JPH0859967A - 再生ポリエチレンテレフタレート組成物からなる大型射出成形品 - Google Patents

再生ポリエチレンテレフタレート組成物からなる大型射出成形品

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JPH0859967A
JPH0859967A JP19688194A JP19688194A JPH0859967A JP H0859967 A JPH0859967 A JP H0859967A JP 19688194 A JP19688194 A JP 19688194A JP 19688194 A JP19688194 A JP 19688194A JP H0859967 A JPH0859967 A JP H0859967A
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JP
Japan
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weight
polyethylene terephthalate
composition
molded product
glass fiber
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JP19688194A
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English (en)
Inventor
Satoyuki Kotani
智行 小谷
Satoyuki Itagaki
智行 板垣
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】再生ポリエチレンテレフタレートを50〜97
重量%及びガラス繊維を1〜25重量%含有し、該組成
物中のガラス繊維の平均長さが200〜2000μm、
極限粘度が0.4〜1.0dl/g、及び溶融急冷後昇
温速度20℃/分で測定した融解温度(Tm)が200
〜270℃である組成物からなり、且つ重量が1kg以
上であることを特徴とする大型射出成形品。 【効果】極めて優れた耐衝撃性等の物性を有するだけで
なく、コスト面においても優れた組成物であり、特にパ
レットやコンテナー等の大型製品として好適である。更
に、ポリエチレンテレフタレート製の使用済みのボトル
廃棄物の有効利用が可能であり、環境問題の解決方法を
提示しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、再生ポリエチレンテレ
フタレートの有効利用方法を提供し、更には耐衝撃性、
機械的性質及びコスト面等に極めて優れたガラス繊維強
化ポリエチレンテレフタレート組成物をも提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術及び本発明が解決しようとする課題】ポリ
エチレンテレフタレート樹脂は、その優れた特性によっ
て、ボトル、フィルム及び繊維等の分野に多用されてい
る。なかでもボトル用途においては得られる成形品が、
優れた透明性と表面光沢を示し、更に極めて衛生的なこ
とから、飲料用等の食品用、化粧品用、及び医療用等と
して巾広く使用されており、その使用量は年々増加の傾
向を示している。
【0003】しかしながら、その消費量の増加に伴って
廃棄物として排出されるポリエチレンテレフタレートの
量も必然的に増加するため、環境問題等として大きな問
題となるのである。一般に、廃棄物は一般廃棄物と産業
廃棄物に分類されるが、ポリエチレンテレフタレートか
らなるボトルの廃棄物の場合には、特に一般廃棄物であ
る一般消費者から排出される廃棄物が、大きな問題とし
て苦慮されている。
【0004】何故ならば、ポリエチレンテレフタレート
からなるボトルの一般廃棄物は、その処理が非常に難し
いからである。即ち、かかる廃棄物を埋立に使用するこ
とは、資源の有効利用及び環境破壊の観点からも好まし
くないのは言うまでもないが、ボトルの廃棄物は非常に
嵩張るために、運搬の効率が悪いだけでなく、地盤が不
安定になる、といった難しい条件を抱えている。
【0005】一方、廃棄物を溶融して成形品を製造す
る、いわゆるマテリアルリサイクルによって処理を行な
う場合にも、困難な問題がある。すなわちポリエチレン
テレフタレート樹脂製ボトルの一般廃棄物は、多くの場
合、多種類のプラスチックや他の素材が混合し、さまざ
まな汚れ方をした状態で排出されるだけでなく、その主
成分であるポリエチレンテレフタレート樹脂の分子量や
溶融粘度、及びポリエチレンテレフタレートの共重合成
分やその量もボトル毎に異なるものである。そのため
に、該ボトルの廃棄物にマテリアルリサイクルを試みた
としても、その成形品の物性のばらつきや不良品の発生
率は非常に大きいので、実現が容易でない。
【0006】このように、ポリエチレンテレフタレート
樹脂の廃棄物、特に一般廃棄物である再生ポリエチレン
テレフタレートの有効利用方法が強く望まれていたので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み鋭意検討を行った結果、再生ポリエチレンテレフタ
レート及びガラス繊維を特定量配合して射出成形し、か
つ得られる成形品の物性等を、ある特定の範囲にすれ
ば、上記の課題を解決し得ることを見いだし本発明を解
決するに至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、再生ポリエチ
レンテレフタレートを50〜97重量%及びガラス繊維
を1〜25重量%含有し、該組成物中のガラス繊維の平
均長さが200〜2000μm、極限粘度が0.4〜1
dl/g、及び溶融急冷後昇温速度20℃/分で測定し
た融解温度(Tm)が200〜270℃である組成物か
らなり、且つ重量が1kg以上であることを特徴とする
大型射出成形品、に存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いう再生ポリエチレンテレフタレートとは、主としてポ
