JP2001173227A - スリップフォーム装置 - Google Patents

スリップフォーム装置

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JP2001173227A
JP2001173227A JP36106799A JP36106799A JP2001173227A JP 2001173227 A JP2001173227 A JP 2001173227A JP 36106799 A JP36106799 A JP 36106799A JP 36106799 A JP36106799 A JP 36106799A JP 2001173227 A JP2001173227 A JP 2001173227A
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恒則 原田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヨークの間隔を大きく広げることを可能と
し、プレハブ化した大型の鉄筋組立体のヨーク間への吊
り込みを可能にするスリップフォーム装置を提供する。 【解決手段】 環状の内・外型枠13,14を支持する
ヨーク15を、これら型枠の周方向に互いに間隔を隔て
て複数配置し、ヨーク15を上昇させつつこれら型枠1
3,14間にコンクリートを打設して環状のコンクリー
ト壁12を形成するスリップフォーム装置10におい
て、内型枠13の内側および外型枠14の外側にこれら
型枠の周方向に沿って、ヨーク15を型枠の周方向に連
結しこれら連結したヨーク15間の水平・垂直剛性を高
めて、ヨーク15の配置間隔を広げるための中段作業床
21,22を複数配列するとともに、これら配列された
中段作業床21,22を順次に型枠の周方向につないで
構成されている。これにより、隣接するヨーク15の間
隔をロングスパン化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状のコンクリー
ト躯体を構築するスリップフォーム装置、とりわけ、コ
ンクリート躯体の内外側に配置される両型枠を支持する
ヨークの間隔を大きく広げることができるようにしたス
リップフォーム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スリップフォーム装置は、サイロなどの
環状となる建築物を構築する工法に適用されることが多
い。この場合、構築しようとするコンクリート躯体の内
側および外側に位置する環状の内型枠と外型枠とを備
え、これら内外両型枠間にコンクリートを打設しつつ該
内外両型枠を上昇させることにより、継ぎ目の無い連続
した環状のコンクリート躯体を構築することができる。
このとき、前記内外両型枠間にコンクリートを打設する
際、縦筋や横筋などの鉄筋を配筋した後にコンクリート
が打設される。
【0003】前記内外両型枠はともに、これら型枠の周
方向に配置される複数のほぼ逆U字状のヨークによって
支持され、両型枠間に構築しようとするコンクリート躯
体の厚さに対応する間隔が保持される。このヨークの内
側および外側には作業足場が取付けられ、この足場を利
用して配筋作業等の各種作業が行われるようになってい
る。特に、該ヨークには内外両型枠に作用するコンクリ
ート側圧などの水平力、および作業足場周りの垂直荷重
などが加わる。
【0004】また、従来ではスリップフォーム装置を用
いて構築されるサイロや煙突などの塔状建築物の外径は
比較的小さく、ヨークは1.5m〜2m間隔に配置され
るのが一般的であることから、これらヨークの間から人
手により鉄筋を1本づつ差し込んで配筋するようにして
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スリッ
プフォーム装置を用いて構築しようとする建築物が大型
化してその外径寸法が大きい場合、例えば直径が数十メ
ートルとなる環状建築物では、従来のスリップフォーム
装置の構造をそのまま適用して構築しようとした場合、
この大型建築物の周方向にはヨークが非常に多く配置さ
