最外層のバンド18及び各
エレメント19との間の摩擦抵抗が軽減される。
【0012】脱落防止体20をバンド18の外周に嵌め
て、脱落防止体20の図7に示す幅広の通常状態から、
前記小孔40aに工具(図示しない)を引掛けて、その
工具により幅を狭めることにより、脱落防止体20を図
8及び図10に示す幅狭の撓曲状態とする。脱落防止体
20は、その撓曲状態でエレメント19の開放部34の
幅よりやや幅狭となっている。そして、図9に示すよう
に、エレメント19の開放部34を通してエレメント1
9をバンド18に支持して、次々とエレメント19を幅
広の方向へ順送りして、全部のエレメント19を通した
後、工具をはずす。この状態では、図11及び図12に
示すように、脱落防止体20は、エレメント19の側端
部が係合突起33に係合される幅広平板の状態に戻る。
この状態において、エレメント19のバンド18からの
脱落が防止されている。
【0013】次に、上記実施形態によって発揮される効
果について説明する。 (1−1)本実施形態においては、エレメント19に
は、バンド18の幅に対応した開放部34が設けられる
ため、エレメント19の軽量化が実現でき、金属ベルト
17全体が軽量になる(金属ベルト全体で20〜30%
の軽量化が可能になった)。このため、イナーシャが小
さくなり、加減速等にともなう応答性の向上が期待でき
る。しかも、エレメント19は、引き抜きされた線材に
より構成されているため、安価である。加えて、エレメ
ント19は断面円形をなす線材がプレス成形されたもの
であるため、板材を打ち抜きしたものとは異なり、角部
にエッジが立つことはない。このため、バンド18や脱
落防止体20にダメージを与えることがほとんどなく、
金属ベルト17としての耐久性を向上できる。また、エ
レメント19はその両側にピラー部32を有しているた
め、丈夫であり、破損のおそれはほとんどない。
【0014】(1−2)エレメントをバンドに支持した
状態で、エレメントが脱落しないように脱落防止の手段
を講じる必要があり、そのための構成として、従来いく
つかの手段が提案されている。すなわち、特開昭55−
100443号公報には、図24に示す構成が開示され
ている。図24に示す構成においては、バンド300に
係合するエレメント301の1つの凹部302が横方向
に向かって開放されている。また、特開昭62−351
36号公報においては、図25に示すように、エレメン
ト301の凹部302にバンド300を収容した後に、
凹部302の開放部に横材304を架設するようにした
構成が開示されている。しかし、図24の構成において
は、エレメント301が凹部302の側端の開放部から
脱落するおそれがある。図25の構成においては、エレ
メント301をバンド300に組み付けた後に、多数の
エレメント301に対して横材304を溶接などにより
架設する必要があって、エレメント301がそれほど大
きくないこともあり、困難な作業を強いられた。しか
も、各エレメント301に対して横材304を用意する
必要があり、部品点数が増えて構成が複雑になる。本実
施の形態1ではエレメント19の係合突起33と脱落防
止体20との係合によりエレメントの19の脱落を確実
に防止できる。また、エレメント19の脱落防止のため
に、1枚の脱落防止体20が設けられているだけである
から、例えば上記図25のようなエレメントごとに脱落
防止用の横材304を設けた従来構成とは異なり、構成
が複雑になることがない。 (1−3) 脱落防止体20の撓曲変形を利用して、バ
ンド18にエレメント19を支持するため、組付けがき
わめて容易である。 (1−4) 脱落防止体20にそれをを撓曲変形させる
ための長孔40及び小孔40aが形成されているため、
金属ベルト全体の軽量化に寄与できる。
【0015】(実施の形態2)実施の形態2を、図13
〜図17に基づいて詳細に説明する。本実施の形態2に
おいて上下とは図15における図の上下方向をいい、左
右とは同図における左右方向をいうものとする。また、
前後とは同図の紙面からみて手前方向と奧方向をそれぞ
れいうものとする。図13及び図15に示すように、駆
動軸111には駆動プーリ112が取り付けられ、その
外周にはほぼV字状の環状溝112aが形成されてい
る。駆動軸111と対応する被動軸113には被動プー
リ114が取り付けられ、その外周にはほぼV字状の環
状溝114aが形成されている。駆動プーリ112及び
被動プーリ114の環状溝112a,114a間には無
端状の金属ベルト115が掛装され、駆動軸111の回
