JP2007335649A - 炭化シリコン半導体基板の加熱方法 - Google Patents

炭化シリコン半導体基板の加熱方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、サセプタの発熱を利用して、炭化シリコン半導体基板を短期間に、かつ均一に加熱することができる炭化シリコン半導体基板の加熱方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一例では、炭化シリコン半導体基板の加熱方法は、炭化シリコン半導体基板1上に複数の炭素粒子2を載置させた状態で、当該炭化シリコン半導体基板1を加熱する。ここで、炭化シリコン半導体基板1は、サセプタ13上に載置されている。また、サセプタ13を加熱することにより、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理が実施される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、炭化シリコン半導体基板の加熱方法に係る発明である。
炭化シリコン半導体基板の表面内に形成された不純物領域を活性化するためには、当該炭化シリコン半導体基板に高温加熱処理を施す必要がある。当該炭化シリコン半導体基板の加熱処理として、以下に示す従来技術が存在する。
第一の従来技術では、石英チューブ内に、炭化シリコン半導体基板を載置した炭素製サセプタを挿入する。ここで、当該サセプタ挿入後の石英チューブ内は真空であるか、またはアルゴンガス等が封入されている。そして、当該サセプタ挿入後、高周波誘導加熱により、当該サセプタの温度を1600〜1800℃まで加熱する。当該サセプタからの熱を受熱することにより、炭化シリコン半導体基板の加熱が実現される。
また、第二の従来技術(特許文献1参照)では、第一の従来技術に対する応用技術であり、具体的な内容は以下の通りである。当該第二の従来技術では、サセプタ上に炭化シリコン半導体基板を載置し、当該炭化シリコン半導体基板の上面にカーボン製の発熱体を面接触させている。そして、前記のように発熱体を面接触させて炭化シリコン半導体基板の表面を覆った状態で、高周波誘導加熱により、当該サセプタおよび発熱体を加熱する。当該サセプタおよび発熱体からの熱を受熱することにより、炭化シリコン半導体基板の加熱が実現される。
特開2005−197464号公報
ところで、1600〜1800℃の温度で輻射される赤外線の波長は、1−10ミクロンの波長域(約2ミクロンでピークを有する)で分布している(非特許文献:伝熱工学資料(改訂4版)、丸善発行、pp156)。しかし、当該波長域の赤外線を、炭化シリコンはほぼ吸収しない(非特許文献:Properties of Advanced Semiconductor Materials、John Wiley&Sons、Inc.、pp127)。
したがって、真空中では、第一の従来技術に係わる加熱方法では、炭化シリコン半導体基板は、発熱しているサセプタとの接触した箇所からのみの固体−固体間の熱伝導により、基板が加熱されることになる。
炭化シリコン半導体基板とサセプタの接触面は、通常、お互いに完全な平面ではなく反りを有している。したがって、当該炭化シリコン半導体基板とサセプタとの接触面全面が接触しているわけではなく、接触は数点程度(理論的には3点)となる。このために、炭化シリコン半導体基板とサセプタとの接触点数と接触場所により、サセプタから当該炭化シリコン半導体基板の加熱状態が変化する。また、接触点が少ないために、その点からだけ熱を伝えることになるために基板中を熱が伝わっていく必要があり、加熱に時間がかかる。
また、ガス雰囲気においては炭化シリコン半導体基板とサセプタとの固体−固体間の熱伝導に加え、サセプタと炭化シリコン半導体基板との間にあるガスを介しての固体−気体−固体の熱伝導もある。この場合には、炭化シリコン半導体基板とサセプタとの平面度の良否により当該基板とサセプタのそれぞれの点での基板とサセプタ間の距離が変化する。このため、実効的な熱伝導率と加熱状態が変化することとなる。
まとめると、第一の従来技術の場合には、炭化シリコン半導体基板を均一に加熱することができないという問題、さらに接触部からしか加熱されないためにサセプタから炭化シリコン半導体基板への熱供給には長時間を要するという問題が生じる。また、不均一な加熱により熱応力が発生し、基板がわれてしまうという問題があった。
加えて、炭化シリコン半導体基板が高温になったときには、炭化シリコン半導体基板を構成するシリコン原子と炭素原子がそれぞれの昇華速度で昇華する。当該昇華した各原子は、真空中もしくはアルゴンガス雰囲気中に飛び出し、結果として、炭化シリコン半導体基板表面のシリコン原子と炭素原子の組成比を変化させる。つまり、第一の従来技術の場合には、昇華により炭化シリコン半導体基板の表面荒れを生じさせてしまうという問題もあった。第二の従来技術に係わる加熱方法では、炭化シリコン半導体基板表面が発熱体により覆われているために、シリコン原子等の昇華が抑制されると説明されている。
ところで、上記昇華抑制効果を発揮するためには、発熱体と炭化シリコン半導体基板、およびサセプタと炭化シリコン半導体基板を面接触状態にすることが前提である。当該面接触状態を可能にするためには、平面度を向上させること、表面の凹凸をなくし、表面荒さを非常に良い状態にすること、および反りを有する炭化シリコン半導体基板を平面に矯正するために当該基板に外力を加えて矯正すること等が必要となる。
しかしながら、完全に面接触状態になるまで上記各部材の平面度を向上させること等は非常に困難である。また、外力を加えて炭化シリコン半導体基板を押し付けることにより、デバイス動作に重要となるデバイス形成表面を傷つける可能性があり、デバイスの歩留まりを低下させることになる。
