JP2001164011A - 防曇性スチレン系透明樹脂シート及びその成形品 - Google Patents

防曇性スチレン系透明樹脂シート及びその成形品

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JP2001164011A
JP2001164011A JP34836199A JP34836199A JP2001164011A JP 2001164011 A JP2001164011 A JP 2001164011A JP 34836199 A JP34836199 A JP 34836199A JP 34836199 A JP34836199 A JP 34836199A JP 2001164011 A JP2001164011 A JP 2001164011A
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transparent resin
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Takayuki Ando
孝行 安藤
Hiroshi Suzuki
宏志 鈴木
Hideki Totani
英樹 戸谷
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防曇剤作成時の作業性、並びに防曇性に優れ
たスチレン系透明樹脂シート及びその成形品を提供する
こと。 【解決手段】 陰イオン界面活性剤10〜99.5質量
%と非イオン性界面活性剤90〜0.5質量%を含有し
てなる防曇剤で、かつ該防曇剤における陰イオン界面活
性剤中の30質量%以上が硫酸エステル塩である防曇剤
を用いてスチレン系透明樹脂シートに表面処理して得た
シート及びこのシートを用いて得た成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防曇剤処理溶液作
製時の作業性及び防曇性に優れたスチレン系透明樹脂シ
ート及びその成形品に関する。更に詳しくは包装材分野
等に広く用いられているスチレン系透明樹脂シートに対
し、スチレン系透明樹脂シートに塗布する防曇剤溶液の
作製時のハンドリング性に優れ、更に防曇性も優れたス
チレン系透明樹脂シート及びその成形品に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】スチレン系透明樹脂シートやその成形品
は包装、被覆材として広く使用されているが、その表面
が疎水性の為に気温や湿度の変化により凝集した水分が
微小水滴となり表面に付着する、いわゆる曇りが発生す
ることがある。その曇りにより収納物の見分けが困難と
なり、商品価値を低下させる原因となる場合が多かっ
た。
【0003】この問題を解決しようと、特公昭59−1
9584号公報ではHLBが13以上の界面活性剤とシ
ョ糖高級脂肪酸エステルからなる防曇剤で、特開平9−
221661号公報はショ糖脂肪酸エステルと陰イオン
界面活性剤からなる防曇剤で防曇性を改良する試みが行
われている。また、特開平8−157639号公報では
ショ糖脂肪酸エステルと親水性高分子と多価アルコール
からなる防曇剤で防曇性を改良する試みが行われてき
た。特公昭59−19584号公報及び特開平9−22
1661号公報の防曇剤では防曇性に劣り、また特開平
8−157639号公報で用いているヒドロキシエチル
セルロースは、溶解し難く、溶解を容易にする為予めヒ
ドロキシエチルセルロース水溶液を作製しても温度25
℃の15%水溶液でも粘度が非常に高く、ハンドリング
性に劣る。また、カビが発生し易く保存性に劣る為、作
業性及び防曇性の両方を満たすことはまだ充分とは言え
なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な技術状況の基で、防曇剤処理溶液作製時の作業性及
び、防曇性に優れたスチレン系透明樹脂シート及びその
成形品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構成から
なる防曇剤を使用することによって本発明に達したもの
