JP2005225024A - レーザー熱転写画像形成方法、熱転写インクシート及び受像シート - Google Patents

レーザー熱転写画像形成方法、熱転写インクシート及び受像シート Download PDF

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Abstract

【課題】 画像欠陥、色にごりが無く、細線再現性に優れた、レーザー熱転写画像形成方法、熱転写インクシート及び受像シートの提供。
【解決手段】 熱転写インクシート、受像シートを用いてレーザー溶融熱転写方式によって画像を形成するレーザー熱転写画像形成方法において、画像記録密度が2000dpi(dpiとは2.54cm当たりのドットの数をいう)以上であり、熱転写インクシートが支持体、光熱変換層、光熱変換層の上層にインク層を有し、350〜650nmにおける受像シートの透過率が85%以上であることを特徴とするレーザー熱転写画像形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はレーザー光を用いて高精細の画像を得る、いわゆるヒートモードレーザ記録方法に利用されるレーザー熱転写画像形成方法、熱転写インクシート及び受像シートに関するものであり、さらに詳しくは、軟包装、バックライト印刷など透明基材に印刷する場合の印刷用プルーフに用いるレーザー熱転写画像形成方法、熱転写インクシート及び受像シートに関するものである。
白色インクシートを用いた熱転写画像形成方法として、一旦受像シートに受けた画像を最終画像担持体に再転写する熱転写画像形成方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。受像シートはホワイトペットであり、本発明のように受像シート側から画像を透かして見ることはできない。
高解像度の画像出力を行いたいというニーズに応え、従来のサーマルヘッドを利用した熱転写画像形成方法から、レーザーと光熱変感材を用いて画像を作成するレーザー熱転写型の画像形成方法の研究が行われている。
レーザー光を利用した転写画像形成方法に用いられる記録材料としては、支持体上に、レーザー光を吸収して熱を発生する光熱変換層、及び顔料が熱溶融性のワックス、バインダー等の成分中に分散された画像形成層をこの順に有する熱溶融転写シート(例えば、特許文献2を参照)。
これらの記録材料を用いる画像形成方法では、光熱変換層のレーザー光照射領域で発生した熱によりその領域に対応する画像形成層が溶融し、転写シート上に積層配置された受像シート上に転写され、受像シート上に転写画像が形成される。
また、支持体上に、光熱変換物質を含む光熱変換層、非常に薄層(0.03〜0.3μm)の熱剥離層、色材を含む画像形成層がこの順に設けられた熱転写シートが開示されている。(例えば、特許文献3を参照)
この熱転写シートでは、レーザー光を照射されることによって、前記熱剥離層の介在により結合されている画像形成層と光熱変換層との間の結合力が、低減され、熱転写シート上に積層配置した受像シート上に、高精細な画像が形成される。前記熱転写シートを用いた画像形成方法は、所謂「アブレーション」を利用しており、具体的には、レーザー光の照射を受けた領域で、熱剥離層が一部分解し、気化するため、その領域での画像形成層と光熱変換層との間の接合力が弱まり、その領域の画像形成層が上に積層した受像シートに転写される現象を利用している。
これらの画像形成方法は、受像シートが転写した画像を、最終画像担持体に再転写することにより、一定の粗さを持ち、直接印字では高精細な画像が得られない紙にも高解像度画像を形成することができる点、色の異なる画像を次々と受像シート上に転写することによって多色画像が容易に得られること等の利点を有し、レーザー光を用いることにより高精細な画像が容易に得られるという利点を有し、カラープルーフ(DDCP:ダイレクト・ディジタル・カラープルーフ)を作製するのに有用である。
ところでレーザー熱転写画像形成方法を用いたプルーフとしては上記のような紙に対する印刷だけでなく、軟包装、バックライトポスターなど、透明基材に裏刷りで印刷し、基材側から画像を見るような印刷物に対するプルーフを作成するニーズがある。この場合、インクシートと受像シートを重ね合わせ、画像転写を行った後、透明な最終画像担持体に画像を再転写して所望のプルーフを得ることができる。
レーザー光を使った熱転写記録材料はインク層の下に光熱変換層を有するため、転写画像に光熱変換色素がアブレーションしたり、インク層に光熱変換色素がマイグレートして色にごりの発生、画像欠陥の発生、高精細な画像が得られない等の問題があった。
特に形成した画像を、透明基材を通して鑑賞する印刷物の場合、鑑賞者が目にする側が、インク層と光熱変換層の界面側になるので、紙等への画像形成よりも色にごりが目立ちやすいという問題もあった。さらに、このような印刷物は通常白インクのベタ画像を白地として用いるため、色にごりが非常に目立ち、問題を生じている。
特開2002−86938号公報 特開平5−58045号公報 特開平6−219052号公報
画像欠陥、色にごりが無く、細線再現性に優れた、レーザー熱転写画像形成方法、熱転写インクシート及び受像シートを提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
(請求項1)
熱転写インクシート、受像シートを用いてレーザー溶融熱転写方式によって画像を形成するレーザー熱転写画像形成方法において、画像記録密度が2000dpi(dpiとは2.54cm当たりのドットの数をいう)以上であり、熱転写インクシートが支持体、光熱変換層、光熱変換層の上層にインク層を有し、350〜650nmにおける受像シートの透過率が85%以上であることを特徴とするレーザー熱転写画像形成方法。
(請求項2)
作成する画像が、2以上の色の熱転写インクシートを順次受像シートと重ね合わせて画像を形成する多色画像であり、その中の1色が白色顔料を用いた白色熱転写インクシート(白色インクシート)であり、かつ白色熱転写インクシートを受像シートに転写したときの350〜650nmにおける透過率が70%以下であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー熱転写画像形成方法。
(請求項3)
すべての色を転写した後、保護層、または保護フィルムをラミネートすることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザー熱転写画像形成方法。
(請求項4)
細線再現性幅が20μm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のレーザー熱転写画像形成方法。
(請求項5)
請求項1〜3の何れか1項に記載のレーザー熱転写画像形成方法に用いられる熱転写インクシートにおいて、光熱変換層に有機光熱変感材を含有することを特徴とする熱転写インクシート。
(請求項6)
請求項1〜3の何れか1項に記載のレーザー熱転写画像形成方法に用いられる受像シートにおいて、支持体上にバックコート層と受像層を持つことを特徴とする受像シート。
本発明によるレーザー熱転写画像形成方法、熱転写インクシート及び受像シートは、画像欠陥、色にごりが無く、細線再現性に優れた効果を有する。
<感材構成>
(受像シート支持体)
