JP2001168569A - 電子部品用冷却装置 - Google Patents

電子部品用冷却装置

Info

Publication number
JP2001168569A
JP2001168569A JP2000059202A JP2000059202A JP2001168569A JP 2001168569 A JP2001168569 A JP 2001168569A JP 2000059202 A JP2000059202 A JP 2000059202A JP 2000059202 A JP2000059202 A JP 2000059202A JP 2001168569 A JP2001168569 A JP 2001168569A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
cooling device
electronic component
aluminum
cooling jacket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000059202A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Okada
安弘 岡田
Akihiro Shibuya
彰弘 渋谷
Tatsuya Fujiyoshi
達也 藤吉
Makoto Tajima
誠 田島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Marelli Corp
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Calsonic Kansei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Calsonic Kansei Corp filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2000059202A priority Critical patent/JP2001168569A/ja
Publication of JP2001168569A publication Critical patent/JP2001168569A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/42Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
    • H01L2224/4805Shape
    • H01L2224/4809Loop shape
    • H01L2224/48091Arched
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/73Means for bonding being of different types provided for in two or more of groups H01L2224/10, H01L2224/18, H01L2224/26, H01L2224/34, H01L2224/42, H01L2224/50, H01L2224/63, H01L2224/71
    • H01L2224/732Location after the connecting process
    • H01L2224/73251Location after the connecting process on different surfaces
    • H01L2224/73265Layer and wire connectors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/10Details of semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/11Device type
    • H01L2924/13Discrete devices, e.g. 3 terminal devices
    • H01L2924/1301Thyristor
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/10Details of semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/11Device type
    • H01L2924/13Discrete devices, e.g. 3 terminal devices
    • H01L2924/1304Transistor
    • H01L2924/1305Bipolar Junction Transistor [BJT]
    • H01L2924/13055Insulated gate bipolar transistor [IGBT]
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/19Details of hybrid assemblies other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/191Disposition
    • H01L2924/19101Disposition of discrete passive components
    • H01L2924/19107Disposition of discrete passive components off-chip wires

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品用冷却装置の信頼性を高め、組立時
の鉛の使用を抑制する。 【解決手段】 両面にアルミ板の貼られたアルミ貼絶縁
基板121、122は、使用時に冷媒CLが封入される
冷却ジャケット2Bにアルミ−シリコン系の硬ろうBR
で接合される。ろう付けは、約620゜Cの不活性雰囲
気中で行われる。アルミ貼絶縁基板121、122には
半導体チップ14A、14BがハンダSOLで接合され
る。ハンダ付け時の温度は260゜C前後に設定され
る。このため、ハンダ付け時に硬ろうBRが溶融するこ
とがない。バスバー10C、10EC、10Eは、ブラ
ケット8A、8B、8Cを介してヒートシンク4に固定
される。上述したバスバー、アルミ貼絶縁基板、半導体
チップは、ボンディングワイヤBW1〜BW3で電気的
に接続される。半導体チップ14A、14Bから発せら
れる熱は冷却ジャケット2Bに伝わり、冷媒CLに吸熱
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動時に発熱を伴
うパワーデバイスやICなどの電子部品の冷却用に用い
て好適な電子部品用冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電力変換装置等、比較的大きな電流が流
れて発熱する電子部品を冷却するために、ヒートシンク
に電子部品を固定する構造のものがある。より大きな放
熱量がヒートシンクに求められる場合、冷却ジャケット
が上記ヒートシンクに密着固定される。冷却ジャケット
内には水等の冷媒が封入されており、この冷媒とヒート
シンクとの間で熱交換が行われることにより、発熱した
電子部品が冷却される。
【0003】上述したヒートシンクの材料としては、熱
伝導率が高く、耐食性が比較的良好なアルミ材が用いら
れることが多い。パワートランジスタや電力制御用サイ
リスタ等のいわゆるパワーデバイスを上記ヒートシンク
に密着固定する際には、両面にアルミ金属層の形成され
た絶縁板をパワーデバイスとヒートシンクとの間に介装
することがある。その理由は、ヒートシンクとパワーデ
バイスとの間で短絡回路が形成されることのないように
するためである。
【0004】上述した電子部品の冷却装置では、先ず比
較的高い融点(200〜300゜C)を有する高温ハン
ダを用い、絶縁板の一の面に形成されているアルミ膜に
パワーデバイスがハンダ付けされる。続いて、絶縁板の
他の面に形成されているアルミ膜とヒートシンクとが比
較的低い融点(180゜C前後)を有する低温ハンダを
用いてハンダ付けされる。このように異なる融点を有す
るハンダを用いてハンダ付けをするのは、絶縁板をヒー
トシンクにハンダ付けしている最中に、パワーデバイス
と絶縁板とを固定しているハンダが溶融してしまう不具
合を抑制するためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最近は環境
対策の一環として、鉛を材料として用いることが制限さ
れつつある。ハンダの融点と鉛含有量との間には密接な
関連があり、鉛の成分量を減らすほどハンダの融点は高
くなり、同時に濡れ性が低下する傾向にある。つまり、
いわゆる鉛フリー化を推し進めようとすると、低温ハン
ダを用いてハンダ付けを行う際に温度を高くする必要が
生じ、高温ハンダによるハンダ付け時と低温ハンダによ
るハンダ付け時とで大きな温度の差をつけにくくなって
くる。このように、大きな温度の差が設定できない場
合、低温ハンダによるハンダ付け作業中に高温ハンダが
溶融しないようにハンダ付け作業時の温度管理を厳密に
行なったり、あるいは最初にハンダ付けした部位を冷却
した状態で次のハンダ付け作業を行ったりする必要があ
り、これが作業性の低下を招いていた。
【0006】本発明の目的は、鉛の使用を抑制でき、か