である。すなわち、本発明は、陰イオン界面活性剤10
〜99.5質量%と非イオン界面活性剤90〜0.5質
量%を含有してなる防曇剤で、かつ該防曇剤における陰
イオン界面活性剤中の30質量%以上が硫酸エステル塩
である防曇剤でスチレン系透明樹脂シートを表面処理し
て得た防曇性スチレン系透明樹脂シート及びそのシート
を用いて得た成形品に関するものである。
【0006】以下に本発明を詳しく説明する。本発明の
防曇剤は硫酸エステル塩を必須とする陰イオン界面活性
剤と非イオン界面活性剤からなる。硫酸エステル塩は具
体的には下記の構造式を持つ硫酸エステルと下記に述べ
る塩を構成する塩基性物質とからなる化合物が挙げられ
る。
【0007】
【化1】 (但し、RはH及びC1〜C20のアルキル基、nは0〜
50の整数を表す)
【0008】また、塩を構成する塩基性物質としてはナ
トリウムやカリウム等のアルカリ金属若しくはマグネシ
ウム等のアルカリ土類金属、或いはエタノールアミン等
のアルカノールアミン、トリブチルアミン等の低級アル
キルアミン等が挙げられる。
【0009】これらの硫酸エステル塩として、例えばヤ
シアルキルエーテルサルフェートNa、ヤシアルキルサ
ルフェートNa、トリエタノールアミンラウリルサルフ
ェート等が挙げられ、少なくともこれらを1種類類以上
使用することができる。
【0010】更に、本発明の防曇剤には、他の陰イオン
界面活性剤としてカルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸
エステル塩等を併用しても構わない。その際、全陰イオ
ン界面活性剤中の硫酸エステル塩は30質量%以上であ
る。好ましくは50質量%以上であり、更に好ましくは
70質量%以上である。硫酸エステル塩が30質量%よ
り少ないと防曇性に劣る。なお、上記のカルボン酸塩の
例としては、ラウリン酸K、ミリスチン酸Na、パルミ
チン酸K等が、スルホン酸塩としてはオクチルベンゼン
スルホン酸Na、ウンデシルナフタリンスルホン酸N
a、ジ−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸Na等
が、またリン酸エステル塩としてはプロピルエーテルリ
ン酸エステルK、オクチルリン酸エステルNa、ドデシ
ルリン酸エステルNa等が挙げられる。
【0011】非イオン界面活性剤は具体的にはグリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピ
レングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル、クエン酸モノ,ジ及びトリステアリルエステル、ペ
ンタエリスリトール脂肪酸エステル、トリメチロールプ
ロパン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチ
レングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコ
ール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコ
ールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、N,Nビス(2−ヒドロキシエチル)脂肪酸ア
ミン、脂肪酸とジエタノールアミンの縮合生成物、ポリ
オキシプロピレンポリオキシエチレンブロックポリマ
ー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレンオキサイド、ひまし油のエチレンオキ
サイド付加物、イソプロピルアルコール等が挙げら、少
なくともこれらを1種類以上使用することが出来る。特
にポリエチレングリコールが好ましい。
【0012】本発明の防曇剤中の陰イオン界面活性剤と
非イオン界面活性剤の割合は、陰イオン界面活性剤が1
0〜99.5質量%、非イオン界面活性剤が90〜0.
5質量%である。好ましくは陰イオン界面活性剤が30
〜99.5質量%、非イオン界面活性剤が70〜0.5
質量%であり、更に好ましくは陰イオン界面活性剤が5
0〜99.5質量%、非イオン界面活性剤が50〜0.