リエチレンテレフタレート樹脂からなる組成物の廃棄物
の再生品を示すものである。ここで、主としてポリエチ
レンテレフタレート樹脂からなる組成物とは、本発明の
要旨を越えない範囲であれば特に限定されるものではな
いが、ボトル用、フィルム用及び繊維用途のものが好ま
しく、特に本発明の効果を最大限に発揮できるのは、ボ
トル用途の廃棄物のうち、一般消費者から排出されるボ
トルの廃棄物、いわゆる一般廃棄物の再生化である。
【0010】本発明の成形品は、再生ポリエチレンテレ
フタレート及びガラス繊維を特定量配合した組成物を、
射出成形したものである。本発明においては、かかる再
生ポリエチレンテレフタレートの含有量は、本発明の組
成物全体に対して、50〜97重量%であることが必要
である。本発明の目的のひとつは、資源の有効活用及び
環境問題の解決のために、再生ポリエチレンテレフタレ
ートの有効利用を行うことである。したがって、該再生
ポリエチレンテレフタレートの配合量が50重量%未満
であると、有効利用としての効果が小さすぎ、また、最
終的に得られる成形品に、ポリエチレンテレフタレート
以外のものが多量に配合されることにもなるので不適で
ある。
【0011】一方、再生ポリエチレンテレフタレートの
配合量が、97重量%を越える場合では実用品として優
れた物性を有する射出成形品が得られないので不適であ
る。更に好ましい範囲は、60〜97重量%であり、特
に好ましい範囲は、70〜95重量%である。前述した
ように、本発明の組成物の主原料は再生ポリエチレンテ
レフタレートであり、特に本発明の効果を最大限に発揮
できるのは、ボトル用途の廃棄物のうち、一般消費者か
ら排出されるボトルの廃棄物、いわゆる一般廃棄物の再
生品である。よって、ポリエチレンテレフタレート樹脂
の共重合成分もあらゆるものが配合されていると考えら
れる。
【0012】従って、本発明にいうポリエチレンテレフ
タレートの芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタ
ル酸が主成分となるが、これ以外にイソフタル酸、フタ
ル酸、2,6ーナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、
セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、pーオキシエ
トキシ安息香酸等)などが配合されていてもよい。一
方、グリコール成分としては、エチレングリコールが主
成分となるが、これ以外にジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4ーブタンジオール、1,4ー
シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール
の一種又は二種以上が配合されていてもよい。
【0013】しかしながら、本発明の組成物に配合され
る共重合成分の量、すなわちエチレンテレフタレート単
位以外の構造単位は、30モル%未満であることが好ま
しく、10モル%未満であることが更に好ましく、5モ
ル%未満であることが特に好ましい。かかる共重合成分
の量、すなわちエチレンテレフタレート単位以外の構造
単位が30モル%を超える場合、最終的に得られる成形
品の曲げ強度等の機械的性質が劣るようになり、好まし
くない。
【0014】また、本発明の組成物の融解温度Tmは2
00〜270℃の範囲であることが必要である。更に好
ましくは、230〜265℃、特に好ましくは245〜
265℃の範囲である。ここで、Tmとは、本発明のガ
ラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート組成物を窒素
中にて3分間溶融し、次いでドライアイスにて急冷した
後に20℃/分で昇温して測定した際に、最大の融解熱
量を示した融解温度のピーク値(℃)を示す。
【0015】更に、本発明の該組成物の結晶性について
は、次の好ましい要件がある。すなわち溶融急冷後の昇
温結晶化温度、Tccは140〜200℃が好ましく、
150〜180℃が更に好ましく、155〜175℃の
範囲が特に好ましい。ここで、Tccとは、当該ポリエ
チレンテレフタレート組成物を窒素中にて3分間溶融
し、次いでドライアイスにて急冷した後に一定速度で昇
温して測定した昇温結晶化温度のピーク値(℃)を示
す。尚、昇温速度は、20℃/分である。
【0016】Tccの値が140℃未満の場合、成形時
に、または成形品が、例えば80℃付近以上の高温に曝
された際に、組成物の結晶化が進行しやすくなり、耐衝
撃性の改良効果が損なわれるため好ましくない。一方、
Tccが200℃を越える場合、溶融成形性が劣るか、
または曲げ強度等の機械的性質が劣ることとなり、好ま
しくない。
【0017】尚、本発明の組成物のTccを上記範囲内
とするのは、核剤や可塑剤等の組み合わせや配合量を工
夫することによっても可能である。また、本発明の組成
物には、再生ポリエチレンテレフタレート以外のいわゆ
るバージンのポリエチレンテレフタレートも用いること
が可能であり、その場合ポリエチレンテレフタレート樹
脂の総計は、本発明の組成物全体に対し、70〜97重
量%配合されていることが好ましく、80〜95重量%
配合されていることが更に好ましい。即ち、ここでいう
ポリエチレンテレフタレート樹脂は、再生ポリエチレン
テレフタレート100%であることが、再生品の有効利
用という点で最も好ましい形態であるが、必ずしも再生
ポリエチレンテレフタレート100%である必要はな
い。
【0018】該ポリエチレンテレフタレート樹脂の配合
量が70重量%未満では、最終的に得られる成形品の曲
げ強度等の機械的性質が劣るようになり、好ましくな
い。一方、配合量が97重量%を越える場合には、特に
耐衝撃性等の機械的性質が劣るようになり好ましくな
い。本発明の組成物の極限粘度は0.4〜1dl/gの
範囲であることが必要であり、更に好ましくは、0.4
5〜0.8dl/gの範囲であり、特に好ましくは0.
