JP2000303012A - ゴルフボール用インク、それを用いた印刷方法及び印刷が施されたゴルフボール - Google Patents
ゴルフボール用インク、それを用いた印刷方法及び印刷が施されたゴルフボールInfo
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- B41M7/009—After-treatment of prints, e.g. heating, irradiating, setting of the ink, protection of the printed stock using thermal means, e.g. infrared radiation, heat
Abstract
(57)【要約】
【課題】 下塗りを必要とせずアイオノマー等からなる
カバー上に直接マークを印刷でき、またマーク上に形成
されるノンエナメルペイントとの密着性が制御され耐久
性に優れたゴルフボール用インクを提供する。また前記
インクを用いてゴルフボール外面にマークを効率的に印
刷する方法を提供する。 【解決手段】 ゴルフボール外面に印刷するためのイン
クであって、少なくともアクリル樹脂及び着色剤を含ま
せる。少なくともアクリル樹脂及び着色剤を含むインク
を作製し、ゴルフボール外面にパッド印刷によって前記
インクで印を形成し、形成された印を硬化させる。
カバー上に直接マークを印刷でき、またマーク上に形成
されるノンエナメルペイントとの密着性が制御され耐久
性に優れたゴルフボール用インクを提供する。また前記
インクを用いてゴルフボール外面にマークを効率的に印
刷する方法を提供する。 【解決手段】 ゴルフボール外面に印刷するためのイン
クであって、少なくともアクリル樹脂及び着色剤を含ま
せる。少なくともアクリル樹脂及び着色剤を含むインク
を作製し、ゴルフボール外面にパッド印刷によって前記
インクで印を形成し、形成された印を硬化させる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフボール外面
への下塗りを必要とせず、耐久性に優れたゴルフボール
用インクに関し、さらにそれを用いた印刷方法およびそ
れを用いて印刷が施されたゴルフボールに関するもので
ある。
への下塗りを必要とせず、耐久性に優れたゴルフボール
用インクに関し、さらにそれを用いた印刷方法およびそ
れを用いて印刷が施されたゴルフボールに関するもので
ある。
【０００２】
【従来の技術】商標やその他識別表示などの印（マー
ク）をゴルフボールに印刷する場合、従来は、アイオノ
マー等の樹脂組成物からなるカバーに下塗りとして白色
ペイントを塗布した後マークを印刷し、次に外観や耐久
性などの点からクリアペイント、いわゆるノンエナメル
ペイントを塗布していた。ところが、近年の技術革新に
よって酸化チタンなどの白色顔料を含まないノンエナメ
ルペイントによる塗装が主流となり、また塗布回数を少
なくする傾向にある。
ク）をゴルフボールに印刷する場合、従来は、アイオノ
マー等の樹脂組成物からなるカバーに下塗りとして白色
ペイントを塗布した後マークを印刷し、次に外観や耐久
性などの点からクリアペイント、いわゆるノンエナメル
ペイントを塗布していた。ところが、近年の技術革新に
よって酸化チタンなどの白色顔料を含まないノンエナメ
ルペイントによる塗装が主流となり、また塗布回数を少
なくする傾向にある。
【０００３】しかし、従来のインクを用いてアイオノマ
ー等の樹脂組成物からなるカバーに直接マークを印刷す
ると、インクとアイオノマーとの密着性が十分ではなく
耐久性に欠けるという問題があった。かかる問題を解決
するため、例えば特開平５−１１２７４６号公報では、
インクにニトロセルロースを含有させてアイオノマーと
の密着性を向上させる技術が提案されている。確かにこ
の技術によれば、インクとアイオノマーとの密着性は向
上するが、他方インクとインク上に形成されているノン
エナメルペイントとの密着性も過度に向上するため、ボ
ール表面のノンエナメルペイントが摩耗やチャッキング
などによって消失するときに、マーク（インク）も同時
に消失するという問題が生じる。
ー等の樹脂組成物からなるカバーに直接マークを印刷す
ると、インクとアイオノマーとの密着性が十分ではなく
耐久性に欠けるという問題があった。かかる問題を解決
するため、例えば特開平５−１１２７４６号公報では、
インクにニトロセルロースを含有させてアイオノマーと
の密着性を向上させる技術が提案されている。確かにこ
の技術によれば、インクとアイオノマーとの密着性は向
上するが、他方インクとインク上に形成されているノン
エナメルペイントとの密着性も過度に向上するため、ボ
ール表面のノンエナメルペイントが摩耗やチャッキング
などによって消失するときに、マーク（インク）も同時
に消失するという問題が生じる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来の
問題に鑑みてなされたものであり、下塗りを必要とせず
アイオノマー等からなるカバーに直接マークを印刷する
こともでき、またマーク上に形成されるノンエナメルペ
イントとの密着性が制御され耐久性に優れたゴルフボー
ル用インクを提供することを目的とする。
問題に鑑みてなされたものであり、下塗りを必要とせず
アイオノマー等からなるカバーに直接マークを印刷する
こともでき、またマーク上に形成されるノンエナメルペ
イントとの密着性が制御され耐久性に優れたゴルフボー
ル用インクを提供することを目的とする。
【０００５】また本発明は、前記インクを用いてゴルフ
ボール外面にマークを効率的に印刷する方法を提供する
ことをその目的とする。
ボール外面にマークを効率的に印刷する方法を提供する
ことをその目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ゴルフ
ボール外面、即ち、ゴルフボール表面上及びゴルフボー
ル表面に施されたペイント層上に印刷するためのインク
であって、少なくともアクリル樹脂及び着色剤を含むこ
とを特徴とするゴルフボール用インクが提供される。
ボール外面、即ち、ゴルフボール表面上及びゴルフボー
ル表面に施されたペイント層上に印刷するためのインク
であって、少なくともアクリル樹脂及び着色剤を含むこ
とを特徴とするゴルフボール用インクが提供される。
【０００７】尚、本発明で用いる「表面」とは、マーク
印刷の土台となるゴルフボール自体の表面を意味し、ク
リアーペイント等の塗装が施されていない面を言う。例
えばワンピースゴルフボールにおけるゴム組成物の上、
２ピースゴルフボール、３ピースゴルフボール又は糸巻
きボールにおけるカバーの上、即ち樹脂組成物の上を指
す。また、本発明で用いる「外面」とは、上記「表面」
