JP2001175011A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2001175011A
JP2001175011A JP36011899A JP36011899A JP2001175011A JP 2001175011 A JP2001175011 A JP 2001175011A JP 36011899 A JP36011899 A JP 36011899A JP 36011899 A JP36011899 A JP 36011899A JP 2001175011 A JP2001175011 A JP 2001175011A
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Hajime Suzuki
一 鈴木
Takumi Shinohara
巧 篠原
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Yamanashi Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高帯電性、高感度かつ低残留電位で、繰り返し
使用時の電位安定性に優れた電子写真感光体を提供す
る。 【解決手段】導電性支持体上に電荷発生物質と電荷移動
物質及び結着樹脂を含有する感光層を形成してなる電子
写真感光体において、電荷発生物質として、例えば式
[Ia]で表される化合物を含有するとともに、 電荷移動物質として、例えば式[IIa]で表される化合
物を含有し、IP値が5.35〜5.45eVのものを
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、複写機や
レーザビームプリンタ等の電子写真装置に用いられる電
子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機材を利用した電子写真用感光
体が提案され、実用に供されている。この有機感光体
は、一般に導電性支持体上に電荷発生物質を含有する電
荷発生層と電荷移動物質を含有する電荷移動層とを積層
してなるいわゆる機能分離型のものと、導電性支持体上
に電荷発生物質と電荷移動物質の両方を含有する感光層
を形成してなる単層型のものが広く知られている。
【0003】上記機能分離型の感光体においては、電荷
発生層で電荷発生物質が光を吸収することによって発生
したキャリアーが電荷移動層の表面まで移動することか
ら、電荷移動層の材料として、不純物等によりキャリア
ーがトラップされることなく電荷移動層の表面まで移動
できるものを選択することが肝要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した機
能分離型の電子写真用感光体の電子写真特性は、電荷発
生物質と電荷移動物質との組み合わせにより大きく左右
される。
【0005】しかしながら、電荷発生層と電荷移動層と
を組み合わせて感光層とした場合、実用上必要とされる
感光体の諸特性や条件(例えば、帯電性、感度、残留電
位、繰り返し使用時の電位安定性等)を満足するものは
極めて少ないのが現状である。 また、かかる問題は、
機能分離型だけでなく単層型の電子写真感光体において
も同様に生ずるものである。
【0006】本発明は、上記従来技術の課題を解決する
ためになされたものであり、その目的は、高帯電性、高
感度かつ低残留電位で、繰り返し使用時の電位安定性に
優れた電子写真感光体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の電荷発生物
質と電荷移動物質を組み合わせるとともに、電荷移動物
質のIP(IonizationPotentioal:イオン化ポテンシャ
ル)の値を適正範囲にすることで、帯電性、残留電位に
良好な値を示すことを見出した。
【0008】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであり、請求項1に記載されているように、導電性支
持体上に電荷発生物質と電荷移動物質及び結着樹脂を含
有する感光層が形成してなる電子写真感光体において、
電荷発生物質として一般式[I]で表される化合物を含有
するとともに、
【0009】
【化4】
【0010】〔式中、Aは置換基を有してもよい芳香族
炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、R1は水素原
子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基又
は置換基を有してもよいアルコキシ基を表す。〕
【0011】電荷移動物質として一般式[II]及び(又
は)一般式[II’]で表される化合物を含有し、
【0012】
【化5】
【0013】〔式中、R2は、水素原子又は炭素数1〜
4のアルキル基を表し、R3は、水素原子又は炭素数1
〜4のアルキル基を表す。〕
【0014】
【化6】
【0015】〔式中、R2’は、水素原子又は炭素数1
〜4のアルキル基を表し、R3’は、水素原子又は炭素
数1〜4のアルキル基を表す。〕
【0016】前記電荷移動物質のIP値が5.35〜