つ接合部の高い信頼性を得ることの可能な電子部品用冷
却装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1) 一実施の形態を
示す図1に対応付けて説明すると、請求項1に記載の発
明に係る電子部品用冷却装置は、両面に金属層12
1、12b1の形成された絶縁部材121と;絶縁部材
121の一の面に硬ろうBRで接合された冷却部材4と
を有し;電子部品14Aは、絶縁部材121の他の面に
ハンダSOLによって接合されることにより、上述した
目的を達成する。 (2) 一実施の形態を示す図2に対応付けて説明する
と、請求項2に記載の発明に係る電子部品用冷却装置
は、冷却部材4と接合される別の冷却部材2Aをさらに
有し;冷却部材4と、別の冷却部材2Aとによって冷媒
CLが循環するための空間2Aaが形成されるものであ
る。 (3) 一実施の形態を示す図3に対応付けて説明する
と、請求項3に記載の発明に係る電子部品用冷却装置
は、冷却部材2Bの内部に冷媒CLが循環するための空
間2Baが形成されるものである。 (4) 一実施の形態を示す図1に対応付けて説明する
と、請求項4に記載の発明に係る電子部品用冷却装置
は、冷却部材4と、絶縁部材121の両面に形成された
金属層12a1および12b1とは、アルミニウムおよび
アルミニウム合金のうちの少なくともいずれかを素材と
し;硬ろうBRのろう材はアルミ−シリコン系ろう材と
したものである。 (5) 一実施の形態を示す図11に対応付けて説明す
ると、請求項5に記載の発明に係る電子部品用冷却装置
は、冷却部材2Dが、絶縁部材121、122を介して電
子部品14A、14Bが実装される側の面である実装面
の剛性よりも実装面と対向する側の面である非実装面の
剛性の方が高くなるように断面形状が定められるもので
ある。 (6) 一実施の形態を示す図11に対応付けて説明す
ると、請求項6に記載の発明に係る電子部品用冷却装置
は、冷媒CL循環用の空間2Daを囲う周囲の部分のう
ち、実装面の側の肉厚寸法Aが非実装面の側の肉厚寸法
Bよりも薄くなるように冷却部材2Dの断面形状が定め
られるものである。 (7) 一実施の形態を示す図12に対応付けて説明す
ると、請求項7に記載の発明に係る電子部品用冷却装置
は、冷却部材2Eの内部に、冷媒CL循環用の空間2E
aが実装面に沿うようにして複数列設けられ;複数の冷
媒循環用の空間2Eaの間に存する隔壁部分の肉厚寸法
に関して、実装面の側の肉厚寸法が非実装面側の肉厚寸
法よりも薄くなるように冷却部材2Eの断面形状が定め
られるものである。 (8) 一実施の形態を示す図15に対応付けて説明す
ると、請求項8に記載の発明に係る電子部品用冷却装置
は、冷却部材2Hが、絶縁部材121、122と接合され
る部分の剛性が他の部分の剛性に比して低くなるように
断面形状が定められるものである。 (9) 一実施の形態を示す図5に対応付けて説明する
と、請求項5に記載の発明に係る電子部品用冷却装置
は、両面に金属層が形成された第1および第2の絶縁部
材121、123と;冷却部材4Aとを有し;冷却部材4
Aの1の面と第1の絶縁部材121の一の面とが硬ろう
BRで接合され;冷却部材4Aの他の面と第2の絶縁部
材123の一の面とが硬ろうBRで接合され;第1の絶
縁部材121の他の面には第1の電子部品14Aがハン
ダSOLで接合され;第2の絶縁部材123の他の面に
は第2の電子部品14Cがハンダで接合されるものであ
る。
【0008】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0009】
【発明の効果】(1) 請求項1に記載の発明によれ
ば、両面に金属層の形成された絶縁部材の一の面と冷却
部材とは硬ろうで接続され、電子部品は絶縁部材の他の
面にハンダによって接合される。このため、電子部品の
ハンダ付け作業中に硬ろうで接合された部分が溶融して
接合部の信頼性が低下するのを抑制することが可能とな
る。このとき、ハンダ付け温度の条件設定幅を比較的広
くすることが可能となり、ハンダ付けを容易に行うこと
ができると同時にハンダ付け部の信頼性も向上すること
ができる。 (2) 請求項2に記載の発明によれば、絶縁部材を介
して電子部品の接合されている冷却部材と、別の冷却部
材とによって冷媒循環用の空間が形成されるので、電子
部品と冷媒との間の介在物の数を減じることができる。
このため、電子部品から発せられた熱が冷媒に伝わるま
での間の熱抵抗を減じて電子部品の冷却効率を高めるこ
とができる。 (3) 請求項3に記載の発明によれば、絶縁部材を介
して電子部品の接合されている冷却部材の内部に冷媒循
環用の空間が形成されることにより、部品点数を減じる
ことができる。このため、電子部品と冷媒との間の介在
物が減じられて冷却効率を高めることが可能となるとと
もに、冷媒の漏れを生じるのを抑制することができる。 (4) 請求項4に記載の発明によれば、冷却部材およ
び絶縁基板の両面に形成された金属層の素材がアルミニ
ウムおよびアルミニウム合金のうちの少なくともいずれ
かであり、硬ろうのろう材がアルミ−シリコン系ろう材
であることにより、電子部品から冷却部材に至るまでの
熱抵抗を減じることができる。つまり、熱伝導率の比較
的大きなアルミニウム系の素材を用いることにより、熱
抵抗を減じることができる。また、アルミニウム系の素
材は、押し出し加工や鋳造などの、切削加工以外の加工
も容易で、電子部品用冷却装置を構成する部品の加工工
数を減じることが可能となる。加えて、比重の比較的軽
いアルミニウム系の素材を用いることにより、電子部品
用冷却装置の重量を軽減することが可能となる。 (5) 請求項5〜8に記載の発明によれば、絶縁部材
を介して電子部品が実装される側の面である実装面の剛
性が実装面と対向する側の面である非実装面の剛性に比
して高くなるように冷却部材の断面形状が定められるこ
とにより、電子部品用冷却装置の組立時や使用時に絶縁
部材に生じる熱応力を低減することができる。このた
め、絶縁部材と冷却部材との接合部に生じる引張り、圧
縮応力が緩和され、ろう付け部にクラックが生じる等の
不具合を抑制して信頼性を高めることができる。 (6) 請求項9に記載の発明によれば、冷却部材の一
の面に硬ろうで接合される第1の絶縁部材に第1の電子
部品がハンダで接合され、冷却部材の他の面に硬ろうで
接合される第2の絶縁部材に第2の電子部品がハンダで
接合されることにより、冷却部材の片側の面のみが暖め
られて反るのを抑制することができる。したがって、冷
却部材と第1、第2の絶縁部材との接合部に生じる引っ
張りあるいは圧縮の応力を減じて接合部の信頼性を向上
することが可能となる。また、電子部品が冷却部材の両
面に接合されることにより、電子部品用冷却装置の大き
さに比して大きな実装面積を得ることができ、電子部品
用冷却装置を小型化することが容易となる。
【0010】
【発明の実施の形態】−第1の実施の形態− 図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子部品用冷
却装置の構造を概念的に示す図である。図1において、
アルミ貼絶縁基板121は、アルミナ製の絶縁基板12
1の両面に薄いアルミ板12a1、12b1を貼り付け
た構造を有する。アルミ貼絶縁基板121のアルミ板1
2b1は、アルミ−シリコン系の硬ろうBRにより、ア
ルミまたはアルミ合金製のヒートシンク4に接合され
る。アルミ板12a1には、半導体チップ14Aがハン
ダSOLにより接合される。半導体チップ14Aは、縦
型の半導体で、たとえばIGBT等のパワー素子であ
る。図1における上面側にエミッタ電極およびベース電
極が、下面側にコレクタ電極が形成されている。
【0011】アルミ貼絶縁基板121と同様の構成を有
するアルミ貼絶縁基板122も、アルミ板12b2とヒー
トシンク4とが硬ろうBRにより接合され、アルミ板1
2a2と半導体チップ14BとがハンダSOLにより接
合される。この半導体チップ14Bは、半導体チップ1
4Aとほぼ同様の構成を有する。
【0012】ここでハンダSOLおよび硬ろうBRにつ
いて説明すると、これらはいずれも「ろう材」という範
疇に属するものである。そして、ハンダSOLと硬ろう
BRとの違いは、その融点にある。すなわち、一般に4
50゜C以上の融点を有するろう材は硬ろうと称され、
450゜Cを下回る融点を有するろう材はハンダと称さ
れて一般に区別される。本実施の形態において、ハンダ
SOLはその融点が250゜C程度のものが、硬ろうB
Rはその融点は590゜C程度のものが用いられる。
【0013】ブラケット8Aは、PPS(ポリフェニレ
ンサルファイド)やPBT(ポリブチレンテレフタレー
ト)などの耐熱温度の比較的高い樹脂材料を用いてイン
サートモールディングによりバスバー10Cと一体に成
形される。ブラケット8Aは、ヒートシンク4に不図示
の保持部材によって固定されている。つまり、バスバー
10Cは、ブラケット8Aによってヒートシンク4と絶
縁された状態で保持部材(不図示)によってヒートシン
ク4に固定されている。他のバスバー10ECおよび1
0Eも同様に、それぞれブラケット8B、8Cによって
ヒートシンク4と絶縁された状態で不図示の保持部材に
よってヒートシンク4に固定されている。
【0014】アルミ板12a1とバスバー10Cとがボ
ンディングワイヤBW1で、そして半導体チップ14A
のエミッタとバスバー10ECとがボンディングワイヤ
BW2で接続されている。同様に、アルミ板12a2とバ
スバー10ECとがボンディングワイヤBW3で、そし
