JP2021146507A - 物質の分離方法及びリサイクル方法並びに共射出成形容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】水よりも大きな比重を有する物質同士を安定かつ経済的に分離する方法を提供することである。また、分離された物質をそれぞれ独立に溶融成形するリサイクル方法を提供する。さらに、このような分離・リサイクル法に好ましく供される共射出成形容器を提供する。【解決手段】エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)又はポリアミド(B)を主成分とする物質(X)及びポリエステル(C)又は塩素系樹脂(D)を主成分とする物質(Y)を、水溶性化合物(S)を含有する水溶液(W)中で、物質(X)を浮遊させ、物質(Y)を沈降させる分離方法であって、水溶液(W)の比重w、物質(X)の比重x、物質(Y)の比重yが特定の関係式を満たす、分離方法。【選択図】なし

Description

本発明は、比重差を用いた物質の分離方法及び分離された物質をそれぞれ独立に溶融成形するリサイクル方法、並びに該分離・リサイクル法に供される共射出成形容器に関する。
食品包装をはじめとするプラスチック包装材料には、機械物性、耐熱性、ガスバリア性、ヒートシール性といった種々の機能を有する多様な素材が積層されて使用されている。たとえば、機械物性を高めるためにはポリアミド、耐熱性を高めるためにはポリエステル、ガスバリア性を高めるためにはエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリ塩化ビニリデン、ヒートシール性を高めるためにはポリエチレンやポリプロピレンといった各種ポリオレフィンが広く使用されている。
また、近年では、環境問題や廃棄物問題が契機となり、市場で消費された包装材料を回収して再資源化する、いわゆるポストコンシューマーリサイクル(以下、単にリサイクルと略称することがある)の要求が世界的に高まっている。リサイクルにおいては、回収された包装材料を破砕・裁断し、必要に応じて分離・分別・洗浄した後に、押出機を用いて溶融成形し、リサイクル樹脂として再ペレット化する工程が一般に採用される。こうして得られたペレットを用いて、様々な成形体が製造される。
ここで、分離・分別方法としては、近赤外センサーや金属センサーを用いたものとともに、比重差を用いて水中で分離する方法が知られている。たとえば、水を分離媒体とした場合、比重が1未満の物質、たとえばポリエチレンやポリプロピレンを浮遊させ、比重が1以上の物質、たとえばポリアミドやポリエステルを沈降させることで両者を分離することができる。一方、比重が1よりわずかに大きい物質、たとえばポリスチレンを浮遊させて分離する場合には、水溶性の塩類、好ましくは塩化ナトリウムを溶解した水溶液を用いて分離する方法が記載されている(特許文献1、非特許文献1)。
特表2017−515676号公報
日本鉱業会誌/92巻1064号675−679
上記したように、食品包装をはじめとするプラスチック包装材料には多様な素材が使用されており、そのままではリサイクルが困難な素材の組合せが多い。たとえば、ポリエチレンテレフタレートをはじめとするポリエステルは融点が高い場合が多く、包装材料として広く使用される他素材と混合してリサイクルすることが困難である。また、ポリ塩化ビニリデンのような塩素系樹脂は、加工設備への影響やリサイクル樹脂の品質劣化懸念のため、包装材料として広く使用される他素材と混合してリサイクルすることが困難である。一方、包装材料として広く使用されるエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアミドは比重が1よりもずっと大きいため、塩化ナトリウムを溶解した水溶液を用いてポリエステルや塩素系樹脂と分離することは困難であった。包装材料に使用される主な素材の比重の例を下記に示す。
ポリエチレン:0.91〜0.97
ポリプロピレン:0.90〜0.91
ポリスチレン:0.98〜1.10
エチレン−ビニルアルコール共重合体:1.12〜1.22
ナイロン6:1.12〜1.14
ポリエチレンテレフタレート:1.29〜1.40
ポリ塩化ビニリデン:1.65〜1.72
このような状況に鑑み、本発明の目的は、水の比重よりも比較的大きな比重を有する物質同士を安定かつ経済的に分離する方法を提供することである。具体的には、エチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアミドを浮遊させ、ポリエステルや塩素系樹脂を沈降させる分離方法を提供することである。また、このようにして分離された物質をそれぞれ独立に溶融成形するリサイクル方法を提供することである。また、このような分離・リサイクル法に好ましく供される共射出成形容器を提供することである。
本発明者らは、水溶性化合物を用いた特定濃度範囲の水溶液を用いることで、水の比重よりも比較的大きな比重を有する物質同士を安定かつ経済的に分離することができ、このようにして分離された物質をそれぞれ独立に溶融成形することで、リサイクル樹脂として有効に活用できることを見出した。また、特定の金属イオンを有するエチレン−ビニルアルコール共重合体とポリエステルからなる共射出成形容器は、機械物性、耐熱性、ガスバリア性に優れ、上記分離・リサイクル法への適合性が特に高いことを見出し、発明を完成させた。すなわち、上記課題は、
[1]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)又はポリアミド(B)を主成分とする物質(X)及びポリエステル(C)又は塩素系樹脂(D)を主成分とする物質(Y)を、水溶性化合物(S)を含有する水溶液(W)中で、物質(X)を浮遊させ、物質(Y)を沈降させる分離方法であって、水溶液(W)の比重w、物質(X)の比重x、物質(Y)の比重yが下記式(1)を満たす分離方法;
1.10≦x+0.03≦w≦y−0.03 ・・・(1)
[2]比重x及び比重yが下記式(2)を満たす、[1]の分離方法;
1.15≦x、1.35≦y ・・・(2)
[3]水溶液(W)中の水溶性化合物(S)の濃度が40質量%以下である、[1]又は[2]の分離方法;
