JP2001171238A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2001171238A
JP2001171238A JP36262299A JP36262299A JP2001171238A JP 2001171238 A JP2001171238 A JP 2001171238A JP 36262299 A JP36262299 A JP 36262299A JP 36262299 A JP36262299 A JP 36262299A JP 2001171238 A JP2001171238 A JP 2001171238A
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Katsumi Maejima
勝己 前島
Tomohisa Ota
智久 太田
Ai Katsuta
愛 勝田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で、カブリ及びアブレーションを防止
し、しかもインク層の2次転写時の転写不良、定着不良
のない画像形成方法を提供すること。 【解決手段】 支持体上に少なくとも光熱変換層とイン
ク層とを有するインクシートのインク層面と、別途支持
体上に少なくとも受像層を有する受像シートの受像層面
を対面するように重ね合わせ、像様に露光加熱すること
によりインク層を受像層へ転写する画像形成方法におい
て、前記受像シートとインクシートを重ね合わせた状態
での未露光部の各層間の接着力、及び同状態での露光部
の各層間の接着力が下記条件を満足することを特徴とす
る画像形成方法。 1.Tbl1、Tli1>Tri1、2.Trb>Tr
i1、3.Tbl2>Tli2、4.Tli2<Tri
2、Trb、5.Tli1/Tri1>5

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は受像シートとインク
シートを重ね合わせて画像形成を行う方法に関し、特に
レーザー熱転写記録を行ってDDCPの用途として紙な
どの永久支持体に画像転写するのに好適な画像形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザー熱転写記録方式においては、支
持体上に少なくとも光熱変換層とインク層とを有するイ
ンクシートのインク層面と、支持体上に少なくとも受像
層を有する受像シートの受像面を対面するように重ね合
わせ、像様に露光加熱することによりインク層を受像層
へ転写する画像形成方法が知られている。レーザー熱転
写記録方式においてはヒートモード記録であるため、光
源のレーザーとしては高出力のものが必用であり、材料
の高感度化が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら材料の高
感度化は未露光部の転写、或いは光熱変換層の転写など
が生じて画像故障が発生するという問題があった。具体
的には、未露光部転写によるカブリが生じたり、アブレ
ーションが起こって本来画像形成部分ではない未露光部
領域が転写されて画像が不鮮明になったり、更に別途最
終支持体へ転写(2次転写時)を行った際のインク層の
転写不良、定着不良が生じるなど様々な問題を生じ、優
れた画像が得られないことが度々あった。
【0004】本発明は上記事情に鑑みて為されたもので
あり、その目的とするところは高感度で、カブリ及びア
ブレーションを防止し、しかもインク層の2次転写時の
転写不良、定着不良のない画像形成方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は以下
の構成により達成された。
【0006】1.支持体上に少なくとも光熱変換層とイ
ンク層とを有するインクシートのインク層面と、別途支
持体上に少なくとも受像層を有する受像シートの受像層
面を対面するように重ね合わせ、像様に露光加熱するこ
とによりインク層を受像層へ転写する画像形成方法にお
いて、前記受像シートとインクシートを重ね合わせた状
態での未露光部の各層間の接着力、及び同状態での露光
部の各層間の接着力が下記条件を満足することを特徴と
する画像形成方法。
【0007】1.Tbl1、Tli1>Tri1 2.Trb>Tri1 3.Tbl2>Tli2 4.Tli2<Tri2、Trb 5.Tli1/Tri1>5 Tbl1:未露光部のインクシート基材部と光熱変換層
との接着力、Tli1:未露光部の光熱変換層とインク
層との接着力、Tri1:未露光部の受像層とインク層
との接着力、Tbl2:露光部のインクシート基材部と
光熱変換層との接着力、Tli2:露光部の光熱変換層
とインク層との接着力、Tri2:露光部の受像層とイ
ンク層との接着力、Trb:露光部の受像層と受像シー
ト基材部との接着力。
【0008】2.前記受像シートとインクシートを重ね
合わせた状態での未露光部の各層間の接着力、及び同状
態での露光部の各層間の接着力が下記条件を満足するこ
とを特徴とする1記載の画像形成方法。
【0009】Tbl2/Tli2>2 3.温度19〜27℃、湿度30〜70%の環境におけ
る前記未露光部の光熱変換層とインク層との接着力(T
li1)の最大値と最小値の比率が2倍以内であること
を特徴とする1又は2記載の画像形成方法。
【0010】4.温度19〜27℃、湿度30〜70%
の環境における前記露光部の光熱変換層とインク層との
接着力(Tli2)の最大値と最小値の比率が2倍以内
であることを特徴とする1〜3の何れか1項記載の画像
形成方法。
【0011】5.支持体上に少なくとも光熱変換層とイ
ンク層とを有するインクシートのインク層面と、別途支
持体上に少なくとも受像層を有する受像シートの受像層
面を対面するように重ね合わせ、像様に露光加熱するこ
とによりインク層を受像層へ転写し、次いで受像シート
の受像層面と永久支持体とを対面するように重ね合わ
せ、加熱及び加圧の少なくとも一方を行うことにより受
像シート上の画像を永久支持体に転写する画像形成方法
において、各層間の接着力が下記条件を満足することを
特徴とする画像形成方法。
【0012】1.Tbl1、Tli1>Tri1 2.Trb>Tri1 3.Tbl2>Tli2 4.Tli2<Tri2、Trb 5.Tpi、Trb>Tri3 6.Trb>Tpr 7.Tli1/Tri1>5 Tpi:加熱及び加圧処理の少なくとも一方を行った後
のインク層と永久支持体の接着力、Tri3:加熱及び
加圧処理の少なくとも一方を行った後の受像層とインク
層との接着力、Tpr:加熱及び加圧処理の少なくとも
一方を行った後の受像層と永久支持体の接着力。
【0013】6.支持体上に少なくとも光熱変換層とイ
ンク層とを有するインクシートのインク層面と、別途支
持体上に少なくとも受像層を有する受像シートの受像層
面を対面するように重ね合わせ、像様に露光加熱するこ
とによりインク層を受像層へ転写し、次いで受像シート
の受像層面と永久支持体とを対面するように重ね合わ
せ、加熱及び加圧の少なくとも一方を行うことにより受
像シート上の画像を永久支持体に転写する画像形成方法
において、各層間の接着力が下記条件を満足することを
特徴とする画像形成方法。
【0014】1.Tbl1、Tli1>Tri1 2.Trb>Tri1 3.Tbl2>Tli2 4.Tli2<Tri2、Trb 5.Tpi、Tpr>Trb 6.Tli1/Tri1>5 即ち本発明者らは上記問題を解決するために鋭意検討し
た結果、インクシート及び受像シートの各層間の接着力
に着目し、両シートにおける特定の層間の接着力の関係
を露光前後において調整することにより高感度、かつ画
像欠陥のない画像形成が可能となることを見い出し、又
受像シートに転写した画像を永久支持体に転写する場合
においても特定の層間の接着力を永久支持体への転写プ
ロセス前後に渡り調整することにより定着性の良好な最
終画像を形成することが可能となることを見い出し本発
明に至ったものである。
【0015】更に、特定の層間の接着力変動を小さくす
ることにより画像品質安定性が著しく増すことも見い出
した。
【0016】露光情報に応じた画像を転写するために、
露光前後での層間接着力を規定する。DDCP用途とし
て紙などの永久支持体に画像転写するための各層間接着
力をかけ合わせ規定する。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて両シートにおける各層間の接着力の測定方法につ
いて以下に説明する。
【0018】未露光部のインクシート基材部と光熱変換
層との接着力(Tbl1)の測定は、インクシートを作
製する場合と同様にして支持体部に光熱変換層まで設け
た状態で市販のテープを光熱変換層上に貼り、180°
剥離を行い、剥離に必用な力を測定し、テープの巾10
mm当たりの剥離力を計算で求め接着力とする。
【0019】未露光部の光熱変換層とインク層との接着
力(Tli1)の測定は、インクシートを作製する場合
と同様にして、支持体部に光熱変換層及びインク層まで
設けた状態で上記テープをインク層上に貼り、180°
剥離を行い、剥離に必用な力を測定し、テープの巾10
mm当たりの剥離力を計算で求め接着力とする。
【0020】受像層と受像シート基材部との接着力(T
rb)の測定は、受像シートを作製する場合と同様にし
て受像層まで設けた状態で上記テープを受像層上に貼
り、180°剥離を行い、剥離に必用な力を測定し、テ