て半導体チップ14Bのエミッタとバスバー10Eとが
ボンディングワイヤBW4で接続されている。
【0015】上述したヒートシンク4はボルト6によっ
て冷却ジャケット2に固定される。冷却ジャケット2へ
のヒートシンク4の固定に先立ち、冷却ジャケット2と
ヒートシンク4との接合部には、伝熱効率を高めるため
の放熱グリスGが予め塗布される。冷却ジャケット2の
内部には、熱を不図示の放熱部へ熱を伝えるための冷媒
CLが封入される空間2aが形成されている。
【0016】以上のように構成される電子部品用冷却装
置の製作プロセスの一例について説明する。ヒートシン
ク4とアルミ貼絶縁基板121および122との接合部に
は50μm厚さの硬ろうBRの箔が介装される。この硬
ろうBRの箔の両面には非腐食性フラックスが3〜5g
/m2 程度で塗布されている。ヒートシンク4上に硬
ろうBRの箔、アルミ貼絶縁基板121および122を載
置し、治具で固定する。これを620゜Cの不活性雰囲
気(N2ガス中で、O2濃度30〜数百ppm)中に3分
間保持する。590゜C前後の融点を有する硬ろうBR
の箔は、上記雰囲気中で溶融してアルミ貼絶縁基板12
1および122とヒートシンク4とのろう付けが行われ
る。
【0017】続いて、アルミ板12a1と半導体チップ
14Aとの接合部およびアルミ板12a2と半導体チッ
プ14Bとの接合部に厚さ100μm程度のハンダ箔を
配置し、そこに半導体チップ14A、14Bをマウント
する。このように半導体チップ14Aおよび14Bがマ
ウントされた状態のヒートシンク4を真空還元炉に通す
ことでハンダが溶融し、アルミ板12a1に半導体チッ
プ14Aのコレクタが、そしてアルミ板12a2に半導
体チップ14Bのコレクタがハンダ付けされると共にボ
イドが除去される。このときの、真空還元炉内における
温度プロファイルの一例を示すと、250゜Cの還元雰
囲気中で8分間加熱後、真空中で4分間保持し、冷却す
る。
【0018】上述した例では、真空還元炉中での最高温
度は約260゜Cであるので、ハンダ付け工程に先だっ
てろう付けされた部分の硬ろうBRが溶融してしまうこ
とがない。
【0019】以上のハンダ付け工程の後、ヒートシンク
4にはバスバー10C、10EC、10Eが固定され
る。続いて、バスバー10Cとアルミ板12a1とがボ
ンディングワイヤBW1で、半導体チップ14Aのエミ
ッタとバスバー10ECとがボンディングワイヤBW2
で、バスバー10ECとアルミ板12a2とがボンディ
ングワイヤBW3で、半導体チップ14Bのエミッタと
バスバー10EとがボンディングワイヤBW4で、それ
ぞれ接合される。
【0020】冷却ジャケット2の、ヒートシンク4との
接合面に放熱グリスGが塗布された後、この冷却ジャケ
ット2にヒートシンク4がボルト6によって固定され、
冷却ジャケット2内に冷媒が充填されて第1の実施の形
態に係る電子部品用冷却装置が完成する。
【0021】続いて、第1の実施の形態に係る電子部品
の冷却装置の作用について説明する。ここでは、半導体
チップ14Aおよび14BはNPN接合タイプのトラン
ジスタであるものとして説明をする。バスバー10Eに
直流電源(不図示)の高電位側が接続され、バスバー1
0Cに電源の低電位側が接続されるとともに、モータ等
の負荷の一端がバスバー10ECに接続される。そして
半導体チップ14Aまたは14Bがスイッチングされる
(ベース〜エミッタ間に順方向電圧が印加される)こと
により、バスバー10ECの電位が変化して上記負荷を
制御することができる。なお、図1では、一組の半導体
チップ14A、14Bおよびこれらの半導体チップに接
続されるバスバー10C、10EC、10Eしか図示さ
れていないが、ヒートシンク4の上には負荷の種類に応
じて複数組の半導体チップと、この半導体チップと接続
されるバスバーとが設けられるものであってもよい。
【0022】半導体チップ14Aおよび14Bのコレク
タ〜エミッタ間に大電流が流れると、半導体チップ14
Aおよび14Bは発熱する。半導体チップ14A、14
Bそれぞれから発せられる熱は、ハンダSOL、アルミ
貼絶縁基板121、122、硬ろうBR、ヒートシンク
4、放熱グリスG、冷却ジャケット2を介して冷媒CL
に伝わる。このようにして、半導体チップ14Aおよび
14Bから発せられる熱が冷却ジャケット2を経て放熱
される。
【0023】先に説明したとおり、本実施の形態におい
てはアルミ板12b1、12b2とヒートシンク4とを接
合する硬ろうBRとしてアルミ−シリコン系ろう材が用
いられる。アルミ−シリコン系ろう材は、従来用いられ
ていた低温ハンダに比してより高い熱伝導率を有する。
このため、半導体チップ14A、14Bから冷却ジャケ
ット2に至るまでの間の熱抵抗を減じることができ、放
熱効率を高めることができる。また、比較的高い融点
(590゜C程度)を有するアルミ−シリコン系の硬ろ
うBRでヒートシンク4とアルミ貼絶縁基板121およ
び122の一の面とが接合されている。このため、比較
的低い融点(250゜C程度)を有するハンダSOLで
アルミ貼絶縁基板121および122の他の面と被冷却
部品である半導体チップ14Aおよび14Bとを接合す
る際の加熱条件設定の自由度が増し、作業性が向上す
る。また、ハンダ付けに際して硬ろうBRが溶融してし
まうことがないので、電子機器の信頼性を大幅に向上さ
せることができる。
【0024】以上では、アルミ貼絶縁基板121、122
とヒートシンク4とを接合する際に硬ろうの箔を用いる
例について説明したが、以下のようにしてもよい。すな
わち、ヒートシンク4のアルミ貼絶縁基板121、122
との接合部に硬ろうがあらかじめクラッドされたものを
用いることにより、電子機器用の冷却装置の組立工数を
低減することができる。また、アルミ貼絶縁基板1
1、122の絶縁部材12c1、12c2は、ナイトライ
ドセラミクス(AlN、Si34、BN等)を用いるこ
とができる。
【0025】− 第2の実施の形態 − 図2は、本発明の第2の実施の形態に係る電子部品用冷
却装置の構造を概念的に示す図である。図2において、
第1の実施の形態を説明する図1のものと同じ構成要素
には同じ符号を付し、その説明を省略して第1の実施の
形態との相違点を中心に説明する。
【0026】第1の実施の形態においては、図1に示さ
れるように冷媒CLを封入するための、いわば閉じた空
間が冷却ジャケット2の内部に形成されていた。これに
対して、第2の実施の形態においては冷却ジャケット2
Aにヒートシンク4の側に開かれた空間2Aaが形成さ
れている。そして、ヒートシンク4がシール材3を介し
て冷却ジャケット2Aにボルト6により固定されること
により、冷却ジャケット2Aとヒートシンク4とで冷媒
CLを封入するための閉空間が形成される。
【0027】本実施の形態に係る電子部品用冷却装置に
よれば、ヒートシンク4と冷媒CLとが直接接する。こ
のため、第1の実施の形態に係る電子部品用冷却装置に
比して、図1における放熱グリスGおよび冷却ジャケッ
ト2の肉厚による熱抵抗が減じられ、放熱効率をさらに
高めることができる。
【0028】− 第3の実施の形態 − 図3は、第3の実施の形態に係る電子部品用冷却装置の
構造を概念的に示す図である。図3において、第1の実
施の形態を説明する図1のものと同じ構成要素には同じ
符号を付し、その説明を省略して第1または第2の実施
の形態との相違点を中心に説明する。
【0029】第1または第2の実施の形態に係る電子部
品用冷却装置では、ヒートシンク4の上に電子部品が実
装され、このヒートシンク4に冷却ジャケット2または
2Aが固定される構造のものであった。これに対し、第
3の実施の形態に係る電子部品用冷却装置では、電子部
品が冷却ジャケット2Bの上に直接実装される。そし
て、冷却ジャケット2Bは、その内部に複数の管路2B
aが設けられた多穴管で構成される。
【0030】冷却ジャケット2Bは、アルミまたはアル
ミ合金を材料として形成される。この冷却ジャケット2
Bは、切削加工によって製作することも可能であるが、
押し出し加工法やダイカスト法等の非切削加工法によっ
て製作することが部品加工工数低減のために望ましい。
【0031】本実施の形態に係る電子部品用冷却装置の
製作プロセスは、第1の実施の形態に係る電子部品用冷
却装置の製作プロセスと同様である。すなわち、最初に
アルミ−シリコン系の硬ろうBRによって冷却ジャケッ
ト2Bとアルミ貼絶縁基板121、122が接合される。
続いて、ハンダSOLによってアルミ貼絶縁基板12 1
に半導体素子14Aが、アルミ貼絶縁基板122に半導
体素子14Bが接合される。その後、バスバー10C、
10ECおよび10Eが不図示の固定部材によって冷却
ジャケット2B上に固定される。さらにその後、バスバ
ー10Cとアルミ板12a1とがボンディングワイヤB
1で、半導体チップ14Aのエミッタとバスバー10
ECとがボンディングワイヤBW2で、バスバー10E
Cとアルミ板12a2とがボンディングワイヤBW3で、
半導体チップ14Bのエミッタとバスバー10Eとがボ
ンディングワイヤBW4で、それぞれ接合される。
【0032】上述した冷却ジャケット2Bとアルミ貼絶
縁基板121,122とのろう付けに際しては、第1の実
施の形態で説明したように硬ろうBRの箔を用いてもよ
いし、あるいは冷却ジャケット2B上に硬ろうBRをあ
らかじめクラッドしておいてもよい。
【0033】以上のように構成される電子部品用冷却装
置の具体例を図4に示す。図4は、図3に示す電子部品
用冷却装置をIV方向より見た様子を示す平面図である。