以上のように、第二の従来技術では、シリコン原子等の昇華を抑制するためには、完全に面接触状態にするという困難性を有する処理を施す必要があるか、もしくはデバイス形成面に損傷を与えざるを得ないという問題がある。
そこで、本発明は、サセプタの発熱を利用して、炭化シリコン半導体基板を短時間に、かつ均一に加熱することができる炭化シリコン半導体基板の加熱方法を提供することを目的とする。また、複雑や困難性を有する工程を踏まえずに、また炭化シリコン半導体基板のデバイス形成面に損傷を与えること無く、シリコン原子や炭素原子の昇華を抑制することができる炭化シリコン半導体基板の加熱方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の炭化シリコン半導体基板の加熱方法は、(A)サセプタ上に炭化シリコン半導体基板を載置する工程と、(B)前記炭化シリコン半導体基板上に、炭素粒子を載置する工程と、(C)前記炭化シリコン半導体基板上に前記炭素粒子を載置させた状態で、前記サセプタを加熱することにより、前記炭化シリコン半導体基板を加熱する工程とを、備えている。
本発明の請求項1に記載の炭化シリコン半導体基板の加熱方法は、(A)サセプタ上に炭化シリコン半導体基板を載置する工程と、(B)前記炭化シリコン半導体基板上に、炭素粒子を載置する工程と、(C)前記炭化シリコン半導体基板上に前記炭素粒子を載置させた状態で、前記サセプタを加熱することにより、前記炭化シリコン半導体基板を加熱する工程とを、備えている。したがって、サセプタから輻射される赤外線を、炭素粒子が吸収し、加熱される。また、炭素粒子は炭化シリコン半導体基板と複数点において点接触している。よって、均一かつ短時間に、炭素粒子を介して炭化シリコン半導体基板を加熱することができる。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
本実施の形態に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法を、図1を用いて説明する。ここで、図1は、当該炭化シリコン半導体基板の加熱方法が施されている様子を示す断面図である。はじめに、本実施の形態に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法が実施される、装置の構成について説明する。図1に示すように、円筒形の石英チューブ11があり、この石英チューブ11の外周面に高周波誘導加熱用コイル12が巻かれている。また、石英チューブ11の上部には、たとえば炭素製の発熱体10が配置されている。また、炭素製のサセプタ13には、全体として凹部と把握できる2段の掘り込みが形成されている。第一の凹部となる上段の掘り込みの直径は、炭化シリコン半導体基板1の直径よりもわずかに大きい。また、第二の凹部となる下段の掘り込みの直径は、炭化シリコン半導体基板1の直径よりもわずかに小さい。つまり、当該2段の掘り込みは、上段の掘り込みと、上段の掘り込みの底部と連接されており、かつ当該上段の掘り込みよりも開口幅の小さい下段の掘り込みと、から形成されている。
次に、本実施の形態に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法の手順について説明する。まず、サセプタ13上に形成されている第一の凹部の底部に炭化シリコン半導体基板1を載置する。これにより、下段の掘り込みの上部を閉蓋し、準密閉空間が形成される。なお、炭化シリコン半導体基板のデバイス形成面5がサセプタ13側を向くように、炭化シリコン半導体基板1は載置されている。また、炭化シリコン半導体基板1の外周部において上段の掘り込みの底部と接触している。当該炭化シリコン半導体基板1の外周部の大部分の領域には、通常デバイスは形成されない。また、上段の掘り込みの底部(すなわち、炭化シリコン半導体基板1の支持部)に凹凸形状を形成しても良い。これにより、炭化シリコン半導体基板1と上段の掘り込みの底部との接触面積を小さくできるため、当該接触部からの炭化シリコン半導体基板1に熱が伝わることを抑制できる。
次に、サセプタ13に載置された炭化シリコン半導体基板1上の全面(ほぼ全面も含む)に多数の炭素粒子2を載置する。ここで、載置される炭素粒子2の粒子径は、任意の大きさのものを選択できるが、できるだけ小さい粒子径の粒子を用いるのが接触点を増やす上では望ましい。より具体的には、図1に示すように、炭化シリコン半導体基板1の上面と上段の掘り込みの側面とで形成される窪んだ部分に、炭素粒子2を導入する。なお、デバイス形成面5は、サセプタ13側を向いている。したがって、炭化シリコン半導体基板1の当該デバイス形成面5と対向する主面上に、炭素粒子2が載置・導入される。
ここで、炭化シリコン半導体基板1上には、1層分だけ炭素粒子2を載置・導入される。たとえば以下の方法を採用することにより、炭素粒子2を1層分だけ載置・導入することができる。まず、上段の掘り込みの深さが、炭化シリコン半導体基板1の厚さと、炭素粒子2の粒子径との合計と一致するように、当該上段の掘り込みを形成する。次に、当該上段の掘り込みの底部に炭化シリコン半導体基板1を載置した状態で、上段の掘り込みを充填するように、炭化シリコン半導体基板1上に炭素粒子2を載置する。その後、サセプタ13上より上部にはみ出した炭素粒子2のみを除去する。当該工程により、炭化シリコン半導体基板1上に1層分だけ、炭素粒子2を載置・導入することができる。
当該工程まで施されたサセプタ13を、石英チューブ11の空洞内に挿入する(図1参照)。そして、炭化シリコン半導体基板1上に炭素粒子2を載置・導入させた状態で、サセプタ13と炭素製の発熱体10を加熱することにより、炭化シリコン半導体基板1を加熱する。炭化シリコン半導体基板1を加熱する手順は、以下の通りである。まず、高周波誘導加熱用コイル12に電流を流す。すると、石英チューブ11内に磁界が発生する。すると、当該磁界により炭化製のサセプタ13および炭化製の発熱体10内に誘導電流が流れる。そして、当該誘導電流が流れることにより、サセプタ13および発熱体10が発熱する。上記において、サセプタ13および発熱体10が発熱し、サセプタ13および発熱体10の温度が1600〜1800℃程度になる。すると、当該サセプタ13および発熱体10から所定の波長の赤外線が輻射される。
