JP2001191366A - 再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の射出成形品の製造方法 - Google Patents

再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の射出成形品の製造方法

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JP2001191366A
JP2001191366A JP2000004755A JP2000004755A JP2001191366A JP 2001191366 A JP2001191366 A JP 2001191366A JP 2000004755 A JP2000004755 A JP 2000004755A JP 2000004755 A JP2000004755 A JP 2000004755A JP 2001191366 A JP2001191366 A JP 2001191366A
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terephthalate resin
resin
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injection
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Daisuke Mizushima
大介 水島
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Chuo Kaseihin Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回収されたポリエチレンテレフタレート樹脂の
再生フレークを結晶化ペレットに加工することなく、非
結晶状粒子のまま安定して射出成形することができる再
生ポリエチレンテレフタレート樹脂の射出成形品の製造
方法を提供する。 【解決手段】再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の射
出成形において、乾燥した該樹脂の非結晶状粒子を射出
成形機ホッパーに実質的に蓄積させることなく成形する
ことを特徴とする再生ポリエチレンテレフタレート樹脂
の射出成形品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生ポリエチレン
テレフタレート樹脂の射出成形品の製造方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、回収されたポリエチレンテ
レフタレート樹脂の再生フレークを結晶化ペレットに加
工することなく、非結晶状粒子のまま安定して射出成形
することができる再生ポリエチレンテレフタレート樹脂
の射出成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート樹脂の射出
成形には、一般にガラス繊維を配合した樹脂の射出成形
が広く使用され、耐熱性、剛性に優れたエンジニアリン
グプラスチック成形品として広く使用されている。ポリ
エチレンテレフタレート樹脂は結晶化速度が遅いので、
ポリエチレンテレフタレート樹脂の射出成形の長年の課
題は、低い金型温度で射出成形を行っても成形品の結晶
化度を十分に上げることにあり、このために樹脂に適当
な結晶化核剤や結晶化促進剤を配合した配合物を創り出
すことにあった。適当な結晶化核剤や結晶化促進剤を配
合しない場合、金型温度を100℃以上にまで高くして
射出成形しないと、十分に結晶化した射出成形品は得ら
れない。十分に結晶化させることにより、射出成形品
に、高耐熱性と高剛性を発揮させることが追求されてき
た。一方、ポリエチレンテレフタレート樹脂の結晶化速
度が遅いことを利用して、透明な2軸延伸ペットボトル
(ポリエチレンテレフタレート樹脂製のびん)が広く使
用されている。2軸延伸ペットボトルの成形では、分子
量の大きいポリエチレンテレフタレート樹脂を用いて成
形中に結晶化が起こらないようにしている。さらに、最
近ポリエチレンテレフタレート樹脂に第三成分を共重合
して成形時の樹脂の溶融粘度を高め、結晶化速度を遅く
したダイレクトブロー成形用ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂も使用されるようになった。近年、この2軸延伸
ペットボトルが多量に使用されるようになり、年間数十
万トンが使用されて、それがそのまま廃棄物として廃棄
され、この再利用方法が強く求められている。この再利
用方法として、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイ
クル、サーマルリサイクルの各方法が使用されている
が、マテリアルリサイクルができれば最も好ましい。回
収された2軸延伸ペットボトルは、集積されたボトルが
