JPH02277997A - 板金製の遠心羽根車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、金属板からなる車板と側板との間に、板厚
が軸方向に向いた金属板からなる複数の羽根を固着して
なるものであって、比速度の極めて小さい、すなわち高
速回転、小流量、高場程の気体又は液体を取扱う遠心形
流体機械における板金製の遠心羽根車に関する。

〔従来の技術〕

板金製の遠心羽根車であって羽根の軸方向長さの小さい
従来例として、実開昭５２−１０５１０３号及び実公昭
６３−２５３５５号に開示されたものがある。

前記文献Ｉには、羽根の板厚を円周方向に向けて突起部
をプロジェクション溶接するものと羽根の板厚を軸方向
に向けた板体とするものが示されているが、溶接等の固
着に先立って複数の羽根を車板又は側板に対して位置決
めする構造も方法も示されてないので、治具を使用して
羽根の位置決めをして固着するしかない。

文献２にも、羽根を車板、側板に溶接すると示されてい
て、位置決めする構造も方法も示されず、治具を使用す
るしかない。

これとは別に、板金製の遠心羽根車であって羽根の軸方
向長さの比較的大きい従来例として、特開昭６４−３３
００号及び特開昭６４−８３９５号に開示されたものが
ある。

文献３及び４には、円弧状に曲率を持つ羽根の板厚を円
周方向に向け、各羽根の軸方向の上下に設けた複数の突
起を車板、側板の孔に嵌合して上下の外側からかしめる
ものが示されている。文献３では突起を高段部と低段部
とにして、高段部のみをかしめることによってかしめ後
の突部をなるべく小さくして流体抵抗を減少させ、文献
４では、かしめ部を含めて樹脂層をコーティングして流
体抵抗を減少させようとしている。

〔発明が解決しようとする課題〕

前記の従来の技術において、文献ｌ及び２のものは、複
数の羽根を同時に位置決めする必要があり、かつ、フ“
ロジェクション？容接するものでは、複数の羽根と車板
と側板とを同時に位置決めしながら溶接するので、位置
決めと溶接作業とが困難であるという問題がある。

文献３及び４のものは、突起を孔に嵌合してからかしめ
るので位置決めの問題はない。しかし羽根に微小な複数
の突起を一体形成させる抜型は複雑である。しかも羽根
を円弧状に曲げる時に微小な突起を完全に同一曲率にす
ることは材料力学上からも困難であり、しかも円弧状に
曲げる型にバックリングを考慮しても曲率は一定しない
。したがって車板、側板の細長い短形状の孔は打抜き、
曲げ誤差を考慮して突起より大きくしなければならない
。そのため羽根の位置は正確ではなく、重心のアンバラ
ンスと流体的なアンバランスが生じやすく、高速回転用
又は流体用には適しない。

この発明の目的は、羽根の位置決め治具等を使用しない
で、複数の羽根全てが羽根車において正確な位置を維持
し、かつ固着作業が容易な板金製の遠心羽根車を提供す
ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

この発明１の板金製の遠心羽根車は、 金属板からなる車板と側板との間に、板厚が軸方向に向
いた金属板からなる複数の羽根を固着してなる板金製の
遠心羽根車において、 前記車板と前記側板との少くともいずれか一方と前記羽
根との間を、円形の２対以上の凹部と突起とで嵌合する
ものである。

発明２の板金製の遠心羽根車は、発明１において、 円形の２対以上の凹部と突起とに代えて、非円形の１対
以上の凹部と突起とにするものである。

発明３の板金製の遠心羽根車は、発明１又は発明２にお
いて、 車板と側板との他方と羽根との間を、凹部と突起とで嵌
合するものである。

発明４の板金製の遠心羽根車は、発明Ｉ、発明２又は発
明３において、 突起はせん断で設けられる柱状であり、四部はせん断で
設けられるものである。

発明５の板金製の遠心羽根車は、発明１、発明２又は発
明３において、 突起は羽根にせん断で設けられる柱状の突起であり、こ
の突起の高さはそれが嵌合する凹部を備えた車板又は側
板の厚さと同一とし、前記凹部はせん断で設けられる貫
通穴であるものである。

〔作用〕

発明１において、円形の一対の凹部と突起とでは、羽根
が円形のまわりに自由な位置を取り得るが、２対以上あ
るので位置は決まる。凹部と突起とは平板状の羽根及び
重板又は側板に設けるので、両者はプレス形によって正
確に位置ずけられる。

したがって最終的にスポット溶接のような公知の強固な
固着を行うまでの仮位置決めとなる。重板と側板とのい
ずれか一方に複数の羽根が仮付けされれば、前記一方と
他方とはそれらの中央部の穴又は外周を治具で同心状に
支持して固着すればよい。そのような治具は複数の羽根
を全て同時に位置決めする治具よりはるかに単純なもの
であり、その操作も簡単である。

同心状に支持する治具が例えば車板と側板との中央の穴
に挿通する軸状のマンドレルであり、固着が例えばスポ
ット溶接である場合には、溶接機にマンドレルを固定し
、そのまわりに羽根車を回転させながら溶接すれば、ス
ポットの半径位置が定まって好都合である。