ここで、「発明が解決しようとする課題」でも述べたように、炭化シリコン半導体基板1は、当該温度域で発生する赤外線をほとんど吸収しない(非特許文献:Properties of Advanced Semiconductor Materials、John Wiley&Sons、Inc.、pp127)。したがって、発生した赤外線のほとんどは、炭化シリコン半導体基板1を透過する。しかし、当該温度域で発生した赤外線を、炭素粒子2は吸収することができる。したがって、炭素粒子2は、サセプタ13および発熱体10から輻射された赤外線を吸収し、その結果として、炭素粒子2は加熱される。ここで、多数の炭素粒子2は、炭化シリコン半導体基板1上に載置されている。したがって、炭素粒子2と炭化シリコン半導体基板1とは、多数箇所において、点接触している(図1参照)。上述したように、任意の大きさの粒子径を有する炭素粒子2を選択できる。仮に炭化シリコン半導体基板1の大きさを50mmとし、球形の炭素粒子2の大きさを100μmとすると、炭化シリコン半導体基板1と炭素粒子2との接触点数は、約二十万点となる。また、球形の炭素粒子2の大きさを10μmとすると、炭化シリコン半導体基板1と炭素粒子2との接触点数は、約二千万点となる。
このことから分かるように、粒子径の小さい炭素粒子2を選択(採用)すればするほど炭化シリコン半導体基板1と炭素粒子2との接触点数は増加する。これは真空中だけでなく、固−気−固の熱伝導もあるアルゴンなどのガス雰囲気中においても接触点数を増加させれば固体−固体間の熱伝導が支配的となる。また、粒子径の小さい炭素粒子2を選択(採用)すれば、その体積も減少する。当該炭素粒子2の体積の減少がすると、これに伴い、その熱容量が減少する。したがって、炭素粒子2の温度上昇速度はより速くなる。このため、炭素粒子2から炭化シリコン半導体基板1への伝熱効率が向上し、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理を短時間で終了することができる。
また、隣接する炭素粒子2と炭化シリコン半導体基板1との間には、図1に示されているように、微細な空隙が形成されている。アルゴンガスなどのガス雰囲気中では固体−固体および固体−気体−固体の2つの熱伝導機構により、加熱された炭素粒子2から炭化シリコン半導体基板1へと熱が伝達される。この空隙も粒子径が小さくなればなるほどに、その隙間が小さくなり、気体中の熱伝達性能が向上し、より早く加熱処理を終えることに役立つ。
また、炭素粒子2層を1層としたのは以下の理由による。すなわち、炭素粒子2が複数層ある場合には、サセプタ13と発熱体10から放射された赤外線が異なる層の炭素粒子2で受光され、効率が低下すると考えられるからである。というのもサセプタ13から放射され、炭化シリコン半導体基板1を通過した赤外線は炭化シリコン半導体基板1に接触している炭素粒子2で受光されるが、発熱体10から放射された赤外線は最上部の炭素粒子2で受光されるために、加熱された炭素粒子2の熱は、その下層の炭素粒子2へ熱伝導や輻射で熱を伝えることになり、炭化シリコン半導体基板1と接している炭化粒子2を直接加熱できないために、効率が低下すると考えられる。
所定の時間、上記の炭化シリコン半導体基板1の加熱処理終了後、炭化シリコン半導体基板1と炭素粒子2を載置したサセプタ13を石英チューブ11から取り出し、常温まで冷却する。上記加熱処理を施されることにより、炭化シリコン半導体基板1に形成された不純物領域は、活性化される。
以上のように、本実施の形態に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法では、炭化シリコン半導体基板1上に、多数の炭素粒子2を載置している。そして、当該状態において、サセプタ13等の発熱を利用した炭化シリコン半導体基板1の加熱処理を実施している。したがって、サセプタ13や発熱体10から輻射される赤外線は、炭素粒子2により、一旦吸収される。ここで、上述の通り、炭素粒子2は、炭化シリコン半導体基板1と多数点において点接触している(たとえ炭化シリコン半導体基板1が反りを有していても、また炭化シリコン基板1の平面度が低い場合でも、多数点において当該点接触が実現される)。したがって、短期間にかつ均一に、炭素粒子2を介して炭化シリコン半導体基板1を加熱することができる。
また、本実施の形態では、凹部(より具体的には、2段の掘り込み)がサセプタ13に形成されている。そして、当該凹部の底部(より具体的には、上段の掘り込みの底部)に炭化シリコン半導体基板1を載置し、当該炭化シリコン半導体基板1の上面と凹部の側面とで形成された窪みに多数の炭素粒子2を導入している。したがって、炭化シリコン半導体基板1を安定してサセプタ13上に載置できると共に、炭化シリコン半導体基板1上に、安定して複数の炭素粒子2を載置することができる(つまり、加熱処理中に多少の振動が生じても、炭素粒子2が炭化シリコン半導体基板1からこぼれ落ちることを防止することができる)。
また、本実施の形態では、炭化シリコン半導体基板1のデバイス形成面5と対向する主面上に、複数の炭素粒子2が載置されている。したがって、当該デバイス形成面5が炭素粒子2により汚染されることを防止することができる。