本発明に好ましく用いられる画像形成材料である受像シートの支持体としては、360〜650nmの透過率が85%以上が必要で、好ましくは90%以上が望まれる。例えば、透明塩化ビニル系樹脂シート、ABS樹脂シート、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、延伸ナイロンフィルム、ポリアセテートフィルム等の単層あるいはそれらを2層以上積層した各種プラスチックフィルムないしシートが挙げられる。これらの中ではポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンが好ましく、特に寸法安定性の点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、これらの支持体は、熱収縮が横は0.01〜5%が好ましく、縦は0.01〜5%(JIS−C−2323)が好ましい。さらに好ましくは横縦がそれぞれ0.3〜2%、1.2〜2%の範囲である。また、支持体の引っぱり強度は横が5〜30kg/mm、縦が10〜35kg/mmが好ましく、特に好ましいのは横縦がそれぞれ13〜22kg/mm、15〜22kg/mmの範囲である。これらの支持体には、寸法安定化、帯電防止等の各種加工を施すこともできる。帯電防止剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子の他、「11290の化学商品」化学工業日報社、875〜876頁等に記載の化合物などが広く用いられる。
また従来公知の表面改質技術が好適に使用できる。
接着処理としては、火焔放射処理、硫酸処理、コロナ放電処理、プラズマ処理などが挙げられる。また接着層を予め支持体に塗布した支持体を使用することも好ましい。
(受像層)
次に受像層について説明する。受像層は、バインダーと必要に応じて添加される各種添加剤から成る。受像層は、TMA測定による軟化点が100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下である。受像層バインダーの具体例としては、ポリ酢酸ビニルエマルジョン系接着剤、クロロプレン系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等の接着剤、天然ゴム、クロロプレンゴム系、ブチルゴム系、ポリアクリル酸エステル系、ニトリルゴム系、ポリサルファイド系、シリコーンゴム系、石油系樹脂などの粘着材、再生ゴム、SBR、ポリブタジエン樹脂、ポリイソプレン、ポリビニルエーテル、アイオノマー樹脂、SIS、SEBS、アクリル樹脂、エチレン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)、塩ビグラフトEVA樹脂、EVAグラフト塩ビ樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン共重合体、酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、各種変性オレフィン、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、マレイン酸樹脂、ヒドロキシスチレン共重合体、スルフォンアミド樹脂、セルロース樹脂、ナイロン樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等が挙げられる。
本発明において特に好ましいバインダーは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン共重合体、酢酸ビニル共重合体である。上記バインダーを単独で使用しても良く、また2種以上混合して使用しても良い。
受像層はマット剤を含有することが好ましい。マット剤の素材としては、後述のバックコート層に使用されるものが同様に好適に使用できる。マット剤の数平均粒径は、受像層のマット剤の存在しない部分の平均膜厚より0.3〜10.0μm大きいことが好ましく、更に好ましくは0.3〜8.0μm大きいものが良い。中でも1〜5.5μm大きいものが有効で特に好ましい。0.3μm未満のものではカブリ及びガス除去性に対する効果が小さく、10.0μmを越えるものでは感度が劣化する。なお、数平均粒径の2倍以上の粒子質量が20%以下である分布を有するものが好ましく、数平均粒径の2倍以上の粒子質量が5%以下である分布を有するものがより好ましい。数平均粒径の2倍以上の粒子質量が20%以下である分布を有するものは、圧力が均一に緩和されるので、ブロッキングなどの保存性劣化が防止される。数平均粒径の2倍以上の粒子質量が5%以下である分布を有するものを用いると、保存性の点で更に好ましい。このようなマット剤を選択した場合、受像層のバインダー膜厚を3.0μm以上にすると、マット剤が多すぎて黄色味を帯びた画像になってしまうため、受像層のバインダー膜厚は0.8〜3.0μmが好ましい。
受像層表面のマット剤の分布も重要である。受像層上のマット剤の個数が200〜2400個/mm2であることが好ましい。更に、マット剤が真球状であることがマット剤添加による性能向上を効果的にする。真球状とは、マット剤粒子を顕微鏡などで観察した時の形状がほぼ球状で、長径と短径の差が20%以下程度のことを指す。受像層のマット剤付量は、0.6〜4g/m2であることが好ましく、より好ましくは1〜3g/m2である。受像層も支持体同様透明性が高いことが望まれる。好ましくは360〜650nmの透過率が90%以上、より好ましくは95%以上である。
本発明の受像シートは必要に応じてさらに、熱軟化層、を設けることができる。
本発明の請求項4の発明は請求項1〜3の何れか1項に記載のレーザー熱転写画像形成方法であり、細線再現性幅が20μm以下であることを特徴としており、3〜20μmであることが細線再現性より好ましい。
(熱軟化層)
次に本発明に好ましく用いられる画像形成材料である受像シートの熱軟化層について説明する。熱軟化層は、常温では流動性はなく弾性を示し、軟化温度を越えるような高温領域では、顕著な流動性を示すものが好ましい。熱軟化層はTMA(Thermomechanical Analysis)軟化点が30〜100℃であることが好ましく、より好ましくは40〜80℃である。さらに、特願平11−243093号で規定される融点が80℃〜150℃であることが好ましく、中でも融点とTMA軟化点の差が50℃未満であることが特に好ましく、40℃未満であることがもっとも好ましい。
熱軟化層の好ましい特性は必ずしも素材の種類のみで規定できるものではなく、分子量や分子量分布、結晶構造等の影響を受けるが、樹脂として熱物性が好ましいものは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、塩ビ−酢ビ共重合体、塩化ビニルとポリビニルアルコールとの共重合体、酢酸ビニルとマレイン酸との共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、ポリイソプレン樹脂(IR)、スチレン−イソプレン共重合体(SIS)、ブチルゴム等の合成ゴム、塩化ゴム、アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリノルボルネン等が挙げられる。
これらの中で、特にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体、塩化ビニルとポリビニルアルコールとの共重合体、酢酸ビニルとマレイン酸との共重合体が好適である。
(バックコート層)
本発明では、前記支持体の裏面(受像層を設けた表面とは反対側の面)に、搬送性、耐熱性、帯電防止等の機能を付与するために、バックコート層を設けることが好ましい実施態様である。また、バックコート層を設けることで画像欠陥、画像の品質安定性にも効果がある。
バックコート層にはバインダー樹脂のほか、マット材、帯電防止剤、界面活性剤、等を添加することができる
バックコート層に用いられるバインダーとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルセルロース、芳香族ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、テフロン(R)樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセテート、ポリカーボネート、有機硼素化合物、芳香族エステル類、フッ化ポリウレタン、ポリエーテルスルホンなど汎用ポリマーを使用することができる。
