JP4057691B2 - 混合多心線プラスチック光ファイバ及びこれを用いた光通信方法 - Google Patents

混合多心線プラスチック光ファイバ及びこれを用いた光通信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバと該ファイバを用いた光通信方法に関する。より具体的には、非常に狭いスペースの中に同時に複数の信号伝送路を有する集積化された光信号伝送媒体に関する。。
【0002】
【従来の技術】
従来の通信用多芯プラスチック光ファイバとしては屈折率の高い透明な芯樹脂からなる複数本の芯繊維の個々の周りを鞘樹脂で取り囲んで一まとめにした多芯プラスチック光ファイバや、或いは芯繊維の各々を鞘樹脂で取り囲み鞘層となし、それらを第3の樹脂で取り囲んで一まとめにした多芯プラスチック光ファイバ裸線などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記多芯プラスチック光ファイバの信号伝送用としての使用方法は全ての芯を一まとめにして一つの伝送路として用いるものであり、従って、個々の芯を伝送路にして個別に信号を送ろうとすると、隣り合う芯に光が漏洩し、ノイズとなり、特に光ファイバを曲げた時などに生じるクロストークの問題から、実用性が得られなかった。従って、複数の信号を同時に伝送する場合には、信号の数に対応した本数のファイバが必要であった。
【0004】
本発明の目的は、1本のファイバで複数の信号を同時に伝送可能なコンパクトな光ファイバを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は従来の多芯プラスチック光ファイバにおける個々の芯を伝送路として確立させた混合多心線プラスチック光ファイバと該ファイバを用いた光通信方法である。
【0007】
本発明は、可視光線領域で光を透過する複数の透明心線と、該透明心線の伝送損失スペクトルに比べ特定波長域で光透過性を示さない複数の着色心線とを、全体が1本の繊維構造体になるように複合紡糸法によって製造した混合多心線プラスチック光ファイバであって、上記透明心線が、透明な芯樹脂からなる芯の周囲を該芯樹脂よりも屈折率の低い透明な鞘樹脂で取り囲んでなり、上記着色心線が、透明な芯樹脂からなる芯の周囲を上記鞘樹脂が透過し得る光波長領域の少なくとも一部で光吸収性を有する着色樹脂で取り囲んでなり、透明心線と着色心線の合計本数が7〜10000本で、当該ファイバの断面において、上記着色樹脂からなる海の中に上記着色心線の芯及び上記透明心線が島状に配置した海島構造を形成している。
【0008】
また、本発明は、可視光線領域で光を透過する複数の透明心線と、該透明心線の伝送損失スペクトルに比べ特定波長域で光透過性を示さない複数の着色心線とを、全体が1本の繊維構造体になるように複合紡糸法によって製造した混合多心線プラスチック光ファイバであって、上記透明心線が、透明な芯樹脂からなる芯の周囲を該芯樹脂よりも屈折率の低い透明な鞘樹脂で取り囲み、さらにその外側を該鞘樹脂が透過し得る光波長領域の少なくとも一部で光吸収性を有する着色樹脂で取り囲んでなり、上記着色心線が、透明な芯樹脂からなる芯の周囲を上記着色樹脂で取り囲んでなり、透明心線と着色心線の合計本数が7〜10000本で、当該ファイバの断面において、上記着色樹脂からなる海の中に上記透明心線の鞘で囲まれた芯及び上記着色心線の芯が島状に配置した海島構造を形成している。
【0009】
本発明においては、上記着色樹脂としてカーボンブラックを1〜50000ppm含む黒色樹脂が特に好ましく用いられる。
【0010】
本発明の混合多心線プラスチック光ファイバにおける着色心線の役割は、複数本で1本以上の透明心線を隔離することにある。
【0011】
本発明の第二は、上記本発明の混合多芯線プラスチック光ファイバを用いた光通信方法であり、光ファイバ内の異なる1本以上の透明心線毎に異なる信号を送信する方法である。
【0012】
また本発明の光通信方法においては、集積されたレーザーアレーと組み合わせて信号伝送することも可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の混合多心線プラスチック光ファイバは、複数の透明心線と着色心線とを全体が1本の繊維構造体になるように複合紡糸してなる。
【0014】
