JP2001166157A - 分散型混合多芯プラスチック光ファイバおよびプラスチック光ファイバケーブル - Google Patents

分散型混合多芯プラスチック光ファイバおよびプラスチック光ファイバケーブル

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JP2001166157A
JP2001166157A JP35084999A JP35084999A JP2001166157A JP 2001166157 A JP2001166157 A JP 2001166157A JP 35084999 A JP35084999 A JP 35084999A JP 35084999 A JP35084999 A JP 35084999A JP 2001166157 A JP2001166157 A JP 2001166157A
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island
center
islands
diameter
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Masaji Okamoto
正司 岡本
Toshinori Sumi
敏則 隅
Atsushi Okumura
淳 奥村
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲げ損失と伝送損失が小さく、高速通信に適
した広帯域の多芯光ファイバおよび光ファイバケーブル
を提供することを目的とする。 【解決手段】 直径の異なる複数種類の島部1…、2…
が、海部3により、互いに非接触な状態で一体化されて
なり、一種類の島部について、光ファイバ中心から最も
離れた位置に配置される島部中心と光ファイバ中心との
距離をL1、光ファイバ中心に最も近い位置に配置され
る島部中心と光ファイバ中心との距離をL2としたと
き、他のいずれかの種類の島部について、いずれかの島
部の中心と光ファイバ中心との距離L3が、L2<L3
<L1となるように島部が配置されていること分散型混
合多芯プラスチック光ファイバ5を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光電センサやライト
ガイド等に使用され、特に通信用として好適な分散型混
合多芯プラスチック光ファイバおよびこれを用いたプラ
スチック光ファイバケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、広帯域のプラスチック光ファイバ
を得る為に、高屈折率の芯と低屈折率の鞘との屈折率差
を低くした低NAの芯鞘構造の単芯光ファイバや屈折率
分布型単芯光ファイバ等の開発が進められている。これ
らの単芯光ファイバとしては、100mにおける伝送帯
域が200MHz以上のものが得られている。しかしな
がら、一般に単芯光ファイバは、曲げ半径を、例えば半
径20mm以下に小さくすると、伝送光量の低下(以
下、適宜「曲げ損失」という)が大きくなり、機器周辺
等の小さい曲げ半径が要求される場所の配線に用いるこ
とが困難であった。
【0003】これに対して特開平8−101316号公
報には、細径の光ファイバを複数本束にしてなるバンド
ルファイバが提案されている。また、特開平9−337
37号公報には、直径50〜200μmの芯を複数本一
体化した多芯光ファイバが提案されている。これらの光
ファイバは、単芯光ファイバよりも芯の直径が小さいた
め、曲げ損失を小さくすることができる。しかし、伝送
損失が大きくなるという問題があり、50mを越える長
距離伝送に用いる場合は必ずしも満足できるものではな
かった。
【0004】一方、特開昭50−113239号公報に
は、断面積が異なる複数種類の高屈折率の島部(芯)
を、低屈折率の海部内に同心円状に配置した海島構造を
有し、島部の断面積が、海部の中心にむかって大きくな
っているガラス製の光ファイバが開示されている。ま
た、特開平8−94864号公報には、直径の異なる複
数種類のコア(芯)を、同一種類のコアが隣接しないよ
うに共通のクラッド(海部)内に配列したイメージファ
イバが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
50−113239号公報に開示されている光ファイバ
と特開平8−94864号公報に開示されているイメー
ジファイバはともにガラス製であるため、プラスチック
光ファイバのように小さい曲げ半径で曲げた状態で使用
することができない。また、特開昭50−113239
号公報に開示されている光ファイバは、受光素子である
島部の直径が、中心で大きく、周縁部に向かって小さく
なっているため、その断面において明るさ斑が発生する
という問題がある。
【0006】また、特開平8−94864号公報に開示
されているイメーファイバは、あくまでも画像伝送用
のものであって、通信用途には不適である。すなわち、
イメージファイバにおいて問題となるクロストークを防
止するため、同一直径の島部同士が隣接しないように、
少なくとも3種類以上の島部を用いる必要がある。イメ
ージファイバの島部の直径は小さいため、このように3
種類以上の島部を用いても明るさ斑は発生しにくいが、
通信用途に使用するために島部の直径を大きくすると、
上述の場合と同様に明るさ斑の問題が発生する。
