JP2002107587A - プラスチック光ファイバケーブルおよびこれを備えた光センサ - Google Patents

プラスチック光ファイバケーブルおよびこれを備えた光センサ

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JP2002107587A JP2000304216A JP2000304216A JP2002107587A JP 2002107587 A JP2002107587 A JP 2002107587A JP 2000304216 A JP2000304216 A JP 2000304216A JP 2000304216 A JP2000304216 A JP 2000304216A JP 2002107587 A JP2002107587 A JP 2002107587A
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fiber cable
plastic optical
core
bending
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Yasuo Wakui
康雄 涌井
Hisashi Nakahara
尚志 中原
Takao Kawashima
伯夫 川嶋
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 形態保持性に優れ、かつ小径の屈曲において
も特性の劣化が少ないプラスチック光ファイバケーブル
を得ることを目的とする。 【解決手段】 複数のコアを有する多芯プラスチック光
ファイバ素線1と鋼線2とが被覆材3にて被覆一体化さ
れていることを特徴とするプラスチック光ファイバケー
ブル5を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は屈曲時の形態記憶性
に優れ、小径の曲げにおいても損失が小さく、局所での
取り回しに優れたプラスチック光ファイバケーブル及び
これを用いた光センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光ファイバは石英系光ファ
イバに対して、伝送距離は短いものの安価、軽量、柔
軟、大口径などの特徴があり、この特徴を活かして照明
用途、FA、OA、LAN等の短距離通信用途及び、各
種光学センサ等分野で実用化されている。このような分
野、特に光学センサなどの用途に使用される場合におい
ては、光ファイバの設置及び配線におけるスペース面で
の制約を受け、取り回しの条件の厳しい環境で使用され
るため、光ファイバには小径での屈曲性、屈曲時の特性
維持などが必要とされる。
【0003】例えば、特開平9−15432号公報に
は、プラスチック光ファイバにおいて小径での屈曲性を
向上させるために、複数のプラスチック光ファイバの芯
を鞘材により一体化してなる多芯プラスチック光ファイ
バおよびこのプラスチック光ファイバの周上に保護被覆
材を形成したプラスチック光ファイバケーブルが提案さ
れている。このような多芯プラスチック光ファイバは、
小径のプラスチック光ファイバの芯を複数束ねた構造を
有していることから、屈曲半径1〜2mmといった非常
に小さな曲げ半径の屈曲を施してもその光学特性の低下
は少なく、非常に屈曲性に優れたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記多
芯プラスチック光ファイバを用いたプラスチック光ファ
イバケーブルには、形態保持性に劣るという問題があっ
た。すなわちこの多芯プラスチック光ファイバの周上
に、通常光ファイバケーブルに用いられている樹脂を用
いて被覆を施したプラスチック光ファイバケーブルに
は、屈曲の際に被覆樹脂の弾性特性により元に戻ろうと
する力が働くために、屈曲状態を保持することは非常に
困難であった。そのため上記プラスチック光ファイバケ
ーブルの屈曲状態を維持するためにはバンド、ステープ
ル、接着などプラスチック光ファイバケーブルを固定す
る操作/措置が必要であった。
【0005】プラスチック光ファイバケーブルにおける
形態保持性を改善する試みとして、例えば特開昭59−
187303号公報において、複数本の光繊維単体と複
数本の金属線を混在させてケーブル状に収容し、プラス
チック素材に起因する弾性挙動を抑制しケーブルの形態
を保持する方法などが提案されている。しかしながら、
上記複数のプラスチック光ファイバに単純に複数の金属
