JP2000154154A - 全身性炎症反応症候群予防および治療剤 - Google Patents

全身性炎症反応症候群予防および治療剤

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JP2000154154A
JP2000154154A JP32722998A JP32722998A JP2000154154A JP 2000154154 A JP2000154154 A JP 2000154154A JP 32722998 A JP32722998 A JP 32722998A JP 32722998 A JP32722998 A JP 32722998A JP 2000154154 A JP2000154154 A JP 2000154154A
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Japan
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systemic inflammatory
therapeutic agent
inflammatory response
response syndrome
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Hironori Murase
博宣 村瀬
Toshiichi Yoshikawa
敏一 吉川
Norimasa Yoshida
憲正 吉田
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Original Assignee
CCI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全かつ少用量で患部に効果的に作用し、全
身性炎症反応症候群を予防、治療しうる新規な全身性炎
症反応症候群の予防および治療剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 [ただし、式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一ま
たは異なる水素原子または低級アルキル基を表し、R5
は水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を表
し、Xは糖残基中の水酸基の水素原子が低級アルキル基
または低級アシル基で置換されていてもよい単糖残基ま
たはオリゴ糖残基を表し、nは0〜6の整数であり、お
よびmは1〜6の整数である]で表されるクロマノール
配糖体を有効成分とする全身性炎症反応症候群予防およ
び治療剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な全身性炎症
反応症候群予防および治療剤に関する。詳しくは、水溶
性のクロマノール配糖体を有効成分とする全身性炎症反
応症候群予防および治療剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】敗血症、外傷、膵炎、熱傷等により惹起
されるショック、成人呼吸窮迫症候群(adult r
espiratory distress syndr
ome:ARDS)、多臓器不全(multiple
organ failure:MOF)、播種性血管内
凝固症候群(disseminated intrav
ascular coagulation:DIC)等
の諸病態は、大きな侵襲に対する生体の過剰な炎症反
応、すなわち、各種メディエーターによる生体機能の制
御が破綻し閾値を超えて生体(炎症)反応が進行する結
果形成される病態である全身性炎症反応症候群(sys
temic inflammatory respon
se syndrome:SIRS)として捉えること
ができる(吉川敏一著「フリーラジカルの医学」株式会
社診断と治療社1997年4月25日初版第1刷発行第
124〜129頁)。
【0003】生態が大きな襲撃を受けると、さまざまな
サイトカインが血液中に出現することがわかってきてい
る。中でも炎症性サイトカインの過剰生産による好中球
と血管内皮の接着および好中球の活性化により放出され
る活性酸素、フリーラジカル、血小板活性化因子、ロイ
コトリエン等のメディエーターが細胞障害因子として働
き、臓器の微小循環障害さらには臓器障害へ移行し、S
IRSにつながると考えられている。これらのメディエ
ーターの中で、近年、活性酸素やフリーラジカルの関与
が注目を集めている。すなわち、エンドトキシンの静脈
内投与によるショック、ARDS、MOF、DICモデ
ルでは、血清および臓器レベルでの脂質過酸化の亢進
や、臓器、特に肺への顕著な好中球の集積が観察され
る。抗酸化酵素であるスーパーオキシドジムスターゼ
(SOD)やカタラーゼを投与すると、血圧低下、リソ
ソーム酵素遊離、臓器障害、微小循環障害とともに血清
や臓器の脂質過酸化が抑制されることから、臓器や微小
循環障害の増悪と脂質過酸化の進行において、スーパー
オキシドとそれに由来する活性酵素やフリーラジカルの
関与が強く示唆される。また、好中球低下によっても臓
器障害や脂質過酸化は抑制されることから、スーパーオ
キシドの発生源としては好中球が大きな役割を担ってい
ると考えられる(同文献)。このような活性酸素・フリ
ーラジカルの関与する疾患においては、その予防および
治療として、抗酸化作用を有する薬剤を投与することに
より酸化防御機構を強化する方法が考えられる。
【0004】一方、α−トコフェロールは代表的なビタ
ミンEであり、クロマン環の6位の水酸基から水素原子
を供与してフリーラジカルおよび活性酸素を消去する機
能を有し、抗酸化剤として知られている。
【0005】しかしながら、ビタミンEは、その分子内
に長鎖の炭化水素基(フィチル基)を有するために、水
に溶けない粘稠性の油状物である。このため、生体内の
フリーラジカルを抑制、調節する目的でビタミンEを投
与する場合には、注射剤等の液剤の形態での使用はでき
ないという致命的な欠点がある。このような欠点を克服
するために、2位のフィチル基をカルボキシル基で置換