ープの巾10mm当たりの剥離力を計算で求め接着力と
する。
【0021】露光部のインクシート基材部と光熱変換層
との接着力(Tbl2)の測定は、インクシートを作製
する場合と同様にして支持体部に光熱変換層まで設けた
状態で光熱変換層に上記テープを貼り、実際の露光と同
じ条件でテープの貼られている範囲をベタ露光し、その
後テープを180°剥離を行い、剥離に必用な力を測定
し、テープの巾10mm当たりの剥離力を計算で求め接
着力とする。
【0022】露光部の光熱変換層とインク層との接着力
(Tli2)の測定は、インクシートを作製する場合と
同様にして支持体部に光熱変換層及びインク層まで設け
た状態で上記テープをインク層上に貼り、実際の露光と
同じ条件でテープの貼られている範囲をベタ露光し、そ
の後テープを180°剥離を行い、剥離に必用な力を測
定し、テープの巾10mm当たりの剥離力を計算で求め
接着力とする。この時、インク層と光熱変換層との界面
で剥離できずに、光熱変換層も剥離してしまう場合は、
Tbl2<Tli2と見なす。
【0023】未露光部の受像層とインク層との接着力
(Tri1)は、光熱変換層の接着力を測定したテープ
で使用している支持体と同じ素材で同じ膜厚の支持体に
インク層のみを塗布したシートを用意し、このシートの
インク層と受像シートの受像層が対向するように重ね合
わせゴムローラーを使用して25℃、25g/cmの線
圧で加圧処理した後、180°剥離を行い、剥離に必用
な力を測定し、テープの巾10mm当たりの剥離力を計
算で求め接着力とする。
【0024】露光部の受像層とインク層との接着力(T
ri2)は、受像層上にベタ転写したインク層上に上記
テープを貼り、180°剥離を行い、剥離に必用な力を
測定し、テープの巾10mm当たりの剥離力を計算で求
め接着力とする。この時、受像層が剥離してしまう場合
は、Trb<Tri2と見なす。
【0025】加熱及び加圧処理の少なくとも一方を行っ
た後のインク層と永久支持体との接着力(Tpi)は、
インクシート用基材にインク層のみを塗布し、インク層
面と使用する永久支持体とを受像シートから永久支持体
へ転写させるのと同じ線圧と同じ温度のローラーを通
し、冷却後基材側から180℃剥離を行い、剥離に必用
な力を測定し、テープの巾10mm当たりの剥離力を計
算で求め接着力とする。剥離時にインク層が界面剥離し
なかった場合、Tpiは測定値以上とする。
【0026】加熱及び加圧処理の少なくとも一方を行っ
た後の受像層とインク層との接着力(Tri3)は、受
像シートにインクシートからレーザー露光により転写
し、離型紙と受像シートから永久支持体へ転写させるの
と同じ線圧と同じ温度のローラーを通し、冷却後離型紙
から剥離し、加熱及び/又は加圧処理を加え、その後、
市販のテープをインク層上に貼り180℃剥離を行い、
剥離に必用な力を測定し、テープの巾10mm当たりの
剥離力を計算で求め接着力とする。剥離時にインク層が
界面剥離しなかった場合、Tri3は測定値以上とす
る。
【0027】加熱及び加圧処理の少なくとも一方を行っ
た後の受像層と永久支持体の接着力(Tpr)は、受像
シートの受像層と使用する永久支持体とを、受像シート
から永久支持体へ転写させるのと同じ線圧と同じ温度の
ローラーを通し、冷却後基材側から180℃剥離を行
い、受像層が界面剥離して永久支持体に転写する場合、
永久支持体上の受像層に市販のテープを貼り、180℃
剥離を行い剥離に必用な力を測定し、テープの巾10m
m当たりの剥離力を計算で求め接着力とする。受像シー
トを永久支持体より剥離する際に受像層が界面剥離しな
かった場合、Tprは測定値以上とする。
【0028】上記方法により接着力が測定できない場
合、例えば層間の接着力がテープ剥離により測定できな
い場合は、剥離位置により各層の接着力の大小を判断す
る。
【0029】各層間の接着力については、層を形成する
素材の組み合せ、層を形成する方法例えば順次塗布によ
るか、積層した後貼合するかなどによっても変わる。又
同種の素材を使用した場合でも可塑剤や粘着付与剤の添
加により層の性質が変わり、結果として層間の接着力も
変化する。これらの生産方法を含めた材料構成の調整を
行って、既述の接着力とすることにより、高感度でカブ
リのない画像を形成することができる。
【0030】又、印刷用紙などの永久支持体上に画像を
転写して最終画像を形成する場合は、使用する永久支持
体によりインク層及び受像層などを加熱及び/又は加圧
を行った場合の各層との接着力が異なるため、上記接着
力が得られる材料構成を調整することにより、定着性に
優れる最終画像を形成できる。
【0031】次にインクシート及び受像シートについて
説明する。 (1)インクシート 本発明に用いられるインクシートは光熱変換機能及びイ
ンク(色材)転写機能を有するフィルムであり、支持体
の一方の表面に少なくとも光熱変換機能を有する光熱変
換層及びインク層を有してなる。必要に応じてこれらの
層と支持体との間にクッション層、剥離層等を、又更に
これらと反対の表面にバックコート層を有することがで
きる。
【0032】・支持体 支持体としては剛性を有し、寸法安定性が良く、平滑性
に優れ、画像形成の際の熱に耐えるものならば何でもよ
く、具体的には紙、コート紙、合成紙(ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、もしくはそれらを紙と貼り合せた複
合材料)等の各種紙類、塩化ビニル系樹脂シート、AB
S樹脂シート、ポリエチレンテレフタレートフィルム、
ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナ
フタレートフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリ
カーボネートフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、
ポリサルホンフィルム、ポリエーテルサルホンフィル
ム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィル
ム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
ポリスチレンフィルム、シンジオタクチックポリスチレ
ン、延伸ナイロンフィルム、ポリアセテートフィルム、
ポリメチルメタクリレートフィルム等の単層或いはそれ
らを2層以上積層した各種プラスチックフィルム乃至シ
ート、各種の金属で形成されたフィルム乃至シート、各
種のセラミックス類で形成されたフィルム乃至シート、
更には、アルミニウム、ステンレス、クロム、ニッケル
等の金属板、樹脂コーティングした紙に金属の薄膜をラ
ミネート又は蒸着したものが挙げられる。
【0033】これらの支持体には、寸法安定化、帯電防
止等の各種加工を施すこともできる。帯電防止剤として
は、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非
イオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子
の他、「11290の化学商品」化学工業日報社、87
5〜876頁等に記載の化合物などが広く用いられる。
【0034】更にこれらの支持体には、従来公知の表面
改質処理を行ってもよい。これらの表面改質処理として
は、火焔放射処理、硫酸処理、コロナ放電処理、プラズ
マ処理、グロー放電処理などが挙げられる。又、後述の
各層が良好に支持体上に塗布されるために前記支持体の
上に接着層を設けてもよい。
【0035】接着層としては、従来公知の物が特に制限
なく使用できる。接着層を設ける方法としては、水系樹
脂塗布、溶剤系樹脂塗布、水系ラテックス塗布、ホット
メルト塗布などが挙げられる。一般的には支持体作製時
に接着層を設けることがコスト・安定性等の面から有利
であり、この点から例えば、アクリル樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレ
ン/酢酸ビニル樹脂などのラテックスを塗接する方法が
好ましいが、特にこれに限定されない。この様な接着層
付のベースフィルムが各社から発売されており、本発明
においてはこれらを好適に使用することができる。
【0036】レーザー光を転写材料側から照射して画像
を転写するのであれば、転写材料の支持体は透明である
ことが望ましい。重ね合わせの容易さから、転写材料の
支持体の厚みは受像シートのそれより薄いことが好まし
く、一般には25〜150μm程度が好ましく、更に好
ましくは50〜100μmである。
【0037】・クッション層 支持体と光熱変換層の間には露光時のインクシートと受
像シートの密着性を高めるためにクッション層を有する
か、もしくはクッション性のある支持体を用いるのが好
ましい。
【0038】クッション層はインクシートと受像シート
との密着を増す目的で設けられる。このクッション層は
熱軟化性又は弾性を有する層であり、加熱により十分に
軟化変形しうるもの、又は低弾性率を有する材料或いは
ゴム弾性を有する材料を使用すればよい。クッション層
はクッション性を有する層であり、ここで言うクッショ
ン性を表す指針として、弾性率や針入度を利用すること
ができる。例えば、25℃における弾性率が1〜250
kg/mm2程度、或いはJIS K2530−197