と同一場合に加えて、ゴルフボールのゴム組成物上又は
樹脂組成物上にクリアーペイント等の塗装を施した後の
該塗膜面を言う。
印刷の土台となるゴルフボール自体の表面を意味し、ク
リアーペイント等の塗装が施されていない面を言う。例
えばワンピースゴルフボールにおけるゴム組成物の上、
２ピースゴルフボール、３ピースゴルフボール又は糸巻
きボールにおけるカバーの上、即ち樹脂組成物の上を指
す。また、本発明で用いる「外面」とは、上記「表面」
と同一場合に加えて、ゴルフボールのゴム組成物上又は
樹脂組成物上にクリアーペイント等の塗装を施した後の
該塗膜面を言う。
【０００８】前記アクリル樹脂は、耐久性などの点から
アクリルポリオールとイソシアネートを含むものである
ことが好ましく、さらにこのイソシアネートはイソシア
ネート基を２以上有するものが好ましい。
アクリルポリオールとイソシアネートを含むものである
ことが好ましく、さらにこのイソシアネートはイソシア
ネート基を２以上有するものが好ましい。
【０００９】また本発明によれば、前記ゴルフボール用
インクを用いて外面に印が形成されたゴルフボールが提
供される。
インクを用いて外面に印が形成されたゴルフボールが提
供される。
【００１０】さらに本発明によれば、少なくともアクリ
ル樹脂及び着色剤を含むインクを作製する工程と、ゴル
フボール外面にパッド印刷によって前記インクで印を形
成する工程と、形成された印を硬化させる工程とを含む
ゴルフボールの製造方法が提供される。
ル樹脂及び着色剤を含むインクを作製する工程と、ゴル
フボール外面にパッド印刷によって前記インクで印を形
成する工程と、形成された印を硬化させる工程とを含む
ゴルフボールの製造方法が提供される。
【００１１】前記ゴルフボールは樹脂組成物及び／又は
ゴム組成物で形成され、且つ、ゴルフボール表面にマー
クが直接形成されていることが好ましい。
ゴム組成物で形成され、且つ、ゴルフボール表面にマー
クが直接形成されていることが好ましい。
【００１２】更に、前記ゴルフボールは、マークを保護
する為のクリアー塗膜が形成されていることが好まし
い。
する為のクリアー塗膜が形成されていることが好まし
い。
【００１３】
【発明の実施の形態】本発明者らは、下塗りを必要とせ
ずアイオノマー等からなるカバーに直接マークを印刷す
ることもでき、またマーク上に形成されるノンエナメル
ペイントとの密着性を制御できて優れた耐久性が得られ
るゴルフボール用インクについて鋭意検討した結果、イ
ンクの塗膜形成要素（バインダー）としてアクリル樹脂
を用いることにより上記目的が達成できることを見出し
本発明をなすに至った。
ずアイオノマー等からなるカバーに直接マークを印刷す
ることもでき、またマーク上に形成されるノンエナメル
ペイントとの密着性を制御できて優れた耐久性が得られ
るゴルフボール用インクについて鋭意検討した結果、イ
ンクの塗膜形成要素（バインダー）としてアクリル樹脂
を用いることにより上記目的が達成できることを見出し
本発明をなすに至った。
【００１４】本発明で使用するアクリル樹脂としては、
特に限定はなく最終的にアクリルポリウレタン樹脂、
（メタ）アクリル酸樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、
熱硬化性アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂とな
って塗膜を形成するものがよい。これらの中でも、マー
ク上に形成されるノンエナメルペイントとの密着性制御
及び耐久性の点から最終的にアクリルポリウレタン樹脂
となって塗膜を形成するものが好適に使用できる。以下
これらの樹脂について個別に説明する。
特に限定はなく最終的にアクリルポリウレタン樹脂、
（メタ）アクリル酸樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、
熱硬化性アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂とな
って塗膜を形成するものがよい。これらの中でも、マー
ク上に形成されるノンエナメルペイントとの密着性制御
及び耐久性の点から最終的にアクリルポリウレタン樹脂
となって塗膜を形成するものが好適に使用できる。以下
これらの樹脂について個別に説明する。
【００１５】まず最終的にアクリルポリウレタン樹脂
となって塗膜を形成するものについて説明すると、かか
る樹脂はアクリルポリオールとイソシアネートを含む２
液硬化型アクリル樹脂であって、アクリルポリオールを
含む主剤とイソシアネートを含む硬化剤とを塗装前に混
合し、アクリルポリオールのＯＨ基とイソシアネート基
（ＮＣＯ基）との間で付加反応を起こさせてウレタン結
合をもつ塗膜を形成するものである。アクリルポリオー
ルは、（メタ）アクリル酸及びその誘導体の水素基をＯ
Ｈ基に置換した化合物である。
となって塗膜を形成するものについて説明すると、かか
る樹脂はアクリルポリオールとイソシアネートを含む２
液硬化型アクリル樹脂であって、アクリルポリオールを
含む主剤とイソシアネートを含む硬化剤とを塗装前に混
合し、アクリルポリオールのＯＨ基とイソシアネート基
（ＮＣＯ基）との間で付加反応を起こさせてウレタン結
合をもつ塗膜を形成するものである。アクリルポリオー
ルは、（メタ）アクリル酸及びその誘導体の水素基をＯ
Ｈ基に置換した化合物である。
【００１６】使用できる前記イソシアネートとしては、
２以上のイソシアネート基を有するものがよく、例えば
ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシ
アネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネートなどの脂肪族、脂環族、芳香
族、芳香脂肪族ジイソシアネート化合物などを挙げるこ
とができ、これらイソシアネートは単独で使用してもよ
く、２種以上を混合して使用してもよい。このなかでも
マーク上に形成されるノンエナメルペイントとの密着性
制御及び耐久性の点からヘキサメチレンジイソシアネー
トが好適に使用できる。
２以上のイソシアネート基を有するものがよく、例えば
ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシ
アネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネートなどの脂肪族、脂環族、芳香
族、芳香脂肪族ジイソシアネート化合物などを挙げるこ
とができ、これらイソシアネートは単独で使用してもよ
く、２種以上を混合して使用してもよい。このなかでも
マーク上に形成されるノンエナメルペイントとの密着性
制御及び耐久性の点からヘキサメチレンジイソシアネー
トが好適に使用できる。