【0007】本発明は前記事情に艦みてなされたもの
で、曲げ損失と伝送損失が小さく、高速通信に適した広
帯域の多芯光ファイバおよび光ファイバケーブルを提供
することを目的とする。さらに本発明は、光ファイバの
断面において、明るさ斑が生じないものを提供すること
を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、以下のような解決手段を提案す
る。第1の発明は、直径の異なる複数種類の島部が、海
部により、互いに非接触な状態で一体化されてなる分散
型混合多芯プラスチック光ファイバであって、一種類の
島部について、光ファイバ中心から最も離れた位置に配
置される島部中心と光ファイバ中心との距離をL1、光
ファイバ中心に最も近い位置に配置される島部中心と光
ファイバ中心との距離をL2としたとき、他のいずれか
の種類の島部について、いずれかの島部の中心と光ファ
イバ中心との距離L3が、L2<L3<L1となるよう
に島部が配置されていることを特徴とする分散型混合多
芯プラスチック光ファイバである。第2の発明は、前記
島部が2種類であることを特徴とする第1の発明の分散
型混合多芯プラスチック光ファイバである。第3の発明
は、一方の島部の直径が20〜150μmであり、他方
の島部の直径が150〜400μmであることを特徴と
する第2の発明の分散型混合多芯プラスチック光ファイ
バである。第4の発明は、前記島部が多層構造であるこ
とを特徴とする第1から第3の発明のいずれかの分散型
混合多芯プラスチック光ファイバである。第5の発明
は、前記島部が光ファイバの中心に対して点対称に配置
されていることを特徴とする第1から第4の発明のいず
れかの分散型混合多芯プラスチック光ファイバである。
第6の発明は、前記海部の外周上に保護層が設けられて
いることを特徴とする請求項1〜5の発明のいずれかの
分散型混合多芯プラスチック光ファイバである。第7の
発明は、第1から第6のいずれかの発明の分散型混合多
芯プラスチック光ファイバの外周上に被覆層が設けられ
てなることを特徴とするプラスチック光ファイバケーブ
ルである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1(a)は本発明の分散型混合
多芯プラスチック光ファイバ(以下、適宜単に光ファイ
バという)の第1の実施形態例を示した断面図であっ
て、図中符号1は島部であり、この島部1は断面円形
で、中心の1層目の芯1aと、その外周上に設けられた
2層目の鞘1bとからなる2層構造を有している。一
方、島部2は島部1よりも直径が大きく、島部1と同様
に1層目の芯2aと2層目の鞘2bとからなる2層構造
を有している。
【0010】これらの島部1と島部2は、複数個ずつ、
断面円形の海部3内にそれぞれ分散され、一体化されて
おり、海部3の中心に1個の島部1が配され、その周囲
に複数個の島部2…が配され、さらにその周囲に複数個
の島部1…が配され、さらにその周囲に複数個の島部2
…が配されている。即ち、島部1について、光ファイバ
中心から最も離れた位置に配置される島部(外周側に配
置された島部1…)の中心と光ファイバ中心との距離を
L1、光ファイバ中心に最も近い位置に配置される島部
(光ファイバ中心の島部1)中心と光ファイバ中心との
距離をL2としたとき、内周側の島部2…の中心と光フ
ァイバ中心との距離L3が、L2<L3<L1となるよ
うに島部が配置されている。また、島部1…,2…は、
海部3(光ファイバ5)の中心に対して点対称に配置さ
れている。また、海部3内の島部1…,島部2…は、相
互に接触しないように、それぞれ海部3によって隔てら
れた状態で配置されている。このように海部3内に複数
の島部1…,島部2…が設けられた構造を海島構造とい
う。そして、この海部3の外周上に保護層4が設けられ
てこの光ファイバ5が構成されている。
【0011】光ファイバ5を構成する部分はいずれも透
明なプラスチックからなり、島部1の鞘1bは芯1aよ
りも低屈折率で、島部2においても同様である。また、
海部3の屈折率は特に限定されず、曲げ損失の低減を重
視する場合は、鞘1b,2bよりも低屈折率とすること
が好ましく、伝送帯域の向上を重視する場合は、高次モ
−ドの光を島部の外部に放出するため、海部3の屈折率
を鞘1b,2bよりも高屈折率とすることが好ましい。
保護層4の屈折率は特に限定しないが、曲げ損失の低減
を重視する場合は海部3よりも低屈折率として、光ファ
イバ5の外部に光が放射されにくくすることが好まし
く、曲げ損失がさほど問題にならない用途においては、
伝送帯域を向上させるため、保護層4の屈折率を海部3
以上の屈折率として高次モ−ドの光が光ファイバ5の外
部に放射しやすくすることが好ましい。
【0012】本発明においては、同種の島部を、例えば
海部3の中心や周縁付近に集合させて配置すると、明る
さ斑が生じるため不都合が生じるおそれがあるため、異
なる直径の島部1…,2…が、海部3内の直径方向に対
して偏らずに分散していることが好ましく、島部1…,
2…のそれぞれに隣接する島部の少なくともひとつが異
なる種類の島部であるように配置されていることが望ま
しい。
【0013】また、小径の島部1…と大径の島部2…が
偏りなく分散していれば、これらの配置は特に限定する
ことはないが、以下の理由により、光ファイバ5(海部
3)の中心に対して点対称に配置すると好ましい。すな
