JP2001189109A - 絶縁材用樹脂組成物およびこれを用いた絶縁材 - Google Patents

絶縁材用樹脂組成物およびこれを用いた絶縁材

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JP2001189109A
JP2001189109A JP2000000190A JP2000000190A JP2001189109A JP 2001189109 A JP2001189109 A JP 2001189109A JP 2000000190 A JP2000000190 A JP 2000000190A JP 2000000190 A JP2000000190 A JP 2000000190A JP 2001189109 A JP2001189109 A JP 2001189109A
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resin composition
resin
polybenzoxazole
cage
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JP2000000190A
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Tatsuhiro Yoshida
達弘 吉田
Hisafumi Enoki
尚史 榎
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて低い誘電率と良好な絶縁性を示すなど
の電気特性と共に、耐熱性にも優れた絶縁材用樹脂組成
物およびこれを用いた絶縁材を提供する。 【解決手段】 ポリベンゾオキサゾール前駆体、または
ポリベンゾオキサゾール樹脂に、かご型シルセスキオキ
サンを配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁材に関するも
のであり、さらに詳しくは、電気・電子機器用、回路基
板材料用、半導体装置用として、優れた特性を有する絶
縁材用樹脂組成物、およびこれを用いた絶縁材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器用、回路基板材料用、半
導体装置用の材料に求められている特性の中で、電気特
性と耐熱性は、最も重要な特性である。特に、回路の微
細化と信号の高速化に伴い、誘電率の低い絶縁材料が要
求されている。この2つの特性を両立させるための材料
として、高耐熱性樹脂を用いた絶縁材が期待されてい
る。例えば、従来用いられている2酸化ケイ素等の無機
材料の絶縁材は、高耐熱性を示すが、誘電率が高く、要
求特性がより厳しくなっている現状では、前述の特性に
ついて両立が困難になりつつある。
【0003】有機材料として、ポリイミド樹脂に代表さ
れる耐熱性樹脂は、電気特性と耐熱性に優れており、こ
の2つの特性を両立させることが可能であり、実際にプ
リント配線板のカバーレイや半導体装置のパッシベーシ
ョン膜などに用いられている。しかし、ポリイミド樹脂
は、電気特性と耐熱性とを両立させることは可能である
が、イミド環のカルボニル基を2個有していることか
ら、吸水性に問題があり、より厳しい条件においては、
要求特性を満足することができなくなっている。そこ
で、ポリイミド樹脂に比べて、電気特性、吸水性に関し
て優れ、かつ耐熱性も同等程度の性能を示すポリベンゾ
オキサゾール樹脂が、盛んに研究され、様々な用途展開
が進められている。
【0004】しかしながら、近年の半導体装置の高性能
化、高機能化に伴い、電気特性、耐熱性について、さら
に大幅な向上が必要とされるようになってきている。特
に、誘電率について、2.5以下の低誘電率材料が望ま
れており、従来の絶縁材では必要とされる特性に達して
いない。
【0005】その解決手法の一つとして、微細な空隙を
持つ絶縁材が挙げられ、盛んに研究が行なわれている。
これは、空隙内部は空気で、誘電率は1と考えられるの
で、絶縁材の誘電率を低減させることが可能となること
による。具体的には、高耐熱性樹脂をマトリックスと
し、そこに熱分解性樹脂を添加し、加熱工程により、こ
の熱分解性樹脂を分解・揮散させて、空隙を形成させる
ものである。しかし、ポリイミド等の耐熱性樹脂と熱分
解性樹脂とが相溶すると、組成物全体のガラス転移温度
が低下してしまうために、熱分解性樹脂を分解・揮散さ
せる際に空隙が潰れてしまい、誘電率を低減させる効果
が発現しない場合がある。また、ポリイミド等の耐熱性
樹脂と熱分解性樹脂とを、相溶させずに相分離構造を形
成させたとしても、熱分解性樹脂を分解させる際の加熱
工程等に、多大な労力を要するものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低誘電率絶
縁材のこのような現状に鑑み、極めて低い誘電率と良好
な絶縁性を示すと共に、耐熱性、吸水性にも優れた、新
規な絶縁材用樹脂組成物、およびこれを用いた絶縁材を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、従来の低