[4]水溶液(W)中の水溶性化合物(S)の濃度が水溶性化合物(S)の飽和濃度よりも10質量%以上小さい、[1]〜[3]のいずれかの分離方法;
[5]水溶性化合物(S)が塩化カルシウムである、[1]〜[4]のいずれかの分離方法;
[6]物質(X)がエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)を主成分とする物質であり、物質(Y)がポリエステル(C)を主成分とする物質である、[1]〜[5]のいずれかの分離方法;
[7]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン及び亜鉛イオンからなる群から選択される少なくとも1種の2価金属イオン(E)を20〜200ppm含有する、[1]〜[6]のいずれかの分離方法;
[8]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)が、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン及び銅イオンからなる群から選択される少なくとも1種の遷移金属イオン(F)を100〜1000ppm含有する、[1]〜[7]のいずれかの分離方法;
[9]物質(X)及び物質(Y)が、物質(X)からなる層(XL)と物質(Y)からなる層(YL)が隣接した構造を有し、層(XL)と層(YL)間の接着強度が20〜200g/15mmである積層体(Z)から得られたものである、[1]〜[8]のいずれかの分離方法;
[10]水溶液(W)に投下する前か、又は水溶液(W)中で積層体(Z)を粉砕し、破砕片を得る工程を含む、[9]の分離方法;
[11]積層体(Z)が共射出成形容器を構成する、[9]又は[10]の分離方法;
[12][9]〜[11]のいずれかの分離方法で回収された物質(X)及び物質(Y)をそれぞれ独立に溶融成形する、積層体(Z)のリサイクル方法;
[13][11]の分離方法に供される共射出成形容器であって、物質(X)がエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)を主成分とする物質であり、物質(Y)がポリエステル(C)を主成分とする物質である、共射出成形容器;
を提供することで解決される。
本発明により、水の比重よりも比較的大きな比重を有する物質同士を安定かつ経済的に分離する方法を提供することができる。具体的には、エチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアミドを浮遊させ、ポリエステルや塩素系樹脂を沈降させる分離方法を提供することができる。また、このようにして分離された物質をそれぞれ独立に溶融成形するリサイクル方法を提供することができる。また、このような分離・リサイクル法に好ましく供される共射出成形容器を提供することができる。これにより、包装材料としての性能や品質を低下させることなく、包装材料のリサイクル適性を向上させることができ、循環型社会に実現に貢献することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において特定の機能を発現するものとして具体的な材料(化合物等)を例示する場合があるが、本発明はこのような材料を使用した態様に限定されない。また、例示される材料は、特に記載がない限り、単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
<水溶性化合物(S)>
水溶性化合物(S)は、水溶性化合物(S)を含有する水溶液(W)の比重wを制御することで、比重差を用いた物質の分離を可能とする。水溶性化合物(S)としては、一般に水溶性の塩や有機物などを使用することができる。水溶性の塩としては、たとえば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのカルボン酸塩、炭酸塩、リン酸塩、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩などが例示される。また、水溶性の有機物としては、たとえば、単糖類、二糖類、多糖類などが例示される。また、安全性やハンドリング性の観点からは推奨されないが、ナトリウムやカリウムなどの水酸化物も水溶性化合物(S)として使用できる。
本発明においては、エチレン−ビニルアルコール共重合体(比重:1.12〜1.22)やナイロン6(比重:1.12〜1.14)を浮遊させる一方で、ポリエチレンテレフタレート(比重:1.29〜1.40)やポリ塩化ビニリデン(比重:1.65〜1.72)を沈降させる必要があるため、水溶液(W)の比重wとしてはおおよそ1.25前後が好適となる。ここで、産業的に有効な速度での分離を可能とするためには、水溶液(W)の比重wは、浮遊させる物質(X)の比重xよりも0.03以上大きく、沈降させる物質(Y)の比重yよりも0.03以上小さくする必要がある。さらに分離を効率的なものとするためには、水溶液(W)の比重wは、浮遊させる物質(X)の比重xよりも0.05以上大きく、沈降させる物質(Y)の比重yよりも0.05以上小さくすることが好ましく、水溶液(W)の比重wは、浮遊させる物質(X)の比重xよりも0.07以上大きく、沈降させる物質(Y)の比重yよりも0.07以上小さくすることがより好ましい。
経済性及びハンドリング性の観点からは、必要な水溶液(W)の比重wを発現するために必要な水溶性化合物(S)の濃度は40質量%以下であることが好ましい。必要な水溶液(W)の比重wを発現するために必要な水溶性化合物(S)の濃度が40質量%を超える場合は、水溶性化合物(S)の調達コストが過大となり、分離後の洗浄工程にも支障をきたす虞がある。この点において、比較的低濃度で水溶液(W)の比重wを上げることができる点から、水溶性化合物(S)として水溶性の塩や水酸化物を用いることが好適といえる。