洗浄、粉砕、異物除去され、乾燥されて再生フレークと
なる。再生フレークは、そのまま、あるいは、ペレット
化されて再生ポリエチレンテレフタレート樹脂として使
用される。2軸延伸ペットボトルからの再生フレークの
射出成形における課題は種々あるが、その中の一つは、
再生ポリエチレンテレフタレート樹脂のフレークが非結
晶であり、その軟化温度が低く、射出成形時に安定して
成形できないことにある。すなわち、非結晶状の再生フ
レークは軟化温度が低く、射出成形機ホッパー口又はス
クリューのフィードゾーンで相互に容易に粘着して団子
状になり、安定したスクリュー食い込みができなくな
る。シートなどの押出成形などにおいては、スクリュー
が連続回転しているので、このような粘着の発生は少な
いが、インラインスクリュー射出成形機では、スクリュ
ーが間欠的に回転するために、スクリュー回転が止まっ
ている間に再生ポリエチレンテレフタレート樹脂のフレ
ークの粘着が発生しやすい。そのために、射出成形で
は、再生ポリエチレンテレフタレート樹脂のフレーク
を、結晶化ペレットに加工してから成形することが一般
に行われている。再生フレークを結晶化ペレットに加工
することは、それだけで一工程増えることになり、さら
に結晶化ペレットにする装置を必要とし、コストがそれ
だけ高くなる。このために、非結晶状の再生ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂のフレークなどを、そのまま安定
して射出成形することができる再生ポリエチレンテレフ
タレート樹脂の射出成形品の製造方法が求められてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、回収された
ポリエチレンテレフタレート樹脂の再生フレークを結晶
化ペレットに加工することなく、非結晶状粒子のまま安
定して射出成形することができる再生ポリエチレンテレ
フタレート樹脂の射出成形品の製造方法を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、乾燥した再生ポリ
エチレンテレフタレート樹脂の非結晶状粒子を射出成形
機ホッパーに実質的に蓄積させることなく成形すること
により、射出成形機ホッパー口又はスクリューのフィー
ドゾーンにおける非結晶状粒子の粘着を防ぎ、安定して
射出成形を行うことが可能となることを見いだし、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、(1)再生ポリエチレンテレフタレート樹脂
の射出成形において、乾燥した該樹脂の非結晶状粒子を
射出成形機ホッパーに実質的に蓄積させることなく成形
することを特徴とする再生ポリエチレンテレフタレート
樹脂の射出成形品の製造方法、(2)非結晶状粒子が、
ポリエチレンテレフタレートボトル又はシートを粉砕し
た非結晶状フレークである第1項記載の再生ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂の射出成形品の製造方法、(3)
乾燥した再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の非結晶
状粒子を射出成形機スクリュー回転と連動してホッパー
に供給し、スクリューで可塑化される可塑化速度と同等
の供給速度又は飢餓供給速度で、空状態のホッパーに供
給する第1項又は第2項記載の再生ポリエチレンテレフ
タレート樹脂の射出成形品の製造方法、(4)射出成形
機のスクリューで可塑化される可塑化速度の80〜10
0%の速度で再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の非
結晶状粒子を空状態のホッパーに供給する第3項記載の
再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の射出成形品の製
造方法、及び、(5)ポリエチレンテレフタレートの固
有粘度が0.6〜1.0であり、ポリエチレンテレフタレ
ートに配合される配合物が、結晶化核剤0〜10重量
%、結晶化促進剤0〜20重量%、ガラス繊維0〜40
重量%である第1項、第2項、第3項又は第4項記載の
再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の射出成形品の製
造方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明方法においては、再生ポリ
エチレンテレフタレート樹脂の射出成形において、乾燥
した該樹脂の非結晶状粒子を射出成形機ホッパーに実質
的に蓄積させることなく成形する。本発明の再生ポリエ
チレンテレフタレート樹脂の射出成形品の製造方法は、
ペットボトル(ポリエチレンテレフタレート樹脂製のび
ん)、ペットボトル再生品から成形したシート及び該シ
ートの真空成形品(卵の包装パックなど)などを粉砕し
た非結晶状フレークに適用することができる。また、ポ