わち、島部1…,2…の配置が非対称で偏りがあると、
曲げ半径が一定であっても、曲げ方向によって同一曲げ
半径で曲げられる島部1…,2…の本数が異なり、光フ
ァイバ5の伝送光量が変化してしまうおそれがある。こ
れに対して島部1…,2…を点対称に、偏りなく配置す
ることによって、光ファイバ5の伝送光量の曲げ方向の
依存性を小さくすることができる。また、光ファイバ5
の製造に用いるノズルの構造を簡略化できるという利点
もある。
【0014】図1(b)は本発明の光ファイバの第2の
実施形態例を示した断面図であって、この例において
は、一層構造の断面円形の島部11と島部12が用いら
れている。島部11の直径は島部12の直径よりも大き
く設計されている。
【0015】そして、この島部11と島部12は、複数
個ずつ、断面円形の海部13内にL2<L3<L2とな
るように海部13の中心に対して点対称に分散され、一
体化されている。すなわち、海部13の中心に1個の島
部11が配され、その周囲に6個の島部11が配され、
さらにこの中心の島部11と、その周囲に配された島部
11…との隙間、あるいはこの周囲の島部11…の相互
の隙間に、複数個の島部12がそれぞれ配されている。
この例においても、光ファイバの断面において、光ファ
イバ15の中心に対して点対称に島部11…,12…が
配置されている。海部13の外縁は、島部11…,12
…の集合体の外縁にそって形成されているため、この海
部13の断面形状は円形ではない。
【0016】島部11…,12…どうしが海部13によ
って隔てられ、非接触でに配置されているのは、上述の
第1の実施形態例と同様である。そして、さらにこの海
部13の外周上に断面円形の保護層14が設けられて、
この光ファイバ15が構成されている。
【0017】また、島部11,12は海部13よりも高
屈折率である。海部13と保護層14の屈折率の関係
は、第1の実施形態例の海部3と保護層4の屈折率の関
係と同様である。
【0018】本発明において、島部直径は20μm以上
であることが好ましく、島部としては直径の異なる複数
種類、好ましくは2種類のものが用いられる。1種類で
は、後述するように大径の島部と小径の島部の特性を補
完する作用が得られない。また、島部の種類を3種類以
上にすることもできるが、島部の配置等によっては明る
さ斑の原因となり、また、光ファイバの製造に用いるノ
ズルの製造コストが向上する場合がある。
【0019】島部が2種類である場合、大径の島部の直
径は、150μm〜400μmとすることが好ましい。
150μm未満の範囲においては、少しずつ伝送損失が
大きくなる傾向がある。また、400μmをこえると、
一般的な直径1mmの光ファイバにおいて、複数の島部
を設けることが困難となるおそれがある。小径の島部の
直径は20〜150μmとすることが好ましい。一般に
プラスチック製の光ファイバにおいては、10μm以下
の島部を設けると極端に伝送損失が増大するおそれがあ
るため、島部の直径を20μm以上の範囲に設定するこ
とによって伝送損失の増大を防ぐことができる。150
μmをこえると曲げ損失が次第に増加する傾向がある。
大径の島部と小径の島部との直径の差は50μm以上と
することが好ましい。50μm未満では2種類の島部の
特性の差異が得られず、十分な効果が得られない場合が
ある。
【0020】また、本発明においては、島部どうしの間
隔は0.5〜15μmとすることが好ましい。0.5μ
m未満の場合は光が海部中を容易に透過し、隣接する島
部に光が入射してしまうことがあるため、光学的観点か
らすると隣接する島部は実質的に直径の大きな一つの島
部と同様のものとなり、曲げ損失を低下させることがで
きない場合がある。15μmをこえると受光面積が低下
し、伝送光量が低下するおそれがある。
【0021】島部の総数は特に限定されないが7〜10
00の範囲が好ましく、さらに好ましくは7〜500の
範囲である。7未満の場合は受光面積が低下するおそれ
があり、1000をこえると実質的に製造が比較的困難
である。さらに好ましくは、大径の島部と小径の島部の
数が、それぞれ1〜150個であると、バランスの良い
配置が可能であるため好ましい。また、大径の島部と小
径の島部の数の比率は、1:3〜1:50とされる。こ
の範囲外の場合は、2種類の島部の作用が得られず、十
分な効果が得られない場合がある。また、光ファイバの
断面積に占める島部の面積占有率は60%〜98%程度
が好ましい。60%未満の場合は受光面積が小さくな
り、98%をこえると海部の面積が小さくなり、島部間
を隔てることが実質的に困難となる場合がある。
【0022】島部の断面形状は必ずしも円形である必要
はなく、任意の形状とすることができ、例えば対称形に
限らず、非対称形とすることもできる。なお、島部の形
状が円形以外の形状の場合は、島部の断面積と等しい面
積を有する円の直径を島部の直径とする。特に、海部内
の島部の占有率を高くできるように島部の断面形状を適
宜選択すると、光源、受光素子とのカップリング性を高
めることができる。例えば、海部を介して隣接する島部
間の距離を小さくできるように、島部の周縁のうち、他
の島部に隣接する部分を直線状にして、直線状の辺どう
しが互いに隣接し、かつ平行になるように島部を配置す
ることが好ましい。
【0023】また、島部は、第2の実施形態例のように
1層構造とすることもできるし、第1の実施形態例のよ