マット材は受像層に用いるマット材を用いることができる。
帯電防止剤は帯電防止剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子の他、「11290の化学商品」化学工業日報社、875〜876頁等に記載の化合物などが広く用いられる。
(インクシート)
本発明に好ましく用いられる画像形成材料であるインクシートは、光熱変換機能およびインク(色材)転写機能を有するフィルムであり、支持体の一方の表面に、少なくとも光熱変換機能を有する光熱変換層及びインク層を有してなり、この両機能を同一の層に付与することも可能である。必要に応じてこれらの層と支持体との間にクッション層、剥離層等を、また必要に応じてこれらと反対の表面に、バックコート層を有することができる。
(インクシート用支持体)
支持体としては、剛性を有し、寸法安定性が良く、平滑性に優れ、画像形成の際の熱に耐えるものならば何でもよく、具体的には、紙、コート紙、合成紙(ポリプロピレン、ポリスチレン、もしくは、それらを紙と貼り合せた複合材料)等の各種紙類、塩化ビニル系樹脂シート、ABS樹脂シート、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、シンジオタクチックポリスチレン、延伸ナイロンフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム等の単層あるいはそれらを2層以上積層した各種プラスチックフィルムないしシート、各種の金属で形成されたフィルムないしシート、各種のセラミックス類で形成されたフィルムないしシート、更には、アルミニウム、ステンレス、クロム、ニッケル等の金属板、樹脂コーティングした紙に金属の薄膜をラミネートまたは蒸着したものが挙げられる。
これらの支持体には、寸法安定化、帯電防止等の各種加工を施すこともできる。帯電防止剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子の他、「11290の化学商品」化学工業日報社、875〜876頁等に記載の化合物などが広く用いられる。
さらに、これらの支持体には、従来公知の表面改質処理を行ってもよい。これらの表面改質処理としては、火焔放射処理、硫酸処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理などが挙げられる。また、後述の各層が良好に支持体上に塗布されるために前記支持体の上に接着層を設けてもよい。
接着層としては、従来公知の物が特に制限なく使用できる。接着層を設ける方法としては、水系樹脂塗布、溶剤系樹脂塗布、水系ラテックス塗布、ホットメルト塗布などが挙げられる。
一般的には、支持体作製時に接着層を設けることが、コスト、安定性等の面から有利であり、この点から例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン/酢酸ビニル樹脂などのラテックスを塗設する方法が好ましいが、特にこれに限定されない。この様な接着層付のベースフィルムが各社から発売されており、本発明においてはこれらを好適に使用することができる。
レーザー光を転写材料側から照射して画像を形成するのであれば、転写材料の支持体は透明であることが望ましい。重ね合わせの容易さから、転写材料の支持体の厚みは受像シートのそれより薄いことが好ましく、一般には30〜150μm程度が好ましく、更に好ましくは50〜100μmである。
(バックコート層)
インクシートのバックコート層に用いられるバインダーとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルセルロース、芳香族ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、テフロン(R)樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセテート、ポリカーボネート、有機硼素化合物、芳香族エステル類、フッ化ポリウレタン、ポリエーテルスルホンなど汎用ポリマーを使用することができる。バックコート層のバインダーとして架橋可能な水溶性バインダーを用い、架橋させることは、マット剤の粉落ち防止やバックコートの耐傷性の向上に効果がある。また、保存時のブロッキングにも効果が大きい。この架橋手段は、用いる架橋剤の特性に応じて、熱、活性光線、圧力の何れか一つまたは組合せなどを特に限定なく採用することができる。場合によっては、支持体への接着性を付与するため、支持体のバックコート層を設ける側に任意の接着層を設けてもよい。
また、バックコート層にはマット剤を含有させることが好ましい。バックコート層に好ましく添加されるマット剤としては、有機又は無機の微粒子が使用できる。有機系マット剤としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他のラジカル重合系ポリマーの微粒子、ポリエステル、ポリカーボネートなど縮合ポリマーの微粒子などが挙げられる。バックコート層は0.5〜5g/m2程度の付量で設けられることが好ましい。0.5g/m2未満では塗布性が不安定で、マット剤の粉落ち等の問題が生じ易い。また、5g/m2を大きく超えて塗布されると好適なマット剤の粒径が非常に大きくなり、保存時にバックコートによるインク層面のエンボス化が生じ、特に薄膜のインク層を転写する熱転写では記録画像の抜けやムラが生じ易くなる。マット剤は、その数平均粒径が、バックコート層のバインダーのみの膜厚よりも1〜20μm大きいものが好ましい。マット剤の中でも、2μm以上の粒径の粒子が1mg/m2以上が必要で、好ましくは2〜600mg/m2である。これによって特に異物故障が改善される。また、粒径分布の標準偏差を数平均粒径で割った値σ/rn(=粒径分布の変動係数)が0.3以下となるような、粒径分布の狭いものを用いることで、異常に大きい粒径を有する粒子により発生する欠陥を改善できる上、より少ない添加量で所望の性能が得られる。この変動係数は0.15以下であることが更に好ましい。
バックコート層には、シート供給時の搬送ロールとの摩擦帯電による異物の付着を防止するため、帯電防止剤を添加することが好ましい。帯電防止剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子の他、「11290の化学商品」化学工業日報社、875〜876頁等に記載の化合物などが広く用いられる。バックコート層に併用できる帯電防止剤としては、上記の物質の中でも、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫などの金属酸化物、有機半導体などの導電性微粒子が好ましく用いられる。特に、導電性微粒子を用いることは、帯電防止剤のバックコート層からの解離がなく、環境によらず安定した帯電防止効果が得られるために好ましい。また、バックコート層には、塗布性や離型性を付与するために、各種活性剤、シリコーンオイル、フッ素系樹脂等の離型剤などを添加することも可能である。バックコート層は、クッション層及び受像層のTMAにより測定した軟化点が70℃以下である場合に特に好ましい。
(クッション層)
支持体と光熱変換層の間には露光時の記録材料と受像材料の密着性を高めるためにクッション層を有するか、もしくはクッション性のある支持体を用いるのが好ましい。