リエチレンテレフタレートに各種の配合物を配合した樹
脂を粉砕して得られる非結晶状粒子にも適用することが
できる。さらに、最近ポリエチレンテレフタレートに第
三成分を共重合して成形時の溶融粘度を高め、結晶化速
度を遅くしたダイレクトブロー成形用ポリエチレンテレ
フタレート樹脂も用いられるようになったが、本発明方
法は、このような第三成分を共重合したポリエチレンテ
レフタレート樹脂にも適用することができる。ペットボ
トル用のポリエチレンテレフタレート樹脂は、一般にエ
ンジニアリングプラスチックとして射出成形に使用され
るガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂に比
較して、分子量が大きい重合体が使用されている。特
に、耐クリープ性が要求される炭酸飲料用ペットボトル
に使用されているポリエチレンテレフタレート樹脂の分
子量は大きい。従来のポリエチレンテレフタレート樹脂
の射出成形においては、成形品の結晶化度を上げること
に注力されており、各種の結晶化核剤、結晶化促進剤な
どが多量に配合されている。これに対して、ペットボト
ル用の樹脂には配合物は比較的少なく、分子量が大きい
ことと併せて結晶化速度が遅い。
【0006】ポリエチレンテレフタレート樹脂の分子量
を示す指標として、一般に固有粘度(IV)(dL/g)
が用いられる。例えば、オルトクロロフェノールを溶媒
として、30℃で測定した値で表現して、醤油、ソー
ス、洗剤用のペットボトルには固有粘度0.65〜0.7
5、炭酸飲料、ジュース用のペットボトルには固有粘度
0.75〜0.9、化粧用品用のペットボトルには固有粘
度0.9〜1.0程度のポリエチレンテレフタレート樹脂
が使用されている。固有粘度とは、数個の濃度cの異な
る溶液について粘度測定を行って比粘度ηspを求め、c
に対してηsp/cをプロットし、得られた直線をc→0
に外挿して得られる値であるが、ここに述べる固有粘度
は、測定を多数行うことを避けるために、c=1g/dL
のときのη sp/c値を簡便的に用い、それをIV(g/
dL)値として一般に使用している。本発明に使用する再
生ポリエチレンテレフタレート樹脂は、広くペットボト
ルなどとして使用されているポリエチレンテレフタレー
トなどに由来するものであり、その固有粘度は、0.6
〜1.0であることが好ましく、0.65〜0.9である
ことがより好ましい。再生ポリエチレンテレフタレート
樹脂の固有粘度が0.6未満であると、射出成形品の強
度が不足するおそれがある。再生ポリエチレンテレフタ
レート樹脂の固有粘度が1.0を超えると、成形性が低
下するおそれがある。本発明方法においては、ペットボ
トルなどを粉砕して得られる非結晶状フレークや、各種
の配合物を配合した非結晶状フレークを用いる。各種の
配合物は、ポリエチレンテレフタレート樹脂に練り込ま
れていてもよく、あるいは、単なるドライブレンドでも
よい。少量の配合物を添加する場合には、ドライブレン
ドによっても十分に射出成形することができる。
【0007】本発明方法においては、再生ポリエチレン
テレフタレート樹脂に各種の配合物を配合することがで
きる。配合物としては、例えば、結晶化核剤、結晶化促
進剤、離型剤、安定剤、滑剤、着色剤、難燃剤、ガラス
繊維、ブレンド用ポリマーなどを挙げることができる。
結晶化核剤と結晶化促進剤を配合することにより、結晶
化速度の遅いポリエチレンテレフタレート樹脂の結晶化
を促進し、低い金型温度で射出成形を行っても、結晶化
した射出成形品を得ることができる。配合する結晶化核
剤としては、例えば、タルク、クレーなどの粘土類、酸
化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化鉄などの金
属酸化物、炭酸塩、珪酸塩、硫酸塩、燐酸塩などの無機
塩、モノカルボン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、マグ
ネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩など、安息香酸
のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩など、芳香
族オキシスルホン酸の金属塩など、有機燐化合物のマグ
ネシウム塩、亜鉛塩などの有機酸塩、アイオノマー、ポ
リエステルオリゴマーのアルカリ金属塩、全芳香族ポリ
エステルの微粉末などの高分子物質、カーボンブラッ
ク、グラファイト、アルミニウム粉末などの単体などを
挙げることができる。これらの結晶化核剤は、1種を単
独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わ
せて用いることもできる。これらの中で、タルクは、結
晶誘導期間、半結晶化時間ともに短く、結晶化促進効果
に優れ、且つ安価であるので、特に好適に使用すること
ができる。配合する結晶化促進剤としては、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂の可塑剤として働く物質を使用す