転が駆動プーリ112、金属ベルト115及び被動プー
リ114を介して被動軸113に伝達される。
【0016】図14及び図15に示すように、前記金属
ベルト115は、金属製の左右一対のバンド116と、
両バンド116間においてそれらの長さ方向に相対滑り
可能に積層して配置された多数枚の金属製のエレメント
117とから構成されている。各バンド116は、金属
薄板よりなる複数の無端帯状体118を板厚方向に積層
重合して構成され、各無端帯状体118の両面またはい
ずれか一方の片面には、サーフェスプロファイリング1
18aが施されている。このサーフェスプロファイリン
グ118aは、例えば複数のローラを介して薄板状の無
端帯状体118を圧延成形する際に、いずれか1つのロ
ーラの周面に設けられたプロファイリング、すなわち凹
凸状の模様によって形成される。また、その他の方法と
しては、所定板厚に圧延された無端帯状体118に、サ
ンドブラストあるいはショットピーニングにて、微小な
断面ほぼ円弧状をなす多数の凹部を付与することにより
形成される。そして、このサーフェスプロファイリング
118aの形成によって、バンド116の各無端帯状体
118間、及びバンド116と各エレメント117との
間の接触面積が小さくなるとともに、サーフェスプロフ
ァイリング118aの凹部に潤滑油が保持される。この
ため、バンド116の各無端帯状体118間、及びバン
ド116と各エレメント117との間の摩擦抵抗が軽減
される。
【0017】図14〜図17に示すように、前記各エレ
メント117は、断面ほぼ矩形状をなす所定長さの線材
124を全体の輪郭が構成されるように曲げ加工して、
左右対称をなす形状に成形されている。エレメント11
7は線材124を所定長さに切断するとともに、それを
曲げ加工して得られる。この場合、図15に2点鎖線の
円150で示す突き合わせ部分は溶接により固着され
る。従って、線材124の内側には空間Sが形成されて
いる。線材124としては、例えば硬鋼線材等の鉄系金
属が用いられている。エレメント117の外周面全体に
は、サンドブラストあるいはショットピーニングにより
サーフェスプロファイリング117aが形成され、潤滑
油を保持して、各エレメント117間、及びバンド11
6と各エレメント117との間の摩擦抵抗が軽減され
る。
【0018】そして、このエレメント117には、ボデ
ィ部119及びヘッド部120がそれらの中央のピラー
部121を介して一体形成されている。従って、ヘッド
部120はボディ部119からピラー部121を介して
延長されている。ピラー部121両側には前記左右のバ
ンド116をそれぞれ通すための一対のスリット125
が形成されている。この両スリット125内を前記バン
ド116が通り、ヘッド部121は、バンド116の外
れを防止する。スリット125の下部に位置し、バンド
116を載置するためのボディ部119の肩部127
は、緩やかに膨らむ円弧状に形成され、バンド116が
左右に蛇行するのを防止する。従って、この肩部127
の上面がバンド116を載置するための載置面になる。
スリット125の上部に位置するヘッド部120の先端
部128は、上方へ円弧状に逃がしてあり、その先端部
128がバンド116の表面に点当たりするの防止す
る。
【0019】前記エレメント117のボディ部119の
一側面には、図16の下方に向かって板厚が薄くなる方
向に傾斜する第1傾斜部119aが形成されている。同
じくエレメント117のボディ部119の両側端には下
方へ向かって延出された第2傾斜部119bがそれぞれ
形成されており、この第2傾斜部119bは前記両プー
リ112,114の環状溝112a,114aの内面に
係合する。そして、前述のように、駆動プーリ112の
回転にともない、金属ベルト115が周回移動されて、
被動プーリ114に回転が伝達される。また、駆動側あ
るいは被動側のトルク変動による一方または双方のプー
リ112,114の環状溝112a,114aの幅が変
更された場合には、それに追随してエレメント117が
プーリ112,114の半径方向に移動する。前記ボデ
ィ部119の中央には、突起130が形成されている。
突起130の両側にはボディ119の上端部分において
最も幅広とされ下方に向かってテーパ状に狭まりボディ
119の下端部分において最も幅狭とされるテーパ面1
30aが形成されている。その突起130の裏面側には
同突起130の突出形状に対応した凹部131が形成さ
れている。そして、隣接する各エレメント117の突起
