JP2001181191A - 慢性関節リウマチ疾患予防および治療剤 - Google Patents
慢性関節リウマチ疾患予防および治療剤Info
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Abstract
性関節リウマチ疾患を予防、治療しうる新規な慢性関節
リウマチ疾患の予防および治療剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 [ただし、式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一ま
たは異なる水素原子または低級アルキル基を表し、R5
は水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を表
し、Xは糖残基中の水酸基の水素原子が低級アルキル基
または低級アシル基で置換されていてもよい単糖残基ま
たはオリゴ糖残基を表し、nは0〜6の整数であり、お
よびmは1〜6の整数である]で表されるクロマノール
配糖体を有効成分とする慢性関節リウマチ疾患予防およ
び治療剤である。
Description
ウマチ疾患予防および治療剤に関する。詳しくは、水溶
性のクロマノール配糖体を有効成分とする慢性関節リウ
マチ疾患予防および治療剤に関するものである。
d arthritis:RA)は、免疫異常を基盤と
した慢性炎症性疾患である。慢性関節リウマチの最も代
表的な病変である関節破壊については、従来より炎症の
際に活性化されたプロテアーゼが大きな役割を果たすと
みなされてきたが、その後サイトカイン、プロスタグラ
ンジン、活性酸素、一酸化窒素等、直接、間接的に破壊
に関与する物質や炎症のメディエーターである因子が次
々と報告され、これらの炎症性因子が相互に作用しあっ
ていることが指摘されている(澤井高志他「関節破壊の
分子機構−プロテアーゼ、プロスタグランジン、活性酸
素、一酸化窒素−」1996年12月発行最新医学第5
1巻第12号第62〜71頁)。
金剤、経口金剤、D−ペニシラミン、ブシラミン、ロベ
ンザリット二ナトリウム、サラゾスルファピリジン、ア
クタリット、免疫抑制薬等の各種疾患修飾性抗リウマチ
薬(disease modifying antir
heumatic drug:DMARD)や非ステロ
イド性抗炎症薬(non−steroidal ant
i−inflammatory drug:NSAI
D)が挙げられるが、前者は効果の持続性に問題がある
うえその作用機序も不明であり、後者は対症的に炎症を
抑えるものに過ぎず、疾患の本態に迫った治療は確立さ
れていないのが現状である。
フェロールのクロマン環の2位のフィチル基をアルコー
ルで置換しさらに糖を結合させて得られるクロマノール
配糖体は、高い水溶性と優れた抗酸化作用を有する化合
物として知られているが(特開平7−118287号公
報)、該クロマノール配糖体を慢性関節リウマチ疾患の
予防および治療に利用することは知られていない。
の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的と
するところは、副作用を伴うことなく少用量で効果的に
作用し慢性関節リウマチ疾患を予防し、または病態を改
善もしくは治癒しうる新規な慢性関節リウマチ疾患予防
および治療剤を提供することにある。
含有する水性製剤とすることができる新規な慢性関節リ
ウマチ疾患予防および治療剤を提供することにある。
リウマチ疾患の予防および治療について鋭意研究を重ね
た結果、前記クロマノール配糖体が、慢性関節リウマチ
疾患の予防および治療に極めて有効であることを見出し
本発明を完成した。
R4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル基
を表し、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級ア
シル基を表し、Xは糖残基中の水酸基の水素原子が低級
アルキル基または低級アシル基で置換されていてもよい
単糖残基またはオリゴ糖残基を表し、nは0〜6の整数
であり、およびmは1〜6の整数である]で表されるク
ロマノール配糖体を有効成分とする慢性関節リウマチ疾
患予防および治療剤である。
2−(α−D−グルコピラノシル)メチル−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−6−オールである前記
慢性関節リウマチ疾患予防および治療剤である。
関節リウマチ疾患予防および治療剤である。
防および治療剤は、前記一般式(1)で表されるクロマ
ノール配糖体を有効成分とすることを特徴とするもので
ある。
R3 、R4 およびR5 の低級アルキル基としては、炭素