【００１７】ＮＣＯ基とＯＨ基の比率（ＮＣＯ／ＯＨ）
は、必要とする硬化速度や耐久性などから適宜決定すれ
ばよく、例えば０．５〜２．０の範囲が好ましく、さら
には０．９〜１．５の範囲が好ましい。ＮＣＯ量が少な
いと、硬化に長時間が必要となり生産性が低下する。他
方ＮＣＯ量が多いと、主剤と硬化剤を混合してから印刷
するまでの間に硬化が始まりインクとゴルフボール外面
との密着性が低下することがある。これを防ぐためには
混合してから印刷するまでの時間を短くする必要が生
じ、製造工程における時間管理の裕度が小さくなる。な
お、着色剤は予め主剤に配合しておいてもよいし、また
硬化剤に配合しておいてもよく、さらには主剤と硬化剤
を混合する際に配合してもよいが、生産性の点から予め
主剤に配合しておくのが望ましい。
は、必要とする硬化速度や耐久性などから適宜決定すれ
ばよく、例えば０．５〜２．０の範囲が好ましく、さら
には０．９〜１．５の範囲が好ましい。ＮＣＯ量が少な
いと、硬化に長時間が必要となり生産性が低下する。他
方ＮＣＯ量が多いと、主剤と硬化剤を混合してから印刷
するまでの間に硬化が始まりインクとゴルフボール外面
との密着性が低下することがある。これを防ぐためには
混合してから印刷するまでの時間を短くする必要が生
じ、製造工程における時間管理の裕度が小さくなる。な
お、着色剤は予め主剤に配合しておいてもよいし、また
硬化剤に配合しておいてもよく、さらには主剤と硬化剤
を混合する際に配合してもよいが、生産性の点から予め
主剤に配合しておくのが望ましい。
【００１８】次に（メタ）アクリル酸樹脂となって塗
膜を形成するものについて説明すると、かかる樹脂は
（メタ）アクリル酸エステルの重合物であって、付着性
やたわみ性などに優れる。アクリル酸のエステルやメタ
クリル酸のエステルとしては、例えば（メタ）アクリル
酸メチル、（メタ）アクリル酸エチル、（メタ）アクリ
ル酸イソプロピル、（メタ）アクリル酸ｎ−ブチル、
（メタ）アクリル酸イソブチル、（メタ）アクリル酸ｎ
−アミル、（メタ）アクリル酸イソアミル、（メタ）ア
クリル酸ｎ−ヘキシル、（メタ）アクリル酸２−エチル
ヘキシル、（メタ）アクリル酸ｎ−オクチルなどを使用
することができる。なお（メタ）アクリル酸とはアクリ
ル酸又はメタクリル酸を示すものである。
膜を形成するものについて説明すると、かかる樹脂は
（メタ）アクリル酸エステルの重合物であって、付着性
やたわみ性などに優れる。アクリル酸のエステルやメタ
クリル酸のエステルとしては、例えば（メタ）アクリル
酸メチル、（メタ）アクリル酸エチル、（メタ）アクリ
ル酸イソプロピル、（メタ）アクリル酸ｎ−ブチル、
（メタ）アクリル酸イソブチル、（メタ）アクリル酸ｎ
−アミル、（メタ）アクリル酸イソアミル、（メタ）ア
クリル酸ｎ−ヘキシル、（メタ）アクリル酸２−エチル
ヘキシル、（メタ）アクリル酸ｎ−オクチルなどを使用
することができる。なお（メタ）アクリル酸とはアクリ
ル酸又はメタクリル酸を示すものである。
【００１９】熱可塑性アクリル樹脂となって塗膜を形
成するものについては、（メタ）アクリル酸エステルを
主体として各種のアクリル単量体やビニル単量体と共重
合させて得られるアクリル共重合体樹脂で、分子中に硬
化性官能基を含まず、加熱すれば可塑性となるものが挙
げられる。インクとして要求される物性を得るには、単
量体の種類、配合量、重合度などを調整すればよい。ア
クリル酸エステルの種類としては、前記（メタ）アクリ
ル酸樹脂で例示したものが、ここでも同様に例示され
る。
成するものについては、（メタ）アクリル酸エステルを
主体として各種のアクリル単量体やビニル単量体と共重
合させて得られるアクリル共重合体樹脂で、分子中に硬
化性官能基を含まず、加熱すれば可塑性となるものが挙
げられる。インクとして要求される物性を得るには、単
量体の種類、配合量、重合度などを調整すればよい。ア
クリル酸エステルの種類としては、前記（メタ）アクリ
ル酸樹脂で例示したものが、ここでも同様に例示され
る。
【００２０】熱硬化性アクリル樹脂となって塗膜を形
成するものは、（メタ）アクリル酸エステルとスチレン
などの非官能系単量体を主成分とし、これをカルボキシ
ル基や水酸基、エポキシ基、メチロール基などの官能基
を有する単量体を必須成分として共重合させるものが挙
げられる。架橋剤としてアミノ樹脂やエポキシ樹脂、ポ
リイソシアネート、フェノール樹脂などを用いて、これ
ら架橋剤の官能基と上記単量体の官能基を反応させるこ
とによって、加熱硬化して塗膜を形成させるものであ
る。上記単量体の種類及び配合量、上記単量体及び架橋
剤に含まれる官能基量などを調整することによって所望
のインク物性を得ることができる。
成するものは、（メタ）アクリル酸エステルとスチレン
などの非官能系単量体を主成分とし、これをカルボキシ
ル基や水酸基、エポキシ基、メチロール基などの官能基
を有する単量体を必須成分として共重合させるものが挙
げられる。架橋剤としてアミノ樹脂やエポキシ樹脂、ポ
リイソシアネート、フェノール樹脂などを用いて、これ
ら架橋剤の官能基と上記単量体の官能基を反応させるこ
とによって、加熱硬化して塗膜を形成させるものであ
る。上記単量体の種類及び配合量、上記単量体及び架橋
剤に含まれる官能基量などを調整することによって所望
のインク物性を得ることができる。
【００２１】アクリルシリコン樹脂となって塗膜を形
成するものは、（メタ）アクリル酸誘導体を重合したア
クリル樹脂にシラノール基、アルコキシ基を含むシリコ
ン樹脂を反応させるものであり、空気中の水分で縮合反
応させて硬化させるか、またはイソシアネートを用いて
硬化させる。
成するものは、（メタ）アクリル酸誘導体を重合したア
クリル樹脂にシラノール基、アルコキシ基を含むシリコ
ン樹脂を反応させるものであり、空気中の水分で縮合反
応させて硬化させるか、またはイソシアネートを用いて
硬化させる。
【００２２】本発明のインクにおいて前記アクリル樹脂
の配合量は、特に限定はないがインク全体の１００質量
部に対して５〜６０質量部の範囲が好ましく、より好ま
しくは１０〜４０質量部の範囲である。アクリル樹脂の
配合量が５質量部より少ないとインクとゴルフカバーと
の密着性が低下するおそれがある。他方配合量が６０質
量部より多いとマークの色度が薄くなり、これを防ぐた
めにインクの厚く塗布する必要が生じることがある。な
お、前記アクリルポリウレタン樹脂となって塗膜を形成
するものの場合は、アクリルポリオールとイソシアネー
トの合計量がアクリル樹脂の質量部となる。
の配合量は、特に限定はないがインク全体の１００質量
部に対して５〜６０質量部の範囲が好ましく、より好ま
しくは１０〜４０質量部の範囲である。アクリル樹脂の
配合量が５質量部より少ないとインクとゴルフカバーと
の密着性が低下するおそれがある。他方配合量が６０質