うに多層構造とすることもできる。島部の層数は通常1
層とされる。また、多層構造とする場合の芯の直
径、2層以降の層の厚さなどは、層数や各層の材料、屈
折率などによって適宜調整される。なお、この明細書に
おいては、島部が1層構造の場合は島部自体を、また、
2層以上の多層構造の場合は、その中心層を、まとめて
「芯」という場合がある。この芯は、島部において、主
に光を伝送する領域である。
【0024】また、島部の最外層(島部が1層構造の場
合は島部自体)と海部との屈折率差が大きいと、高次モ
ードの光を同時に伝搬し、光ファイバの帯域が低下する
場合がある。この場合は、島部を多層構造、好ましくは
3層以上とし、芯の屈折率に対して2層目以降の屈折率
を段階的に低くすることによって、島部の最外層と海部
との屈折率差を小さくすると好ましい。
【0025】そのため、島部において隣接するふたつの
層を構成する材料の両方が相溶する相溶層を、これらの
層の間に形成し、この相溶層において、その屈折率が島
部の中心から外周方向にむかって連続的に減少するよう
に設計すると、屈折率分布を滑らかにすることができ、
帯域を向上させることができるので好ましい。このよう
な相溶層は、必要に応じて島部の最外層と海部、あるい
は海部と保護層との間に形成して滑らかな屈折率分布を
形成することができる。
【0026】また、芯以外の層に透明性の高い樹脂を用
いると芯以外の部分を光伝搬路することができ、受光面
積を大きくすることができるので好ましい。
【0027】島部の芯と海部との屈折率差は通常0.2
5以下であり、0.25を越えると材料の選択が困難に
なる。また、島部の最外層と海部の屈折率差も0.25
以下であることが好ましく、0.001〜0.1である
ことが更に好ましい。0.25を越えると材料の選択が
困難になる。島部を多層構造とする場合は、伝送帯域を
向上させるため、海部の屈折率を島部の最外層の屈折率
よりも高くすることもできる。また、島部が多層構造で
ある場合、通常各層間の屈折率差は、上述の島部の最外
層と海部との屈折率差と同様とされる。
【0028】海部の断面形状は特に限定せず、第1の実
施形態例のように円形とすることもできるし、第2の実
施形態例のように、島部の外縁にそって設けることもで
きる。ただし、保護層を設けない場合は、円形とすると
好ましい。
【0029】保護層は必須ではないが、例えば島部の面
積占有率を大きくすると海部の外縁部の厚さが薄くなる
ため、保護層によって機械的な強度を向上させると好ま
しい。保護層の厚さは0.5〜10μmとされる。0.
5μm未満では十分な効果が得られず、10μmをこえ
ると光ファイバの外径が大きくなったり、光ファイバ断
面積に占める島部の面積占有率が小さくなりすぎる場合
がある。
【0030】保護層の屈折率を海部よりも低くする場合
は、保護層と海部との屈折率差は0.25以下、好まし
くは0.001〜0.1とされ、保護層と芯との屈折率
差は、0.25以下、好ましくは0.002〜0.2と
される。この範囲内とすることにより伝送帯域の向上と
曲げ損失の低減をバランスよく両立させることができ
る。また、海部と保護層の材料を同じか、或いは海部よ
りも高い屈折率の保護層を用いる場合は、海部の屈折率
を芯の屈折率に対して0.05〜0.25程度低くする
ことによって、曲げ損失を低減することができる。光フ
ァイバの直径は特に限定されないが、通常通信用として
用いる場合は1mm程度とされる。
【0031】芯の材料としては、公知の光ファイバに使
用される各種の透明性の高い樹脂が用いられ、特にメチ
ルメタクリレート(MMA)系の樹脂、ポリカーボネー
トなどが好ましく、メチルメタクリレート単独重合体
(PMMA)や、ベンジルメタクリレート(BzMA)
を主成分とする共重合体等が透明性が高いため特に好ま
しい。
【0032】島部を多層構造とする場合の2層目以降の
材料としては、例えばBzMA系共重合体、フッ素化ア
ルキルメタクリレート(共)重合体、フッ素化アルキル
メタクリレート−メタクリル酸エステル(共)重合体、
α−フルオロメタクリレート(共)重合体、フッ化ビニ
リデン(VdF)系樹脂等が用いられ、これらは単独で
用いることもできるし、2種以上混合して用いることも
できる。具体的には、例えば、2,2,2−トリフルオ
ロエチルメタクリレート(3FM)、2,2,3,3−
テトラフルオロプロピルメタクリレート(4FM)、ま
たは2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタ
クリレート(5FM)の単独重合体またはこれらの少な
くとも一つを含む共重合体等が挙げられる。
【0033】さらに具体的には5FM/1,1,2,2
−テトラヒドロキシパーフルオロデシルメタクリレート
(17FM)/MMA/メタクリル酸(MAA)の共重
合体、3FM/17FM/MMA/MAAの共重合体、
MMA/17FM/MAA=53〜79.95/20〜
45/0.05〜2(重量%)の共重合体、MMA/1
7FM=60〜98/2〜40(重量%)の共重合体等
が好ましい。
【0034】海部の材料としては、比較的低屈折率の材
料を用いる場合は例えば上述の島部の2層目以降の材料
と同様のものが用いられ、比較的高屈折率の材料を用い
る場合は例えば上述の芯部材料と同様のものが用いられ
る。ただし、海部は島部を一体化するものなので、ある