クッション層はインクシート(記録媒体)と受像シート(受像媒体)との密着を増す目的で設けられる。このクッション層は熱軟化性又は弾性を有する層であり、加熱により十分に軟化変形しうるもの、又は低弾性率を有する材料あるいはゴム弾性を有する材料を使用すればよい。クッション層はクッション性を有する層であり、ここで言うクッション性を表す指針として、弾性率や針入度を利用することができる。例えば、25℃における弾性率が1〜250kg/mm2程度の、あるいは、JIS−K−2530−1976に規定される針入度が15〜500、更に好ましくは30〜300程度の層が、色校正用カラープルーフ画像の形成に対して好適なクッション性を示すことが確認されているが、要求される程度は目的とする画像の用途に応じて変わるため、適宜選択することができる。クッション層はTMA軟化点が70℃以下であることが好ましく、より好ましくは60℃以下である。
クッション層の好ましい特性は必ずしも素材の種類のみで規定できるものではないが、素材自身の特性が好ましいものとしては、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、ポリイソプレン樹脂(IR)、スチレン−イソプレン共重合体(SIS)、アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ブチルゴム、ポリノルボルネン等が挙げられる。
これらの中でも、比較的低分子量のものが好ましい要件を満たし易いが、素材との関連で必ずしも限定できない。クッション層は溶剤塗布により設けることができるが、ラテックスやエマルジョンのような水系の分散物の状態で塗布形成することも可能である。この他、水溶性樹脂も使用できる。これらの樹脂は、必要によって単独又は混合して用いることができる。
また、上記以外の素材でも、各種添加剤を加えることによりクッション層に好ましい特性が付与できる。このような添加剤としては、ワックス等の低融点物質、可塑剤などが挙げられる。
具体的にはフタル酸エステル、アジピン酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸エステル、燐酸エステル、塩素化パラフィン等が挙げられる。また、例えば「プラスチックおよびゴム用添加剤実用便覧」、化学工業社(昭和45年発行)などに記載の各種添加剤を添加することができる。これら添加剤の添加量等は、ベースとなるクッション層素材との組合せで好ましい物性を発現させるのに必要な量を選択すればよく、特に限定されないが一般的に、クッション層素材量の10質量%以下、更に5質量%以下が好ましい。
クッション層の形成方法としては、前記素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分散したものを、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター等の塗布法、ホットメルトによる押出しラミネーション法などが適用できる。また、特殊なクッション層として熱軟化性あるいは熱可塑性の樹脂を発泡させたボイド構造の樹脂層を用いることも可能である。クッション層の膜厚は0.5〜10μmが好ましく、より好ましくは1〜7μmである。
(光熱変換層)
光熱変換層とは、光熱変換機能を有する層のことである。インク層中に光熱変換物質を添加できる場合は、特に光熱変換層を必要としないが、光熱変換物質が実質的に透明でない場合、転写画像の色再現性を考慮してインク層とは別に光熱変換層を設けることが望ましい。光熱変換層は、支持体とインク層との間、より好ましくはクッション層とインク層との間に設けるのが好ましい。光熱変換層におけるバインダーとしては、ガラス転移点Tgが高く熱伝導率の高い樹脂、例えばポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリスチレン、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アラミド等の一般的な耐熱性樹脂や、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレン・スルフィド類、ポリピロール類、および、これらの誘導体または、これらの混合物からなるポリマー化合物を使用することができる。
また、光熱変換層におけるバインダーとしては、水溶性ポリマーも用いることができる。水溶性ポリマーはインク層との剥離性も良く、また、レーザー照射時の耐熱性が良く、過度な加熱に対しても飛散が少ない点で好ましい。水溶性ポリマーを用いる場合には、光熱変換物質を水溶性に変性(スルホ基の導入等により)したり、水系分散することが望ましい。
また、光熱変換層へ各種の離型剤を含有させることで、光熱変換層とインク層との剥離性を上げ、感度を向上することもできる。離型剤としては、シリコーン系の離型剤(ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイルなど)、フッ素系の界面活性剤(パーフルオロ燐酸エステル系界面活性剤)、その他、各種界面活性剤等が有効である。光熱変換物質を使用する場合、光源によっても異なるが、光を吸収し効率良く熱に変換する物質がよく、例えば半導体レーザーを光源として使用する場合、近赤外に吸収帯を有する物質が好ましく、近赤外光吸収剤としては、例えばカーボンブラックやシアニン系、ポリメチン系、アズレニウム系、スクワリウム系、チオピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系色素等の有機化合物、フタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系の有機金属錯体などが好適に用いられ、具体的には特開昭63−139191号、同64−33547号、特開平1−160683号、同1−280750号、同1−293342号、同2−2074号、同3−26593号、同3−30991号、同3−34891号、同3−36093号、同3−36094号、同3−36095号、同3−42281号、同3−97589号、同3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
光熱変換層の膜厚は0.1〜3μmが好ましく、より好ましくは0.2〜1.0μmである。光熱変換層における光熱転換物質の含有量は、通常、画像記録に用いる光源の波長での吸光度が0.3〜3.0、更に好ましくは0.7〜2.5になるように決めることができる。
光熱変換層としてカーボンブラックを用いた場合、光熱変換層の膜厚が1μmを超えると、インク層の過熱による焦付きが起こらない代わりに感度が低下する傾向にあるが、照射するレーザーのパワーや光熱変換層の吸光度により変化するため適宜選択すればよい。
光熱変換層としては、この他にも蒸着層を使用することも可能であり、カーボンブラック、特開昭52−20842号に記載の金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、アンチモン、テルル、ビスマス、セレン等のメタルブラックの蒸着層の他、周期律表のIb、IIb、IIIa、IVb、Va、Vb、VIa、VIb、VIIbおよびVIII族の金属元素、並びにこれらの合金、またはこれらの元素とIa、IIa及びIIIb族の元素との合金、あるいはこれらの混合物の蒸着層が挙げられ、特に望ましい金属にはAl、Bi、Sn、InまたはZnおよびこれらの合金、またはこれらの金属と周期律表のIa、IIa及びIIIb族の元素との合金、またはこれらの混合物が含まれる。
適当な金属酸化物または硫化物には、Al、Bi、Sn、In、Zn、Ti、Cr、Mo、W、Co、Ir、Ni、Pb、Pt、Cu、Ag、Au、ZrまたはTeの化合物、またはこれらの混合物がある。また更に、金属フタロシアニン類、金属ジチオレン類、アントラキノン類の蒸着層も挙げられる。蒸着層の膜厚は、500オングストローム以内が好ましい。なお、光熱変換物質はインク層の色材そのものでもよく、また、上記のものに限定されず、様々な物質が使用できる。光熱変換層が支持体下層との接着性に劣る場合は、光照射時あるいは熱転写後に、受像シートから転写材料を剥離する際、膜剥がれを起こし、色濁りを起こすことがあるので、支持体下層との間に接着層を設けることも可能である。