130と凹部131とは互いに嵌まり合い、エレメント
117の整列が崩れるのを防止する。
【0020】図17に示すように、前記線材124はそ
の四隅の角部123が円弧状に面取り加工されている。
このため、エレメント117の外周に角が立つことがな
く、切り立った角によりバンド116の表面やプーリ1
12,114の環状溝112a,114aの内面が損傷
されることはない。そして、エレメント117は図17
に示す断面形状の線材124を所定長さに切断するとと
もに、それを曲げ加工して得られる。線材124の両端
部は、ピラー部121において突き合わせられる。この
突き合わせ部は単なる突き合わせでもよく、また溶接に
より固定してもよい。前記線材124は押し出し加工、
すなわち冷間圧延によって得られる。従って、各角部1
23の円弧状面取りは、押し出しの際に同時形成される
とともに、線材124の全外周面が鏡面のような成形面
になる。
【0021】前記の実施形態によって期待できる効果に
ついて、以下に記載する。 (2−1)この実施形態のエレメント117は輪郭が線
材124により構成されている。従って、前述のように
線材124の角部123に対して押し出し成形と同時に
面取り加工を容易に施すことができる。このように、角
部123が円弧状に面取り加工されているため、バンド
116やプーリ112,114に傷がついたりするよう
なことを阻止でき、耐久性を向上できる。 (2−2)エレメント117は、輪郭のみが線材124
で構成され、内部には空間Sが形成されている。従っ
て、エレメント117自体、ひいては金属ベルト115
全体の軽量化が可能になる。このため、金属ベルト11
7のプーリ112,114の周回部分における遠心力
や、加減速にともなうイナーシャを低減でき、良好な応
答性と動力伝達において円滑な動作を得ることができ
る。 (2−3) エレメント117は外周輪郭が線材124
により構成されているため、エレメント117に過大な
負荷や力が作用した場合、例えば、プーリ112,11
4によりエレメント117の第2傾斜部119bに対し
て内方への圧力が加えられた場合、エレメント117は
それに応じて内方へわずかに撓む。このため、その負荷
や力を逃がして、プーリ112,114やエレメント1
17自体の損傷及び異常磨耗を防止できて、耐久性に優
れたものにすることができる。
【0022】(2−4) 線材124として断面ほぼ矩
形状をなすものを使用しているため、各エレメント11
7は線材124の相互の面接触によりバンド116の長
さ方向に沿って整然と積層され、振動や騒音を抑制し
て、動力伝達の効率を向上できる。 (2−5) エレメント117は、その外周面全体が切
断面ではなく、冷間圧延面である。従って、たとえ、エ
レメント117に対してサンドブラスト等の加工を施し
ても、フラットな面に凹部が形成されるだけであって、
切断面の場合とは異なり、表面のフラット性は損なわれ
ない。このため、各エレメント117間の面接触を確保
でき、効率的な動力伝達に寄与できる。 (2−6)肩部127が円弧状をなしているため、バン
ド116が蛇行するのを抑制でき、バンド116やエレ
メント117の損傷を防止できる。 (2−7)ヘッド部120の先端が円弧状に逃げている
ため、そのヘッド部120の先端128やバンド116
の損傷を防止できる。 (実施形態3)実施の形態3を図18〜図20に基づい
て説明する。本実施の形態3は実施の形態2の変形例で
ある。実施の形態3におけるヘッド120の先端部12
8は前方へ向かって湾曲している。従って、この実施の
形態3においては隣接するエレメント117間の先端部
128の重なりにより、エレメント117の整列を保持
できることとなる。
【0023】(実施形態4)実施の形態4を図21〜図
23に基づいて説明する。本実施の形態4は実施の形態
1の変形例である。実施の形態4における左右の突起5
5はプレス加工により形成されている。左右の突起55
はボディ部31の上端から下端にかけて逆ハの字となる
ように、すなわちエレメント19の周回面を含む平面Q
を境として鏡像の関係となるように対向して斜状に形成
されている。凹凸部45は上下方向に同幅で形成され、
その裏面側には凹部56が形成されている。更に、ボデ
ィ部31に上方から過大な加重がかかった場合には肩部
35はより穏やかな曲率となる方向に(つまり直線に近
く方向に)撓んで応力を軽減することができる。
【0024】(その他の実施形態) ・例えば実施の形態1のエレメント19の形状を種々変
更すること。例えば、軽量化を促進するため、ボディ部