また、分離工程の安定性の観点からは、必要な水溶液(W)の比重wを発現するために必要な水溶性化合物(S)の濃度は、該水溶性化合物(S)の飽和濃度よりも10質量%以上小さいことが好ましい。必要な水溶液(W)の比重wを発現するために必要な水溶性化合物(S)の濃度と該水溶性化合物(S)の飽和濃度の差が10質量%未満の場合、水溶性化合物(S)の溶解に時間を要したり、分離槽や分離後の物質に水溶性化合物(S)が析出したりして工程の不安定化につながる虞がある。さらに、分離工程の安定性及び安全性の観点からは、水溶性化合物(S)は、強酸と強塩基からなる無機塩であり、その水溶液のpHが4〜10の範囲にあることが好ましい。このような要件を満たす、最も好ましい水溶性化合物(S)として、塩化カルシウムを挙げることができる。本発明の分離法は、物質(X)の比重が1.15以上、物質(Y)の比重が1.35以上の場合に、特に有効な分離法となる。
<物質(X)>
本発明における物質(X)はエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)又はポリアミド(B)を主成分とする物質である。物質(X)としては、例えば後述する物質(Y)と共に積層体を構成する層であってもよく、球状、円柱、円錐、角柱、角錐、多面体等、任意の形状のペレットや成形体及び層状フィルムであってもよい。
[エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)]
本発明の1つの態様では、物質(X)は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略称することがある)(A)を主成分とすることが好ましい。この場合、物質(X)におけるEVOH(A)の含有量は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましい。こうすることで、後述する物質(X)からなる層(XL)のガスバリア性が向上する。また、EVOH(A)は各種ポリオレフィンと容易に溶融混合できるため、本発明の分離方法で回収された物質(X)をポリオレフィンと混合した場合にも、品質に優れたリサイクル樹脂を製造することができる。
EVOH(A)は、通常、エチレンとビニルエステルとを重合して得られるエチレン−ビニルエステル共重合体をけん化することにより得られる。EVOH(A)のエチレン単位含有量は15〜60モル%である。エチレン単位含有量が15モル%以上であると、EVOH(A)及び該EVOH(A)を含むリサイクル樹脂の溶融成形性が向上する。エチレン単位含有量は、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。一方、エチレン単位含有量が60モル%以下であるとEVOH(A)のガスバリア性が向上する。エチレン単位含有量は、50モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましい。また、EVOH(A)のけん化度は85モル%以上である。けん化度とは、EVOH(A)中のビニルアルコール単位及びビニルエステル単位の総数に対するビニルアルコール単位の数の割合を意味する。けん化度が85モル%以上であると、EVOH(A)のガスバリア性が向上する。けん化度は95モル%以上が好ましく、99モル%以上がより好ましい。EVOH(A)のエチレン単位含有量及びけん化度は、1H−NMR測定で求められる。
EVOH(A)は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、エチレン、ビニルエステル及びビニルアルコール以外の他の単量体単位を含有していてもよい。他の単量体単位の含有量は5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、実質的に含有されていないことが特に好ましい。他の単量体単位としては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン;(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;アルキルビニルエーテル;N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド又はその4級化物、N−ビニルイミダゾール又はその4級化物、N−ビニルピロリドン、N,N−ブトキシメチルアクリルアミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン等が挙げられる。
EVOH(A)のMFR(210℃、2.16kg荷重下)は0.5〜50g/10minが好ましい。EVOH(A)のMFRは1g/10min以上がより好ましく、2g/10min以上がさらに好ましい。一方、EVOH(A)のMFRは30g/10min以下がより好ましく、15g/10min以下がさらに好ましい。EVOH(A)のMFRが上記範囲であると、EVOH(A)及びEVOH(A)を含むリサイクル樹脂の溶融成形性が向上する。
EVOH(A)は、マグネシウムイオン、カルシウムイオン及び亜鉛イオンからなる群から選択される少なくとも1種の2価金属イオン(E)を20〜200ppm含有することが好ましい。これにより、EVOH(A)及びEVOH(A)を含むリサイクル樹脂を溶融成形する際に樹脂の増粘・ゲル化やスクリューへの樹脂の付着が抑制される。また、水溶性化合物(S)が塩酸塩の場合、塩化物イオンによる樹脂の品質劣化を抑制できる場合がある。当該含有量が20ppm以上であると、EVOH(A)及びEVOH(A)を含むリサイクル樹脂の粘度安定性が良好となり、溶融成形する際の樹脂の増粘・ゲル化やスクリューへの樹脂の付着が抑制される。2価金属イオン(E)の含有量は40ppm以上がより好ましい。一方、2価金属イオン(E)の含有量が200ppm以下であると、該EVOH(A)を含むリサイクル樹脂の過剰な分解が抑制され、該リサイクル樹脂から得られる成形体の色相が良好となる。2価金属イオン(E)の含有量は160ppm以下がより好ましい。
EVOH(A)は、マグネシウムイオン又はカルシウムイオンを含有することが好ましく、マグネシウムイオンを含有することがより好ましい。また、2価金属イオン(E)をカルボン酸塩として含有することが好ましい。このときのカルボン酸としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸のいずれであってもよいが、脂肪族カルボン酸が好ましい。脂肪族カルボン酸としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、モンタン酸等が挙げられ、酢酸が好ましい。