程度機械的な強度が高い材料を用いると好ましく、特に
大径の島部の直径が大きい場合は、強度の高い材料を用
いると好ましい。例えば、ポリメチルメタクリレ−トや
ポリカ−ボネ−ト、長鎖フルオロアルキルメタクリレー
トの共重合等が好ましく、その中でも特に5FM/17
FM/MMA/MAAの共重合体、3FM/17FM/
MMA/MAAの共重合体、MMA/17FM/MAA
=53〜79.95/20〜45/0.05〜2(重量
%)の共重合体、MMA/17FM=60〜98/2〜
40(重量%)の共重合体等が好ましい。
【0035】保護層を構成する材料は、海部の材料とし
て例示したものを用いることができる。具体的には例え
ば、ポリメチルメタクリレ−トやポリカ−ボネ−ト、短
鎖フッ化アルキルメタクリレートと長鎖フッ化アルキル
メタクリレートとMMAとの共重合体やVdFとテトラ
フルオロエチレン(TFE)との共重合体等に代表され
るVdF系ポリマー等が特に好ましい。
【0036】また、島部が多層構造の場合、2層目以降
の材料が芯の材料と剥離しやすい場合は、海部または保
護層の材料としてにテトラフルオロエチレン(TFE)
との共重合体を代表とするフッ化ビニリデン(VdF)
系樹脂を使用すると、この剥離を抑制することができる
ため好ましい。例えば芯の材料がPMMAで、島部の2
層目の材料がフッ素化アルキルメタクリレート単体、あ
るいはフッ素化アルキルメタクリレートを主成分とする
共重合体等である場合に有効である。
【0037】なお、光ファイバの光学特性を向上させる
ためには、芯の材料のみならず、島部の2層以降の層や
海部の材料においても透明性を高めることが有効であ
る。よって、材料の樹脂は、その着色を極力防ぐため
に、次のような条件下で重合したものを用いると好まし
い。
【0038】すなわち、MMA、短鎖フッ素化アルキル
メタクリレートのように低沸点のモノマーは、蒸留及び
/又はカラム分離により、着色をAPHA5以下に抑え
たものを用いことが好ましく、また、長鎖フルオロアル
キルメタクリレート、BzMAのように沸点が高いモノ
マーに対しては、カラム分離により、着色をAPHA5
以下に抑えたものを用いることが好ましい。
【0039】開始剤は、アゾアルカン系あるいはアゾエ
ステル系開始剤を用い、連鎖移動剤は、沸点の低いブチ
ルメルカプタンを用いて重合すると好ましい。なお、開
始剤として通常用いられる過酸化物あるいはシアノ基の
付いたアゾ系開始剤は着色原因となるおそれがあるた
め、使用しない方が好ましい。また、例えば、樹脂材料
のペレット状物を押出機で再溶融すると、取り扱い時に
混入する異物や再溶融による熱劣化によって透明性が低
下する。特に芯の材料の透明性が低下すると伝送損失の
劣化しやすい。よって、重合系と紡糸機を直結してこの
ような不都合を極力抑えるようにすると好ましい。
【0040】本発明の光ファイバの製造方法の一例につ
いて、以下に説明する。図2は、図1(a)に示した光
ファイバ5の製造に用いるノズル20の側断面図であ
る。ただし、この例においては、島部の構造は芯の外周
上に2つの層が順次設けられている3層構造とされてい
る。また、直径の異なる2種類の島部において、芯、2
層目、3層目の材料は、それぞれ同じ材料が用いられる
ものとする。
【0041】このノズル20内の中空部21には、上下
に貫通する円柱状の2種類の孔22a、22bを備えた
成形部材22が設けられている。一方の孔22aは小径
の島部の直径に対応する直径を有し、小径の島部と同数
設けられている。他方の孔22bは大径の島部の直径に
相当する直径を有し、大径の島部と同数設けられてい
る。
【0042】また、この成形部材22は、この成形部材
22を水平方向に切断するように設けられた隙間23,
24,25を有している。また、隙間23,24,25
の下方の部材23a,24a,25aの上面には、それ
ぞれ溝23b,24b,25bが設けられている。これ
らの溝23b,24b,25bはノズル20の上方から
中空部21の側方にかけて設けられた樹脂供給路26,
27,28と通じている。前記樹脂供給路26,27,
28は、それぞれ、島部の2層目、3層目、海部の材料
を供給するもので、供給された樹脂はそれぞれ溝23
b,24b,25bを通って隙間23,24,25から
孔22a、及び22bに供給される。
【0043】保護層の材料は、成形部材22の上方と中
空部21の側方とに開口する樹脂供給路29によって、
成形部材22の下方に供給されるようになっている。ま
た、中空部21の上方中央と下方中央には、それぞれ芯
の材料を供給する樹脂供給口30と、光ファイバを吐出
する出口31が設けられている。また、中空部21の下
方は、出口31に向かって傾斜しており、孔22a,2
2bから吐出された成形体を近接させ、一体化して任意
の大きさに収束できるようになっている。
【0044】まず、樹脂供給口30から加熱、溶融した
芯の材料を供給すると、この材料は孔22a,22bに
分配され、円柱状の糸状体になって孔22a,22b内
を進行する。ついで、樹脂供給路26に2層目の材料を
供給すると、この材料は溝23bを通って、隙間23か
らそれぞれの孔22a,22bに至り、前記芯の材料か
らなる糸状体の外周が2層目の材料によって被覆され、
2層構造の糸状体が形成される。ついで、樹脂供給路2
8から3層目の材料を供給すると、同様にして3層構造