5.45eVであることを特徴とするものである。
【0017】このような構成を有する本発明によれば、
特定の電荷発生物質と電荷移動物質を組み合わせるとと
もに電荷移動物質のIP値を適性範囲にすることで帯電
性及び感度を向上させることができ、さらに、残留電位
を低くし、しかも、繰り返し使用後の電位安定性を向上
させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明に係る電
子写真感光体の好ましい実施の形態の構成を示す断面図
である。
【0019】図1の符号1は、本発明に適用可能な機能
分離型の電子写真感光体を示したものである。図1に示
すように、機能分離型の電子写真感光体においては、導
電性支持体11上に、電荷発生層12と電荷移動層13
とがこの順で形成されており、これら電荷発生層12と
電荷移動層13とによって感光層14が構成されてい
る。
【0020】電荷発生層12の形成方法としては、公知
の方法等各種の方法を使用することができる。例えば、
電荷発生物質を結着樹脂とともに適当な溶媒により分散
若しくは溶解した塗布液を導電性支持体11上に塗布、
乾燥させることにより電荷発生層12が得られる。
【0021】電荷移動層13は、少なくとも電荷移動物
質を有している。電荷移動層13の形成方法としては、
公知の方法等各種の方法を使用することができるが、通
常の場合、電荷移動物質をバインダー樹脂とともに適当
な溶媒により分散もしくは溶解した塗布液を、電荷発生
層12上に塗布し、乾燥させる方法を用いることができ
る。
【0022】図2の符号2は、本発明に適用可能な単層
型の電子写真感光体を示したものである。図2に示すよ
うに、単層型の電子写真感光体2においては、導電性支
持体21上に、電荷発生物質と電荷移動物質とを含有さ
せた感光層24が形成されている。
【0023】この単層型の電子写真感光体2は、例え
ば、電荷発生物質と電荷移動物質を結着樹脂に混合して
分散させた塗布液を導電性支持体21上に塗布し、乾燥
させることによって得ることができる。
【0024】本発明の電子写真感光体1、2において
は、導電性支持体11、21として、例えば、アルミニ
ウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタ
ン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等
の金属単体やその合金の加工体を用いることができる。
【0025】本発明の場合、導電性支持体11、21自
体をこれらの金属で構成するほか、上述した金属や炭素
等からなる基体の表面に、例えば蒸着、めっき等により
導電性物質の薄膜を形成することによって導電性支持体
11、21を構成することもできる。
【0026】また、非導電性のプラスチック板又はフィ
ルムからなる基体の表面に、例えば、蒸着、めっき等の
方法によって上記金属や炭素等の薄膜を形成することに
より、導電性支持体11、21を構成することもでき
る。
【0027】さらに、基体の材料としてガラスを用い、
その表面に、酸化錫、酸化インジウム、ヨウ化アルミニ
ウムで被覆することにより導電性支持体11、21を構
成することもできる。
【0028】導電性支持体11、21を構成する基体の
形状は、特に制限されることはなく、種々の形状のもの
を用いることができる。
【0029】一般的には、円筒状のアルミニウム管単体
やその表面をアルマイト処理したもの、又はアルミニウ
ム管上に樹脂層を形成したものが用いられる。
【0030】この樹脂層は、接着性を向上させる機能、
アルミニウム管からの流れ込み電流を防止するバリヤー
機能、アルミニウム管表面の欠陥を被覆する機能等を有
している。
【0031】樹脂層の材料としては、ポリエチレン樹
脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイ
ロン樹脂等の各種樹脂を用いることができる。
【0032】これらの樹脂層は、単独の樹脂で構成して
もよく、2種類以上の樹脂を混合して構成してもよい。
【0033】一方、樹脂層中に、例えば、電位安定性を
向上させるため、金属化合物、カーボン、シリカ、樹脂
粉末等を分散させることもでき、また、特性改善のため
に各種顔料、電子受容性物質や電子供与性物質等を含有
させることもできる。
【0034】本発明においては、感光層14、24中
に、電荷発生物質として一般式[I]で表される化合物を
含有する。
【0035】
【化7】
【0036】〔式中、Aは置換基を有してもよい芳香族
炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、R1は水素原
子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基又
は置換基を有してもよいアルコキシ基を表す。〕
【0037】さらに、適切な光感度波長を得たり増感作
用を発揮させるため、上記電荷発生物質中に他の電荷発
生物質を混合させることもできる。
【0038】このような電荷発生物質としては、例え