ることができ、低分子化合物、高分子化合物のいずれを
も使用することができる。結晶化促進剤として用いる低
分子化合物としては、例えば、ベンゾフェノンなどのケ
トン、テトラクロルエタンなどのハロゲン化炭化水素、
ネオペンチルグリコールジベンゾエート、トリフェニル
フォスフェート、フタル酸エステルなどのエステル、N
−置換芳香族アミドなどのアミドなどを挙げることがで
きる。結晶化促進剤として用いる高分子化合物として
は、例えば、カプロラクトン、その他各種脂肪族ポリエ
ステル、それらの末端封鎖化合物などのポリエステル、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
それらの末端封鎖化合物などのポリグリコール、脂環式
カルボン酸変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン、
ナイロン6などのポリアミドなどを挙げることができ
る。これらの結晶化促進剤は、1種を単独で用いること
ができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いること
もできる。
【0008】本発明方法において、結晶化核剤と結晶化
促進剤の種類と添加量は、再生ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂の分子量、射出成形品の厚み、射出成形時の金
型温度などの条件により、あるいは成形する射出成形品
が必要とする耐熱性、剛性などの要求度に応じて、適量
を選択して使用することができる。通常は、結晶化核剤
の含有量が0〜10重量%であることが好ましく、結晶
化促進剤の含有量が0〜20重量%であることが好まし
い。例えば、成形品肉厚が厚い場合、金型温度を低くし
て成形する場合、成形品の耐熱性がかなり必要とされる
場合などでは、結晶化核剤と結晶化促進剤の添加量を多
くして、成形品の結晶化を促進することが好ましい。し
かし、結晶化促進剤などを多量に加えることは、樹脂の
コストを上げることになり、微量の添加で目的を達成で
きるように、成形品肉厚、成形条件などを適度に選択す
ることが好ましい。配合する難燃剤としては、テトラブ
ロモビスフェノールA、塩素化ポリエチレン、臭素化ポ
リスチレンなどのハロゲン化合物、燐酸トリクレジル、
燐酸トリス(クロロエチル)などの燐化合物、三酸化アン
チモン、アンチモン酸ナトリウムなどのアンチモン化合
物などを挙げることができる。さらに、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ジ―t―ブチルフェノールなどの安
定剤、高級脂肪酸エステル、金属石鹸などの離型剤、滑
剤、各種ブレンド用ポリマーなどの配合物を必要に応じ
て配合することができる。本発明方法においては、再生
ポリエチレンテレフタレート樹脂にガラス繊維を配合す
ることができる。ガラス繊維を配合することにより、射
出成形品の曲げ剛性、引張強度、熱変形温度などを高め
ることができる。ガラス繊維の含有量に特に制限はない
が、0〜40重量%であることが好ましい。ガラス繊維
の含有量が40重量%を超えると、成形性が不良となる
おそれがある。
【0009】本発明の再生ポリエチレンテレフタレート
樹脂の射出成形品の製造方法においては、インラインス
クリュー射出成形機を使用する。本発明方法において
は、乾燥した再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の非
結晶状粒子を、射出成形機のホッパーに実質的に蓄積さ
せることなく成形する。ここに述べる樹脂の非結晶状微
粒子を射出成型機のホッパーに実質的に蓄積させること
なく成形するとは、ホッパーに蓄積される樹脂の量が、
1回のスクリューの前進により射出される樹脂量の5回
分(5ショット量)以下であり、好ましくは3ショット
量以下の状態で射出成形することを意味する。ホッパー
に蓄積される樹脂量は、5ショット量以下、好ましくは
3ショット量以下でほぼ一定の状態としてもよく、5シ
ョット量ないしは3ショット量が蓄積された状態とホッ
パー内に樹脂が存在しない空状態を繰り返してもよい。
一般の射出成形においては、ここに述べる樹脂量の数十
倍の樹脂量をホッパーに蓄積して成形することが行われ
るが、非結晶状フレークをこのように多量にホッパーに
蓄積すると、ホッパー下部において、非結晶状フレーク
が相互に粘着して団子状になり、あるいは、ホッパー下
部において、非結晶状フレークがブリッジを形成し、安
定して射出成形を行うことが困難となる。本発明方法に
おいては、乾燥した再生ポリエチレンテレフタレート樹
脂の非結晶状粒子を、射出成形機スクリュー回転と連動
してホッパーに供給し、スクリューで可塑化される可塑
化速度と同等の供給速度又は飢餓供給速度で、空状態の
ホッパーに供給することが好ましい。射出成形機のスク
リュー回転による樹脂の可塑化と、ホッパーへの樹脂の