6に規定される針入度が1〜100、更に好ましくは3
〜50程度の層が、色校正用カラープルーフ画像の形成
に対して好適なクッション性を示すことが確認されてい
るが、要求される程度は目的とする画像の用途に応じて
変わるため、適宜選択することができる。クッション層
はTMA軟化点が70℃以下であることが好ましく、よ
り好ましくは60℃以下である。
【0039】クッション層の好ましい特性は必ずしも素
材の種類のみで規定できるものではないが、素材自身の
特性が好ましいものとしては、ポリオレフィン樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリ
レート共重合体、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタ
ジエン共重合体(SBR)、スチレン−エチレン−ブテ
ン−スチレン共重合体(SEBS)、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体(NBR)、ポリイソプレン樹脂
(IR)、スチレン−イソプレン共重合体(SIS)、
アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ブチルゴム、ポリノルボ
ルネン等が挙げられる。
【0040】これらの中でも、比較的低分子量のものが
本発明の要件を満たし易いが、素材との関連で必ずしも
限定できない。クッション層は溶剤塗布により設けるこ
とができるが、ラテックスやエマルジョンのような水系
の分散物の状態で塗布形成することも可能である。この
他、水溶性樹脂も使用できる。これらの樹脂は、必要に
よって単独又は混合して用いることができる。又、上記
以外の素材でも、各種添加剤を加えることによりクッシ
ョン層に好ましい特性が付与できる。このような添加剤
としては、ワックス等の低融点物質、可塑剤などが挙げ
られる。具体的にはフタル酸エステル、アジピン酸エス
テル、グリコールエステル、脂肪酸エステル、燐酸エス
テル、塩素化パラフィン等が挙げられる。又、例えば
「プラスチック及びゴム用添加剤実用便覧」、化学工業
社(昭和45年発行)などに記載の各種添加剤を添加す
ることができる。これら添加剤の添加量等は、ベースと
なるクッション層素材との組合せで好ましい物性を発現
させるのに必要な量を選択すればよく、特に限定されな
いが一般的に、クッション層素材量の10質量%以下、
更に5質量%以下が好ましい。
【0041】クッション層の形成方法としては、前記素
材を溶媒に溶解又はラテックス状に分散したものを、ブ
レードコーター、ロールコーター、バーコーター、カー
テンコーター、グラビアコーター等の塗布法、ホットメ
ルトによる押出しラミネーション法などが適用できる。
又、特殊なクッション層として熱軟化性或いは熱可塑性
の樹脂を発泡させたボイド構造の樹脂層を用いることも
可能である。クッション層の膜厚は0.5〜10μmが
好ましく、より好ましくは1〜7μmである。
【0042】・光熱変換層 光熱変換層とは、光熱変換機能を有する層のことであ
る。光熱変換層は、支持体とインク層との間、より好ま
しくはクッション層とインク層との間に設けるのが好ま
しい。
【0043】光熱変換層におけるバインダーとしては、
ガラス転移点Tgが高く熱伝導率の高い樹脂、例えばポ
リメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニル
アルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミド
酸、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、アラミド等の一般的な耐熱性樹
脂や、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリアセチ
レン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレン・スルフィ
ド類、ポリピロール類、及び、これらの誘導体又は、こ
れらの混合物からなるポリマー化合物を使用することが
できる。又、光熱変換層におけるバインダーとしては、
水溶性ポリマーも用いることができる。水溶性ポリマー
はインク層との剥離性も良く、又、レーザー照射時の耐
熱性が良く、過度な加熱に対しても飛散が少ない点で好
ましい。水溶性ポリマーを用いる場合には、光熱変換物
質を水溶性に変性(スルホ基の導入等により)したり、
水系分散することが望ましい。又、光熱変換層へ各種の
離型剤を含有させることで、光熱変換層とインク層との
剥離性を上げ、感度を向上することもできる。離型剤と
しては、シリコーン系の離型剤(ポリオキシアルキレン
変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイ
ルなど)、フッ素系の界面活性剤(パーフルオロ燐酸エ
ステル系界面活性剤)、その他、各種界面活性剤等が有
効である。光熱変換物質を使用する場合、光源によって
も異なるが、光を吸収し効率良く熱に変換する物質がよ
く、例えば半導体レーザーを光源として使用する場合、
近赤外に吸収帯を有する物質が好ましく、近赤外光吸収
剤としては、例えばカーボンブラックやシアニン系、ポ
リメチン系、アズレニウム系、スクワリウム系、チオピ
リリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系色素等
の有機化合物、フタロシアニン系、アゾ系、チオアミド
系の有機金属錯体などが好適に用いられ、具体的には特
開昭63−139191号、同64−33547号、特
開平1−160683号、同1−280750号、同1
−293342号、同2−2074号、同3−2659
3号、同3−30991号、同3−34891号、同3
−36093号、同3−36094号、同3−3609
5号、同3−42281号、同3−97589号、同3
−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これ
らは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ
る。光熱変換層の膜厚は0.1〜3μmが好ましく、よ
り好ましくは0.2〜1.0μmである。光熱変換層に
おける光熱転換物質の含有量は、通常、画像記録に用い
る光源の波長での吸光度が0.3〜3.0、更に好まし
くは0.7〜2.5になるように決めることができる。
光熱変換層としてカーボンブラックを用いた場合、光熱
変換層の膜厚が1μmを超えると、インク層の過熱によ
る焦付きが起こらない代わりに感度が低下する傾向にあ
るが、照射するレーザーのパワーや光熱変換層の吸光度
により変化するため適宜選択すればよい。
【0044】光熱変換層としては、この他にも蒸着層を
使用することも可能であり、カーボンブラック、特開昭
52−20842号に記載の金、銀、アルミニウム、ク
ロム、ニッケル、アンチモン、テルル、ビスマス、セレ
ン等のメタルブラックの蒸着層の他、周期律表のIb、
IIb、IIIa、IVb、Va、Vb、VIa、VIb、VIIb及
びVIII族の金属元素、並びにこれらの合金、又はこれら
の元素とIa、IIa及びIIIb族の元素との合金、或い
はこれらの混合物の蒸着層が挙げられ、特に望ましい金
属にはAl、Bi、Sn、In又はZn及びこれらの合
金、又はこれらの金属と周期律表のIa、IIa及びIII
b族の元素との合金、又はこれらの混合物が含まれる。
適当な金属酸化物又は硫化物には、Al、Bi、Sn、
In、Zn、Ti、Cr、Mo、W、Co、Ir、N
i、Pb、Pt、Cu、Ag、Au、Zr又はTeの化
合物、又はこれらの混合物がある。又更に、金属フタロ
シアニン類、金属ジチオレン類、アントラキノン類の蒸
着層も挙げられる。蒸着層の膜厚は、500Å以内が好
ましい。尚、光熱変換物質はインク層の色材そのもので
もよく、又、上記のものに限定されず、様々な物質が使
用できる。
【0045】・インク層 インク層は主として着色剤とバインダーから成る。レー
ザー溶融熱転写法において、インク層は、加熱時に溶融
又は軟化して着色剤とバインダー等を含有する層毎転写
可能である層であり、完全な溶融状態で転写しなくても
よい。
【0046】上記着色剤としては、例えば無機顔料(二
酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜
鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄並びに
鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩等)及
び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン
系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系の
顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料及びその誘
導体、キナクリドン顔料等)などの顔料並びに染料(酸
性染料、直接染料、分散染料、油溶性染料、含金属油溶
性染料又は昇華性色素等)を挙げることができる。例え
ばカラープルーフ材料とする場合、イエロー、マゼン
タ、シアンがそれぞれ、C.I.21095又はC.