れることになる。このため、内外両型枠間に1本づつ鉄
筋を差し込みつつ環状建築物の全周に亘って配筋しよう
とすると、その作業手間は著しく膨大なものとなり、ま
た大量の作業員を動員する必要がある。特に、横筋を手
差しにより内外両型枠間に配置する場合には、一般に用
いられる横筋の長さが4m〜8mであって、ヨークの間
隔(1.5m〜2m)より非常に長い。このため、該横
筋はヨークの横架材の下に差し込んでいく必要があり、
作業者は内外両型枠と同レベルに配置される作業足場上
の低い姿勢での作業となるため、作業者は無理な姿勢を
強いられることになり作業効率が著しく悪化してしま
う。
【0006】そこで、縦筋および横筋を予め格子状にプ
レハブ化してある程度の大きさに組み付けたものを、ク
レーンなどで吊り込んで内外両型枠間に挿入することに
より、省力化や工期の短縮化を達成することが考えられ
る。ところが、上述したように従来のスリップフォーム
装置をそのまま用いた場合には、ヨークが1.5m〜2
m程度と狭い間隔で配置されているため、前記プレハブ
化した鉄筋組立体の幅もそのヨーク間隔に制限されてし
まう。
【0007】このため、このように幅狭な鉄筋組立体を
形成してクレーンによって順次吊り込んだとしても、環
状建築物の全周では該鉄筋組立体の数も多くなるため、
それぞれを互いに結合する継手箇所はきわめて多く、そ
れに伴ってやはり多くの作業手間が必要となって、鉄筋
をプレハブ化したメリットが無くなってしまう。
【0008】また従来、縦筋のみを前記ヨーク間隔内に
収まるようにユニット化したものもあるが、この場合に
あっても横筋は1本づつ差し込んでユニット化した前記
縦筋に結合する必要がある。この横筋の手差しは上述し
たように作業足場上の低い姿勢での作業であるため、作
業効率は良くなかった。
【0009】更に、建築物の内側に差し渡される梁部材
を取り付けるための埋込金物や窓用の開口型枠などがあ
る場合は、ヨークの間隔が狭いとこれら埋込金物や開口
型枠がヨークと干渉してしまう確率が高くなる。従っ
て、それらがヨークに干渉する場所に取り付けられる場
合は、ヨークを避けることができる寸法に小さく分割し
て取り付ける必要があり、余分な加工作業が必要にな
る。
【0010】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て成されたもので、ヨークの間隔を大きく広げることを
可能とし、プレハブ化した大型の鉄筋組立体のヨーク間
への吊り込みを可能にするスリップフォーム装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明のスリップフォーム装置は、環状の内・外型
枠を支持するヨークを、これら型枠の周方向に互いに間
隔を隔てて複数配置し、該ヨークを上昇させつつこれら
型枠間にコンクリートを打設して環状のコンクリート躯
体を形成するスリップフォーム装置において、上記内型
枠の内側および上記外型枠の外側にこれら型枠の周方向
に沿って、上記ヨークを型枠の周方向に連結しこれら連
結したヨーク間の水平・垂直剛性を高めて、該ヨークの
配置間隔を広げるための補強部材を複数配列するととも
に、これら配列された上記補強部材を順次に型枠の周方
向につないだことを特徴とする。
【0012】この構成によれば、補強部材によりヨーク
を型枠の周方向に連結しこれら連結したヨーク間の水平
・垂直剛性を高めるようにしていて、ヨークの配置間隔
を広げることが可能になる。このようにヨーク間をロン
グスパン化しても、内外両型枠に作用する水平力や作業
足場周りの垂直荷重などは当該補強部材によって適切に
支持することができる。そして、ヨーク間の間隔を従来
に比して格段に広げることができることにより、縦筋お
よび横筋をプレハブ化した、特に型枠の周方向長さを従
来よりも格段に長く形成した大型の鉄筋組立体を、ヨー
ク間の上方から内外両型枠間に吊り込むことができ、施
工の省力化・合理化を達成することができる。
【0013】すなわち、大型鉄筋組立体をヨーク間に直
接吊り込めることで、従来における内外型枠間に1本
づつ鉄筋を差し込むという、膨大かつ煩雑で大量の作業
員を要する効率の悪い作業をなくすことができる、狭
