JP2001192593A - ゴルフボール用インク及びこれを用いた印刷方法及びゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール用インク及びこれを用いた印刷方法及びゴルフボール

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JP2001192593A
JP2001192593A JP2000006336A JP2000006336A JP2001192593A JP 2001192593 A JP2001192593 A JP 2001192593A JP 2000006336 A JP2000006336 A JP 2000006336A JP 2000006336 A JP2000006336 A JP 2000006336A JP 2001192593 A JP2001192593 A JP 2001192593A
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mark
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resin
ball
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Kazuhiko Isogawa
一彦 五十川
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マークの印刷に際して下塗を必要とせず、ア
イオノマー等からなるカバー又はボール表面に直接印刷
して、透け、滲みがない美しいマークを印刷できるとと
もに、ゴルフクラブによる繰り返し打撃やバンカーショ
ット等によってもマークは残っていることができる耐衝
撃性、耐擦傷性に優れたマークを印刷できるゴルフボー
ル用印刷インクを提供する。 【解決手段】 本発明のインクは、ビニル樹脂、アクリ
ル系樹脂及び着色剤を含む。本発明の印刷方法は、ボー
ル本体表面を研磨により粗面化する工程;該粗面化され
たボール本体表面に、当該インクを用いてパッド印刷に
より印字する工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パッド印刷に好適
なゴルフボール用インクに関するもので、ボール本体の
下塗を必要とせずにマーク等を印刷することができ、し
かも印刷時の印刷作業性、さらにはクリアーペイントの
はじきもなく、ボール本体及びマーク表面にクリアーコ
ートを形成することができるゴルフボール用インク及び
当該インクを用いてマークを印刷する方法、及び当該イ
ンクを用いて耐久性に優れたマークが印刷されたゴルフ
ボールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴルフボールには、商標やその他の識別
表示などを印刷している。従来、ゴルフボールへのマー
ク等の印刷は、表面に白色ペイントの塗布という前処理
を行なった後、マークを印刷し、次に、外観や耐久性向
上のためにクリアーペイントを塗布していた。
【0003】しかし、近年、塗装工程簡略化の要求か
ら、白色顔料を含有したアイオノマーでカバーを構成
し、そのカバー表面に直接印字することが検討されてい
る。例えば、特開平5−112746号公報に、ニトロ
セルロースを含有するインクが開示されている。このイ
ンクは、下塗処理をすることなく直接カバー表面に印字
でき、しかも仕上げ用のクリアー塗装工程へのボールの
移送中に隣のボールと接触しても、インクが他のボール
に転写することを防止できるというものである。
【0004】しかし、このインクは、未だアイオノマー
カバーとの密着性が十分とは言えないため、ゴルフクラ
ブでの繰り返し打撃やバンカーショットなどにより、ク
リアー塗膜が剥がれた場合、印字部分がクリアー塗膜に
付着して剥がれてしまう場合があり、印刷されたマーク
の耐久性が十分とは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、耐衝撃
性、耐擦傷性に優れたインクとして、基材樹脂がビニル
樹脂であるインクを発明し、出願した。しかしビニル樹
脂は、一般に粘度が高いため、パッド印刷の場合、以下
のような問題がある。
【0006】ここで、パッド印刷は、一般に図1に示す
ような工程を経て行われる。図1(a)はパッド印刷に
用いられる金型1とインク収納部3を表わしている。金
型1の上面には、マーク形状の凹部2が凹設されてお
り、インク収納部3は、金型1のうち凹部2が設けられ
ていない平滑な部分に載置されている。インク収納部3
の中には、インク4とインクを攪拌するためのボール5
が収納されている。印刷にあたり、まずボール5がイン
ク収納部3内を攪拌しつつ、インク収納部3を金型1の
平滑部分からマークの凹部2に移動させる(図1
(b))。その後、インク収納部3を金型1の元の平滑
部分に戻すと、凹部2内にインクが充填される。凹部2
に充填されたインクは6で示されている(図1
(c))。次に、パッド10をインク6が充填された凹
部2に押し付けると(図1(d))、凹部2内のインク