EVOH(A)は、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン及び銅イオンからなる群から選択される少なくとも1種の遷移金属イオン(F)を100〜1000ppm含有することが好ましい。これにより、後述するポリエステル(C)との層間接着強度を向上できる。中でも、EVOH(A)は、コバルトイオンを含有することが好ましい。また、遷移金属イオン(F)をカルボン酸塩として含有することが好ましい。このときのカルボン酸としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸のいずれであってもよいが、脂肪族カルボン酸が好ましい。脂肪族カルボン酸としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、モンタン酸等が挙げられ、酢酸が好ましい。
EVOH(A)中の遷移金属イオン(F)の含有量は100〜1000ppmが好ましい。当該含有量が100ppm未満であると、ポリエステル(C)との層間接着強度が不十分となることがある。遷移金属イオン(F)の含有量は300ppm以上がより好ましい。一方、遷移金属イオン(F)の含有量が1000ppmを越えると、EVOH(A)及びEVOH(A)を含むリサイクル樹脂の着色が問題となったり、増粘しやすくなったりすることがある。遷移金属イオン(F)の含有量は800ppm以下がより好ましい。
EVOH(A)は、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、2価金属イオン(E)、遷移金属イオン(F)以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えばアルカリ金属イオン、2価金属イオン(E)や遷移金属イオン(F)以外の多価金属イオン、カルボン酸、リン酸化合物、ホウ素化合物、酸化促進剤、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤(溶融安定剤)、光開始剤、脱臭剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー、乾燥剤、充填剤、顔料、染料、加工助剤、難燃剤、及び防曇剤等が挙げられる。特に、EVOH(A)を含む積層体の層間接着性や溶融成形性を改善する観点からは、アルカリ金属イオンを含むことが好ましい。また、EVOH(A)及びEVOH(A)を含むリサイクル樹脂を溶融成形する際に着色が抑制できる観点からは、カルボン酸又はリン酸化合物を含むことが好ましい。さらに、ホウ素化合物を含むことで、EVOH(A)及びEVOH(A)を含むリサイクル樹脂の溶融粘度を制御できる。EVOH(A)中の他の成分の含有量は、通常5質量%以下であり、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
EVOH(A)に2価金属イオン(E)、遷移金属イオン(F)、必要に応じてその他の添加剤を溶融混練する方法は特に限定されないが、2価金属イオン(E)及び遷移金属イオン(F)は、粉末等固体状態のまま、又は溶融物として配合してもよく、溶液に含まれる溶質又は分散液に含まれる分散質として配合してもよい。溶融混練は、例えばニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー等の既知の混合装置又は混練装置を用いることができる。溶融混練時の温度範囲は、使用するEVOH(A)の融点等に応じて適宜調節でき、通常、150〜250℃が採用される。
[ポリアミド(B)]
本発明の別の態様では、物質(X)は、ポリアミド(以下、PAと略称することがある)(B)を主成分とすることも好ましい。この場合、物質(X)におけるPA(B)の含有量は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましい。こうすることで、物質(X)からなる層(XL)の機械強度が向上する。
PA(B)としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン26)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン86)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン106)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン6/66)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン12/66)、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン26/66)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン6/66/610)、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン26/66/610)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド共重合体(ナイロン6I/6T)、11−アミノウンデカンアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド共重合体、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリヘキサメチレンシクロヘキシルアミド、ポリノナメチレンシクロヘキシルアミドあるいはこれらのポリアミドをメチレンベンジルアミン、メタキシレンジアミンなどの芳香族アミンで変性したものが挙げられる。また、メタキシリレンジアンモニウムアジペートなども挙げられる。中でも、経済性、溶融成形性及び機械物性のいずれも優れることから、PA(B)がナイロン6であることが好ましい。