図3は、先にも説明したとおり第3の実施の形態に係る
電子部品用冷却装置の構造を概念的に示したものであ
り、その一方で図4は具体的な構造を示すものであるか
ら、図3と図4とは必ずしも一対一で対応しない。たと
えば、図3においては、バスバー10C、半導体チップ
14A、バスバー10EC、半導体チップ14B、そし
てバスバー10Eが一直線上に配置されているかのよう
に描かれている。これに対し、図4においてこれらの構
成要素は折り返すようにして配置されている。つまり、
バスバー10Cと10Eとが、そしてアルミ貼絶縁基板
121(半導体チップ14A)とアルミ貼絶縁基板122
(半導体チップ14B)とがそれぞれ隣接して配置され
ている。
【0034】さらに、以上のように配置される電子部品
が冷却ジャケット2B上に3組固定されている。また、
図3において三つのバスバー10C、10EC、10E
は、三つのブラケット8A、8B、8Cによってそれぞ
れ独立して保持されているように描かれているが、図4
においては計9個のバスバーが一体に成形されたブラケ
ット8で保持されている。ブラケット8と9個のバスバ
ーは、熱可塑性の樹脂材料で射出成形された保持部材2
0によって冷却ジャケット2Bに固定されている。これ
ら3組の回路で、たとえば3相モータなどが駆動され
る。
【0035】冷却ジャケット2Bの一端には流入管Sが
固定され、他端には排出管Dが固定される。流入管Sお
よび排出管Dには不図示のホースが接続されて冷却ジャ
ケット2Bの内部を破線の矢印で示すように冷媒CLが
流動する。6つの半導体チップから発せられた熱は、第
1の実施の形態で説明したのと同様にハンダ、アルミ貼
絶縁基板、硬ろうを経て冷却ジャケット2Bに伝わる。
冷却ジャケット2Bに達した熱は、内部を流動する冷媒
CLに吸収される。上述のように熱を吸収して熱された
冷媒CLは、排出管Dを経て電子部品用冷却装置の外に
排出され、不図示の熱交換機で冷却されてから流入管S
に還流する。
【0036】以上に説明したように、第3の実施の形態
に係る電子部品用冷却装置によれば、冷却ジャケット2
Bの上に電子部品が直接実装されるので、ヒートシンク
を構成する部材が不要となり、コスト低減が可能とな
る。また、冷却ジャケット2Bは多穴管で構成されい
る。つまり、冷却ジャケット2B内に形成される冷媒循
環用の空間には接合部がないので、冷媒の漏れが生じる
のを抑止することができる。
【0037】− 第4の実施の形態 − 図5は、本発明の第4の実施の形態に係る電子部品用冷
却装置の構造を概念的に示す図である。図5において、
第1の実施の形態を説明する図1のものと同じ構成要素
には同じ符号を付し、その説明を省略して第1〜第3の
実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0038】第1〜第3の実施の形態では、電子部品か
ら発せられる熱が、冷却ジャケット内を流動する冷媒に
よって冷却されるものであった。これに対し、第4の実
施の形態に係る電子部品用冷却装置では、冷却ジャケッ
トを有しておらず、電子部品から発せられた熱はヒート
シンク4Aの一端に取り付けられた冷却フィン16で放
熱される。さらに、本実施の形態に係る電子部品用冷却
装置では、ヒートシンク4Aの両面にバスバーやアルミ
貼絶縁基板、そして半導体チップなどが搭載される。
【0039】本実施の形態に係る電子部品用冷却装置の
製作プロセスも、基本的には第1の実施の形態に係る電
子部品用冷却装置の製作プロセスとほぼ同じであるが、
ヒートシンク4Aの両面に電子部品が実装されることに
より、以下のような違いがある。先ず、非腐食性フラッ
クスが両面に塗布された硬ろうBRの箔がヒートシンク
4Aに仮止めされる。続いてアルミ貼絶縁基板121
124が硬ろうBRの上に治具等を用いて仮止めされ
る。この状態で620゜Cの不活性雰囲気中に所定時間
保持することにより、アルミ貼絶縁基板121〜124
ヒートシンク4Aの両面にろう付けされる。続いて、ア
ルミ貼絶縁基板121および122の半導体チップ14
A、14Bとの接合面にクリームハンダを塗布し、そこ
に半導体チップ14A、14Bをマウントしてリフロー
炉に通す。以上のプロセスを経て半導体チップ14A、
14Bがアルミ貼絶縁基板121、122にハンダ付けさ
れる。
【0040】次に、アルミ貼絶縁基板123および124
の半導体チップ14C、14Dとの接合面にクリームハ
ンダを塗布し、そこに半導体チップ14C、14Dをマ
ウントしてリフロー炉に通す。以上のプロセスを経て半
導体チップ14C、14Dがアルミ貼絶縁基板123
124にハンダ付けされる。その後、バスバー10C1
10C2、10EC1、10EC2、10E1、10E2
ヒートシンク4Aに固定され、ボンディングワイヤBW
1〜BW8を用いてのボンディングが行われる。
【0041】ヒートシンク4Aの両面に電子部品を実装
することにより、ヒートシンク4Aの体積に比して比較
的大きな実装面積を得ることができ、電子部品用冷却装
置を小型化することができる。ヒートシンク4Aの両面
のほぼ同じ位置にほぼ同量の熱を発する電子部品を配置
すれば、ヒートシンク4Aの厚み方向の温度分布曲線が
対称となる。つまりヒートシンク4Aは両面からほぼ同
じように暖まる。したがって、ヒートシンク4Aの片面
のみが暖まり、片伸びして反りを生じてしまう不具合を
抑制できる。また、上述のようにヒートシンク4Aに反
りが生じるのを抑制することで、アルミ貼絶縁基板12
1〜124とヒートシンク4Aとの接合部に引っ張り、あ
るいは圧縮の応力が生じるのを抑制でき、信頼性が向上
する。
【0042】本実施の形態においても、硬ろうBRの箔
を用いるのに代えて、ヒートシンク4A表面においてア
ルミ貼絶縁基板121〜124と接合される面に硬ろうB
Rをクラッドするものであってもよい。このようにする
ことにより、組立コストを低減することが可能となる。
【0043】− 第5の実施の形態 − 図6は、本発明の第5の実施の形態に係る電子部品用冷
却装置の構造を概念的に示す図である。図6において、
第1の実施の形態を説明する図1のものと同じ構成要素
には同じ符号を付し、その説明を省略して第1〜第4の
実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0044】第4の実施の形態に係る電子部品用冷却装
置では、ヒートシンク4Aの両面に電子部品が実装され
るものであった。これに対し、第5の実施の形態に係る
電子部品用冷却装置では、冷却ジャケット2Cの両面に
電子部品が実装される。冷却ジャケット2Cは、その内
部に複数の管路2Caが設けられた多穴管で構成され
る。冷却ジャケット2Cも第3の実施の形態に係る電子
部品用冷却装置の冷却ジャケット2Bと同様に押し出し
加工法やダイカスト法等によって製作することが望まし
い。
【0045】本実施の形態に係る電子部品用冷却装置の
製作プロセスは、第4の実施の形態に係る電子部品用冷
却装置と同様である。すなわち、先ず、非腐食性フラッ
クスが両面に塗布された硬ろうBRの箔が冷却ジャケッ
ト2Cに仮止めされる。続いてアルミ貼絶縁基板121
〜124が治具等を用いて硬ろうBRの上に仮止めされ
る。この状態で620゜Cの不活性雰囲気中に所定時間
保持することにより、アルミ貼絶縁基板121〜124
冷却ジャケット2Cの両面にろう付けされる。続いて、
アルミ貼絶縁基板121および122の半導体チップ14
A、14Bとの接合面にクリームハンダを塗布し、そこ
に半導体チップ14A、14Bをマウントしてリフロー
炉に通す。以上のプロセスを経て半導体チップ14A、
14Bがアルミ貼絶縁基板121、122にハンダ付けさ
れる。
【0046】次に、アルミ貼絶縁基板123および124
の半導体チップ14C、14Dとの接合面にクリームハ
ンダを塗布し、そこに半導体チップ14C、14Dをマ
ウントしてリフロー炉に通す。以上のプロセスを経て半
導体チップ14C、14Dがアルミ貼絶縁基板123
124にハンダ付けされる。その後、バスバー10C1
10C2、10EC1、10EC2、10E1、10E2
冷却ジャケト2Cに固定され、ボンディングワイヤBW
1〜BW8を用いてのボンディングが行われる。
【0047】以上のように構成される電子部品用冷却装
置の具体例を図7〜図9に示す。図7は、図6に示す電
子部品用冷却装置をVII方向より見た様子を示す平面図
である。図6は、先にも説明したとおり第5の実施の形
態に係る電子部品用冷却装置の構造を概念的に示したも
のであり、その一方で図7は具体的な構造を示すもので
あるから、図6と図7とは必ずしも一対一で対応しな
い。
【0048】図7に示されるように、冷却ジャケット2
Cには二つの半導体チップ、三つのバスバーおよびこれ
らを接続するボンディングワイヤで構成される電子回路
が片面に3組づつ、計6組固定されている。そして、冷
却ジャケット2Cの一の面側に固定される9個のバスバ
ー10EC1、10EC3、10EC5、10C1、10C
3、10C5、10E1、10E3、10E5は、ブラケッ
ト8Aで保持されている。また、冷却ジャケット2Cの
他の面側に固定される9個のバスバーは、図8または図
9に示されるブラケット8Bで保持されている。ブラケ
ット8A、8Bと、18個のバスバーは、熱可塑性の樹
脂材料で射出成形された保持部材20によって冷却ジャ
ケット2Cに固定されている。なお、図7においては、
保持部材20が一部破断して描かれている。
【0049】図7において、冷却ジャケット2Cの一端
側にはタンク26が固定され、他端側にはエンドキャッ