I.21090,C.I.15850:1,C.I.7
4160の顔料が好ましく用いられる。インク層におけ
る着色剤の含有率は、所望の塗布膜厚で所望の濃度が得
られるように調整すればよく、特に限定されないが、通
常5〜70質量%の範囲内にあり、好ましくは10〜6
0質量%である。
【0047】インク層のバインダーとしては、熱溶融性
物質、熱軟化性物質、熱可塑性樹脂等を挙げることがで
きる。熱溶融性物質は、通常、柳本MJP−2型を用い
て測定した融点が40〜150℃の範囲内にある固体又
は半固体の物質である。具体的には、カルナウバ蝋、木
蝋、オウリキュリー蝋、エスパル蝋等の植物蝋;蜜蝋、
昆虫蝋、セラック蝋、鯨蝋等の動物蝋;パラフィンワッ
クス、マイクロクリスタルワックス、ポリエチレンワッ
クス、エステルワックス、酸ワックス等の石油蝋;並び
にモンタン蝋、オゾケライト、セレシン等の鉱物蝋等の
ワックス類を挙げることができ、更にこれらのワックス
類などの他に、パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリ
ン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸;パルミチルアルコー
ル、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、マル
ガニルアルコール、ミリシルアルコール、エイコサノー
ル等の高級アルコール;パルミチン酸セチル、パルミチ
ン酸ミリシル、ステアリン酸セチル、ステアリン酸ミリ
シル等の高級脂肪酸エステル;アセトアミド、プロピオ
ン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミ
ド、アミドワックス等のアミド類;並びにステアリルア
ミン、ベヘニルアミン、パルミチルアミン等の高級アミ
ン類などが挙げられる。又、熱可塑性樹脂としては、エ
チレン系共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ア
クリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、
ロジン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニ
ルアセタール系樹脂、アイオノマー樹脂、石油系樹脂、
及び特開平6−312583号に記載のインク層バイン
ダー用樹脂等が挙げられ、特に融点又は軟化点が70〜
150℃の樹脂が好ましく用いられる。
【0048】又本発明では上記の熱可塑性樹脂以外に天
然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ク
ロロプレンゴム、ジエン系コポリマー等のエラストマー
類;エステルガム、ロジンマレイン酸樹脂、ロジンフェ
ノール樹脂、水添ロジン等のロジン誘導体;並びにフェ
ノール樹脂、テルペン樹脂、シクロペンタジエン樹脂、
芳香族系炭化水素樹脂等の高分子化合物などを用いるこ
ともできる。
【0049】上記熱溶融性物質及び熱可塑性物質を適宜
に選択することにより、所望の熱軟化点或いは熱溶融点
を有する熱転写性を有するインク層を形成することがで
きる。
【0050】本発明においては、熱分解性の高いバイン
ダーを使用することにより、アブレーション転写により
画像形成も可能である。かかるバインダーとしては、平
衡条件下で測定されたときに望ましくは200℃以下の
温度で急速な酸触媒的部分分解を起こすポリマー物質が
挙げられ、具体的にはニトロセルロース類、ポリカーボ
ネート類及びJ.M.J.フレチェット(Freche
t)、F.ボーチャード(Bouchard)、J.
M.ホーリハン(Houlihan)、B.クリクズク
(Kryczke)及びE.エイクラー(Eichle
r)、J.イメージング・サイエンス(Imaging
Science)、30(2)、pp.59−64
(1986)に報告されているタイプのポリマー類、及
びポリウレタン類、ポリエステル類、ポリオルトエステ
ル類、及びポリアセタール類、並びにこれらの共重合体
が含まれる。又、これらのポリマーは、その分解メカニ
ズムと共に、上述のホーリハン等の報告書により詳細に
示されている。
【0051】顔料の粒径を揃えることで高濃度が得られ
ることは特開昭62−158092号に開示されている
が、顔料の分散性を確保し、良好な色再現を得るため
に、各種分散剤を使用することが有効である。その他の
添加剤としては、インク層の可塑化により感度アップを
図る可塑剤の添加、インク層の塗布性を向上させる界面
活性剤の添加、インク層のブロッキングを防止するサブ
ミクロンからミクロンオーダーの粒子(マット材)の添
加が可能である。
【0052】好ましいインク層の厚さは0.2〜2μ
m、更に好ましくは0.3〜1.5μmである。特に、
0.8μm以下とすることで高感度が得られることが確
認されているが、使用するバインダーや着色剤の種類、
その混合比などによりインク層の薄膜転写性が異なるの
で、最適な膜厚範囲は感度と解像度のバランス、その他
所望の画像再現性能により選択する。
【0053】・バックコート層 バックコート層に用いられるバインダーとしては、ゼラ
チン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ニト
ロセルロース、アセチルセルロース、芳香族ポリアミド
樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、
フェノール樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン変性シ
リコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリエステル樹脂、テフロン樹脂、ポリビニルブチ
ラール樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセテー
ト、ポリカーボネート、有機硼素化合物、芳香族エステ
ル類、フッ化ポリウレタン、ポリエーテルスルホンなど
汎用ポリマーを使用することができる。
【0054】又バックコート層にはマット材を含有させ
ることが好ましい。バックコート層に好ましく添加され
るマット材としては、有機又は無機の微粒子が使用でき
る。有機系マット材としては、ポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、その他のラジカル重合系ポリマーの微粒子、
ポリエステル、ポリカーボネートなど縮合ポリマーの微
粒子などが挙げられる。バックコート層は0.5〜5g
/m2程度の付量で設けられることが好ましい。0.5
g/m2未満では塗布性が不安定で、マット材の粉落ち
等の問題が生じ易い。又、5g/m2を大きく超えて塗
布されると好適なマット材の粒径が非常に大きくなり、
保存時にバックコートによるインク層面のエンボス化が
生じ、特に薄膜のインク層を転写する熱転写では記録画
像の抜けやムラが生じ易くなる。マット材は、その数平
均粒径がバックコート層のバインダーのみの膜厚よりも
1〜20μm大きいものが好ましい。
【0055】バックコート層には、シート供給時の搬送
ロールとの摩擦帯電による異物の付着を防止するため、
帯電防止剤を添加することが好ましい。帯電防止剤とし
ては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、
非イオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒
子の他、「11290の化学商品」化学工業日報社、8
75〜876頁等に記載の化合物などが広く用いられ
る。又、バックコート層には、塗布性や離型性を付与す
るために、各種活性剤、シリコーンオイル、フッ素系樹
脂等の離型剤などを添加することも可能である。
【0056】(2)受像シート 本発明における受像シートは、支持体の一方の表面にク
ッション層と受像層を順次積層した構成からなり、必要
に応じて他方の表面にバックコート層を有してなるもの
が好ましい。又、受像層とクッション層との間に剥離層
を設けることもできる。
【0057】本発明に使用可能な受像シートは、前記イ
ンクシートから像様に剥離したインク層を受容して画像
を形成するものが挙げられる。通常、受像シートは支持
体と受像層とを有し、又支持体のみから形成されること
もある。受像シートは熱により溶融したインク層が転写
されるのであるから、適度の耐熱強度を有すると共に、
画像が適正に形成されるよう寸法安定性に優れることが
望ましい。
【0058】又、本発明における受像シートは、レーザ
ー露光によりインクシートから転写されたインク画像
を、更に紙などの永久支持体に転写する場合もある。イ
ンク画像の永久支持体への転写は、インク層のみ転写す
る場合と受像層とインク層の両層とも転写する場合があ
る。
【0059】永久支持体に転写する場合、最終画像を形
成する紙などへの転写性を向上させるために、クッショ
ン層を設けることが好ましい。更に、必要に応じてクッ
ション層と受像層の間に中間層を設け、層間の接着力を
調整することも好ましい。
【0060】・支持体 受像シートの支持体としては、インクシートの支持体と
同じものが使用できる。
【0061】本発明において、レーザー光をインクシー
ト側から照射して画像を転写するのであれば支持体は透
明である必要はなく、必要に応じて透明乃至不透明なも
のが選択される。前記支持体としては、その大きさ、形
状、構造等につき、本発明の目的を害しない限り特に制
限はなく、転写材料の大きさや形状等、最終的に画像が
保持される最終支持体の大きさや形状等、目的に応じて
適宜選択することができる。受像シートの支持体の厚み
は、重ね合わせの容易さから転写材料のそれより厚いこ
とが好ましく、一般には30〜200μm程度が好まし
く、更に好ましくは50〜125μmである。
【0062】・受像層 受像層は、バインダーと必要に応じて添加される各種添
加剤から成る。受像層バインダーの具体例としては、ポ
リ酢酸ビニルエマルジョン系接着剤、クロロプレン系接
着剤、エポキシ樹脂系接着剤等の接着剤、天然ゴム、ク
ロロプレンゴム系、ブチルゴム系、ポリアクリル酸エス
テル系、ニトリルゴム系、ポリサルファイド系、シリコ
ーンゴム系、石油系樹脂などの粘着材、再生ゴム、塩化
ビニル系樹脂、SBR、ポリブタジエン樹脂、ポリイソ
プレン、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルエーテ
ル、アイオノマー樹脂、SIS、SEBS、アクリル樹
脂、エチレン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル樹脂(EVA)、塩ビグラフトEVA樹脂、EVA
グラフト塩ビ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、各種変性オレ
フィン、ポリビニルブチラール等が挙げられる。本発明
において特に好ましいバインダーは、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレ
ン共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体等の塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレン
−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル
共重合体等のスチレン共重合体、酢酸ビニル共重合体で
ある。上記バインダーを単独で使用しても良く、又2種
以上混合して使用しても良い。受像層はマット材を含有
してもよい。マット材の素材としては、前述のバックコ
ート層に使用されるものが挙げられる。マット材の数平
均粒径は受像層のマット材の存在しない部分の平均膜厚
より0.3〜10.0μm大きいことが好ましく、更に
好ましくは0.3〜8.0μm大きいものが良い。0.