6がパッド10表面に転移して、パッド10表面にマー
ク形状をしたインク6′が付着する(図1(e)参
照)。このようにマーク形状のインク6′が付着したパ
ッド10をゴルフボール11に押し付けた(図1(f)
参照)後、パッド10とゴルフボール11を離すとゴル
フボール11表面に、マーク形状したインク6”が転移
する(図1(g)参照)。すなわち、ゴルフボール11
表面にマークが印刷されることになる。
【0007】しかしながら、ビニル樹脂を基材樹脂とし
た高粘度のインクでは、印刷後、パッド10をゴルフボ
ール11表面から引き離すときに、インク6”とパッド
10との間で、糸13を引いたような状態となりやす
い。そして、糸部分が切れて、パッド10側に付着した
場合、パッド10の付着部分が印刷されたマークの欠け
となる。インクに配合する溶剤量を増大することによ
り、粘度を低下させ、糸引きを防止する方法も考えられ
るが、形成されたマークが透けてしまったり、ボール本
体表面に印刷されたインクが乾燥する前に滲んでしまう
など外観不良の原因となる。また、溶剤の含有量を増大
させることは、インクの乾燥時間を長くすることにな
り、生産性低下という新たな問題を引き起こす。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、マークの印刷に
際して下塗を必要とせず、アイオノマー等からなるカバ
ー又はボール表面に直接印刷して、透け、滲みがない美
しいマークを印刷できるとともに、ゴルフクラブによる
繰り返し打撃やバンカーショット等によってもマークは
残っていることができる耐衝撃性、耐擦傷性に優れたマ
ークを印刷できるゴルフボール用印刷インク及び当該イ
ンクを用いてマークを印刷したゴルフボールを提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のゴルフボール用
インクは、ゴルフボール表面に印刷するためのインクで
あって、ビニル樹脂、アクリル系樹脂、及び着色剤を含
むことを特徴とする。
【0010】インク100質量部あたり、前記アクリル
系樹脂とビニル樹脂の含有総量は10〜50質量部であ
ることが好ましい。
【0011】本発明のゴルフボールは、ボール本体と、
該ボール本体に、上記本発明のインクを用いて印刷され
たマークと、該ボール本体表面及び該マークの表面を被
覆するクリアーコートとを含む。
【0012】本発明のゴルフボールの印刷方法は、ボー
ル本体表面を研磨により粗面化する工程;該粗面化され
たボール本体表面に、上記本発明のインクを用いてパッ
ド印刷により印字する工程を含む。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のインクは、樹脂組成物ま
たはゴム組成物からなるゴルフボール表面に絵柄、マー
ク、文字等を印刷するためのインクであって、少なくと
もビニル樹脂、アクリル系樹脂、及び着色剤を含んでい
る。
【0014】ビニル樹脂とは、インクの塗膜構成要素と
して含有されるもので、ビニル基を有するモノマーのビ
ニル重合によって合成される樹脂である。具体的には、
ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアセタール、ポリビニルメチルエーテル
などのホモポリマー;塩化ビニル、ビニルアルコール、
酢酸ビニル、ビニルアセタール、及びビニルメチルエー
テルからなる群より選ばれる2種以上の化合物を共重合
してなるコポリマー;あるいはこれらの混合物が挙げら
れる。以上のようなビニル樹脂は、マークの耐擦傷性、
耐衝撃性が優れているにも拘わらず、粘度が高く、印刷
時に糸引きが起こりやすい樹脂の1種であるが、後述す
るように、アクリル系樹脂を併用することにより糸引き
を防止できるので、効果的である。ビニル樹脂のうち、
アミノ基や水酸基、ハロゲン、カルボキシル基等の官能
基を有するビニル樹脂が好ましく用いられ、より好まし
くは水酸基を有するビニル樹脂である。後述する硬化剤
と反応して迅速に硬化できるとともに、網状構造を形成
するように硬化して、耐擦傷性に優れたマークを形成で
きるからである。
【0015】ビニル樹脂の質量平均分子量は、1600
0〜20000程度が好ましい。
【0016】アクリル系樹脂とは、モノマー単位とし
て、アクリル酸またはメタクリル酸(以下、これらを区
別しない場合には「(メタ)アクリル酸」と総称する)
又はこれらの誘導体を含んでいる樹脂で、具体的には、
アクリルポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル酸樹
脂、熱可塑性アクリル系樹脂、熱硬化性アクリル系
樹脂、アクリルシリコン樹脂が挙げられる。このよう
なアクリル系樹脂は、ビニル樹脂配合によるインクの糸
引きを防止することができる。これらの中でも、マーク
上に塗布されるクリアーペイントの密着性制御及び耐久
性の点から最終的にアクリルポリウレタン樹脂が好まし
く用いられる。
【0017】アクリルポリウレタン樹脂はアクリルポ
リオールとイソシアネートを含む2液硬化型アクリル系
樹脂であって、アクリルポリオールを含む主剤とイソシ
アネートを含む硬化剤とを印刷前に混合し、アクリルポ