45〜0.75dl/gの範囲である。かかる極限粘度
が0.4dl/g未満では、得られる最終成形品の機械
的性質、特に耐衝撃性等が劣るため不適である。一方、
極限粘度が1dl/gを越える場合においては、射出成
形の工程において、本発明のポリエチレンテレフタレー
ト組成物に配合されるガラス繊維の折れが著しくなる。
そのために、得られる成形品の機械的性質が劣るように
なるために不適である。
【0019】更に、本発明の組成物全体に対し、ガラス
繊維の濃度が1〜25重量%となるように、ガラス繊維
が配合されていることが必要であり、且つ、かかるガラ
ス繊維の平均長さは200〜2000μmの範囲である
ことが必要である。本発明の組成物におけるガラス繊維
の濃度が1重量%未満の場合では、曲げ強度や耐衝撃性
の改良効果等が不十分であるため不適である。一方、か
かる濃度が25重量%を越える場合には、ガラス繊維を
多量に配合することによる耐衝撃性の低下及び成形品の
外観悪化等の欠点が大きくなるため不適である。該濃度
の更に好ましい範囲は、3〜20重量%であり、特に好
ましい範囲は、5〜13重量%である。尚、ここで、濃
度とは添加剤等も含めた組成物全体の重量に対する濃度
である。
【0020】又、本発明の組成物中におけるガラス繊維
の平均長さは200〜2000μmの範囲であることが
必要である。更に好ましくは300〜1000μmの範
囲であり、特に好ましくは400〜800μmの範囲で
ある。かかる平均長さが200μm未満の場合、曲げ強
度や耐衝撃性の改良効果等が不十分であるため不適であ
る。一方、かかる平均長さが2000μmを越える場合
には、得られる成形品の外観が不良になる等の問題が生
じるために不適である。
【0021】本発明の組成物は、上述した構成要件を満
足する必要があるが、上に示したように本発明の組成物
の主原料は再生ポリエチレンテレフタレートであり、特
に本発明の効果を最大限に発揮できるのは、ボトル用途
の廃棄物のうち、一般消費者から排出されるボトルの廃
棄物、いわゆる一般廃棄物の再生品である。したがっ
て、本発明においは、本発明の構成要件を満足する組成
物を得る為に、該再生品を適宜選択する必要がある。
【0022】本発明においては、射出成形品の重量が1
kg以上であることが必要である。更に好ましくは5k
g以上である。本発明においては、再生品を有効利用す
ることに特徴があるため、得られる射出成形品の物性の
ばらつきや不良品の発生率も非常に大きい。よって、本
発明の目的を達成するためには、得られる射出成形品の
重量を規定することが必要となる。
【0023】更に、かかる成形品の用途としては、成形
材料の重量が非常に大きく成形材料のコスト面がより重
視されること、及び本発明のガラス繊維強化ポリエチレ
ンテレフタレート組成物が耐衝撃性に優れ且つコスト面
で有利なことから、パレット及びコンテナー等の大型成
形品の用途が好ましい。尚、かかるパレット及びコンテ
ナーの形状、構造は、その用途及び必要強度等によって
異なるため、特に限定されるものではない。例えば、パ
レットにおいては、上下のデッキボードとかかるデッキ
ボード同士とを接続する脚部材が射出成形により一体に
形成された構造、デッキボードと脚部材等を分割して形
成しこれを嵌合したり、接着剤による接着、高周波や超
音波による溶着等の手段を用いて組み立てたもの等、任
意である。
【0024】次に、本発明の好ましい製造方法について
説明する。但し、本発明は以下の製造方法に限定される
ものではない。本発明に用いる再生ポリエチレンテレフ
タレートは、主としてポリエチレンテレフタレート樹脂
からなる組成物の廃棄物の再生品を示すものであり、本
発明の要旨を越えない範囲であれば特に限定されるもの
ではないが、ボトル用、フィルム用及び繊維用途のもの
が好ましく、特に本発明の効果を最大限に発揮できるの
は、ボトル用途の廃棄物のうち、一般消費者から排出さ
れるボトルの廃棄物、いわゆる一般廃棄物の再生化であ
る。
【0025】かかる再生品のうち、分別回収された使用
済みのボトルは、次のような工程を経て本発明の配合品
として用いられることが特に好ましい。分別回収され
た、主としてポリエチレンテレフタレート樹脂からなる
ボトルは、必要に応じて、X線等の方法により、他素材
のボトルを更に取り除かれる。次いで、アルカリ水等を
用いたボトル洗浄や湿式粉砕、更に必要に応じて、金
属、他樹脂等の不純物を分離、及び/または乾燥を施
す。該再生品の形状は、好ましくは1〜50mm程度、
更に好ましくは3〜20mmの平均径で、平均厚みが、
好ましくは50〜2000μm、更に好ましくは100
〜700μmのフレーク状であることが取扱い、及びコ
スト面等の理由で好ましい。
【0026】次に、かくして得られた、再生ポリエチレ
ンテレフタレートを用いて射出成形をおこなうのである
が、本発明の組成物にはガラス繊維が配合されているこ
とが必要である。該ガラス繊維の配合方法としては、コ
スト面に非常に優れ、且つ得られる成形品の耐衝撃性の
改良効果が非常に大きいことから、以下の方法が推奨さ
れる。
【0027】その方法とは、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂97〜70重量部に対し、ガラス繊維を40〜9
0重量%含有するビニル系重合体3〜30重量部を配合
して射出成形する方法である。好ましくは、該ポリエチ
レンテレフタレート樹脂の50重量%以上、更に好まし
くは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上が
本発明でいう再生ポリエチレンテレフタレートである。