本発明の光ファイバにおける透明心線は通常のプラスチック光ファイバのように光伝送が可能である。一方着色心線は、上記透明心線の鞘を構成する鞘樹脂が光透過することができる波長領域の少なくとも一部で光吸収特性を有する着色樹脂で透明な芯を取り囲んだ二層構造繊維からなり、よって全く光を透過しないか、或いは着色した領域の波長の光は透過しない心線である。尚、本発明において、着色心線の「着色」とは、可視域での光吸収性を有していることに限らず、可視域外でも鞘樹脂が光透過することができる波長領域において光吸収性を有することを意味する。
【0015】
本発明の混合多心線プラスチック光ファイバを構成する透明心線と着色心線の断面構造を図1に示す。図中、(a)の1が透明心線、(b)の2が着色心線であり、3a及び3bは透明な芯樹脂からなる芯、4は鞘、5は着色樹脂層である。尚、透明心線1の芯3aと着色心線2の芯3bは同じ芯樹脂で形成しても良いし、異なる芯樹脂であっても良い。さらに、着色心線2の芯3bは、透明な芯樹脂を染料または顔料により着色した樹脂で形成しても良い。製造上の効率を考慮すれば、特に理由がない限り、芯3aと3bは同じ芯樹脂で形成するのが望ましい。
【0016】
図3に、本発明の混合多心線プラスチック光ファイバの一実施形態の断面構造を示す。本実施形態は、本発明の光ファイバの外側に樹脂からなる被覆層6を形成してケーブルとした例である。図1に示した透明心線1と着色心線2とをそれぞれ複数本ずつ全体が1本の繊維構造体になるように複合紡糸することにより、着色心線2の着色樹脂層5を形成する着色樹脂が透明心線1と着色心線2の芯3bとの間を埋めて海を形成し、着色心線2の芯3bと透明心線1が島となって、海島構造を形成する。その結果、透明心線1は、これを取り巻く複数の着色心線2によって隔離され、光ファイバ断面において各芯3a、3bは等間隔に配置される。つまり、本発明においては、着色心線2を用いて透明心線1を所望の位置に配置させることができる。
【0017】
図4は、本発明の光ファイバの他の実施形態の断面構造であり、複数の透明心線1を1グループとしてグループ毎に着色心線2で隔離した例である。本実施形態のように、複数の透明心線1が直接隣り合う場合や、光ファイバの最外層に透明心線1が配置される場合には、隣接する透明心線間及び光ファイバの最外層に着色樹脂を配するために、図2に示すように、透明心線1の鞘4の外側にも着色心線2の着色樹脂層5bと同じ着色樹脂で着色樹脂層5aを形成しておけば良い。
【0018】
本発明において、着色心線と透明心線を合わせた芯の総数は7本以上として、全体の芯の配置が円断面に収納されるように配置するのがよい。芯の数については10000本程度までが可能であるが、心線の伝送損失値が低く出来、長い距離の通信用には500本以下が好ましい。
【0019】
透明心線と着色心線の配置は、本発明プラスチック光ファイバの利用目的に応じて設定する。即ち、用途の一つとして1本(図3の構造)または隣接する複数本(図4の構造)の透明心線を一つの信号を送る伝送路として使用するようにして、1本の混合多心線プラスチック光ファイバで同時に複数の信号を送る伝送路として使用するという目的の場合は、着色心線は黒色心線として、それが光遮蔽壁として有効なように着色心線を配置することによって一本の混合多心線プラスチック光ファイバの断面を所望に分割することが可能になる。
【0020】
本発明に用いられる芯樹脂は、屈折率が高い透明樹脂であり、好ましくはポリメチルメタルメタクレート系樹脂である。具体的には、例えばメチルメタクリレート単独重合体や、メチルメタクリレートを50重量%以上含んだ共重合体で、共重合可能な成分として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、イソプロピルマレイミドのようなマレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンなどがあり、これらの中から一種以上適宜選択して共重合させることができる。その他好ましい樹脂として、スチレン系樹脂が使用できる。例えばスチレン単独重合体やスチレン−メチルメタクリレート共重合体などである。その他好ましい樹脂として、ポリカーボネート系樹脂が使用できる。ポリカーボネート系樹脂は耐熱性が高いこと、及び吸湿性が低いという特徴を有する。そのほかプラスチック光ファイバの芯樹脂として提案されている、旭硝子社製CYTOP樹脂やデユポン社製TEFLON−AF樹脂、JSR社製アートン樹脂なども芯樹脂としても使用可能である。