ば、フタロシアニン顔料、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔
料、トリスアゾ顔料、ポリアゾ顔料、インジゴ顔料、ス
レン顔料、トルイジン顔料、ピラゾリン顔料、ペリレン
顔料、キナクリドン顔料、ピリリウム塩等を好適に用い
ることができる。
【0039】本発明の場合、感光層14、24を形成す
るための結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ス
チレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、
エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化
ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹
脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチル
ペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、
ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリア
リルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール
樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル・共重合体)樹
脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・
スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエ
ン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレート等の光硬化
樹脂等を好適に用いることができる。
【0040】これらの樹脂は単体で用いても、共重合体
として用いてもよく、また、2種以上の樹脂を混合して
使用することも可能である。特に、分子量の異なる樹脂
を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗性を改善でき
るため好ましい。
【0041】他方、上記塗布液を調製する際に使用する
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−
プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアル
コール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水
素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロ
メタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼ
ン等の塩素系炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン(THF)、メトキシエタ
ノール等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチ
ル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド等を好適に用いることができる。こ
れらは単独で用いても、2種類以上の溶剤を混合して用
いてもよい。
【0042】また、本発明においては、電荷移動物質と
して一般式[II]及び(又は)一般式[II’]で表さ
れる化合物を含有する。
【0043】
【化8】
【0044】〔式中、R2は、水素原子又は炭素数1〜
4のアルキル基を表し、R3は、水素原子又は炭素数1
〜4のアルキル基を表す。〕
【0045】
【化9】
【0046】〔式中、R2’は、水素原子又は炭素数1
〜4のアルキル基を表し、R3’は、水素原子又は炭素
数1〜4のアルキル基を表す。〕
【0047】一方、本発明にあっては、電荷移動物質と
してIP値が5.35〜5.45eVの化合物を用い
る。
【0048】本発明におけるIP値は、理研計器株式会
社製表面分析装置AC−1にて測定した値をいうものと
する。
【0049】この場合、測定用検体としては、電荷移動
物質/結着樹脂=0.8/1.0(重量比)と、下記式
[IXa]で表される酸化防止剤
【0050】
【化10】
【0051】及び下記式[IXb]で表される紫外線吸
収剤
【0052】
【化11】
【0053】を電荷移動物質に対してそれぞれ5重量%
とをクロロホルムに溶解したものを、洗浄済のガラスプ
レート上に塗布し、100℃1時間乾燥したものを用い
た。
【0054】他方、結着樹脂としては、下記式[IX
c]で表されるポリカーボネートを用いた。
【0055】
【化12】
【0056】また、IP値の測定に際しては、測定直前
に塗布膜をガラスプレートから剥離し、この剥離された
塗布膜の裏面のIP値を測定した。
【0057】本発明の場合、電荷移動物質のIP値が
5.35eVより小さいと、導電性支持体11、21側