プ22が固定される。エンドキャップ22には、冷媒注
入用のフィルチューブ24が固定される。タンク26に
は複数の放熱チューブ28が接続されており、この放熱
チューブ28には放熱用の冷却フィン30が取り付けら
れている。上述したエンドキャップ22、タンク26、
放熱チューブ28、冷却フィン30は、いずれもアルミ
またはアルミ合金で製作され、ろう付けによって組み立
てられる。このとき、冷却ジャケット2Cにアルミ貼絶
縁基板121〜1212をろう付けする作業を同時に行う
ことにより、組立コストを抑制することが可能となる。
【0050】以上のようにして組み立てられた電子部品
用冷却装置に半導体チップ14A〜14Kが実装され、
ボンディングされた後、フィルチューブ24より冷媒C
Lが所定量注入される。その後、フィルチューブ24よ
り冷却ジャケット2C、タンク26および放熱チューブ
28の内部が真空引きされ、封止剤25で封止される。
【0051】上述のように構成される電子部品用冷却装
置の作用について説明する。半導体チップ14A〜14
Kから発せられた熱は、ハンダSOL、アルミ貼絶縁基
板121〜1212、硬ろうBRを経て冷却ジャケット2
Cに伝わる。冷却ジャケット2Cの熱は、内部の冷媒C
Lが気化する際に冷媒CLに吸収される。気化した冷媒
CLは、タンク26を経て放熱チューブ28に流入す
る。このときに、冷媒CLは冷却フィン30を介して外
気と熱交換されて凝縮し、液化した冷媒CLがタンク2
6を経て冷却ジャケット2Cに還流する。
【0052】本実施の形態に係る電子部品用冷却装置に
よれば、第4の実施の形態に係る電子部品用冷却装置に
比してより高い冷却効率を有するので、発熱量のより大
きな電子部品を冷却する際に有効である。また、本実施
の形態に係る電子部品用冷却装置においても、冷却ジャ
ケット2Cの両面に冷却の対象となる被冷却部品が配置
されているので、冷却ジャケット2Cの体積に比して比
較的大きな実装面積を得ることができ、電子部品用冷却
装置を小型化することができる。このときさらに、冷却
ジャケット2Cの両面のほぼ同じ位置にほぼ同量の熱を
発する電子部品を配置するようにすることで、冷却ジャ
ケット2Cの厚み方向の温度分布曲線の形状が対称なも
のとなる。つまり冷却ジャケット2Cは両面からほぼ同
じように暖まる。したがって、冷却ジャケット2Cが片
伸びして反りを生じるのを抑制できる。また、上述のよ
うに冷却ジャケット2Cに反りが生じるのを抑制するこ
とで、アルミ貼絶縁基板121〜1212と冷却ジャケッ
ト2Cとの接合部に引っ張り、あるいは圧縮の応力が生
じるのを抑制でき、信頼性が向上する。
【0053】本実施の形態においても、硬ろうBRの箔
を用いるのに代えて、冷却ジャケット2C表面において
アルミ貼絶縁基板121〜1212と接合される面に硬ろ
うBRをクラッドするものであってもよい。このように
することにより、組立コストを低減することが可能とな
る。
【0054】− 第6の実施の形態 − 図10は、本発明の第6の実施の形態に係る電子部品用
冷却装置の構造を概略的に示す図である。図10におい
て、第1の実施の形態を説明する図1、あるいは第5の
実施の形態を説明する図6〜図9のものと同じ構成要素
には同じ符号を付し、その説明を省略して第1〜第5の
実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0055】第5の実施の形態に係る電子部品用冷却装
置では、図6〜図9に示されるように、冷却ジャケット
2Cの一端側にタンク26、放熱チューブ28および冷
却フィン30が固定され、冷却ジャケット2C内を冷媒
が循環するものであった。これに対し、第6の実施の形
態に係る電子部品用冷却装置では、ヒートシンク4B
の、電子部品が実装される面の裏面側にタンク26Aが
直接取り付けられる。
【0056】ここで図10に示す電子部品用冷却装置の
構成について説明する。ヒートシンク4Bは、アルミ、
またはアルミ合金を材料としてダイカスト法などによっ
て製作される。ヒートシンク4Bの上に、4つのアルミ
貼絶縁基板121〜124が硬ろうBR(図10では不図
示)で接合される。アルミ貼絶縁基板121〜124の上
にはそれぞれ半導体チップ14A、14B、14C、1
4DがハンダSOL(図10では不図示)で接合され
る。
【0057】タンク26Aは、アルミ、またはアルミ合
金を材料としてプレス、あるいはダイカスト法により製
作される。このタンク26Aは、ヒートシンク4Bにろ
う付けされて固定される。放熱チューブ28は多穴管で
構成され、アルミ、またはアルミ合金を材料として押し
出し加工法等により製作される。放熱チューブ28は、
その内部空間がタンク26Aの内部と連通する状態でタ
ンク26Aにろう付けされて固定される。放熱フィン3
0は、アルミまたはアルミ合金を材料として波型に成形
された薄板であり、放熱チューブ28にろう付けされて
固定される。
【0058】6つのバスバー10E1、10C1、10E
1、10E2、10C2、10EC2は、PBSやPBT
などの熱可塑性樹脂でインサート成形法によってブラケ
ット8に固定される。ブラケット8は、不図示の保持部
材でヒートシンク4Bに固定される。そして、半導体チ
ップ14A〜14D、アルミ貼絶縁基板121〜124
バスバー10E1、10C1、10EC1、10E2、10
2、10EC2は、ボンディングワイヤBW1〜BW8
互いに接続される。
【0059】以上のように構成される電子部品用冷却装
置の製作プロセスの概略を説明する。ヒートシンク4B
とタンク26Aとは、かしめ等の方法により仮組され
る。このタンク26Aに放熱フィン30の仮組された放
熱チューブ28が仮組され、治具等で固定される。ヒー
トシンク4Bの上部に硬ろう材BRの箔を介在させて4
つのアルミ貼絶縁基板121〜124が仮組される。上記
仮組品はろう付けの炉内で放置されてろう付けされる。
以上の工程で、アルミ貼絶縁基板121〜124のろう付
けされた電子部品用冷却装置本体部分が完成する。上記
工程でろう付けされる部品は、先に説明したとおり、い
ずれもアルミまたはアルミ合金を材料としている。した
がって、ろう付けに際してはすべての接合面でアルミ−
シリコン系の硬ろうをろう付け材として用いることがで
きる。
【0060】炉から取り出された電子部品用冷却装置の
本体部分は、仮組用の治具が外され、アルミ貼絶縁基板
121〜124の半導体チップ14A〜14Dが載置され
る面上にハンダクリームが塗布される。続いてハンダク
リーム塗布部に半導体チップ14A〜14Dを搭載し、
リフロー炉に通すことにより、アルミ貼絶縁基板12 1
〜124と半導体チップ14A〜14Dとがハンダ付け
される。このときのハンダ付け温度はろう付け温度より
も十分に低いので、半導体チップ14A〜14Dのハン
ダ付け中にアルミ貼絶縁基板121〜124とヒートシ
ンク4Bとのろう付け部分が外れてしまうことがない。
その後、ボンディング加工、タンク26Aに設けられる
不図示の注入孔からの冷媒の注入、真空引き、注入孔の
封止の各工程を経て本実施の形態に係る電子部品用冷却
装置は完成する。
【0061】以上のように構成される電子部品用冷却装
置において、半導体チップ14A〜14Dから発せられ
る熱がヒートシンク4Bに伝わる。ヒートシンク4Bの
熱は、タンク26A内で蒸発する冷媒により吸収されて
冷却される。蒸発した冷媒は、放熱チューブ28内を流
動している間に放熱フィン30を介して大気と熱交換さ
れて冷却され、凝縮する。液化した冷媒はタンク26A
に還流し、上述した蒸発・液化のサイクルを繰り返して
半導体チップ14A〜14Dから発せられる熱を大気中
に放出する。
【0062】本実施の形態に係る電子部品用冷却装置で
は、ヒートシンク4Bとタンク26Aとを組み合わせる
ことにより冷媒封入用の空間を形成しているので電子部
品用冷却装置の構造を単純化して組み立て工数を削減す
ることが容易である。また、上記電子部品用冷却装置で
は、発熱部(半導体チップ14A〜14D)と放熱部
(放熱チューブ28、放熱フィン30)との間の距離を
縮めることが可能であり、放熱効率を高めることができ
る。さらに、ヒートシンク4Bが冷媒封入用の空間に面
していることにより、ヒートシンク4Bは冷媒と均一に
接することが可能となる。このため、ヒートシンク4B
中に局部的に温度の高い点(ヒートスポット)が生じる
のを抑止することができ、冷却対象となる電子部品の過
度な温度上昇を抑止して信頼性を高めることが可能とな
る。
【0063】− 第7の実施の形態 − 図11は、本発明の第7の実施の形態に係る電子部品用
冷却装置の構造を概念的に示す図であり、第3の実施の
形態に係る電子部品用冷却装置の構造を示す図3と同様
の断面を示している。図11において、第3の実施の形
態を示す図3のものと同じ構成要素には同じ符号を付
し、その説明を省略して第3の実施の形態との相違点を
中心に説明する。
【0064】第3の実施の形態に係る電子部品用冷却装
置は、図3に示されるように電子部品が冷却ジャケット
2Bの上に直接実装され、冷却ジャケット2Bは、その
内部に複数の管路2Baが設けられた多穴管で構成され
る。第7の実施の形態に係る電子部品用冷却装置も基本
的には図3に示されるものと同様の構成となっている。
そして、図3に示されるものとの違いは、図11におい
て冷却ジャケット2Dの上下方向の肉厚寸法、すなわち
複数の管路2Daの周囲を囲う部分の肉厚に関して、電
子部品の実装される側(以下、本明細書中ではこれを
「実装側」と称する)の厚み寸法(図11のA寸法)よ