また、本実施の形態では、サセプタ13には、上記の通り2段の掘り込みが形成されている。そして、下段の掘り込みの上部を閉蓋するように、上段の掘り込みの底部に炭化シリコン半導体基板1が載置されている。したがって、炭化シリコン半導体基板1が下段の埋め込みの蓋の役目を果たし、当該下段の埋め込みと当該基板1とにより、準密閉空間が形成される。これにより、デバイス形成面5から昇華したシリコン原子や炭素原子を、当該準密閉空間に閉じ込めることができる。つまり、当該準密閉空間においてシリコン原子等の昇華を飽和状態にすることができる。このように、昇華が飽和状態となるとデバイス形成面5からの昇華は起こらなくなる。以上により、炭化シリコン半導体基板1が下段の埋め込みの蓋の役目を果たすことにより、デバイス形成面5からの昇華を抑制することができる。つまり、複雑や困難性を有する工程を踏まえずに、また外力等も与えないので炭化シリコン半導体基板1のデバイス形成面5に損傷を与えること無く、当該昇華抑制機能を発揮できる。なお当該昇華が抑制されると、デバイス形成面5の表面状態が変化することを抑制できる。ここで、準密閉空間の体積を小さくすれば、より早い時期に昇華が飽和状態となるので、より昇華の抑制効果が発揮される。
また、デバイス形成面5はサセプタ13側を向いている。したがって、石英チューブ11内のゴミ等の異物により、当該デバイス形成面5が汚染されることを防止することができる。
また、通常炭化シリコン半導体基板1の外周部は枠部となりデバイスの形成されない領域である。また、上記態様から分かるように、炭化シリコン半導体基板1とサセプタ13(より具体的には、上段の埋め込みの底部)とは、当該基板1の外周部のほんの一部と接触しているだけである。つまり、デバイス形成面5の全部または大部分の領域が、サセプタ13(より具体的には、上段の埋め込みの底部)とは接触していない。したがって、サセプタ13と接触することにより起こる、デバイス形成面5の汚染も防止することができる。
また、本実施の形態では、炭化シリコン半導体基板1上に、1層分だけ、炭素粒子2を載置または導入している。したがって、当該炭素粒子2の層厚も最小限に抑えることができる。このように、当該炭素粒子2の全体の体積が減少すると、これに伴い当該炭素粒子2の層全体の熱容量も減少する。したがって、炭素粒子2の層の温度上昇速度はより速くなる。このため、炭素粒子2から炭化シリコン半導体基板1への伝熱効率が向上し、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理を短時間で終了することができる。
また、本実施の形態では、炭素粒子2の上方に発熱体10が配設されている。そして、当該発熱体10およびサセプタ13を加熱することにより、炭化シリコン半導体基板1を加熱している。したがって、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理をより短時間で終了させることができる。
なお、図1に示すように、発熱体10をサセプタ13と所定の距離だけ隔てて、配置しても良い。また、図示しないが、発熱体10の下面(図1と同様、当該下面は平板である)とサセプタ13の上面とが当接するように当該発熱体10を配置し(つまり、炭化製の発熱体10で炭化製のサセプタ13および/または炭化シリコン半導体基板1を覆い)、当該状態において、上述した発熱体10およびサセプタ13の発熱を利用した、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理を施しても良い。当該発熱体10の下面とサセプタ13の上面との当接状態で加熱処理を施すことにより、発熱体10で発熱した熱を炭素粒子2を介して、より効率良く炭化シリコン半導体基板1へと伝達することができる。
また、発熱体10とサセプタ13とは、石英チューブ11の空洞内の所定の領域に固まって配置されている(つまり、図1に示すように、発熱体10の配置位置とサセプタ13の配置位置とが分散していない)。したがって、高周波誘導加熱用コイル12を石英チューブ11の外周面全面に巻く必要が無く、当該石英チューブ11の外周面のある限られた面(つまり、発熱体10とサセプタ13とが固まって配置されている領域に対応する面)にだけ巻けば済む。
なお、図2に示すように、発熱体10の前記炭化シリコン半導体基板に面する側において、凹部が形成されおり、発熱体10の下面とサセプタ13の上面とが当接し、凹部により炭化シリコン半導体基板1の上面が覆われている状態で、炭化シリコン半導体基板1を加熱しても良い。このようにすることで、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理の際に、発熱体10の下面とサセプタ13の上面とを当接したとしても、凹部の存在により、炭化シリコン半導体基板1に当該当接に起因した外力が、炭素粒子2を介して加わることを防止できる。
<実施の形態2>
本実施の形態に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法を、図3を用いて説明する。ここで、図3は、当該炭化シリコン半導体基板の加熱方法が施されている様子を示す断面図である。はじめに、本実施の形態に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法が実施される、装置の構成について説明する。図3に示すように、円筒形の石英チューブ11があり、この石英チューブ11の外周面に高周波誘導加熱用コイル12が巻かれている。また、石英チューブ11の上部には、たとえば炭素製の発熱体10が配置されている。また、炭素製のサセプタ13には、2段の掘り込み(全体として凹部と把握できる)が形成されている。上段の掘り込み(第一の凹部と把握できる)の直径(開口幅)は、炭化シリコン半導体基板1の径よりもわずかに大きい。また、下段の掘り込み(第二の凹部と把握できる)の直径(開口幅)は、炭化シリコン半導体基板1の径よりもわずかに小さい。つまり、当該2段の掘り込みは、上段の掘り込みと、上段の掘り込みの底部と連接されており、当該上段の掘り込みよりも開口幅の小さい下段の掘り込みと、から形成されている。