3μm未満のものではカブリ及び画像均一性に対する効
果が小さく、10.0μmを越えるものでは感度が劣化
する。受像層の付量は、0.6〜4g/m2であること
が好ましく、より好ましくは1〜3g/m2である。
【0063】・中間層 中間層は、受像シート上の画像を最終支持体に再転写す
る場合に特に有効である。受像層上に形成したインク画
像のみを永久支持体に再転写する場合、中間層は受像層
と支持体もしくは受像層と中間層の下層との接着力を強
くするために設ける。又、受像層上に形成したインク画
像を受像層毎永久支持体に再転写する場合、中間層は受
像層と支持体もしくは受像層と中間層の下層との接着力
を弱くするために設ける。
【0064】中間層のバインダーとしては、具体的に
は、ポリエステル、ポリビニルアセタール、ポリビニル
ホルマール、ポリパラベン酸、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリカーボネート、エチルセルロース、ニトロセル
ロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコ
ール、ポリ塩化ビニル、ウレタン樹脂、フッ素系樹脂、
ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン等のスチレン
類及びこれら樹脂を架橋したもの、ポリアミド、ポリイ
ミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、アラミド等のTgが65℃以上の熱硬化性
樹脂及びそれら樹脂の硬化物が挙げられる。硬化剤とし
てはイソシアナート、メラミン等の一般的硬化剤を使用
することができる。
【0065】上記物性に合わせて中間層のバインダーを
選ぶとポリカーボネート、アセタール、エチルセルロー
スが保存性の点で好ましく、更に受像層にアクリル系樹
脂を用いるとレーザー熱転写後の画像を再転写する際に
剥離性良好となり特に好ましい。
【0066】このような中間層には添加剤として、高級
脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、アミド
類、高級アミン等を必要に応じて加えることができる。
中間層の別の構成は加熱時に溶融又は軟化することによ
ってそれ自体が凝集破壊することで剥離性を持つ層であ
る。このような中間層には過冷却物質を含有させること
が好ましい。過冷却物質としては、ポリ−ε−カプロラ
クトン、ポリオキシエチレン、ベンゾトリアゾール、ト
リベンジルアミン、バニリン等が挙げられる。更に、別
の構成の中間層では、受像層との接着性を低下させるよ
うな化合物を含有させる。このような化合物としては、
シリコーンオイルなどのシリコーン系樹脂;テフロン、
弗素含有アクリル樹脂等のフッ素系樹脂;ポリシロキサ
ン樹脂;ポリビニルブチラール、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルホルマール等のアセタール系樹脂;ポリ
エチレンワックス、アミドワックス等の固形ワックス
類;フッ素系、燐酸エステル系の界面活性剤等を挙げる
ことができる。
【0067】受像層との接着力を高めるために中間層を
設ける場合、受像層とのSP値の近いバインダー、受像
層と溶剤組成の近い溶媒で塗工可能なバインダーを用い
ることが出来る。例えば受像層にエチレン−塩化ビニル
共重合体などを使用する場合は、中間層として塩ビ系樹
脂を使用することにより接着性を高めることが可能であ
る。
【0068】中間層の形成方法としては、前記素材を溶
媒に溶解又はラテックス状に分散したものをブレードコ
ーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコー
ター、グラビアコーター等の塗布法、ホットメルトによ
る押出しラミネーション法などが適用できる。又、仮ベ
ース上に前記素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分散
したものを上記の方法で塗布したものと、クッション層
とを貼り合わせた後に仮ベースを剥離して形成する方法
がある。中間層の膜厚は0.3〜3.0μmが好まし
い。膜厚が大きすぎるとクッション層の性能が現れ難く
なるため、中間層の種類により調整することが必要であ
る。
【0069】・クッション層 クッション層は熱軟化性又は弾性を有する層であり、加
熱により十分に軟化変形しうるもの、又は低弾性率を有
する材料或いはゴム弾性を有する材料が使用される。本
発明においては、クッション性を表す指針として、弾性
率や針入度を利用することができる。例えば、25℃に
おける弾性率が1〜250kg/mm2程度の、或いは
JIS K2530−1976に規定される針入度が1
5〜500、更に好ましくは30〜300程度の層が、
印刷分野におけるカラープルーフ画像の形成に対して好
適なクッション性を示すことが確認されているが、要求
される程度は目的とする画像の用途に応じて変わるた
め、適宜選択することができる。クッション層に使用さ
れる素材としては、常温では流動性はなく弾性を示し、
100℃を越えるような高温領域では、顕著な流動性を
示すものが好ましい。クッション層はTMA軟化点が7
0℃以下であることが好ましく、より好ましくは60℃
以下である。クッション層の好ましい特性は必ずしも素
材の種類のみで規定できるものではないが、素材自身の
特性が好ましいものとしては、ポリオレフィン樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリ
レート共重合体、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタ
ジエン共重合体(SBR)、スチレン−エチレン−ブテ
ン−スチレン共重合体(SEBS)、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体(NBR)、ポリイソプレン樹脂
(IR)、スチレン−イソプレン共重合体(SIS)、
アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ブチルゴム、ポリノルボ
ルネン等が挙げられる。これらの中でも、比較的低分子
量のものが本発明の要件を満たし易いが、素材との関連
で必ずしも限定できない。クッション層は溶剤塗布によ
り設けることができるが、ラテックスやエマルジョンの
ような水系の分散物の状態で塗布形成することも可能で
ある。この他、水溶性樹脂も使用できる。これらの樹脂
は、必要によって単独又は混合して用いることができ
る。又、上記以外の素材でも、各種添加剤を加えること
によりクッション層に好ましい特性が付与できる。この
ような添加剤としては、ワックス等の低融点物質、可塑
剤、熱溶剤、タッキファイヤーなどが挙げられる。ワッ
クス類としては、具体的には、カルナウバ蝋、木蝋、オ
ウリキュリー蝋、エスパル蝋等の植物蝋;蜜蝋、昆虫
蝋、セラック蝋、鯨蝋等の動物蝋;パラフィンワック
ス、マイクロクリスタルワックス、ポリエチレンワック
ス、エステルワックス、酸ワックス等の石油蝋;並びに
モンタン蝋、オゾケライト、セレシン等の鉱物蝋等のワ
ックス類を挙げることができ、更にこれらのワックス類
などの他に、パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリン
酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸;パルミチルアルコール、
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、マルガニ
ルアルコール、ミリシルアルコール、エイコサノール等
の高級アルコール;パルミチン酸セチル、パルミチン酸
ミリシル、ステアリン酸セチル、ステアリン酸ミリシル
等の高級脂肪酸エステル;アセトアミド、プロピオン酸
アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ア
ミドワックス等のアミド類;並びにステアリルアミン、
ベヘニルアミン、パルミチルアミン等の高級アミン類な
どが挙げられる。
【0070】これらの中で常温固体のものが好ましく、
中でも融点が40〜130℃であるものが特に好まし
く、更に好ましくは70〜110℃以下のものである。
【0071】可塑剤、熱溶剤、タッキファイヤーとして
は、具体的にはフタル酸エステル、アジピン酸エステ
ル、グリコールエステル、脂肪酸エステル、燐酸エステ
ル、塩素化パラフィン等が挙げられる。又、例えば「プ
ラスチック及びゴム用添加剤実用便覧」、化学工業社
(昭和45年発行)などに記載の各種添加剤を添加する
ことができる。これら添加剤の添加量等は、ベースとな
るクッション層素材との組合せで好ましい物性を発現さ