発明２は発明１において四部と突起とが非円形なので、
１対あれば位置は決まる。

発明３は、羽根が車板と側板との双方に凹部と突起とに
よって仮位置決めされるので、その状態でハンドリング
して固着が可能であり、他方側は１対の円形の凹部と突
起でよく、発明１又は２のような同心に配置する治具を
要しない。

発明４は、せん断で設けられる柱状の突起は、せん断で
設けられる凹部に嵌合して、位置決めだけでなくそれ自
体充分な結合力を持っていて、最終的な固着までのハン
ドリングまで容易に外れず、作業性が更によい。

発明５は、凹部と突起は嵌合して充分な結合力を持って
作業性がよいだけでなく柱状の突起が貫通穴を丁度うめ
る寸法となり、車板又は側板の面が平らになり、この部
分の回転による流体損失や騒音の発生が無くなる。

〔実施例〕

第１図は実施例１の拡散分解断面図、 第２図は第１図の組立断面図、 第３図は第２図の裏面図であり、 第４図は実施例２の片側の拡散分解断面図、第５図は実
施例３の羽根の平面図、 第６図は第５図の■−■断面図、 第７図は第５図の■−■断面図であり、第８図は実施例
４の突起と凹部との断面図である。

第１図から第３図までにおいて、複数の金属製の平板か
らなる羽根１は車板２と側板３との間に位置し、重板２
側に突出する円形の２個の突起４ａ、４ｂと側板３側に
突出する円形の１個の突起５を形成している。これらの
突起４ａ、４ｂ、５はいわゆるせん断による切り起しで
あって平板をポンチとダイスで形成されるプレス押しの
突起であるが、羽根１の外形のプレス抜きと同時に形成
するとよい。

前記側板３、ボス２ａを持つ車板２も金属製の平板から
なり、突起４ａ、４ｂ、５に対向する位置に凹部６ａ、
６ｂ、７が形成されているが、これらの凹部も車板２、
側板３の内外形と同時にプレス型で形成するとよい。そ
の際、側板３のベルマウス３ａの絞り形成によって凹部
７が変形しないように公知のプレス技術に基いて考慮す
る。

第２図に示すように、羽根１の突起４ａ、４ｂを車板２
の凹部６ａ、６ｂに押し込めば、複数の羽根１は車板２
に対して正確な位置決めがされ、簡単には分解できなく
なる。その後に羽根１の突起５を側板３の凹部７に押し
込み、仮組立をする。

そしてこれらを例えばプロジェクション溶接機に持ち込
んで第３図に示すように溶接部８によって、複数の羽根
１、車板２、側板３を固着して羽根車を完成する。なお
円形の突起４ａ、４ｂ、５は母材からせん断されている
が母材に強く結合している。羽Ｉ１１を車板２に仮組す
る時には突起４ａ、４ｂの裏を押すのがよく、突起５に
対し、凹部７は少し大きくするとよい。突起と凹部は図
示のせん曲加工でなく第８図について後述するものでも
よいが、位置決めだけであって結合力はない。

羽根１、車板２又は側板３には溶接部８に対応するプロ
ジェクション溶接のためには小突起を設けるが図示しな
い。前記固着には、プロジェクション溶接のほかに、ス
ポット溶接、ろう接、接着材による接着又は圧接等が利
用できる。更に第２図に示すＡ及びＢの個所で羽根１の
ある外周を通常の溶接、電子ビーム溶接等によって固着
してもよい。その際、羽根１、重板２、側板３の外径寸
法をわずかに変えて形成されるＡ又はＢの隅肉部を溶接
してもよい。また、突起５、凹部７の位置に、羽根ｌ、
重板２、側板３を貫通するリベット孔を設はリベットで
固着してもよい。その際、各羽根１について２本以上の
リベットを使用してもよいが、そのようなものは羽根の
位置決めにリベット孔を利用できるので対をなすプレス
押しの突起と凹部の意味はなくなる。

発明５に係るが、突起４ａ、４ｂ、５の高さが凹部６ａ
、６ｂ５．７を持つ重板２及び側板３の板厚と同一とす
ると、完成した羽根車の両面が平らになり、樹脂コーテ
ィング等格別の処理をすることなく、回転による流体を
員失や騒音の発生が減少する。この効果は、比速度の小
さい高速回転の羽根車において著しい。なお、第２図に
示す、突起の裏の空間９は閉じた空間であって前記効果
に影響しない。

発明１に直接に係るが、前記実施例１において、突起５
と凹部７がなくても、羽根１は重板２に対して位置決め
されている。したがって固着の時に、例えばボス２ａと
ベルマウス３ａとに軸状のマンドレルを治具として挿通
し、仮組立した羽根車をマンドレルのまわりに回わしな
がら、例えばスポット溶接すればよく、マンドレルは溶
接の治具にもなる。

実施例２を示す第４図においては、羽根１の突起４ａの
裏の空間は、庇付の凹部４ｅ、４ｄとなり、側板３の突
起１０ａ、１０ｂが嵌合する。完成した羽根車は重板３
の側の面に突起１０ａのくぼみができるが、仮組立の時
に突起１０ａ、１０ｂの裏側から力を加えて羽根ｌ、重
板２、側板３を同時に仮組立することができる。この実
施例のものもせん断の凹部と突起に代り、第８図の構造
がとれる。