【0028】一般に、ガラス繊維強化ポリエチレンテレ
フタレート成形材料は、ポリエチレンテレフタレート樹
脂にガラス繊維を配合して押出機にて溶融混練して得ら
れるものであり、通常はそれを更に溶融成形することに
より成形品が得られる。しかしながら、かかる成形品
は、耐衝撃性の改良効果が不十分である。一方、上記の
方法により得られる組成物、すなわち、ガラス繊維を予
め40〜90重量%含有したビニル系重合体を前述のポ
リエチレンテレフタレート樹脂に配合した組成物を用い
て成形する方法によれば、驚くべきことに、極めて優れ
た耐衝撃性等の特性を有する成形品を得ることができる
のである。
【0029】以下、本発明に好ましく用いられるガラス
繊維含有ビニル系重合体について説明する。ビニル系重
合体を構成する単量体としてはスチレン、αーメチルス
チレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等のビニル芳
香族化合物、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル
等のビニルシアン化合物、その他アクリル酸、メタクリ
ル酸等のα,βー不飽和カルボン酸が例示される。これ
ら単量体は、一種でも使用できるが、相互に共重合可能
な二種以上の組み合わせが更に好ましい。
【0030】又、本発明の組成物の耐衝撃性を更に向上
させるべく、前記単量体以外に、ゴム質重合体を配合さ
せてもよい。かかるゴム質重合体としては、ジエン系ゴ
ム、エチレンープロピレンゴム、エチレンープロピレン
ージエンモノマーゴム、アクリレートゴム、及びこれら
の混合物が例示される。次に、ビニル系重合体中に含有
せしめるガラス繊維の含有量は、40〜90重量%の範
囲であることが好ましい。かかる含有量が40重量%未
満では、得られるガラス繊維強化ポリエチレンテレフタ
レート組成物にビニル系重合体が多量に配合されること
になり、ポリエチレンテレフタレート組成物の曲げ強度
等の機械的性質が損なわれるので好ましくない。一方、
かかる含有量が90重量%を越える場合には、ポリエチ
レンテレフタレート系組成物の耐衝撃性の改良効果が不
十分となり、好ましくない。該含有量の更に好ましい範
囲は、55〜85重量%、特に好ましい範囲は70〜8
5重量%である。
【0031】本発明の組成物中に配合する前記ビニル系
重合体の量は、3〜30重量部であることが好ましく、
5〜25重量部が更に好ましい。かかる配合量が3重量
部未満では、得られる成形品の曲げ強度等が劣るように
なり好ましくない。一方、30重量部を超えると、成形
品の耐衝撃性等の物性が劣るようになるため好ましくな
い。
【0032】また、かかるビニル系重合体中に含有され
ているガラス繊維の直径の平均値は5〜20μmが好ま
しく、7〜15μmの範囲が更に好ましい。かかる直径
が上記の範囲外である場合、得られるガラス繊維強化ポ
リエチレンテレフタレート組成物の耐衝撃性の改良効果
が小さくなり、好ましくない。更に、本発明におけるビ
ニル系重合体中に含有されている該ガラス繊維の長さの
平均値は、1〜20mmの範囲が好ましく、1〜5mm
の範囲が更に好ましく、2〜4mmの範囲が特に好まし
い。
【0033】ガラス繊維長さの平均値が1mm未満の場
合、ガラス繊維が単なる充填材としての性質しか示さな
くなるため、最終的に得られるガラス繊維強化ポリエチ
レンテレフタレート組成物の耐衝撃性の改良効果が小さ
くなり、好ましくない。一方、20mmを越える場合に
は、最終的に得られるポリエチレンテレフタレート組成
物の成形性が劣ったり、外観不良の問題等が生じること
があり、好ましくない。
【0034】本発明において好ましく用いられるガラス
繊維含有ビニル系重合体の製造法については特に限定さ
れるものではないが、好ましい製造法としては、ガラス
繊維チョップドストランドをビニル系重合体の原料とな
る前記単量体の一種または二種以上とともに懸濁重合系
に共存させて、該単量体を懸濁重合することによって製
造する方法が挙げられる。
【0035】ガラス繊維は、市販のものをそのまま使用
することもできるが、準備したガラス繊維チョップドス
トランドを、予め、重合に使用する単量体溶液に浸漬し
て濡らして用いると、得られるビニル系重合体に含有さ
れるガラス繊維を構成するマイクロファイバーの各々
が、重合体で完全に被覆されたものとなるため、特に好
ましい。
【0036】かかる重合の際に重合系に存在させるガラ
ス繊維の量は、単量体100重量部に対して、5〜80
0重量部の割合が更に好ましく、50〜500重量部の
割合が特に好ましい。また、懸濁重合の際、単量体に対
する水性媒体の割合は、単量体100重量部に対して、
100〜3000重量部の割合が好ましい。かかる水性
媒体が100重量部より少ない場合、重合が進行するに
したがって、生成混合物全体が極めて高粘度となり、生
成混合物を攪拌するのが困難となり、更に熱伝達又は温
度調節が難しくなるため、均一な樹脂が得られない等の
問題点が生じ、好ましくない。逆に水性媒体が3000
重量部を越える場合、仕込み単量体の量が制限され、生
産性が低下するので好ましくない。
【0037】尚、懸濁重合の際使用しうる懸濁安定剤と
しては、前記単量体を懸濁重合法によって重合するとき
に通常用いられるものでよく、例えばポリ酢酸ビニルの
各種けん化物(ポリビニルアルコール)、スチレンーマ
レイン酸共重合体、ポリメタクリル酸ソーダ、エチルヘ
キシルアクリレートとアクリル酸との共重合体等の水溶
性高分子化合物が挙げられ、これらは単独でも、また二