いヨーク間隔に制限を受けて幅狭に形成される鉄筋組立
体の場合に要求される多数の継手箇所を大幅に削減で
き、継手作業を格段に減少できる、縦筋をユニット化
するのみで横筋は作業足場から配筋する効率の良くない
作業をなくすことができる。
【0014】また、スリップフォーム装置によって構築
される環状建築物のコンクリート躯体に埋込金物や開口
型枠などの埋設物を取り付ける場合にあっても、ヨーク
の間隔が広がったことによりこれら埋設物がヨークに干
渉する確率が小さくなり、埋設物に対する余分な加工作
業などを廃止できて、この面からも施工の省力化を達成
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1から図3は本発明の
ヨーク間隔をロングスパンとするスリップフォーム装置
の一実施形態を示し、図1は構築中の大型サイロのコン
クリート壁面上に設置されたスリップフォーム装置の要
部平面図、図2は同スリップフォーム装置の側断面図、
図3はスリップフォーム装置による大型サイロの構築過
程を順に示す説明図である。
【0016】本実施形態は基本的には、環状の内・外型
枠13,14を支持するヨーク15を、これら型枠1
3,14の周方向に互いに間隔を隔てて複数配置し、ヨ
ーク15を上昇させつつこれら型枠13,14間にコン
クリートを打設して環状のコンクリート壁12を形成す
るスリップフォーム装置10において、内型枠13の内
側および外型枠14の外側にこれら型枠13,14の周
方向に沿って、ヨーク15を型枠13,14の周方向に
連結しこれら連結したヨーク15間の水平・垂直剛性を
高めて、ヨーク15の配置間隔を広げるための補強部材
としての中段作業床21,22を複数配列するととも
に、これら配列された中段作業床21,22を順次に型
枠13,14の周方向につないで構成されている。
【0017】即ち、本実施形態のスリップフォーム装置
10は図1,図2に示すように、環状建築物としての大
型サイロ11を構築する場合に用いられ、構築しようと
する環状のコンクリート壁12の内側に位置する環状の
内型枠13と、該コンクリート壁12の外側に位置する
環状の外型枠14とを備え、これら内外両型枠13,1
4は前記コンクリート壁12の肉厚に相当する間隔を保
持するように門型または鳥居型のヨーク15によって支
持される。
【0018】前記ヨーク15は内外両型枠13,14の
周方向に等間隔に複数個設けられ、その1つのヨーク1
5は、図1に示したように1対のヨーク単位体15a,
15aによって構成される。各ヨーク単位体15aは、
図2に示したように上下2段の横枠材16,17と、内
側縦枠材18および外側縦枠材19とによって鳥居形に
構成される。前記横枠材16,17は図1に示したよう
にそれぞれ周方向に並設される2本のビーム16a,1
6aおよび17a,17aを備え、それぞれの端部間に
前記内外側の縦枠材18,19を挟着して固定される。
また、前記内側縦枠材18の内側および前記外側縦枠材
19の外側には、前記横枠材16,17の延長上に、そ
れぞれ隣接するヨーク15に跨って結合されるつなぎ梁
18a,18bおよび19a,19bが設けられる。
【0019】前記内外両型枠13,14は、前記内外側
の縦枠材18,19の下端部に固定部材20,20aを
介して支持される。そして、該内外両型枠13,14の
配置レベルには、内側縦枠材18の内側に内部中段作業
床21が設けられるとともに、外側縦枠材19の外側に
外部中段作業床22が設けられる。これら中段作業床2
1,22は両型枠13,14に沿って連続した環状に形
成され、後述する上段作業床34,35および吊足場4
0,41とともに、コンクリート打設や配筋などの各種
作業に用いられる。
【0020】内部中段作業床21は、内側縦枠材18の
下端部に上下方向に適宜間隔を設けて取付けられる内側
弧状部材23,24と、これら内側弧状部材23,24
の水平方向内方に取付けられるほぼコ字状の内部リンク
枠25とによって骨組みされ、該内部リンク枠25の上
側に床板26や手摺り27を設けることにより構成され
る。また、外部中段作業床22は、外側縦枠材19の下