原子数が1〜8、好ましくは1〜6の低級アルキル基が
よく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イ
ソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等
が挙げられる。これらの中では、メチル基またはエチル
基が好ましい。また、R5 の低級アシル基としては、炭
素原子数が1〜8、好ましくは1〜6の低級アシル基が
よく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバ
レリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイ
ル基、オクタノイル等が挙げられる。これらの中では、
アセチル基、プロピオニル基またはブチリル基が好まし
い。また、Xの単糖残基としては、グルコース、ガラク
トース、フコース、キシロース、マンノース、ラムノー
ス、フルクトース、アラビノース、リキソース、リボー
ス、アロース、アルトロース、イドース、タロース、デ
オキシリボース、2−デオキシリボース、キノボース、
アベクオース等の糖残基が挙げられる。Xのオリゴ糖残
基としては、上記単糖が2〜4個結合したもの、例えば
マルトース、ラクトース、セロビオース、ラフィノー
ス、キシロビオース、スクロースの糖残基等が挙げられ
る。これらの中ではグルコース、ガラクトース、フコー
ス、キシロース、ラムノース、マンノース、フルクトー
ス等の単糖残基が好ましい。また、Xの糖残基中の水酸
基の水素原子は低級アルキル基、好ましくは炭素原子数
が1〜8の低級アルキル基、または低級アシル基、好ま
しくは炭素原子数が1〜10の低級アシル基で置換され
ていてもよい。さらに、nは0〜6、好ましくは1〜4
の整数であり、mは1〜6、好ましくは1〜3の整数で
ある。一般式(1)で表されるクロマノール配糖体の好
ましい例としては、2−(α−D−グルコピラノシル)
メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−
オール、2−(β−D−ガラクトピラノシル)メチル−
2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−オール、
2−(β−L−フコピラノシル)メチル−2,5,7,
8−テトラメチルクロマン−6−オール、2−(α−L
−ラムノピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラ
メチルクロマン−6−オール、2−(β−D−キシロピ
ラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロ
マン−6−オール、2−(β−D−グルコピラノシル)
メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−
オール、2−(β−D−フルクトフラノシル)メチル−
2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−オール、
2−(α−D−マンノピラノシル)メチル−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−6−オール等が挙げら
れる。
は、例えば特開平7−118287号公報に記載の方法
により、下記一般式(2):
R4 、R5 及びnは前記と同義である)で表される2−
置換アルコール及びオリゴ糖類、可溶性澱粉、澱粉また
はシクロデキストリンを相当する糖転位作用を触媒する
酵素の存在下に反応させ、2−置換アルコールの2位の
水酸基に対して特異的に糖の特定の水酸基を結合させる
ことからなる酵素反応によって製造される(酵素法)。
般式(2)で表される2−置換アルコール(以下、単に
「2−置換アルコール」という)は公知の物質であり、
例えば、特公平1−43755号公報や特公平1−49
135号公報等に開示された方法により得ることができ
る。また、例えば、一般式(2)中、R1 、R2 、R 3
及びR4 がメチル基、R5 が水素原子であり、nが1で
ある2−置換アルコールは、トロロックスを水素化リチ
ウムアルミニウムの存在下においてジエチルエーテル中
で加熱還流処理すること等により容易に得ることができ
る。
触媒する酵素は、当該反応に用いる糖の種類によって以
下のように使い分けることが好ましい。
ルコース残基を結合させる場合: (a)マルトースからマルトテトラオース位のマルトオ
リゴ糖に対してはα−グルコシダーゼ(α−gluco
sidase,EC3.2.1.20)を作用させるこ
とが望ましい。α−グルコシダーゼとしては、ほぼ全て
の起源由来のものを用いることができ、具体的には、東