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0038】又、かかる懸濁剤に界面活性剤を併用する
こともできる。更に炭酸カルシウム等の無機系化合物を
用いることも可能である。重合開始剤としては、通常用
いられているラジカル発生重合剤が好ましく、その量と
しては、単量体100重量部に対して、0.005〜
3.0重量部の割合が特に好ましい。懸濁重合反応は、
通常の懸濁重合に用いられる縦型反応器、或いは横型反
応器等が用いられ、特に制限されるものではない。
【0039】このようにして得られるガラス繊維含有ビ
ニル系重合体中には、各々のガラス繊維の多数が一定方
向に配列集合し、更に、このガラス繊維が集束したま
ま、その表面がオレフィン系重合体で被覆され、その外
観があたかも押出機で製造されるペレットと同様の形態
の重合体、即ちいわゆるコリメート品となり、ガラス繊
維含有ビニル系重合体として特に好ましく用いられる。
【0040】更に、そのペレット状の重合体の平均粒径
がタイラー標準篩で2.5〜35メッシュの範囲のもの
が特に好ましい。又、かかる重合体ペレットには、10
〜数100本のガラス繊維チョップドストランドが集束
されていることが、特に好ましい。本発明においては、
コスト面が良好であることから、好ましくはフレーク上
の再生ポリエチレンテレフタレート及びガラス繊維含有
ビニル系重合体をドライブレンドし、射出成形する方法
が採られるが、該ビニル系重合体ペレットの形状及び粒
径が上記の範囲外である場合、成形性、及び最終的に得
られるガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート系組
成物中におけるガラス繊維の分散性が劣る場合があるた
め好ましくないのである。
【0041】本発明のガラス繊維強化ポリエチレンテレ
フタレート組成物は、上述した再生ポリエチレンテレフ
タレートに、かかるガラス繊維含有オレフィン系重合体
ペレットを配合することにより得ることが好ましい。配
合の方法については特に限定はないが、好ましくは、各
種の混合機を使用したドライブレンド法が挙げられる。
【0042】本発明の組成物は、従来法におけるガラス
繊維とこれに配合されるべき樹脂とを押出機で混練する
工程を省くことができるので、コスト面において極めて
優れた方法である。また、かかる方法により射出成形す
る場合には、ガラス繊維の表面がビニル系重合体で被覆
されているので、ガラス繊維の折れが少なく、更に成形
機の損傷も少ない。
【0043】このように、本発明の組成物は、上記特定
の方法によって再生ポリエチレンテレフタレートにガラ
ス繊維を配合せしめることにより得られるが、かかる方
法を採れば、格段に優れた耐衝撃性を有する射出成形品
を得ることができる。ところで本発明の成形材料は、再
生ポリエチレンテレフタレートを用いるものであり、し
たがって様々な形状、特にフレーク状の成形材料をも使
用する必要が生じてくる。そのため、射出成形の製造工
程において、様々な問題点が生じることがある。
【0044】例えば、フレーク状の成形材料を乾燥する
場合においては、その嵩密度が非常に低いために、乾燥
機の容量を大きくしたり、熱伝導を補う為に、より高
温、長時間の乾燥が必要となる。該問題点を解決する方
法として、本発明においては、ベント式射出成形機を用
いることが好ましい。なお、このベント式射出成形機と
は、少なくとも1つ以上のベント孔を設けた射出成形機
であり、水分を除去するために、ベント孔のすくなくと
も1つは、好ましくは100トール以下、更に好ましく
は50トール以下、特に好ましくは30トール以下の減
圧度に保持する。
【0045】また、様々な形のフレーク状の成形を行う
場合には、成形機のホッパー内のブリッジングや安定供
給が困難であったり、材料の食い込み不良が生じたり、
さらには材料の分散不良が生じたりする。この課題を解
決する好ましい方法として射出成形機上に、フィーダー
を取り付ける方法、特に好ましくはスクリュー式のフィ
ーダーのような材料供給装置を設ける方法がある。
【0046】ここで、射出成形条件としては、特に制限
はなく周知の条件が採用されるが、例えば溶融温度(樹
脂温度)は240〜310℃の範囲が好ましく、射出率
は1000〜5000cc/sec程度の条件が好ましく採用
できる。また、射出成形時における金型の実質温度につ
いても特に限定されないが、0〜70℃の範囲が好まし
く、0〜60℃の範囲が更に好ましく、0〜50℃の範
囲が特に好ましい。かかる範囲である場合、耐衝撃性の
改良効果が大きく、生産性が良好となる。
【0047】尚、本発明の組成物中のガラス繊維の平均
長さは、前述した特定範囲とする必要があり、この構成
要件を満足させるべく、可塑化等の成形条件について
も、特定の方法を採ることも必要となる。本発明の組成
物中には、必要に応じて所定の安定剤を配合せしめるこ
ともできる。かかる安定剤としては、公知のヒンダード
フェノール系、チオエーテル系及びアミン系などの酸化
防止剤、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系などの
耐候剤等が例示され、特にヒンダードフェノール系の安
定剤が好ましい。その配合量としては、本発明の組成物
全体100重量部に対して、0.001〜10重量部、
更に好ましくは0.01〜3重量部の範囲が好ましい。
配合量がその範囲外である場合、安定剤としての効果が
小さすぎる、又は機械的性質が損なわれる等の理由によ
り好ましくない。本発明の組成物中に安定剤を配合せし
めることによって、本発明の方法により発現された優れ
た耐衝撃性の改良効果が維持されるので好ましい。