端部に上下方向に取付けられる外側弧状部材28,29
と、これら外側弧状部材28,29の水平方向外方に取
付けられるほぼ三角形状の外部リンク枠30とによって
骨組みされ、該外部リンク枠30の上側に床板31や手
摺り32を設けることにより構成される。
【0021】前記内外側の縦枠材18,19の上端部間
には上段作業枠33が差し渡され、この上段作業枠33
の内部上側には内部上段作業床34が、外部上側には外
部上段作業床35がそれぞれ設けられる。これら内外部
の上段作業床34,35は前記両型枠13,14に沿っ
て連続した環状に形成され、それぞれ床板36,37や
手摺り38,39が設けられる。また、前記内外側の縦
枠材18,19のそれぞれの下端部には、下段作業床と
なる内部吊足場40および外部吊足場41が設けられ
る。これら内外部の吊足場40,41は前記両型枠1
3,14に沿って連続した環状に形成される。
【0022】ところで、前記ヨーク15は、それぞれ隣
接するものどうしがつなぎ梁18a,18b,19a,
19bと、内外部の中段作業床21,22と、内外部の
上段作業床34,35などによって互いに連結される
が、特に、内外両型枠13,14が位置する縦枠材1
8,19の下端部に配置される中段作業床21,22を
補強部材として、隣接するヨーク15間が支持される。
つまり、内側縦枠材18の下端部間は内側弧状部材2
3,24で支持され、更にこれら弧状部材23,24は
ほぼコ字状の内部リンク枠25によって補強される。ま
た、外側縦枠材19の下端部間は外側弧状部材28,2
9で支持され、更にこれら弧状部材28,29はほぼ三
角形状の外部リンク枠30によって補強される。
【0023】ここで、前記内側弧状部材23,24およ
び前記外側弧状部材28,29の強度を十分に持たせる
ことにより、前記ヨーク15の間隔Lを広げてロングス
パン化し、この間隔Lを本実施形態では3m〜10mに
設定する。また、前記内側弧状部材23,24および前
記外側弧状部材28,29は適宜位置、図示例では各ヨ
ーク15部分でつながれており(図中、Cで示す)、ヨ
ーク15の組付け時にそれぞれの突き合わせ端部が溶接
や継手を介して相互につながれる。
【0024】前記ヨーク15を構成する上段の横枠材1
6のビーム16aには1対のジャッキ受梁50が取付け
られ、これらジャッキ受梁50間に油圧ジャッキ51a
〜51fが固定される。これら油圧ジャッキ51a〜5
1fには、前記コンクリート壁12を鉛直方向に貫通す
るロッド52a〜52fが係脱自在に係合され、これら
油圧ジャッキ51a〜51fの伸縮と、ロッド52a〜
52fとの係脱を交互に繰り返しつつ、これらロッド5
2a〜52fを支柱としてヨーク15および内外両型枠
13,14を上昇させるようになっている。また、前記
ヨーク15には、大型サイロ11の屋根架構53を構成
する放射状の屋根脚部54が着座部55を介して取付け
られる。
【0025】前記スリップフォーム装置10を用いて構
築される大型サイロ11は、図3中の(a)〜(h)に
示す手順をもって工事が進められる。まず、コンクリー
ト壁12の基礎部分を構築し(a)、次に基礎部分を土
台として屋根架構53の鉄骨を建方する(b)。そし
て、建方終了後に屋根架構53の建方に使用したベント
を解体(c)した後、屋根架構53の脚部に、内外両型
枠13,14およびヨーク15を備えたスリップフォー
ム装置10を組み立てる(d)。
【0026】次に、前記スリップフォーム装置10の内
外両型枠13,14間にコンクリートを打設しつつ、こ
れら型枠13,14をヨーク15とともにジャッキアッ
プして、屋根架構53を持ち上げながら環状のコンクリ
ート壁12を上方に構築して行く(e)。このとき、前
記コンクリートを打設する前に内外両型枠13,14間
に鉄筋組立体60が挿入される。そして、スリップフォ
ーム工事の最終段階で、屋根架構53の着座部55をコ
ンクリート壁12に定着させて最終スライドを行い
(f)、コンクリート壁12の構築完了後にスリップフ
ォーム装置10を解体(g)し、さらに屋根仕上げを施
工することで大型サイロ11が完成される(h)。
【0027】ここで、前記コンクリート打設の前施工と