洋紡績株式会社製のサッカロマイセス属(Saccha
romyces sp.)由来のα−グルコシダーゼ、
オリエンタル酵母工業株式会社製のサッカロマイセス
セロビイシエ(Saccharomyces cere
visiae)由来のα−グルコシダーゼ、天野製薬株
式会社製のアスペルギルス ニガー(Aspergil
lus niger)由来のα−グルコシダーゼ、和光
純薬工業株式会社製のサッカロマイセス属(Sacch
aromyses sp.)由来のα−グルコシダー
ゼ、シグマ(SIGMA)製のベーカー イースト(B
akers yeast)由来のα−グルコシダーゼ、
バチルス属(Bacillus)由来のα−グルコシダ
ーゼ等が挙げられる。 (b)可溶性澱粉または澱粉に対しては4−α−グルカ
ノトランスフェラーゼ(4−α−D−glucanot
ransferase,EC2.4.1.25)を作用
させることが望ましい。
ルコース残基またはマルトオリゴ糖残基を結合させる場
合:マルトオリゴ糖、可溶性澱粉、澱粉またはシクロデ
キストリン(α、β、γ)などに対してはシクロデキス
トリングルカノトランスフェラーゼ(cyclodex
trin glucanotransferase,E
C2.4.1.19)を作用させることが望ましい。代
表的な例としては、天野製薬株式会社製のバチルス マ
セランス(Bacillus macerans)由来
のシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、株
式会社林原生物化学研究所製のバチルス ステアロサー
モフィラス(Bacillus stearother
mophilus)由来のシクロデキストリングルカノ
トランスフェラーゼ、その他にはバチルス メガテリウ
ム(Baccillus megaterium)、バ
チルス サーキュランス ATCC 9995(Bac
illus circulans ATCC 999
5)由来のシクロデキストリングルカノトランスフェラ
ーゼなどが挙げられる。
ルコース残基を結合させる場合: (a)セロビオース、カードランまたはラミナランなど
のβ−結合よりなるオリゴ糖に対してはβ−グルコシダ
ーゼ(β−glucosidase,EC3.2.1.
21)を作用させることが望ましい。 (b)リン酸存在下のセロビオースに対してはセロビオ
ース ホスホリラーゼ(cellobiose pho
sphorylase,EC2.4.1.20)を作用
させることが望ましい。
ラクトース残基を結合させる場合: (a)メリビオースまたはラフィノースなどに対しては
α−ガラクトシダーゼ(α−galactosidas
e,EC3.2.1.22)を作用させることが望まし
い。
ラクトース残基を結合させる場合: (a)ラクトースなどに対してはβ−ガラクトシダーゼ
(β−galactosidase,EC3.2.1.
23)を作用させることが望ましい。 (b)アラビノガラクタンなどに対してはエンド−1,
4−β−ガラクタナーゼ(Endo−1,4−β−ga
lactanase,EC3.2.1.89)を作用さ
せることが望ましい。
ラクトース残基を結合させる場合: (a)ショ糖、ラフィノースまたはメリビオースなどに
対してはレバンシュークラーゼ(levansucra
se,EC2.4.1.10)を作用させることが望ま
しい。 (b)ショ糖に対してはβ−フルクトフラノシダーゼ
(β−fructofuranosidase,EC
3.2.1.26)を作用させることが望ましい。 (c)イヌリンなどに対してはイヌリンフルクトトラン
スフェラーゼ(inulin fructotrans
ferase,EC2.4.1.93)を作用させるこ
とが望ましい。
ロマノール配糖体や酵素の種類によって異なるが、例え
ば、一般式(1)中のmが1であるクロマノール配糖体
をα−グルコシダーゼを用いて合成する場合には、2−
置換アルコールを糖溶液に溶解させることが望ましい。
そのためには有機溶媒の添加が望ましく、例えば、ジメ
チルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、メ
タノール、エタノール、アセトン、及びアセトニトリル
などが挙げられ、α−グルコシダーゼの転移活性を高め
る点を考慮すると、ジメチルスルホキシドやN,N−ジ
メチルホルムアミドが好ましく使用される。有機溶媒の
添加濃度は、1〜50(v/v)%であり、反応効率を
考えると5〜35(v/v)%であることが好ましい。
おいて飽和濃度若しくはそれに近い濃度にすることが望
ましい。用いる糖の種類はマルトースからマルトテトラ
オース位の低分子のものが良く、好ましくはマルトース
である。糖の濃度は1〜70(w/v)%、好ましくは
30〜60(w/v)%である。pHは4.5〜7.
