JP2001158694A - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents
炭化珪素単結晶の製造方法Info
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Abstract
プ欠陥を炭化珪素単結晶の内部で閉塞させる。 【解決手段】 マイクロパイプ欠陥1aを含有する炭化
珪素基板結晶1の表面に炭化珪素多結晶3を堆積させて
マイクロパイプ欠陥1aを被覆したのち、炭化珪素多結
晶3で被覆された炭化珪素基板結晶1に熱処理を施すこ
とによってマイクロパイプ欠陥1aを炭化珪素基板結晶
1内で閉塞させる。このように、炭化珪素基板結晶1の
表面に炭化珪素多結晶3を堆積させることによって、マ
イクロパイプ欠陥1aが確実に被覆され、その後の熱処
理によってマイクロパイプ欠陥1aが確実に炭化珪素基
板結晶1内で閉塞されるようにできる。例えば、炭素、
珪素、炭化珪素を含む粒子2と共に炭化珪素基板結晶1
を熱処理することによって、炭化珪素多結晶3を堆積さ
せることができる。
Description
陥が閉塞された炭化珪素(SiC)単結晶の製造方法に
関する。
リー法(昇華法)にてSiC単結晶を製造する際、マイ
クロパイプ欠陥(中空貫通欠陥)と呼ばれる直径サブμ
m乃至数μmの中空貫通孔が略成長方向に沿って伸長
し、成長結晶中に内在される。マイクロパイプ欠陥はデ
バイスの電気的特性に悪影響を与えるため、マイクロパ
イプ欠陥があるSiC単結晶はデバイス形成用の基板に
適さない。このため、マイクロパイプ欠陥を低減するこ
とが重要な課題となっている。
国特許第5,679,153号明細書や特許第2804
860号公報や特許第2876122号公報に示される
方法が提案されている。
示される方法は、シリコン中のSiC溶融を用いた液相
エピタキシー法によって結晶成長させると、エピタキシ
ャル成長途中でマイクロパイプ欠陥が閉塞されていくこ
とを利用して、マイクロパイプ欠陥を有する種結晶(欠
陥密度:50〜400cm-2)上にマイクロパイプ欠陥
が低減されたエピタキシャル層(欠陥密度:0〜50c
m-2)を成長させている。
法は、種結晶の成長面として(0001)面に垂直な面
を使用することによって、アルカリエッチングに際し、
六角形エッチピットが全く観察されない単結晶、つまり
マイクロパイプ欠陥が存在しない単結晶を種結晶上に成
長させている。
る方法は、α(六方晶)−SiC単結晶基板(種結晶)
の表面に、熱化学的蒸着(CVD)法によりβ(立方
晶)−SiCもしくはα−SiCの多結晶膜の成膜と、
それによって得られた複合体に対する熱処理とを複数回
繰り返すことにより、複数層のβ−SiCもしくはα−
SiC多結晶膜をα−SiC単結晶基板(種結晶)の結
晶軸と同一方位に配向(ある種の固相エピタキシャル成
長)させることによって、種結晶上にマイクロパイプ欠
陥などの結晶欠陥のない高品質、かつ、高膜厚の単結晶
SiCを成長させている。
共に、種結晶上に新たな単結晶を成長させ、その成長層
においてマイクロパイプ欠陥を低減するようにしてい
る。
プ欠陥が無い部分を得るために、液相エピタキシー法に
て20〜75μm以上のエピタキシャル層を成長させな
ければならず、また、その範囲以下では、依然としてマ
イクロパイプ欠陥が存在するという問題がある。また、
このように形成されたエピタキシャル層を種結晶とし
て、再び昇華法によって単結晶成長を行うと、マイクロ
パイプ欠陥が閉塞された部分が薄いことから、その閉塞
された部分が昇華して再びマイクロパイプ欠陥の開口部
を生じる可能性があり、種結晶の試料調整や昇華法成長
条件の適正化が困難であるという問題もある。
陥の発生を抑制する点では効果があるが、成長させた単
結晶に新たな積層欠陥が導入されるため、基板の電気的
特性に異方性を生じ、電子デバイス用基板としては適さ
ないという問題がある。
基板(種結晶)の表面にCVD法でβ−SiCもしくは
α−SiC多結晶膜を形成するため、結晶粒界を内在し
たSiC複合体が得られる。この複合体を熱処理し、種
結晶上に固相エピタキシャル成長させると、β−SiC