して内外両型枠13,14間に鉄筋組立体60が挿入さ
れるが、本実施形態ではヨーク15のロングスパン化が
可能となって、その間隔Lが3m〜10mと大きく設定
されているため、内外両型枠13,14の間にはヨーク
15間に連続した長い弧状の開口部61が形成されるこ
とになる。従って、本実施形態では前記鉄筋組立体60
を、縦筋と横筋とを格子状に結合した鉄筋籠としてプレ
ハブ化しておき、該鉄筋組立体60を前記開口部61か
らクレーンによって吊り込むようになっている。
【0028】そして、前記開口部61から吊り込んだ前
記鉄筋組立体60は、前記ヨーク15の配置部分でそれ
ぞれ分離されているため、その分離部分に配筋を追加す
るなどして継手を構成し、隣接する鉄筋組立体60どう
しを相互に連結する。この連結作業は人手により行われ
ることになる。
【0029】また、コンクリート壁12の内側間に図示
省略した梁部材を架設する場合は、例えば該梁部材の端
部を取り付けるための埋込金物を前記鉄筋組立体60に
仮止めしておき、これを打設コンクリート中に埋設する
ようになっている。更に、窓用の開口型枠をコンクリー
ト壁12に設ける場合にあっても、例えば当該開口型枠
を鉄筋組立体60に形成した取り付け部に嵌め込んでお
き、その周囲に打設コンクリートを充填するようになっ
ている。
【0030】以下、本実施形態のスリップフォーム装置
10の作用を以下述べると、中段作業床21,22の内
側弧状部材23,24および外側弧状部材28,29の
強度を十分に持たせることにより、該ヨーク15の間隔
Lを広げてロングスパン化したので、内外両型枠13,
14の上側に形成される開口部61の長さをより長くす
ることができる。このため、該開口部61から内外両型
枠13,14間にプレハブ化した鉄筋組立体60を挿入
する場合にも、個々の鉄筋組立体60の円周方向長さを
より長くすることができ、ひいては全周に配置する鉄筋
組立体60の個数をより少なくできる。従って、このよ
うに鉄筋組立体60の個数が少なくなることによって、
各鉄筋組立体60のつなぎ箇所が減少し、それに要する
作業手間を削減して省力化を達成することができる。
【0031】従って、本実施形態ではプレハブ化した大
型の鉄筋組立体60を用いることが可能となり、その鉄
筋組立体60をクレーンによって内外両型枠13,14
間に吊り込むことができて、省力化は勿論のこと工期の
短縮化をも達成できるようになる。また、コンクリート
壁12にPS(プレストレス)を導入して強度を増大す
る場合にも、PSケーブルを挿入するシース管を前記鉄
筋組立体60に仮止めした状態で吊り込むことができ、
このことによっても省力化を達成することができる。
【0032】ところで、本実施形態ではヨーク15の間
隔Lをロングスパン化したことにより、上述したように
鉄筋組立体60をプレハブ化して吊り込むことが可能と
なるが、勿論、配筋をプレハブ化することなく、従来行
われていたように人手によって縦筋および横筋を差し込
んで配筋することもできる。この人手による配筋では、
長尺化した横筋をロングスパンのヨーク15間から比較
的容易に差し込むことができるため、従来のように無理
な低姿勢での取付け作業を無くして、立ち姿勢での配筋
作業が可能となり、作業効率を向上することができる。
【0033】また、コンクリート壁12に埋込金物や開
口型枠を取り付ける場合にあっても、ヨーク15の間隔
Lが広がったことにより、これら埋込金物や開口型枠な
どの埋設物がヨーク15に干渉する確率が小さくなる。
そして、該埋設物がヨーク15に干渉する場合にも、間
隔Lが広がったヨーク15間から埋設物を差し込むこと
ができるため、該埋設物を分割するなどの余分な加工を
することなくその取付けが可能となる。
【0034】また、ヨーク15を支持する上記内側弧状
部材23,24および上記外側弧状部材28,29はこ
れらをつなぐようにしていて、これら弧状部材23,2
4,28,29それぞれに対してヨーク15を予備組付
けしてユニット化しておくこともでき、そしてこれら弧
状部材23,24,28,29を順次つなぐのみで環状
の全体骨格を形成することができる。従って、スリップ
フォーム装置10の組立作業をも効率化し、ひいては、