5、好ましくは5.0〜6.5である。反応温度は10
〜70℃、好ましくは30〜60℃である。反応時間は
1〜40時間、好ましくは2〜24時間である。但し、
これらの条件は使用する酵素量等により影響をうけるこ
とはいうまでもない。反応終了後、反応液をXAD(オ
ルガノ株式会社)を担体として用いたカラムクロマトグ
ラフィーで処理することにより、目的とするクロマノー
ル配糖体が高純度で得られる。
あるクロマノール配糖体をシクロデキストリングルカノ
トランスフェラーゼを用いて合成する場合の反応条件と
しては、2−置換アルコールを糖溶液に溶解させること
が望ましい。そのためには有機溶媒の添加が望ましく、
ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、メタノール、エタノール、アセトン及びアセトニト
リルなどが挙げられる。添加する有機溶媒の濃度は1〜
50(v/v)%、好ましくは反応効率を考えると5〜
35(v/v)%である。2−置換アルコールの濃度は
反応液中において、飽和濃度もしくはそれに近い高い濃
度にすることが望ましい。
ては、マルトトリオース以上の重合度を持つマルトオリ
ゴ糖、可溶性澱粉、澱粉およびシクロデキストリン
(α、β、γ)などが好ましく挙げられる。糖の濃度は
1〜70(w/v)%、好ましくは5〜50(w/v)
%である。pHは4.5〜8.5、好ましくは5.0〜
7.5である。反応温度は10〜70℃、好ましくは3
0〜60℃である。反応時間は1〜60時間、好ましく
は2〜50時間である。但し、これらの条件は使用する
酵素量により影響を受ける。このような反応により得ら
れたクロマノール配糖体はmの数が1から8位の混合物
となる。そこで、この混合物をグルコアミラーゼ(EC
3.2.1.3)を用いて処理することによって、一般
式(1)中のmが1であるクロマノール配糖体だけを得
ることができる。この際の反応温度は20〜70℃、好
ましくは30〜60℃であり、反応時間は0.1〜40
時間、好ましくは1〜24時間である。但し、これらの
条件は使用する酵素の量により影響を受ける。次に、上
記グルコアミラーゼ処理後の液を、XAD(オルガノ株
式会社)を担体として用いたカラムクロマトグラフィー
処理することにより、一般式(1)中のmが1であるク
ロマノール配糖体が高純度で得られる。
ル配糖体を得る場合には、上記と同様の条件下で、シク
ロデキストリングルカノトランスフェラーゼによって得
られる一般式(1)におけるmが1から8位の混合物の
形態を有するクロマノール配糖体にβ−アミラーゼ(E
C3.2.1.2)を作用させることにより、一般式
(1)におけるmが1または2であるクロマノール配糖
体のみが得られる。この時の反応温度は20〜70℃、
好ましくは30〜60℃であり、反応時間は0.1〜4
0時間、好ましくは1〜24時間である。但し、これら
の条件は使用する酵素量により影響を受ける。β−アミ
ラーゼ処理後の液は、XAD(オルガノ株式会社)を担
体として用いたカラムクロマトグラフィー処理により、
一般式(1)におけるmが2であるクロマノール配糖体
が高純度で得られると同時に、一般式(1)におけるm
が1であるクロマノール配糖体も得られる。
ロマノール配糖体を得る場合には、上記と同様の条件下
で、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼに
よって得られる一般式(1)におけるmが1から8位の
混合物の形態を有するクロマノール配糖体を、HPLC
を用いた分取クロマトグラフィーなどで処理することに
より、高純度のクロマノール配糖体が各m毎に得ること
ができる。
ルコース残基やマルトオリゴ糖残基を糖残基として結合
させる場合の態様を記載したが、ガラクトース残基、β
−グルコース残基、マンノース残基、フルクトース残基
等を糖残基として2−置換アルコールに結合させること
による態様も本発明では好ましく使用できる。このよう
な態様においては、上記糖転位作用を触媒する酵素の項
において説明した適切な酵素をそれぞれ使用する以外は
上記実施態様と同様の操作を行うことによって、目的と
するクロマノール配糖体が高純度で得られる(特開平9
−249688号公報、特願平9−176174号)。