もしくはα−SiC多結晶膜中の結晶子が派生成長(ov
er growth)して明確な結晶粒界は熱処理とともに減少
していくが、上記結晶粒界や不均一相変態に伴う結晶境
界などにおける内部歪みを原因とした結晶欠陥が導入さ
れる危惧がある。こうした欠陥はキャリアのトラップ源
となるため電子デバイス用基板としては適さないという
問題がある。また、実用基板の厚さにするために、成膜
工程と熱処理工程と表面平滑工程を数回繰り返す必要が
あるため、製造コストが高くなるという問題もある。
成長層においてマイクロパイプ欠陥の発生、継承を抑制
するのではなく、炭化珪素単結晶に存在しているマイク
ロパイプ欠陥を炭化珪素単結晶の内部で閉塞させること
ができるようにすることを目的とする。
本発明者らは、マイクロパイプ欠陥を有する炭化珪素単
結晶からなる炭化珪素基板結晶を被覆した状態で熱処理
を施すことにより、マイクロパイプ欠陥を炭化珪素基板
結晶の内部で閉塞させることができることを見出した。
のエピタキシャル成長によって炭化珪素基板結晶に被覆
層を形成すると、炭化珪素基板結晶の結晶情報が引き継
がれ、マイクロパイプ欠陥が被覆層で覆われない場合が
ある。このような場合、マイクロパイプ欠陥は、後の熱
処理によって閉塞されなくなるため、マイクロパイプ欠
陥を確実に被覆しておく必要がある。
結晶の表面に堆積させると、炭化珪素基板結晶の結晶性
とは無関係に被覆層が形成されることを見出した。
クロパイプ欠陥(1a)を含有する炭化珪素基板結晶
(1)の表面に炭化珪素多結晶(3)を堆積させてマイ
クロパイプ欠陥を被覆する工程と、炭化珪素多結晶で被
覆された炭化珪素基板結晶に熱処理を施すことによって
マイクロパイプ欠陥を炭化珪素基板結晶内で閉塞させる
工程と、を含んでいることを特徴としている。
化珪素多結晶を堆積させることによって、マイクロパイ
プ欠陥が確実に被覆され、その後の熱処理によってマイ
クロパイプ欠陥が確実に炭化珪素基板結晶内で閉塞され
るようにできる。
素、炭化珪素のうちの少なくとも1つを含む物質(2)
と共に炭化珪素基板結晶を熱処理することによって、炭
化珪素多結晶を堆積させることができる。
ロパイプ欠陥(1a)を含有する炭化珪素基板結晶
(1)の表面に被覆層(4)を形成する工程と、被覆層
を形成した炭化珪素基板結晶に炭化珪素多結晶(3)を
堆積させることにより、炭化珪素多結晶でマイクロパイ
プ欠陥を被覆する工程と、炭化珪素多結晶で被覆された
炭化珪素基板結晶に熱処理を施すことによってマイクロ
パイプ欠陥を炭化珪素基板結晶内で閉塞させる工程と、
を含んでいることを特徴としている。
覆層を形成したのち、被覆層を形成した炭化珪素基板結
晶に炭化珪素多結晶を形成するようにすれば、被覆層を
核として炭化珪素多結晶を形成することができる。この
ように炭化珪素多結晶で被覆した炭化珪素基板結晶に対
して熱処理を行うことにより、請求項1と同様の効果を
得ることができる。
炭素で構成することができる。また、請求項5に示すよ
うに、炭化珪素多結晶を堆積させる工程は、液相成長に
て行うことができる。
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
の第1実施形態を適用した炭化珪素単結晶の製造工程を
示す。以下、図1に基づいて炭化珪素単結晶の製造方法
について説明する。
パイプ欠陥1aを有する炭化珪素単結晶からなる炭化珪
素基板結晶1を用意する。そして、この炭化珪素基板結
晶1の表面に、図1(b)に示すように、炭化珪素粒
子、珪素粒子、及び炭素粒子のうち少なくとも1つを含
む粒子2を塗布する。この粒子2としては、例えば粒径
が数μm〜サブμmのものが選択される。
を黒鉛るつぼ内に入れ、熱処理行う。これにより、図1
(c)に示すように、粒子2を核として、炭化珪素基板
結晶1の表面に炭化珪素多結晶3が形成される。
は、炭化珪素単結晶で構成された炭化珪素基板結晶1の
結晶形が承継されないため、炭化珪素基板結晶1に形成
されていたマイクロパイプ欠陥1aも継承されず、炭化
珪素多結晶3によってマイクロパイプ欠陥1aを確実に
被覆することができる。
ってマイクロパイプ欠陥1aが被覆された炭化珪素基板