工期の短縮化を達成することができる。
【0035】ところで、本実施形態ではヨーク15を1
対のヨーク単位体15a,15aで構成した場合を開示
したが、勿論、1つまたは3個以上のヨーク単位体15
aで1つのヨーク15を構成してもよい。また、ヨーク
15は鳥居型として構成したが、これに限ることなく門
型としてもよく、要するに内外両型枠13,14に跨っ
て取付けられ、これら内外両型枠13,14を確実に支
持できる構造であればよい。
【0036】また、本実施形態では隣接するヨーク15
どうしを十分な強度をもって支持する補強部材として中
段作業床21,22を利用したが、これに限ることな
く、内外側の縦枠材18,19の上端部に配置されるつ
なぎ梁18a,18b,19a,19bを補強部材とし
て利用することもでき、更には、該補強部材専用として
他の梁部材を追加して、この梁部材によってヨーク15
間を強固に連結することもできる。また、前記補強部材
はヨーク15を構成する1対のヨーク単位体15a,1
5a間でつなぐこととしたが、このつなぎ位置は適宜に
設定することができる。
【0037】また本実施形態では、環状として円形状を
想定して述べたが、四角形や六角形などの多角形や、楕
円型、オーバル型など、環状形態であればその形状は限
らない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るスリッ
プフォーム装置は、補強部材によりヨークを型枠の周方
向に連結しこれら連結したヨーク間の水平・垂直剛性を
高めるようにしたので、ヨークの配置間隔を広げること
ができる。このようにヨーク間をロングスパン化して
も、内外両型枠に作用する水平力や作業足場周りの垂直
荷重などは当該補強部材によって適切に支持することが
できる。そして、ヨーク間の間隔を従来に比して格段に
広げることができるので、縦筋および横筋をプレハブ化
した、特に型枠の周方向長さを従来よりも格段に長く形
成した大型の鉄筋組立体を、ヨーク間の上方から内外両
型枠間に吊り込むことができ、施工の省力化・合理化を
達成することができる。
【0039】また、スリップフォーム装置によって構築
される環状建築物のコンクリート躯体に埋込金物や開口
型枠などの埋設物を取り付ける場合に、ヨークの間隔が
広がったことによりこれら埋設物がヨークに干渉する確
率が小さくなり、埋設物に対する余分な加工作業などを
廃止できて、この面からも施工の省力化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスリップフォーム装置の一実施形
態を示す要部平面図である。
【図2】図1のスリップフォーム装置の側断面図であ
る。
【図3】本発明に係るスリップフォーム装置による大型
サイロの構築過程を順に示す説明図である。
【符号の説明】 10 スリップフォーム装置 11 大型サイロ(環状建築物) 12 コンクリート壁 13 内型枠 14 外型枠 15 ヨーク 21,22 中段作業床(補強部材) 60 鉄筋組立体
フロントページの続き (72)発明者 加藤 雄一 東京都港区港南2丁目15番2号 株式会社 大林組東京本社内 Fターム(参考) 2E177 FA01 FB01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状の内・外型枠を支持するヨークを、
    これら型枠の周方向に互いに間隔を隔てて複数配置し、
    該ヨークを上昇させつつこれら型枠間にコンクリートを
    打設して環状のコンクリート躯体を形成するスリップフ
    ォーム装置において、 上記内型枠の内側および上記外型枠の外側にこれら型枠
    の周方向に沿って、上記ヨークを型枠の周方向に連結し
    これら連結したヨーク間の水平・垂直剛性を高めて、該
    ヨークの配置間隔を広げるための補強部材を複数配列す
    るとともに、これら配列された上記補強部材を順次に型
    枠の周方向につないだことを特徴とするスリップフォー
    ム装置。
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