供給が連動して繰り返される場合には、樹脂がホッパー
に存在するときのスクリュー回転による可塑化速度よ
り、ホッパーへの樹脂の供給速度が小さい状態、いわゆ
る飢餓供給速度で成形することがより好ましく、スクリ
ューで可塑化される可塑化速度の80〜100%の速度
でホッパーに供給することがさらに好ましい。飢餓供給
状態による運転は、二軸スクリュー押出機ではしばしば
行われるが、単軸インラインスクリュー射出成形機では
行われない。本発明方法においては、間欠的に飢餓供給
状態とすることもできる。
【0010】バレル中のスクリュー回転により、スクリ
ューフィードゾーンで樹脂が安定して供給されるための
好ましい条件は、樹脂がバレルに粘着しやすいこと、樹
脂がスクリューに粘着し難いこと、樹脂が相互に粘着し
ないこと、樹脂のかさ比重が大きい粒子状であることな
どである。本発明方法に使用する再生ポリエチレンテレ
フタレート樹脂は、次の3点の特殊事情を有する。すな
わち、ペットボトルなどから回収された再生ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂は、分子量が大きく、結晶化し難
いこと、この非結晶状粒子は軟化温度が極めて低いこ
と、さらに該粒子が相互に粘着しやすい性質を有するこ
とである。また、コスト節減のために、粉砕したままの
かさ比重の小さい非結晶状フレークを射出成形に使用し
たいという要望もある。すなわち、非結晶状ポリエチレ
ンテレフタレートの軟化温度は、ASTM D648、
荷重1.82MPaの条件における加熱変形温度が約21℃
であり、射出成形機のホッパー下で非結晶状フレークが
相互に粘着し、団子状になりやすい。また、本発明方法
に使用する再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の非結
晶状フレークはかさ比重が小さく、スクリュー食い込み
が極めて悪い。しかし、本発明方法によれば、ホッパー
に樹脂を実質的に蓄積することなく、樹脂相互が押し付
け合わないので、安定して射出成形を行うことができ
る。射出成形機のバレルのホッパー下の部分を冷却水に
よって冷却することはできるが、回転するスクリューの
冷却は困難であり、電熱によりスクリューのフィードゾ
ーンも加熱されやすく、ここで非結晶状フレークはスク
リューに粘着しやすくなり、さらに非結晶状フレーク相
互も粘着しやすくなる。本発明方法によれば、樹脂はホ
ッパー下からスクリューのフィードゾーンにかけて、加
圧状態で長時間存在することがないので、かさ比重の小
さい非結晶状フレークを素早く通過させて、非結晶状フ
レークのスクリューへの粘着と、非結晶状フレーク相互
の粘着を防止し、安定した樹脂可塑化を行うことができ
る。本発明方法により製造される再生ポリエチレンテレ
フタレート樹脂の射出成形品は、バケツ、ごみ箱、フェ
ンスなどの他に、ポリエチレンテレフタレート樹脂の性
能を生かした各種の用途に使用することができ、建材、
土木分野に特に好適に使用することができる。すなわ
ち、事務所、住居などの各種の屋内建築資材、例えば、
通信配線を床下に配置するビジネスオフィスの床下材な
どに好適に使用することができる。
【0011】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
ては、インラインスクリュー射出成形機[住友重機械工
業(株)、SG125M−HP、スクリュー径32mm、L
/D23]を使用して、図1に示す断面を有する、底面
が100mm×100mmの正方形、立ち上がりが50mm、
厚さが4mmの箱状の成形品の射出成形を行った。使用し
た再生ポリエチレンテレフタレート樹脂は、ペットボト
ルを粉砕して得られた固有粘度0.7の非結晶状フレー
クである。この非結晶状フレークを、除湿熱風乾燥機
[(株)松井製作所]を用いて、100℃脱湿乾燥(露点
10℃)を8時間行い、非結晶状フレークの水分率を
0.02重量%以下とした。非結晶状フレークにタルク
に配合する場合は、タルクを非結晶状フレークと共に乾
燥した。なお、射出成形条件は、下記のごとく設定し
た。 実施例1 樹脂として再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の非結
晶状フレークのみを用い、スクリュー回転と樹脂の供給
を連動させ、可塑化速度の90〜95%の速度で樹脂を
供給し、飢餓状態を保ちつつ射出成形を行った。スクリ
ューへの樹脂の食い込みは良好であり、安定して良好な
箱状成形品を得ることができた。 実施例2 樹脂として再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の非結
晶状フレーク98重量%とタルク2重量%の混合物を用
い、スクリュー回転と樹脂の供給を連動させ、可塑化速
度の90〜95%の速度で樹脂を供給し、飢餓状態を保
ちつつ射出成形を行った。スクリューへの樹脂の食い込
みは良好であり、安定して良好な箱状成形品を得ること
