JPH05236701A - 車両用交流発電機通風冷却用ファンおよびその製造方法 - Google Patents

車両用交流発電機通風冷却用ファンおよびその製造方法

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JPH05236701A
JPH05236701A JP10425592A JP10425592A JPH05236701A JP H05236701 A JPH05236701 A JP H05236701A JP 10425592 A JP10425592 A JP 10425592A JP 10425592 A JP10425592 A JP 10425592A JP H05236701 A JPH05236701 A JP H05236701A
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Toshinori Tanaka
俊則 田中
Kazuo Matsunaga
和男 松永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両用交流発電機内に取付けられる通風冷却
ファンにおいて、ブラケットの吸気孔から外気を取り入
れ、排気孔から排出する際の風音の発生防止を図ると共
に当該通風冷却ファンの製造においては生産性の向上を
図る。 【構成】 車両用交流発電機の吸気孔および排気孔を有
するブラケット内に配置される通風冷却ファンにおい
て、羽根30aの外端縁にプロジェクション溶接用の突
起30dを形成し、この外端縁に環状の側板31を配置
して上下から一組の電極40,41で加圧通電し、前記
側板31を羽根30aの外端に取付けたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用交流発電機通風冷
却用ファンおよびその製造方法に関し、更に詳細には車
両用交流発電機における磁極鉄心の端部に取付けられる
所謂軸流形の通風冷却用ファンの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の車両用交流発電機の縦断面
図を示す。図において、1は固定子で、固定子鉄心2と
固定子コイル3とからなる。4は回転子で、異極性の磁
極鉄心5及び6の双方の磁極歯部5a及び6aが円周方
向に交互に出されて構成されている。7は双方の磁極鉄
心5,6間に保持された励磁コイル、8は磁極鉄心5,
6を固着した回転軸、9は回転軸8に絶縁スリーブを介
し固定された一対のスリップリング、10及び11は磁
極鉄心5及び6の端部に固定された前ファン及び後ファ
ンである。
【0003】一方、12及び13は前ブラケット及び後
ブラケットで、締付けボルト14により固定子鉄心2を
結合している。前ブラケット12には通風のため、端部
に複数の吸気孔12aと、外周部に複数の排気孔12b
とが設けられている。また、後ブラケット13には通風
のため、端部に複数の吸気孔13aと、外周部に複数の
排気孔13bとが設けられている。回転軸8は軸受15
及び16を介し、前ブラケット12及び後ブラケット1
3に支持されている。17は回転軸8に固定されたプー
リで、機関の回転がベルトを介し伝えられ、回転子4を
回転させる。
【0004】18は固定子コイル3に誘導された交流電
圧を直流電圧に整流して出力する整流器、19は整流器
出力電圧を検出し、励磁電流を制御し端子電圧を所定値
に調整する電圧調整器である。20はブラシ保持器で、
保持したブラシ21をスリップリング9に圧接させ励磁
電流を通じる。
【0005】このような交流発電機において、回転子4
が回転されると、固定子コイル3に交流電圧が誘導され
電力を供給し発熱するが、前ファン10及び後ファン1
1の回転による通風で、固定子1と回転子4は冷却され
る。
【0006】すなわち、前ファン10の回転による冷却
風は、矢印Aのように、前ブラケット12の吸気孔12
aから吸入され、固定子1を冷却し排気孔12bから排
出される。後ファン11の回転による冷却風は、矢印B
のように、後ブラケット13の吸気孔13aから吸入さ
れ、整流器18、電圧調整器19、図示しない集電装置
部、固定子1を冷却し、排気孔13bから排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の車両用交流発電機では、前ファン10の羽根10a