線を内在させただけのプラスチック光ファイバケーブル
においては、プラスチック光ファイバケーブルの端面の
加工性が悪くなったり、他の部材との接続が困難になる
などの問題があった。
【0006】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、形態保持性に優れ、かつ小径の屈曲に
おいても特性の劣化が少ないプラスチック光ファイバケ
ーブルを得ることを目的とする。また上記特性に加え、
加工性にも優れ、他の部材との接続が容易なプラスチッ
ク光ファイバケーブルを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明は多数のコアを有する多芯プラスチック光
ファイバ素線(以下、「多芯光ファイバ」または「光フ
ァイバ」とすることがある)と鋼線とを被覆材にて被覆
一体化してなるプラスチック光ファイバケーブル(以
下、単に「光ファイバケーブル」とすることがある)を
提供する。上記光ファイバケーブルは、小径の屈曲状態
においても伝送損失が少ない多芯光ファイバを用い、か
つこの多芯光ファイバの形態を保持するための鋼線を有
しているので、半径が小径の屈曲状態にあっても損失が
少なく、また形態保持性に優れる特性を有する。
【0008】また、上記光ファイバケーブルにおいて
は、上記鋼線が上記多芯光ファイバと同径の1本の線材
であることが好ましい。さらに、上記光ファイバケーブ
ルにおいては、多芯光ファイバの中心と鋼線の中心とが
光ファイバケーブルの中心軸に対して対称に配されてい
ることが好ましい。このような光ファイバケーブルであ
れば、上記屈曲性、形態保持性の特性に加えて、通常光
ファイバケーブルの製造に用いられている製造装置を用
いて上記光ファイバケーブルを容易に製造することがで
き、端面加工性等の加工性にも優れる。
【0009】また上記光ファイバケーブルにおいては、
その断面における最大径(L)が、0.5〜10mmで
あることが好ましい。このような光ファイバケーブルで
あれば、より屈曲性に優れる。上記光ファイバケーブル
においては、被覆材が塩化ビニル樹脂からなることが好
ましい。このような光ファイバケーブルであれば、被覆
材が柔軟で弾性率が低いため、被覆材による弾性抵抗が
低減され、光ファイバケーブルの形態保持性をより向上
させることができる。
【0010】また、本発明においては、上記光ファイバ
ケーブルの一方の端部または両端部に接続用プラグが装
着されている光ファイバケーブルを提供する。このよう
な光ファイバケーブルであれば、光センサの部品として
用いやすい。本発明の光センサは、上記光ファイバケー
ブルを少なくとも備えたことを特徴とする。このような
光センサは、光ファイバが小径の屈曲状態においても低
損失なものあるため、感度等にセンサ特性に優れる。
【0011】 〔発明の詳細な説明〕図1は、本発明の光ファイバケー
ブルの一例を示したものである。この光ファイバケーブ
ル5は、複数のコアを有する多芯の光ファイバ(多芯プ
ラスチック光ファイバ素線)1と鋼線2とを被覆材3に
より被覆一体化して充実構造とし、断面形状が円形のも
のである。上記光ファイバ1としては、光の伝送経路で
あるコアが多数ある多芯のものを用いる。このような多
芯光ファイバ1としては、例えば図5または図6に示す
ような多芯構造のものが挙げられる。
【0012】図5に示す光ファイバ11は、プラスチッ
クのコア材からなる複数本のコア11a(芯)を、前記
コア材よりも屈折率の低いプラスチックのクラッド材か
らなるクラッド11b(海)により一体化してなる芯/
海構造のものである。この光ファイバ11においては、
コア11a同士の隙間をクラッド11bが埋める充実構
造となっている。図6に示す光ファイバ21は、上記コ
ア材からなるコア(芯)21aの周上を上記クラッド材
により被覆してクラッド層21b(鞘)とし、このクラ
ッド層21bにより被覆したコア21aを、プラスチッ
クからなる集束部21c(海)にて一体化してなる芯/
鞘/海構造のものである。この光ファイバ21において
は、クラッド層21bが形成されたコア21a同士の隙
間を集束部21cが埋める充実構造となっている。
【0013】上記コア材としては、通常プラスチック光
ファイバのコア材として用いられているものを適宜選択
することが可能である。例えばポリメタクリル酸メチ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、非晶性ポリオレ