【0048】さらに、本発明の組成物中に離型剤を配合
せしめることも有効である。かかる離型剤としては、パ
ラフィンワックス、ポリエチレンワックス、モンタン酸
エステルワックス、モンタン酸金属塩、ステアリン酸金
属塩、シリコーンオイル及び含フッ素系ポリマー等が挙
げられる。その配合量としては、本発明の組成物全体1
00重量部に対して0.01〜5重量部、更に好ましく
は0.1〜2重量部の範囲である。配合量が0.01重
量部未満の場合、射出成形時における離型性が劣るため
に、成形品の外観不良や生産性の低下等の問題が生じる
ために好ましくない。一方、配合量が5重量部を越える
場合では、射出成形時に、離型剤が成形品に付着する及
び/又は機械的性質が損なわれる等の理由により好まし
くない。
【0049】パレット及びコンテナー等の大型製品にお
ける好ましい離型剤としては、離型性及びコスト面よ
り、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが更に
好ましく、パラフィンワックスが特に好ましい。また、
離型剤の融点は、その離型性及び取扱い性の点より、5
0〜200℃の範囲が好ましく、50〜150℃の範囲
が更に好ましく、50〜100℃の範囲が特に好まし
い。
【0050】また、本発明においては、射出成形時に発
泡せしめる方法を採ることもできる。特に、パレット及
び、コンテナー等の大型成形品の用途においては、軽量
化及び成形品のヒケ防止等の点から、発泡成形すること
が好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート
100重量部に対して、発泡剤を0.01〜2重量部配
合し、本発明の方法により射出成形すれば、発泡倍率が
1.05〜2倍、更に好ましくは、1.1〜1.6倍の
成形品が得られる。該発泡倍率が1.05未満では、発
泡成形の効果が小さすぎ、2を越える場合には、成形品
の機械的性質、特に耐衝撃性や曲げ強度等が劣るように
なるために好ましくない。又、成形品の密度(比重)は
0.8〜1.4g/ccの範囲が好ましく、0.8〜1.3
g/ccの範囲が更に好ましく、0.9〜1.2g/ccの範囲
が特に好ましい。かかる成形品の密度が、0.8g/cc未
満の場合、特に耐衝撃性や曲げ強度等が劣るようになる
ために好ましくない。一方、成形品の密度が1.4g/cc
を超える場合、取り扱い性等が劣るようになるために好
ましくない。
【0051】かかる発泡剤としては、具体的には、ジイ
ソプロピルヒドラゾジカルボキシレート、5ーフェニル
テトラゾール、ヒドラゾジカルボンアミド、バリウムア
ゾジカルボキシレート、トリヒドラジノトリアジン等が
例示され、その分解開始温度は、150℃以上が好まし
く、200℃以上が更に好ましく、240℃以上が特に
好ましい。
【0052】本発明の組成物には、上記安定剤、離型剤
及び発泡剤以外に、必要に応じて、染料や顔料等の着色
剤、酸化チタンやカーボンブラック等の紫外線遮断剤及
び、通常のガラス繊維やフレカ、マイカ、カーボンファ
イバー及びチタン酸カリファイバー等の強化剤、シリ
カ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ガラス
ビーズ等の充填材、無機及び有機系の核剤、可塑剤、接
着剤、接着助剤、難燃剤、難燃助剤等を任意に配合して
もよい。
【0053】更に、本発明の組成物の耐衝撃性を更に改
良すべく、公知の耐衝撃性改良剤を配合することも好ま
しい。かかる耐衝撃性改良剤は特に限定されるものでは
ないが、例えば、αーオレフィンとα,βー不飽和カル
ボン酸のグリシジルエステルとの共重合体及びエチレン
系共重合体等の組成物や、不飽和カルボン酸或いはその
無水物をグラフトしたエチレン・αーオレフィン共重合
体及びポリエポキシ化合物とを添加した組成物等が挙げ
られる。
【0054】特に本発明においては、耐衝撃性の改良効
果及びコスト面から、アクリル酸エステル系エラストマ
ーが好ましく用いられる。その配合量としては、本発明
の組成物全体100重量部に対して、1〜20重量部が
好ましく、1〜5重量部が更に好ましく、1〜4重量部
が特に好ましい。尚、上記添加剤の配合方法は、特に限
定されるものではなく、例えば予めかかる添加剤をポリ
エチレンテレフタレート樹脂、更に好ましくは再生ポリ
エチレンテレフタレート中に配合したり、該添加剤のマ
スターバッチを成形時にブレンドして配合してもよい。
【0055】
【実施例】以下、本発明を、実施例を挙げて更に詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例により何ら限定されるものではない。尚、実施例
における種々の物性及び特性の測定方法、定義は下記の
通りである。又、実施例及び比較例中「部」とあるのは
「重量部」を示す。 (1)極限粘度 組成物中の灰分を除いたサンプル1gをフェノール/テ
トラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒1
00ml中に溶解して、30℃で測定した。
【0056】すなわち、例えば灰分が10重量部の場合
は、サンプルを1×100/(100−10)g採取
し、混合溶媒100ml中に溶解して、測定した。 (2)再生ポリエチレンテレフタレートの形状評価 再生ポリエチレンテレフタレートから任意に1000個
取り出し、平均径及び平均厚みを測定し、その平均値を
求め、再生ポリエチレンテレフタレートの形状の評価と
した。 (3)融解温度(Tm)及び昇温結晶化温度(Tcc) 成形品から任意に約10mgの試験片を取り出し、窒素