からの電荷注入が多くなり帯電性が低下する。
【0058】その一方、電荷移動物質のIP値が5.4
5eVより大きいと残留電位の上昇を招く。
【0059】電荷移動物質のIP値が5.35〜5.4
5eVであったとしても、化合物の構造が一般式[II]
及び(又は)一般式[II’]に該当しない化合物を電
荷移動物質として用いると、電子写真特性に悪影響を及
ぼす。すなわち、電荷発生物質と電荷移動物質を適正な
組み合わせにしない限り、良好な電子写真特性は得られ
ないのである。
【0060】本発明においては、上記一般式[II]及び
(又は)一般式[II’]を用いるとともに、感光層中
に、以下に示す化合物を含有させることもできる。
【0061】例えば、ポリビニルカルバゾール、ハロゲ
ン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリ
ビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフ
ェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジ
ン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオ
フェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレ
ンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポ
リジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジ
イル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ
フェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシア
ニン等の導電性高分子化合物を用いることができる。
【0062】また、低分子化合物として、例えば、トリ
ニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシ
アノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキ
ノン、アントラキノン及びこれらの誘導体等、アントラ
セン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、
インドール、カルバゾール、イミダゾール、等の含窒素
複素環化合物、フルオレノン、フルオレン、オキサジア
ゾール、オキサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリ
フェニルメタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチ
ルベン、ブタジエン化合物等を使用することができる。
【0063】さらに、ポリエチレンオキシド、ポリプロ
ピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリ
ル酸等の高分子化合物にLiイオン等の金属イオンをド
ープした高分子固体電解質等も用いることができる。
【0064】さらにまた、テトラチアフルバレン−テト
ラシアノキノジメタンで代表される電子供与性化合物と
電子受容性化合物で形成された有機電荷移動錯体等も用
いることができ、これらを1種だけ添加しても、2種以
上の化合物を混合して添加しても所望の感光体特性を得
ることができる。
【0065】なお、本発明の電子写真感光体1、2を製
造するための塗布液には、特性を損なわない範囲で、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬
化剤、架橋剤等を添加することにより、感光体の特性、
耐久性、機械特性の向上を図ることができる。
【0066】さらに、この塗布液に、分散安定剤、沈降
防止剤、色分かれ防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘
剤、艶消し剤等を添加すれば、感光体の仕上がり外観
や、塗布液の寿命を改善することができる。
【0067】加えて、感光体の耐久性等を向上させるた
め、感光層14、24の表面に、例えば、ポリビニルホ
ルマール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポ
リウレタン樹脂、シリコン樹脂等の有機薄膜や、シラン
カップリング剤の加水分解物で形成されるシロキサン構
造体からなる薄膜による表面保護層を設けてもよい。
【0068】その場合には、感光体の耐久性が向上する
ので好ましい。この表面保護層は、耐久性向上以外の他
の機能を向上させるために設けてもよい。
【0069】
【実施例】以下、本発明に係る電子写真感光体の実施例
を比較例とともに詳細に説明するが、本発明はその要旨
を逸脱しない限りこれに限定されるものではない。
【0070】<実施例1>以下のような方法により機能
分離型電子写真感光体を作成した。まず、直径30mm
のアルミニウムからなる円筒ドラム上に、電荷発生物質
として式[Ia]
