JPH1152147A - 多段階屈折率分布多心プラスチック光ファイバ - Google Patents

多段階屈折率分布多心プラスチック光ファイバ

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JPH1152147A
JPH1152147A JP9205117A JP20511797A JPH1152147A JP H1152147 A JPH1152147 A JP H1152147A JP 9205117 A JP9205117 A JP 9205117A JP 20511797 A JP20511797 A JP 20511797A JP H1152147 A JPH1152147 A JP H1152147A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大口径で取り扱い易く、広伝送帯域のプラス
チック光ファイバを提供する。 【解決手段】 多段階屈折率分布を有する多数の心線6
を最外層5において融着一体化した多心プラスチック光
ファイバとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、パソコンや、オー
ディオビジュアル機器、交換機、電話、OA機器FA機
器などの機器に近接した部分に設置される可動な光通信
伝送媒体として、或いは、光電スイッチの光ファイバセ
ンサーユニットなどとして使用されるプラスチック光フ
ァイバに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の通信用多心プラスチック光ファイ
バとしては、屈折率の高い透明な芯樹脂からなる複数本
の芯繊維の周りを鞘樹脂でとり囲み一まとめにした多芯
プラスチック光ファイバか、または、芯繊維の各々を同
心円状に鞘樹脂で取り囲み鞘層となし、さらにそれらを
第3の樹脂で取り囲んで一まとめにした多心プラスチッ
ク光ファイバが使用されていた。すなわち、個々の心線
は屈折率の高い芯と屈折率の低い鞘からなる1段の屈折
率差からなる1段ステップインデックス型多心プラスチ
ック光ファイバであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の多心プラスチッ
ク光ファイバの信号伝送帯域を上げようとした場合、芯
樹脂と鞘樹脂の屈折率差を小さくし、プラスチック光フ
ァイバ心線の開口数を小さくする。しかし、このように
開口数が小さくなると、受光量が減少するという問題が
あった。一方、屈折率分布型のプラスチック光ファイバ
では、中程度の開口数でも伝送帯域を確保することがで
きるが、この場合、ファイバの直径を大きくしてプラス
チック光ファイバの特長である取扱性を上げようとする
と、曲げによる光量ロスが大きいという問題があった。
本発明は、大口径で取扱い易く、広伝送帯域のプラスチ
ック光ファイバの提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、3層以上の同
心円多層構造を有し且つ屈折率が中心から外側に向かっ
て順次低くなる樹脂製の心線を7本以上、各心線の相対
的位置関係を保ったまま各心線の最外層において融着一
体化して大口径化してなることを特徴とする多段階屈折
率分布多心プラスチック光ファイバである。
【0005】本発明においては、心線を構成する樹脂と
してメチルメタクリレート系樹脂が好ましく用いられ
る。また、心線を構成する樹脂のうち最外層を形成する
樹脂がビニリデンフロライド系樹脂であり、該最外層以
外の層を形成する樹脂がメチルメタクリレート系樹脂で
ある組み合わせも好ましく適用される。
【0006】また、本発明においては、各心線の屈折率
が心線の中心から半径方向にほぼ2次分布的に低くなっ
ていることが好ましい。
【0007】さらに、本発明においては、最外層を第N
層(Nは3以上の整数)とした時、第1層〜第N−1層
の樹脂の光透過性が、各樹脂を芯とし、第N層の樹脂を
鞘としたステップインデックスプラスチック光ファイバ
の伝送損失値で表わした場合、650nmの単色光に対
して、第1層〜第N−2層の各樹脂が200dB/km
以下であり、第N−1層の樹脂が3000〜10000
0dB/kmであり、第1層〜第N−1層の各層間の屈