PA(B)は、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、PA(B)以外の他の添加剤を含有してもよい。このような他の添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、乾燥剤、架橋剤、繊維補強剤などが挙げられる。PA(B)中の他の添加剤の含有量は、通常5質量%以下であり、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
<物質(Y)>
本発明における物質(Y)はポリエステル(C)又は塩素系樹脂(D)を主成分とする物質である。物質(Y)としては、例えば物質(X)と共に積層体を構成する層であってもよく、球状、円柱、円錐、角柱、角錐、多面体等、任意の形状のペレットや成形体及び層状フィルムであってもよい。
[ポリエステル(C)]
本発明の1つの態様では、物質(Y)は、ポリエステル(C)を主成分とすることが好ましい。この場合、物質(X)におけるポリエステル(C)の含有量は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましい。こうすることで、物質(Y)からなる層(YL)の耐熱性及び機械強度が向上する。
ポリエステル(C)は、テレフタル酸単位を主体とするジカルボン酸単位と、エチレングリコール単位を主体とするジオール単位からなるポリエステル樹脂である。ポリエステル(C)としては、テレフタル酸単位とエチレングリコール単位のみからなるポリエステル、並びに少なくともテレフタル酸単位の一部を他のジカルボン酸単位で置換するか、又はエチレングリコール単位の一部を他のジオール単位で置換したポリエステルが使用できる。ポリエステル(C)が、テレフタル酸単位及びエチレングリコール単位以外の他の構造単位(他のジカルボン酸単位及び/又は他のジオール単位)を有する場合は、他の構造単位の割合が、ポリエステル(C)を構成する全構造単位の30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましい。テレフタル酸単位及びエチレングリコール単位以外の他の構造単位(他のジカルボン酸単位及び/又は他のジオール単位)が30モル%より多くなると、得られるポリエステルが非晶性となり、耐熱性や機械強度が不足する。また、樹脂内に含有されるオリゴマーを低減させるために固相重合を行った場合に、樹脂の軟化による膠着が生じやすく、生産が困難になるおそれがある。ポリエステル(C)の極限粘度は0.6〜1.0dl/gが好ましい。
ポリエステル(C)が有し得る他のジカルボン酸単位の例としては、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの芳香族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;及びそれらのエステル形成性誘導体などから誘導されるジカルボン酸単位を挙げることができる。ポリエステル(C)は、上記した他のジカルボン酸単位を1種のみ有していても又は2種以上有していてもよい。
また、ポリエステル樹脂(C)が有し得る他のジオール単位の例としては、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、シクロヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール;2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンなどの芳香族ジオール;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの低分子量ポリアルキレングリコールなどから誘導されるジオール単位を挙げることができる。ポリエステル(C)は、上記の他のジオール単位の1種のみを有していても又は2種以上を有していてもよい。
更に、ポリエステル(C)は、全構造単位に基づいて1モル%以下であれば、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3官能以上のモノマーから誘導される構造単位の1種又は2種以上を有していてもよい。
ポリエステル(C)は、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、ポリエステル(C)以外の他の添加剤を含有してもよい。このような他の添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、乾燥剤、架橋剤、繊維補強剤などが挙げられる。ポリエステル(C)中の他の添加剤の含有量は、通常5質量%以下であり、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
[塩素系樹脂(D)]
本発明の別の態様では、物質(Y)は、塩素系樹脂(D)を主成分とすることも好ましい。この場合、物質(Y)における塩素系樹脂(D)の含有量は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましい。こうすることで、塩素系樹脂(D)のガスバリア性が向上する。
塩素系樹脂(D)としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−(メタ)アクリル共重合体などのポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化プロピレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられる。中でも、ガスバリア性に優れる観点から、塩素系樹脂(D)はポリ塩化ビニリデンであることが好ましい。
塩素系樹脂(D)は、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、塩素系樹脂(D)以外の他の添加剤を含有してもよい。このような他の添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、乾燥剤、架橋剤、繊維補強剤などが挙げられる。塩素系樹脂(D)中の他の添加剤の含有量は、通常5質量%以下であり、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