5質量%であり、最も好ましくは陰イオン界面活性剤が
70〜99.5質量%、非イオン界面活性剤が30〜
0.5質量%である。陰イオン界面活性剤が10質量%
より小さく、非イオン界面活性剤が90質量%より大き
い場合、または陰イオン界面活性剤が99.5質量%よ
り大きく、非イオン界面活性剤が0.5質量%より小さ
い場合は相乗効果による防曇性の改良が見られない。
【0013】スチレン系透明樹脂シートの表面を防曇剤
で処理する際には、陰イオン界面活性剤と非イオン界面
活性剤を溶媒に溶解した溶液として用いる。溶媒として
は水、アルコール等が用いられるが特にこれらに限定さ
れるものではない。取扱い上は水が好ましい。また、陰
イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤は共に水への溶
解が容易でハンドリング性に優れる。防曇処理溶液とし
て用いる場合、陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性
剤の溶液濃度は特に限定されることはないが0.01〜
10質量%が好ましい。
【0014】本発明の防曇性スチレン系透明樹脂シート
に用いるスチレン系透明樹脂シートとは、スチレン系透
明樹脂を成形加工して得た防曇剤で処理する前のシート
である。スチレン系透明樹脂には、スチレン系単量体の
単独重合体、スチレン系単量体の共重合体、スチレン系
単量体に共重合可能な単量体を共重合して得た共重合体
及びそれらの混合物が挙げられる。
【0015】上記の(共)重合体に用いられるスチレン
系単量体にはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、t−ブチルスチレン等が挙げられ、また、スチ
レン系単量体と共重合可能な単量体としてはアクリル
酸、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリロニト
リル、メタクリル酸、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3
−ブタジエン(イソプレン)等が挙げられる。
【0016】これらスチレン系単量体の単独重合体又
は、スチレン系単量体の共重合体としてはスチレンを重
合して得られるGPポリスチレンが好ましい。また、ス
チレン系単量体に共重合可能な単量体を共重合して得た
共重合体としては、メタクリル酸メチル−スチレン共重
合体、メタクリル酸−スチレン共重合体、メタクリル酸
メチル−メタクリル酸−スチレン共重合体、アクリロニ
トリル−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体が好ましい。
【0017】また、ブタジエン系ゴム存在下でスチレン
系単量体及び/又はスチレン系単量体と共重合可能な単
量体を重合して得た重合体を透明性を損なわない範囲で
上記のスチレン系単量体を必須とする(共)重合体に混
合して用いることもできる。ここで用いられるスチレン
系単量体及び/又はスチレン系単量体と共重合可能な単
量体としては、前記で挙げた単量体を用いることができ
る。更にブタジエン系ゴムにはハイシスポリブタジエ
ン、ローシスポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエンブロックゴム、スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロックゴム、部分水添ポリブタジ
エンゴム等が挙げられる。なお、重合に用いる単量体や
ブタジエン系ゴムは少なくとも1種類類以上を用いるこ
とができる。これらの(共)重合体としてはゴム変性耐
衝撃性ポリスチレン(HIPS)が好ましい。
【0018】スチレン系透明樹脂をシートに加工する方
法は特に限定されることはなく、1軸延伸法、2軸延伸
法、多軸延伸法、共押出法、積層法等の常法が挙げられ
る。また、シートを防曇処理するにはシートの表面をコ
ロナ放電処理法、オゾン処理法、プラズマ処理法等で改
質したものが好ましい。
【0019】防曇剤処理液をスチレン系透明樹脂シート