折率差が0.01以下であり、第N−1層と第N層との
屈折率差が0.02〜0.15である場合に、後述する
曲げによる光ロスが最小限に抑えられるため好ましい。
【0008】本発明の多段階屈折率分布多心プラスチッ
ク光ファイバは、多層複合紡糸ダイによって各心線を形
成すると同時に全心線を融着一体化して形成されている
ことが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明する
が、便宜上、本発明にかかる心線をN層(Nは3以上の
整数)構造とし、中心層を第1層、最外層を第N層と記
す。
【0010】図1にN=5とした本発明の多段階屈折率
分布多心プラスチック光ファイバの一実施形態の断面図
を示す。図中、1〜5は互いに屈折率の異なる透明樹脂
からなる層であり、本実施形態では5層構造の心線6を
7本融着一体化してなる。
【0011】本発明において、心線の個々の一本は多段
階に屈折率分布を有するプラスチック光ファイバであ
る。すなわち、3層以上の同心円多層構造体であり、第
1層の樹脂を一番屈折率の高い樹脂で形成し、外側の層
になるに従い、屈折率が段階的に低くなるように屈折率
分布をつけた細径のプラスチック光ファイバである。こ
れを本発明では心線と称する。
【0012】心線の中の屈折率分布は階段状である。製
造コストとの兼ね合いから、当該屈折率分布は心線の伝
送帯域に改善が見られる3段階(即ち3層構造)以上、
好ましくは5段階以上にするのがよい。
【0013】心線内の屈折率分布のつけ方として、屈折
率をナトリウムD線の20℃の値を基準にして述べれ
ば、第1層を一番高い値とし、第N層の値は、それより
0.01〜0.2の範囲で低いものを選ぶことができ
る。通常は0.01〜0.15の範囲である。その分布
は中心から半径方向にほぼ直線的、即ち1次分布的ない
し3次分布的に低くなるようにして帯域の向上を図る
が、より好ましくは2次分布である。
【0014】上記屈折率分布において、第N−1層と第
N層の間だけは特別大きな屈折率差をつけてもよいが、
この場合、後述するように第N−1層だけは光透過性を
落とした樹脂で形成するのがよい。
【0015】また、光が通過していく第1層〜第N−2
層の樹脂としては、可能な限り光透過性の高いものが良
く、各樹脂を芯とし、第N層の樹脂を鞘としたステップ
インデックスプラスチック光ファイバの伝送損失値で表
わした場合、650nmの単色光に対して、200dB
/km以下であることが好ましく、望ましくは150d
B/km以下である。
【0016】本発明にかかる心線を形成する樹脂として
は、単独重合体、共重合体の他に、異なる重合体同志の
混合体であってもよい。中でも特に好ましい樹脂として
はメチルメタクリレート系樹脂である。即ちメチルメタ
クリレートモノマーの単独重合体を標準にしてメチルメ
タクリレートと共重合可能なアクリレート又はメタリレ
ートとの共重合体を適宜選定することにより屈折率の異
なる重合体を得ることが出来る。
【0017】例えば、屈折率の高い重合体を得るには、
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アク
リレートのようにフェニル構造のあるもの、或いはシク
ロヘキシル(メタ)アクリレートのようなコモノマーが
選定でき、屈折率の低い重合体を得るには、炭素数1〜
8のアルキルアクリレートや、フルオロアルキル(メ
タ)アクリレートのようなコモノマーが選定できる。そ
のほか、メチルメタクリレートとスチレン或いはアクリ
ロニトリルなどとの共重合体も選定できる。
【0018】上記樹脂の好ましいメルトフローインデッ
クスは、オリフィスの直径2mm、長さ8mmで、23
0℃、3.8Kg荷重にて0.2〜60g/10分の範
囲であり、特に好ましくは1.0〜40g/10分であ
る。これらの重合体は、高い透明性が確保できる連続重
合ができ、異物や酸素の混入による重合体の着色を排除
して、原料モノマーの仕込みから重合反応、揮発成分の
除去工程の一連の工程を連続的に行い、直接複合紡糸ダ
イに供給できるので、伝送損失の低い心線が得られる。
【0019】本発明にかかる心線の第N層の樹脂につい
ては、特にビニリデンフロライド系樹脂とすることも好
ましい。ビニリデンフロライド系樹脂で第N層を形成す
ることにより、心線を互いに融着させる際に、心線同志