リオールのOH基とイソシアネート基(NCO基)との
間で付加反応を起こさせてウレタン結合を形成するもの
である。アクリルポリオールは、(メタ)アクリル酸及
びその誘導体の水素基をOH基に置換した化合物であ
る。
【0018】使用できる前記イソシアネートとしては、
2以上のイソシアネート基を有するものがよく、例えば
ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシ
アネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネートなどの脂肪族、脂環族、芳香
族、芳香脂肪族ジイソシアネート化合物などを挙げるこ
とができ、これらイソシアネートは単独で使用してもよ
く、2種以上を混合して使用してもよい。このなかでも
マーク上に塗布されるクリアーペイントとの密着性及び
耐久性の点からヘキサメチレンジイソシアネートが好適
に使用できる。
【0019】NCO基とOH基の比率(NCO/OH)
は、必要とする硬化速度や耐久性などから適宜決定すれ
ばよく、例えば0.5〜2.0の範囲が好ましく、さら
には0.9〜1.5の範囲が好ましい。NCO量が少な
いと、硬化に長時間が必要となり生産性が低下する。他
方NCO量が多いと、主剤と硬化剤を混合してから印刷
するまでの間に硬化が始まりインクとボール本体表面と
の密着性が低下することがある。これを防ぐためには混
合してから印刷するまでの時間を短くする必要が生じ、
製造工程における時間管理に余裕がなくなるからであ
る。なお、着色剤は予め主剤に配合しておいてもよい
し、また硬化剤に配合しておいてもよく、さらには主剤
と硬化剤を混合する際に配合してもよいが、生産性の点
から予め主剤に配合しておくのが望ましい。
【0020】(メタ)アクリル酸エステル樹脂は、
(メタ)アクリル酸エステルの重合物であって、付着性
やたわみ性などに優れる。(メタ)アクリル酸エステル
としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)ア
クリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸n−オクチルなどを使用することができる。
【0021】熱可塑性アクリル系樹脂は、(メタ)ア
クリル酸エステル及びビニルモノマーを共重合したもの
で、重合するモノマーの種類、組み合わせ、重合度は、
インクとして要求される物性に応じて調整すればよい。
アクリル酸エステルの種類としては、前記(メタ)アク
リル酸エステル樹脂で例示したものを用いることができ
る。
【0022】熱硬化性アクリル系樹脂は、(メタ)ア
クリル酸エステルとスチレンなどの非官能系単量体を主
成分として、カルボキシル基や水酸基、エポキシ基、メ
チロール基などの官能基を有する単量体を共重合して得
られるものである。架橋剤として用いるアミノ樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリイソシアネート、フェノール樹脂等に
含まれる官能基と反応して硬化する。上記単量体の種類
及び配合量、上記単量体及び架橋剤に含まれる官能基量
などを調整することによって所望のインク物性を得るこ
とができる。
【0023】アクリルシリコーン樹脂は、(メタ)ア
クリル酸誘導体を重合したアクリル系樹脂と、シラノー
ル基、アルコキシ基を含むシリコーン樹脂とを反応させ
て得られるものであり、空気中の水分で縮合反応させて
硬化させるか、またはイソシアネートを用いて硬化させ
る。
【0024】本発明のインクにおける前記ビニル樹脂及
びアクリル系樹脂の好ましい含有量は、インク100質
量部に対して、ビニル樹脂とアクリル系樹脂の含有総量
が10質量部以上、より好ましくは20質量部以上であ
る。また、インク100質量部に対するビニル樹脂とア
クリル系樹脂の含有総量の上限は、50質量部が好まし
く、より好ましくは40質量部である。10質量部未満
では、ボール本体に対するインクの密着性が低下し、5
0質量部超では、相対的に着色剤の含有量が少なくなる
ためにマークの色度が薄くなり、鮮明なマークを形成す
るためにはマークを分厚くする必要があり、このこと
は、結果としてクリアーコートの密着性低下をもたらす
ことになるからである。
【0025】インクにおけるビニル樹脂とアクリル系樹
脂の含有量比率は、ビニル樹脂:アクリル系樹脂が1
0:90〜90:10とすることが好ましく、20:8
0〜80:20とすることが更に好ましい。ビニル樹脂
の割合が多くなりすぎると、糸引きが起こり易くなり、
アクリル系樹脂の割合が多くなりすぎると、クリアーペ
イントとの相溶性が悪くなり、マーク上ではクリアーペ
イントをはじいて、マーク表面にはクリアーコートが形
成されにくくなるからである。
【0026】本発明に使用する着色剤は特に限定はな
く、従来公知のものを使用できる。例えば、黒色顔料と
して、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブ
ラック等のカーボンブラック;黄色顔料として、黄鉛、
亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルフ
ァストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルス
イエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、
ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジ
ジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマン
ネントイエローNCG、タートラジンレーキ;橙色顔料
として、赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネント
オレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレン
ジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジ
ンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジG
K;赤色顔料として、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛
丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リ
ソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド
カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン
6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリ
ンレーキ、ブリリアントカーミン3B;紫色顔料とし
て、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイ
オレットレーキ;青色顔料として、紺青、コバルトブル
ー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、
フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、
フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイ
ブルー、インダスレンブルーBC;緑色顔料として、ク
ロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マ
ラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
G;白色顔料として、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン
白、硫化亜鉛バライト粉、炭酸バリウム、クレー、タル
ク、アルミナホワイト、シリカ等を使用できる。
【0027】インクにおける着色剤の含有率は印刷する
マークの濃度などから適宜決定すればよいが、1〜20
質量%が好ましく、より好ましくは5〜15質量%であ
る。
【0028】本発明のインクは、前記ビニル樹脂、前記
アクリル系樹脂、及び着色剤の他、必要により硬化剤や
溶剤を含んでも良いし、更に酸化防止剤、紫外線吸収剤
等の添加剤を含んでいてもよい。
【0029】特に硬化剤を含有することにより、硬化を
速めて、次のクリアーペイント工程の移送中に隣のボー
ルにインクが転写されることを防止できるとともに、網
状構造を形成するように硬化して、耐擦傷性に優れたマ
ークを形成できる。
【0030】硬化剤としては、ビニル樹脂又はアクリル
系樹脂のいずれかと反応して硬化できる化合物で、ビニ
ル樹脂やアクリル系樹脂の種類により適宜選択される
が、具体的にはイソシアネート化合物が好ましく用いら
れる。
【0031】使用できる前記イソシアネートとしては、
2以上のイソシアネート基を有するものがよく、例えば
ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシ
アネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネートなどの脂肪族、脂環族、芳香
族、芳香脂肪族ジイソシアネート化合物などを挙げるこ
とができ、これらイソシアネートは単独で使用してもよ
く、2種以上を混合して使用してもよい。マーク自体の
耐久性、及び仕上げペイントで形成されるクリアー塗膜
との密着性の点からヘキサメチレンジイソシアネートが
好適に使用できる。
【0032】インクにおける硬化剤の含有率は1〜30
質量%であることが好ましい。1質量%未満では硬化時
間が長くなって生産性が低下しやすくなり、30質量%
超では硬化が速くなりすぎてインクのポットライフが短
くなって印刷作業性が低下しやすくなるからである。
【0033】溶剤としては、ビニル樹脂及びアクリル系
樹脂と相溶性があるものを使用することが好ましい。具
体的には、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)、
エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテ
ル系溶媒(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等)、
ケトン系溶媒(メチルエチルケトン等)、アルコール系
溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)
などを挙げることができる。インクにおける溶剤の含有
率は20〜65質量%が好ましく、より好ましくは30
〜60質量%である。溶剤の含有率が20質量%より少
ないと、粘度が高くなりすぎて印刷作業性が低下するお
それがあり、ひどい場合には印刷時(特にパッドをゴル
フボール表面から引き離す時)に糸引きが起こるように
なるからである。65質量%超では、マーク形成後の乾
燥に長時間を要するため生産性が低下し、ひどい場合に
は、マークの滲みの原因となるからである。
【0034】本発明のインクは、ボール本体表面に下塗
することなく、直接印刷することができる。ここで、ボ
ール本体とは、マーク等が印刷される部分で、ワンピー
スゴルフボールではゴム成形体が該当し、1層又は2層
以上のコアと1層又は2層以上のカバーとからなるマル
チピースゴルフボールではコアとカバーの組み合わせを
いう。従って、本発明のインクは、アイオノマーを主成
分とする熱可塑性樹脂材料からなるカバーに対しても、
ワンピースゴルフボール本体を構成するゴム成形体に対
しても、直接マークを印刷することができる。本発明の
インクの主成分たるビニル樹脂及びアクリル系樹脂が、
アイオノマー及びゴムのいずれに対しても親和性が高
く、密着性のよいマークを形成できるためと考えられ
る。但し、本発明のインクは、ボール本体に下塗りを行
なった後、マーク印刷する従来の印刷方法に適用するこ
ともできる。
【0035】次に、本発明の印刷方法について説明す
る。
【0036】本発明の印刷方法は、ボール本体表面を研
磨により粗面化する工程;該粗面化されたボール本体表
面に、上記本発明のインクを用いてパッド印刷により印
字する工程を含む。
【0037】本発明に用いられるボール本体は、特に限
定されず、ワンピースゴルフボールの本体であっても、
マルチピースゴルフボールの本体であってもよい。従っ
て、ボール本体がワンピースゴルフボールの場合には、
ゴム成形体表面にマーク等が印刷され、マルチピースゴ
ルフボールの場合には、カバー表面にマーク等が印刷さ
れることになる。
【0038】具体的なカバー材料としては、アイオノマ
ー樹脂;ポリウレタン系やポリアミド系、ポリエステル
系の熱可塑性エラストマー及びこれらの組み合わせなど
が挙げられる。具体的なゴム材料としては、基材ゴムと
してのジエン系ゴム、架橋剤としての有機過酸化物、共
架橋剤としての不飽和カルボン酸又はその金属塩、その
他必要に応じて比重調整剤や老化防止剤、可塑剤、分散
剤、紫外線吸収剤、着色剤、しゃ解剤などの添加剤を必
要に応じて適宜配合したゴム組成物が用いられる。前記
基材ゴムとしてはジエン系ゴムであれば、天然ゴムでも
合成ゴムでもよく、合成ゴムとしては、例えばエチレン
プロピレンジエン3元共重合体(EPDM)、ブタジエ
ンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブ
タジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエン
ゴム(NBR)等の1種又は2種以上の混合物が好まし
く用いられる。
【0039】このようなボール本体は、インク及びクリ
アーコートとの接着性を高めるために、印刷前に、研磨
により粗面化される。粗面化の具体的方法としては、研
磨剤を用いる方法、サンドブラスティング、バレル磨き
などが挙げられる。
【0040】粗面化後、印刷前に、ボール本体を洗浄す
ることが好ましい。
【0041】印刷工程は、前記粗面化されたボール本体
表面に、下塗することなく直接、本発明のインクを用い
てマーク印刷する工程である。球面にマークを印刷する
方法としては、一般にスクリーン印刷が用いられるが、
ゴルフボールの様な球面でしかもディンプルが形成され
た表面にマークを印刷するにはスクリーン印刷では困難
であり、パッド印刷が好適である。パッド印刷は、ディ
ンプルのような凹凸表面にも良好に印刷することがで
き、特に多色印刷であっても凹部に鮮明に印刷できる点
が優れている。また、本発明のインクは、転移性に優れ
ているので、ブロックキングや印刷時の糸引きが問題に
なりやすいパッド印刷に特に好適である。
【0042】印刷後、印字されたインクを乾燥させる。
乾燥工程は、溶剤を揮発させる工程であるとともに、イ
ンクを硬化する工程である。インクの乾燥は、放置して
おくだけでもよいし、30〜70℃の熱風を当てること
により乾燥の迅速化を図っても良い。
【0043】次に、本発明のゴルフボールについて説明
する。
【0044】本発明のゴルフボールは、ボール本体と、
該ボール本体に本発明のインクで印刷されたマークと、
ボール本体及びマーク表面に形成されたクリアーコート
を含むものである。