に処理する方法は特に限定されることはなく、簡便には
ロールコーター、ナイフコーター、グラビアロールコー
ター等を用いて塗布する方法が挙げられる。また、噴
霧、浸漬等を採用することも出来る。
【0020】防曇剤処理した本発明のスチレン系透明樹
脂シート表面の防曇剤の固形分は0.005〜0.5g
/m2が好ましい。スチレン系透明樹脂シートの防曇剤
の固形分が0.005g/m2より少ないと防曇性の効
果が現れ難くなり、また0.5g/m2より多いとシー
ト表面の塗工ムラが目立ち始める。なお、固形分とは防
曇剤処理液の溶媒を除去した後の陰イオン界面活性剤と
非イオン界面活性剤の成分量を言うものとする。例え
ば、液状の非イオン界面活性剤を用いた場合には、乾燥
後塗布されている防曇剤量をいうものである。
【0021】本発明の防曇性スチレン系透明樹脂シート
とは食料品等の包装材或いは被覆材として使用されるシ
ートのことであり、かつ、該スチレン系透明樹脂シート
を通して収納物が確認出来る透明性が必要である。該ス
チレン系透明樹脂シートの厚みは特に限定されることは
なく、一般に100μm〜10mmである。このシート
は成形して容器にも用いられる。また、該スチレン系透
明樹脂シートの透明性として好ましくはHazeが10
以下であり、更に好ましくはHazeが5以下である。
【0022】本発明の成形品とは防曇性スチレン系透明
樹脂シートを圧空成形、真空成形、真空圧空成形等を用
いて成形された食料品等を包装する蓋容器やフードパッ
クである。
【0023】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
なお、実施例における物性測定は以下の通り実施した。 (1)作業性:200ccのビーカーに温度25℃の水
99g入れ、直径20mmのマグネチックスターラーで
200rpmで回転させ攪拌している中に防曇剤を添加
し、防曇剤溶液を作製する時の溶解性を目視で評価し
た。 ◎:直に溶解した。 ○:10分以内に溶解した。 ×:30分経っても溶解しなかった。 (2)シート透明性:防曇剤を塗布したスチレン系透明
樹脂シートのHazeを日本電色工業社製測定機NDH
−1001DPにて測定した。 (3)シート外観性:防曇剤を塗布したスチレン系透明
樹脂シート表面の塗工ムラを目視にて評価した。 ○:塗工ムラが殆ど目立たない。 △:塗工ムラが一部目立つ。 ×:塗工ムラが目立つ。 (4)防曇性評価:温度40℃の水を張ったPSP
(ポリスチレンペーパー)容器の上に本発明の防曇剤を
塗布したシートや蓋容器を塗布面を水側にして張り付
け、温度5℃の冷蔵庫に45分放置した。その後シート
及び蓋容器の曇りを目視にて評価した。 ◎:曇りが殆ど見られない。 ○:曇りが一部で見られる。 △:曇りが半分程度見られる。 ×:曇りが大部分で見られる。 (5)防曇性評価:(イ)本発明の防曇剤を塗布した
蓋容器の塗布面側上に水滴を落下させ、蓋容器と水滴と
の接線の角度を協和界面科学社製接触角計CA−DT.
A型にて測定した。また、(ロ)防曇性評価で温度5
℃の冷蔵庫に45分放置した後の蓋容器を乾燥させ、そ
の蓋容器の塗布面側上に水滴を落下させ、蓋容器と水滴
との接線の角度も協和界面科学社製接触角計CA−D
T.A型にて測定した。
【0024】実施例1 スチレン系透明樹脂シートにシート厚み0.4mmの2
軸延伸GPポリスチレンシートを用いた。また、防曇剤
としては陰イオン界面活性剤にヤシアルキルエーテルサ
ルフェートNaの30質量%水溶液を、非イオン界面活
性剤に液状のポリエチレングリコールを用い、陰イオン
界面活性剤の固形分量と非イオン界面活性剤の液状のポ
リエチレングリコールをそれぞれ99質量%と1質量%
となるように調整して得た。更にこの防曇剤を1.0質
量%水溶液になるように希釈して、シート表面の防曇剤
の固形分が0.06g/m2となるように塗布したシー
トを得た。また、そのシートを用い、内面側を塗布面と
した蓋容器(180mm長×100mm幅×50mm高
さ)を成形した。なお、ヤシアルキルエーテルサルフェ
ートNaの30質量%水溶液には日本油脂社製パーソフ