次に、本実施の形態に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法の手順について説明する。まず、サセプタ13に形成されている2段の掘り込み(凹部と把握できる)の窪んだ領域に、複数(多数)の炭化シリコン粒子3を導入する。より具体的には、下段の掘り込み(第二の凹部と把握できる)の窪んだ領域に、複数(多数)の炭化シリコン粒子3を導入する。なお、下段の掘り込みの深さは、炭化シリコン粒子3の粒子径よりも大きい。ここで、導入される炭化シリコン粒子3の粒子径は、任意の大きさのものを選択できる。また、図3では炭化シリコン粒子3は1層分のみ導入されているが、複層に渡り当該炭化シリコン粒子3を導入しても良い。ただし、後述する炭化シリコン半導体基板1のデバイス形成面5と炭化シリコン粒子3とが、接触し無いことが望ましい。
次に、サセプタ13上に炭化シリコン半導体基板1を載置する。ここで、図3と異なり、1段の掘り込み(凹部と把握できる)を作成し、当該掘り込みの内部に複数(多数)の炭化シリコン粒子3を導入し、その後、当該掘り込みを閉蓋するように、サセプタ13上に炭化シリコン半導体基板1を載置しても良い。しかし、本実施の形態では、図3に示すように、サセプタ13には2段の掘り込みが形成されている。そして、上記したように、下段の掘り込み(第二の凹部と把握できる)内に炭化シリコン粒子3を導入した後に、当該下段の掘り込みの上部を閉蓋するように、上段の掘り込み(第一の凹部と把握できる)の底部に炭化シリコン半導体基板1を載置する。なお、炭化シリコン半導体基板1のデバイス形成面5がサセプタ13側を向くように、炭化シリコン半導体基板1は載置されている。
また、炭化シリコン半導体基板1の外周部において上段の掘り込みの底部と接触している。当該炭化シリコン半導体基板1の外周部は、デバイスが形成されない部分が多い。また、上段の掘り込みの底部(すなわち、炭化シリコン半導体基板1の支持部)に凹凸形状を形成しても良い。これにより、炭化シリコン半導体基板1と上段の掘り込みの底部との接触面積を小さくでき、また、当該接触部からの炭化シリコン半導体基板1に熱が伝わることを防止できる。当該炭化シリコン半導体基板1の載置により、下段の掘り込みにおいて準密閉空間が形成される。
当該工程までが施されたサセプタ13を、石英チューブ11の空洞内に挿入する(図3参照)。そして、サセプタ13を加熱することにより、炭化シリコン半導体基板1を加熱する。なお、本実施の形態では、炭化シリコン半導体基板1の上方に炭化製の発熱体10が配設されており、発熱体10およびサセプタ13を加熱することにより、炭化シリコン半導体基板1を加熱する。
炭化シリコン半導体基板1を加熱する手順は、以下の通りである。まず、高周波誘導加熱用コイル12に電流を流す。すると、石英チューブ11内に磁界が発生する。すると、当該磁界により炭化製のサセプタ13および炭化製の発熱体10内に誘導電流が流れる。そして、当該誘導電流が流れることにより、サセプタ13および発熱体10が発熱する。そして、当該サセプタ13から熱を受け、または発熱体10からの熱を受け、炭化シリコン半導体基板1は加熱される。所定の時間、上記加熱処理を実施した後(つまり、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理終了後)、サセプタ13を石英チューブ11から取り出す。上記加熱処理を施されることにより、炭化シリコン半導体基板1に形成された不純物領域は、活性化される。
ここで、当該炭化シリコン半導体基板1の加熱処理の際に、上記準密閉空間においてシリコン原子や炭素原子の昇華を飽和状態にすることができれば、当該飽和状態後においてシリコン原子等の昇華がなくなる。したがって、当該準密閉空間において昇華の飽和状態をより早期に達成することができれば、より早期にシリコン原子等の昇華を無くすことができる。
以上のように、本実施の形態に係わる炭化シリコン半導体基板1の加熱方法では、サセプタ13に掘り込み(凹部)が形成されている。そして、当該掘り込みの内部に炭化シリコン粒子3が導入されている。さらに、炭化シリコン半導体基板1のデバイス形成面5がサセプタ13側を向いており、当該炭化シリコン半導体基板1により、当該掘り込みが閉蓋されている。
したがって、炭化シリコン半導体基板1が下段の埋め込みの蓋の役目を果たし、当該下段の埋め込みと当該炭化シリコン半導体基板1とにより、準密閉空間が形成される。ここで、上記炭化シリコン半導体基板1の加熱処理の際に、デバイス形成面5および炭化シリコン粒子3から、シリコン原子や炭素原子が昇華されるが、当該炭化シリコン粒子3が導入されている分、より早期に当該準密閉空間内を昇華の飽和状態にすることができる。よって、本実施の形態に係わる加熱方法を適用することにより、より早期にデバイス形成面5からのシリコン原子等の昇華を抑制することができる。つまり、複雑や困難性を有する工程を踏まえずに、また外力等も与えないので炭化シリコン半導体基板1のデバイス形成面5に損傷を与えること無く、当該昇華抑制機能を発揮できる。なお当該昇華が抑制されると、デバイス形成面5の表面状態が変化することを抑制できる。
なお、上記考察から分かるように、準密閉空間の体積が小さいほど、または炭化シリコン粒子3の体積および表面積が大きいほど、デバイス形成面5からのシリコン原子等の昇華をより早期に抑制することができる。当該観点から、炭化シリコン粒子3を複層に渡って下段の掘り込みに導入することが望ましい。また、下段の掘り込みの深さをなるべく浅くすること望ましい。また、炭化シリコン粒子3の粒子径はより小さい方が望ましい(なぜなら、同じ深さ同じ底面積の下段の掘り込みに複数の炭化シリコン粒子3を導入する際、粒子径が小さいほど、より多くの炭化シリコン粒子3を導入することができ、当該炭化シリコン粒子3の合計表面積が増大するからである)。