誘電率絶縁材の前記のような問題点に鑑み、鋭意検討を
重ねた結果なされたもので、ポリベンゾオキサゾール前
駆体、またはポリベンゾオキサゾール樹脂と、かご型シ
ルセスキオキサンとを必須成分とすることを特徴とする
絶縁材用樹脂組成物、さらにはその絶縁材用樹脂組成物
を用いて得られた絶縁材である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の絶縁材用樹脂組成物は、
高耐熱性樹脂として、ポリベンゾオキサゾール前駆体ま
たはポリベンゾオキサゾール樹脂を用い、それに、分子
内に中空構造を持つ、かご型シルセスキオキサンを組み
合わせたものであり、基板等の上に塗布して、加熱・製
膜したり、ガラスクロス等に含浸させて加熱することに
より、絶縁材とすることができる。
【0009】本発明における誘電率低減の手法は、従来
のように、耐熱性樹脂マトリックスに熱分解性樹脂を添
加し、これを分解・揮散させて空隙を発生させるもので
はなく、予め分子内に中空構造を持つ物質を添加して、
誘電率の低減を図るものである。
【0010】ポリベンゾオキサゾール前駆体またはポリ
ベンゾオキサゾール樹脂を耐熱性マトリックス樹脂と
し、これにかご型シルセスキオキサンを混合、または化
学的に結合させることにより、組成物とすることができ
る。かご型シルセスキオキサンのかご内部は空気であ
り、誘電率は1と考えられるので、これを耐熱性樹脂マ
トリックス中に分散させることによって、誘電率を低減
させることが可能となる。そして絶縁材とした後も、強
固なシロキサン骨格により中空構造が保持され、誘電率
の低い絶縁材を得ることができる。
【0011】本発明に用いるポリベンゾオキサゾール前
駆体は一般式(1)で表され、その製造方法は、一般式
(2)で表されるビスアミノフェノール化合物、または
そのエステル化物、エーテル化物などの誘導体と、一般
式(3)で表されるジカルボン酸とを、酸クロリド法、
またはポリリン酸、ジシクロヘキシルカルボジイミド等
の脱水縮合剤の存在下での縮合反応等の方法により、得
ることができる。
【0012】
【化1】 式中、XおよびYは芳香族残基で、アミノ基とヒドロキ
シ基は互いにオルソ位の関係にあり、nは2〜100ま
での整数を示す。
【0013】
【化2】 式中、Xは芳香族残基である。
【0014】
【化3】 式中、Yは芳香族残基である。
【0015】一般式(2)で表されるビスアミノフェノ
ール化合物としては、一般式(4)で表されるものがよ
り好ましく、具体的に例示すると、3,3'−ジアミノ−
4,4'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−ジアミノ−
3,3'−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−
4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ
−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−ア
ミノー4ーヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−ア
ミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビ
ス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパンなどが、好適に挙げられる。こ
れらは単独で用い、または2種類以上を組み合わせて使
用することも出来る。
【0016】
【化4】
【0017】一般式(3)で表されるジカルボン酸につ
いては、一般式(5)で表されるものがより好ましく、
具体的に例示すると、テレフタル酸、イソフタル酸、
4,4'−ジカルボキシビフェニル、3,3'−ジカルボキ
シビフェニル、4,4'−ジカルボキシジフェニルエーテ
ル、4,4'−ジカルボキシジフェニルケトン、4,4'−
ジカルボキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジカルボ
キシジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−カルボキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが、好適に挙げ
られる。これらは単独で用い、または2種類以上を組み
合わせて使用することも出来る。
【0018】
【化5】
【0019】本発明におけるポリベンゾオキサゾール前
駆体は、公知の方法で合成すればよく、具体的な例の1
つとして酸クロリド法を挙げると、前記ジカルボン酸
を、N−メチル−2−ピロリドン等の極性溶媒に溶解
し、過剰の塩化チオニルの存在下で、室温ないし75℃
で反応させ、次いで、減圧下で余分な塩化チオニルを留
去する。その後、析出物をヘキサン等の溶媒で再結晶す
ることにより、ジカルボン酸クロリドを得る。次に、前