結晶1を炭化珪素や珪素の粉末に埋め込み、炭化珪素基
板結晶1の表面からの炭化を抑制しつつ加熱処理を行
う。
れていたマイクロパイプ欠陥1aが閉塞され閉塞孔1b
となる。
されるメカニズムについては、以下のように推測され
る。
クトルを有するらせん転位芯が、大きな弾性歪みエネル
ギーを緩和するために中空貫通孔になったものと考えら
れている(F.C.Frank.Acta.Crys
t.4(1951)497参照)。
マイクロパイプ欠陥1aのメカニズムとは逆の現象が起
きていると推定される。マイクロパイプ欠陥1aの閉塞
推定モデルを図2を用いて説明する。
板結晶1を炭化珪素多結晶3で被覆している場合につい
て考える(図2(a))。この状態で図1に示した熱処
理装置内に配置し、適当な温度・圧力条件にて熱処理を
行うと、その温度における平衡蒸気圧を保つために、マ
イクロパイプ欠陥1aの周辺、3C−SiC膜及び蓋体
のグラファイトから、Si、SiC2 、Si2 C等の蒸
気種が図中の矢印のように昇華する。(図2(b))。
閉塞箇所の透過電子顕微鏡観察結果から、炭化珪素多結
晶3との界面において、大きなバーガースベクトルを有
するらせん転位(Super Screw Dislocation)から形
成されるマイクロパイプ欠陥が分解されて、1c(6H
−SiCの場合、c=1.5nmで、cは単位格子のc
軸長に対応する。)以下のバーガースベクトルを有する
数本のらせん転位の集合体(積層欠陥、刃状転位を含
む)となるとともに、中空孔にSiCが析出したと推定
される。
する中空孔であるよりSiCが析出した方が、表面を形
成していることによる表面エネルギー不利が解消され、
さらに、環境相(気相)の分子が結晶中に組み込まれる
ことによる自由エネルギーの低下が、SiCの析出によ
って生じる結晶中の歪みエネルギーによる損失を上回る
ため、全系として自由エネルギーの利得がある。このた
め、昇華−再析出(/再配列)が進行したと推定される
(図2(c)(d))。
1aを有する炭化珪素基板結晶1の少なくとも一方の面
を被覆して熱処理を行うことがマイクロパイプ欠陥1a
(らせん転位)のバーガースベクトルを分解する役目を
果たし、結果的にマイクロパイプ欠陥1aが閉塞される
効果を奏したと推定される。
全に被覆したのち、炭化珪素多結晶3を炭化珪素や珪素
の粉末で埋め込んで、炭化珪素基板結晶1が表面から炭
化することを抑制しながら熱処理を行うと、図1(d)
に示すように、炭化珪素基板結晶1に形成されていたマ
イクロパイプ欠陥1aが閉塞され閉塞孔1bとなる。
aを閉塞孔1bとした炭化珪素基板結晶1に対して、炭
化珪素多結晶3及び炭素4を除去し、炭化珪素基板結晶
1を表出させると、マイクロパイプ欠陥1aがすべて閉
塞された炭化珪素単結晶を得ることができる。
に被覆層として炭化珪素多結晶3を成長させることによ
り、被覆層がマイクロパイプ欠陥1aを引き継ぐことに
よってマイクロパイプ欠陥1aの被覆が不完全になるお
それがなくなり、その後の処理によって完全にマイクロ
パイプ欠陥1aを閉塞することができる。
1bとされた炭化珪素基板結晶1をデバイス基板として
用いることにより、高性能なデバイスが作成できる。ま
た、マイクロパイプ欠陥1aが閉塞された炭化珪素基板
結晶1を種結晶として用いることにより、マイクロパイ
プ欠陥1aのない高品質な結晶を新たに作成することが
可能である。
珪素多結晶3を形成するための核を形成するために、炭
化珪素基板結晶1の表面に炭素材料、珪素材料、炭化珪
素材料が混合された粒子2を塗布しているが、本実施形
態の方法によって多結晶成長のための核を形成しても良
い。
プ欠陥1aの閉塞工程を示す。
パイプ欠陥1aが含まれた炭化珪素基板結晶1を用意す
る。そして、図3(b)に示すように、炭化珪素基板結
晶1の表面を炭素4で被覆する。例えば、炭素4を蒸着
することによって、炭化珪素基板結晶1の表面を被覆す
る。
を核として炭化珪素多結晶3を成長させる。例えば、炭
素4で被覆された炭化珪素基板結晶1をシリコン(S
i)粉末と共に黒鉛るつぼ内に入れて加熱処理を行った
のち、炭化珪素基板結晶1に付着したシリコンをフッ酸
と硝酸の混酸によって溶かし、炭化珪素基板結晶1を取