量部より多いとマークの色度が薄くなり、これを防ぐた
めにインクの厚く塗布する必要が生じることがある。な
お、前記アクリルポリウレタン樹脂となって塗膜を形成
するものの場合は、アクリルポリオールとイソシアネー
トの合計量がアクリル樹脂の質量部となる。
【００２３】一方、着色剤の配合量は特に限定はなく、
印刷するマークの濃度などから適宜決定すればよいが、
例えば１〜５０質量部の範囲が好ましく、より好ましく
は５〜３０質量部の範囲である。
印刷するマークの濃度などから適宜決定すればよいが、
例えば１〜５０質量部の範囲が好ましく、より好ましく
は５〜３０質量部の範囲である。
【００２４】本発明に使用する着色剤としては、特に限
定はなく従来公知のものが使用でき例えば、黒色顔料と
して、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブ
ラック等のカーボンブラック；黄色顔料として、黄鉛、
亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルフ
ァストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルス
イエロー、ナフトールイエローＳ、ハンザイエローＧ、
ハンザイエロー１０Ｇ、ベンジジンイエローＧ、ベンジ
ジンイエローＧＲ、キノリンイエローレーキ、パーマン
ネントイエローＮＣＧ、タートラジンレーキ；橙色顔料
として、赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネント
オレンジＧＴＲ、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレン
ジ、インダスレンブリリアントオレンジＲＫ、ベンジジ
ンオレンジＧ、インダスレンブリリアントオレンジＧ
Ｋ；赤色顔料として、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛
丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド４Ｒ、リ
ソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド
カルシウム塩、レーキレッドＤ、ブリリアントカーミン
６Ｂ、エオシンレーキ、ローダミンレーキＢ、アリザリ
ンレーキ、ブリリアントカーミン３Ｂ；紫色顔料とし
て、マンガン紫、ファストバイオレットＢ、メチルバイ
オレットレーキ；青色顔料として、紺青、コバルトブル
ー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、
フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、
フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイ
ブルー、インダスレンブルーＢＣ；緑色顔料として、ク
ロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンＢ、マ
ラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
Ｇ；白色顔料として、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン
白、硫化亜鉛；白色顔料として、バライト粉、炭酸バリ
ウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、ア
ルミナホワイト等を使用できる。
定はなく従来公知のものが使用でき例えば、黒色顔料と
して、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブ
ラック等のカーボンブラック；黄色顔料として、黄鉛、
亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルフ
ァストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルス
イエロー、ナフトールイエローＳ、ハンザイエローＧ、
ハンザイエロー１０Ｇ、ベンジジンイエローＧ、ベンジ
ジンイエローＧＲ、キノリンイエローレーキ、パーマン
ネントイエローＮＣＧ、タートラジンレーキ；橙色顔料
として、赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネント
オレンジＧＴＲ、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレン
ジ、インダスレンブリリアントオレンジＲＫ、ベンジジ
ンオレンジＧ、インダスレンブリリアントオレンジＧ
Ｋ；赤色顔料として、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛
丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド４Ｒ、リ
ソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド
カルシウム塩、レーキレッドＤ、ブリリアントカーミン
６Ｂ、エオシンレーキ、ローダミンレーキＢ、アリザリ
ンレーキ、ブリリアントカーミン３Ｂ；紫色顔料とし
て、マンガン紫、ファストバイオレットＢ、メチルバイ
オレットレーキ；青色顔料として、紺青、コバルトブル
ー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、
フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、
フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイ
ブルー、インダスレンブルーＢＣ；緑色顔料として、ク
ロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンＢ、マ
ラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
Ｇ；白色顔料として、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン
白、硫化亜鉛；白色顔料として、バライト粉、炭酸バリ
ウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、ア
ルミナホワイト等を使用できる。
【００２５】本発明のインクは、前記アクリル樹脂及び
着色剤の他、必要により硬化剤や溶剤、希釈剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤などの助剤を含んでいてもよい。使