が機械的に強固に融着される。従って、光ファイバの使
用条件が機械的に苛酷な場合には、この組合せは特に好
ましい。
【0020】上記ビニリデンフロライド系樹脂として
は、ビニリデンフロライドとヘキサフロロプロペンの共
重合体、或いはこれらの2元成分にさらに、トリフロロ
エチレンやテトラフロロエチレンを加えた3元以上の共
重合体、さらにビニリデンフロライドとテトラフロロエ
チレンの2元共重合体、特に、ビニリデンフロライド8
0モル%とテトラフロロエチレン20モル%からなる共
重合体が好ましい。そして、これらのビニリデンフロラ
イド系樹脂とメチルメタクリレート樹脂やエチルメタク
リレート樹脂との透明な混合体が挙げられる。
【0021】さらに本発明の多段階段屈折率分布のプラ
スチック光ファイバにおいて、伝送帯域を高度に保ちつ
つ、曲げによる光ロスを最小限に抑える手法として次の
構成が挙げられる。即ち、第1層〜第N−1層までは屈
折率を段階的にほぼ2次分布的に下げ、そして第N層に
て著しく大きく屈折率を下げる。同時に、第N−1層の
みを光透過性を下げたものとする。当該構成では、第N
−1層が第1鞘層となり、その屈折率がこのファイバの
帯域を規定する。第N−1層で全反射出来なかった光は
当該層を透過して、第N層で反射回収されるが、上記し
たように第N−1層4は透明性を低くしているため、こ
のような高次モードの光は以降第N−1層を透過する度
に減衰を繰り返して消失し、その結果、帯域を維持する
ことができる。一方、このような光ファイバが急峻に曲
げられた時については、当然曲げの箇所で光の漏洩が生
じるが、そのうちの幾分かは、うまく内側の層を反射し
て行く光となるように、第2鞘層である第N層で反射回
収されるため、曲げによる光ロスが抑制される。
【0022】上記構成において、第N−1層の樹脂の光
透過性は、第N−1層の樹脂を芯とし、第N層の樹脂を
鞘としたステップインデックスプラスチック光ファイバ
の伝送損失値で表わした場合、650nmの単色光に対
して3000〜100000dB/kmであることが好
ましい。この値が小さい場合には、短距離のファイバで
の帯域が狭くなる。また大き過ぎると、ファイバを曲げ
た時の光の回収率が下がる。特に好ましくは、6000
〜30000dB/kmである。また、第1層〜第N−
1層の各層間の屈折率差は0.01以下が好ましい。こ
れは500MHz・50m程度の広帯域を確保するため
である。より好ましくは0.0005〜0.005であ
る。また、第N−1層と第N層との屈折率差は0.02
〜0.15であることが好ましい。さらに、第N−1層
は第1層〜第N−2層とは異なり、厚さが1〜20μm
の薄い層であることが好ましい。これらの評価のための
ステップインデックスプラスチック光ファイバについて
は、公知の方法により製造した、1mmφの直径のファ
イバで測定し、第1層〜第N−2層の樹脂からなるプラ
スチック光ファイバについては52m−2mのカットバ
ック法で、第N−1層については伝送損失値の程度に応
じて、例えば3000dBでは5m−1m程度のカット
バック法で、100000dB/kmのレベルでは20
cmと10cmのカットバック法により測定したもので
ある。
【0023】次に、本発明の光ファイバは、上記した心
線を7本以上、各心線の相対的位置関係を保ったまま、
融着一体化して大口径化されている。
【0024】本発明において、心線の数としては最低7
本用いると円形配置が可能となり好ましく、最大数につ
いては、特に制限はないが本発明の光ファイバを製造す
る多層複合ダイの調達の困難性の問題から500本程度
が限度である。
【0025】また、1本当りの心線の直径が大きいと、
心線を曲げたときの光量ロスが大きくなり、このロスを
小さくするためにはどうしても心線の直径を出来るだけ
小さくする必要がある。しかし、直径が小さくなると必
然的に受光量が減るという問題を生じる。本発明では、
細径の心線を多数本細密的に充填した多心プラスチック
光ファイバとすることで、受光量減少の防止と光量ロス
の低減を図ったものである。
【0026】本発明において、各心線の直径は5μm〜
500μmが好ましく、より好ましくは50μm〜35
0μm程度である。また、本発明の多心プラスチック光
ファイバの直径としては0.1mm〜3mmであり0.