接着層としては、インク転写時のインク剥離強度よりも、インク転写時の光熱変換層及び接着層と支持体下層との接着力が大きい組み合わせになるように素材を選ぶ必要がある。一般的には、ポリエステル、ウレタン、ゼラチンなどの従来公知の接着剤が使用できる。
また、同様な効果を得るために、接着層を設ける代わりに支持体下層に粘着付与剤、接着剤を添加することもできる。接着層に熱軟化性や熱可塑性が乏しい場合、熱軟化性の効果が低減するので、接着層はできるだけ薄い方が好ましい。好ましい膜厚は0.5μm以下であるが、接着層が熱軟化層の目的を果たすことができればこの限りではない。
(インク層)
インク層は主として着色剤とバインダーから成る。レーザー溶融熱転写法において、インク層は、加熱時に溶融又は軟化して着色剤とバインダー等を含有する層毎転写可能である層であり、完全な溶融状態で転写しなくてもよい。
上記着色剤としては、例えば無機顔料(二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄ならびに鉛、亜鉛、バリウム及びカルシウムのクロム酸塩等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料及びその誘導体、キナクリドン顔料等)などの顔料ならびに染料(酸性染料、直接染料、分散染料、油溶性染料、含金属油溶性染料又は昇華性色素等)を挙げることができる。
例えばカラープルーフ材料とする場合、イエロー、マゼンタ、シアンがそれぞれ、C.I.21095又はC.I.21090,C.I.15850:1,C.I.74160の顔料が好ましく用いられる。インク層における着色剤の含有率は、所望の塗布膜厚で所望の濃度が得られるように調整すればよく、特に限定されないが、通常5〜70質量%の範囲内にあり、好ましくは10〜60質量%である。
本発明では、白色のインクシートを用いることが好ましい。白色インクシートは開2002−86938、開2001−253170、開2001−150882に示される方法で作成することができる。同様にして、メタリック画像用インクシートの作成も可能である。
白色インクシートの透過率は70%以下であれば良好な画像が得られ、好ましくは1〜70%である。
インク層のバインダーとしては、熱溶融性物質、熱軟化性物質、熱可塑性樹脂等を挙げることができる。熱溶融性物質は、通常、柳本MJP−2型を用いて測定した融点が40〜150℃の範囲内にある固体又は半固体の物質である。具体的には、カルナウバ蝋、木蝋、オウリキュリー蝋、エスパル蝋等の植物蝋;蜜蝋、昆虫蝋、セラック蝋、鯨蝋等の動物蝋;パラフィンワックス、マイクロクリスタルワックス、ポリエチレンワックス、エステルワックス、酸ワックス等の石油蝋;並びにモンタン蝋、オゾケライト、セレシン等の鉱物蝋等のワックス類を挙げることができ、更にこれらのワックス類などの他に、パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸;パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、マルガニルアルコール、ミリシルアルコール、エイコサノール等の高級アルコール;パルミチン酸セチル、パルミチン酸ミリシル、ステアリン酸セチル、ステアリン酸ミリシル等の高級脂肪酸エステル;アセトアミド、プロピオン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アミドワックス等のアミド類;並びにステアリルアミン、ベヘニルアミン、パルミチルアミン等の高級アミン類などが挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、エチレン系共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ロジン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アイオノマー樹脂、石油系樹脂、および特開平6−312583号に記載のインク層バインダー用樹脂等が挙げられ、特に、融点又は軟化点が70〜150℃の樹脂が好ましく用いられる。
また、本発明では上記の熱可塑性樹脂以外に天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ジエン系コポリマー等のエラストマー類;エステルガム、ロジンマレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、水添ロジン等のロジン誘導体;並びにフェノール樹脂、テルペン樹脂、シクロペンタジエン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂等の高分子化合物などを用いることもできる。
上記熱溶融性物質及び熱可塑性物質を適宜に選択することにより、所望の熱軟化点あるいは熱溶融点を有する熱転写性を有するインク層を形成することができる。本発明においては、熱分解性の高いバインダーを使用することにより、アブレーション転写により画像形成も可能である。かかるバインダーとしては、平衡条件下で測定されたときに望ましくは200℃以下の温度で急速な酸触媒的部分分解を起こすポリマー物質が挙げられ、具体的にはニトロセルロース類、ポリカーボネート類およびJ.M.J.フレチェット(Frechet)、F.ボーチャード (Bouchard)、J.M.ホーリハン(Houlihan)、B.クリクズク(Kryczke)およびE.エイクラー(Eichler)、J.イメージング・サイエンス(Imaging Science)、30(2)、59〜64頁(1986)に報告されているタイプのポリマー類、およびポリウレタン類、ポリエステル類、ポリオルトエステル類、およびポリアセタール類、並びにこれらの共重合体が含まれる。また、これらのポリマーは、その分解メカニズムと共に、上述のホーリハン等の報告書により詳細に示されている。
顔料の粒径を揃えることで高濃度が得られることは特開昭62−158092号に開示されているが、顔料の分散性を確保し、良好な色再現を得るために、各種分散剤を使用することが有効である。
その他の添加剤としては、インク層の可塑化により感度アップを図る可塑剤の添加、インク層の塗布性を向上させる界面活性剤の添加、インク層のブロッキングを防止するサブミクロンからミクロンオーダーの粒子(マット剤)の添加が可能である。
好ましいインク層の厚さは0.2〜2μm、更に好ましくは0.3〜1.5μmである。特に、0.8μm以下とすることで高感度が得られることが確認されているが、使用するバインダーや着色剤の種類、その混合比などによりインク層の薄膜転写性が異なるので、最適な膜厚範囲は感度と解像度のバランス、その他所望の画像再現性能により選択する。
本発明においては、解像度は2000dpiであり、好ましくは2400〜4000dpiである。
即ち、高品質の画像を得るためには、解像度は2000dpiが必要で、4000dpiを超えると目視では解像度の効果は小さい。
<ラミネート材>
本発明の1態様として、画像を形成した受像シートの膜面保護のために、受像層側にラミネート材を転写することができる。最も簡単な構成のラミネート材は、塩化ビニル系樹脂シート、ABS樹脂シート、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、延伸ナイロンフィルム、ポリアセテートフィルム等の単層あるいはそれらを2層以上積層した各種プラスチックフィルムないしシート等の透明プラスチックそのものをラミネート材として用いることができる。これらプラスチックフィルムは、受像シートの受像層と熱圧着し、インク膜面を擦り傷等から保護することができる。これらの中ではポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンが好ましく、特に寸法安定性の点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。