することにより水溶性が付与された6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン
酸が開発され、トロロックス(Trolox)という名
称で水溶性の抗酸化剤として市販されているが、その水
溶性は極めて低く(約15mg/100ml)、いまだ
満足できるものではない。また、同様にして、2位のフ
ィチル基をアルコールで置換した2−ハイドロキシメチ
ル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−オー
ル(以下、「TMC−2−置換メタノール」という)も
開発された。このTMC−2−置換メタノールは、約1
00mg/100mlの水溶性を有し、トロロックスの
約6.3倍の水溶性を示すが、このような比較的高い水
溶性をもってしても、例えば、患者に1000mgを投
与するためには、1000mlという多量の水に溶解し
て用いなければならず、水溶性がなお不十分であるとい
う問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的と
するところは、副作用を伴うことなく少用量で効果的に
作用し全身性炎症反応症候群を予防し、または病態を改
善もしくは治癒しうる新規な全身性炎症反応症候群予防
および治療剤を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、優れた抗酸化作用を
有し全身性炎症反応症候群の各患部における酸化的障害
を効果的に抑制、調節しうる新規な全身性炎症反応症候
群予防および治療剤を提供することにある。
【0008】本発明のさらに他の目的は、有効成分を高
濃度で含有する水性製剤とすることができる新規な全身
性炎症反応症候群予防および治療剤を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に、水
溶性が不十分なTMC−2−置換アルコールの2位の水
酸基に糖を結合させることによって高い水溶性を有する
クロマノール配糖体を合成することに成功していたが
(特開平7−118287号公報)、今回、驚くべきこ
とに、該クロマノール配糖体を有効成分とする全身性炎
症反応症候群予防および治療剤が、全身性炎症反応症候
群の予防、治療に極めて有効であることを見出し本発明
を完成した。
【0010】即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0011】
【化2】
【0012】[ただし、式中、R1 、R2 、R3 および
4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル基
を表し、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級ア
シル基を表し、Xは糖残基中の水酸基の水素原子が低級
アルキル基または低級アシル基で置換されていてもよい
単糖残基またはオリゴ糖残基を表し、nは0〜6の整数
であり、およびmは1〜6の整数である]で表されるク
ロマノール配糖体を有効成分とする全身性炎症反応症候
群予防および治療剤である。
【0013】本発明はまた、前記クロマノール配糖体は
2−(α−D−グルコピラノシル)メチル−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−6−オールである前記
全身性炎症反応症候群予防および治療剤である。
【0014】本発明はさらに、前記全身性炎症反応症候
群はショック、成人呼吸窮迫症候群、多臓器不全または
播種性血管内凝固症候群である前記全身性炎症反応症候
群予防および治療剤である。
【0015】本発明はまた、水性製剤である前記全身性
炎症反応症候群予防および治療剤である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の全身性炎症反応症候群予
防および治療剤は、前記一般式(1)で表されるクロマ
ノール配糖体を有効成分とすることを特徴とするもので
ある。
【0017】前記一般式(1)において、R1 、R2
3 、R4 およびR5 の低級アルキル基としては、炭素
原子数が1〜8、好ましくは1〜6の低級アルキル基が
よく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イ
ソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等
が挙げられる。これらの中では、メチル基またはエチル
基が好ましい。また、R5 の低級アシル基としては、炭
素原子数が1〜8、好ましくは1〜6の低級アシル基が
よく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバ
レリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイ
ル基、オクタノイル等が挙げられる。これらの中では、
アセチル基、プロピオニル基またはブチリル基が好まし
い。また、Xの単糖残基としては、グルコース、ガラク
トース、フコース、キシロース、マンノース、ラムノー
ス、フルクトース、アラビノース、リキソース、リボー
ス、アロース、アルトロース、イドース、タロース、デ
オキシリボース、2−デオキシリボース、キノボース、
アベクオース等の糖残基が挙げられる。Xのオリゴ糖残
基としては、上記単糖が2〜4個結合したもの、例えば
マルトース、ラクトース、セロビオース、ラフィノー
ス、キシロビオース、スクロースの糖残基等が挙げられ
る。これらの中ではグルコース、ガラクトース、フコー
ス、キシロース、ラムノース、マンノース、フルクトー
ス等の単糖残基が好ましい。また、Xの糖残基中の水酸
基の水素原子は低級アルキル基、好ましくは炭素原子数
が1〜8の低級アルキル基、または低級アシル基、好ま
しくは炭素原子数が1〜10の低級アシル基で置換され
ていてもよい。さらに、nは0〜6、好ましくは1〜4
の整数であり、mは1〜6、好ましくは1〜3の整数で
ある。一般式(1)で表されるクロマノール配糖体の好
ましい例としては、2−(α−D−グルコピラノシル)
メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−
オール、2−(β−D−ガラクトピラノシル)メチル−
2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−オール、
2−(β−L−フコピラノシル)メチル−2,5,7,
8−テトラメチルクロマン−6−オール、2−(α−L
−ラムノピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラ
メチルクロマン−6−オール、2−(β−D−キシロピ
ラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロ
マン−6−オール、2−(β−D−グルコピラノシル)
メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−
オール、2−(β−D−フルクトフラノシル)メチル−
2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−オール、
2−(α−D−マンノピラノシル)メチル−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−6−オール等が挙げら
れる。
【0018】本発明に用いられるクロマノール配糖体
は、例えば特開平7−118287号公報に記載の方法
により、下記一般式(2):
【0019】
【化3】
【0020】(ただし、式中、R1 ,R2 ,R3
4 、R5 及びnは前記と同義である)で表される2−
置換アルコール及びオリゴ糖類、可溶性澱粉、澱粉また
はシクロデキストリンを相当する糖転位作用を触媒する
酵素の存在下に反応させ、2−置換アルコールの2位の
水酸基に対して特異的に糖の特定の水酸基を結合させる
ことからなる酵素反応によって製造される(酵素法)。
【0021】上記反応において原料として用いられる一
般式(2)で表される2−置換アルコール(以下、単に
「2−置換アルコール」という)は公知の物質であり、
例えば、特公平1−43755号公報や特公平1−49
135号公報等に開示された方法により得ることができ
る。また、例えば、一般式(2)中、R1 、R2 、R3
及びR4 がメチル基、R5 が水素原子であり、nが1で
ある2−置換アルコールは、トロロックスを水素化リチ
ウムアルミニウムの存在下においてジエチルエーテル中
で加熱還流処理すること等により容易に得ることができ
る。
【0022】上記反応において使用される糖転位作用を
触媒する酵素は、当該反応に用いる糖の種類によって以
下のように使い分けることが好ましい。
【0023】(1)2−置換アルコールにα−結合でグ
ルコース残基を結合させる場合: (a)マルトースからマルトテトラオース位のマルトオ
リゴ糖に対してはα−グルコシダーゼ(α−gluco
sidase,EC3.2.1.20)を作用させるこ
とが望ましい。α−グルコシダーゼとしては、ほぼ全て
の起源由来のものを用いることができ、具体的には、東
洋紡績株式会社製のサッカロマイセス属(Saccha
romyces sp.)由来のα−グルコシダーゼ、
オリエンタル酵母工業株式会社製のサッカロマイセス
セロビイシエ(Saccharomyces cere
visiae)由来のα−グルコシダーゼ、天野製薬株
式会社製のアスペルギルス ニガー(Aspergil
lus niger)由来のα−グルコシダーゼ、和光
純薬工業株式会社製のサッカロマイセス属(Sacch
aromyses sp.)由来のα−グルコシダー
ゼ、シグマ(SIGMA)製のベーカー イースト(B
akers yeast)由来のα−グルコシダーゼ、
バチルス属(Bacillus)由来のα−グルコシダ
ーゼ等が挙げられる。 (b)可溶性澱粉または澱粉に対しては4−α−グルカ
ノトランスフェラーゼ(4−α−D−glucanot
ransferase,EC2.4.1.25)を作用
させることが望ましい。
【0024】(2)2−置換アルコールにα−結合でグ
ルコース残基またはマルトオリゴ糖残基を結合させる場
合:マルトオリゴ糖、可溶性澱粉、澱粉またはシクロデ
キストリン(α、β、γ)などに対してはシクロデキス
トリングルカノトランスフェラーゼ(cyclodex
trin glucanotransferase,E
C2.4.1.19)を作用させることが望ましい。代
表的な例としては、天野製薬株式会社製のバチルス マ
セランス(Bacillus macerans)由来
のシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、株
式会社林原生物化学研究所製のバチルス ステアロサー
モフィラス(Bacillus stearother
mophilus)由来のシクロデキストリングルカノ
トランスフェラーゼ、その他にはバチルス メガテリウ
ム(Baccillus megaterium)、バ
チルス サーキュランス ATCC 9995(Bac
illus circulans ATCC 999
5)由来のシクロデキストリングルカノトランスフェラ
ーゼなどが挙げられる。
【0025】(3)2−置換アルコールにβ−結合でグ
ルコース残基を結合させる場合: (a)セロビオース、カードランまたはラミナランなど
のβ−結合よりなるオリゴ糖に対してはβ−グルコシダ
ーゼ(β−glucosidase,EC3.2.1.
21)を作用させることが望ましい。 (b)リン酸存在下のセロビオースに対してはセロビオ
ース ホスホリラーゼ(cellobiose pho
sphorylase,EC2.4.1.20)を作用
させることが望ましい。
【0026】(4)2−置換アルコールにα−結合でガ
ラクトース残基を結合させる場合: (a)メリビオースまたはラフィノースなどに対しては
α−ガラクトシダーゼ(α−galactosidas
e,EC3.2.1.22)を作用させることが望まし
い。
【0027】(5)2−置換アルコールにβ−結合でガ
ラクトース残基を結合させる場合: (a)ラクトースなどに対してはβ−ガラクトシダーゼ
(β−galactosidase,EC3.2.1.