【0021】
本発明に用いる鞘樹脂は、芯樹脂よりも屈折率の低い透明な樹脂である。例えば芯がPMMA系樹脂の場合は、ビニリデンフロライド系樹脂例えばビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンの共重合体やビニリデンフロライドとヘキサフロロプロペンの共重合体やビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンの共重合体などである。その他、フルオロアルキルメタクリレート系樹脂も鞘樹脂として好ましい。フルオロアルキルメタクリレートとしては下記一般式(1)で示される化合物であり、当該一般式で示されるフルオロアルキルメタクリレートモノマーの1種類以上と、他の共重合可能なフルオロアルキルアクリレートやアルキルメタクリレートやアルキルアクリレートなどとの共重合体である。
【0022】
【化1】
Figure 0004057691
【0023】
さらに具体的に例を挙げれば、フルオロアルキルメタクリレートとしては、トリフロオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ペンタフルオロプロピルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、オクタフルオロプロペンチルメタクリレートなどがあり、フッ化アクリレートモノマーとしては,トリフルオロエチルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレートなどがある。そしてこれらのフッ素系モノマーの他に、高屈折率成分として、メチルメタクリレートやエチルメタクリレートなどのメタクリレートモノマーやメチルアクリレートやエチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリレートモノマー、メタクリル酸やアクリル酸などとのいろいろな組合せによる共重合体が挙げられる。
【0024】
本発明に用いる着色樹脂について述べる。着色樹脂は着色心線にどのような機能を持たせるかによって幾つかの選択肢がある。まず着色心線を全光波長領域で光を透過させない目的に使用する場合である。例えば着色心線を透明心線とのクロストークの防止に使用するための遮光壁として使用する場合は、着色樹脂の屈折率や結晶性の有無は問われず、光を透過させない樹脂であればよい。他方、着色心線を特定波長の光だけを透過させないでその他の光は透明心線とほぼ同様に光透過させたい場合は、着色樹脂としては鞘樹脂の中に、その対象とする波長の光を吸収する顔料または染料を含む樹脂を使用することができる。そのような対象波長としては、300nmから1400nmまでの範囲が対象であるが、この波長の中ではR(赤)・G(緑)・B(青)に対応する波長、近赤外線領域のリモートコントロールや無線通信波に対応した波長域が特に利用価値がある。
【0025】
本発明にかかる着色樹脂のベースとなる樹脂の要件としては、芯樹脂との密着性に優れていることの他に、鞘樹脂と同じ溶融流動特性を持っていることが好ましい。その理由は、本発明のプラスチック光ファイバを紡糸するにあたり、透明心線と着色心線が構造的に歪む事無く製造できるためである。
【0026】
従って、鞘樹脂と着色樹脂には必ずしも同じ樹脂を用いる必要はないが、同じものを使用できる場合にはその方がより好ましい。
【0027】
本発明において、着色心線を全波長領域で光を透過させない黒色心線の場合について詳述する。黒色樹脂のベース樹脂として特に好ましいものは芯樹脂に密着して、かつ機械的にも強固であり、圧縮等で容易に変形しないビニリデンフロライド系樹脂である。中でもショアD硬度が55以上のビニリデンフロライド系樹脂が良い。例えばビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンの共重合体やビニリデンフロライドとヘキサフロロプロペンの共重合体やビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンの共重合体などである。中でもビニリデンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%からなる共重合体が好ましく、このビニリデンフロライド系樹脂に、カーボンブラックを1〜50000ppm混練して黒色樹脂として用いるのが特に好ましい。カーボンブラックが50000ppmを超えると均質なカーボンの分散ができず、1ppm未満では光遮蔽効果が薄く、いずれも好ましくない。より好ましくは、50〜10000ppmである。