フィン樹脂及びこれらを主成分とする共重合体などを例
示することができる。特にポリメタクリル酸メチルの単
独重合体を用いることが好ましく、これを用いれば、光
伝送特性の優れた光ファイバを得ることができ、光セン
サに用いた場合に長距離の配線を行うことが可能とな
る。
【0014】また、クラッド材としては、上記コア材よ
りも屈折率が低いものが用いられ、コア材よりも屈折率
が0.01以上低い材料を選択することが好ましい。コ
ア材の屈折率との差が0.01より小さいと、光ファイ
バに取り込まれる光量が少なくなったり、屈曲時の損失
が大きくなり小径で屈曲させて使用することが困難にな
る。上記クラッド材としては、コア材と同様にこれまで
プラスチック光ファイバのクラッド材として提案されて
いるものから適宜選択することが可能であるが、小径の
屈曲に対する耐性を鑑み機械特性に優れた材料を選定す
ることが好ましい。具体的には、フッ化ビニリデンを主
成分とするフッ素樹脂が好適であり、フッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、ヘキサフルオロアセトンなどの構造単位を有する共
重合体が好ましい。特に上記コア材としてポリメタクリ
ル酸メチルを主成分とするものを用いる場合には、クラ
ッド材として、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチ
レン、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘ
キサフルオロプロピレンなどの共重合体を用いることが
好ましい。上記樹脂をクラッド材に用いれば、光ファイ
バ1における機械特性と伝送特性を向上させることがで
きる。
【0015】また、上記集束部21cを形成する材料と
しては、クラッド材として通常用いられる樹脂など公知
の樹脂が使用可能である。上記材料としてクラッド材よ
りも屈折率が低い透明な樹脂を用いると屈曲時の損失の
増加を抑制することができるため好ましい。
【0016】なお、図5および図6は、光ファイバの構
造を説明するための模式図であり、そのコアの数(芯
数)はこれに限定されるものではなく、実際の芯数(コ
ア数)はもっと多くすることが可能であり、前記の光フ
ァイバ1の外径及びコア径から適宜設定すればよく、例
えば光ファイバ径を1mmとした場合、コア径を138
μmとした37芯、コア径を75μmとした151芯な
どの構成を例示することができる。このような光ファイ
バ11、21は、公知の複合紡糸ノズルを用いた溶融複
合紡糸法により容易に製造することができる。
【0017】このような多芯光ファイバ11、21は、
1〜2mm程度の小径の屈曲においても十分な機械的耐
性を有し、かつ屈曲時の伝送特性(光量)の低下が少な
い。
【0018】また、光ファイバ1の外周上に機械特性を
始めとする諸特性の改善及び光ファイバ1の保護を目的
として、保護層を設けることも可能である。上記保護層
を形成する材料としては、前述したような通常クラッド
材として用いられる樹脂が、溶融複合紡糸による製造に
適するため好ましい。他の樹脂としては、通常プラスチ
ック光ファイバに用いられる材料などを例示することが
でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール
共重合体、塩化ビニル、ナイロン、ウレタン、ポリエス
テル等を挙げることができる。
【0019】上記光ファイバ1の外径については特に限
定されるものではないが、0.2〜3mmであることが
好ましい。光ファイバ1の外径が0.2mmよりも小さ
いとセンサなどへの後加工での加工性が低下する恐れが
あり、3mmより大きいと小径での屈曲性が十分に発揮
されなくなる。また、光ファイバ1中のコア径は、10
〜200μmの範囲とすることが好ましい。コア径が1
0μmより小さいと良好な伝送特性を得ることが困難と
なり、200μmより大きいと多芯化による小径での良
好な屈曲性が損なわれるおそれがある。
【0020】上記鋼線2としては、銅、鉄、アルミニウ
ム、ステンレス鋼、ニクロムなどの各種金属素材の線材
を挙げることができる。この鋼線2の本数、及び外径に
ついても特に限定されるものではなく、光ファイバ1の
外径、所望の光ファイバケーブル5の外径、光ファイバ
ケーブル5に要求される屈曲性や形態保持性等により適
宜定められるが、好ましくは、光ファイバ1と鋼線2と
の断面積が同等となるように、より好ましくは1本の鋼