なお、炭化シリコン粒子3によるデバイス形成面5の汚染を防止する観点から、炭化シリコン粒子3とデバイス形成面5とは、接触しないことが望ましい。また、上記から分かるように、当該昇華抑制効果を得るために、炭化シリコン半導体基板1に特別工程(つまり、困難性を有する工程)を施すことも無く、またデバイス形成面5に損傷を与えることも無い。
また、デバイス形成面5はサセプタ13側を向いている。したがって、石英チューブ11内のゴミ等の異物により、当該デバイス形成面5が汚染されることを防止することができる。また、通常炭化シリコン半導体基板1の外周部は概ねデバイスが形成されない領域である。上記態様から分かるように、炭化シリコン半導体基板1とサセプタ13(より具体的には、上段の埋め込みの底部)とは、当該基板1の外周部のほんの一部と接触しているだけであり、接触部分を選べば、デバイス形成面に形成されたデバイスすべてがサセプタ13(より具体的には、上段の埋め込みの底部)とは接触していない状態を造りうれる。したがって、サセプタ13と接触することにより起こる、デバイス形成面5の汚染も防止することができる。
また、本実施の形態では、炭化シリコン半導体基板1の上方に発熱体10が配設されている。そして、当該発熱体10およびサセプタ13を加熱することにより、炭化シリコン半導体基板1を加熱している。したがって、より、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理を短時間で終了させることができる。
なお、図3に示すように、発熱体10をサセプタ13と所定の距離だけ隔てて、配置しても良い。また、図示しないが、発熱体10の下面(図3と同様、当該下面は平板である)とサセプタ13の上面とが当接するように当該発熱体10を配置し(つまり、炭化製の発熱体10で炭化製のサセプタ13を覆い)、当該状態において、上述した発熱体10およびサセプタ13の発熱を利用した、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理を施しても良い。
当該発熱体10の下面とサセプタ13の上面との当接状態で加熱処理を施すことにより、さらに効率良く炭化シリコン半導体基板1へと伝達することができる。また、発熱体10とサセプタ13とは、石英チューブ11の空洞内の所定の領域に固まって配置されている(つまり、図3に示すように、発熱体10の配置位置とサセプタ13の配置位置とが分散していない)。したがって、高周波誘導加熱用コイル12を石英チューブ11の外周面全面に巻く必要が無く、当該石英チューブ11の外周面のある限られた面(つまり、発熱体10とサセプタ13とが固まって配置されている領域に対応する面)にだけ巻けば済む。
なお、図4に示すように、発熱体10の炭化シリコン半導体基板に面する側において、凹部が形成されおり、発熱体10の下面とサセプタ13の上面とが当接し、凹部により炭化シリコン半導体基板1の上面が覆われている状態で、炭化シリコン半導体基板1を加熱しても良い。このようにすることで、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理の際に、発熱体10の下面とサセプタ13の上面とを当接したとしても、凹部の存在により、炭化シリコン半導体基板1に当該当接に起因した外力が、炭素粒子2を介して加わることを防止できる。
<実施の形態3>
本実施の形態に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法を、図5を用いて説明する。ここで、図5は、当該炭化シリコン半導体基板の加熱方法が施されている様子を示す断面図である。図3と図5との比較(つまり、実施の形態2と本実施の形態との比較)から分かるように、本実施の形態では、炭化シリコン半導体基板1上には、実施の形態1で説明したように、複数(多数)の炭素粒子2が載置されている。換言すれば、本実施の形態に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法では、実施の形態2に記載した工程に加えて、以下の工程が追加されている。つまり、本実施の形態では、サセプタ13上に炭化シリコン半導体基板1を載置した後(実施の形態2参照)に、当該炭化シリコン半導体基板1上に、複数(より具体的には多数)の炭素粒子2を載置する工程が、追加されている(図5参照)。
ここで、当該載置される炭素粒子2の粒子径は、任意の大きさのものを選択できる(たとえば、10μm〜100μm程度)。また、炭化シリコン半導体基板1は、2段の掘り込みの上段の掘り込みの底部に載置されている(図5参照)。また、実施の形態2でも説明したように、炭化シリコン半導体基板1は、下段の掘り込みの上部を閉蓋するように、サセプタ13上に載置されている(図5参照)。さらに、実施の形態2の説明から把握できるように、炭素粒子2は、炭化シリコン半導体基板1のデバイス形成面と対向する主面上に載置・導入される。
より具体的に本実施の形態に追加される工程は、以下の通りである。図5に示すように、炭化シリコン半導体基板1の上面と上段の掘り込みの側面とで形成される窪んだ部分に、炭素粒子2を導入する。なお、デバイス形成面5は、サセプタ13側を向いている。したがって、炭化シリコン半導体基板1の当該デバイス形成面5と対向する主面上に、炭素粒子2が載置・導入される。ここで、炭化シリコン半導体基板1上には、1層分だけ、炭素粒子2を載置・導入される。たとえば以下の方法を採用することにより、炭素粒子2を1層分だけ載置・導入することができる。
まず、上段の掘り込みの深さが、炭化シリコン半導体基板1の厚さと、炭素粒子2の粒子径との合計と一致するように、当該上段の掘り込みを形成する。次に、当該上段の掘り込みの底部に炭化シリコン半導体基板1を載置した状態で、上段の掘り込みを充填するように、サセプタ13上に炭素粒子2を載置する。その後、サセプタ13上の炭素粒子2のみを除去する。当該工程により、炭化シリコン半導体基板1上に1層分だけ、炭素粒子2を載置・導入することができる。