【0028】
本発明において透明心線と着色心線は一体となって1本の繊維構造体を形成するが、そのためには複合紡糸法によって製造する。即ち、芯樹脂と鞘樹脂と着色樹脂をそれぞれ溶融して複合紡糸ダイに供給し、一気に本発明の混合多心線プラスチック光ファイバを形成する。前記したように、本発明の光ファイバには、芯と鞘からなる透明心線と芯と着色樹脂層からなる着色心線が一体的に融着した構造と、芯と鞘と着色樹脂層からなる透明心線と芯と着色樹脂層からなる着色心線が一体的に融着した構造がある。後者の構造に対応した複合紡糸ダイの断面概念図を図5に示す。図中、11は芯樹脂導入口、12は鞘樹脂導入口、13は着色樹脂導入口、14は透明心線ガイドノズル、15は着色心線ガイドノズルである。
【0029】
本発明の混合多心線プラスチック光ファイバの断面積に占める全ての芯の面積、鞘の面積、及び着色樹脂からなる海の面積の比率は、複合紡糸ダイに供給する芯樹脂、鞘樹脂、着色樹脂の体積比率によって決定できる。そして、各心線の位置関係は複合紡糸ダイのガイドノズルの配置によって決定される。それ故、本発明の混合多心線プラスチック光ファイバの個々の心線の相対的位置関係は一定に保たれる。
【0030】
本発明の混合多心線プラスチック光ファイバの直径は通常0.5〜5mm程度のものである。そして、混合多心線プラスチック光ファイバの全断面積に対する全芯の断面積の比率は特に規定しないが通常40%〜90%である。また、鞘の厚さは通常1μm〜50μm、着色樹脂層の厚さ(隣接する芯と芯、或いは芯と鞘との距離)は1μm〜50μm程度である。これらの配慮をして複合紡糸ダイで紡糸したストランドは、1.2〜3倍程度に延伸し、熱処理して所望の直径の多心線プラスチック光ファイバ(裸線)が得られる。
【0031】
通常、本発明の混合多心線プラスチック光ファイバは、裸線としてその上にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビニリデンフロライド系樹脂、シリコン樹脂、架橋ポリオレフィン樹脂、架橋ポリ塩化ビニル樹脂などで被覆してケーブルとして使用する。
【0032】
本発明の混合多芯プラスチック光ファイバは、一本でも心線の一本以上の集合毎に信号伝送路として信号伝送ができ、集積された伝送路を提供することができ、特に面発光レーザー二次元アレ−など集積された光素子との組合せた伝送などに好適な光ファイバである。
【0033】
【実施例】
以下実施例に基づき本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、下記実施例において、屈折率とはナトリウムD線で20℃で測定した値、メルトフローインデックスは230℃、荷重3.8Kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmの条件で測定した値を言う。
【0034】
屈折率が1.492、メルトフローインデックスが1.5g/10分であるポリメチルメタクリレート樹脂を芯樹脂として用い、鞘樹脂としては、メルトフローインデックスが30g/10分、屈折率が1.402の、ビニリデンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%からなる共重合体を用いた。また着色樹脂としては、上記鞘樹脂にカーボンブラックを5000ppm添加したものを用いた。複合紡糸ダイとしては、図5に示した構造の37芯のダイを用いた。この複合紡糸ダイは、透明芯線が図2に示した着色樹脂層を有する構造のもので、透明心線が7本、着色心線が30本からなる。
【0035】
上記複合紡糸ダイに芯樹脂と鞘樹脂と着色樹脂を各樹脂の容積の比率が72:5:23になるように供給し、ダイから排出されるストランドを収束し、2倍に延伸して、直径1.00mmの混合多心線プラスチック光ファイバ裸線を製造した。この多心線プラスチック光ファイバの芯の平均直径は120μm、鞘の厚さは10μm、着色樹脂の厚さは10μmであった。この裸線に黒色ポリエチレン被覆を行い、図1に示す断面構造のケーブルとした。