またこれらの支持体は、熱収縮が横は0.01〜5%が好ましく、縦は0.01〜5%(JIS−C−2323)が好ましい。さらに好ましくは横縦がそれぞれ0.3〜2%、1.2〜2%の範囲である。また、支持体の引っぱり強度は横が5〜30kg/mm、縦が10〜35kg/mmが好ましく、特に好ましいのは横縦がそれぞれ13〜22kg/mm、15〜22kg/mmの範囲である。これらの支持体には、寸法安定化、帯電防止等の各種加工を施すこともできる。
帯電防止剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子の他、「11290の化学商品」化学工業日報社、875〜876頁等に記載の化合物などが広く用いられる。また従来公知の表面改質技術が好適に使用できる。
また、これらのラミネート材は接着性を補うために接着処理としては、火焔放射処理、硫酸処理、コロナ放電処理、プラズマ処理などが挙げられる。また接着層を予め支持体に塗布した支持体を使用することも好ましい。
ラミネート材のもうひとつの構成としては、支持体上に剥離可能な保護層をもうけ、受像シートと熱圧着後支持体をはがし、保護層のみを受像シートに貼合する方法がある。この場合、ラミネート材の支持体は熱転写インクシートに用いられるものと同様の支持体を用いることができる。保護層はラミネート後透明になる樹脂層であることが好ましく、熱可塑性を持つことが好ましい。保護層のほかに、受像層との接着性を補う接着層、支持体との離型性を得るための離型層等を設けることもできる。作業としては煩雑になるが、保護層の厚さをできるだけ薄くしたい場合は、こちらの構成を選択することが好ましい。
尚、図1は本発明に用いられる画像記録装置の一例を示す概略構成図である。
この画像記録装置1には、装置本体2内に、シート供給部10、搬送部20、記録部30が備えられている。シート供給部10には、ロール状のインク材料11及びロール状の受像材料12が装填されている。この実施例では、YMCKの各色のインク材料11が装填されている。また、シート供給部10には、供給ローラ14が備えられ、それぞれのインク材料11及び受像材料12を搬送部20に送り出す。
搬送部20には、カッター21及び搬送ローラ対22が配置され、供給ローラ14により送出されるインク材料11及び受像材料12をカッター21で切断する。搬送ローラ対22は回転により切断されたシート状のインク材料11及び受像材料12を記録部30に搬送する。
記録部30には、ドラム状の支持体31、記録ヘッド32が備えられている。支持体31は回転可能に設けられ、この支持体31の周囲にローラ33が配置され、ドラム31に巻回されるインク材料11及び受像材料12のスクイズ及び押圧を行なう。記録ヘッド32としては、LDやサーマル等の熱ヘッド、またはLED発光が用いられる。また、記録ヘッド32は、フォーカス距離を調整可能になっている。
この画像記録装置1では、支持体31上に受像材料12を巻回し、この受像材料12の受像層にインク材料11のインク層を重ねて巻回する。記録ヘッド32により画像情報に対応して熱を与えて多色画像を受像材料12に転移記録する。
搬送部20には、搬送方向に沿って規制部材40が配置され、この規制部材40は、搬送ローラ対22と支持体31との間に位置している。規制部材40で受像材料12の両端部を規制して受像材料12を支持体31へ供給する。搬送ローラ対22と支持体31との間に受像材料12の搬送方向に沿った両端を規制する規制部材40を設けており、受像材料12の受像層を内側に巻いた場合には、カ−ルの影響を受けずに支持体31へ確実に供給可能となる。受像層を内側に巻き回されている受像材料12は、支持体に反するカールを有するため、規制部材40を設けることでカールの影響を受けにくくすることができ、搬送性が向上するとともに巻き癖により記録画像に欠陥が生じることを防止することができる。また、受像材料12の画像領域ではない両端部に規制部材40が接するため、規制部材40と受像材料12との間で擦れが生じても画像に影響は及ばさない。
また、インク材料11を搬送する時に、インク材料11のインク層を内側にして巻いた場合でも、インク材料11の両端部を規制部材40が規制してインク材料11を円滑に搬送することができ搬送性が向上する。インク層が内側に巻き回されているインク材料11は、支持体に反するカールを有するため、規制部材を設けることでカールの影響を受けにくくすることができ、確実に支持体31に巻回された受像材料12に重ねるように供給することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものでは無い。
(実施例1)
<熱転写シートの作製>
−支持体表面への光熱変換層の形成−
支持体として、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(中心線平均粗さRa=0.04μm)を準備し、その一方の表面上に上記より得た光熱変換層用塗布液を回転塗布機(ホワイラー)を用いて塗布した後、該塗布物を120℃のオープン中で2分間乾燥して該支持体上に光熱変換層を形成した。得られた光熱変換層は、波長700〜1000nm付近で830nm付近に吸収極大を有し、その吸光度(光学密度;OD)を測定したところ、OD=1.0(レーザ光吸収率90%)であった。層厚は、走査型電子顕微鏡により光熱変換層の断面を観察したところ平均で0.3μmであった。
−白色熱転写インク層を有する熱転写シートの作製−
支持体上に設けた光熱変換層上に、下記白色熱転写インク層用塗布液(1)を上記光熱変換層を塗布した支持体上に、上記白色熱転写インク層用塗布液(1)をホワイラーにより1分間塗布した後、該塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥することにより、白色熱転写インク層を有する、本発明の白色熱転写シート(1)を作製した。前記熱転写層の断面を走査型電子顕微鏡により測定したところ、その層厚は平均で0.7μmだった。
白色熱転写インク層用塗布液(1)
ポリビニルブチラール 65部
(デンカブチラール#2000−L,ビカット軟化点57℃、電気化学工業(株)製)
二酸化チタン ・・・ 30部
(アナターゼ型,平均粒子径0.3μm、石原産業(株)製)高分子ポリカルボン酸長鎖アミン塩 ・・・ 0.4部
(湿潤分散剤;ディスパロン#1831、楠本化成(株)製)
脂肪酸アミド ・・・ 9部
(沈降防止剤1;ディスパロン6900−20X、固形分20%、楠本化成(株)製)
酸化ポリエチレン ・・・ 26部
(沈降防止剤2;ディスパロン4200−10、固形分10%、楠本化成(株))
n−プロピルアルコール 550部
−イエロー熱転写シートの作成−
上記と同様にして、同種の別の支持体上に光熱変換層を設けた後、該層上に実施例1で調製したイエロー熱転写用塗布液を塗布、乾燥し、イエロー熱転写用インクシートを作成した
−イエロー熱転写層用塗布液−
下記組成の化合物を混合してイエロー顔料分散母液を調製した。
〔イエロー顔料分散母液の組成〕
ポリビニルブチラール 12部
(デンカブチラール#2000−L、ビカット軟化点57℃、
電気化学工業(株)製)
イエロー顔料(C.I.P.Y.14) 12部
湿潤分散剤
(ソルスパースS−20000、ICI(株)製) 0.8部
n−プロピルアルコール 110部
前記母液にガラスビーズ100gを加え、ペイントシェーカーにて2時間分散し、次いで、下記各成分をスターラーで攪拌しながら混合してイエロー熱転写層用塗布液を調製した。
〔イエロー熱転写層用塗布液〕
上記イエロー顔料分散母液 20部
n−プロピルアルコール 60部