当該炭素粒子2が載置された状態のサセプタ13を、実施の形態2でも説明したように、石英チューブ11の空洞内に挿入する(図5参照)。そして、サセプタ13を加熱することにより、炭化シリコン半導体基板1を加熱する。なお、本実施の形態では、炭化シリコン半導体基板1の上方に炭化製の発熱体10が配設されており、発熱体10およびサセプタ13を加熱することにより、炭化シリコン半導体基板1を加熱する。
なお上述したように本実施の形態では、炭化シリコン半導体基板1が載置される工程の後、サセプタ13を石英チューブ11に挿入する前に、炭素粒子2を載置する工程が追加されている。当該追加された工程以外は、実施の形態2で説明した工程内容と同じなので、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法では、炭化シリコン半導体基板1上に炭素粒子2を載置した状態で、当該炭化シリコン半導体基板1の加熱処理を施している。したがって、石英チューブ11内の加熱処理の際に、以下に示すような作用を炭素粒子2は奏する。上記において、サセプタ13および発熱体10が加熱され、これらの温度が1600〜1800℃程度になると、当該サセプタ13および発熱体10から所定の波長の赤外線が輻射される。ここで、実施の形態1でも述べたように、炭化シリコン半導体基板1は、当該温度域で発生する赤外線をほとんど吸収しない(非特許文献:Properties of Advanced Semiconductor Materials、John Wiley&Sons、Inc.、pp127)。したがって、発生した赤外線のほとんどは、炭化シリコン半導体基板1を透過する。
しかし、当該温度域で発生した赤外線を、炭素粒子2は吸収することができる。したがって、炭素粒子2は、サセプタ13および発熱体10から輻射された赤外線を吸収し、その結果として、炭素粒子2は加熱される。ここで、多数の炭素粒子2は、炭化シリコン半導体基板1上に載置されている。したがって、炭素粒子2と炭化シリコン半導体基板1とは、多数箇所において、点接触している(図5参照)。また、隣接する炭素粒子2と炭化シリコン半導体基板1との間には、図5に示されているように、微細な空隙が形成されている。したがって、固体−固体および固体−気体−固体の2つの熱伝導機構により、加熱された炭素粒子2から炭化シリコン半導体基板1へと熱が伝達される(炭素粒子2が奏する作用と把握できる)。
上述したように、任意の大きさの粒子径を有する炭素粒子2を選択できる。ここで、実施の形態1で説明したように、粒子径の小さい炭素粒子2を選択(採用)すればするほど、炭化シリコン半導体基板1と炭素粒子2との接触点数は、増加する。このように、接触点数を増加させれば、固体−固体間の熱伝導が支配的となる。
また、粒子径の小さい炭素粒子2を選択(採用)すれば、当然炭素粒子2の体積も減少する。当該炭素粒子2の体積の減少すると、これに伴い当該炭素粒子2の熱容量が減少する。したがって、炭素粒子2の温度上昇速度はより速くなる。このため、炭素粒子2から炭化シリコン半導体基板1への伝熱効率が向上し、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理を短時間で終了することができる。
本実施の形態に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法では、炭化シリコン半導体基板1上に複数(多数)の炭素粒子2を載置した状態で、当該炭化シリコン半導体基板1の加熱処理を施している。したがって、サセプタ13や発熱体10から輻射される赤外線は、炭素粒子2により、一旦吸収される。ここで、上述の通り、炭素粒子2は、炭化シリコン半導体基板1と多数点において点接触している(たとえ炭化シリコン半導体基板1が反りを有していても、また炭化シリコン基板1の平面度が低い場合でも、多数点において当該点接触が実現される)。したがって、短期間にかつ均一に、炭素粒子2を介して炭化シリコン半導体基板1を加熱することができる。
また、本実施の形態では、凹部(より具体的には、2段の掘り込み)がサセプタ13に形成されている。そして、当該凹部の底部(より具体的には、上段の掘り込みの底部)に炭化シリコン半導体基板1を載置し、当該炭化シリコン半導体基板1の上面と凹部の側面とで形成された窪みに多数の炭素粒子2を導入している。したがって、炭化シリコン半導体基板1を安定してサセプタ13上に載置できると共に、炭化シリコン半導体基板1上に、安定して複数の炭素粒子2を載置することができる(つまり、加熱処理中に多少の振動が生じても、炭素粒子2が炭化シリコン半導体基板1からこぼれ落ちることを防止することができる)。また、炭素粒子2は、炭化シリコン半導体基板1のデバイス形成面でない主面上(つまり、当該デバイス形成面と対向する主面上)に、載置・導入されている。したがって、当該デバイス形成面5が炭素粒子2により汚染されることを防止することができる。
また、炭化シリコン半導体基板1上に、1層分だけ、炭素粒子2を載置または導入している。したがって、当該炭素粒子2の層厚も最小限に抑えることができる。このように、当該炭素粒子2の全体の体積が減少すると、これに伴い当該炭素粒子2の層全体の熱容量も減少する。したがって、炭素粒子2の層の温度上昇速度はより速くなる。このため、炭素粒子2から炭化シリコン半導体基板1への伝熱効率が向上し、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理を短時間で終了することができる。