31に貫通孔を形成してもよい。 ・実施の形態1の脱落防止体20は、その軽量化のため
の長孔40等が、図7の形状に限定されるものではな
く、単純な四角形状、菱形等、各種の形状を採用でき
る。 ・実施の形態1においてボディ部31に形成される突起
38は、隣接するエレメント19同士が脱落することな
く連結されて、金属ベルト17としての機能を維持でき
れば、その形状や大きさを問うものでなく、例えば、断
面四角形の突起であってもよい。なお、その場合、凹部
39は突起38の形状に対応した凹部形状に変更され
る。 ・実施の形態1において突起38及び凹部39はボディ
部31に形成されていた。これは、隣接するエレメント
19同士が脱落することなく連結されて、金属ベルト1
7としての機能を維持できれば、突起38及び凹部39
の形成位置を問うものでなく、ピラー部32に形成して
もよい。また、隣接するエレメント19同士の連結は、
突起38と凹部39との嵌合に限ることなく、例えば、
ボディ部31の下端部や係合突起33の先端部を、エレ
メント19同士の連結方向に反らせて、それらの係合で
おこなってもよい。 ・実施の形態1において脱落防止体20を撓曲させて、
エレメント19をバンド18に支持させたが、エレメン
ト19を斜めにして、脱落防止体20の一側縁を凹部3
0内に位置させ、次いで、その脱落防止体20の一側縁
を中心にエレメント19を回転させるようにして凹部3
0内にバンド18を収容してもよい。 ・各エレメント117において、前記各実施形態とは別
の位置にて線材124が隣接する部分で溶接を行うこ
と。 ・実施の形態2においてヘッド部120の先端部128
を図20において逆方向、すなわち後方に湾曲させるこ
と。
【0025】・線材31,124により構成した端部の
内側の空間S内に、振動吸収,吸音等を目的とした合成
樹脂材を充填すること。 ・エレメント19,117として2種以上の異なった金
属材料よりなるものを用意し、異種材料のものを隣接さ
せるように順に配置して構成すること。このように構成
すれば、隣接するエレメント19,117の固有振動数
が異なるため、振動や騒音を低減できる。 ・エレメント19,117として前記実施形態とは異な
る材質のもの、例えば硬鋼材以外の鉄系金属,ステンレ
ススチール等を用いること。 ・エレメント19,117のボディ部31,119の肩
部35,127や第2傾斜部37,119b上に、表面
硬化処理を施すこと。 ・エレメント19,117のボディ部31,119の肩
部35,127や第2傾斜部37,119b上に、超硬
度の金属粉末を散布するとともに加熱により溶融凝固さ
せて、超硬度合金層を形成するように構成すること。
【0026】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1〜3、6、
7、10及び11に記載の発明では、エレメントを、輪
郭を構成する外周部を線材により構成した。このため、
線材に対して押し出しや引き抜き成形により面取り加工
を容易に施すことができて、バンド等の損傷を防止でき
るとともに、1枚の板材で構成された場合とは異なり、
軽量化が可能である。また、エレメントに過大な負荷や
力が作用した場合、エレメントはそれに応じてわずかに
撓むことができ、その負荷や力を逃がして、プーリやエ
レメントの損傷及び異常摩耗を防止できる。さらに、エ
レメントの外周面を冷間圧延面にすることができ、表面
を鏡面状に仕上げて、接触面積を確保できる。特にプー
リの環状溝の内側面に接触するボディ部及びバンドを通
すためのスリット部に対して、従来の板材を打ち抜いた
エレメントのように微少量ずつ削り取る精密打ち抜きの
ような手間をかけなくても、容易に鏡面のようにするこ
とができ、効率的な動力伝達に寄与できる。更に、線材
として円形又は楕円形をなすものやを断面ほぼ矩形状を
なすものを使用したことにより、隣接する他のエレメン
トとの接触面積を確保でき、円滑な動力伝達に寄与でき
るとともに、円形又は楕円形では曲面のみで形成され角
部を有さず、断面ほぼ矩形状をなすものではコーナ部を
面取りしているためエレメントやベルト等の損傷を防止
でき、耐久性を向上することができる。
【0027】また、請求項1〜3に記載の発明ではエレ
メントの両側に立設部を有しているため丈夫であり、エ
レメントは破損しにくくなる。また、バンド挿入開口部
を設けたことによりバンドや脱落防止体の装着作業が簡
単になるとともに、バンド挿入開口部が形成されている
ことによって、エレメントの軽量化に寄与することとな