及び後ファン11の羽根11aの対向する前ブラケット
12及び後ブラケット13の面には凹凸があり、このた
め風の抵抗により風音が高くなり騒音が大きくなるとい
う問題点があった。
【0008】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解
消するためになされたもので、ファンの風音を低減する
ようにした車両用交流発電機通風冷却用ファンを提供す
ると共にこの通風冷却用ファンを生産性よく製造する製
造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ブラケット内
に配置された回転子と共に回転して外気を前記ブラケッ
トに形成された吸気孔から取り込み且つ前記ブラケット
に形成された排気孔から排出して冷却する車両用交流発
電機の冷却用ファンにおいて、プレートの周囲縁より一
表面側に立設して周方向に配列された複数の羽根と、前
記プレートとは反対側の前記羽根の外端に配置され、周
方向に配列された前記各羽根の端縁に固着された環状の
側板とから構成されていることを特徴とする。
【0010】更に、本発明は、ブラケット内に配置され
た回転子と共に回転して外気を前記ブラケットに形成さ
れた吸気孔から取り込み且つ前記ブラケットに形成され
た排気孔から排出して冷却する車両用交流発電機の通風
冷却用ファン製造方法において、プレートによって支持
され且つ周方向に配列された複数の羽根の前記プレート
とは反対側の外端縁に溶接用突起を形成するか又は前記
羽根の外端に配置され、前記各羽根の端縁に固着される
環状の側板に円周状の溶接用突起を形成すること、前記
プレートに複数の羽根を支持してなるファン本体を一方
の電極上に乗せ、前記ファン本体の前記各羽根外端縁上
に前記側板を乗せること、次いで前記側板上に他方の電
極を乗せ、前記両電極に通電すると共に前記ファン本体
と前記側板を加圧して前記側板を前記各羽根外端縁にプ
ロジェクション溶接することから構成されている。
【0011】
【作用】本発明の車両用交流発電機の通風冷却用ファン
によると、側板の平滑な外側面が吸気孔による凹凸に対
応するため、各羽根がこのような凹凸部を順次横切って
通過する場合と違って風の抵抗が小さく、風音の発生が
抑えられて騒音が小さくなる。
【0012】また、本発明の車両用交流発電機の通風冷
却用ファン製造方法によると、各羽根の外端縁にプロジ
ェクション溶接用突起を形成するか若しくは側板にプロ
ジェクション溶接用突起を円形状に形成することによっ
て、各羽根と側板とを上下一組の電極とでプロジェクシ
ョン溶接する際の加圧時に溶接用突起に及ぼされる作用
力が各羽根それ自体の軸線上に位置することとなるた
め、いずれか一方の電極として単なる環状の一体型電極
を用いることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の車両用交流発電機の通風冷却
用ファンおよびその製造方法を図に示される実施例につ
いて更に詳細に説明する。図1は本発明の冷却用ファン
が取付けられた車両用交流発電機の縦断面図で、図10
と同一部分には同じ符号を付して重複する説明は省略す
る。30は磁極鉄心5の端部に固着された前ファンで、
各羽根30aの外端部には環状の側板31が溶接により
固着されている。32は磁極鉄心6の端部に固着された
後ファンで、同じく各羽根32aの外端部に環状の側板
33が溶接により固着されている。
【0014】図2および図3はそれぞれ前ファン30お
よび後ファン32の正面図である。図2および図3から
明らかなように、前ファン30も後ファン32も基本的
には同じであって、円形状のプレート30b,30dの
周囲縁より一表面側に立設して周方向に配列された複数
の羽根30a,32aを備えてなるファン本体34,3
5を含む。
【0015】このようなファン本体34,35におい
て、プレート30b,32dと反対側の外端には環状の
側板31,33が配置され、この側板は各羽根30a,
32aの端縁に溶接により固着されている。なお、後フ
ァン32を示す図3において、符号32bはプレート3
2dにプレスによって形成された補強リブ、32cはプ
レート32dの裏面側に励磁コイル7の接続線を通すた
めの突状部をそれぞれ示している。後ファン32のプレ