りも反対側(同じく、「非実装側」と称する)の厚み寸
法(図11のB寸法)の方が厚くなっている点である。
【0065】冷却ジャケット2Dは、第3の実施の形態
の冷却ジャケット2Bと同様、アルミまたはアルミ合金
を材料として押し出し加工法やダイカスト法等により形
成される。また、本実施の形態に係る電子部品用冷却装
置の製作プロセスは、第3の実施の形態に係る電子部品
用冷却装置の製作プロセスと同様であるのでその説明を
省略する。
【0066】第3の実施の形態に係る電子部品用冷却装
置と同様に、第7の実施の形態に係る電子部品用冷却装
置によれば、冷却ジャケット2Dの上に電子部品が直接
実装されるので、ヒートシンクを構成する部材が不要と
なり、コスト低減が可能となる。また、冷却ジャケット
2D内に形成される冷媒循環用の空間には接合部がない
ので、冷媒の漏れが生じるのを抑止することができる。
【0067】ところで、冷却ジャケット2Dにアルミ貼
絶縁基板121、122をろう付けする際に、冷却ジャケ
ット2Dおよびアルミ貼絶縁基板121、122に反りを
生じることがある。これは、冷却ジャケット2Dおよび
アルミ貼絶縁基板121、122の間に硬ろうBRを介挿
し、融解温度雰囲気中で硬ろうBRをろう付けする工程
を経た後、雰囲気温度まで、低下させる工程を経るが、
この温度低下に伴って、アルミ貼絶縁基板121、122
がろう付けされた冷却ジャケット2Dの実装側と、何も
ろう付けされていない冷却ジャケット2Dの非実装側で
は、実装側の剛性の方が非実装側の剛性よりも強くなっ
てしまう。よって、その実装側と非実装側との剛性の差
により、温度低下に伴う冷却ジャケット2Dの実装側と
非実装側との収縮量に差が生じてしまう。従って、この
収縮量の差が反りとなって表れてしまい、この反りがア
ルミ貼絶縁基板121、122に残留応力を生じさせる原
因となる。
【0068】従って、第7の実施の形態に係る電子部品
用冷却装置では、冷却ジャケット2Dの実装側とアルミ
貼絶縁基板121、122とからなる剛性と、冷却ジャケ
ット2Dの非実装側の剛性とが等しくなるように、冷却
ジャケット2Dの実装側の厚み寸法を非実装側の厚み寸
法よりも少なくしている。よって、冷却ジャケット2D
の実装側と非実装側の収縮量がほぼ等しくなり、反りが
生じ難くなるので、アルミ貼絶縁基板121、122に残
留応力が発生し難くなる。
【0069】なお、実装側の剛性を非実装側の剛性より
も小さくする方法として、たとえば図3に示す冷却ジャ
ケット2B全体の厚み(図3の上下方向の寸法)は変え
ず、管路2Baの位置を実装側寄りにずらす方法が考え
られる。しかし、上述した効果を高めるためには、図1
1に示すように冷却ジャケット全体の厚みを増した上で
非実装側の厚み配分を増すようにすることが望ましい。
【0070】− 第8の実施の形態 − 図12は、本発明の第8の実施の形態に係る電子部品用
冷却装置の構造を概念的に示す図であり、第7の実施の
形態に係る電子部品用冷却装置の構造を示す図11と同
様の断面を示している。図12において、第7の実施の
形態を示す図11のものと同じ構成要素には同じ符号を
付し、その説明を省略して第7の実施の形態との相違点
を中心に説明する。
【0071】第8の実施の形態に係る電子部品用冷却装
置では、図12に示されるように冷却ジャケット2Eの
実装側の剛性を非実装側の剛性よりも小さくするため、
冷却ジャケット2E内に複数設けられる管路2Eaのそ
れぞれの断面形状を逆三角形状にしている。管路2Ea
の断面形状を逆三角形状にすることにより、管路と管路
との間に存する隔壁2Ebの厚みを実装側よりも非実装
側で厚くすることができる。その結果、複数の管路2E
aの周囲を囲う部分の肉厚のうち、実装側および非実装
側の肉厚(図12におけるA寸法およびB寸法)が等し
い場合であっても冷却ジャケット2Eの実装側の剛性よ
りも非実装側の剛性を高めることができる。冷却ジャケ
ット2Eの断面形状をこのようにすることで、冷却ジャ
ケット2Eの実装側の剛性を非実装側の剛性よりも小さ
くし、アルミ貼絶縁基板121、122の残留応力を減じ
ることが可能となる。
【0072】以上の第8の実施の形態の説明では、冷却
ジャケット2E内に設けられる複数の管路2Eaの断面
形状は逆三角形である例について説明したが本発明はこ
れに限られるものではない。たとえば、図13に示され
るように逆台形状としてもよいし、あるいは図14に示
されるように放物線、あるいは楕円等の曲線の一部と直
線とを組み合わせた形状としてもよい。このような断面
形状の管路を複数有する冷却ジャケット2F、あるいは
2Gを用いても図12に示されるものと同様の効果を得
ることができる。なお、図13および図14において冷
却ジャケット以外の構成要素は図3に示すものと同様で
あるので図3のものと同じ符号を付してその説明を省略
する。
【0073】− 第9の実施の形態 − 図15は、本発明の第9の実施の形態に係る電子部品用
冷却装置の構造を概念的に示す図であり、第3の実施の
形態に係る電子部品用冷却装置の構造を示す図3と同様
の断面を示している。図15において、第3の実施の形
態を示す図3のものと同じ構成要素には同じ符号を付
し、その説明を省略して第3の実施の形態との相違点を
中心に説明する。
【0074】第9の実施の形態に係る電子部品用冷却装
置も第7、第8の実施の形態に係る電子部品用冷却装置
と同様、冷却ジャケット2Hの断面形状が第3の実施の
形態に係る電子部品用冷却装置のものと異なる。その他
の構成要素は第3の実施の形態に係る電子部品用冷却装
置のものと同様である。すなわち、冷却ジャケット2H
の実装側の面において、アルミ貼絶縁基板121、122
と接合される部分が凸の字状に突出している点が第3の
実施の形態に係る電子部品用冷却装置と異なる。
【0075】冷却ジャケット2Hは、第3の実施の形態
の冷却ジャケット2Bと同様、アルミまたはアルミ合金
を材料として押し出し加工法やダイカスト法等により形
成される。また、本実施の形態に係る電子部品用冷却装
置の製作プロセスは、第3の実施の形態に係る電子部品
用冷却装置の製作プロセスと同様であるのでその説明を
省略する。
【0076】先述のとおり、第9の実施の形態に係る電
子部品用冷却装置では、冷却ジャケット2Hの実装側の
面において、アルミ貼絶縁基板121、122と接合され
る部分のみを凸状に出っ張らせたことにより、この凸状
に出っ張らせた部分が変形しやすくなる。つまり、アル
ミ貼絶縁基板121、122が接合されている部分が凸状
に出っ張っていてその左右部分が拘束されていないた
め、変形しやすい。したがって、アルミ貼絶縁基板12
1、122と冷却ジャケット2Hとの間に収縮量や膨張量
の差が発生した場合に、凸状に出っ張らせた部分が変形
して上記収縮量や膨張量の差を吸収する。したがって、
アルミ貼絶縁基板121、122に生じる残留応力を減じ
ることが可能となるのに加えて冷却ジャケット2Hに反
りが生じるのを抑制することができる。また、アルミ貼
絶縁基板121、122と冷却ジャケット2Hとの間の接
合部に生じる剪断応力も減じることが可能となり、これ
によりクラック等が発生するのを抑制して接合部の信頼
性を高めることができる。
【0077】なお、第9の実施の形態に係る電子部品用
冷却装置において冷却ジャケット2H内に設けられる複
数の管路2Haは、図15に示されるように矩形の断面
形状を有するものについて説明した。しかし、管路2H
aの断面形状は図12、図13、図14に示されるよう
な断面形状を有するものであってもよい。
【0078】また、冷却ジャケット2Hの実装側の面に
おいて、アルミ貼絶縁基板121、122と接合される部
分のみの剛性を低める方法としては、図15に示すもの
以外に図16に示すものとしてもよい。なお、図16は
図15と同様の断面を示しており、図15に示す電子部
品用冷却装置の構成要素と同じものには同じ符号を付し
てその説明を省略する。図16において、冷却ジャケッ
ト2Iの実装側の面には複数の溝2Icが設けられてい
る。そして、二つの溝で挟まれる部分にアルミ貼絶縁基
板121、122が接合されている。このような構造によ
っても、冷却ジャケット2Iの実装側の面上でアルミ貼
絶縁基板121、122が接合される部分の剛性を低める
ことができる。
【0079】以上、第1〜第9の実施の形態で説明した
ように、両面金属層の形成された絶縁部材の一の面に先
ず硬ろうでヒートシンクや冷却ジャケット等の冷却部材
が接合され、続いて冷却の対象となる電子部品が上記絶
縁部材の他の面にハンダによって接合される。すなわ
ち、硬ろうによる接合と、ハンダによる接合とで接合時
の温度の差を大きくすることができる。したがって、電
子部品と絶縁部材とを接合する際の温度を比較的自由に
設定することができ、鉛フリーのハンダ等を用いてハン
ダ付けすることも容易になる。このとき、ハンダ付け時
の熱で冷却部材と絶縁部材との接合部が外れてしまう不
具合も抑制できるので、電子部品用冷却装置の信頼性を
高めることが可能となる。加えて、硬ろう材の熱伝導率
はハンダに比べて低いので、冷却効率を高めることがで
きる。
【0080】また、第2の実施の形態で説明したよう
に、冷却部材であるヒートシンクに冷媒が直接触れる構
成としたり、第3の実施の形態で説明したように冷却対
象物が冷却ジャケット上に配置される構成とすることに
より、冷却効率を高めることが可能となるとともに、部
品点数や組立工数が減じられてコストを低減することも
可能となる。
【0081】さらに、第4、第5の実施の形態で説明し