ステアリン酸アミド 0.5部
界面活性剤 0.05部
(メガファックF−176PF、大日本インキ化学工業(株)製)
−マゼンタ、シアン又はブラック熱転写層用インクシート−
前記イエロー顔料分散母液の調製に用いたイエロー顔料の替えて、マゼンタ顔料としてC.I.P.R.57:1を、シアン顔料としてC.I.P.B.15:4を、黒色顔料としてカーボンブラック顔料(MA−100、三菱化学(株))をそれぞれ用いたこと以外、前記イエロー熱転写層用塗布液の調製の場合と同様にして、マゼンタ熱転写層用塗布液、シアン熱転写層用塗布液及びブラック熱転写層用塗布液を調製した。
Y、M、C、K熱転写シートの作製
得られた4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の熱転写層用塗布液を用いて、上記白色熱転写インク層を有する熱転写シートの作製の場合と同様にして、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの熱転写層をそれぞれ有する、熱転写シート(Y)、熱転写シート(M)、熱転写シート(C)、熱転写シート(K)を作製した。
−受像シート1の作製−
[バック層の形成]
[バック第1層塗布液の調製]
アクリル樹脂の水分散液 2部
(ジュリマーET410、固形分20質量%、日本純薬(株)製)
帯電防止剤(酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物) 7.0部
(平均粒径:0.1μm、17質量%)
ポリオキシエチレンフェニルエーテル 0.1部
メラミン化合物 0.3部
(スミチックスレジンM−3、住友化学工業(株)製)
蒸留水 合計が100部になるよう調製した。
[バック第1層の形成]
透明PETフィルムT−100、38μm(三菱ポリエステル株式会社製360〜650nmの透過率95%以上)裏面にコロナ処理を施し、バック第1層塗布液を乾燥層厚みが0.03μmになるよう塗布した後180℃で30秒間乾燥して、バック第1層を形成した。支持体の長手方向のヤング率は450Kg/mm2(≒4.4GPa)で、幅方向のヤング率は500Kg/mm2(≒4.9GPa)である。
支持体の長手方向のF−5値は、10Kg/mm2(≒98MPa)、支持体幅方向のF−5値は、13Kg/mm2(≒127.4MPa)であり、支持体の100℃、30分での熱収縮率は長手方向が0.3%で、幅方向が0.1%である。破断強度は長手方向が20Kg/mm2(≒196MPa)で、幅方向が25Kg/mm2(≒245MPa)、弾性率は400Kg/mm2(≒3.9GPa)である。
[バック第2層塗布液の調製]
ポリオレフィン 3.0部
(ケミパールS−120、27質量%、三井石油化学(株)製)
帯電防止剤(酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物) 2.0部
(平均粒径:0.1μm、17質量%)
コロイダルシリカ 2.0部
(スノーテックスC、20質量%、日産化学(株)製)
エポキシ化合物 0.3部
(ディナコールEX−614B、ナガセ化成(株)製)
蒸留水 合計が100部になるよう調製した。
[バック第2層の形成]
バック第1層の上にバック第2層塗布液を乾燥層厚が0.03μmになるよう塗布した後170℃で30秒間乾燥して、バック第2層を形成した。下記の組成のクッション層用塗布液及び受像層用塗布液を調製した。
1)クッション層用塗布液1
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(主バインダー)(「MPR−TSL」、日信化学(株)製)
可塑剤 10部
(「パラプレックスG−40」、CP.HALL.COMPANY社製)
界面活性剤(フッ素系:塗布助剤) 0.5部
(「メガファックF−177」、大日本インキ化学工業(株)製)
帯電防止剤(4級アンモニウム塩) 0.3部
(「SAT−5 Supper(IC)」、日本純薬(株)製)
メチルエチルケトン 60部
トルエン 10部
N,N−ジメチルホルムアミド 3部
2)受像層用塗布液1
ポリビニルブチラール 8部
(「エスレックBBL−SH」、積水化学工業(株)製)
帯電防止剤 0.7部
(「サンスタット2012A」、三洋化成工業(株)製)
界面活性剤 0.1部
(「メガファックF−177」、大日本インキ化学工業(株)製)
n−プロピルアルコール 20部
メタノール 20部
1−メトキシ−2−プロパノール 50部
上記に示した方法でバック層を塗布した支持体に、上記のクッション層形成用塗布液1を塗布し、塗布層を乾燥し、次に受像層用塗布液1を塗布し、乾燥した。乾燥後のクッション層の層厚が約10μm、受像層の層厚が約2μmとなるように塗布量を調節した。1週間室温で保存後、下記のレーザー光による画像記録に用いた。
受像シート2の作成
受像層塗布液2
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−102:三菱レイヨン製) 18部
シリコーン樹脂微粒子(トスパールT−130:GE東芝シリコーン製) 1.5部
シリコーンオイル(X24−8300:信越シリコーン製,樹脂分25%) 2部
n−ブタノール 28.5部
メチルエチルケトン 50部
透明PETフィルム T−100、38μm(三菱ポリエステル株式会社製 360〜650nmの透過率95%以上)にコロナ処理を行い、受像層塗布液2を受像層厚が2μmとなるように塗布量を調節しつつ塗布乾燥して受像シート2を作成した。
−受像シート3の作成−
透明PETフィルムT−100、38μm(三菱ポリエステル株式会社製 360〜650nmの透過率95%以上)にコロナ処理を行い、受像シート1と同様にしてバック層の形成を行い、ついで受像シート2と同様にして受像層の形成を行い、受像シート3を得た。
−受像シート4の作成−
透明Petフィルムをルミラー100−U95、100μm(東レ社製 透過率95%以上)に換えたほかは受像シート2と同様にして受像シート4を得た。
−転写画像の形成−
画像形成システム(画像装置)は、例えば、図1記載の記録装置としてColer Decision II EV laser−proofer(コニカミノルタグラフィックイメージング社製)を用い、本システムの画像形成シーケンス及び本システムで用いる本紙転写方法により本紙への転写画像を得た。直径1mmの真空セクション孔(3cm×8cmのエリアに1個の面密度)が開けられている直径38cmの回転ドラムに、上記で作製した受像シート(56cm×79cm)を巻き付け、真空吸着させた。次いで、61cm×84cmに切断した前記熱転写シートKを前記受像シートから均等にはみ出すように重ね、スクイーズローラーでスクイーズさせつつ、セクション孔に空気が吸引されるように密着、積層させた。セクション孔が塞がれた状態での減圧度は、1気圧に対して−150mmHg(≒81.13KPa)であった。前記ドラムを回転させ、ドラム上での積層体の表面に、外側から波長808nmの半導体レーザー光を、光熱変換層の表面で7μmのスポットになるように集光し、回転ドラムの回転方向(主走査方向)に対して、直角方向に移動させながら(副走査)、積層体へレーザー画像(画線)記録を行った。レーザー照射条件は、以下の通りである。また、本実施例で使用したレーザービームは、主走査方向に5列、副走査方向に3列の平行四辺形からなるマルチビーム2次元配列からなるレーザービームを使用した。
レーザーパワー 110mW
ドラム回転数 500rpm
副走査ピッチ 6.35μm
環境温湿度 18℃・30%、23℃・50%、26℃・65%の3条件
露光ドラムの直径は360mm以上が好ましく、具体的には380mmのものを用いた。