せるのに必要な量を選択すればよく、特に限定されない
が一般的に、クッション層素材量の10質量%以下、更
に5質量%以下が好ましい。クッション層の形成方法と
しては、前記素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分散
したものを、ブレードコーター、ロールコーター、バー
コーター、カーテンコーター、グラビアコーター等の塗
布法、ホットメルトによる押出しラミネーション法など
が適用できる。又、特殊なクッション層として熱軟化性
或いは熱可塑性の樹脂を発泡させたボイド構造の樹脂層
を用いることも可能である。クッション層の好ましい膜
厚は5μm以上であり、更に好ましくは10μm以上で
ある。クッション層の膜厚が5μm未満になると、最終
支持体への再転写の際、抜けや欠けが発生する場合があ
る。
【0072】・バックコート層 前記支持体の裏面(受像層を設けた表面とは反対側の
面)には、走行安定性、耐熱性、帯電防止等の機能を付
与するためにバックコート層を設けることができる。バ
ックコート層はバインダー樹脂を溶媒中に溶解した、或
いはバインダー樹脂と粒径2〜30μmのマット材を溶
媒中に溶解又は分散したバックコート層塗布液を支持体
裏面に塗布することにより形成できる。又、バックコー
ト層には、帯電防止剤、各種界面活性剤、離型剤などを
添加してもよい。
【0073】バックコート層の付量は特に制限はない
が、塗布により形成する場合は0.5〜5g/m2程度
の付量で設けられることが塗布性の点から好ましい。
【0074】(3)画像形成方法 画像形成するには、各層間の接着力を本発明で規定した
関係になるよう考慮したインクシートのインク層面と受
像シートの受像層面を対面するように重ね合わせ、像様
に露光・加熱することによりインク層を受像層へ転写す
ることにより達成される。
【0075】高密度エネルギー光の露光により光熱変換
層とインク層との結合力が低下した後、受像シートとイ
ンクシートの支持体を引き離すことにより露光部のイン
ク層が受像シートに転写される。
【0076】画像露光は、高解像度を得るためには、エ
ネルギー印加面積が絞り込める電磁波、特に波長が1n
m〜1mmの紫外線、可視光線、赤外線が好ましく、こ
のような光エネルギーを印加し得る光源としては、例え
ばレーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュラン
プ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライ
ドランプ、タングステンランプ、石英水銀ランプ、高圧
水銀ランプ等を挙げることができる。この際加えられる
エネルギーは、インクシート、受像シートの種類により
露光距離、時間、強度を調整することにより適時選択す
ることができる。
【0077】上記エネルギーを一括露光する場合には、
所望露光画像のネガパターンを遮光性材料で形成したマ
スク材料を重ね合わせ露光すればよい。
【0078】発光ダイオードアレイ等のアレイ型光源を
使用する場合や、ハロゲンランプ、メタルハライドラン
プ、タングステンランプ等の光源を、液晶、PLZT等
の光学的シャッター材料で露光制御する場合には、画像
信号に応じたデジタル露光をすることが可能で、この場
合にはマスク材料を使用せず、直接書込みを行うことが
できる。しかしながら、この方法では、光源の他に新た
に光学的シャッター材料が必要であることから、デジタ
ル露光する場合にはレーザーを光源として用いるのが好
ましい。
【0079】光源としてレーザー光を用いた場合には、
光をビーム状に絞り画像データに応じた走査露光で潜像
形成を行うことが可能であり、更にレーザーを光源とし
て用いると露光面積を微小サイズに絞ることが容易で高
解像度の画像形成が可能となる。該レーザー光源として
は一般によく知られているルビーレーザー、YAGレー
ザー、ガラスレーザーなどの固体レーザー;He−Ne
レーザー、Arイオンレーザー、Krイオンレーザー、
CO2レーザー、COレーザー、He−Cdレーザー、
2レーザー、エキシマーレーザーなどの気体レーザ
ー;InGaPレーザー、AlGaAsレーザー、Ga
AsPレーザー、InGaAsレーザー、InAsPレ
ーザー、CdSnP2レーザー、GaSbレーザーなど
の半導体レーザー;化学レーザー、色素レーザー等を挙
げる。
【0080】高密度光エネルギーの露光方向は、インク
シート側からでも受像シート側からでも露光することが
できるが、インクシート側より露光することが好まし
い。
【0081】レーザーの走査方法としては、円筒外面走
査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査
では、インクシートを外面に巻き付けたドラムを回転さ
せながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査と
し、レーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査で
は、ドラムの内面に両シートを固定し、レーザービーム
を内側から照射し、光学系の一部又は全部を回転させる
ことにより円周方向に主走査を行い、光学系の一部又は
全部をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸
方向に副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーや
ガルバノミラーとfθレンズ等を組み合わせてレーザー
光の主走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行
う。円筒外面走査及び円筒内面走査の方が光学系の精度
を高め易く、高密度記録には適している。複数の発光素
子を同時に使用する、いわゆるマルチチャンネル露光の
場合、円筒外面走査が最も適している。又、露光出力の
大きいYAGレーザーなどを用いる場合、円筒外面走査
ではドラムの回転数を大幅にアップすることが難しいの
で、円筒内面走査が適している。
【0082】又、両シートを引き剥がす際の方法として
は、剥離板、剥離ロールによる剥離角度固定方法、手で
被転写体と画像形成材料を固定せずに引き剥がす手剥離
方法など、画像形成に影響を与えなければ種々の剥離方
法を用いることができる。
【0083】本発明においては、インク層を受像層へ転
写した後、受像シートの受像層面と永久支持体とを対面
するように重ね合わせ、加熱及び加圧の少なくとも一方
を行って受像シート上の画像を永久支持体に転写する画
像形成方法もある。
【0084】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明の態様はこれに限定されるものではない。尚、特に
断らない限り、実施例中の「部」は有効固体分の「質量
部」を表す。
【0085】(1)インクシートの作製 ・インクシート1 厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(三菱化学ポリエステル社製、T100)に以下のバッ
クコート層塗布液1を、ワイヤーバーにて1.0g/m
2の乾燥付き量になるように塗布、乾燥したのち、バッ
クコート層と反対の面に以下のクッション層塗布液1を
リバースロールコーターによって塗布、乾燥して、乾燥
後の厚みが3μmのクッション層を形成し、このクッシ
ョン層の上に以下の光熱変換層塗布液1をワイヤーバー
により塗布、乾燥して、波長830nmの透過吸収率が
0.85の光熱変換層を形成した。この光熱変換層の乾
燥付き量は、0.6g/m2であった。次いで光熱変換
層の上に以下のインク層塗布液1をワイヤーバーにより
塗布、乾燥して、乾燥後の厚みが0.6μmのインク層
を形成し、インクシートを作製した。
【0086】 (バックコート層塗布液1) ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−30:日本合成化学社製) 79部 フッ素化合物(ユニダインTG810:ダイキン工業社製、樹脂分18%) 5部 帯電防止剤(エフコール214:松本油脂製薬社製) 10部 PMMA樹脂粒子(体積平均粒径5.6μm) 6部 水 90部 (クッション層塗布液1) スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合体 (クレイトンG1657:シェル化学社製) 14部 タッキファイヤー(スーパーエステルA100:荒川化学社製) 6部 メチルエチルケトン 10部 トルエン 80部 (光熱変換層塗布液1) ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−30:日本合成化学社製) 6部 カーボンブラック分散物(固形分40.1%、カーボンブラック30%、 SD−9020:大日本インキ社製) 12.2部 ホウ酸 0.4部 フッ素系界面活性剤(FT−251:ネオス社製) 0.1部 水 145.3部 イソプロピルアルコール 36部 (インク層塗布液1) マゼンタ顔料分散物(MHIマゼンタ#785、御国色素社製: ブリリアントカーミンのメチルエチルケトン分散物) 48部 スチレン−アクリル共重合体樹脂(SBM−700:三洋化成社製) 8.7部 フッ素系界面活性剤(メガファックF−178K:大日本インキ社製) 0.4部 シリコーン樹脂粒子(トスパール130:東芝シリコーン社製) 1部 メチルエチルケトン 25部 シクロヘキサノン 16部 ・インクシート2 クッション層を下記クッション層塗布液2に、光熱変換