23)を作用させることが望ましい。
【0028】(b)アラビノガラクタンなどに対しては
エンド−1,4−β−ガラクタナーゼ(Endo−1,
4−β−galactanase,EC3.2.1.8
9)を作用させることが望ましい。
【0029】(6)2−置換アルコールにβ−結合でフ
ラクトース残基を結合させる場合: (a)ショ糖、ラフィノースまたはメリビオースなどに
対してはレバンシュークラーゼ(levansucra
se,EC2.4.1.10)を作用させることが望ま
しい。 (b)ショ糖に対してはβ−フルクトフラノシダーゼ
(β−fructofuranosidase,EC
3.2.1.26)を作用させることが望ましい。
【0030】(c)イヌリンなどに対してはイヌリンフ
ルクトトランスフェラーゼ(inulin fruct
otransferase,EC2.4.1.93)を
作用させることが望ましい。
【0031】上記反応における反応条件は、使用するク
ロマノール配糖体や酵素の種類によって異なるが、例え
ば、一般式(1)中のmが1であるクロマノール配糖体
をα−グルコシダーゼを用いて合成する場合には、2−
置換アルコールを糖溶液に溶解させることが望ましい。
そのためには有機溶媒の添加が望ましく、例えば、ジメ
チルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、メ
タノール、エタノール、アセトン、及びアセトニトリル
などが挙げられ、α−グルコシダーゼの転移活性を高め
る点を考慮すると、ジメチルスルホキシドやN,N−ジ
メチルホルムアミドが好ましく使用される。有機溶媒の
添加濃度は、1〜50(v/v)%であり、反応効率を
考えると5〜35(v/v)%であることが好ましい。
【0032】2−置換アルコールの濃度は、反応液中に
おいて飽和濃度若しくはそれに近い濃度にすることが望
ましい。用いる糖の種類はマルトースからマルトテトラ
オース位の低分子のものが良く、好ましくはマルトース
である。糖の濃度は1〜70(w/v)%、好ましくは
30〜60(w/v)%である。pHは4.5〜7.
5、好ましくは5.0〜6.5である。反応温度は10
〜70℃、好ましくは30〜60℃である。反応時間は
1〜40時間、好ましくは2〜24時間である。但し、
これらの条件は使用する酵素量等により影響をうけるこ
とはいうまでもない。反応終了後、反応液をXAD(オ
ルガノ株式会社)を担体として用いたカラムクロマトグ
ラフィーで処理することにより、目的とするクロマノー
ル配糖体が高純度で得られる。
【0033】また、例えば、一般式(1)中のmが1で
あるクロマノール配糖体をシクロデキストリングルカノ
トランスフェラーゼを用いて合成する場合の反応条件と
しては、2−置換アルコールを糖溶液に溶解させること
が望ましい。そのためには有機溶媒の添加が望ましく、
ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、メタノール、エタノール、アセトン及びアセトニト
リルなどが挙げられる。添加する有機溶媒の濃度は1〜
50(v/v)%、好ましくは反応効率を考えると5〜
35(v/v)%である。2−置換アルコールの濃度は
反応液中において、飽和濃度もしくはそれに近い高い濃
度にすることが望ましい。
【0034】上記反応において用いられる糖の種類とし
ては、マルトトリオース以上の重合度を持つマルトオリ
ゴ糖、可溶性澱粉、澱粉およびシクロデキストリン
(α、β、γ)などが好ましく挙げられる。糖の濃度は
1〜70(w/v)%、好ましくは5〜50(w/v)
%である。pHは4.5〜8.5、好ましくは5.0〜
7.5である。反応温度は10〜70℃、好ましくは3
0〜60℃である。反応時間は1〜60時間、好ましく
は2〜50時間である。但し、これらの条件は使用する
酵素量により影響を受ける。このような反応により得ら
れたクロマノール配糖体はmの数が1から8位の混合物
となる。そこで、この混合物をグルコアミラーゼ(EC
3.2.1.3)を用いて処理することによって、一般
式(1)中のmが1であるクロマノール配糖体だけを得
ることができる。この際の反応温度は20〜70℃、好
ましくは30〜60℃であり、反応時間は0.1〜40
時間、好ましくは1〜24時間である。但し、これらの
条件は使用する酵素の量により影響を受ける。次に、上
記グルコアミラーゼ処理後の液を、XAD(オルガノ株
式会社)を担体として用いたカラムクロマトグラフィー
処理することにより、一般式(1)中のmが1であるク
ロマノール配糖体が高純度で得られる。
【0035】一般式(1)中のmが2であるクロマノー
ル配糖体を得る場合には、上記と同様の条件下で、シク
ロデキストリングルカノトランスフェラーゼによって得
られる一般式(1)におけるmが1から8位の混合物の
形態を有するクロマノール配糖体にβ−アミラーゼ(E
C3.2.1.2)を作用させることにより、一般式
(1)におけるmが1または2であるクロマノール配糖