トEK、ポリエチレングリコールには日本油脂社製PE
G300を用いた。表1に防曇剤をなす陰イオン界面活
性剤の固形分量と非イオン界面活性剤の液状のポリエチ
レングリコールの配合割合を質量%で示し、得られた物
性も示した。
【0025】実施例2 防曇剤としては陰イオン界面活性剤にヤシアルキルサル
フェートNaの30質量%水溶液を、非イオン界面活性
剤に液状のポリエチレングリコールを用い、陰イオン界
面活性剤の固形分量と非イオン界面活性剤の液状のポリ
エチレングリコールをそれぞれ97質量%と3質量%に
なるように調整して得た。この防曇剤を用いた以外は実
施例1と同様に行った。なお、ヤシアルキルサルフェー
トNaの30質量%水溶液には日本油脂社製パーソフト
SKを用いた。表1に防曇剤をなす陰イオン界面活性剤
の固形分量と非イオン界面活性剤の液状のポリエチレン
グリコールの配合割合を質量%で示し、得られた物性も
示した。
【0026】実施例3 防曇剤としては陰イオン界面活性剤にヤシアルキルエー
テルサルフェートNaの30質量%水溶液と固体のラウ
リン酸Kを用い、各々の界面活性剤を固形分割合で40
質量%と60質量%になるように調整した。また、非イ
オン界面活性剤に液状のポリエチレングリコールを用
い、陰イオン界面活性剤の全固形分量と非イオン界面活
性剤の液状のポリエチレングリコールをそれぞれ90質
量%と10質量%になるように調整して得た。この防曇
剤を用いた以外は実施例1と同様に行った。なお、ラウ
リン酸Kには日本油脂社製ノンサールLN−1を用い
た。表1に防曇剤をなす陰イオン界面活性剤の全固形分
量と非イオン界面活性剤の液状のポリエチレングリコー
ルの配合割合を質量%で示し、得られた物性も示した。
【0027】実施例4 防曇剤としては陰イオン界面活性剤にヤシアルキルエー
テルサルフェートNaの30質量%水溶液とジ−(2−
エチルヘキシル)スルホコハク酸Naの80質量%水溶
液を固形分割合で60質量%と40質量%になるように
調整した。また、非イオン界面活性剤に液状のポリエチ
レングリコールを用い、陰イオン界面活性剤の全固形分
量と非イオン界面活性剤の液状のポリエチレングリコー
ルをそれぞれ90質量%と10質量%になるように調整
して得た。この防曇剤を用いた以外は実施例1と同様に
行った。なお、ジ−(2−エチルヘキシル)スルホコハ
ク酸Naの80質量%水溶液には日本油脂社製ラピゾー
ルA−80を用いた。表1に防曇剤をなす陰イオン界面
活性剤の全固形分量と非イオン界面活性剤の液状のポリ
エチレングリコールの配合割合を質量%で示し、得られ
た物性も示した。
【0028】実施例5 防曇剤としては陰イオン界面活性剤にヤシアルキルエー
テルサルフェートNaの30質量%水溶液を、非イオン
界面活性剤に液状のポリエチレングリコールを用い、陰
イオン界面活性剤の固形分量と非イオン界面活性剤の液
状のポリエチレングリコールをそれぞれ60質量%と4
0質量%になるように調整して得た。この防曇剤を用い
た以外は実施例1と同様に行った。表2に防曇剤をなす
陰イオン界面活性剤の固形分量と非イオン界面活性剤の
液状のポリエチレングリコールの配合割合を質量%で示
し、得られた物性も示した。
【0029】実施例6 防曇剤としては陰イオン界面活性剤にヤシアルキルエー
テルサルフェートNaの30質量%水溶液を、非イオン
界面活性剤に液状のポリエチレングリコールを用い、陰
イオン界面活性剤の固形分量と非イオン界面活性剤の液
状のポリエチレングリコールをそれぞれ40質量%と6
0質量%になるように調整して得た。この防曇剤を用い
た以外は実施例1と同様に行った。表2に防曇剤をなす
陰イオン界面活性剤の固形分量と非イオン界面活性剤の
液状のポリエチレングリコールの配合割合を質量%で示
し、得られた物性も示した。
【0030】実施例7 防曇剤としては陰イオン界面活性剤にヤシアルキルエー
テルサルフェートNaの30質量%水溶液を、非イオン
界面活性剤に固体のポリエチレングリコールを用い、陰
イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤を固形分割合で