ート32dに形成されたこのような補強リブ32bは前
ファン30のプレート30bにも形成しておくことが好
ましい。
【0016】ここで固定子鉄心2の直径が135mmで
16極、前ファン30の羽根30aの数が11枚で側板
31の内径が84mm、後ファン32の羽根32aの数
が13枚で側板33の内径が81mmの三相交流発電機
の場合、実測結果では、側板なしの場合に対し、風量は
1.3倍増大した。また、風音は12000〜1800
0r/minにおいて約3db低下した。
【0017】次に、前述した車両用交流発電機の通風冷
却用ファンの製造方法について説明する。この通風冷却
用ファンとしては先に説明したように前ファン30と後
ファン32との2つが設けられているが、説明の便宜
上、前ファン30を製造する場合について説明する。最
初に、例えば鉄板のような板材から図4に示されるよう
な星形の基板36をプレスなどで打ち抜く。この基板3
6は、プレート30bとなる円形板部分36aの周縁に
等間隔で形成された三角形状連接部36bを備えてい
る。
【0018】この三角形状の連接部36bの一辺は円形
板部分36aの周縁に連接し、他の一辺は径方向に沿っ
て周縁より外方に伸長し、この連接部36bには更に径
方向に沿う一辺に連接して周方向に張り出した矩形状の
板部分36cが形成されている。この矩形状の板部分3
6cは将来羽根として形成されるもので、三角形状連接
部36bと連接する一辺とは反対側の辺部分適所にプロ
ジェクション溶接用の突起36dが形成されている。
【0019】次いで、この矩形状板部分36cは図5に
示されるように三角状連接部36bとの連接辺位置で板
部分36aの一表面側に折り曲げられ、図6に示される
ように板部分36aの表面に対してほぼ垂直に立設させ
られる。これによりプレート30bの周囲縁より一表面
側に立設し且つ周方向に配列された複数の羽根30aを
備えるファン本体34が完成し、各羽根30aに形成し
たプロジェクション溶接用の突起36dはプレート30
b側とは反対の羽根30a外端縁に位置していることと
なる。
【0020】このようにして形成されたファン本体34
は、図7に示されるように環状一体型下部電極40の上
部平坦面上に乗せられ、次いで、各羽根30aの外端縁
上に環状の側板31が乗せられる。この時、側板31は
実質的には図8に示されるように各羽根30の外端縁に
形成されているプロジェクション溶接用の突起36d上
に乗っていることになる。その後、この側板31の上に
は上部電極41が乗せられ、両電極40,41に通電す
ると共にこの2つの電極によって側板31が各羽根30
aの外端縁に加圧され、これにより、側板31は各羽根
30a外端縁にプロジェクション溶接される。
【0021】このように各羽根30aの外端縁に直接プ
ロジェクション溶接用の突起36dを形成することによ
り、上部電極41と下部電極40とで各羽根30aと側
板31とを加圧即ち圧着する時の押し付け力は各羽根3
0aの垂直面と同位置にあるため各羽根30aをプレー
ト側から支持するだけで、この押し付け作用を効果ある
ものとすることができ、その結果下部電極として図7に
示されるような上部が平坦な一体型のものを用いること
ができる。
【0022】なお、前述した実施例の通風冷却ファン製
造方法では、プロジェクション溶接用の突起36dを各
羽根30aの外端縁に形成したが、図9に示されるよう
に側板31の羽根との当接側の面に突出する突出部31
aを側板31の形状に沿って環状に形成し、各羽根30
aの外端縁を平坦にしておいても同様な効果を奏する。
【0023】更に、前述した実施例ではファン本体34
を下部電極40である環状一体型電極の上部平坦面に乗
せ、このファン本体34上に側板31に乗せてその上か
ら上部電極41をあてて加圧したが、このような環状一
体型電極を上部電極として使用することができることは
言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両用交
流発電機の冷却用ファンによれば、ファン本体における
羽根の外端部に環状の側板を固着するようにしたので、
側板の平滑な外側面が吸気孔による凹凸に対応し、従っ
て冷却用ファンによる風の抵抗も小さくなり風音による
騒音を小さくすることができる。
【0025】また、本発明の車両用交流発電機の通風冷
却ファンの製造方法によれば、側板と各羽根とをプロジ