体のみが得られる。この時の反応温度は20〜70℃、
好ましくは30〜60℃であり、反応時間は0.1〜4
0時間、好ましくは1〜24時間である。但し、これら
の条件は使用する酵素量により影響を受ける。β−アミ
ラーゼ処理後の液は、XAD(オルガノ株式会社)を担
体として用いたカラムクロマトグラフィー処理により、
一般式(1)におけるmが2であるクロマノール配糖体
が高純度で得られると同時に、一般式(1)におけるm
が1であるクロマノール配糖体も得られる。
【0036】一般式(1)におけるmが3以上であるク
ロマノール配糖体を得る場合には、上記と同様の条件下
で、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼに
よって得られる一般式(1)におけるmが1から8位の
混合物の形態を有するクロマノール配糖体を、HPLC
を用いた分取クロマトグラフィーなどで処理することに
より、高純度のクロマノール配糖体が各m毎に得ること
ができる。
【0037】上記実施態様では2−置換アルコールにグ
ルコース残基やマルトオリゴ糖残基を糖残基として結合
させる場合の態様を記載したが、ガラクトース残基、β
−グルコース残基、マンノース残基、フルクトース残基
等を糖残基として2−置換アルコールに結合させること
による態様も本発明では好ましく使用できる。このよう
な態様においては、上記糖転位作用を触媒する酵素の項
において説明した適切な酵素をそれぞれ使用する以外は
上記実施態様と同様の操作を行うことによって、目的と
するクロマノール配糖体が高純度で得られる(特開平9
−249688号公報、特願平9−176174号)。
【0038】一方、本発明に用いられるクロマノール配
糖体は、特願平10−75599号公報に記載の方法に
より、前記2−置換アルコールの6位の水酸基を保護基
で保護したもの(以下「糖受容体」という)とアノマー
位に脱離基を導入し他の水酸基を保護基で保護した糖の
誘導体(以下、「糖供与体」という)とを縮合反応させ
ることによっても製造できる(有機合成法)。
【0039】上記反応において使用される糖受容体の6
位の水酸基を保護する保護基としては、アセチル基、ベ
ンゾイル基、ビバロイル基、クロロアセチル基、レブリ
ノイル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、アリ
ル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェ
ニルシリル基、トリメチルシリル基およびトリチル基等
が挙げられ、特にアセチル基およびベンゾイル基が好ま
しい。
【0040】上記反応において使用される糖供与体のア
ノマー位に導入される脱離基としては、塩素、臭素やフ
ッ素等のハロゲン原子、チオメチル基、チオエチル基や
チオフェニル基等の硫黄化合物およびトリクロロアセト
イミド基などが挙げられ、特に臭素、塩素、チオメチル
基、チオエチル基、チオフェニル基およびトリクロロア
セトイミド基が好ましい。また、アノマー位以外の水酸
基を保護する保護基としては、アセチル基、ベンゾイル
基、ピバロイル基、クロロアセチル基及びレブリノイル
基等のアシル系保護基、およびベンジル基、p−メトキ
シベンジル基、アリル基、t−ブチルジメチルシリル
基、t−ブチルジフェニルシリル基、トリメチルシリル
基及びトリチル基等のエーテル系保護基が挙げられ、中
でもアシル系保護基、特にアセチル基が好ましい。
【0041】これらの糖供与体は、周知の方法により糖
の全ての水酸基へ保護基を導入し、次いでアノマー位を
脱離基に置換することにより容易に調製することができ
る。
【0042】上記糖受容体と糖供与体の縮合反応につい
て示せば、まず、糖受容体と糖供与体を非極性溶媒に溶
解する。糖受容体と糖供与体の仕込量は、糖受容体に対
する糖供与体のモル比が1.0〜1.5、好ましくは
1.1〜1.3がよい。非極性溶媒としては、塩化メチ
レン、ベンゼン等が挙げられる。
【0043】次に、無水条件下で活性化剤の存在下で糖
供与体及び糖受容体の縮合反応を行う。活性化剤として
は、三フッ化ホウ酸・エーテル錯体、過塩素酸銀、トリ
フルオロメタンスルホン酸銀、臭化水銀、シアン化水
銀、N−ヨードコハク酸イミド−トリフルオロメタンス
ルホン酸、ジメチルメチルチオスルホニウムトリフラー
ト、p−トルエンスルホン酸等が挙げられ、特に、臭素
を糖誘導体の脱離基として使用した場合には過塩素酸銀
等の重金属塩を使用することが好ましい。反応温度は5
〜30℃、好ましくは10〜25℃がよく、反応時間は
12〜48時間、好ましくは20〜30時間がよい。
【0044】次いで得られた反応物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー等で精製し、保護基を水酸化ナトリ
ウムおよびメタノール性塩酸等で脱保護することによ
り、2−(β−L−フコピラノシル)メチル−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−6−オール、2−(α