る。請求項4に記載の発明では、請求項1〜3に記載の
発明効果に加えエレメントの両側に立設部を有している
ため丈夫であり、エレメントは破損しにくくなる。ま
た、バンド挿入開口部を設けたことによりバンドや脱落
防止体の装着作業が簡単になるとともに、バンド挿入開
口部が形成されていることによって、エレメントの軽量
化に寄与することとなる。更に、脱落防止体はそれ自体
でバンドと同様の役割を果たす。請求項5に記載の発明
では、請求項4に記載の発明の効果に加え、脱落防止体
は透孔を有し、その透孔の部分で容易に撓曲可能になっ
ていることにより、透孔に工具を掛けて、脱落防止体を
容易に幅狭にすることができて、エレメントの組付け作
業が容易になる。請求項6又は7に記載の発明では上記
基本的効果に加え、ボディ部と、ピラー部を介してボデ
ィ部と一体形成されたヘッド部とを備え、エレメント
は、ピラー部の側部にはバンドを通すためのスリットを
形成したことにより、金属ベルト用として好適である。
更に、エレメントを整列状態に保持することができ、動
力伝達を円滑に行うことができる。請求項8に記載の発
明では請求項6又は7に記載の発明の効果に加え、線材
の内側に空間を形成したことにより、エレメントをさら
に軽量化でき、ひいては、金属ベルト全体を軽量化でき
る。請求項9に記載の発明では請求項6〜8のいずれか
に記載の発明の効果に加え、隣接するエレメント同士が
よりしっかりと嵌合される。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態1の金属ベルトを示す側面図。
【図2】 金属ベルトを示す一部側断面図。
【図3】 同じく金属ベルトを示す縦側面図。
【図4】 同じく金属ベルトを示す拡大縦側面図。
【図5】 同じく、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図6】 線材の断面図。
【図7】 脱落防止体を示す平面図。
【図8】 組み付け状態を示す平面図。
【図9】 組み付け状態を示す側面図。
【図10】 組み付け状態を示す縦断面図。
【図11】 組み付け終了状態を示す平面図。
【図12】 組み付け終了状態を示す縦断面図。
【図13】 実施の形態2の変速装置を示す側面図。
【図14】 実施の形態2の金属ベルトを示す部分平面
図。
【図15】 同じ金属ベルトのエレメントを示す縦断面
図。
【図16】 同じく側面図。
【図17】 線材の断面図。
【図18】 実施の形態3の金属ベルトのエレメントを
示す側面図。
【図19】 同じ金属ベルトの縦断面図。
【図20】 同じ金属ベルトのエレメントの平面図。
【図21】 実施の形態4のエレメントの正面図。
【図22】 同じく底面図。
【図23】 同じく側面図。
【図24】 従来のエレメントの正面図。
【図25】 従来のエレメントの正面図。
【符号の説明】 12,15…プーリ、17,115…金属ベルト、1
8,116…バンド、19,117…エレメント、19
a,124…線材、31,119…ボディ部、20…脱
落防止体、32…鈎状部としてのピラー部、33…折り
曲げ部としての係合突起、34…開放部としてのバンド
挿入開口部、37,119b…接触部としての第2傾斜
部、38,55…凹凸部としての突起、120…ヘッド
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平11−158892 (32)優先日 平成11年6月7日(1999.6.7) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−306964 (32)優先日 平成11年10月28日(1999.10.28) (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動プーリと被動プーリとの間に掛け装
    される無端帯状をなす金属製のバンドの延長方向に積層
    配置される金属ベルト用エレメントにおいて、 輪郭を形成する外周部を線材によって構成したことを特
    徴とする金属ベルト用エレメント。
  2. 【請求項2】 前記線材は円形又は楕円形の断面形状を
    有することを特徴とする請求項1に記載の金属ベルト用
    エレメント。
  3. 【請求項3】 前記線材は角部を弧状に面取りした矩形
    断面形状を有することを特徴とする請求項1に記載の金
    属ベルト用エレメント。
  4. 【請求項4】 前記プーリに形成された環状溝の内側面
    と接触部を介して接触するボディ部と、ピラー部を介し