線2を用い、その外径が光ファイバ1と同径となるよう
にするのが好ましい。このような鋼線2を有する光ファ
イバケーブル5においては、鋼線2の有する高い剛性に
より光ファイバ1及び被覆材3の樹脂の弾性挙動を抑制
することができ、小さい曲げ径の屈曲においても十分な
形態保持性を有することができる。また上記鋼線2に光
ファイバ1と同径のものを用いた光ファイバケーブル5
であれば、鋼線2により光ファイバ1の屈曲性が阻害さ
れることなく、光ファイバ1の形態保持性が維持され、
またその取り扱い性にも優れる。また、鋼線2として複
数本の線材を束ねて用いることも可能であるが、鋼線2
を1本とすることにより、光ファイバ1の屈曲性を阻害
することなく、光ファイバケーブル5の取り扱い性が向
上する。
【0021】また鋼線2の周上に機械特性を始めとする
諸特性の改善、またはケーブル化時の樹脂被覆(被覆材
3の形成)を容易とするために保護層を設けることもで
きる。この場合保護層としては、上記光ファイバ1の保
護層として用いられる材料と同様のものを用いることが
できる。
【0022】そして、上記光ファイバケーブル5におい
ては、上記光ファイバ1と鋼線2とを少なくとも1つの
対称軸を有するように対称に配することが好ましく、さ
らに好ましくは、光ファイバケーブル5の中心軸に対し
て、光ファイバ1の中心と鋼線2の中心とが対称となる
ように配する。このように上記光ファイバ1と上記鋼線
2とを対称に配した光ファイバケーブル5であれば、光
ファイバケーブル5の屈曲状態を鋼線2により効果的に
維持することが可能となる。また、光ファイバ1と鋼線
2が同径で対称に配されたものであれば、通常2芯線の
光ファイバケーブルの製造に用いられる被覆用ダイス、
ニップル等を使用し、通常の2芯線の被覆加工と同一の
装置、手法により光ファイバケーブル5を製造すること
ができ、その製造加工性が向上する。また、その端面に
おいても、同径の光ファイバ1と鋼線2とが対称に配さ
れているので、通常用いられる受光素子や各種センサヘ
ッドなどと接続する際において、その端面に通常用いら
れている2芯用コネクタを流用して接続することがで
き、センサ等に組み込みやすくすることが出来る。
【0023】上記光ファイバケーブル5の被覆材3とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/酢酸
ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合
体、塩化ビニル、ナイロン、ウレタン、ポリエステル等
これまでプラスチック光ファイバの被覆材として用いら
れているものを使用することが可能であり、必要に応じ
て各種の改質材、染料、難燃材等を混合して使用するこ
とができる。上記被覆材の中でも、塩化ビニル樹脂、エ
チレン/エチルアクリレート樹脂などを用いることが好
ましい。このような樹脂は柔軟で曲げ弾性率の低いもの
であるので、光ファイバケーブル5の小径での屈曲を可
能とする。
【0024】上記光ファイバケーブル5の断面における
最大径(L)としては、用いる光ファイバ1および鋼線
2の外径にもよるが、好ましくは0.5〜10mm、よ
り好ましくは0.5〜3mmである。0.5mm未満で
あると、光ファイバケーブル5の機械的強度が低下する
傾向があり、また製造が困難となる傾向がある。また、
10mmを超えると、光ファイバケーブル5の取り扱い
性が悪化し、光センサ等に用いる場合のような局所での
取り回し等に向かなくなるおそれがある。
【0025】また、本発明の趣旨とする形態保持性を損
なわない範囲においては、図2に示す光ファイバケーブ
ル15のように、図1に示す構造の光ファイバケーブル
5の周上に機械的強度等の機能を付与するために第2被
覆層4を設けることができる。この第2被覆層4を形成
する被覆材としては、上記被覆材3に示したものと同様
の樹脂を用いることができる。
【0026】また、上記光ファイバケーブルは、図3ま
たは図4に示すような断面形状を有する光ファイバケー
ブルとすることも可能である。図3に示す光ファイバケ
ーブル25は、上記光ファイバ1の周上と鋼線2の周上
に沿うように被覆材3を形成し、被覆材3内部に光ファ
イバ1と鋼線2とを対称となるように配し、その対称軸
面において溝3a、3aを有する形状となるように被覆
材3を形成したものである。図4に示す光ファイバケー
ブル35は、図3に示す構造の光ファイバケーブル25
において、光ファイバ1の周上に保護層9を、鋼線2の
周上に保護層8をそれぞれ設けたものの例である。この