1mm未満では細過ぎて扱いずらく、3mmを越えると
剛直になり扱いづらくなる。通常は0.5〜1.5mm
である。
【0027】また本発明においては、各心線の相対的位
置関係を保ったまま、融着一体化されている。各心線の
相対的位置関係を保った状態とは、光ファイバのどの断
面においても各心線が全く同じ位置関係にあるというこ
とである。その理由は、光源LEDやLDの光は小さな
スポットであったり、中央部の光密度が高いのが常であ
るため、多心プラスチック光ファイバの中央部の心線で
受けた光をそのまま反対の端面の中央部で小口径のレシ
ーバーなどに効率よく接続するためである。しかもどの
端面を切断しても、先端がばらけることなく固定され、
左右の心線の位置関係が保たれ、且つ多心プラスチック
光ファイバの先端での心線が突出や引っ込みを起こさな
いためにはそれらが融着していることが必要である。そ
のため、本発明の多段階屈折率分布多心プラスチック光
ファイバの製造には、図2に示すような、多段階屈折率
分布多心プラスチック光ファイバ用の多層複合紡糸ダイ
で一気に多段階屈折率分布心線を多数形成しつつ、それ
らを一体的に融着する方法を用いるのが特に好ましい。
【0028】この多層複合紡糸ダイは本発明を実現する
ための一つの対応装置例であり、図2は図1に示したよ
うな5層構造の心線からなる多段階屈折率分布多心プラ
スチック光ファイバを形成する場合に用いる複合紡糸ダ
イの断面模式図である。図中、11〜15は樹脂口、1
7はガイドパイプ、18は集合ノズルである。第1樹脂
口11に心線の第1層の樹脂が供給され、ガイドパイプ
17から排出される。同様に第2樹脂口12〜第5樹脂
口15にそれぞれ屈折率の異なる樹脂が供給され、それ
ぞれ同心円状に配置されたガイドパイプ17を経て5層
の構造体が7心排出され、それらが集合され一体的に融
着して、集合ノズル18から太い円形糸として排出され
る。これを引き伸ばし所望の太さにして、本発明の多段
階屈折率分布多心プラスチック光ファイバを得ることが
できる。
【0029】本発明の多段階屈折率分布多心プラスチッ
ク光ファイバは、通常その外側にビニリデンフロライド
系樹脂等の保護被覆やポリエチレンやポリ塩化ビニル等
の保護被覆を行い、多段階屈折率分布多心光ファイバケ
ーブルとして用いられる。
【0030】
【実施例】
[実施例1]精製された原料モノマーとしてメチルメタ
クリレートとベンジルメタクリレートを用い、5系列の
完全混合器と脱揮押出機とギヤポンプからなる装置によ
って連続完全混合1段のバルク重合を行ない、それぞれ
の重合体供給系列からメチルメタクリレートとベンジル
メタクリレートの共重合比率を調節した重合体を得て、
図2に示した5層7心複合紡糸ダイの樹脂口11〜15
に供給した。本実施例に用いた共重合体のモノマー組成
と屈折率及び樹脂供給量を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】本実施例において紡糸温度は230℃とし
た。5層7心層複合紡糸ダイの集合ノズルから排出され
たストランドを引き伸ばし、延伸処理を行い、直径0.