【0045】本発明のゴルフボールに用いることができ
るボール本体は、本発明の印刷方法で挙げられたボール
本体と同様である。すなわち、ワンピースゴルフボール
本体であってもよいし、マルチピースゴルフボール本体
であってもよい。
【0046】ボール本体に印刷されているマークは、上
記本発明のインクを用いて印刷されたものであればよ
く、印刷方法は、上記本発明の印刷方法、すなわちパッ
ド印刷を用いる方法であってもよいし、本発明のインク
をインキ層に使用した転写箔を用いた転写印刷であって
もよい。
【0047】マークの印刷は、本発明の印刷方法を適用
して、ボール本体表面直接に行われていてもよいし、ボ
ール本体に下塗りし、この下塗り層上に、マーク等が形
成されてもよい。
【0048】ボール本体表面(ボール本体に下塗り層が
形成されている場合には、下塗り層表面)と印刷された
マークを被覆するように、クリアーコートが形成されて
いる。このようなクリアーコートは、ボール外観を向上
させるとともに、マーク保護の点からも有効である。本
発明のインクは、クリアーペイントとの親和性にも優れ
ているので、マーク表面でクリアーコートがはじかれた
りすることもなく、マーク表面全体を覆うようにクリア
ーコートが形成される。従って、クリアーコートにより
マークは保護され、マークの耐久性、耐衝撃性が向上す
ることになる。
【0049】尚、クリアー塗膜は1層であってもよい
し、プライマーコート、トップコートという2回塗りに
より形成してもよい。
【0050】ここで用いられるクリアーペイントとして
は、従来より用いられているクリアーペイント、具体的
には、複数のOH基を有するポリオールを含む主剤と、
複数のNCO基を有するイソシアネートを含む硬化剤と
を有する2液硬化型のポリウレタン塗料が挙げられる。
複数のOH基を有するポリオールとしては、ポリエステ
ルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリ
オール、エポキシポリオールなどを挙げることができ、
複数のNCO基を有するイソシアネートとしては、トリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネートなどを挙げることができる。
【0051】
【実施例】〔評価方法〕 耐衝撃性 ツルーテンパー社製スイングロボットを用いて、ウッド
型クラブ#1でヘッドスピード45m/secの条件で
繰り返し打撃を200回行い、目視でマークの剥離程度
を観察し、下記基準に基づいて評価した。 ◎:マーク剥離なし ○:1mm2未満のマーク剥離あり △:1mm2以上〜2mm2未満のマーク剥離あり ×:2mm2以上のマーク剥離あり。
【0052】耐擦傷性 上記スイングロボットを用いて、サンドウェッジでバン
カーショットを50回行った後、目視でマークの状態を
観察し、マークの摩耗による欠け、カスレの程度に応じ
て、下記基準で評価した。 ◎:マークの摩耗による欠け及びカスレなし ○:1mm2未満の欠け、カスレが認められる △:1mm2以上〜2mm2未満の欠け、カスレが少し認
められる ×:2mm2以上の欠け及びカスレが認められる。
【0053】糸引き性 ボール300個に、調製したインクを用いてパッド印刷
した。印刷時、印刷後のマークの様子を目視で観察し、
糸引きの有無、糸引きがボール本体表面に付着したか否
等を観察した。表面に付着していた場合を「×」、付着
していない場合を「○」とした。表面に付着していた場
合を「×」、付着していない場合を「○」とした。
【0054】ペイントとの親和性 調製したインクを用いてパッド印刷方法で、ボール本体
にマークを印刷した。マーク印刷後、マークを含めて、
ボール本体表面全体をクリアーペイントした。ペイント
乾燥後、マーク上のペイントの有無を調べた。すなわち
マーク上にペイントされているか、ペイントがはじかれ
てマーク上にクリアーペイントが無い部分があるかを観
察した。マーク上にクリアーペイントのはじきがない場
合を「○」、マーク上にクリアーペイントのはじきが無
い場合を「×」とした。
【0055】〔インクの調製〕表1に示す組成を有する
インクを調製した。尚、No.1,2は、ナビタス社の
ビニル樹脂及びアクリル系樹脂を含有するインクである
PAD−PLHインクを、表1に示す量だけ添加したも
のである。No.3,4は、ニトロセルロース系樹脂を
含有したナビタス社のPAD−1インクを用いたもので
ある。No.5のインクに含まれる樹脂は、ビニル樹脂
だけであり、No.6のインクに含まれる樹脂はアクリ
ル樹脂だけである。
【0056】尚、着色剤としては、フタロシアニンブル
ーを用いた。
【0057】〔ゴルフボールの作製〕アイオノマーを主
成分とする材料からなるカバーを有するツーピースゴル
フボール本体表面をサンドブラスト処理した後、表1に
示すインクを用いて、マークをパッド印刷し、印字後、
23℃で60分間乾燥した後、クリアーペイントを塗布
して、クリアー塗膜を形成した。ここで、クリアーペイ
ントとしては、ポリウレタン系の塗料を用いた。
【0058】No.1,3,5,6は、サンドブラスト
処理後、マークをパッド印刷したものであり、No.