とき、上記図3、4における最大径(L)とは、それぞ
れ図に示すように光ファイバケーブル25、35の幅を
示す。
【0027】本発明における光ファイバケーブルの形状
は特に限定されるものではないが、光ファイバケーブル
の断面において、光ファイバ1と鋼線2とが少なくとも
1つの対称軸を有する対称関係にあり、かつ被覆材3に
おいても対称構造となっているものが、製造も容易で加
工性にも優れることから好ましい。そして、上記図1〜
4に示す形状の光ファイバケーブル(5、15、25、
35)であれば、通常の2芯線の被覆用ダイス、ニップ
ルを使用し、通常の2芯線の被覆加工と同一の装置、手
法により製造することができる。また、受発光素子や、
各種センサヘッドとの接続をする際、従来使用されてい
る2芯用のコネクタを流用して容易に部材を設計、構成
することが可能となり、実用的である。
【0028】このように、上記光ファイバ1と鋼線2と
が上記柔軟性に富む被覆材3により一体化された光ファ
イバケーブルであれば、形態保持性に優れるので、セン
サ組み込み時等、小径の曲げ径で収容される場合などに
おいて屈曲状態を保たせるための特別な装置を必要とし
ない。また前記小径の屈曲状態においても機械的特性、
伝送特性の低下が少ない。
【0029】よって、このような最大径(L)の光ファ
イバケーブル5においては、曲げ半径0.5Lの90°
屈曲、及び曲げ半径Lの360°の屈曲を施した後、屈
曲させる為の力学作用を取り除いた状態での光ファイバ
ケーブル5の曲げ半径及び屈曲角度の増加率を10%以
下、好ましくは5%以下とすることができる。上記光フ
ァイバケーブルの最大径(L)によって規定される屈曲
条件での屈曲角度の増加が10%より大きいと、所望の
配線路から光ファイバケーブルが浮いてしまったり、外
れてしまう恐れがあるため、ステープルなどにより配線
路への物理的な固定手段が必要となる。
【0030】ここで、光ファイバケーブルにおける曲げ
半径の増加率とは、強制的に屈曲させたときの光ファイ
バケーブルの曲げ半径をR1、前記屈曲後に屈曲の際の
応力を除いた状態での光ファイバケーブルの曲げ半径を
R2としたときに、(R2ーR1)/R1×100
(%)で表される。また、光ファイバケーブルの屈曲角
度とは、光ファイバケーブルにおける屈曲部分前の光フ
ァイバケーブルの軸方向と、屈曲部分後の光ファイバケ
ーブルの軸方向とがなす角度を示すもので、この角度が
90°の場合を90°屈曲、360°の場合を360°
屈曲という。ここで、屈曲角度の増加率は、強制的に屈
曲させたときの光ファイバケーブルの屈曲角度をα、前
記屈曲後に屈曲の際の応力を除いた状態での光ファイバ
ケーブルの屈曲角度をβとしたときに、(βーα)/α
×100(%)で表される。
【0031】このように上記光ファイバケーブルにおい
ては、曲げ半径及び/または屈曲角度の増加率を10%
以下、より好ましくは5%以下とすることができるの
で、光ファイバケーブル断面の最大径から現実的に実施
可能な屈曲条件において、光ファイバケーブル自身によ
る形態保持性により屈曲状態を保持することができる。
よって、光ファイバケーブルはセンサ用途など取り回し
の条件の厳しい環境下でも配線して使用することがで
き、自身の外径とほぼ同程度以下の屈曲を施しても光学
特性の劣化が少ない。
【0032】また上記光ファイバケーブルの片端部ある
いは両端部に接続用プラグを取り付けて、センサ等に組
み込みやすくすることができる。このときの接続用プラ
グとしては、通常用いられるものを用いることができ
る。
【0033】また、本発明の光ファイバケーブルは、ポ
イントセンサ、光電センサ等の光センサに好適に用いる
ことができる。この光センサにおいては、本発明の光フ
ァイバケーブル、発光デバイス、受光デバイス等と組み
合わせて構成することにより高好感度、高性能の光セン
サとすることができる。
【0034】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。 (実施例1)コア材としてポリメタクリル酸メチル単独
重合体を、クラッド材としてフッ化ビニリデン/テトラ
フルオロエチレン共重合体(80/20モル%)、被覆
材として前記クラッド材と同じフッ化ビニリデン/テト
ラフルオロエチレン共重合体を用い、これらを151芯
用多芯プラスチック光ファイバ用溶融複合ノズルを使用
し紡糸した後、140℃にて繊維軸方向に2倍に延伸処
理を施し、次いで135℃にて熱処理を施し、直径0.