羽根１に凹部を、重板２又は側板３もしくは両者に突起
を設ける態様もある。

発明２に係り、実施例３を示す第５図から第７図までの
羽根ｌには、４角形の突起１１が形成され、その３辺は
せん断され、１辺は母材に斜面１１ａで連続している。

突起１１に対応する重板２又は側板３の凹部は図示しな
いが、突起１１に対応した形状とし、斜面１１ａに対応
する部分に少し隙間を設け、対辺に付き当てて位置決め
する。

この非円形の突起１１と凹部とは一対あれば、羽根ｌは
位置決めされる。なお、羽根車の比速度が掻めて小さく
、羽根１の幅（軸方向に計り、羽根ｌの素材の厚さに相
当する）が小さい場合には、前記連続する１辺１１ａが
、凹部に押し込まれる時の母材と突起との結合力を増す
ので具合が良い。

当然に、斜面１１ａを持たない非円形の突起でもよく、
１対で位置決めされる。

実施例４を示す第８図のように、突起１２と凹部１３と
がせん断加工でなく、小さな絞り加工でもよい。この場
合、位置決めができるが最終の固着までの結合力はない
。前記いずれの実施例の羽根も断面が背の低い台形をし
た長い板材から、（Ｉい方を羽根の内周側に、薄い方を
外周側にして打ち抜くような金属板の羽根とすることが
できる。

図示しないが、羽根１の全面の外形と同一の凹部を重板
２又は側板３もしくわ両者に設ければ、羽根の位置決め
ができる。この場合は羽根の外形そのものが突部である
。

その際、車板又は側板の外周辺部であって、羽根と羽根
との間の流路に相当する部分を外周に向って緩やかな斜
面で流路４ｊｌｊｌに押し出すことによって結果的に前
記凹部を形成してもよい。この凹部は重板又は側板の全
体の平面を維持することになる。この構造又は前記台形
の板材からなる羽根を用いた構造によれば、流路の幅（
軸方向の寸法）が外周に向けて少さくなり、羽根車設計
の基本原理に適合する。位置決めは開方向のみであるか
ら外周から押える必要があるが、′これは簡単な治具で
あり、一対の凹部と突起を採用してもよいし、それらが
せん断加工によるものでもよい。

（発明の効果） この発明鮮の板金製の遠心羽根車は、 金属板からなる重板と側板との間に、板厚が軸方向に向
いた金属板からなる複数の羽根を固着してなる板金製の
遠心羽根車において、 複数の羽根を車板又は側板とを、凹と突起とで嵌合する
ようにしたので、羽根車における各羽根の位置決めが極
めて正確になり、位置決め後の固着作業が行いやすくな
るという効果があり、特に比速度の小さい、高速回転で
薄い羽根車に通用してバランスが良（、特性のばらつき
を少なくできるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例１の拡散分解断面図、 第２図は第１図の組立断面図、 第３図は第２図の裏面図であり、 第４図は実施例２の片側の拡散分解断面図、第５図は実
施例３の羽根の平面図、 第６図は第５図のＶｌ−Ｖ［断面図、 第７図は第５図の■−■断面図であり、第８図は実施例
４の突起と凹部との断面図である。 Ｉ・・・羽根、２・・・車板、３・・・側板、４ａ、４
ｂ５．１０ａ、１０ｂ、１１．１２・・・突起、４ｃ４
ｄ・　６°・　６ｂ・　７・　１３−°°凹部・　　　
　　　　、てり代理人弁理士　山　口　　巌　　、Ｃ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）金属板からなる車板と側板との間に、板厚が軸方向
   に向いた金属板からなる複数の羽根を固着してなる板金
   製の遠心羽根車において、 前記車板と前記側板との少くともいずれか一方と前記羽
   根との間を、円形の２対以上の凹部と突起とで嵌合する
   ことを特徴とする板金製の遠心羽根車。 ２）請求項１記載の板金製の遠心羽根車において、 円形の２対以上の凹部と突起とに代えて、非円形の１対
   以上の凹部と突起とにすることを特徴とする板金製の遠
   心羽根車。 ３）請求項１又は請求項２記載の板金製の遠心羽根車に
   おいて、 車板と側板との他方と羽根との間を、凹部と突起とで嵌
   合することを特徴とする板金製の遠心羽根車。 ４）請求項１、請求項２又は請求項３記載の板金製の遠
   心羽根車において、 突起はせん断で設けられる柱状であり、凹部はせん断で
   設けられることを特徴とする板金製の遠心羽根車。 ５）請求項１、請求項２又は請求項３記載の板金製の遠
   心羽根車において、 突起は羽根にせん断で設けられる柱状の突起であり、こ
   の突起の高さはそれが嵌合する凹部を備えた車板又は側
   板の厚さと同一とし、前記凹部はせん断で設けられる貫
   通穴であることを特徴とする板金製の遠心羽根車。