    て一体成形されたヘッド部とを備え、同ピラー部の両側
    にはバンドを挿通するためのスリットを設けたことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属ベルト用
    エレメント。
  5. 【請求項5】 前記ボディ部における輪郭の内側には空
    間が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の
    金属ベルト用エレメント。
  6. 【請求項6】 隣接する前記ボディ部同士を凹凸関係で
    係合するために同ボディ部のピッチ線近傍に前記バンド
    の延長方向に凹凸する凹凸部を設けたことを特徴とする
    請求項4又は5に記載の金属ベルト用エレメント。
  7. 【請求項7】 隣接する前記ヘッド部同士を凹凸関係で
    係合するために同ヘッド部に前記バンドの延長方向に凹
    凸する凹凸部を設けたことを特徴とする請求項4又は5
    に記載の金属ベルト用エレメント。
  8. 【請求項8】 前記凹凸部は以下のa)又はb)のいず
    れかであることを特徴とする請求項6又は7に記載の金
    属ベルト。 a)横幅が高さ方向に連続的に変化する。 b)横幅が高さ方向に連続的かつ直線的に変化する。
  9. 【請求項9】 プーリに形成された環状溝の内側面に接
    触部を介して接触するボディ部と、同ボディ部の両側か
    らそれぞれ立ち上がる立設部と同立設部から内方に向か
    って延出形成された折り曲げ部とからなる対向配置され
    た一対の鈎状部とを備え、同ボディ部上面と両鈎状部と
    によって包囲されたバンド挿入開口部を形成したことを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載した金属ベル
    ト用エレメント。
  10. 【請求項10】 前記一対の立設部は外方に向かって拡
    開されていることを特徴とする請求項9に記載の金属ベ
    ルト用エレメント。
  11. 【請求項11】 前記ボディ部には前記バンドの延長方
    向に凹凸する凹凸部を設けたことを特徴とする請求項9
    又は10に記載の金属ベルト用エレメント。
  12. 【請求項12】 前記凹凸部は以下のa)又はb)のい
    ずれかであることを特徴とする請求項9〜11のいずれ
    かに記載の金属ベルト用エレメント。 a)横断面円形。 b)高さ方向に同幅で形成されるとともに、前記エレメ
    ントの周回面を含む平面に対して斜状に配置される。
  13. 【請求項13】 駆動プーリと被動プーリとの間に掛け
    装される無端帯状をなす金属製のバンドの延長方向に多
    数のエレメントを積層配置した金属ベルトにおいて、 前記エレメントの輪郭を形成する外周部を線材によって
    構成し、同エレメントは前記プーリに形成された環状溝
    の内側面に接触部を介して接触するボディ部と、同ボデ
    ィ部の両側からそれぞれ立ち上がる立設部と同立設部か
    ら内方に向かって延出形成された折り曲げ部とからなる
    対向配置された一対の鈎状部とを備え、同ボディ部上面
    と両鈎状部とによって包囲されたバンド挿入開口部を形
    成するとともに、同バンド挿入開口部内にバンドと脱落
    防止体を重合配置するようにしたことを特徴とする金属
    ベルト。
  14. 【請求項14】 前記脱落防止体は透孔を有し、同透孔
    によって剛性を軽減して撓曲可能な薄板状に構成したこ
    とを特徴とする請求項13に記載の金属ベルト。
  15. 【請求項15】 請求項1〜12に記載の金属ベルト用
    エレメントをバンドに係合した状態でバンドの長さ方向
    に積層配置したことを特徴とする金属ベルト。
  16. 【請求項16】 無端帯状をなす金属製のバンドの延長
    方向に多数のエレメントを積層配置した金属ベルトの組
    付方法において、 前記バンドに無端帯状をなす脱落防止体を重合し、その
    脱落防止体をその幅方向に撓曲させた状態で、請求項1
    〜14に記載の金属ベルト用エレメントをその凹部と連
    通する開放部からバンドに取り付け、撓曲が復元された
    状態の脱落防止体に前記開放部の両側縁に係合させる金
    属ベルトの組付方法。
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