中にて300℃で3分間溶融後、ドライアイスにて急冷
した。かかる急冷物を、パーキンエルマー製のDSC−
1B型にて、昇温速度20℃/分の条件で昇温し、発熱
ピーク温度Tcc、及び吸熱ピーク温度Tmを求めた。 (4)ガラス繊維の平均長さ 成形品から任意に約10gの試験片を取り出し、それを
600℃にて3時間焼成した。次いで、得られた残査に
ついて、写真法にて100本のガラス繊維の長さを測定
し、平均値を求めた。この作業を10回繰り返して、ガ
ラス繊維の平均長さL値を求めた。 (5)成形性 成形品である製品を100個製造し、成形性の評価を下
記の判断基準にて行った。
【0057】×:成形時の可塑化または固化速度に問題
がある、若しくは、離型性が悪く、製造上問題があり、
実用化が困難と判断される。 ○:製造中全く問題はなく、成形性が良好である。 △:上記×と○の中間的状況。 (6)特性評価 成形品である製品を100個製造し、下記方法にて成形
品の特性評価を行った。なお、耐衝撃性及び曲げ強度の
評価に関しては、得られた成形品を100℃にて1時間
熱処理した後に、その特性評価を行った。
【0058】(a)外観 成形品外観の評価として、下記の判断基準にて、目視に
て評価した。 ×:成形品の表面の光沢が極めて低く、又は離型ムラ、
成形時の割れによる欠け等があり、製品としての外観が
不良であるため、実用に耐えないと判断される。
【0059】○:特に問題はなく、外観が良好である。 △:上記×と○の中間的状況。 (b)耐衝撃性 成形品を室温下に、0.75mの高さから水平に落下さ
せて破損の有無を目視した。この作業を100個の製品
について行ない、下記の評価基準により、判定した。
【0060】×:100個中、5個以上の破損が明らか
に見られ、実用に耐えないと判断される。 △:100個中、5個未満ではあるが明らかな破損が見
られ、大量製造には不安が残る。 ○:100個中、破損は全くなく、極めて良好。
【0061】(c)曲げ強度(パレット) 成形品を23℃にて、荷重1000kg、圧縮速度12
mm/分、間隔900mmにて、たわみ量を測定しこの
作業を30個の成形品に関して繰り返し、たわみ量の平
均値を求め、下記の評価基準により、判定した。 ×:100個の製品中、5個以上の製品のたわみ量が1
5mmを超え、高強度パレットとして、使用することが
できない。
【0062】△:100個の製品中、5個以上の製品の
たわみ量が10〜15mmとなり、高強度パレットとし
ては若干劣る。 ○:100個の製品のたわみ量が10mm未満となり、極
めて良好である。 (d)曲げ強度(コンテナー) 成形品に内容物20kgを等分布に入れ、50℃にて底面
のたわみ量を測定した。この作業を30個の成形品に関
して繰り返し、たわみ量の平均値を求め、下記の評価基
準により判定した。
【0063】×:100個の製品中、5個以上の製品の
たわみ量が10mmを超え、高強度コンテナーとして、使
用することができない。 △:100個の製品中、5個以上の製品のたわみ量が5
〜10mmとなり、高強度コンテナーとしては若干劣る。 ○:100個の製品のたわみ量が5mm未満となり、極め
て良好である。 (6)発泡倍率 発泡成形品と、発泡剤を添加しない以外は同様にして製
造した成形品(非発泡成形品)とを用い、下記式により
求めた。
【0064】
【数1】 <実施例1> [再生ポリエチレンテレフタレート(A)の製造]分別
回収された、一般消費者にて使用された飲料用等の使用
済みのボトルを、まずX線を用いて他素材のボトルを取
り除いた。次にそのボトルを弱アルカリ性の水溶液、及
び水にて洗浄後、湿式粉砕を行った。更に比重差を利用
して、ポリエチレンテレフタレート以外の樹脂や金属を
分離した。得られたフレーク状の再生ポリエチレンテレ
フタレートを、実施例1の原料(A)として用いた。
【0065】該再生品の形状は、平均径が5mm、平均
厚みが300μmであった。 [ガラス繊維含有ビニル系重合体(B)の製造]環流冷
却器、温度計、錨型攪拌機及びバッフルを装備した容量
3lの縦型オートクレーブを用い、ガラス繊維(チョッ
プドストランド:直径10μm,長さ3mm)210
g、スチレン100g、アクリロニトリル37g、ベン
ゾイルパーオキサイド1.4g、を仕込み、オートクレ
ーブ内を減圧にして窒素ガスを入れて窒素置換を行い、
ガラス繊維を上記単量体混合物に浸漬した状態で10分
間放置した。
【0066】次に、このオートクレーブ内に脱イオン水
1750ml、懸濁剤(エチルヘキシルアクリレートと
アクリル酸との共重合体)2.0g、よりなる水溶液を
仕込み、攪拌しながら内温を80℃に昇温し、この温度
で5時間重合反応を継続した。次いで、未反応単量体を
ストリッピングにより除去した。尚、かかる単量体の重
合体への転化率は92%であった。
【0067】重合終了後のスラリーは、水と重合体に分
離し、該重合体を水洗後、乾燥した。得られた生成物
は、ペレット状のガラス繊維含有ビニル系重合体(B)
が約250g、及びガラス繊維を実質的に含有しない重
合体粉末が約90gであった。ここで得られたペレット
状ガラス繊維含有ビニル系重合体(B)の形状は、直径
が約2mm、長さが約3mmであり、ガラス繊維の含有
率は、80.0重量%であった。 [離型剤と安定剤のマスターバッチ(C)の製造]前記
の再生ポリエチレンテレフタレート(A)100重量部
に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名イルガ
ノックス1010)を1重量部、パラフィン系ワックス
(商品名155゜Fワックス、融点:約75℃)を2.