<積層体(Z)>
本発明の1つの態様では、物質(X)及び物質(Y)が、物質(X)からなる層(XL)と物質(Y)からなる層(YL)が隣接した構造を有し、層(XL)と層(YL)間の接着強度が20〜200g/15mmである積層体(Z)であることが好ましい。このような積層体(Z)は、本発明の分離法に好ましく供される。積層体(Z)は、層(XL)及び層(YL)のみで構成されてもよいし、それ以外の他の層をさらに含んでもよい。積層体(Z)が、他の層を備えることで、積層体(Z)の特性を向上させたり、新たな特性を付与したりできる。積層体(Z)は、他の層をそれぞれ複数含んでもよい。各層は、直接又は接着層を介して積層できるが、上記の通り、層(XL)と層(YL)間の接着強度は20〜200g/15mmが好ましく、接着層を介さないことが好ましい場合がある。
各層の厚みは特に限定されないが、層(XL)の厚みは5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましい。層(YL)や、層(XL)及び層(YL)以外の他の層の厚みは50〜1000μmが好ましく、100〜800μmがより好ましい。積層体(Z)の全体厚みは、50〜2500μmであることが好ましく、75〜2000μmであることがより好ましく、100〜1500μmであることが更に好ましい。また、層(XL)と層(YL)の厚み比は1/99〜30/70が好ましい。
特に、積層体(Z)は、物質(X)がEVOH(A)を主成分とする物質であり、物質(Y)がポリエステル(C)を主成分とする物質であり、物質(X)からなる層(XL)と物質(Y)からなる層(YL)とが隣接した構造を有し、層(XL)と層(YL)間の接着強度が20〜200g/15mmの範囲である共射出成形容器であることが好ましい。このような共射出成形容器は耐熱性、機械物性、ガスバリア性に優れ、また本発明の分離・リサイクル法によって品質に優れたリサイクル樹脂を容易に得ることができる。
共射出成形の方法としては特に限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。積層体(Z)の各層を構成する樹脂を2台以上の射出シリンダーから同心円状のノズル内に導き、同時に又はタイミングをずらして交互に単一の金型内に射出し、型締め操作を一回行うことにより成形品を得る。具体的には、(1)先に内外層用のポリエステル(C)を射出し、次いで、中間層となるEVOH(A)を射出して、ポリエステル(C)/EVOH(A)/ポリエステル(C)の3層構成の成形容器を得る方法、(2)先に内外層用のポリエステル(C)を射出し、次いでEVOH(A)を射出して、それと同時に又はその後にポリエステル(C)を再度射出し、ポリエステル(C)/EVOH(A)/ポリエステル(C)/EVOH(A)/ポリエステル(C)の5層構成のパリソンを製造する方法が採用される。なお、上記層構成において、EVOH(A)からなる層とポリエステル(C)からなる層との間には接着層は配置せず、隣接した構造を有する。このようにして得られたパリソンを延伸ブロー成形することで、ボトルやカップ状の容器を製造できる。
<分離方法>
本発明の分離方法は上記した物質(X)及び物質(Y)、もしくは剥離して物質(X)及び物質(Y)を形成する積層体(Z)を水溶性化合物(S)を含有する水溶液(W)に投下し、物質(X)を浮遊させ、物質(Y)を沈降させることで達成される。この際、水溶液(W)の温度は特に制限されず、室温から90℃までの範囲が通常選択される。温度を上げることで、付着している汚染物などを除去する効果が期待される一方で、水溶液(W)の対流などにより、分離効率が低下する可能性がある。また、水溶液(W)に投下される物質(X)及び物質(Y)、もしくは剥離して物質(X)及び物質(Y)を形成する積層体(Z)の大きさも特に制限されないが、積層体(Z)の場合は層間剥離を促進するため、10cm四方よりも小さいことが好ましい。また、投下直後は激しく攪拌して層間剥離を促進させ、次いで静置することで効率的に分離を達成することができる。分離が完了した後、浮遊する物質(X)及び沈降する物質(Y)をそれぞれ回収し、必要に応じて純水等で洗浄し、乾燥した後、押出機を用いて溶融成形し、リサイクル樹脂として再ペレット化することができる。こうして得られたペレットを用いて、様々な成形体が製造される。
なお、物質(X)及び物質(Y)が積層体(Z)を形成している場合、水溶液(W)に投下する前か、又は水溶液(W)中で該積層体(Z)を粉砕し、破砕片を得ることで、物質(X)及び物質(Y)を効率的に分離できる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1〜9及び比較例1〜5で使用したフィルムは下記の通りである。
EVOH−32:エチレン単位含有量32モル%及びけん化度99.99モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体の50μmの単層フィルム(比重1.19)
EVOH−48:エチレン単位含有量48モル%及びけん化度99.99モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体の50μmの単層フィルム(比重1.12)
PA6:ナイロン6の50μmの単層フィルム(比重1.14)
PET:ポリエチレンテレフタレートの50μmの単層フィルム(比重1.38)
PVdC:ポリ塩化ビニリデンの25μmの単層フィルム(比重1.65)
[実施例1]
EVOH−32とPETのフィルムから、1cm四方のフィルム片をそれぞれ10枚切り出した。一方、直径15cmの3Lのビーカーに濃度30質量%の塩化カルシウム水溶液(比重1.28)を2L調整した。20℃の雰囲気下、切り出したフィルム片を水溶液に投入し、スリーワンモーターで500rpm、1分間攪拌した後、静置することで分離試験を行った。
(分離度)