糖体は、特願平10−75599号公報に記載の方法に
より、前記2−置換アルコールの6位の水酸基を保護基
で保護したもの(以下「糖受容体」という)とアノマー
位に脱離基を導入し他の水酸基を保護基で保護した糖の
誘導体(以下、「糖供与体」という)とを縮合反応させ
ることによっても製造できる(有機合成法)。
位の水酸基を保護する保護基としては、アセチル基、ベ
ンゾイル基、ビバロイル基、クロロアセチル基、レブリ
ノイル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、アリ
ル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェ
ニルシリル基、トリメチルシリル基およびトリチル基等
が挙げられ、特にアセチル基およびベンゾイル基が好ま
しい。
ノマー位に導入される脱離基としては、塩素、臭素やフ
ッ素等のハロゲン原子、チオメチル基、チオエチル基や
チオフェニル基等の硫黄化合物およびトリクロロアセト
イミド基などが挙げられ、特に臭素、塩素、チオメチル
基、チオエチル基、チオフェニル基およびトリクロロア
セトイミド基が好ましい。また、アノマー位以外の水酸
基を保護する保護基としては、アセチル基、ベンゾイル
基、ピバロイル基、クロロアセチル基及びレブリノイル
基等のアシル系保護基、およびベンジル基、p−メトキ
シベンジル基、アリル基、t−ブチルジメチルシリル
基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリメチルシリル
基及びトリチル基等のエーテル系保護基が挙げられ、中
でもアシル系保護基、特にアセチル基が好ましい。
の全ての水酸基へ保護基を導入し、次いでアノマー位を
脱離基に置換することにより容易に調製することができ
る。
て示せば、まず、糖受容体と糖供与体を非極性溶媒に溶
解する。糖受容体と糖供与体の仕込量は、糖受容体に対
する糖供与体のモル比が1.0〜1.5、好ましくは
1.1〜1.3がよい。非極性溶媒としては、塩化メチ
レン、ベンゼン等が挙げられる。
供与体及び糖受容体の縮合反応を行う。活性化剤として
は、三フッ化ホウ酸・エーテル錯体、過塩素酸銀、トリ
フルオロメタンスルホン酸銀、臭化水銀、シアン化水
銀、N−ヨードコハク酸イミド−トリフルオロメタンス
ルホン酸、ジメチルメチルチオスルホニウムトリフラー
ト、p−トルエンスルホン酸等が挙げられ、特に、臭素
を糖誘導体の脱離基として使用した場合には過塩素酸銀
等の重金属塩を使用することが好ましい。反応温度は5
〜30℃、好ましくは10〜25℃がよく、反応時間は
12〜48時間、好ましくは20〜30時間がよい。
クロマトグラフィー等で精製し、保護基を水酸化ナトリ
ウムおよびメタノール性塩酸等で脱保護することによ
り、2−(β−L−フコピラノシル)メチル−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−6−オール、2−(α
−L−ラムノピラノシル)メチル−2,5,7,8−テ
トラメチルクロマン−6−オール、2−(β−D−キシ
ロピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチル
クロマン−6−オール等を得ることができる(特願平1
0−75599号)。
たクロマノール配糖体は、一般的に、極めて高い水溶性
(約100g/100ml)を有し、かつ油溶性にも富
む(オクタノール/水系分配係数>3)両親媒性分子で
ある。いいかえると、本発明によるクロマノール配糖体
は、高い脂質親和性を備えた水溶性ビタミンEであると
いうことができる。したがって、本発明によるクロマノ
ール配糖体は、従来の水に不溶性あるいは貧溶性のビタ
ミンE誘導体とは異なり、水に溶解して使用しても高い
脂質親和性を保つので、細胞膜を透過しさらに細胞内に
も入ることができ、生体内の抗酸化防御系を補強し、慢
性関節リウマチ疾患の患部における活性酸素およびフリ
ーラジカルを効果的に抑制、調節して慢性関節リウマチ
疾患を予防し、または慢性関節リウマチ疾患の病態を飛
躍的に改善する。また、上記反応により得られたクロマ
ノール配糖体は、熱安定性およびpH安定性に関しても