り出すと、炭素4の表面にシリコン融液中で液相成長し
た炭化珪素多結晶3を堆積させることができる。これに
よりマイクロパイプ欠陥1aを炭化珪素多結晶3で完全
に被覆することができる。
実施形態の図1(d)、(e)に示す工程と同様の工程
を施すと、第1実施形態と同様マイクロパイプ欠陥1a
がすべて閉塞された炭化珪素単結晶を得ることができ
る。これにより、第1実施形態と同様の効果を得ること
ができる。
では、炭化珪素基板結晶1に炭化珪素多結晶3を形成す
る工程と、マイクロパイプ欠陥1aを閉塞する工程にお
ける熱処理を別々に行っているが、これらを1つの工程
で行ってもよい。このようにしても第1、第2実施形態
と同様にマイクロパイプ欠陥1aがすべて閉塞された炭
化珪素単結晶を得ることができ、第1、第2実施形態と
同様の効果を得ることができる。
炭素4の形成に蒸着を用いたが、それ以外の方法、例え
ば、有機物の炭化、炭素粒子の塗布、炭化珪素基板結晶
1自身の炭化によって行っても差し支えない。
多結晶3を形成させる核となる被覆層として、炭素層、
炭化珪素粉末、炭素粉末、珪素粉末を例示したが、それ
以外の物質、例えば、高融点金属、窒化珪素等のセラミ
ックを用いても良い。
3の形成方法として、液相成長を例示したが、固相法や
気相法によって行っても良い。また、炭化珪素単結晶の
結晶多形は、6H、4H、15R等のいずれでも適応可
能であり、さらに、基板結晶1の面方位も問わない。
て説明する。 (実施例1)本実施例は、第1実施形態に対する実験結
果を示している。
形の炭化珪素単結晶からなる炭化珪素基板結晶1(厚さ
1mm、マイクロパイプ欠陥密度100/cm2)を用
意した。この炭化珪素基板結晶1の表面に、炭化珪素粒
子、珪素粒子及び炭素粒子を混合した粒子2(粒径:数
μmからサブμm)に埋め込んだのち、これを黒鉛るつ
ぼ内で熱処理した。ことのきの熱処理条件は、アルゴン
(Ar)雰囲気にて、温度を1400〜2000℃、圧
力を6.65×104Pa(500Torr)、加熱時
間を6時間とした。
表面に炭化珪素多結晶3が成長した。この炭化珪素多結
晶3には、炭化珪素基板結晶1に形成されていたマイク
ロパイプ欠陥1aから伸長した孔が全く観察されず、マ
イクロパイプ欠陥1aの端が完全に炭化珪素多結晶3に
よって被覆されていた。
素基板結晶1を炭化珪素や珪素の粉末に埋め込んで、炭
化珪素基板結晶1の表面からの炭化を抑制しつつ加熱処
理を行った。このときの加熱処理の熱処理条件は、アル
ゴン雰囲気にて、温度を2400℃、圧力を6.65×
104Pa、加熱時間を24時間とした。
化珪素基板結晶1を炭化珪素多結晶3の表面から加工除
去し、炭化珪素基板結晶1を表出させた。そして、炭化
珪素基板結晶1の表面を顕微鏡によって観察した。その
結果、炭化珪素基板結晶1の表面に開口したマイクロパ
イプ欠陥1aは全く存在せず、最初に存在していたマイ
クロパイプ欠陥1aがすべて閉塞され、閉塞孔7となっ
ていたことが明らかになった。
対する実験結果を示している。
形の炭化珪素単結晶からなる炭化珪素基板結晶1(厚さ
1mm、マイクロパイプ欠陥密度100/cm2)を用
意した。この炭化珪素基板結晶1の表面に、炭素4を約
50nmの厚さ蒸着したのち、シリコン粉末と共に炭化
珪素基板結晶1を黒鉛るつぼ内に入れ、加熱した。この
時の熱処理条件は、アルゴン(Ar)雰囲気にて、温度
を1800〜2200℃、圧力を6.65×104P
a、加熱時間を6時間とした。
酸の混酸によって溶かし、炭化珪素基板結晶1を取り出
した。その結果、シリコン融液中で炭素4を核として炭
化珪素多結晶3が成長しており、炭化珪素基板結晶1に
対して片側約50μmの炭化珪素多結晶3が堆積してい
た。この炭化珪素多結晶3には、炭化珪素基板結晶1に
形成されていたマイクロパイプ欠陥1aから伸長した孔
が全く観察されず、マイクロパイプ欠陥1aの端が完全
に炭化珪素多結晶3によって被覆されていた。
素基板結晶1を炭化珪素や珪素の粉末に埋め込んで、炭
化珪素基板結晶1の表面からの炭化を抑制しつつ加熱処
理を行った。このときの加熱処理の熱処理条件は、アル
ゴン雰囲気にて、温度を2400℃、圧力を6.55×