記ビスアミノフェノール化合物を、N−メチル−2−ピ
ロリドン等の極性溶媒に溶解し、ピリジン等の酸受容剤
の存在下で、ジカルボン酸クロリドと−30℃ないし室
温で反応することにより、ポリアミドを得ることができ
る。
【0020】本発明に用いるポリベンゾオキサゾール樹
脂は、一般式(6)で表され、前記のポリベンゾオキサ
ゾール前駆体を、加熱脱水し閉環させることにより製造
される。また、ピリジン存在下で、無水酢酸により化学
的に閉環させることも可能である。
【0021】
【化6】 式中、X,Yは芳香族残基であり、nは2〜100まで
の整数を表す。
【0022】また、本発明に用いるかご型シルセスキオ
キサンは、一般式(7)で表され、その分子構造のかご
型内に中空構造を有することから、マトリックス中に分
散させることにより、その誘電率を低減させることがで
きる。特にオクタヘドラル構造を持つものを立体的に表
すと、一般式(8)で示すことができる。
【0023】
【化7】 式中、Rは水素原子または一価の有機基で、nは6以上
の整数を表す。
【0024】
【化8】 式中、R1〜R8は、水素原子または一価の有機基で、互
いに同じであっても、異なっていても良い。
【0025】本発明に用いるかご型シルセスキオキサン
のかご構造は、構成するシリコン原子数が、6、8、1
0、または12個のものが好ましい。シリコン原子数1
2個より多いものは、合成時における収率が極端に低く
なり、大量に入手することは困難である。また、シリコ
ン原子数が6個より少ないものは、立体的にかご型構造
をとり得ない。特に、シリコン原子数が8個のものは、
様々な置換基を有するものが合成されており、その合成
方法は、Chem.Rev.,Vol.96,2205
−2236(1996)に開示されており、工業的に入
手することも可能である。
【0026】本発明において、ポリベンゾオキサゾール
前駆体とかご型シルセスキオキサンとを、有機溶剤に溶
解させた時に、両成分が分離しないようにすることが重
要である。また、溶剤を揮散せしめた後においても、相
分離しないようにしなければならない。一般に有機ポリ
マーと無機材を相溶させることは非常に難しい。
【0027】しかし1つの方法として、かご型シルセス
キオキサンの置換基を、有機ポリマーの持つ構造と同じ
骨格のものにして、親和性を高める方法がある。具体的
には、ポリベンゾオキサゾール骨格にあるベンゼン環
を、かご型シルセスキオキサンにも、置換基として導入
することが好ましい。また、有機ポリマーと無機材とを
直接結合させる方法もある。具体的には、ポリベンゾオ
キサゾール末端に反応性基を導入し、この反応性基と反
応し得る置換基を、かご型シルセスキオキサンに導入す
ることにより実現出来る。
【0028】また、両成分の構造以外に、各成分の量比
も相溶性に影響を与えるので、成分量比は重要である。
また、相溶化を達成出来ても、絶縁材としての要求特性
を満たすものでなければならない。好ましい量比は、ポ
リベンゾオキサゾール前駆体またはポリベンゾキサゾー
ル樹脂100重量部に対して、シルセスキオキサンは5
〜60重量部、より好ましくは10〜50重量部であ
る。添加されるシルセスキオキサンが5重量部未満で
は、シルセスキオキサン添加による誘電率の低減が、十
分に発現され得ない。一方、60重量部を越えると、樹
脂の機械特性や密着性が著しく低下してしまい好ましく
ない。
【0029】本発明の絶縁材用樹脂組成物を溶解させる
有機溶媒としては、固形分を完全に溶解する溶媒が好ま
しく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチ
ロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテー
ト、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエー
テル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテー
ト、乳酸エチル、乳酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピル
ビン酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラ
ヒドロキシフランなどが挙げられ、これらを1種または
2種以上を混合して用いることもできる。さらに、塗布
性や含浸性を向上させるために、界面活性剤を添加して
も良い。
【0030】本発明の絶縁材の製造方法の例としては、
当該樹脂組成物を前記の有機溶剤に溶解させ、適当な支
持体、例えば、ガラス、繊維、金属、シリコンウエハ
ー、セラミック基板等に塗布する。その塗布方法は、浸
漬、スクリーン印刷、スプレー塗布、回転塗布、ロール
コーティングなどが挙げられ、塗布後に加熱乾燥して溶
剤を揮発せしめ、タックフリーな塗膜とすることができ
る。その後加熱硬化させることにより、所期の絶縁材を
形成することができる。使用用途によっては、溶剤の揮
発のみにとどめ、所定の工程を行なった後、加熱硬化さ