分離試験の結果を下記の判断基準で評価した。結果を表1に示す。
分離度:
A:攪拌停止後、分離はすみやかに達成され、分離ミスは2枚以下であった
B:攪拌停止後、分離はすみやかに達成され、分離ミスは3〜4枚であった
C:攪拌停止後、分離はゆっくりと進み、分離ミスは5〜6枚であった
D:攪拌停止後、時間がたっても分離は完了しなかったか、又は分離ミスが7枚以上であった
なお、分離ミスとは、低比重フィルム片が沈降する、もしくは高比重フィルム片が浮遊することを意味する。これらは、フィルム片と水溶液の比重差が小さい場合に発生しやすく、フィルム片が互いに接触した場合や、フィルム片に気泡が付着した場合にも発生しやすかった。
(析出度)
上記分離試験後、さらにスリーワンモーターで500rpm、1時間激しく攪拌した後、2時間静置した。その後、ビーカーの水面付近を目視観察し、下記の判断基準で析出度を評価した。結果を表1に示す。
析出度
A:析出はわずかであった
B:析出がやや見られた
C:析出が多く見られた
[実施例2〜9、比較例1〜5]
使用したフィルム、及び水溶性化合物の種別とその濃度を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
なお、実施例4では塩化カルシウム水溶液に代えて、濃度25%の水酸化ナトリウム水溶液(pH10以上)を用いたことから、設備によっては負担が大きい可能性がある。また、実施例5では塩化カルシウム水溶液に代えて、濃度55%のスクロース水溶液を用いた。
Figure 2021146507
[実施例10]
エチレン含有量が32モル%、けん化度が99.99モル%、及びMFR(210℃、2.16kg荷重)が3.5g/10minであり、ナトリウムイオンを200ppm、リン酸イオンを50ppm、ホウ酸を900ppm含有するEVOH(2価金属イオン及び遷移金属イオンは含まない)に対して、ステアリン酸マグネシウムの粉末をマグネシウムイオン換算で60ppm、ステアリン酸コバルトの粉末をコバルトイオン換算で600ppmとなるように添加し、日本製鋼所製二軸押出機「TEX30α」(スクリュー径30mm)に供給し、スクリュー構成としてL(スクリュー長)/D(スクリュー径)=3の順ズラシニーディングディスクを有するスクリューを用いて、溶融温度220〜230℃、押出速度20kg/hrの条件で溶融混練を行い、ストランドを得た。得られたストランドを冷却槽で冷却固化した後に切断し、マグネシウムイオンを60ppm、コバルトイオンを600ppm含むEVOHペレットを得た。
次いで、得られたEVOHペレット及びテレフタル酸単位50モル%、エチレングリコール単位49モル%及びジエチレングリコール単位1モル%、極限粘度0.75dl/gのポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略記することがある)を用いて、共射出成形機(KORTEC/HUSKY製「SL160型4個取り」)により共射出成形を行い、PET層/EVOH層/PET層の2種3層の有底パリソンを成形した。このとき、PET層側の射出機温度は270℃、EVOH層側の射出機温度は220℃、PETとEVOHとが合流するホットランナーブロック部は270℃、射出金型コア温度は10℃、射出金型キャビティー温度は10℃とした。また、容器におけるEVOH層とPET層の厚み比がEVOH層/PET層=5/95となるように射出速度及び射出量を調節した。得られたパリソンを目視で観察したところ、着色はなく、ストリークは認められず、良好な状態であった。
続いて、延伸ブロー成形機(CRUPP CORPOPLAST MASCHINENBAU製「LB01型530mL1個取り」)を使用して、有底パリソンの表面温度を105℃に加熱し、延伸ブロー成形を行い、2種3層の共射出延伸ブロー成形容器を得た。
(接着強度)
上記共射出延伸ブロー成形容器における、PET層とEVOH層との層間接着性の指標として、下記条件で接着強度を測定した。23℃、50%RHの雰囲気下で7日間調湿したのち、15mm×200mmの短冊状の試験片を切出したサンプルについて、島津製作所製「オートグラフAGS−H型」にて、チャック間隔50mm、引張速度250mm/分の条件でT型剥離強度(gf/15mm)の測定を行った。測定は5サンプルについて行い、その平均値を接着強度とした。その結果、本実施例の共射出延伸ブロー成形容器における、PET層とEVOH層との層間接着強度は30g/15mmであり、容器の胴部を手で3回スクイーズした際にも剥離は観察されなかった。
(リサイクル後の溶融成形性)
次に、上記共射出延伸ブロー成形容器を破砕し、破砕片を濃度30質量%の塩化カルシウム水溶液に加え、スリーワンモーターで500rpm、30分間激しく攪拌した後、静置した。その結果、破砕片は層間剥離し、EVOH片は浮遊、PET片は沈降する様子が観察された。浮遊したEVOH層を回収し、純水で洗浄した後、100℃で6時間乾燥した。こうして得られたEVOH片60gをラボプラストミル(二軸異方向)を用いて窒素雰囲気下、230℃、100rpmの条件で1時間混練した。混練開始10分後から60分後までのトルク変動は±20%以下で安定しており、混練後の樹脂も均一な外観であった。
[実施例11]
EVOHに対するステアリン酸コバルトの配合量を60ppmに変更したこと以外は、実施例10と同様にして各種評価を行った。その結果、共射出延伸ブロー成形容器における、PET層とEVOH層との層間接着強度は10g/15mm以下であり、容器の胴部を手で3回スクイーズした際に剥離が観察された。その他の評価結果は良好であった。
[実施例12]
EVOHに対するステアリン酸コバルトの配合量を1500ppmに変更したこと以外は、実施例10と同様にして各種評価を行った。その結果、共射出延伸ブロー成形容器における、PET層とEVOH層との層間接着強度は35g/15mmであり、容器の胴部を手で3回スクイーズした際にも剥離が観察されなかった。ただし、共射出延伸ブロー成形容器には若干の着色が観察された。また、分離・回収されたEVOH片の混練時には20%を超えるトルク上昇が見られた。その他の評価結果は良好であった。
[実施例13]