75mmの図5に示す構造の多芯プラスチック光ファイ
バ11に保護層を形成した構造の多芯光ファイバを作製
した。このとき、多芯光ファイバは、外径(コア径)が
57μmのコアが島状に151個配置された構造(芯/
海/保護層)であった。
【0035】ついで、この多芯光ファイバと、直径0.
75mmのニクロム線を2芯用ダイス/ニップルを装備
したクロスヘッドダイスに供給し、これらを被覆材3と
なるポリエチレンにより被覆一体化して、断面の最大径
(L)が2.5mmの、図1に示す断面形状を有する光
ファイバケーブル5を作製した。
【0036】1、伝送特性 このケーブルの伝送損失をカットバック法(25−5m
カットバック、測定波長650nm、励振NA=0.
1)で測定したところ138dB/kmであり、良好な
伝送特性を有していた。 2、形態保持性 また、この光ファイバケーブルを図7、8に示す形状の
屈曲固定治具を使用し、上記光ファイバケーブルの形態
保持性を調べた。図7に示す固定治具6は、光ファイバ
ケーブルの最大径L=2.5mmに対して、0.5L
(1.25mm)の屈曲径で90°の屈曲を光ファイバ
ケーブルに与えるものであり、図8に示す固定治具7
は、光ファイバケーブルの最大径Lの屈曲径で360°
の屈曲を光ファイバケーブルに与えるものである。これ
らの固定治具6、7を用いて、光ファイバケーブルを屈
曲させ、屈曲前後での光量を測定したところ、どちらも
0.1dBm以下の増加であり、小径の屈曲においても
良好な伝送特性を有していた。ついで、上記光ファイバ
ケーブルを上記固定治具6、7から取り外して、光ファ
イバケーブルの曲げ半径及び屈曲角度の変化を測定した
ところ、いずれの屈曲条件においてもそれぞれ5%以下
の増加であり、上記光ファイバケーブルは、小径の屈曲
に対しても良好な形態保持性を有していた。
【0037】(実施例2)上記多芯光ファイバの直径を
0.5mmとし、鋼線の径を0.5mmとし、被覆材3
に軟質塩化ビニル樹脂を使用した以外は実施例1と同様
にして実施例2の光ファイバケーブルを作製した。この
ときの光ファイバ1のコア径は38μmであり、光ファ
イバケーブルの外径は2.5mmであった。この光ファ
イバケーブルにおける伝送損失および形態保持特性につ
いて実施例1と同様にして調べた。その結果、実施例2
の光ファイバケーブルの伝送損失は143dB/km、
屈曲前後の光量増加も、90°屈曲、360°屈曲とも
に0.1dBm以下であり、曲げ半径及び屈曲角度の変
化もなく、実施例1同様、伝送特性に優れ、小径の取り
扱い性および形態保持性も優れていた。
【0038】さらにポイントセンサ等での配線時の取り
扱い性を検証するため、20mmの矩形状の突起に対し
て、実施例2の光ファイバケーブルを配置、配線してみ
たところ、矩形突起と光ファイバケーブルの間が開くこ
となく、ぴったりと接触した状態で保持されたため、従
来必要だったステープルや接着処理が不要であった。
【0039】(実施例3)上記多芯光ファイバ製造時の
紡糸ノズルを37芯タイプにし、図2に示す構造の光フ
ァイバケーブルを作製した。このときの光ファイバのコ
ア径は、69μmで、光ファイバケーブルの外径は2.