それぞれ20質量%と80質量%になるように調整して
得た。この防曇剤を用いた以外は実施例1と同様に行っ
た。なお、ポリエチレングリコールには日本油脂社製P
EG−1000を用いた。表2に防曇剤の固形分の配合
割合を質量%で示し、得られた物性も示した。
【0031】実施例8 実施例1と同一の防曇剤を用い、シート表面の防曇剤の
固形分が0.25g/m2となるように塗布した以外は
実施例1と同様に行った。表2に防曇剤をなす陰イオン
界面活性剤の固形分量と非イオン界面活性剤の液状のポ
リエチレングリコールの配合割合を質量%で示し、得ら
れた物性も示した。
【0032】実施例9 実施例1と同一の防曇剤を用い、シート表面の防曇剤の
固形分が0.6g/m 2となるように塗布した以外は実
施例1と同様に行った。表3に防曇剤をなす陰イオン界
面活性剤の固形分量と非イオン界面活性剤の液状のポリ
エチレングリコールの配合割合を質量%で示し、得られ
た物性も示した。
【0033】実施例10 実施例1と同一の防曇剤を用い、シート表面の防曇剤の
塗布量を0.004g/m2となるように塗布した以外
は実施例1と同様に行った。表3に防曇剤をなす陰イオ
ン界面活性剤の固形分量と非イオン界面活性剤の液状の
ポリエチレングリコールの配合割合を質量%で示し、得
られた物性も示した。
【0034】実施例11 スチレン系透明樹脂シートにシート厚み0.4mmの2
軸延伸メタクリル酸メチル−スチレン共重合体シートを
用いた以外は実施例1と同様に行った。表3に防曇剤を
なす陰イオン界面活性剤の固形分量と非イオン界面活性
剤の液状のポリエチレングリコールの配合割合を質量%
で示し、得られた物性も示した。
【0035】実施例12 スチレン系透明樹脂シートにGPポリスチレンとスチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体を95質量%と5質量
%になるように混合し、押出した樹脂を2軸延伸して得
た厚み0.4mmのシートを用いた以外は実施例1と同
様に行った。表3に防曇剤をなす陰イオン界面活性剤の
固形分量と非イオン界面活性剤の液状のポリエチレング
リコールの配合割合を質量%で示し、得られた物性も示
した。
【0036】比較例1 防曇剤としては陰イオン界面活性剤にジ−(2−エチル
ヘキシル)スルホコハク酸Naの80質量%水溶液を、
非イオン界面活性剤に液状のポリエチレングリコールを
用い、陰イオン界面活性剤の固形分量と非イオン界面活
性剤の液状のポリエチレングリコールを各50質量%に
なるように調整して得た。この防曇剤を用いシート表面
の防曇剤の固形分を0.24g/m2となるように塗布
した以外は実施例1と同様に行った。表4に防曇剤をな
す陰イオン界面活性剤の固形分量と非イオン界面活性剤
の液状のポリエチレングリコールの配合割合を質量%で
示し、得られた物性も示した。シート及び成形品の防曇
性に劣り、また接触角が大きいことが分かる。
【0037】比較例2 防曇剤としてはショ糖脂肪酸エステルとヒドロキシエチ
ルセルロースと多価アルコールをそれぞれ30質量部、
70質量部、10質量部となるように配合し、水で1質
量%となるように希釈してシート表面の防曇処理をおこ
なった。その他は実施例1と同様に行った。なお、ショ
糖脂肪酸エステルには理研ビタミン社製リケマールA3
0、ヒドロキシエチルセルロースにはダイセル化学工業
社製HEC−SE400、多価アルコールには花王社製
D−ソルビトールを用いた。表4に防曇剤の固形分の配
合割合を質量%で示し、得られた物性も示した。防曇剤
処理溶液作製時の作業性に劣ることが分かる。
【0038】比較例3 防曇剤としては陰イオン界面活性剤にヤシアルキルエー
テルサルフェートNaの30質量%水溶液を、非イオン
界面活性剤に液状のポチエチレングリコール用い、陰イ
オン界面活性剤の固形分量と非イオン界面活性剤の液状
のポリエチレングリコールをそれぞれ99.8質量%と
0.2質量%になるように調整して得た以外は実施例1
と同様に行った。表4に防曇剤をなす陰イオン界面活性