なお、画像サイズは515mm×728mm、解像度は2400dpiである。前記レーザー記録が終了した積層体を、ドラムから取り外し、熱転写シートKを受像シートから手で引き剥がしたところ、熱転写シートKの画像形成層の光照射領域のみが、熱転写シートKから受像シートに転写されているのが確認された。
上記と同様にして、前記熱転写シートK,熱転写シートC、熱転写シートM、及び熱転写シートY、熱転写シートWの各熱転写シートをこの順に受像シートと重ねあわせ、受像シート上に画像を転写し、多色画像を得た。評価結果を表に示す。
比較例
<受像シート5の作製(比較例1)>
まず、下記組成よりなるクッション性中間層用塗布液、受像層用塗布液を調製した。
〔クッション性中間層塗布液の組成〕
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(MPR−TSL、日信化学(株)製)
可塑剤(アジピン酸系ポリエステル) 10部
(パラプレックスG40、CP.HALL.COMPANY製)
界面活性剤 0.5部
(メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製)
帯電防止剤 0.3部
(SAT−5Super(IC),日本純薬(株)製)
溶剤(メチルエチルケトン) 60部
トルエン 10部
N,N−ジメチルホルムアミド 3部
〔受像層用塗布液5の組成〕
ポリビニルブラチール 8.0部
(エスレックB BL−SH、積水化学工業(株)製)
帯電防止剤 0.7部
(サンスタット2012A、三洋化成工業(株)製)
界面活性剤 0.1部
(メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製)
n−プロピルアルコール 20部
メタノール 20部
1−メトキン−2−プロパノール 50部
小幅塗布機を用いて、白色PET支持体(ルミラーE−68L、厚み135μm、東レ(株)製)上に、上記より得られたクッション性中間層用塗布液をその乾燥層厚が約20μmとなるように塗布、乾燥し、次いで、該層上に受像層用塗布液をその乾燥層厚が約2μmとなるように積層して塗布し、乾燥して受像シートを作製した。作製した受像シートは、ロール形態で巻き取り1週間室温下で保存し、その後評価に用いた。
受像シートへの露光順序を ホワイト→イエロー→マゼンタ→シアン→ブラックとしたほかは実施例1と同様にして受像シート上に多色画像を形成した。得られた受像シート上の一次転写画像と透明最終画像担持体ルミラー100−U95 100μm(東レ社製 透過率95%以上)を重ね合わせColor Decision II EV−LaminatorII(コニカミノルタグラフィックイメージング社製)にて2貼合したのち、手で受像シートを剥離したところ、透明最終画像担持体に多色画像が形成され、比較評価用サンプルを得ることができ下記の評価を行った。
比較例2
実施例1の熱転写インクシートの作製において、光熱変換層の上に、下記組成の中間層と塗布液を塗布し、60℃で3日間保存した後、中間層の上にインク層塗布液(実施例1と同じ塗布液)を塗布した以外は実施例1と同様の方法で画像形成を行い、性能評価した。
(中間層塗布液1)
ゼラチン 3.96部
界面活性剤(フタージェント25I:ネオス社製) 0.04部
水 86.4部
i−プロパノール 9.6部
=評価、測定方法=
(透過率測定)
各試料の非画像部及び白ベタ画像部について、分光光度計を用いて、350〜650nmの範囲について吸収スペクトルを測定し、その波長領域における平均透過率を測定した。なお、分光光度計としては、日立社製のHITACHI U−3000/3300型自己分光光度型を用いた。
<細線再現性>
上記画像画像形成方法にて、2000dpiの1dotラインアンドスペースを作成し、細線再現性を評価した。
○:ラインアンドスペースが正確に再現している
△:一部ラインが途切れているまたはラインのふとりが見られる
×:ラインが正確に再現されていない
<画像欠陥>
同一画像データによる画像サンプルをそれぞれ10枚出力し、目視で1mm以上の画像欠陥の評価をした。
○:全くなし
△:2〜5枚程度発生
×:全て発生
<色にごり>
色にごりは、光熱変換層の影響を受けない基準品との色差及び目視評価にて行った。上記調製した各色インク層塗布液を、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、厚さ0.7μmとなるよう塗布し、基準サンプルを作成した。次いで上記作製したPET上に塗布した各基準試料及び、上記画像形成方法にて作成した各色のベタ画像を測色し、基準品との色差を計算した。測定に際しては、下地にホワイトバッキングとして特菱アート127.5g/m2を5枚重ねて用い、測定装置としては、GRETAG SPM100−II(D50、2°視野標準)を用いた。
目視評価としては、ホワイトのベタ画像を目視評価し、黄変の程度を観察した。
○:黄変が見られない
△:わずかに黄変が見られる
×:黄変がはっきりわかる。
なお、評価は受像シートまたは透明最終画像担持体側を上にし、支持体を通してみた画像を評価した。
Figure 2005225024
表1から明らかなように、本発明の試料が比較の試料に比して、細線再現性、画像欠陥、色にごり共優れて居ることが分かる。
本発明に用いられる画像記録装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 画像記録装置
11 インク材料
12 受像材料
22 搬送ローラ対
31 支持体
40 規制部材

Claims (6)

  1. 熱転写インクシート、受像シートを用いてレーザー溶融熱転写方式によって画像を形成するレーザー熱転写画像形成方法において、画像記録密度が2000dpi(dpiとは2.54cm当たりのドットの数をいう)以上であり、熱転写インクシートが支持体、光熱変換層、光熱変換層の上層にインク層を有し、350〜650nmにおける受像シートの透過率が85%以上であることを特徴とするレーザー熱転写画像形成方法。
  2. 作成する画像が、2以上の色の熱転写インクシートを順次受像シートと重ね合わせて画像を形成する多色画像であり、その中の1色が白色顔料を用いた白色熱転写インクシート(白色インクシート)であり、かつ白色熱転写インクシートを受像シートに転写したときの350〜650nmにおける透過率が70%以下であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー熱転写画像形成方法。
  3. すべての色を転写した後、保護層、または保護フィルムをラミネートすることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザー熱転写画像形成方法。
  4. 細線再現性幅が20μm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のレーザー熱転写画像形成方法。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載のレーザー熱転写画像形成方法に用いられる熱転写インクシートにおいて、光熱変換層に有機光熱変感材を含有することを特徴とする熱転写インクシート。
  6. 請求項1〜3の何れか1項に記載のレーザー熱転写画像形成方法に用いられる受像シートにおいて、支持体上にバックコート層と受像層を持つことを特徴とする受像シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011098539A (ja) * 2009-11-09 2011-05-19 Lintec Corp 熱転写インク受容体および熱転写記録用粘着シート
JP2014198456A (ja) * 2013-03-13 2014-10-23 大日本印刷株式会社 クリアファイルの製造方法及び製造装置

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