104Pa、加熱時間を24時間とした。
化珪素基板結晶1に対して、炭化珪素多結晶3の表面か
ら100μmを加工除去し、炭化珪素基板結晶1を表出
させた。そして、炭化珪素基板結晶1の表面を顕微鏡に
よって観察した。その結果、炭化珪素基板結晶1の表面
に開口したマイクロパイプ欠陥1aは全く存在せず、最
初に存在していたマイクロパイプ欠陥1aがすべて閉塞
され、閉塞孔7となっていたことが明らかになった。
対する実験結果を示している。
形の炭化珪素単結晶からなる炭化珪素基板結晶1(厚さ
1mm、マイクロパイプ欠陥密度100/cm2)を用
意した。この炭化珪素基板結晶1の表面に、炭素4を約
50nmの厚さ蒸着したのち、シリコン粉末と共に炭化
珪素基板結晶1を黒鉛るつぼ内に入れ、加熱した。この
時の熱処理条件は、アルゴン(Ar)雰囲気にて、温度
を2400℃、圧力を6.65×104Pa、加熱時間
を30時間とした。
酸の混酸によって溶かし、炭化珪素基板結晶1を取り出
した。その結果、シリコン融液中で炭素4を核として炭
化珪素多結晶3が成長しており、炭化珪素基板結晶1に
対して片側約250μmの炭化珪素多結晶3が堆積して
いた。
素基板結晶1に対して、炭化珪素多結晶3の表面から約
300μmを加工除去し、炭化珪素基板結晶1を表出さ
せた。そして、炭化珪素基板結晶1の表面を顕微鏡によ
って観察した。その結果、炭化珪素基板結晶1の表面に
開口したマイクロパイプ欠陥1aは全く存在せず、最初
に存在していたマイクロパイプ欠陥1aがすべて閉塞さ
れ、閉塞孔7となっていたことが明らかになった。
の製造工程を示す図である。
説明するための図である。
の製造工程を示す図である。
b…閉塞孔、2…核としての粒子、3…炭化珪素多結
晶、4…炭素。
Claims (6)
- 【請求項1】 マイクロパイプ欠陥(1a)を含有する
炭化珪素基板結晶(1)の表面に炭化珪素多結晶(3)
を堆積させて前記マイクロパイプ欠陥を被覆する工程
と、 前記炭化珪素多結晶で被覆された前記炭化珪素基板結晶
に熱処理を施すことによって前記マイクロパイプ欠陥を
前記炭化珪素基板結晶内で閉塞させる工程と、を含んで
いることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。 - 【請求項2】 前記炭化珪素多結晶を堆積させる工程
は、炭素、珪素、炭化珪素のうちの少なくとも1つを含
む物質(2)と共に前記炭化珪素基板結晶を熱処理する
工程であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素
単結晶の製造方法。 - 【請求項3】 マイクロパイプ欠陥(1a)を含有する
炭化珪素基板結晶(1)の表面に被覆層(4)を形成す
る工程と、 前記被覆層を形成した前記炭化珪素基板結晶に炭化珪素
多結晶(3)を堆積させることにより、前記炭化珪素多
結晶で前記マイクロパイプ欠陥を被覆する工程と、 前記炭化珪素多結晶で被覆された前記炭化珪素基板結晶
に熱処理を施すことによって前記マイクロパイプ欠陥を
前記炭化珪素基板結晶内で閉塞させる工程と、を含んで
いることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。 - 【請求項4】 前記被覆層を炭素で構成することを特徴
とする請求項3に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。 - 【請求項5】 前記炭化珪素多結晶を堆積させる工程
は、液相成長によることを特徴とする請求項1、3、4
のいずれか1つに記載の炭化珪素単結晶の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の
炭化珪素単結晶製造方法を用いて製造された、マイクロ
パイプ欠陥が閉塞された閉塞孔を有する炭化珪素基板結
晶を種結晶として、該種結晶上に炭化珪素単結晶を成長
させることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
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