用するアクリル樹脂の種類によってはこれら助剤の中で
も必須の剤となることがある。具体的には熱可塑性アク
リル樹脂を使用する場合には、該樹脂を溶かす溶剤が必
要であり、熱硬化性アクリル樹脂を使用する場合には、
該樹脂を溶かす溶剤及び架橋剤が必要であり、アクリル
シリコン樹脂を使用する場合には、架橋剤が必要となる
こともある。
着色剤の他、必要により硬化剤や溶剤、希釈剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤などの助剤を含んでいてもよい。使
用するアクリル樹脂の種類によってはこれら助剤の中で
も必須の剤となることがある。具体的には熱可塑性アク
リル樹脂を使用する場合には、該樹脂を溶かす溶剤が必
要であり、熱硬化性アクリル樹脂を使用する場合には、
該樹脂を溶かす溶剤及び架橋剤が必要であり、アクリル
シリコン樹脂を使用する場合には、架橋剤が必要となる
こともある。
【００２６】硬化剤としては、特に限定はなく例えばア
ミノ樹脂やエポキシ樹脂、イソシアネート、フェノール
樹脂などを挙げることができ、この中でもイソシアネー
トが好ましい。
ミノ樹脂やエポキシ樹脂、イソシアネート、フェノール
樹脂などを挙げることができ、この中でもイソシアネー
トが好ましい。
【００２７】溶剤としては、アクリル樹脂を溶解するも
のであれば特に限定はなく、例えばシクロヘキサン、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブ
タノール、セロソルブ、シクロヘキサノン、３−メトキ
シ−３−メチルブチルアセテート、ｎ−ブチル酢酸塩、
ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素な
どを挙げることができる。溶剤の配合量は、インク全体
の１００質量部に対して２０〜８０質量部が好ましく、
より好ましくは３０〜６０質量部である。配合量が２０
質量部より少ないと、粘度が高くなり作業性が低下する
おそれがある。またアクリル樹脂と着色剤の分散が低下
するおそれもある。他方配合量が８０質量部より多い
と、マーク形成後の乾燥（硬化）に長時間を要し生産性
が低下することがある。
のであれば特に限定はなく、例えばシクロヘキサン、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブ
タノール、セロソルブ、シクロヘキサノン、３−メトキ
シ−３−メチルブチルアセテート、ｎ−ブチル酢酸塩、
ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素な
どを挙げることができる。溶剤の配合量は、インク全体
の１００質量部に対して２０〜８０質量部が好ましく、
より好ましくは３０〜６０質量部である。配合量が２０
質量部より少ないと、粘度が高くなり作業性が低下する
おそれがある。またアクリル樹脂と着色剤の分散が低下
するおそれもある。他方配合量が８０質量部より多い
と、マーク形成後の乾燥（硬化）に長時間を要し生産性
が低下することがある。
【００２８】酸化防止剤としては、例えばフェノール
系、硫黄系、リン系などの各種酸化防止剤などを挙げる
ことができる。
系、硫黄系、リン系などの各種酸化防止剤などを挙げる
ことができる。
【００２９】紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェ
ノン系、ベンゾトリアゾール系、アクリレート系、サリ
チレート系などの各種紫外線吸収剤を挙げることができ
る。
ノン系、ベンゾトリアゾール系、アクリレート系、サリ
チレート系などの各種紫外線吸収剤を挙げることができ
る。
【００３０】本発明のインクの印刷対象ゴルフボール
は、表面が樹脂組成物又はゴム組成物から形成されてい
ることが好ましい。本発明のインクで好適に印刷できる
前記樹脂組成物とは、具体的にはアイオノマー樹脂；ポ
リウレタン系やポリアミド系、ポリエステル系の熱可塑
性エラストマー及びこれらの組み合わせなどである。ア
イオノマー樹脂は、エチレンと（メタ）アクリル酸との
共重合体を金属イオンによって架橋したもので、エチレ
ン−メタクリル酸（アクリル酸）共重合体を金属イオン
で架橋した二元アイオノマー；エチレン−メタクリル酸
（アクリル酸）−アクリル酸（メタクリル酸）共重合体
を金属イオンで架橋した三元アイオノマーがある。共重
合体を中和する金属イオンとしては、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン、リチウムイオン等の１価金属イオ
ン；亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオ
ン、銅イオン、マンガンイオンなどの２価金属イオン；
アルミニウムイオン、ネオジウムイオンなどの３価金属
イオンなどが挙げられるが、特にナトリウムイオン、リ
チウムイオン、マグネシウムイオンの場合に高硬度で高
反発性の硬質アイオノマーが得られるので好ましく用い
られる。
は、表面が樹脂組成物又はゴム組成物から形成されてい
ることが好ましい。本発明のインクで好適に印刷できる
前記樹脂組成物とは、具体的にはアイオノマー樹脂；ポ
リウレタン系やポリアミド系、ポリエステル系の熱可塑
性エラストマー及びこれらの組み合わせなどである。ア
イオノマー樹脂は、エチレンと（メタ）アクリル酸との
共重合体を金属イオンによって架橋したもので、エチレ
ン−メタクリル酸（アクリル酸）共重合体を金属イオン
で架橋した二元アイオノマー；エチレン−メタクリル酸
（アクリル酸）−アクリル酸（メタクリル酸）共重合体
を金属イオンで架橋した三元アイオノマーがある。共重
合体を中和する金属イオンとしては、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン、リチウムイオン等の１価金属イオ
ン；亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオ
ン、銅イオン、マンガンイオンなどの２価金属イオン；
アルミニウムイオン、ネオジウムイオンなどの３価金属
イオンなどが挙げられるが、特にナトリウムイオン、リ
チウムイオン、マグネシウムイオンの場合に高硬度で高
反発性の硬質アイオノマーが得られるので好ましく用い
られる。
【００３１】本発明のインクで好適に印刷できる前記ゴ
ム組成物とは、基材ゴムとしてのジエン系ゴム、架橋剤
としての有機過酸化物、共架橋剤としての不飽和カルボ
ン酸又はその金属塩、その他必要に応じて比重調整剤や
老化防止剤、可塑剤、分散剤、紫外線吸収剤、着色剤、
しゃ解剤などの添加剤を必要に応じて適宜配合した組成
物である。
ム組成物とは、基材ゴムとしてのジエン系ゴム、架橋剤