たように、冷却対象物をヒートシンクや冷却ジャケット
等、冷却対象物から発せられる熱を他の部位へ伝導する
伝熱部材の両面に配置することにより、伝熱部材はその
両面がほぼ均等に暖まる。従って、伝熱部材が片伸びし
て反るのを抑制でき、冷却対象物と伝熱部材との接合部
に係る負荷を低減して信頼性を高めることができる。
【0082】また、第7、第8の実施の形態で説明した
ように、冷却ジャケットの実装側の剛性を非実装側の剛
性よりも弱めることにより、ろう付け工程の後の冷却工
程において、冷却ジャケットおよびアルミ貼絶縁基板に
反りが生じ、さらにアルミ貼絶縁基板に発生する残留応
力を低減することが可能となる。同様に、電子部品から
発する熱を吸収および放熱する際にも冷却ジャケットの
実装側および非実装側で生じる伸縮量をほぼ等しくする
ことができ、反りを生じるのを抑制できる。
【0083】加えて、第9の実施の形態で説明したよう
に冷却ジャケットの実装側の面においてアルミ貼絶縁基
板との接合部を凸状に出っ張らせることにより、電子部
品から発する熱を吸収および放熱する際にアルミ貼絶縁
基板と冷却ジャケットとの間で収縮量の差を生じても凸
状に出っ張らせた部分の剛性が比較的小さく、変形しや
すいので、接合部に生じる熱応力を減じることができ、
信頼性を高めることができる。
【0084】以上に説明した第1〜第9の実施の形態で
は、ヒートシンクや冷却ジャケット、あるいは絶縁基板
の両面に貼られる金属の材質を、アルミまたはアルミ合
金で構成する例について説明した。一般に、アルミまた
はアルミ合金は、軽量で展延性に富み、また鋳造性も良
好なので、切削のみならず押し出しや鋳造による加工も
可能である。このように、アルミまたはアルミ合金を用
いることにより、電子部品用冷却装置を軽量化すること
ができ、また加工工数を減じて製造コストを抑制するこ
とができる。また、錆びにくいので、冷却装置の長寿命
化を達成することができる。ただ、本発明はこれらの材
料に限定されるものではなく、たとえば鉄系、あるいは
銅系の金属等を用いるものであってもよい。この場合、
硬ろう材としては接合の対象となる母材の材質に応じた
種類の硬ろう、たとえば銀ろうや銅ろう等が用いられ
る。
【0085】以上の実施の形態の説明では、冷却の対象
となる被冷却物がいわゆるディスクリート部品である場
合を例にとって説明したが、CPUなどのIC等を冷却
するものにも本発明を適用することができる。また、冷
却の対象は電子部品のみならず、他の発熱部品や機器等
を冷却するものにも本発明を適用することができる。
【0086】以上の発明の実施の形態と請求項との対応
において、アルミ貼絶縁基板12が絶縁部材を、ヒート
シンク4または冷却ジャケット2Bが冷却部材を、半導
体チップ14A、14B、…が電子部品を、冷却ジャケ
ット2Aが別の冷却部材を、アルミ貼絶縁基板121
122が第1の絶縁部材を、アルミ貼絶縁基板123およ
び124が第2の絶縁部材を、半導体チップ14Aおよ
び14Bが第1の電子部品を、半導体チップ14Cおよ
び14Dが第2の電子部品をそれぞれ構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電
子部品用冷却装置の構成を概念的に示す縦断面図であ
る。
【図2】 図2は、本発明の第2の実施の形態に係る電
子部品用冷却装置の構成を概念的に示す縦断面図であ
る。
【図3】 図3は、本発明の第3の実施の形態に係る電
子部品用冷却装置の構成を概念的に示す縦断面図であ
る。
【図4】 図4は、本発明の第3の実施の形態に係る電
子部品用冷却装置の概略的構成を示す平面図である。
【図5】 図5は、本発明の第4の実施の形態に係る電
子部品用冷却装置の構成を概念的に示す縦断面図であ
る。
【図6】 図6は、本発明の第5の実施の形態に係る電
子部品用冷却装置の構成を概念的に示す縦断面図であ
る。
【図7】 図7は、図6に示す電子部品用冷却装置を図
6のVII方向より眺めた様子を示す平面図である。
【図8】 図8は、図7の断面VIII−VIIIを示す縦断面
図である。
【図9】 図9は、図7の断面IX−IXを示す縦断面図で
ある。
【図10】 図10は、本発明の第6の実施の形態に係
る電子部品用冷却装置の概略的構成を示す図である。
【図11】 図11は、本発明の第7の実施の形態に係
る電子部品用冷却装置の構成を概念的に示す縦断面図で
ある。
【図12】 図12は、本発明の第8の実施の形態に係
る電子部品用冷却装置の構成を概念的に示す縦断面図で
ある。
【図13】 図13は、本発明の第8の実施の形態に係
る電子部品用冷却装置の別の例を示す図である。
【図14】 図14は、本発明の第8の実施の形態に係
る電子部品用冷却装置のさらに別の例を示す図である。
【図15】 図15は、本発明の第9の実施の形態に係
る電子部品用冷却装置の構成を概念的に示す縦断面図で
ある。
【図16】 図16は、本発明の第9の実施の形態に係
る電子部品用冷却装置の別の例を示す図である。
【符号の説明】
2、2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G、2
H、2I … 冷却ジャケット 2Ba、2Ca、2Da、2Ea、2Fa、2Ga、2
Ha、2Ia … 管路 4、4A、4B … ヒートシンク 8、8A、8B、8C … ブラケット 10C、10E、10EC、10C1、10E1、10E
1、10C2、10E2、10EC2 … バスバー 121〜1212 … アルミ貼絶縁基板 14A〜1
4K … 半導体チップ 20 … 保持部材 22 … エンドキャップ
26 … タンク 28 … 放熱チューブ 30 … 冷却フィン
BR … 硬ろう SOL … ハンダ CL … 冷媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋谷 彰弘 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 藤吉 達也 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内 (72)発明者 田島 誠 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内 Fターム(参考) 5E322 AA01 AA07 AA08 AB02 AB06 DA04 FA01 5F036 AA01 BA01 BB05 BB44 BC06 BD03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両面に金属層の形成された絶縁部材と、 前記絶縁部材の一の面に硬ろうで接合された冷却部材と
    を有し、 前記絶縁部材の他の面には、電子部品がハンダによって
    接合されることを特徴とする電子部品用冷却装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電子部品用冷却装置にお
    いて、 前記冷却部材と接合される別の冷却部材をさらに有し、 前記冷却部材と前記別の冷却部材とによって冷媒循環用
    の空間が形成されることを特徴とする電子部品用冷却装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の電子部品用冷却装置にお
    いて、 前記冷却部材の内部には、冷媒循環用の空間が形成され
    ることを特徴とする電子部品用冷却装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子
    部品用冷却装置において、 前記冷却部材と、前記絶縁部材の両面に形成された金属
    層とは、アルミニウムおよびアルミニウム合金のうちの
    少なくともいずれかを素材とし、 前記硬ろうのろう材は、アルミ−シリコン系ろう材であ
    ることを特徴とする電子部品用冷却装置。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の電子部品用冷却装置にお
    いて、 前記冷却部材は、前記絶縁部材を介して前記電子部品が
    実装される側の面である実装面の剛性よりも前記実装面
    と対向する側の面である非実装面の剛性の方が高くなる
    ように断面形状が定められることを特徴とする電子部品
    用冷却装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の電子部品用冷却装置にお
    いて、 前記冷媒循環用の空間を囲う周囲の部分のうち、前記実
    装面の側の肉厚寸法が前記非実装面の側の肉厚寸法より
    も薄くなるように前記冷却部材の断面形状が定められる
    ことを特徴とする電子部品用冷却装置。
  7. 【請求項7】請求項5に記載の電子部品用冷却装置にお
    いて、 前記冷却部材の内部には、前記冷媒循環用の空間が前記
    実装面に沿うようにして複数列設けられ、 前記複数の冷媒循環用の空間の間に存する隔壁部分の肉
    厚寸法に関して、前記実装面の側の肉厚寸法が前記非実
    装面側の肉厚寸法よりも薄くなるように前記冷却部材の
    断面形状が定められることを特徴とする電子部品用冷却
    装置。
  8. 【請求項8】請求項5〜7のいずれか1項に記載の電子
    部品用冷却装置において、 前記冷却部材は、前記絶縁部材と接合される部分の剛性
    が他の部分の剛性に比して低くなるように断面形状が定
    められることを特徴とする電子部品用冷却装置。