層を下記光熱変換層塗布液2に変更したこと以外はイン
クシート1と同様にしてインクシート2を作製した。
【0087】 (クッション層塗布液2) スチレン−イソプレン−スチレン共重合体 (クレイトンD−1117P:シェル化学社製) 10部 メチルエチルケトン 30部 トルエン 60部 (光熱変換層塗布液2) ポリビニルアルコール(RS−110:クラレ社製) 7部 カーボンブラック分散物(固形分15%、CAB−O−JET300: キャボット社製) 20部 ホウ酸 0.4部 フッ素系界面活性剤(FT−251:前出) 0.1部 水 137.5部 イソプロビルアルコール 35部 ・インクシート3 インク層を下記インク層塗布液2に変更したこと以外は
インクシート2と同様にしてインクシート3を作製し
た。
【0088】 (インク層塗布液2) マゼンタ顔料分散物(MHIマゼンタ#785、御国色素社製: ブリリアントカーミンのメチルエチルケトン分散物) 48部 低重合度ポリスチレン(ST−95:三洋化成社製) 8.7部 フッ素系界面活性剤(メガファックF−178K:前出) 0.4部 シリコーン樹脂粒子(トスパール130:前出) 1部 メチルエチルケトン 25部 シクロヘキサノン 16部 ・インクシート4 インク層を下記インク層塗布液3に、光熱変換層を下記
光熱変換層塗布液3に変更したこと以外はインクシート
1と同様にしてインクシート4を作製した。
【0089】 (インク層塗布液3) マゼンタ顔料分散物(MHIマゼンタ#785、御国色素社製: ブリリアントカーミンのメチルエチルケトン分散物) 48部 ポリビニルブチラール(BL−S:積水化学工業社製) 8.7部 フッ素系界面活性剤(メガファックF−178K:前出) 0.4部 シリコーン樹脂粒子(トスパール130:前出) 1部 メチルエチルケトン 25部 シクロヘキサノン 16部 (光熱変換層塗布液3) ポリビニルアルコール(ゴーセノールGL−05:日本合成化学社製) 6.4部 カーボンブラック分散物(SD−9020:前出) 12.2部 フッ素系界面活性剤(FT−251:前出) 0.1部 水 145.3部 イソプロビルアルコール 36部 ・インクシート5 インク層を下記インク層塗布液4に変更したこと以外は
インクシート4と同様にしてインクシート5を作製し
た。
【0090】 (インク層塗布液4) マゼンタ顔料分散物(MHIマゼンタ#785、御国色素社製: ブリリアントカーミンのメチルエチルケトン分散物) 48部 スチレン−アクリル共重合体樹脂(SBM−100:三洋化成社製) 8.7部 DOP 2部 フッ素系界面活性剤(メガファックF−178K:前出) 0.4部 シリコーン樹脂粒子(トスパール130:前出) 1部 メチルエチルケトン 25部 シクロヘキサノン 16部 (2)受像シートの作製 ・受像シート1 厚さ100μmのPET(三菱化学ポリエステル社製、
T100)に、以下のバックコート層塗布液2を、ワイ
ヤーバーにて1.0g/m2の付量になるように塗布、
乾燥したのち、バックコート層と反対の面に以下のクッ
ション層塗布液3を、乾燥後の膜厚が約30μmの厚み
になるようにアプリケーターにて塗布し、クッション層
を形成した。次いで、クッション層の上に以下の中間層
塗布液1をワイヤーバーにて1.5g/m2の付量にな
るように塗布、乾燥し、更に中間層上に以下の受像層塗
布液1をワイヤーバーにて1.5g/m2の付量になる
よう塗布・乾燥して受像シート1を作製した。
【0091】 (バックコート層塗布液2) ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡績社製) 8.5部 PMMA樹脂粒子(MX−500:綜研化学社製) 0.5部 カーボンブラック18%MEK分散物(MHI−273:御国色素社製) 5部 シリコーンオイル(X−24−8300:信越化学社製) 2部 シクロヘキサノン 40部 トルエン 20部 メチルエチルケトン 25.9部 (クッション層塗布液3) アクリル系ラテックス(ヨドゾールAD105: 日本NSC社製、樹脂分50%) 100部 (中間層塗布液1) エチルセルロース(エトセル10:ダウ・ケミカル社製) 10部 イソプロピルアルコール 90部 (受像層塗布液1) アクリル樹脂ラテックス(ヨドゾールA5805: 日本NSC社製、樹脂分55%) 25部 PMMA樹脂粒子(MX−300:綜研化学社製) 0.7部 イソプロピルアルコール 6部 水 60部 ・受像シート2 支持体を厚さ100μmの易接着層付きPET(三菱化
学ポリエステル社製、T600E)に変更し、受像シー
ト1と同様にしてバックコート層を形成した後、バック
コート層と反対の面に下記受像層塗布液2をワイヤーバ
ーにて1.5g/m2の付量になるよう塗布・乾燥して
受像シート2を作製した。
【0092】 (受像層塗布液2) ポリビニルブチラール(BL−S:前出) 9.3部 PMMA樹脂粒子(MX−300:綜研化学社製) 0.7部 メチルエチルケトン 60部 シクロヘキサノン 20部 ・受像シート3 クッション層を下記クッション層塗布液4に変更したこ
と以外は受像シート1と同様にして受像シート3を作製
した。
【0093】 (クッション層塗布液4) ポリエチレンラテックス(ハイテックS−3127: 東邦化学社製、樹脂分35%) 100部 ・受像シート4 支持体を厚さ100μmの易接着層付きPET(T60
0E:前出)とし、受像層を下記受像層塗布液3に変更
したこと以外は受像シート3と同様にして受像シート4
を作製した。
【0094】 (受像層塗布液3) エチレン塩ビラテックス(スミエリート1010: 住友化学社製、樹脂分50%) 20部 PMMA樹脂粒子(MX−300:綜研化学社製) 0.5部 イソプロピルアルコール 19.5部 水 60部 ・受像シート5 受像層を下記受像層塗布液4に、中間層を下記中間層塗
布液2に変更したこと以外は受像シート1と同様にして
受像シート5を作製した。
【0095】 (受像層塗布液4) アクリル樹脂ラテックス(ヨドゾールAD92: 日本NSC社製、樹脂分55%) 25部 PMMA樹脂粒子(MX−300:綜研化学社製) 0.7部 イソプロピルアルコール 6部 水 60部 (中間層塗布液2) ポリビニルアセタール(KS−1:住友化学社製) 10部 メチルエチルケトンル 90部 実施例1 インクシート1及び受像シート1を使用して以下に示し
たレーザー露光及び評価を行った。又、作製したインク
シート及び受像シートを用いて測定した各層間の接着力
を表1にまとめる。
【0096】実施例2 インクシート1及び受像シート4を使用して実施例1同
様に露光、評価を行った。
【0097】実施例3(比較例) インクシート2及び受像シート5を使用して実施例1同
様に露光、評価を行った。
【0098】(レーザー露光)減圧ドラム上に受像シー
ト及びインクシートを重ねて減圧密着しレーザー露光を
行った。露光は、6.35μmピッチにビームを配列し
た32chマルチビームタイプ(1ch当たりの露光面
での出力は100mW)の露光ヘッドを使用して行い、
200〜300mJ/cm2の範囲で実施した。
【0099】(評価) ・感度 上記露光条件でベタ露光を行い、ベタ転写が可能な露光
エネルギーを求めた。
【0100】・カブリ 上記露光条件で、175線の50%網点(ドットゲイ
ン)相当の露光を行い、50%網点の再現性と未露光部
の評価を行った。
【0101】 ○・・・露光条件によらず未露光部転写がなく、50%
網点の再現性も良好 △・・・未露光部転写はないが、露光条件によっては5
0%網点が部分的にカブル ×・・・未露光部の転写あり ・光熱変換層転写故障 上記露光条件で、ベタ露光を行い、光熱変換層の転写に
よる画像故障が発生する露光エネルギーを求めた。
【0102】・環境依存性 19℃・30%の環境下及び27℃・70%の環境下で
感度を評価した。得られた画像のドットゲイン(%)の
変動の差で表す。この値の小さい方が環境依存性に優
れ、安定していることを示す。
【0103】・用紙転写性 ベタ転写が可能な露光エネルギーでベタ転写を行い、受
像シートの受像層面をアート紙(特菱アート、127.