ェクション溶接する時の下部電極に一体型電極を使用す
ることができるため、電極と溶接部との間の円周方向の
位置決めが不要となり、生産性を向上させることができ
る。また、電極の共用化も可能となる上、電極自体の寿
命も延びるため経済性も向上し、電極の製作や再研磨等
も容易に且つ正確に行なうことができることから常に均
一な溶接が得られるなど多大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る通風冷却用ファンを設
置した車両用交流発電機の断面図である。
【図2】図1に示される車両用交流発電機に取付けられ
た本発明の一実施例に係る通風冷却用の前ファンを示す
正面図である。
【図3】図1に示される車両用交流発電機に取付けられ
た本発明の一実施例に係る通風冷却用の後ファンを示す
正面図である。
【図4】本発明の通風冷却用ファンを形成する時鉄板か
ら打ち抜かれた基板を示す正面図である。
【図5】図4に示される基板に羽根を形成するため相当
部分を折り曲げ形成する状態を示す基板の斜視図であ
る。
【図6】図4に示される基板を加工して形成されたファ
ン本体を示す斜視図である。
【図7】図6に示されるファン本体に側板を配置し、上
下から一組の電極でプロジェクション溶接する際の相互
の配置状態を示す斜視図である。
【図8】図7に示されるファン本体と側板との関係を一
部拡大して詳細に示す部分的な斜視図である。
【図9】本発明の他の実施例に係る通風冷却用ファンの
一部を拡大して詳細に示す図8と同様な斜視図である。
【図10】従来の通風冷却用ファンが設けられた車両用
交流発電機の断面図である。
【符号の説明】
12 前ブラケット 12a 吸気孔 12b 排気孔 13 後ブラケット 13a 吸気孔 13b 排気孔 30 前ファン 30a 羽根 30b プレート 31 側板 32 後ファン 32a 羽根 32b プレート 33 側板 34 ファン本体 35 ファン本体 36 基板 36d 突起 40 下部電極 41 上部電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラケット内に配置された回転子と共に
    回転して外気を前記ブラケットに形成された吸気孔から
    取り込み且つ前記ブラケットに形成された排気孔から排
    出して冷却する車両用交流発電機の通風冷却用ファンに
    おいて、プレートの周囲縁より一表面側に立設して周方
    向に配列された複数の羽根と、前記プレートとは反対側
    の前記羽根の外端に配置され、周方向に配列された前記
    各羽根の端縁に固着された環状の側板とからなる車両用
    交流発電機通風冷却用ファン。
  2. 【請求項2】 ブラケット内に配置された回転子と共に
    回転して外気を前記ブラケットに形成された吸気孔から
    取り込み且つ前記ブラケットに形成された排気孔から排
    出して冷却する車両用交流発電機の通風冷却用ファン製
    造方法において、プレートによって支持され且つ周方向
    に配列された複数の羽根の前記プレートとは反対側の外
    端縁に溶接用突起を形成するか又は前記羽根の外端に配
    置され、前記各羽根の端縁に固着される環状の側板に円
    周状の溶接用突起を形成すること、前記プレートに複数
    の羽根を支持してなるファン本体を一方の電極上に乗
    せ、前記ファン本体の前記各羽根外端縁上に前記側板を
    乗せること、次いで前記側板上に他方の電極を乗せ、前
    記両電極に通電すると共に前記ファン本体と前記側板を
    加圧して前記側板を前記各羽根外端縁にプロジェクショ
    ン溶接することからなる車両用交流発電機通風冷却用フ
    ァンの製造方法。
JP4104255A 1991-10-15 1992-04-23 車両用交流発電機通風冷却用ファンおよびその製造方法 Expired - Lifetime JP2694887B2 (ja)

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KR20010095029A (ko) * 2000-03-30 2001-11-03 다니구찌 이찌로오, 기타오카 다카시 차량용 교류발전기
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