5mmの5段階7心プラスチック光ファイバ裸線を得
た。各々の心線の直径は162μmであった。図3に本
実施例のプラスチック光ファイバの各心線の屈折率分布
を示す。図中、横軸は心線の中心からの距離を示す。心
線の半径方向の層の厚さは図3に示すように、中心層の
半径が36μm、第2層の厚さが18μm、第3層〜第
5層の厚さがそれぞれ9μmであった。上記プラスチッ
ク光ファイバ裸線の外側を黒色ポリエチレンで被覆し、
ケーブルとした。
【0033】本実施例のプラスチック光ファイバの伝送
損失は650nmにて200dB/kmであった。ま
た、このプラスチック光ファイバの伝送帯域は500M
Hz・50m以上が認められた。さらに、このケーブル
の曲げに対する光量のロスを調べたところ、入射角0.
2ラジアンの光に対し、曲げ半径10mmで、360°
曲げ1回で90%以上の光量が保持できた。
【0034】[実施例2]実施例1と同じ5層7心複合
紡糸ダイを用いてプラスチック光ファイバを得た。中心
層の樹脂と第2層の樹脂はメチルメタクリレートとベン
ジルメタクリレートの共重合体で、第3層はメチルメタ
クリレートの単独重合体であり、それぞれ連続完全混合
1段のバルク重合で重合し、脱揮押出機とギヤポンプか
らなる装置から複合紡糸ダイの各樹脂口11〜13に導
入した。
【0035】第4層の樹脂は、第3層に用いたメチメタ
クリレート単独重合体とビニリデンフロライドとテトラ
フロロエチレンの80モル対20モルの樹脂の96重量
%と4重量%の混合体で、やや白濁した樹脂を用いた。
そして第5層にはビニリデンフロライドとテトラフロロ
エチレンの80モル対20モルの樹脂を用いた。それぞ
れ押出機で溶融し、ギヤポンプで複合紡糸ダイの樹脂口
14、15に供給した。これらの樹脂の供給量などを表
2に記す。
【0036】上記第1層〜第4層の樹脂について予め光
透過性を確認するため、1段のステップインデックスプ
ラスチック光ファイバを製造した。即ち、各層の樹脂を
芯、上記第5層樹脂を鞘として用い、各樹脂を溶融状態
で重合工程と直結した1段複合紡糸ダイに供給して直径
が1mmφのプラスチック光ファイバを得た。得られた
ファイバの伝送損失を、測定条件として、650nmの
単色光、入射NA0.15で、第1層〜第3層の樹脂に
ついては52m−2mのカットバック法、第4層の樹脂
については2m−1mのカットバック法により測定し
た。結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】本実施例において紡糸温度は230℃とし
た。5層7心複合紡糸ダイの集合ノズルから排出された
ストランドを引き伸ばし、延伸処理を行い、直径0.5
mmの5段階7心プラスチック光ファイバ裸線を得た。
各々の心線の直径は162μmであった。図4に本実施
例のプラスチック光ファイバの各心線の屈折率分布を示
す。図中、横軸は心線の中心からの距離を示す。心線の
半径方向の層の厚さは図4に示すように、中心半径が4
0μm、第2層の厚さが20μm、第3層が10μm、
第4層は3μm、第5層は8μmであった。本プラスチ
ック光ファイバ裸線に黒色ポリエチレンで被覆を行い、
ケーブルを得た。
【0039】本実施例のプラスチック光ファイバの伝送
損失は650nmにて195dB/kmであった。この
プラスチック光ファイバの伝送帯域は500MHz・5
0m以上が認められた。さらにこのケーブルの曲げに対
する光量のロスを調べたところ、入射角0.2ラジアン
の光に対し、曲げ半径10mmで、360度曲げ1回で
95%以上の光量が保持できた。
【0040】
【発明の効果】本発明の多段階屈折率分布多心プラスチ
ック光ファイバは、50m程度の伝送に耐える伝送損失
を有し、伝送帯域も500MHz・50m以上の広帯域
を実現し、且つファイバの直径を大きくとることがで
き、しかもを曲げた時の光量ロスも十分小さいものであ