【0071】
【化13】
【0072】で表される化合物と、結着樹脂としてポリ
ビニルブチラールとを2/1の割合で分散した塗工液
を、浸漬塗工によって乾燥後の厚さが0.1μmになる
ように塗布して電荷発生層を形成した。
【0073】次いで、電荷移動物質として式[IIa]及
び式[IIa’]
【0074】
【化14】
【0075】
【化15】 で表される化合物と、結着樹脂としてポリカーボネート
Zを、電荷移動物質/結着樹脂=1の割合で溶剤クロロ
ホルムに溶解して塗工液を調製した。
【0076】そして、この塗工液を浸漬塗工によって上
記円筒ドラム上に塗布した後、100℃の温度下で1時
間乾燥し、20μmの膜厚の電荷移動層を形成した。本
実施例の場合、電荷移動物質のIP値は5.38eVで
あった。
【0077】<実施例2> 電荷発生物質を式[Ib]
【0078】
【化16】
【0079】で表されるものに代えた以外は実施例1と
同一の条件で機能分離型電子写真感光体を作成した。本
実施例の場合、電荷移動物質のIP値は5.38eVで
あった。
【0080】<実施例3> 電荷移動物質を式[IIb]及び [IIb’]
【0081】
【化17】
【0082】
【化18】
【0083】で表されるものに代えた以外は実施例1と
同一の条件で機能分離型電子写真感光体を作成した。本
実施例の場合、電荷移動物質のIP値は5.42eVで
あった。
【0084】<実施例4>以下のような方法により単層
型電子写真感光体を作成した。まず、直径30mmのア
ルミニウムからなる円筒ドラム上に、電荷発生物質とし
て式上記[Ia]で表される化合物と、電荷移動物質とし
て上記式[IIa]及び式[IIa’]で表される化合物
と、結着樹脂としてポリカーボネートZを、電荷発生物
質/電荷移動物質/結着樹脂=1/10/10の割合で
溶剤テトラヒドロフランに分散・溶解して塗工液を調製
した。
【0085】そして、この塗工液を浸漬塗工によって上
記円筒ドラム上に塗布した後、100℃の温度下で1時
間乾燥し、20μmの膜厚の感光層を形成した。本実施
例の場合、電荷移動物質のIP値は5.38eVであっ
た。
【0086】<実施例5>電荷発生物質として上記式
[Ib]及び下記式[III]で表される化合物を用いると
ともに、電荷移動物質として上記式[IIb]及び式[I
Ib’]で表される化合物を用い、これらの配合比を[I
b]/[III]/電荷移動物質/結着樹脂=1/0.2
/10/10とした以外は実施例4と同一の条件で単層
型電子写真感光体を作成した。
【0087】
【化19】
【0088】本実施例の場合、電荷移動物質のIP値は
5.42eVであった。
【0089】<比較例1> 電荷移動物質を式[IV]
【0090】
【化20】
【0091】で表される化合物に代えた以外は実施例1
と同一の条件で機能分離型電子写真感光体を作成した。
本比較例の場合、電荷移動物質のIP値は5.30eV
であった。
【0092】<比較例2> 電荷移動物質を式[V]
【0093】
【化21】
【0094】で表される化合物に代えた以外は実施例1
と同一の条件で機能分離型電子写真感光体を作成した。
本比較例の場合、電荷移動物質のIP値は4.99eV
であった。
【0095】<比較例3> 電荷発生物質を式[VI]
【0096】
【化22】
【0097】で表される化合物に代えた以外は実施例1
と同一の条件で機能分離型電子写真感光体を作成した。
本比較例の場合、電荷移動物質のIP値は5.38eV
であった。
【0098】<比較例4> 電荷発生物質を式[VII] で表される化合物に代えた以外は実施例1と同一の条件
で機能分離型電子写真感光体を作成した。
【0099】
【化23】
【0100】本比較例の場合、電荷移動物質のIP値は
5.38eVであった。
【0101】<比較例5>電荷移動物質を上記式[V]で
表される化合物に代えた以外は実施例4と同一の条件で
単層型電子写真感光体を作成した。本比較例の場合、電
荷移動物質のIP値は4.99eVであった。
【0102】<比較例6>電荷移動物質を式[VIII]
で表される化合物に代えた以外は実施例4と同一の条件
で単層型電子写真感光体を作成した。本比較例の場合、
電荷移動物質のIP値は5.36eVであった。
【0103】
【化24】
【0104】<比較例7>電荷発生物質を上記式[VI]
で表される化合物に代えた以外は実施例4と同一の条件
で単層型電子写真感光体を作成した。本比較例の場合、
電荷移動物質のIP値は5.38eVであった。
【0105】<評価>実施例1〜3及び比較例1〜4で
作製した機能分離型感光体に、感光ドラム評価装置(山
梨電子社製)を使用し(ダイナミックモード測定)、以
下の条件で電子写真特性を評価した。
【0106】ここでは、−5kVのコロナ放電を5秒間
行って電子写真感光体を帯電させ、これを10秒間暗所
に放置した後、100luxの白色タングステン光を照
射し、再度−5kVのコロナ放電を20秒間行った後の
表面電位を測定し初期表面電位V0とした。
【0107】そして、表面電位帯電後10秒間放置した
後における電子写真感光体の表面電位を測定し電位保持
率DDRとした。
【0108】また、白色光を50lux照射しながら帯