また、本実施の形態では、図5に示すように、炭素粒子2の上方に所定の距離だけ隔てて発熱体10が配設されている。そして、当該発熱体10およびサセプタ13を加熱することにより、炭化シリコン半導体基板1を加熱している。しかし、図示しないが、発熱体10の下面(図5と同様、当該下面は平板である)とサセプタ13の上面とが当接するように当該発熱体10を配置し(つまり、炭化製の発熱体10で炭化製のサセプタ13を覆い)、当該状態において、上述した発熱体10およびサセプタ13の発熱を利用した、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理を施しても良い。当該発熱体10の下面とサセプタ13の上面との当接状態で加熱処理を施すことによる効果は、実施の形態1,2と同様である。
なお、図6に示すように、発熱体10の前記炭化シリコン半導体基板に面する側において、凹部が形成されおり、発熱体10の下面とサセプタ13の上面とが当接し、凹部により炭化シリコン半導体基板1の上面が覆われている状態で、炭化シリコン半導体基板1を加熱しても良い。このようにすることで、炭化シリコン半導体基板1の加熱処理の際に、発熱体10の下面とサセプタ13の上面とを当接したとしても、凹部の存在により、炭化シリコン半導体基板1に当該当接に起因した外力が、炭素粒子2を介して加わることを防止できる。
実施の形態1に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法を説明するための図面である。 実施の形態1に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法の他の形態を示す図面である。 実施の形態2に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法を説明するための図面である。 実施の形態2に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法の他の形態を示す図面である。 実施の形態3に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法を説明するための図面である。 実施の形態3に係わる炭化シリコン半導体基板の加熱方法の他の形態を示す図面である。
符号の説明
1 炭化シリコン半導体基板、2 炭素粒子、3 炭化シリコン粒子、5 デバイス形成面、10 発熱体、11 石英チューブ、12 高周波誘導加熱用コイル、13 サセプタ。

Claims (8)

  1. (A)サセプタ上に炭化シリコン半導体基板を載置する工程と、
    (B)前記炭化シリコン半導体基板上に、炭素粒子を載置する工程と、
    (C)前記炭化シリコン半導体基板上に前記炭素粒子を載置させた状態で、前記サセプタを加熱することにより、前記炭化シリコン半導体基板を加熱する工程とを、備えている、
    ことを特徴とする炭化シリコン半導体基板の加熱方法。
  2. 前記工程(A)は、
    凹部を有する前記サセプタの当該凹部の底部に炭化シリコン半導体基板を載置する工程であり、
    前記工程(B)は、
    (B)前記炭化シリコン半導体基板の上面と前記凹部の側面とで形成される窪んだ部分に、前記炭素粒子を導入する工程である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の炭化シリコン半導体基板の加熱方法。
  3. 前記工程(A)は、
    前記炭化シリコン半導体基板のデバイス形成面が前記サセプタ側を向くように、前記炭化シリコン半導体基板を載置する工程であり、
    前記工程(B)は、
    前記炭化シリコン半導体基板の前記デバイス形成面と対向する主面上に、前記炭素粒子を載置する工程である、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の炭化シリコン半導体基板の加熱方法。
  4. 前記凹部は、第一の凹部と、前記第一の凹部の底部と連接されており、前記第一の凹部よりも開口幅の小さい第二の凹部と、から形成されており、
    前記工程(A)は、
    前記第二の凹部の上部を閉蓋するように、前記第一の凹部の底部に前記炭化シリコン半導体基板を載置する工程である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の炭化シリコン半導体基板の加熱方法。
  5. 前記工程(B)は、
    前記炭化シリコン半導体基板上に、1層分だけ、前記炭素粒子を載置する工程である、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の炭化シリコン半導体基板の加熱方法。
  6. 前記炭素粒子の上方に発熱体が配設されており、
    前記工程(C)は、
    前記発熱体および前記サセプタを加熱することにより、前記炭化シリコン半導体基板を加熱する工程である、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の炭化シリコン半導体基板の加熱方法。
  7. 前記工程(C)は、
    前記発熱体の下面と前記サセプタの上面とが当接した状態で、前記炭化シリコン半導体基板を加熱する工程である、
    ことを特徴とする請求項6に記載の炭化シリコン半導体基板の加熱方法。
  8. 前記発熱体は、前記炭化シリコン半導体基板に面する側において、凹部が形成されており、
    前記工程(C)は、
    前記発熱体の下面と前記サセプタの上面とが当接し、前記凹部により前記炭化シリコン半導体基板の上面が覆われている状態で、前記炭化シリコン半導体基板を加熱する工程である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の炭化シリコン半導体基板の加熱方法。









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