せることも可能である。また、ガラス繊維布やその他の
布、紙等の基材に含浸して乾燥し、プリプレグとするこ
とができる。含浸方法は、はけ塗り、吹き付け、浸漬な
どを利用することができ、加熱乾燥して溶剤を除去した
だけのもの、部分的に硬化させたものを得ることができ
る。
【0031】
【実施例】以下に、実施例により具体的に説明するが、
本発明はこれによって何ら限定されるものではない。先
ず、酸クロリドを合成し、それを用いてポリベンゾオキ
サゾール前駆体を合成し、さらに、絶縁材用樹脂組成物
を調製した。この樹脂組成物の硬化フィルムを作製し
て、特性評価のため、電気特性、ガラス転移温度、およ
び密度を測定した。サンプル作製方法や測定方法は下記
の通りとし、評価結果はまとめて表1に示した。
【0032】1.電気特性 樹脂組成物を有機溶剤に溶解させたワニスを、厚さ20
0nmのタンタルを成膜したシリコンウエハ上に、スピ
ンコートした後、ホットプレート上で120℃/4分間
プリベークを行ない、引き続き窒素雰囲気のオーブン中
で、150℃/30分、400℃/60分間加熱硬化
し、絶縁材皮膜を得た。この皮膜上に蒸着により、面積
0.1cm2のアルミの電極を形成し、LCRメーターに
より室温、1MHzの条件で、基板のタンタルとの間の
キャパシタンスを測定した。膜厚、電極面積、およびキ
ャパシタンスの値から、絶縁材の比誘電率を算出した。
【0033】2.外観 ワニスを、ガラス板にスピンコートした後、ホットプレ
ート上で120℃/4分間プリベークを行ない、引き続
き窒素雰囲気のオーブン中で、150℃/30分、40
0℃/60分間加熱硬化し、絶縁皮膜を得た。この皮膜
をガラス板から剥離し、試験フィルムを得た。目視によ
って、この試験フィルムの外観を観察した。
【0034】3.ガラス転移温度 外観観察の項で調製した、前記試験フィルムについて、
粘弾性測定装置(セイコーインスツルメント(株)製DM
S210)を用いて、周波数10Hz、昇温速度3℃/
分、引張りモードで測定を行ない、動的粘弾性曲線にお
けるtanδピーク温度を、ガラス転移温度(Tg)と
した。
【0035】4.密度 前記試験フィルムを用いて、密度勾配管により測定し
た。
【0036】[酸クロリドの合成] (合成例1)4,4'−ジカルボキシジフェニルエーテル
6g、塩化チオニル 24g、乾燥N,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMF)0.1gを反応容器に入れ、60
℃で2時間反応させた。反応終了後、未反応の塩化チオ
ニルを加熱および減圧により留去した。反応容器内の析
出物を、ヘキサンを用いて再結晶を行ないカルボン酸ク
ロリド 6.2gを得た。
【0037】(合成例2)合成例1と同様に操作して、
2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパンの酸クロリドを得た。
【0038】[ポリベンゾオキサゾール前駆体の合成] (合成例3)攪拌装置、窒素導入管、および滴下漏斗を
つけたフラスコに、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒ
ドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン 7.33g
(0.02モル)を入れ、ジメチルアセトアミド 30g
を加えて溶解し、ピリジン3.0gを添加した後、ジメ
チルアセトアミド 24gに、合成例1で得た酸クロリ
ド 5.90g(0.02モル)を溶解させたものを、乾
燥窒素導入下で、系内温度を−15℃に保ちながら30
分かけて滴下した。滴下終了後、室温まで戻し、さらに
4時間攪拌した。次いで反応液を蒸留水1L中に滴下
し、生成した沈澱物を濾過、洗浄し、50℃/24hr
乾燥することにより、ポリアミド 10.1gを得た。
【0039】(合成例4)合成例3と同様に操作して、
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン 7.33g(0.02モル)
と、合成例2で得た酸クロリド 7.85g(0.02モ
ル)を反応させ、ポリアミド 12.4gを得た。
【0040】[ポリベンゾオキサゾールの合成] (合成例5)合成例4で得たポリアミドを、N−メチル
−2−ピロリドン(NMP)200gに溶解させ、ピリ
ジン 50gを加えた後、無水酢酸 3.1gを滴下し、
系の温度を70℃に保って、7時間閉環反応を行なっ
た。この反応液を蒸留水2L中に滴下し、生成した沈澱
物を濾過、洗浄し、50℃/48時間乾燥することによ
り、ポリベンゾオキサゾール 9.2gを得た。
【0041】[絶縁材用樹脂組成物の調製] (実施例1)合成例3で得たポリベンゾオキサゾール前
駆体20gを、N−メチル−2−ピロリドン 80gに
室温で溶解させた後、かご型シルセスキオキサン:1−
(4−ビニルフェニル)−3,5,7,9,11,13,15
−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ−[9.5.1.1.