トコフェロール、トロロックスまたは2−置換アルコー
ルに比べて著しく向上するものである。
び治療剤は、前記クロマノール配糖体を製薬上許容され
る担体と配合した組成物または製薬上許容される溶剤に
溶解もしくは懸濁した組成物として、経口的または非経
口的に患者に投与できる。
前記クロマノール配糖体を適当な添加剤、例えば、乳
糖、ショ糖、マンニット、トウモロコシデンプン、合成
もしくは天然ガム、結晶セルロース等の賦形剤、デンプ
ン、セルロース誘導体、アラビアゴム、ゼラチン、ポリ
ビニルピロリドン等の結合剤、カルボシキメチルセルー
ロースカルシウム、カルボシキメチルセルーロースナト
リウム、デンプン、コーンスターチ、アルギン酸ナトリ
ウム等の崩壊剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸ナトリウム等の滑沢剤、炭酸カルシウム、
炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム
等の充填剤または希釈剤等と適宜混合して、錠剤、散剤
(粉末)、丸剤、および顆粒剤等の固型製剤にすること
ができる。また、硬質または軟質のゼラチンカプセル等
を用いてカプセル剤としてもよい。これらの固型製剤に
は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシ
ネート、セルロースアセテートフタレート、メタアクリ
レートコポリマー等の被覆用基剤を用いて腸溶性被覆を
施してもよい。さらに、前記クロマノール配糖体を、精
製水等の一般的に用いられる不活性希釈剤に溶解して、
必要に応じて、この溶液に浸潤剤、乳化剤、分散助剤、
界面活性剤、甘味料、フレーバー、芳香物質等を適宜添
加することにより、シロップ剤、エリキシル剤等の液状
製剤とすることもできる。
防および治療剤を非経口投与用組成物とする場合には、
前記クロマノール配糖体を精製水、リン酸緩衝液等の適
当な緩衝液、生理的食塩水、リンガー溶液、ロック溶液
等の生理的塩類溶液、エタノール、グリセリンおよび慣
用される界面活性剤等と適当に組み合わせた滅菌された
水溶液、非水溶液、懸濁液、リポソームまたはエマルジ
ョン等の液状製剤として、静脈内、皮下、筋肉内等に投
与できる。この際、液状製剤は、生理学的なpH、好ま
しくは6〜8の範囲内のpHを有することが好ましい。
肪油、ラノリン、ワセリン、パラフィン、蝋、硬膏剤、
樹脂、プラスチック、グリコール類、高級アルコール、
グリセリン、水、乳化剤、縣濁化剤等と混和して軟膏、
クリーム等とし、または適当な添加剤と適宜混合して散
剤、粉剤、貼付剤等とし、もしくは適当な溶剤に溶解も
しくは懸濁して液剤として、固形、半固形または液状の
外用剤として局所的に投与できる。さらに、本発明の慢
性関節リウマチ疾患の予防および治療剤は、ペレットに
よる埋め込み、または坐薬用基剤を用いた坐薬として投
与されることも可能である。
は、担当の医師によって選択される。
び治療剤に含まれるクロマノール配糖体の濃度は、投与
形態、疾病の種類や重篤度や目的とする投与量などによ
って様々であるが、一般的には、原料の全重量に対して
0.1〜100重量%、好ましくは1〜90重量%であ
る。特に、本発明の製剤が経口投与される場合には、原
料の全重量に対して1〜100重量%、好ましくは5〜
90重量%であり、非経口投与される場合には、原料の
全容量に対して0.1〜90容量%、好ましくは1〜8
0容量%であることが好ましい。この際、クロマノール
配糖体の濃度が前記上限値を超えると過剰な投与量に見
合った病態改善効果が得られず、前記下限値未満である
と病態改善効果が十分に期待できずいずれも好ましくな
い。
び治療剤の上記投与量は、患者の年齢、体重および症
状、目的とする投与形態や方法、治療効果、および処置
期間等によって異なり、正確な量は医師により決定され
るものであるが、通常、本剤が経口投与される場合に
は、クロマノール配糖体の投与量換算で、0.1〜10
000mg/kg体重/日の投与量の範囲であり、1日
1〜3回に分けて投与される。この際、1日当たりの経
口投与量が多い場合には、1回に複数個の錠剤等の製剤
を投与してもよい。また、本発明の慢性関節リウマチ疾