るため、取り扱い性が良く、曲げが必要な狭いスペース
での使用にも好ましく適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多段階屈折率分布多心プラスチック光
ファイバの一実施形態の断面図である。
【図2】図1に示したような、多段階屈折率分布多心プ
ラスチック光ファイバを形成する場合に用いる複合紡糸
ダイの断面模式図である。
【図3】実施例1のプラスチック光ファイバの各心線の
屈折率分布を示す図である。
【図4】実施例2のプラスチック光ファイバの各心線の
屈折率分布を示す図である。
【図5】 1〜5 樹脂層 6 多段階屈折率分布心線 11〜15 樹脂口 17 ガイドパイプ 18 集合ノズル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多段階屈折率分布多心プラスチック光
ファイバの一実施形態の断面図である。
【図2】図1に示したような、多段階屈折率分布多心プ
ラスチック光ファイバを形成する場合に用いる複合紡糸
ダイの断面模式図である。
【図3】実施例1のプラスチック光ファイバの各心線の
屈折率分布を示す図である。
【図4】実施例2のプラスチック光ファイバの各心線の
屈折率分布を示す図である。
符号の説明】 1〜5 樹脂層 6 多段階屈折率分布心線 11〜15 樹脂口 17 ガイドパイプ 18 集合ノズル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3層以上の同心円多層構造を有し且つ屈
    折率が中心から外側に向かって順次低くなる樹脂製の心
    線を7本以上、各心線の相対的位置関係を保ったまま各
    心線の最外層において融着一体化して大口径化してなる
    ことを特徴とする多段階屈折率分布多心プラスチック光
    ファイバ。
  2. 【請求項2】 心線を構成する樹脂がメチルメタクリレ
    ート系樹脂からなる請求項1記載の多段階屈折率分布多
    心プラスチック光ファイバ。
  3. 【請求項3】 心線を構成する樹脂のうち最外層を形成
    する樹脂がビニリデンフロライド系樹脂であり、該最外
    層以外の層を形成する樹脂がメチルメタクリレート系樹
    脂である請求項1記載の多段階屈折率分布多心プラスチ
    ック光ファイバ。
  4. 【請求項4】 各心線の屈折率が心線の中心から半径方
    向にほぼ2次分布的に低くなっている請求項1〜3いず
    れかに記載の多段階屈折率分布多心プラスチック光ファ
    イバ。
  5. 【請求項5】 最外層を第N層(Nは3以上の整数)と
    した時、第1層〜第N−1層の樹脂の光透過性が、各樹
    脂を芯とし、第N層の樹脂を鞘としたステップインデッ
    クスプラスチック光ファイバの伝送損失値で表わした場
    合、650nmの単色光に対して、第1層〜第N−2層
    の各樹脂が200dB/km以下であり、第N−1層の
    樹脂が3000〜100000dB/kmであり、第1
    層〜第N−1層の各層間の屈折率差が0.01以下であ
    り、第N−1層と第N層との屈折率差が0.02〜0.
    15である請求項1〜4いずれかに記載の多段階屈折率
    分布多心プラスチック光ファイバ。
  6. 【請求項6】 多層複合紡糸ダイによって各心線を形成
    すると同時に全心線を融着一体化して形成されている請
    求項1〜5いずれかに記載の多段階屈折率分布多心プラ
    スチック光ファイバ。
JP20511797A 1997-07-31 1997-07-31 多段階屈折率分布多心プラスチック光ファイバ Expired - Lifetime JP3745507B2 (ja)

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