1.1]−オクタシロキサン(Aldrich社製)5
gを加えて攪拌し、絶縁材用樹脂組成物を得た。ワニス
は均一透明であった。このワニスを用いて、前述の方法
に従って試験用サンプルを作製し、特性評価を行なっ
た。得られた硬化フィルムは均一透明であった。
【0042】(実施例2)合成例4で得たポリベンゾオ
キサゾール前駆体20gを、γ−ブチロラクトン/アセ
トン混合溶剤(混合体積比90/10)80gに室温で
溶解させた後、かご型シルセスキオキサン:1,3,5,
7,9,11,13,15−オクタキス(フェニルエチル)
ペンタシクロ[9.5.1.1.1.1]−オクタシロキサ
ン(Aldrich社製)2gを加えて攪拌し、均一透
明な樹脂組成物を得た。前述の方法に従って試験用サン
プルを作製し、特性評価を行なった。
【0043】(実施例3)合成例5で得たポリベンゾオ
キサゾール 20gを、N−メチル−2−ピロリドン 8
0gに室温で溶解させた後、かご型シルセスキオキサ
ン:1,3,5,7,9,11,13,15−オクタキス(フ
ェニルエチル)ペンタシクロ[9.5.1.1.1.1]−
オクタシロキサン(Aldrich社製)10gを加え
て攪拌し、均一透明な樹脂組成物を得た。前述の方法に
従って試験用サンプルを作製し、特性評価を行なった。
【0044】(実施例4)合成例4で得たポリベンゾオ
キサゾール前駆体20gを、γ−ブチロラクトン80g
に室温で溶解させた後、かご型シルセスキオキサン:1
−(4−ビニルフェニル)−3,5,7,9,11,13,1
5−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ−[9.5.1.
1.1.1]−オクタシロキサン(Aldrich社製)
2gを加えて攪拌し、均一透明な樹脂組成物を得た。前
述の方法に従って試験用サンプルを作製し、特性評価を
行なった。
【0045】(比較例1)合成例3で得たポリベンゾオ
キサゾール前駆体のみで、かご型シルセスキオキサンを
配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてワニ
スを得て、特性評価を行なった。
【0046】(比較例2)合成例4で得たポリベンゾオ
キサゾール前駆体のみで、かご型シルセスキオキサンを
配合しなかったこと以外は、実施例2と同様にしてワニ
スを得て、特性評価を行なった。
【0047】実施例および比較例の評価結果を、表1に
まとめて示した。この結果から、本発明の絶縁材用樹脂
組成物は、その耐熱性を維持しながら、誘電率を低減さ
せることが可能であることが分かる。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明の絶縁材用樹脂組成物およびこれ
を用いた絶縁材は、耐熱性、電気特性に優れ、特に誘電
率が極めて低い値を示すものであり、これらの特性が要
求される様々な分野、例えば半導体用の層間絶縁膜、多
層プリント配線板の層間絶縁膜などとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/312 H01L 21/312 A // H01L 23/29 23/30 D 23/31 Fターム(参考) 4J002 CM021 CP032 GQ01 4M109 AA02 CA09 CA10 CA11 CA12 DB17 EC01 EC05 EC07 ED01 GA10 5F058 AA04 AC02 AD04 AF04 AG01 AH03 5G305 AA06 AA07 AA11 AB10 AB24 AB26 BA09 CA32 CB26 CD04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリベンゾオキサゾール前駆体、または
    ポリベンゾオキサゾール樹脂と、かご型シルセスキオキ
    サンとを必須成分とすることを特徴とする絶縁材用樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 かご型シルセスキオキサンが、6、8、
    10、または12個のシリコン原子を有するものである
    ことを特徴とする、請求項1記載の絶縁材用樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 かご型シルセスキオキサンが、ポリベン
    ゾオキサゾール前駆体、またはポリベンゾオキサゾール
    樹脂の骨格中のベンゼン環と同種の、置換基を有するも
    のであることを特徴とする、請求項1記載の絶縁材用樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 かご型シルセスキオキサンが、ポリベン
    ゾオキサゾール前駆体、またはポリベンゾオキサゾール
    樹脂と反応し得る、置換基を有するものであることを特
    徴とする、請求項1記載の絶縁材用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリベンゾオキサゾール前駆体、または
    ポリベンゾオキサゾール樹脂100重量部に対して、か
    ご型シルセスキオキサン5〜60重量部を配合すること
    を特徴とする、請求項1記載の絶縁材用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の、絶縁材用樹脂組成物を用いて得られたものであるこ
    とを特徴とする絶縁材。
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