患の予防および治療剤を非経口投与する場合には、クロ
マノール配糖体の投与量換算で、0.01〜1000m
g/kg体重/日の投与量になるように1日1〜3回に
分けて投与される。
び治療剤の薬理効果を、ラットアジュバント関節炎モデ
ルを用いた薬理試験によりさらに詳細に説明する。
is)ラット(日本チャールスリバー社)を1群5匹と
し1週間予備飼育した後、結核死菌Mycobacte
rium butyricum(Difco社)を流動
パラフィンに懸濁して10mg/dlとし、右後肢足背
部に0.2mlを皮下注射してアジュバント関節炎を発
症させた。
18287号公報の実施例1に記載の方法で製造した下
記式(3)
ル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−
6−オール(TMG)を用い、これを生理食塩水中に7
mg/dlの濃度で完全に溶解した。そして、TMG溶
液200μlをALZET浸透圧ポンプ(osmoti
c pump、モデル2002、alza社製)に入
れ、このポンプをアジュバントを注入すると同時にルイ
スラットの腹腔内に埋め込み、14日間の持続注入を行
った。対照群には、TMGの代りに生理食塩水を同様に
して注入した。
4(0:腫れなし、1:僅かに腫れが認められる、2:
腫れが認められる、3、中程度の腫れが認められる、
4:最大状態の腫れが認められる)で点数化し、合計を
関節炎スコア(最大16点)として評価した。結果を表
1に示す。
ホルマリン液で固定後、脱灰、パラフィン包埋して組織
切片を作製し、HE染色を行い炎症細胞(好中球、マク
ロファージ等)が滑膜に浸潤している程度を0〜4
(0:浸潤なし、1:僅かに浸潤が認められる、2:少
量の浸潤が認められる、3:中程度の浸潤が認められ
る、4:多量の浸潤が認められる)で点数化し、平均値
を求め評価した。結果を表2に示す。
は関節の腫れを対照群に比べ有意に抑制することがわか
った。また、表2から明らかなように、組織学的にも、
TMG投与群では炎症細胞の滑膜への湿潤を対照群に比
べ有意に抑制することが確認された。
て急性毒性試験を行い、その安全性を確認した。4〜5
週令のICR系マウスを1群3匹として用い、クロマノ
ール配糖体として上記と同じTMGを5%アラビアゴム
液に懸濁した後、TMG換算で500mg/kgを経口
投与して1週間観察した。この際、対照群として5%ア
ラビアゴム液を0.3ml経口投与した。その結果、い
ずれの投与群においてもマウスの死亡例は認められなか
った。
ン100gをブレンダーで混合して散剤を得た。
プロピルセルロース100gを混合した後、10%ヒド
ロキシプロピルセルロース水溶液350gを加えて混練
した。これを押出し造粒機を用いて造粒、乾燥して顆粒
剤を得た。
20g、結晶セルロース130gおよびステアリン酸マ
グネシウム5gをブレンダーで混合した後、錠剤機で打
錠して錠剤を得た。
8gおよびステアリン酸マグネシウム2gをV型混合機
を用いて混合した後、3号カプセルに180mgずつ充
填してカプセル剤を得た。
2mlに溶解した後濾過し、濾液を2mlアンプルに分
注、封入した後滅菌して注射剤を得た。
マチ疾患予防および治療剤は、水溶性に優れたクロマノ
ール配糖体を有効成分とするので、慢性関節リウマチ疾
患における病変を顕著に抑制し、病態を飛躍的に改善す
ることができる。
マノール配糖体を有効成分とするので、固形製剤として
用いるほか、有効成分を高濃度で含有する水性製剤とす
ることができ、少用量で患部に効果的に作用し、慢性関
節リウマチ疾患を予防、治療することができるととも
に、副作用を伴わないので極めて安全に使用することが
できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 [ただし、式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一ま
たは異なる水素原子または低級アルキル基を表し、R5
は水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を表
し、Xは糖残基中の水酸基の水素原子が低級アルキル基
または低級アシル基で置換されていてもよい単糖残基ま
たはオリゴ糖残基を表し、nは0〜6の整数であり、お