−L−ラムノピラノシル)メチル−2,5,7,8−テ
トラメチルクロマン−6−オール、2−(β−D−キシ
ロピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチル
クロマン−6−オール等を得ることができる(特願平1
0−75599号)。
【0045】上記酵素法または有機合成法により得られ
たクロマノール配糖体は、一般的に、極めて高い水溶性
(約100g/100ml)を有し、かつ油溶性にも富
む(オクタノール/水系分配係数>3)両親媒性分子で
ある。いいかえると、本発明によるクロマノール配糖体
は、高い脂質親和性を備えた水溶性ビタミンEであると
いうことができる。したがって、本発明によるクロマノ
ール配糖体は、従来の水に不溶性あるいは貧溶性のビタ
ミンE誘導体とは異なり、水に溶解して使用しても高い
脂質親和性を保つので、細胞膜を透過しさらに細胞内に
も入ることができ、生体内の抗酸化防御系を補強し、全
身性炎症反応症候群の各患部における活性酸素およびフ
リーラジカルを効果的に抑制、調節して全身性炎症反応
症候群を予防し、または全身性炎症反応症候群の各病態
を飛躍的に改善する。また、上記反応により得られたク
ロマノール配糖体は、熱安定性およびpH安定性に関し
てもトコフェロール、トロロックスまたは2−置換アル
コールに比べて著しく向上するものである。
【0046】本発明の全身性炎症反応症候群の予防およ
び治療剤は、前記クロマノール配糖体を製薬上許容され
る担体と配合したまたは製薬上許容される溶剤に溶解も
しくは懸濁した組成物として、経口的または非経口的に
患者に投与できる。
【0047】本剤を経口投与用とする場合には、前記ク
ロマノール配糖体を適当な添加剤、例えば、乳糖、ショ
糖、マンニット、トウモロコシデンプン、合成もしくは
天然ガム、結晶セルロース等の賦形剤、デンプン、セル
ロース誘導体、アラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピ
ロリドン等の結合剤、カルボシキメチルセルーロースカ
ルシウム、カルボシキメチルセルーロースナトリウム、
デンプン、コーンスターチ、アルギン酸ナトリウム等の
崩壊剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸ナトリウム等の滑沢剤、炭酸カルシウム、炭酸ナト
リウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム等の充填
剤または希釈剤等と適宜混合して、錠剤、散剤(粉
末)、丸剤、および顆粒剤等の固型製剤にすることがで
きる。また、硬質または軟質のゼラチンカプセル等を用
いてカプセル剤としてもよい。これらの固型製剤には、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネー
ト、セルロースアセテートフタレート、メタアクリレー
トコポリマー等の被覆用基剤を用いて腸溶性被覆を施し
てもよい。さらに、前記クロマノール配糖体を、精製水
等の一般的に用いられる不活性希釈剤に溶解して、必要
に応じて、この溶液に浸潤剤、乳化剤、分散助剤、界面
活性剤、甘味料、フレーバー、芳香物質等を適宜添加す
ることにより、シロップ剤、エリキシル剤等の液状製剤
とすることもできる。
【0048】また、本発明の全身性炎症反応症候群の予
防および治療剤を非経口投与用とする場合には、前記ク
ロマノール配糖体を精製水、リン酸緩衝液等の適当な緩
衝液、生理的食塩水、リンガー溶液、ロック溶液等の生
理的塩類溶液、エタノール、グリセリン及び慣用される
界面活性剤等と適当に組み合わせた滅菌された水溶液、
非水溶液、懸濁液、リポソームまたはエマルジョンとし
て、好ましくは注射用注入用または噴霧用滅菌水溶液と
して、静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内、腸内、気管支内
等に投与される。この際、液状製剤は、生理学的なp
H、好ましくは6〜8の範囲内のpHを有することが好
ましい。さらに、本発明の全身性炎症反応症候群の予防
および治療剤は、ペレットによる埋め込み、または坐薬
用基剤を用いた坐薬として投与されることも可能であ
る。
【0049】上述したうち、好ましい製剤や投与形態等
は、担当の医師によって選択される。
【0050】本発明の全身性炎症反応症候群の予防およ
び治療剤に含まれるクロマノール配糖体の濃度は、投与
形態、疾病の種類や重篤度や目的とする投与量などによ
って様々であるが、一般的には、原料の全重量に対して
0.1〜100重量%、好ましくは1〜90重量%であ
る。特に、本発明の製剤が経口投与される場合には、原
料の全重量に対して1〜100重量%、好ましくは5〜
90重量%であり、非経口投与される場合には、原料の
全容量に対して0.1〜90容量%、好ましくは1〜8
0容量%であることが好ましい。この際、クロマノール