としての有機過酸化物、共架橋剤としての不飽和カルボ
ン酸又はその金属塩、その他必要に応じて比重調整剤や
老化防止剤、可塑剤、分散剤、紫外線吸収剤、着色剤、
しゃ解剤などの添加剤を必要に応じて適宜配合した組成
物である。
【００３２】前記基材ゴムとしてはジエン系ゴムであれ
ば、天然ゴムでも合成ゴムでもよく、合成ゴムとして
は、例えばエチレンプロピレンジエン３元共重合体（Ｅ
ＰＤＭ）、ブタジエンゴム（ＢＲ）、イソプレンゴム
（ＩＲ）、スチレンブタジエンゴム（ＳＢＲ）、アクリ
ロニトリルブタジエンゴム（ＮＢＲ）などが挙げられ、
これらの１種又は２種以上混合して用いてもよい。これ
らのうち、シス構造を４０％以上、好ましくは８０％以
上有するいわゆるハイシス１，４−ポリブタジエンゴム
が好ましく用いられる。
ば、天然ゴムでも合成ゴムでもよく、合成ゴムとして
は、例えばエチレンプロピレンジエン３元共重合体（Ｅ
ＰＤＭ）、ブタジエンゴム（ＢＲ）、イソプレンゴム
（ＩＲ）、スチレンブタジエンゴム（ＳＢＲ）、アクリ
ロニトリルブタジエンゴム（ＮＢＲ）などが挙げられ、
これらの１種又は２種以上混合して用いてもよい。これ
らのうち、シス構造を４０％以上、好ましくは８０％以
上有するいわゆるハイシス１，４−ポリブタジエンゴム
が好ましく用いられる。
【００３３】有機過酸化物は、架橋剤又は硬化剤として
添加され、具体的には、ジクミルパーオキサイド、１，
１−ビス（ｔ−ブチルパーオキシ）−３，５−トリメチ
ルシクロヘキサン、２，５−ジメチル−２，５−ジ（ｔ
−ブチルパーオキシ）ヘキサン、ジ−ｔ−ブチルパーオ
キサイド等が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキ
サイドが好ましく用いられる。有機過酸化物の配合量
は、基材ゴム１００質量部に対して０．３〜２．０質量
部が好ましく、特に０．５〜２．０質量部が好ましい。
添加され、具体的には、ジクミルパーオキサイド、１，
１−ビス（ｔ−ブチルパーオキシ）−３，５−トリメチ
ルシクロヘキサン、２，５−ジメチル−２，５−ジ（ｔ
−ブチルパーオキシ）ヘキサン、ジ−ｔ−ブチルパーオ
キサイド等が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキ
サイドが好ましく用いられる。有機過酸化物の配合量
は、基材ゴム１００質量部に対して０．３〜２．０質量
部が好ましく、特に０．５〜２．０質量部が好ましい。
【００３４】共架橋剤として配合される不飽和カルボン
酸又はその金属塩としては、アクリル酸又はメタクリル
酸などのような炭素数が３〜８個のα、β−不飽和カル
ボン酸又はこれらの亜鉛、マグネシウム塩等の一価又は
二価の金属塩が挙げられる。これらの中でも、高い反発
性を付与するアクリル酸亜鉛が好ましく用いられる。不
飽和カルボン酸金属塩の配合量は、基材ゴム１００質量
部に対して１０〜４０質量部が好ましく、より好ましく
は１０〜３０質量部である。４０質量部より多いと架橋
構造が緻密になりすぎて、硬度７５以下に調整すること
が困難になる。逆に１０質量部より少ないとゴルフボー
ルが本来有する反発性を確保できなくなる。
酸又はその金属塩としては、アクリル酸又はメタクリル
酸などのような炭素数が３〜８個のα、β−不飽和カル
ボン酸又はこれらの亜鉛、マグネシウム塩等の一価又は
二価の金属塩が挙げられる。これらの中でも、高い反発
性を付与するアクリル酸亜鉛が好ましく用いられる。不
飽和カルボン酸金属塩の配合量は、基材ゴム１００質量
部に対して１０〜４０質量部が好ましく、より好ましく
は１０〜３０質量部である。４０質量部より多いと架橋
構造が緻密になりすぎて、硬度７５以下に調整すること
が困難になる。逆に１０質量部より少ないとゴルフボー
ルが本来有する反発性を確保できなくなる。
【００３５】比重調整剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム等の無機塩；タングステン、モリ
ブデン粉末等の高比重金属粉末；及びそれらの混合物が
挙げられる。老化防止剤としてはフェノール系化合物が
挙げられる。
ウム、炭酸カルシウム等の無機塩；タングステン、モリ
ブデン粉末等の高比重金属粉末；及びそれらの混合物が
挙げられる。老化防止剤としてはフェノール系化合物が
挙げられる。
【００３６】上述の通り、ゴルフボールの外面にインク
でマークを印刷する形態には、（ａ）ゴルフボールの表
面上に、直接インクでマークを印刷する場合と、（ｂ）
ゴルフボールの表面上に施したエナメルペイントやクリ
アーペイント等の塗装膜上にインクでマークを印刷する
場合があるが、印刷形態としては、（ａ）の場合、即ち
ゴルフボールの表面上に、直接インクでマークを印刷す
ることが好ましい。その理由として、（ｂ）の場合は、
マーク印刷前に塗布したクリアーペイント層の乾燥に時
間を要し、乾燥時間が短い場合や乾燥温度が低い場合に
は、ペイントの乾燥が不十分なうちにマークが印刷され
ることもあり、かかる場合には該ペイント層とマークと
の密着性が悪くなり、マークの耐久性が低下することと
なる。これに対し、（ａ）の場合は上記問題もなく、前
記ペイント層塗布の手間も省けて材料コストも安く、且
つ生産性も良い為である。
でマークを印刷する形態には、（ａ）ゴルフボールの表
面上に、直接インクでマークを印刷する場合と、（ｂ）
ゴルフボールの表面上に施したエナメルペイントやクリ
アーペイント等の塗装膜上にインクでマークを印刷する
場合があるが、印刷形態としては、（ａ）の場合、即ち
ゴルフボールの表面上に、直接インクでマークを印刷す
ることが好ましい。その理由として、（ｂ）の場合は、
マーク印刷前に塗布したクリアーペイント層の乾燥に時
間を要し、乾燥時間が短い場合や乾燥温度が低い場合に
は、ペイントの乾燥が不十分なうちにマークが印刷され
ることもあり、かかる場合には該ペイント層とマークと
の密着性が悪くなり、マークの耐久性が低下することと
なる。これに対し、（ａ）の場合は上記問題もなく、前
記ペイント層塗布の手間も省けて材料コストも安く、且
つ生産性も良い為である。
【００３７】次に本願請求項５、６及び７に係る印刷方
法について説明する。本発明の印刷方法では、まずアク
リル樹脂及び着色剤を含むインクを作製する。各組成物
の好適な配合量は前記のとおりであり、所望の耐久性や
濃度などから適宜決定すればよい。インク組成物の混合
は従来公知の例えばＶ型混合機やボールミル、タンブラ
ーミキサーなどの混合機で行うことができる。使用する
アクリル樹脂及び着色剤は、前記請求項１のインクの説
明で例示したものがここでも使用できる。なお、アクリ
ル樹脂がアクリルポリオールとイソシアネートと含む場
合は、両者を混合すると硬化反応が始まるので、これら