  9. 【請求項9】両面に金属層が形成された第1および第2
    の絶縁部材と、 冷却部材とを有し、 前記冷却部材の1の面と前記第1の絶縁部材の一の面と
    が硬ろうで接合され、 前記冷却部材の他の面と前記第2の絶縁部材の一の面と
    が硬ろうで接合され、 前記第1の絶縁部材の他の面には第1の電子部品がハン
    ダで接合され、 前記第2の絶縁部材の他の面には第2の電子部品がハン
    ダで接合されることを特徴とする電子部品用冷却装置。
JP2000059202A 1999-09-30 2000-03-03 電子部品用冷却装置 Pending JP2001168569A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000059202A JP2001168569A (ja) 1999-09-30 2000-03-03 電子部品用冷却装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27806199 1999-09-30
JP11-278061 1999-09-30
JP2000059202A JP2001168569A (ja) 1999-09-30 2000-03-03 電子部品用冷却装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001168569A true JP2001168569A (ja) 2001-06-22

Family

ID=26552706

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000059202A Pending JP2001168569A (ja) 1999-09-30 2000-03-03 電子部品用冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001168569A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003037231A (ja) * 2001-07-23 2003-02-07 Ibiden Co Ltd モジュール用基板
JP2003060136A (ja) * 2001-08-08 2003-02-28 Ibiden Co Ltd モジュール用基板
JP2003060137A (ja) * 2001-08-08 2003-02-28 Ibiden Co Ltd モジュール用基板
EP1328022A2 (de) * 2002-01-14 2003-07-16 Arnold Müller GmbH & Co. KG Kühlvorrichtung für elektronische Bauteile
JP2006294971A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Toyota Industries Corp パワーモジュール用基板及びその製造方法
JP2007067258A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Mitsubishi Materials Corp 冷却器及びパワーモジュール
JP2012049436A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Mitsubishi Materials Corp パワーモジュール用基板およびヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法
WO2016158830A1 (ja) * 2015-03-30 2016-10-06 三菱電機株式会社 腐食感知センサ、冷却装置、冷却システム及び車両用電源システム
JP2018041978A (ja) * 2014-08-06 2018-03-15 富士電機株式会社 半導体装置
WO2019172233A1 (ja) * 2018-03-08 2019-09-12 日本電気株式会社 冷却構造体、電力増幅器及び送信機

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003037231A (ja) * 2001-07-23 2003-02-07 Ibiden Co Ltd モジュール用基板
JP2003060136A (ja) * 2001-08-08 2003-02-28 Ibiden Co Ltd モジュール用基板
JP2003060137A (ja) * 2001-08-08 2003-02-28 Ibiden Co Ltd モジュール用基板
JP4737885B2 (ja) * 2001-08-08 2011-08-03 イビデン株式会社 モジュール用基板
EP1328022A3 (de) * 2002-01-14 2004-12-01 Arnold Müller GmbH & Co. KG Kühlvorrichtung für elektronische Bauteile
EP1328022A2 (de) * 2002-01-14 2003-07-16 Arnold Müller GmbH & Co. KG Kühlvorrichtung für elektronische Bauteile
JP2006294971A (ja) * 2005-04-13 2006-10-26 Toyota Industries Corp パワーモジュール用基板及びその製造方法
JP2007067258A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Mitsubishi Materials Corp 冷却器及びパワーモジュール
JP4600220B2 (ja) * 2005-09-01 2010-12-15 三菱マテリアル株式会社 冷却器及びパワーモジュール
JP2012049436A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Mitsubishi Materials Corp パワーモジュール用基板およびヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法
JP2018041978A (ja) * 2014-08-06 2018-03-15 富士電機株式会社 半導体装置
WO2016158830A1 (ja) * 2015-03-30 2016-10-06 三菱電機株式会社 腐食感知センサ、冷却装置、冷却システム及び車両用電源システム
JP6095862B2 (ja) * 2015-03-30 2017-03-15 三菱電機株式会社 腐食感知センサ、冷却装置、冷却システム及び車両用電源システム
JPWO2016158830A1 (ja) * 2015-03-30 2017-04-27 三菱電機株式会社 腐食感知センサ、冷却装置、冷却システム及び車両用電源システム
WO2019172233A1 (ja) * 2018-03-08 2019-09-12 日本電気株式会社 冷却構造体、電力増幅器及び送信機
JPWO2019172233A1 (ja) * 2018-03-08 2021-02-04 日本電気株式会社 冷却構造体、電力増幅器及び送信機
JP7088282B2 (ja) 2018-03-08 2022-06-21 日本電気株式会社 冷却構造体、電力増幅器及び送信機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009117428A (ja) パワー半導体モジュールの製造方法、パワー半導体モジュールの製造装置、パワー半導体モジュール、及び接合方法
JP6060553B2 (ja) 半導体装置
JP5876654B2 (ja) 液冷一体型基板の製造方法
JP6409690B2 (ja) 冷却モジュール
JP2007335663A (ja) 半導体モジュール
US20170278770A1 (en) Semiconductor module
JP2008124430A (ja) パワー半導体モジュール
JP4952094B2 (ja) 半導体モジュール
JP6337957B2 (ja) 半導体モジュールユニットおよび半導体モジュール
JP2011210822A (ja) 冷却装置
JP5926928B2 (ja) パワー半導体モジュール冷却装置
JP4600199B2 (ja) 冷却器及びパワーモジュール
JP2011134949A (ja) 半導体装置
JP5029139B2 (ja) 車載用半導体装置及び車載用半導体装置の製造方法
JP5349572B2 (ja) 放熱装置及び放熱装置の製造方法
JP2010171033A (ja) ヒートシンクのろう付け方法
JP2001168569A (ja) 電子部品用冷却装置
JP2010165743A (ja) 半導体モジュールおよびその製造方法
JP2013207237A (ja) ヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法
JP2002314281A (ja) 冷却水路を備えた電気装置
JP2009200258A (ja) 半導体モジュール
JP2007141932A (ja) パワーモジュール用ベース
JP4935783B2 (ja) 半導体装置および複合半導体装置
JP2008124187A6 (ja) パワーモジュール用ベース
JP2008159946A (ja) 半導体モジュールの冷却装置およびその製造方法