配糖体の濃度が前記上限値を超えると過剰な投与量に見
合った病態改善効果が得られず、前記下限値未満である
と病態改善効果が十分に期待できずいずれも好ましくな
い。
【0051】本発明の全身性炎症反応症候群の予防およ
び治療剤の上記投与量は、患者の年齢、体重及び症状、
目的とする投与形態や方法、治療効果、および処置期間
等によって異なり、正確な量は医師により決定されるも
のであるが、通常、本剤が経口投与される場合には、ク
ロマノール配糖体の投与量換算で、0.1〜10000
mg/kg体重/日の投与量の範囲であり、1日1〜3
回に分けて投与される。この際、1日当たりの経口投与
量が多い場合には、1回に複数個の錠剤等の製剤を投与
してもよい。また、本発明の全身性炎症反応症候群の予
防および治療剤を非経口投与する場合には、クロマノー
ル配糖体の投与量換算で、0.01〜1000mg/k
g体重/日の投与量になるように1日1〜3回に分けて
投与される。
【0052】本発明の全身性炎症反応症候群の予防およ
び治療剤は、敗血症等の重症感染症、膵炎、外傷、熱
傷、外科手術後等において惹起されるショック、成人呼
吸窮迫症候群、多臓器不全、播種性血管内凝固症候群等
の前記全身性炎症反応症候群の予防および治療に有用で
ある。
【0053】
【実施例】次に本発明の全身性炎症反応症候群予防およ
び治療剤の薬理効果を、ラットのエンドトキシンショッ
クモデルを用いた薬理試験によりさらに詳細に説明す
る。
【0054】エンドトキシンショックモデルによる病変
抑制効果 エンドトキシンの静脈内投与によりショック、ARD
S、MOF、DIC等のいわゆるSIRSモデルを作製
できる。このモデルでは、血清および臓器レベルでの脂
質過酸化の進行や種々の臓器障害が観察され、血圧低
下、出血性病変等さまざまな病態を引き起こし、最終的
には死に至る。また、同モデルでは、肺への顕著な好中
球の集積による肺障害が観察される。ARDSは、肺微
小血管内の広範な損傷に基づく透過性肺水腫として捉え
ることができ、色素を血管内投与することによる気管内
への色素の漏出を調べることにより、肺微小血管内の広
範な損傷が確認できARDSの状態にあることがわか
る。同モデルを用いてクロマノール配糖体によるSIR
Sの病変抑制効果を調べた。
【0055】クロマノール配糖体として、特開平7−1
18287号公報の実施例1に記載の方法で製造した下
記式(3)で示される2−(α−D−グルコピラノシ
ル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−
6−オール(TMG)を用いた。
【0056】
【化4】
【0057】Wistar系雄性ラット(体重190〜
210g)をコントロール群21匹、エンドトキシン単
独投与群24匹、TMG投与群23匹として非絶飲食下
において使用した。ラットをエーテル麻酔後、尾静脈よ
り静脈留置カテーテル(24ゲージ、3/4インチ、B
ecton Dickinson VascularA
ccess社)で血管確保し、生理食塩水にて予め20
mg/kgに調製したエンドトキシン(Lipopol
ysaccharide B E.Coli055:B
5、LD50 16.88mg/kg、Difco L
aboratories社)を0.5ml血管内投与し
た。TMGを生理食塩水にて40mg/kgに調製後、
0.5mlをエンドトキシン投与直前に血管内投与し
た。エンドトキシン単独投与群には、TMGに代えて生
理食塩水0.5mlをエンドトキシン投与直前に血管内
投与した。コントロール群には、生理食塩水0.5ml
のみを血管内投与した。エンドトキシン投与終了後より
48時間までラットを観察し、累積生存率をKapla
n−Meier法にて解析した。結果を表1に示す。
【0058】また、Wistar系雄性ラット(体重1
90〜210g)をコントロール群6匹、エンドトキシ
ン単独投与群6匹、TMG投与群6匹として使用した以
外は上記と同様に処理して、エンドトキシン投与後3時
間後に、再度エーテル麻酔下に尾静脈より静脈留置カテ
ーテル(24ゲージ、3/4インチ、BectonDi
ckinson Vascular Access社)
で血管確保し、生理食塩水にて調整した1%Evanc
e Blue(Sigma,MO社)1mlを血管内投
与した。Evance Blue投与1時間後に腹部大
動脈より脱血屠殺し、直ちに気管内に静脈留置カテーテ
ル(16ゲージ、1.77インチ、Becton Di
ckinson Vascular Access社)
を挿管し、人工的気胸を作成後、生理食塩水10mlに
て気管内洗浄を施行した(3回×2、総量20ml)。
気管内洗浄液を200×g、10分間遠沈後、上清の吸
光度を測定した(OD620、Ubest−30 UV
/VIS Spectrophotometer、JA
SCO社)。同じく結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1より明らかなように、エンドトキシン