の糸状体が得られ、さらに樹脂供給路29から海部の材
料を供給すると、同様にして4層構造の糸状体が形成さ
れる。
【0045】複数の孔22a,孔22bにおいて形成さ
れた複数の4層構造の糸状体は、孔22a,22bの下
方の開口部から吐出された後、相互に接触し、これらの
糸状体の最外層が一体化して海部が形成されるととも
に、1本の糸状体となる。ついで、樹脂供給路29から
保護層の材料を供給すると、この糸状体の海部の外周が
被覆され、出口31から光ファイバが吐出される。この
光ファイバは、後段に設けられた引き取り機にて引き取
られる。
【0046】この光ファイバは、このようにして引き取
り機にて引き取った後、必要に応じて延伸し、所望の直
径に調整することができる。光ファイバを延伸するにお
いては、光ファイバ自体を延伸することもできるし、後
述するように光ファイバケーブルとした後に延伸するこ
ともできる。延伸倍率は好ましくは1.2〜4倍であ
り、要求される光学特性と機械的特性を満足できるよう
に適宜選択する。
【0047】また、成形部材から吐出される複数の糸状
体は、複数の孔の下方の開口部間の距離を小さくしたノ
ズルを用いることによって一体化することもできる。ま
た、成形部材の下方に円筒状あるいはロート状の口金な
どを設け、これらのいずれかを通過させて一体化するこ
ともできる。また、ノズルの孔の直径を共通とし、孔の
長さを2種類として、樹脂が流れるときの圧損を調整す
ることにより、2種類の直径の島部を得ることもでき
る。さらに、このように光ファイバの紡糸あるいは延伸
を行うにおいては、必要に応じて、紡糸途中の中間体あ
るいは光ファイバを所定温度に調整した液体中を通過さ
せることによって、これらの加熱・冷却を行うこともで
きる。
【0048】本発明の光ファイバにおいて、大径の島部
は、光が主に伝搬する芯の直径が大きく、その外周上の
層(島部の2層目、あるいは海部)との界面での反射回
数が少ないため、伝送損失は小さいが、曲げ損失が大き
い。これに対して、小径の島部は、大径の島部と比較す
ると伝送損失が大きいが、曲げ損失が小さい。すなわ
ち、本発明の光ファイバにおいては、大径の島部が伝損
の増大を防ぎ、小径の島部が曲げ損失を低下させる役割
を担っている。その結果、これらの特性が相互に補完さ
れ、伝送損失が小さく、かつ曲げ損失が小さい光ファイ
バを提供することができる。また、各成分の屈折率や島
部の径を最適化する事で広帯域のものを得ることができ
る。
【0049】本発明においては、伝送損失が好ましくは
150dB/km以下で、直径1mmの円柱形状の棒状
体に一回巻き付けたときの巻き付け光量保持率が、90
%以上、好ましくは95%以上であり、伝送損失と曲げ
損失の両方が小さいものを提供することができる。伝送
損失と巻き付け光量保持率は、島部の直径および構成、
個数(本数)、複数種類の島部の割合、配置、光ファイ
バの材料等を変更することによって調整することができ
る。
【0050】また、本発明においては、伝送帯域が50
mで300MHz以上、好ましくは400MHz以上、
さらに好ましくは500MHz以上のものが得られる。
特に400MHz以上の場合は従来の単芯光ファイバと
比較して飛躍的に帯域を広げることができ、有利であ
る。伝送帯域は主に芯−鞘間の屈折率差、または芯と最
も低い屈折率を有する部分との屈折率差によって調整す
ることができる。
【0051】本発明の光ファイバは、伝送損失が小さ
く、かつ曲げ損失が小さいため、特に長距離の通信用と
して好適であるが、その用途は特に限定されるものでは
なく、通信用の他、光電センサーやライトガイド等の光
ファイバを利用する全ての分野にて使用することができ
る。なお、用途によって光ファイバの要求特性が異なる
ため、要求特性に応じて光ファイバの設計条件を設定す
る。
【0052】また、本発明の光ファイバの外周上に被覆
層を形成して光ファイバケーブルとすると、通信用や光
電センサーなどとして使用する場合に、要求される取り
扱い性や耐環境性を向上させることができる。被覆層の
厚さは特に限定しないが、通常0.1〜1.5mmとさ
れる。被覆層の材料としては、各種の熱可塑性樹脂や熱
硬化性樹脂、光硬化性樹脂、形状記憶樹脂、または金属
微粉末、金属短繊維もしくは金属長繊維等を含んだ樹脂
等の、ケーブル被覆層などとして公知のものが使用でき
る。
【0053】熱可塑性樹脂としては塩化ビニル、低密度
ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、塩素化ポリ
エチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
とエチレン/酢酸ビニル共重合体のブレンド品、ポリウ
レタン樹脂等が好ましい。中でも、柔軟性を向上させる
ためには、エチレン/酢酸ビニル共重合体、PVCとエ
チレン/酢酸ビニル共重合体のブレンド品等の弾性率の
小さい樹脂が好ましい。また、各種樹脂に可塑剤を添加
する事も可能で、塩化ビニルには、例えばジオクチルフ
タレート、トリオクチルトリメリテート、トリクレジル
フォスフェート等を添加すると好ましい。ただし、可塑
剤は光ファイバへ移行して光ファイバの光学性能、機械
特性に支障を来す場合があるので、種類や添加量に注意
が必要である。
【0054】熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、ユ