ができた。 実施例3 樹脂として再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の非結
晶状フレークのみを用い、ホッパーに樹脂を高速で供給
するが、ホッパーの樹脂蓄積量が0〜3ショット分を繰
り返すように、間欠的に樹脂を供給しつつ射出成形を行
った。スクリューへの樹脂の食い込みは良好であり、安
定して良好な箱状成形品を得ることができた。 実施例4 樹脂として再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の非結
晶状フレーク98重量%とタルク2重量%の混合物を用
い、ホッパーに樹脂を高速で供給するが、ホッパーの樹
脂蓄積量が0〜3ショット分を繰り返すように、間欠的
に樹脂を供給しつつ射出成形を行った。スクリューへの
樹脂の食い込みは良好であり、安定して良好な箱状成形
品を得ることができた。 比較例1 樹脂として再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の非結
晶状フレークのみを用い、ホッパーに20〜30ショッ
ト分の樹脂を常に蓄積するように樹脂を供給しつつ、射
出成形を行った。非結晶状フレークが相互に粘着して団
子状になり、スクリューへの樹脂の食い込みが不良であ
り、ショートショットの箱状成形品が多発した。 比較例2 樹脂として再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の非結
晶状フレーク98重量%とタルク2重量%の混合物を用
い、ホッパーに20〜30ショット分の樹脂を常に蓄積
するように樹脂を供給しつつ、射出成形を行った。非結
晶状フレークが相互に粘着して団子状になり、スクリュ
ーへの樹脂の食い込みが不良であり、ショートショット
の箱状成形品が多発した。実施例1〜4及び比較例1〜
2の結果を、まとめて第1表に示す。
【0012】
【表1】
【0013】本発明の製造方法によれば、再生ポリエチ
レンテレフタレート樹脂の非結晶状フレーク相互の粘着
による団子状化や、ホッパー下のブリッジ現象の発生も
なく、安定した射出成形が可能となる。
【0014】
【発明の効果】本発明方法によれば、回収されたポリエ
チレンテレフタレート樹脂の再生フレークを結晶化ペレ
ットに加工することなく、非結晶状粒子のまま安定して
射出成形し、良好な成形品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例で射出成形した箱状成形品の断
面図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 67:00 B29K 67:00 105:26 105:26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】再生ポリエチレンテレフタレート樹脂の射
    出成形において、乾燥した該樹脂の非結晶状粒子を射出
    成形機ホッパーに実質的に蓄積させることなく成形する
    ことを特徴とする再生ポリエチレンテレフタレート樹脂
    の射出成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】非結晶状粒子が、ポリエチレンテレフタレ
    ートボトル又はシートを粉砕した非結晶状フレークであ
    る請求項1記載の再生ポリエチレンテレフタレート樹脂
    の射出成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】乾燥した再生ポリエチレンテレフタレート
    樹脂の非結晶状粒子を射出成形機スクリュー回転と連動
    してホッパーに供給し、スクリューで可塑化される可塑
    化速度と同等の供給速度又は飢餓供給速度で、空状態の
    ホッパーに供給する請求項1又は請求項2記載の再生ポ
    リエチレンテレフタレート樹脂の射出成形品の製造方
    法。
  4. 【請求項4】射出成形機のスクリューで可塑化される可
    塑化速度の80〜100%の速度で再生ポリエチレンテ
    レフタレート樹脂の非結晶状粒子を空状態のホッパーに
    供給する請求項3記載の再生ポリエチレンテレフタレー
    ト樹脂の射出成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】ポリエチレンテレフタレートの固有粘度が
    0.6〜1.0であり、ポリエチレンテレフタレートに配
    合される配合物が、結晶化核剤0〜10重量%、結晶化
    促進剤0〜20重量%、ガラス繊維0〜40重量%であ
    る請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の再
    生ポリエチレンテレフタレート樹脂の射出成形品の製造
    方法。
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