2,4は、サンドブラスト処理後、ウレタン系エナメル
塗料を塗布した後、マークをパッド印刷したものであ
る。
【0059】作製したボールについて、耐衝撃性、耐擦
傷性、糸引き性、ペイントとの親和性を上記評価方法に
基づいて評価した。結果を、インク組成をともに、表1
に示す。
【0060】尚、ビニル樹脂及びアクリル系樹脂を含有
する本発明のインクを用いたNo.1,2のゴルフボール
が本発明の実施例に該当し、他は比較例に該当する。
【0061】
【表1】
【0062】本発明のインクを用いたゴルフボールは、
下塗りの有無に関わりなく、耐衝撃性、耐擦傷性、糸引
き性、ペイントとの親和性に優れていた。従って、本発
明のインクを用いれば、下塗りすることなく、密着性、
耐久性に優れたマークを印刷することができ、しかも印
刷作業性がよいマークを印刷することができる。
【0063】一方、No.3,4は、ニトロセルロース
系樹脂を含有するインクを用いたもので、ボール本体の
下塗りの有無に関わらず、クリアーコートとの親和性が
優れているが、いずれの場合も印刷されたマークの耐擦
傷性、耐衝撃性が劣っていた。
【0064】アクリル系樹脂を含有しないインクを用い
た場合(No.5)には、印刷時の糸引き性が問題とな
って、印刷作業性に劣る。ビニル樹脂を含有しないイン
クを用いた場合(No.6)、ペイントとの馴染みが悪
い為、マーク上に美麗なクリアーコートを形成すること
ができなかった。
【0065】
【発明の効果】本発明のインクによれば、下塗りを必要
とせずゴルフボール表面に直接マークを印刷することが
でき、しかもパッド印刷においてパッドをゴルフボール
から引き離すときに糸引きがないなど、印刷作業性に優
れ、しかも印刷されたマークは、耐久性に優れている。
【0066】本発明のゴルフボールは、塗装工程の省略
の要求に応えることができ、しかも鮮明で耐久性に優れ
たマークを有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】パッド印刷を行なった場合の従来の問題点を説
明するための図である。
【符号の説明】
4 インク 10 パッド 11 ゴルフボール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H113 AA01 AA03 AA06 BA09 BA41 BB07 BB25 CA00 DA46 DA53 DA57 DA62 DA63 FA07 FA35 4J039 AD05 AD06 AD07 AD08 AD09 AD10 AE02 AE04 AE05 AE09 AE11 BA04 BA13 BA16 BA18 BA21 BA23 BA30 BA31 BA32 BA34 BA35 BA36 BA37 BA38 BC60 BE01 CA04 CA07 EA15 EA16 EA17 EA18 EA19 EA20 EA21 EA34 EA36 EA42 EA47

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴルフボール表面に印刷するためのイン
    クであって、 ビニル樹脂、アクリル系樹脂、及び着色剤を含むことを
    特徴とするゴルフボール用インク。
  2. 【請求項2】 インク100質量部あたり、前記アクリ
    ル系樹脂とビニル樹脂の含有総量は10〜50質量部で
    ある請求項1に記載のゴルフボール用インク。
  3. 【請求項3】 ボール本体と、 該ボール本体に、請求項1又は2に記載のインクを用い
    て印刷されたマークと、 該ボール本体表面及び該マークの表面を被覆するクリア
    ーコートとを含むゴルフボール。
  4. 【請求項4】 ボール本体表面を研磨により粗面化する
    工程、 該粗面化されたボール本体表面に、請求項1又は2に記
    載のインクを用いてパッド印刷により印字する工程、を
    含むゴルフボールの印刷方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012035527A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Dainippon Printing Co Ltd パッド印刷用転写シート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012035527A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Dainippon Printing Co Ltd パッド印刷用転写シート

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