リア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が用いられ、光硬化性
樹脂としては例えばMMAを光重合開始剤を用いて重合
さたもの等、形状記憶樹脂としてはアクリル樹脂、トラ
ンスイソプレン、ポリウレタン、ポリノルボンネル、ス
チレン/ブタジエン共重合体等が使用できる。
【0055】また、この光ファイバケーブルの少なくと
も一方の先端部に、公知のプラグを取り付けてプラグ付
き光ファイバケーブルとすることもできる。プラグを取
り付ける際には、プラグを取り付ける光ファイバの端面
を超鋼、あるいはそれ以上の硬度を有するカッターで鋭
く切断した後に用いると好ましい。さらに好ましくは、
この端面を研磨、あるいは過熱して鏡面転写することに
より、その表面を平滑にした後に用いる。プラグとの固
定は接着剤を用いても良いが、ファイバを過熱して部分
的に直径を大きくしてプラグ側に食い込ませるような構
造を採用すると好ましい。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
る。なお、実施例における各特性の測定方法は以下の通
りである。 1)メルトフローレート:日本工業規格JIS K72
10に準じて測定されたもので、その具体的な条件は試
験温度230℃、試験荷重5kg、ダイスは長さ8.0
±0.025mm、内径2.095±0.005mm、
試料充填量5g、試料採取時間30秒とした。 2)全モード励振における伝送帯域(以下単に伝送帯域
という):52m−2mカットバック法により、励振N
Aが0.65における50m長の光−3dB帯域をイン
パルス応答法にて測定した。測定装置は浜松ホトニクス
(株)製の光サンプリングオシロスコープ、光源は東芝
(株)製半導体レーザ−TOLD9410、発光波長は
650nmとした。
【0057】3)伝送損失:光源からの光を分光器を用
いて波長650nmに単色化し、励振NAはレンズを用
いて0.1に合わせ、25m−5mカットバック法によ
り測定した。 4)屈折率:アッベの屈折計を用いて温度20℃におけ
る屈折率を測定した。 5)巻き付け光量保持率:5mにカットした光ファイバ
について、直線状に保持した状態と、中間の任意の位置
を半径5mmの棒に巻き付けた状態で、出射される光量
を測定し、直線状態での光量に対する巻き付け状態での
光量の割合を巻き付け光量保持率とした。光源は分光器
を用いて波長650nmに単色化し、励振NAはレンズ
を用いて0.1に合わせた。
【0058】(実施例1)島部を3層構造とした以外
は、図1(a)と同様の構成の光ファイバを製造した。
島部を構成する1層目(芯)、2層目、3層目の材料
は、それぞれ屈折率1.492のPMMA樹脂、屈折率
1.488の17FM/MMA/MAA=4/95/1
(wt%)の共重合体、屈折率1.478の17FM/
MMA/MAA=14/85/1(wt%)の共重合体
を用いた。海部の材料は、屈折率1.460の17FM
/MMA/MAA=25/74/1(wt%)の共重合
体、保護層の材料は屈折率1.402のVdF/TFE
=80/20(mol%)の共重合体を用いた。大径の
島部の直径は180μmであり、その数は19個であっ
た。また、小径の島部の直径は75μmであり、その数
は38個であった。また、光ファイバの直径は1.0m
mであった。この光ファイバの外周に塩化ビニルとエチ
レン/酢酸ビニル共重合体のブレンド品(東洋インキ社
製:314)の被覆を施し、直径2.2mmの光ファイ
バケーブルを得た。
【0059】この光ファイバケーブルの特性を表1に示
した。なお、加熱乾燥処理後の伝送損失とは、光ファイ
バケーブルを85℃−湿度95%で2000時間熱処理
後、50℃で24時間乾燥した加熱乾燥処理後に測定し
た伝送損失である。また、高速通信用の直径300μm
の受光素子を用いて、光ファイバ断面内で素子の位置を
任意に変更して受光量の変化を観察したが、受光量の変
化はほとんどなく、受光量斑が少ないことが確認でき
た。
【0060】(実施例2)直径190μmの島部を19
本と、直径80μmの島部を38本用い、ケーブル被覆
として低密度ポリエチレンとナイロン12の二重被覆を
用いた以外は実施例1と同様にして光ファイバケーブル
を製造した。この光ファイバケーブルの特性を、実施例
1と同様にして測定して表1に示した。また、受光量の
変化については実施例1と同様であった。
【0061】(実施例3)島部を3層構造とした以外
は、図1(b)と同様の構成の光ファイバを製造した。
島部を構成する1層目(芯)、2層目、3層目の材料
は、それぞれ屈折率1.492のメルトフローレート3
g/10分のPMMA樹脂、屈折率1.475のメルト
フローレート8g/10分の17FM/MMA(25/
75wt%)の共重合体、屈折率1.457のメルトフロ
ーレート8g/10分の17FM/MMA(50/50
wt%)の共重合体を用いた。海部の材料は、屈折率1.
585のメルトフローレート40のポリカ−ボネ−ト、
保護層の材料にも海部と同様のポリカ−ボネ−トを用い
た。
【0062】大径の島部の直径は250μmであり、そ
の数は7本であった。また、小径の島部の直径は50μ
mであり、その数は165本であった。また、光ファイ
バの直径は1.0mmであった。そして、この光ファイ
バの外周に低密度ポリエチレンの被覆を施し、直径2.