単独投与群では、コントロール群に対し累積生存率が有
意に低かったが、TMG投与群では累積生存率が有意に
改善され、本発明の全身性炎症反応症候群予防および治
療剤がエンドトキシンショックによる病変を著しく抑制
することがわかった。また、エンドトキシン単独投与群
では、コントロール群に対し有意に色素の漏出が認めら
れ微小血管内皮の広範な損傷が確認されたが、TMG投
与群ではかかる病変が有意に抑制されており、本発明の
全身性炎症反応症候群予防および治療剤がエンドトキシ
ン投与によるARDS病変を著しく抑制することがわか
った。
【0061】急性毒性試験 本発明の全身性炎症反応症候群予防および治療剤につい
て急性毒性試験を行い、その安全性を確認した。4〜5
週令のICR系マウスを1群3匹として用い、クロマノ
ール配糖体として上記と同じTMGを5%アラビアゴム
液に懸濁した後、TMG換算で500mg/kgを経口
投与して1週間観察した。この際、対照群として5%ア
ラビアゴム液を0.3ml経口投与した。その結果、い
ずれの投与群においてもマウスの死亡例は認められなか
った。
【0062】製剤例1 TMG100g、乳糖800gおよびトウモロコシデン
プン100gをブレンダーで混合して散剤を得た。
【0063】製剤例2 TMG100g、乳糖450gおよび低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロース100gを混合した後、10%ヒ
ドロキシプロピルセルロース水溶液350gを加えて混
練した。これを押出し造粒機を用いて造粒、乾燥して顆
粒剤を得た。
【0064】製剤例3 TMG100g、乳糖550g、トウモロコシデンプン
215g、結晶セルロース130gおよびステアリン酸
マグネシウム5gをブレンダーで混合した後、錠剤機で
打錠して錠剤を得た。
【0065】製剤例4 TMG10g、乳糖110g、トウモロコシデンプン5
8gおよびステアリン酸マグネシウム2gをV型混合機
を用いて混合した後、3号カプセルに180mgずつ充
填してカプセル剤を得た。
【0066】製剤例5 TMG200mgおよびグルコース100mgを精製水
2mlに溶解した後濾過し、濾液を2mlアンプルに分
注、封入した後滅菌して注射剤を得た。
【0067】
【発明の効果】上述したように、本発明の全身性炎症反
応症候群予防および治療剤は、水溶性に優れたクロマノ
ール配糖体を有効成分とするので、全身性炎症反応症候
群における病変を顕著に抑制し、病態を飛躍的に改善す
ることができる。
【0068】また、本発明は、高い水溶性を有するクロ
マノール配糖体を有効成分とするので、固形製剤として
用いるほか、有効成分を高濃度で含有する水性製剤とす
ることができ、少用量で患部に効果的に作用し、全身性
炎症反応症候群を予防、治療することができるととも
に、副作用を伴わないので極めて安全に使用することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07H 17/065 C07H 15/26 17/065 (72)発明者 吉田 憲正 京都府京都市左京区下鴨北園町76 Fターム(参考) 4C057 BB02 BB03 BB04 DD01 JJ55 KK07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 [ただし、式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一ま
    たは異なる水素原子または低級アルキル基を表し、R5
    は水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を表
    し、Xは糖残基中の水酸基の水素原子が低級アルキル基
    または低級アシル基で置換されていてもよい単糖残基ま
    たはオリゴ糖残基を表し、nは0〜6の整数であり、お
    よびmは1〜6の整数である]で表されるクロマノール
    配糖体を有効成分とする全身性炎症反応症候群予防およ
    び治療剤。
  2. 【請求項2】 前記クロマノール配糖体は2−(α−D
    −グルコピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラ
    メチルクロマン−6−オールである請求項1記載の全身
    性炎症反応症候群予防および治療剤。
  3. 【請求項3】 前記全身性炎症反応症候群はショック、
    成人呼吸窮迫症候群、多臓器不全または播種性血管内凝
    固症候群である請求項1〜2記載の全身性炎症反応症候
    群予防および治療剤。
  4. 【請求項4】 水性製剤である請求項1〜3記載の全身
    性炎症反応症候群予防および治療剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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