電−除電を100サイクル繰り返し除電した後の電子写
真感光体の表面電位を測定し残留電位Vrとした。
【0109】さらに、光照射後電子写真感光体の表面電
位が1/2に減衰するのに必要な露光量(E1/2)を測
定し感度とした。これらの結果を表1に示す。
【0110】
【表1】
【0111】また、実施例4〜5及び比較例5〜7で作
製した単層型電子写真感光体についても同様の評価を行
った。その結果を表2に示す。
【0112】
【表2】
【0113】一般に、電子写真の特性上、表面電位の値
は大きいほど優れており、感度及び残留電位の値は小さ
いほど優れている。また、繰り返し疲労試験前後におい
ては、表面電位の変化量が少ない程繰り返しによる劣化
が少ないことになる。
【0114】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜3の機能分離型電子写真感光体は、すべての電子写真
特性が安定している。
【0115】一方、電荷移動物質のIP値が低い比較例
1及び2の電子写真感光体は、初期表面電位V0が実施
例よりも低くなっている。
【0116】また、比較例1〜4の電子写真感光体は、
電荷発生物質に対し適正な電荷移動物質を用いていない
ため、残留電位Vrの上昇、感度の低下が見られる。
【0117】他方、表2の結果から明らかなように、実
施例4及び5の単層型電子写真感光体においても、すべ
ての電子写真特性が安定している。
【0118】一方、電荷移動物質のIP値が低い比較例
5の電子写真感光体は、初期表面電位V0が実施例より
も低くなっている。
【0119】また、比較例1〜4の電子写真感光体は、
電荷発生物質に対し適正な電荷移動物質を用いていない
ため、残留電位Vrの上昇、感度の低下が見られる。
【0120】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、高帯
電性、高感度かつ低残留電位で、繰り返し使用時の電位
安定性に優れた電子写真感光体を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】機能分離型電子写真感光体の一例を示す断面図
【図2】単層型電子写真感光体の一例を示す断面図
【符号の説明】
1、2……電子写真感光体 11、21……導電性支持体 12……電荷発生層 13……電荷移動層 14、21……感光層
フロントページの続き (72)発明者 篠原 巧 山梨県甲府市宮原町1014番地 山梨電子工 業株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA19 AA20 AA21 AA28 AA31 AA33 BA13 BA14 BA44 BA53 FA12 FA19 FB07

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に電荷発生物質と電荷移動
    物質及び結着樹脂を含有する感光層を形成してなる電子
    写真感光体において、 電荷発生物質として一般式[I]で表される化合物を含有
    するとともに、 【化1】 〔式中、Aは置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又
    は芳香族複素環基を表し、R1は水素原子、ハロゲン原
    子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有し
    てもよいアルコキシ基を表す。〕 電荷移動物質として一般式[II]及び(又は)一般式
    [II’]で表される化合物を含有し、 【化2】 〔式中、R2は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
    基を表し、R3は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキ
    ル基を表す。〕 【化3】 〔式中、R2’は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキ
    ル基を表し、R3’は、水素原子又は炭素数1〜4のア
    ルキル基を表す。〕 前記電荷移動物質のIP値が5.35〜5.45eVで
    あることを特徴とする電子写真感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003167363A (ja) * 2001-12-04 2003-06-13 Sharp Corp 電子写真用感光体及びその製造方法
US7169519B2 (en) 2002-10-28 2007-01-30 Samsung Electronics Co., Ltd. Double-layered positively-charged organic photoreceptor
JP2009222954A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体及び電子写真装置

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