5重量部を混合し、二軸押出機を用いてペレット化し
た。
【0068】得られたペレットを、離型剤と安定剤のマ
スターバッチ(C)とする。 [大型射出成形品、パレットの製造]前記の再生ポリエ
チレンテレフタレート(A)70重量部と、離型剤と安
定剤のマスターバッチ(C)17.5重量部、及び前記
のガラス繊維含有ビニル系重合体(B)12.5重量部
を加えて未乾燥で、ベント付き射出成形機上に備え付け
た混合機にてドライブレンドし、スクリュ−式の材料供
給装置を用いて成形機内に、かかるブレンドした成形材
料を供給した。
【0069】次いで樹脂温度290℃、金型温度30℃
の成形条件で射出成形し、別途同一成形材料にて成形し
た嵌合用の脚部材9個(0.20kg/1個)を用い
て、2個の成形品を合わせて、110×110×38c
mの大きさのパレットを製造した。得られたパレットの
重量は15kgであった。その評価結果を表1に示す。
極めて優れた性能のパレットが得られた。 <比較例1>極限粘度が0.65であるホモポリエチレ
ンテレフタレート樹脂62.5重量部に対し、実施例1
のガラス繊維含有オレフィン系重合体(A)37.5重
量部を配合し、実施例1と同様の成形条件にて、パレッ
トを製造した。
【0070】得られたパレットの評価結果を表1に示
す。 <比較例2>極限粘度が0.90であるホモポリエチレ
ンテレフタレート樹脂100重量部に対し、ヒドロキシ
安息香酸のジナトリウム塩0.3重量部、平均粒径3μ
mのタルク1.0重量部、末端に1個のメチル基を有す
る分子量が2500のポリエチレングリコ−ル2.0重
量部、及び離型剤としてポリエチレンワックス(融点1
25℃)0.05重量部を混合し、二軸押出機を用い
て、ペレット状のポリエチレンテレフタレート組成物
(D)を得た。
【0071】得られたペレット(D)81.3重量部、
及び実施例1のガラス繊維含有オレフィン系重合体
(A)を18.8重量部配合し、実施例1と同様の成形
条件にて、パレットを製造した。得られたパレットの評
価結果を表2に示す。 <比較例3>極限粘度が0.65であるホモのポリエチ
レンテレフタレート樹脂85重量部、平均直径が10μ
m且つ平均長さが約3mmであるガラス繊維チョップド
ストランド15重量部、及び離型剤としてポリエチレン
ワックス(融点125℃)0.05重量部を混合し、二
軸押出機を用いて、ペレット状のポリエチレンテレフタ
レート組成物(E)を得た。得られたペレット(E)を
実施例1と同様の成形条件にて、パレットを製造した。
【0072】得られたパレットの評価結果を表2に示
す。 <実施例2>実施例1において、金型を変更する以外は
実施例1と全く同様の材料にて射出成形し、50×80
×29cmの大きさのコンテナーを製造した。得られた
コンテナーの重量は22kgであった。その評価結果を
表3に示す。極めて優れた性能のコンテナーが得られ
た。 <比較例4>比較例1において、金型を変更する以外は
比較例1と全く同様の材料にて射出成形し、50×80
×29cmの大きさのコンテナーを製造した。得られた
コンテナーの評価結果を表3に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【発明の効果】本発明のガラス繊維強化ポリエチレンテ
レフタレート組成物は極めて優れた耐衝撃性等の物性を
有するだけでなく、コスト面においても優れたものであ
り、特にパレットやコンテナー等の大型製品として好適
であり、その工業的価値は極めて高いものである。更に
は、本発明は、ポリエチレンテレフタレート製の使用済
みのボトル廃棄物の有効利用に関するものであり、環境
問題の解決方法を提示するという極めて価値の高いもの
である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】再生ポリエチレンテレフタレートを50〜
    97重量%及びガラス繊維を1〜25重量%含有し、該
    組成物中のガラス繊維の平均長さが200〜2000μ
    m、極限粘度が0.4〜1dl/g、及び溶融急冷後昇
    温速度20℃/分で測定した融解温度(Tm)が200
    〜270℃である組成物からなり、且つ重量が1kg以
    上であることを特徴とする大型射出成形品。
  2. 【請求項2】該組成物を溶融急冷後昇温速度20℃/分
    で測定した昇温結晶化温度(Tcc)が140〜200
    ℃であることを特徴とする請求項1記載の大型射出成形
    品。
  3. 【請求項3】該組成物が、ポリエチレンテレフタレート
    樹脂97〜70重量部、及び、ガラス繊維を40〜90
    重量%含有するビニル系重合体3〜30重量部を配合し
    てなることを特徴とする、請求項1又は2記載の大型射
    出成形品。
  4. 【請求項4】再生ポリエチレンテレフタレートがボトル
    用途の一般廃棄物からなり、且つその形状がフレーク状
    である請求項1乃至3記載の大型射出成形品。
  5. 【請求項5】大型射出成形品がパレットであることを特
    徴とする請求項1乃至4記載の大型射出成形品。
  6. 【請求項6】大型射出成形品がコンテナーであることを
    特徴とする請求項1乃至5記載の大型成形品。
  7. 【請求項7】ベント式射出成形機を用いることを特徴と
    する請求項1乃至6記載の大型射出成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】ベント式射出成形機及びフィーダーを用い
    ることを特徴とする請求項7記載の大型射出成形品の製
    造方法。
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