剤の固形分量と非イオン界面活性剤の液状のポリエチレ
ングリコールの配合割合を質量%で示し、得られた物性
も示した。防曇性評価の成形品の防曇性に劣り、また
防曇性評価で接触角が大きいことが分かる。
【0039】比較例4 防曇剤としては陰イオン界面活性剤にヤシアルキルエー
テルサルフェートNaの30質量%水溶液と固体のラウ
リン酸Kを、非イオン界面活性剤に液状のポリエチレン
グリコールを用い、陰イオン界面活性剤のヤシアルキル
エーテルサルフェートNaとラウリン酸Kの固形分量と
非イオン界面活性剤の液状のポリエチレングリコールを
それぞれ5質量%、92質量%、3質量%になるように
調整して得た以外は実施例1と同様に行った。表4に防
曇剤をなす陰イオン界面活性剤の固形分量と非イオン界
面活性剤の液状のポリエチレングリコールの配合割合を
質量%で示し、得られた物性も示した。成形品の防曇性
に劣り、接触角が大きいことが分かる。
【0040】比較例5 防曇剤としては陰イオン界面活性剤にヤシアルキルエー
テルサルフェートNaの30質量%水溶液を非イオン界
面活性剤に液状のポリエチレングリコールを用い、陰イ
オン界面活性剤の固形分量と非イオン界面活性剤の液状
のポリエチレングリコールをそれぞれ5質量%と95質
量%になるように調整して得た。この防曇剤を用いた以
外は実施例1と同様に行った。表5に防曇剤をなす陰イ
オン界面活性剤の固形分量と非イオン界面活性剤の液状
のポリエチレングリコールの配合割合を質量%で示し、
得られた物性も示した。防曇性評価の成形品の防曇性
に劣り、防曇性評価の接触角が大きいことが分かる。
【0041】比較例6 防曇剤を塗布しなかった以外は実施例1と同様に行っ
た。得られた物性を第5表に示した。シート及び成形品
の防曇性に劣り、接触角も大きいことが分かる。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【発明の効果】本発明の防曇剤は防曇剤処理溶液作製時
の作業性に優れ、かつこの防曇剤を用いたスチレン系透
明樹脂シート及びその成形品は透明性、防曇性に優れて
いるので食料品等の包装等に広く使用でき、非常に有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 BB07X CA39 DA04 DB37 DC36 EA05 EC07 EC35 EC54 4F006 AA15 AB33 AB66 AB69 BA10 CA07 EA03 EA06 4H020 AA03 AB02 AB06 AB07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系透明樹脂シートを、陰イオン
    界面滑性剤10〜99.5質量%と非イオン界面活性剤
    90〜0.5質量%とを含有してなる防曇剤で、かつ該
    防曇剤における陰イオン界面滑性剤中の30質量%以上
    が硫酸エステル塩である防曇剤で表面処理したことを特
    徴とする防曇性スチレン系透明樹脂シート。
  2. 【請求項2】 スチレン系透明樹脂シートを表面処理し
    た防曇剤量が固形分として0.005g〜0.5g/m
    2であることを特徴とする請求項1記載の防曇性スチレ
    ン系透明樹脂シート。
  3. 【請求項3】 スチレン系透明樹脂シートとして2軸延
    伸GPポリスチレンシートを用いることを特徴とする請
    求項1又は2記載の防曇性スチレン系透明樹脂シート。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載のいずれか1項記載
    の防曇性スチレン系透明樹脂シートを用いて得られるこ
    とを特徴とする成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016039341A1 (ja) * 2014-09-08 2016-03-17 電気化学工業株式会社 二軸延伸シート及び包装用容器

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