5μmであった。また、第2被覆層には、エチレン/テ
トラフルオロエチレン共重合体を用い、被覆厚さを20
0μmとした。他の条件は、実施例2と同様にして実施
例3の光ファイバケーブルを得た。この光ファイバケー
ブルについても、実施例1と同様に伝送特性、形態保持
性について評価したところ、伝送損失が135dB/k
mであった以外は、実施例1と同様の屈曲光量増加及び
形態保持性を有していた。
【0040】(比較例1)上記実施例3における光ファ
イバ製造時の紡糸ノズルを1芯タイプにし、単芯光ファ
イバとした以外は実施例3と同様にしてプラスチック光
ファイバケーブルを作製した。このときのコア径は49
0μmであり、光ファイバの外径は500μmであり、
光ファイバケーブルの外径は2.5mmであった。上記
比較例1の光ファイバケーブルについても、実施例1と
同様に伝送特性、形態保持性について評価したところ、
この光ファイバケーブルの伝送特性は143dB/km
であり、屈曲前後の光量増加は90°屈曲で、360°
屈曲ともに1dBmであった。
【0041】(比較例2)鋼線2として使用したニクロ
ム線を使用せず、被覆用ダイス及びニップルとして単芯
用のものを用いた以外は実施例2と同様にして光ファイ
バの外周に被覆層が同心円状に形成されたプラスチック
光ファイバケーブルを作製した。この光ファイバケーブ
ルの形態保持性は、2種類の屈曲条件いずれにおいて
も、曲げ半径の増加が50mm以上、屈曲角度の変化は
60°以上となり、屈曲状態を保持することはできなか
った。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
小径での取り扱い性に優れ、かつ形態の保持が可能なプ
ラスチック光ファイバケーブル、及びそれらを利用した
各種センサーの提供が可能となる。特に本発明のプラス
チック光ファイバケーブルは形態保持性に優れているた
め、狭い空間に配線される光電センサ、ポイントセンサ
などとして好適に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプラスチック光ファイバケーブルの
一例を示した断面図である。
【図2】 本発明のプラスチック光ファイバケーブルの
一例を示した断面図である。
【図3】 本発明のプラスチック光ファイバケーブルの
一例を示した断面図である。
【図4】 本発明のプラスチック光ファイバケーブルの
一例を示した断面図である。
【図5】 実施例に用いた固定治具を示す概略構成図で
ある。
【図6】 実施例に用いた固定治具を示す概略構成図で
ある。
【図7】 実施例に用いた屈曲固定治具の形状を示す平
面図である。
【図8】 実施例に用いた屈曲固定治具の形状を示す平
面図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ 2 鋼線 3 被覆層 4 第2被覆層 5、15、25、35 光ファイバケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川嶋 伯夫 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 2H001 DD06 DD11 FF01 KK03 KK06 KK22 MM08 2H046 AA02 AA62 AA67 AD01 AD22 AZ03 AZ08 2H050 AB42Z BB15S BC18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のコアを有する多芯プラスチック光
    ファイバ素線と鋼線とが被覆材にて被覆一体化されてい
    ることを特徴とするプラスチック光ファイバケーブル。
  2. 【請求項2】 上記鋼線が上記プラスチック光ファイバ
    と同径の1本の線材であることを特徴とする請求項1に
    記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  3. 【請求項3】 上記プラスチック光ファイバ素線の中心
    と、鋼線の中心とがプラスチック光ファイバケーブルの
    中心軸に対して対称に配されていることを特徴とする請
    求項1または2に記載のプラスチック光ファイバケーブ
    ル。
  4. 【請求項4】 上記プラスチック光ファイバケーブルの
    最大径(L)が、0.5〜10mmであることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラスチック
    光ファイバケーブル。
  5. 【請求項5】 上記被覆材が塩化ビニル樹脂からなるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプ
    ラスチック光ファイバケーブル。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載のプ
    ラスチック光ファイバケーブルの一方の端部または両端
    部に接続用プラグが装着されていることを特徴とするプ
    ラスチック光ファイバケーブル。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載のプ
    ラスチック光ファイバケーブルを備えたことを特徴とす
    る光センサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007249111A (ja) * 2006-03-20 2007-09-27 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 耐屈曲プラスチック光ファイバケーブル
JP2014106253A (ja) * 2012-11-22 2014-06-09 Fujikura Ltd バンドル型マルチコアファイバ

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