組成物の配合量などを考慮して混合後所定時間内に印刷
を行う必要がある。
法について説明する。本発明の印刷方法では、まずアク
リル樹脂及び着色剤を含むインクを作製する。各組成物
の好適な配合量は前記のとおりであり、所望の耐久性や
濃度などから適宜決定すればよい。インク組成物の混合
は従来公知の例えばＶ型混合機やボールミル、タンブラ
ーミキサーなどの混合機で行うことができる。使用する
アクリル樹脂及び着色剤は、前記請求項１のインクの説
明で例示したものがここでも使用できる。なお、アクリ
ル樹脂がアクリルポリオールとイソシアネートと含む場
合は、両者を混合すると硬化反応が始まるので、これら
組成物の配合量などを考慮して混合後所定時間内に印刷
を行う必要がある。
【００３８】次に、本発明の印刷方法では、ゴルフボー
ル外面、特に好ましくは樹脂組成物及び／又はゴム組成
物から形成されるゴルフボール表面に直接パッド印刷に
よって前記インクで印を形成する。一般に、球面にマー
クを印刷する方法としてはスクリーン印刷が用いられる
が、ゴルフボールの様な球面でしかもディンプルが形成
された面にマークを印刷するにはスクリーン印刷では困
難である。そこで本発明の印刷方法では、上記アクリル
樹脂を用いたインクを使用し、かつパッド印刷を用いる
構成とすることによって、ディンプルが形成された球面
に対して鮮明にマークを印刷することに成功したのであ
る。すなわち本発明では、凹凸面にも良好に印刷可能な
パッド印刷を用いると同時に、従来のインクに比べパッ
ド転移性に優れたアクリル樹脂を含んだインクを使用す
ることにより従来に比べ格段に優れた印刷が可能となっ
たのである。
ル外面、特に好ましくは樹脂組成物及び／又はゴム組成
物から形成されるゴルフボール表面に直接パッド印刷に
よって前記インクで印を形成する。一般に、球面にマー
クを印刷する方法としてはスクリーン印刷が用いられる
が、ゴルフボールの様な球面でしかもディンプルが形成
された面にマークを印刷するにはスクリーン印刷では困
難である。そこで本発明の印刷方法では、上記アクリル
樹脂を用いたインクを使用し、かつパッド印刷を用いる
構成とすることによって、ディンプルが形成された球面
に対して鮮明にマークを印刷することに成功したのであ
る。すなわち本発明では、凹凸面にも良好に印刷可能な
パッド印刷を用いると同時に、従来のインクに比べパッ
ド転移性に優れたアクリル樹脂を含んだインクを使用す
ることにより従来に比べ格段に優れた印刷が可能となっ
たのである。
【００３９】次に外面に印を形成したゴルフボールを所
定温度で所定時間放置し、インクを硬化させる。硬化温
度及び硬化時間は特に限定はなく、例えば硬化温度は１
０〜７０℃の範囲が好ましく、硬化時間は１分〜６０時
間の範囲が好ましい。
定温度で所定時間放置し、インクを硬化させる。硬化温
度及び硬化時間は特に限定はなく、例えば硬化温度は１
０〜７０℃の範囲が好ましく、硬化時間は１分〜６０時
間の範囲が好ましい。
【００４０】さらに硬化したインク上またはゴルフボー
ル全体に上塗り層を施し、耐久性の一層の向上を図って
もよい。特に、ゴルフボール全体にクリアペイントを施
すことが好ましく、これによりマークが保護されて耐久
性が向上し、且つゴルフボールが光沢を帯びて外観の優
れたものとなる。尚、このクリアペイントの層数は経済
面から１層であることが好ましい。
ル全体に上塗り層を施し、耐久性の一層の向上を図って
もよい。特に、ゴルフボール全体にクリアペイントを施
すことが好ましく、これによりマークが保護されて耐久
性が向上し、且つゴルフボールが光沢を帯びて外観の優
れたものとなる。尚、このクリアペイントの層数は経済
面から１層であることが好ましい。
【００４１】上塗り層として使用できる塗料としては、
例えば、複数のＯＨ基を有するポリオールを含む主剤
と、複数のＮＣＯ基を有するイソシアネートを含む硬化
剤とを有する２液硬化型のものが挙げられる。複数のＯ
Ｈ基を有するポリオールとしては、ポリエステルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、
エポキシポリオールなどを挙げることができ、複数のＮ
ＣＯ基を有するイソシアネートとしては、トリレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネートなどを挙げることができる。
例えば、複数のＯＨ基を有するポリオールを含む主剤
と、複数のＮＣＯ基を有するイソシアネートを含む硬化
剤とを有する２液硬化型のものが挙げられる。複数のＯ
Ｈ基を有するポリオールとしては、ポリエステルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、
エポキシポリオールなどを挙げることができ、複数のＮ
ＣＯ基を有するイソシアネートとしては、トリレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネートなどを挙げることができる。
【００４２】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。なお特に断りのない限り、実施
例および比較例に記載された「部」は「質量部」を、
「％」は「質量％」を示すものとする。
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。なお特に断りのない限り、実施
例および比較例に記載された「部」は「質量部」を、
「％」は「質量％」を示すものとする。
【００４３】実施例１ 顔料としてフタロシアニンブルーを１０部、アクリル樹
脂としてアクリルポリオールを２６部とヘキサンメチレ
ンジイソシアネートを１３部、溶剤としてシクロヘキサ
ノン２０部とプロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート１６部と、ｎ−ブチル酢酸塩を１５部を含む
インクを作製した。なお、作製に関しては、フタロシア
ニンブルーとアクリルポリオール、シクロヘキサノン、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと
を混合して主剤とし、硬化剤としてのヘキサメチレンジ
イソシアネートとｎ−ブチル酢酸塩をこの主剤と混合し
てインクを作製した。
脂としてアクリルポリオールを２６部とヘキサンメチレ
ンジイソシアネートを１３部、溶剤としてシクロヘキサ
ノン２０部とプロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート１６部と、ｎ−ブチル酢酸塩を１５部を含む
インクを作製した。なお、作製に関しては、フタロシア
ニンブルーとアクリルポリオール、シクロヘキサノン、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと
を混合して主剤とし、硬化剤としてのヘキサメチレンジ
イソシアネートとｎ−ブチル酢酸塩をこの主剤と混合し
てインクを作製した。
【００４４】アイオノマーを主成分とするゴルフカバー
上に、上記作製したインクを使用してパッド印刷により
マークを印刷し、その上にクリアペイントを施しゴルフ
ボールとして仕上げた。
上に、上記作製したインクを使用してパッド印刷により
マークを印刷し、その上にクリアペイントを施しゴルフ
ボールとして仕上げた。
【００４５】このゴルフボールを用いて、ゴルフボール
外面とインクとの密着性を下記に示す耐衝撃性試験及び
耐摩耗性試験で評価した。結果を表１に示す。
外面とインクとの密着性を下記に示す耐衝撃性試験及び
耐摩耗性試験で評価した。結果を表１に示す。
【００４６】（耐衝撃性）ツルーテンパー社製スイング
ロボットを用いて、１Ｗでヘッドスピード４５ｍ／ｓｅ
ｃの条件で繰り返し打撃を２００回行い、下記基準でマ
ークの剥離程度を評価した。 ◎：マーク剥離なし ○：１ｍｍ未満のマーク剥離あり △：１〜２ｍｍのマーク剥離あり ×：２ｍｍ以上のマーク剥離あり。
ロボットを用いて、１Ｗでヘッドスピード４５ｍ／ｓｅ
ｃの条件で繰り返し打撃を２００回行い、下記基準でマ
ークの剥離程度を評価した。 ◎：マーク剥離なし ○：１ｍｍ未満のマーク剥離あり △：１〜２ｍｍのマーク剥離あり ×：２ｍｍ以上のマーク剥離あり。
【００４７】（耐摩耗性）上記スイングロボットを用い
て、ＳＷでバンカーショット繰り返し打撃を５０回行
い、下記基準でマークの摩耗程度を評価した。 ◎：マークの摩耗による欠け及びカスレなし ○：マークの摩耗によるカスレややあり △：マークの摩耗による欠け、カスレややあり ×：マークの摩耗による欠け及びカスレあり。
て、ＳＷでバンカーショット繰り返し打撃を５０回行
い、下記基準でマークの摩耗程度を評価した。 ◎：マークの摩耗による欠け及びカスレなし ○：マークの摩耗によるカスレややあり △：マークの摩耗による欠け、カスレややあり ×：マークの摩耗による欠け及びカスレあり。
【００４８】比較例１ アクリルポリオールの換わりにニトロセルロースとポリ
エステルポリオールからなるニトロセルロース系樹脂を
用いた以外は実施例１と同様にしてゴルフボールを作製
し、評価を行った。結果を表１に示す。
エステルポリオールからなるニトロセルロース系樹脂を
用いた以外は実施例１と同様にしてゴルフボールを作製
し、評価を行った。結果を表１に示す。
【００４９】比較例２ ゴルフカバーにエナメル塗料を塗布した後、比較例１と
同じインクでマークを印刷し、その上にクリアペイント
を施しゴルフボールとして仕上げた。実施例１と同様に
して評価を行った。結果を表１に示す。
同じインクでマークを印刷し、その上にクリアペイント
を施しゴルフボールとして仕上げた。実施例１と同様に
して評価を行った。結果を表１に示す。
【００５０】実施例２ ゴルフカバーにエナメル塗料を塗布した後、実施例１と
同じインクでマークを印刷し、その上にクリアペイント
を施しゴルフボールとして仕上げた。実施例１と同様に
して評価を行った。結果を表１に示す。
同じインクでマークを印刷し、その上にクリアペイント
を施しゴルフボールとして仕上げた。実施例１と同様に
して評価を行った。結果を表１に示す。
【００５１】
【表１】
【００５２】本発明のインクでマークを印刷した実施例
１のゴルフボールでは、耐衝撃性、耐摩耗性ともに良好
な結果であった。これに対し、ニトロセルロース系イン
クを用いた比較例１のゴルフボールでは、クリアペイン
トの摩耗と共にマークが欠けたり、カスレたりする現象
が見られた。また比較例１と同じインクを用いてエナメ
ル塗膜上に印刷した比較例２のゴルフボールでは、比較
例１のものよりひどくマークが欠けたり、カスレたりす
る現象が見られた。実施例１と同じインクを用いて、エ
ナメル塗膜上に印刷した実施例２のゴルフボールでは、
耐衝撃性には優れており、耐摩耗性の点では実施例１よ
りは劣るものの、比較例１及び比較例２よりは優れてい
た。
１のゴルフボールでは、耐衝撃性、耐摩耗性ともに良好
な結果であった。これに対し、ニトロセルロース系イン
クを用いた比較例１のゴルフボールでは、クリアペイン
トの摩耗と共にマークが欠けたり、カスレたりする現象
が見られた。また比較例１と同じインクを用いてエナメ
ル塗膜上に印刷した比較例２のゴルフボールでは、比較
例１のものよりひどくマークが欠けたり、カスレたりす
る現象が見られた。実施例１と同じインクを用いて、エ
ナメル塗膜上に印刷した実施例２のゴルフボールでは、
耐衝撃性には優れており、耐摩耗性の点では実施例１よ
りは劣るものの、比較例１及び比較例２よりは優れてい
た。
【００５３】
【発明の効果】本発明のインクによれば、下塗りを必要
とせずゴルフカバーにマークを直接印刷することがで
き、またマーク上に形成されるクリアペイントとの適度
な密着性が得られ耐久性に優れる。また本発明の印刷方
法によれば、ディンプルが形成された球面であっても鮮
明にマークを印刷することができる。
とせずゴルフカバーにマークを直接印刷することがで
き、またマーク上に形成されるクリアペイントとの適度
な密着性が得られ耐久性に優れる。また本発明の印刷方
法によれば、ディンプルが形成された球面であっても鮮
明にマークを印刷することができる。
Claims (8)
- 【請求項１】 ゴルフボール外面に印刷するためのイン
クであって、少なくともアクリル樹脂及び着色剤を含む
ことを特徴とするゴルフボール用インク。 - 【請求項２】 前記アクリル樹脂は、アクリルポリオー
ルとイソシアネートを含むものである請求項１に記載の
ゴルフボール用インク。 - 【請求項３】 請求項１又は２に記載のゴルフボール用
インクを用いて外面にマークが形成されたゴルフボー
ル。 - 【請求項４】 樹脂組成物及び／又はゴム組成物から形
成されるゴルフボールの表面に、マークが直接形成され
ている請求項３に記載のゴルフボール。 - 【請求項５】 更に、マークを保護するクリアー塗膜が
形成されている請求項３又は４に記載のゴルフボール。 - 【請求項６】 少なくともアクリル樹脂及び着色剤を含
むインクを作製する工程と、 ゴルフボール外面にパッド印刷によって前記インクでマ
ークを形成する工程と、 形成されたマークを硬化させる工程とを含むゴルフボー
ルの製造方法。 - 【請求項７】 樹脂組成物及び／又はゴム組成物から形
成されるゴルフボールの表面に、マークを直接形成する
請求項６に記載のゴルフボールの製造方法。 - 【請求項８】 更に、マークを保護するクリアー塗膜を
形成する工程を含む請求項６又は７に記載のゴルフボー
ルの製造方法。
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