9g/m2:三菱製紙社製)と対向させて120℃、2
0mm/secの条件で加熱加圧処理した後、特菱アー
トと受像シートを剥離し、転写した画像を観察した。
【0104】作製したインクシート及び受像シートを用
いて測定した各層間の接着力を以下の表1にまとめる。
【0105】
【表1】
【0106】表1から明らかなように、層間の接着力が
本発明の請求項1の条件を満足している実施例1及び2
はカブリ、感度が良好であり、かつアブレーション(光
熱変換層の転写による画像故障が発生しにくい)の発生
が抑制されていることが分かる。
【0107】実施例4 インクシート1及び受像シート1を使用して実施例1同
様に露光を行い、評価として更に環境依存性を評価し
た。
【0108】実施例5 インクシート1及び受像シート2を使用して実施例4同
様に露光、評価を行った。
【0109】実施例6 インクシート1及び受像シート3を使用して実施例4同
様に露光、評価を行った。
【0110】作製したインクシート及び受像シートを用
いて測定した各層間の接着力を以下の表2にまとめる。
【0111】
【表2】
【0112】表2から明らかなように、層間の接着力が
本発明の請求項1の条件を満足している実施例4〜6は
実施例1と同様にカブリ、感度が良好であり、かつアブ
レーションが発生しにくいことが分かる。又、環境の変
化においてもドットゲインの変動の差が少ないため、感
度が安定しており、環境依存性に優れていることも分か
る。
【0113】実施例7 インクシート3及び受像シート3を使用して実施例1同
様に露光を行い、評価として更に用紙転写性を評価し
た。
【0114】実施例8 インクシート4及び受像シート3を使用して実施例7同
様に露光、評価を行った。
【0115】実施例9(比較例) インクシート5及び受像シート3を使用して実施例7同
様に露光、評価を行った。
【0116】作製したインクシート及び受像シートを用
いて測定した各層間の接着力を表3にまとめる。
【0117】
【表3】
【0118】表3から明らかなように、層間の接着力が
本発明の請求項5又は6の条件を満足している実施例
7、8は更なる最終支持体への転写工程を経ても実施例
1と同様にカブリ、感度が良好であり、かつアブレーシ
ョンが発生しにくいことが分かる。又、用紙への転写性
についてみると、実施例7は受像層ごと画像が綺麗に全
て転写しており、実施例8ではインク画像のみが綺麗に
全て転写している。しかしながら実施例9は部分的に受
像層も最終支持体へ転写しており、インク層の2次転写
の際には転写性は良好とはいえないものになった。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、高感度で、カブリ及び
アブレーションの発生がなく、しかもインク層の2次転
写時の転写不良、定着不良のない優れた画像形成方法を
提供することができるという顕著に優れた効果を奏す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H111 AA01 AA12 AA17 AA26 AA31 AA35 AB05 BA03 BA07 BA09 BA61 BA62 BB01 CA03 CA12 CA44

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも光熱変換層とイン
    ク層とを有するインクシートのインク層面と、別途支持
    体上に少なくとも受像層を有する受像シートの受像層面
    を対面するように重ね合わせ、像様に露光加熱すること
    によりインク層を受像層へ転写する画像形成方法におい
    て、前記受像シートとインクシートを重ね合わせた状態
    での未露光部の各層間の接着力、及び同状態での露光部
    の各層間の接着力が下記条件を満足することを特徴とす
    る画像形成方法。 1.Tbl1、Tli1>Tri1 2.Trb>Tri1 3.Tbl2>Tli2 4.Tli2<Tri2、Trb 5.Tli1/Tri1>5 (Tbl1:未露光部のインクシート基材部と光熱変換
    層との接着力、Tli1:未露光部の光熱変換層とイン
    ク層との接着力、Tri1:未露光部の受像層とインク
    層との接着力、Tbl2:露光部のインクシート基材部
    と光熱変換層との接着力、Tli2:露光部の光熱変換
    層とインク層との接着力、Tri2:露光部の受像層と
    インク層との接着力、Trb:露光部の受像層と受像シ
    ート基材部との接着力)
  2. 【請求項2】 前記受像シートとインクシートを重ね合
    わせた状態での未露光部の各層間の接着力、及び同状態
    での露光部の各層間の接着力が下記条件を満足すること
    を特徴とする請求項1記載の画像形成方法。 Tbl2/Tli2>2
  3. 【請求項3】 温度19〜27℃、湿度30〜70%の
    環境における前記未露光部の光熱変換層とインク層との
    接着力(Tli1)の最大値と最小値の比率が2倍以内
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成
    方法。
  4. 【請求項4】 温度19〜27℃、湿度30〜70%の
    環境における前記露光部の光熱変換層とインク層との接
    着力(Tli2)の最大値と最小値の比率が2倍以内で
    あることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の
    画像形成方法。
  5. 【請求項5】 支持体上に少なくとも光熱変換層とイン
    ク層とを有するインクシートのインク層面と、別途支持
    体上に少なくとも受像層を有する受像シートの受像層面
    を対面するように重ね合わせ、像様に露光加熱すること
    によりインク層を受像層へ転写し、次いで受像シートの
    受像層面と永久支持体とを対面するように重ね合わせ、
    加熱及び加圧の少なくとも一方を行うことにより受像シ
    ート上の画像を永久支持体に転写する画像形成方法にお
    いて、各層間の接着力が下記条件を満足することを特徴
    とする画像形成方法。 1.Tbl1、Tli1>Tri1 2.Trb>Tri1 3.Tbl2>Tli2 4.Tli2<Tri2、Trb 5.Tpi、Trb>Tri3 6.Trb>Tpr 7.Tli1/Tri1>5 (Tpi:加熱及び加圧処理の少なくとも一方を行った
    後のインク層と永久支持体の接着力、Tri3:加熱及
    び加圧処理の少なくとも一方を行った後の受像層とイン
    ク層との接着力、Tpr:加熱及び加圧処理の少なくと
    も一方を行った後の受像層と永久支持体の接着力)
  6. 【請求項6】 支持体上に少なくとも光熱変換層とイン
    ク層とを有するインクシートのインク層面と、別途支持
    体上に少なくとも受像層を有する受像シートの受像層面
    を対面するように重ね合わせ、像様に露光加熱すること
    によりインク層を受像層へ転写し、次いで受像シートの
    受像層面と永久支持体とを対面するように重ね合わせ、
    加熱及び加圧の少なくとも一方を行うことにより受像シ
    ート上の画像を永久支持体に転写する画像形成方法にお
    いて、各層間の接着力が下記条件を満足することを特徴
    とする画像形成方法。 1.Tbl1、Tli1>Tri1 2.Trb>Tri1 3.Tbl2>Tli2 4.Tli2<Tri2、Trb 5.Tpi、Tpr>Trb 6.Tli1/Tri1>5
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6579655B1 (en) 2001-05-17 2003-06-17 Fuji Photo Film Co., Ltd. Laser-heat transfer recording method and image-receiving sheet

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