EVOHに対するステアリン酸マグネシウムの配合量を10ppmに変更したこと以外は、実施例10と同様にして各種評価を行った。その結果、共射出延伸ブロー成形容器における、PET層とEVOH層との層間接着強度は30g/15mmであり、容器の胴部を手で3回スクイーズした際にも剥離が観察されなかった。また、分離・回収されたEVOH片の混練時には20%を超えるトルク上昇が見られた。その他の評価結果は良好であった。
[実施例14]
EVOHに対するステアリン酸マグネシウムの配合量を300ppmに変更したこと以外は、実施例10と同様にして各種評価を行った。その結果、共射出延伸ブロー成形容器における、PET層とEVOH層との層間接着強度は30g/15mmであり、容器の胴部を手で3回スクイーズした際にも剥離が観察されなかった。また、分離・回収されたEVOH片の混練時には20%を超えるトルク減少が見られた。その他の評価結果は良好であった。
[参考例1]
実施例10で得られた共射出延伸ブロー成形容器の破砕片を分離することなく混練した結果、混練後の樹脂は不均一な外観であり、未溶融のPET片が観察された。
[参考例2]
実施例10で製造したEVOH、PET及び接着性樹脂(DOW社製「Bynel 21E883」とDOW社製「Elvaloy AC1224」を質量比50/50で混合したもの)を用い、3種3層の共押フィルム(PET/接着性樹脂/EVOH=150μm/15μm/15μm)を製膜した結果、層間接着強度は300g/15mmであった。押出機及び押出条件、及び使用したダイは下記の通りとした。
EVOH
押出機:単軸押出機(東洋精機製作所社製 ラボ機ME型CO−EXT)
スクリュー:口径20mmφ、L/D20、フルフライトスクリュー
設定温度:供給部/圧縮部/計量部/アダプター=190/220/220/220℃
接着性樹脂
押出機:単軸押出機(テクノベル社製 SZW20GT−20MG−STD)
スクリュー:口径20mmφ、L/D20、フルフライトスクリュー
設定温度:供給部/圧縮部/計量部/アダプター=200/220/220/220℃
PET
押出機:単軸押出機(プラスチック工学研究所社製 GT−32−A)
スクリュー:口径32mmφ、L/D28、フルフライトスクリュー
設定温度:供給部/圧縮部/計量部/アダプター=280/280/280/280℃
ダイ:300mm幅多層コートハンガーダイ(プラスチック工学研究所社製)
設定温度:280℃
得られた共押フィルムを破砕し、破砕片を濃度30質量%の塩化カルシウム水溶液に加え、スリーワンモーターで500rpm、30分間激しく攪拌した後、静置したが、破砕片はほとんど層間剥離せず、分離できなかった。

Claims (13)

  1. エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)又はポリアミド(B)を主成分とする物質(X)及びポリエステル(C)又は塩素系樹脂(D)を主成分とする物質(Y)を、水溶性化合物(S)を含有する水溶液(W)中で、物質(X)を浮遊させ、物質(Y)を沈降させる分離方法であって、
    水溶液(W)の比重w、物質(X)の比重x、物質(Y)の比重yが下記式(1)を満たす分離方法。
    1.10≦x+0.03≦w≦y−0.03 ・・・(1)
  2. 比重x及び比重yが下記式(2)を満たす、請求項1に記載の分離方法。
    1.15≦x、1.35≦y ・・・(2)
  3. 水溶液(W)中の水溶性化合物(S)の濃度が40質量%以下である、請求項1又は2に記載の分離方法。
  4. 水溶液(W)中の水溶性化合物(S)の濃度が水溶性化合物(S)の飽和濃度よりも10質量%以上小さい、請求項1〜3のいずれかに記載の分離方法。
  5. 水溶性化合物(S)が塩化カルシウムである、請求項1〜4のいずれかに記載の分離方法。
  6. 物質(X)がエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)を主成分とする物質であり、物質(Y)がポリエステル(C)を主成分とする物質である、請求項1〜5のいずれかに記載の分離方法。
  7. エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン及び亜鉛イオンからなる群から選択される少なくとも1種の2価金属イオン(E)を20〜200ppm含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の分離方法。
  8. エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)が、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン及び銅イオンからなる群から選択される少なくとも1種の遷移金属イオン(F)を100〜1000ppm含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の分離方法。
  9. 物質(X)及び物質(Y)が、物質(X)からなる層(XL)と物質(Y)からなる層(YL)が隣接した構造を有し、層(XL)と層(YL)間の接着強度が20〜200g/15mmである積層体(Z)から得られたものである、請求項1〜8のいずれかに記載の分離方法。
  10. 水溶液(W)に投下する前か、又は水溶液(W)中で積層体(Z)を粉砕し、破砕片を得る工程を含む、請求項9に記載の分離方法。
  11. 積層体(Z)が共射出成形容器を構成する、請求項9又は10に記載の分離方法。
  12. 請求項9〜11のいずれかに記載の分離方法で回収された物質(X)及び物質(Y)をそれぞれ独立に溶融成形する、積層体(Z)のリサイクル方法。
  13. 請求項11に記載の分離方法に供される共射出成形容器であって、
    物質(X)がエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)を主成分とする物質であり、物質(Y)がポリエステル(C)を主成分とする物質である、共射出成形容器。
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