2mmの光ファイバケーブルを得た。この光ファイバケ
ーブルの特性を実施例1と同様にして表1に示した。ま
た、直径400μmの受光素子を用いた以外は実施例1
と同様にして受光量の変化を観察したが、受光量の変化
はなかった。
【0063】(比較例1)島部を一層構造とし、また島
部の直径を1種類として、光ファイバを製造した。島部
の材料としてPMMA樹脂、海部と保護層の材料として
VdF/TFE共重合体を用い、直径55μmの島部が
300本海部内に分散してなる、直径1.0mmの光フ
ァイバを作製した。そして、この光ファイバの外周に低
密度ポリエチレンの被覆を施し、直径2.2mmの光フ
ァイバケーブルを得た。この光ファイバケーブルの特性
を実施例1と同様にして測定して表1に示した。ただ
し、加熱乾燥処理のはじめの加熱温度は70℃に変更し
た。
【0064】(比較例2)通常の単芯のプラスチック製
光ファイバを以下のようにして製造した。芯と鞘の材料
は、それぞれ屈折率1.563のPBzMA樹脂と屈折
率が1.562のBzMA/MMA/MAA=90/9
/1(wt%)の共重合体を用いた。保護層の材料は屈
折率1.402のVdF/TFE共重合体を用いた。芯
の直径は960μm、鞘部を含めた直径は980μm
で、光ファイバの直径は1.0mmであった。この光フ
ァイバケーブルの特性を表1に示した。また、実施例1
と同様にして受光量の変化を観察したが、受光量の変化
はなかった。
【0065】
【表1】
【0066】表1に示した結果より、比較例1において
は伝送損失が大きく、比較例2においては巻き付け光量
保持率が低く、これらを同時に満足することができなか
ったが、本発明に係る実施例1〜3においては、伝送損
失が小さく、かつ巻き付け光量保持率が大きく、かつ3
00MHz以上の広帯域のものが得られた。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
大径の島部と小径の島部の特性によって、伝送損失が小
さく、かつ曲げ損失が小さい、高速通信に適した広帯域
の分散型混合多芯プラスチック光ファイバが得られる。
また、複数種類の島部が海部内にそれぞれ分散している
ため、島部の直径が大きい通信用途においても明るさ斑
が生じにくい。特に島部の種類が2種類である場合に効
果が高く、また、ノズルの構造が簡略化でき、低コスト
である。さらに、島部を多層構造とすることによって、
より広帯域な光ファイバを得ることが出来る。さらに、
各成分に透明性の高い樹脂を用いることによって受光面
積を大きくしてカップリングロスを小さくすることがで
きる。また、前記島部を光ファイバの中心に対して点対
称に配置することによって、光ファイバの伝送光量の曲
げ方向の依存性を小さくすることができ、また、光ファ
イバの製造に用いるノズルの構造を簡略化できる。ま
た、海部の外周上に保護層を設けることによって、光フ
ァイバの機械的な強度を向上させることができる。ま
た、本発明の光ファイバの上に被覆層を設けて光ファイ
バケーブルとすることによって、取り扱い性や耐環境性
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は本発明の第1の実施形態例を示
した断面図、図1(b)は本発明の第2の実施形態例を
示した断面図である。
【図2】 本発明の光ファイバを製造する際に用いるノ
ズルを示した断面図である。
【符号の説明】
1,2,11,12…島部、1a,2a…芯(1層
目)、1b,2b…鞘(2層目)、3,13…海部、
4,14…保護層、5,15…分散型混合多芯プラスチ
ック光ファイバ(光ファイバ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥村 淳 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 2H046 AA02 AA62 AC01 AD22 AZ03 AZ08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径の異なる複数種類の島部が、海部に
    より、互いに非接触な状態で一体化されてなる分散型混
    合多芯プラスチック光ファイバであって、一種類の島部
    について、光ファイバ中心から最も離れた位置に配置さ
    れる島部中心と光ファイバ中心との距離をL1、光ファ
    イバ中心に最も近い位置に配置される島部中心と光ファ
    イバ中心との距離をL2としたとき、他のいずれかの種
    類の島部について、いずれかの島部の中心と光ファイバ
    中心との距離L3が、L2<L3<L1となるように島
    部が配置されていることを特徴とする分散型混合多芯プ
    ラスチック光ファイバ。
  2. 【請求項2】 前記島部が2種類であることを特徴とす
    る請求項1に記載の分散型混合多芯プラスチック光ファ
    イバ。
  3. 【請求項3】 一方の島部の直径が20〜150μmで
    あり、他方の島部の直径が150〜400μmであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の分散型混合多芯プラスチ
    ック光ファイバ。
  4. 【請求項4】 前記島部が多層構造であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか一項に記載の分散型混合多
    芯プラスチック光ファイバ。
  5. 【請求項5】 前記島部が光ファイバの中心に対して点
    対称に配置されていることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか一項に記載の分散型混合多芯プラスチック光フ
    ァイバ。
  6. 【請求項6】 前記海部の外周上に保護層が設けられて
    いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記
    載の分散型混合多芯プラスチック光ファイバ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記
    載の分散型混合多芯プラスチック光ファイバの外周上に
    被覆層が設けられてなることを特徴とするプラスチック
    光ファイバケーブル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011102191A1 (ja) * 2010-02-18 2011-08-25 住友電気工業株式会社 マルチコア光ファイバ
WO2024084562A1 (ja) * 2022-10-18 2024-04-25 日本電信電話株式会社 バンドル光ファイバ

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