【0036】
上記混合多心線プラスチック光ファイバケーブルを50mとり、片端面を100Wのハロゲンランプにかざしてもう一方の端面を顕微鏡で観察すると、7本の透明心線のみが輝いていた。これらの透明心線の鞘と鞘の間は1本の黒色心線で隔てられているので160μmの充分な間隔が確保されている。
【0037】
次に、本混合多心線プラスチック光ファイバの伝送損失値を求めた。サンプル52mをとり、入射NA0.15の650nmの単一波長光源を用いて透明心線ごとに1本ずつ測定した。伝送損失値は7本の透明心線が160dB/km〜180dB/kmの範囲にあった。本混合多心線プラスチック光ファイバを60℃で1000時間放置したが、個々の透明心線の伝送損失は160〜190dB/kmで安定していた。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、1本のファイバで複数の信号をノイズを発生することなく良好に同時に伝送することが可能となり、コンパクトな光通信手段が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混合多芯プラスチック光ファイバを構成する透明心線と着色心線の断面模式図である。
【図2】本発明の混合多芯プラスチック光ファイバを構成する透明心線と着色心線の断面模式図である。
【図3】本発明の混合多芯プラスチック光ファイバを用いたケーブルの一実施形態の断面模式図である。
【図4】本発明の混合多芯プラスチック光ファイバを用いたケーブルの他の実施形態の断面模式図である。
【図5】図2の構造の透明心線と着色心線からなる本発明の混合多芯プラスチック光ファイバを複合紡糸するための複合紡糸ダイの断面概念図である。
【符号の説明】
1 透明心線
2 着色心線
3a、3b 芯
4 鞘
5、5a、5b 着色樹脂層
6 被覆層
11 芯樹脂導入口
12 鞘樹脂導入口
13 着色樹脂導入口
14 透明心線ガイドノズル
15 着色心線ガイドノズル

Claims (6)

  1. 可視光線領域で光を透過する複数の透明心線と、該透明心線の伝送損失スペクトルに比べ特定波長域で光透過性を示さない複数の着色心線とを、全体が1本の繊維構造体になるように複合紡糸法によって製造した混合多心線プラスチック光ファイバであって、上記透明心線が、透明な芯樹脂からなる芯の周囲を該芯樹脂よりも屈折率の低い透明な鞘樹脂で取り囲んでなり、上記着色心線が、透明な芯樹脂からなる芯の周囲を上記鞘樹脂が透過し得る光波長領域の少なくとも一部で光吸収性を有する着色樹脂で取り囲んでなり、透明心線と着色心線の合計本数が7〜10000本で、当該ファイバの断面において、上記着色樹脂からなる海の中に上記着色心線の芯及び上記透明心線が島状に配置した海島構造を形成している混合多心線プラスチック光ファイバ。
  2. 可視光線領域で光を透過する複数の透明心線と、該透明心線の伝送損失スペクトルに比べ特定波長域で光透過性を示さない複数の着色心線とを、全体が1本の繊維構造体になるように複合紡糸法によって製造した混合多心線プラスチック光ファイバであって、上記透明心線が、透明な芯樹脂からなる芯の周囲を該芯樹脂よりも屈折率の低い透明な鞘樹脂で取り囲み、さらにその外側を該鞘樹脂が透過し得る光波長領域の少なくとも一部で光吸収性を有する着色樹脂で取り囲んでなり、上記着色心線が、透明な芯樹脂からなる芯の周囲を上記着色樹脂で取り囲んでなり、透明心線と着色心線の合計本数が7〜10000本で、当該ファイバの断面において、上記着色樹脂からなる海の中に上記透明心線の鞘で囲まれた芯及び上記着色心線の芯が島状に配置した海島構造を形成している混合多心線プラスチック光ファイバ。
  3. 上記着色樹脂がカーボンブラックを1〜50000ppm含む黒色樹脂である請求項1または2の多心線プラスチック光ファイバ。
  4. 1本以上の透明心線を複数の着色心線で隔離した請求項1〜3いずれかの混合多心線プラスチック光ファイバ。
  5. 請求項1〜いずれかの混合多心線プラスチック光ファイバの中に含まれる異なる1本以上の透明心線毎に異なる信号を送信する混合多心線プラスチック光ファイバを用いた光通信方法。
  6. 集積されたレーザーアレーと組み合わせて信号伝送する、請求項の光通信方法。
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