よびmは1〜6の整数である]で表されるクロマノール
配糖体を有効成分とする慢性関節リウマチ疾患予防およ
び治療剤。 - 【請求項2】 前記クロマノール配糖体は2−(α−D
−グルコピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラ
メチルクロマン−6−オールである請求項1記載の慢性
関節リウマチ疾患予防および治療剤。 - 【請求項3】 水性製剤である請求項1〜2記載の慢性
関節リウマチ疾患予防および治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36790999A JP2001181191A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 慢性関節リウマチ疾患予防および治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36790999A JP2001181191A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 慢性関節リウマチ疾患予防および治療剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001181191A true JP2001181191A (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=18490510
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36790999A Pending JP2001181191A (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | 慢性関節リウマチ疾患予防および治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001181191A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2415775A1 (en) * | 2009-03-31 | 2012-02-08 | Cci Corporation | Agent for inhibiting thickening of peritoneal membrane |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO1993005052A1 (fr) * | 1991-09-05 | 1993-03-18 | Toray Industries, Inc. | Derive d'acide methanediphosphonique, sa production et son utilisation comme remede |
JPH07504887A (ja) * | 1991-11-22 | 1995-06-01 | リポジェニックス,インコーポレイテッド | トコトリエノールおよびトコトリエノール様化合物ならびにこれらを使用する方法 |
WO1999064424A1 (fr) * | 1998-06-09 | 1999-12-16 | Takara Shuzo Co., Ltd. | Agents therapeutiques |
-
1999
- 1999-12-24 JP JP36790999A patent/JP2001181191A/ja active Pending
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CN102596982A (zh) * | 2009-03-31 | 2012-07-18 | Cci有限公司 | 腹膜肥厚抑制剂 |
EP2415775A4 (en) * | 2009-03-31 | 2012-10-17 | Cci Corp | MEANS OF INHIBITING THICKNESS OF THE PERITONEAL MEMBRANE |
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