JP2001154395A

JP2001154395A - 受像シート

Info

Publication number: JP2001154395A
Application number: JP33873999A
Authority: JP
Inventors: Nobuo Ikeuchi; 伸穂池内; Masafumi Hayashi; 雅史林
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1999-11-29
Filing date: 1999-11-29
Publication date: 2001-06-08

Abstract

(57)【要約】【課題】色調再現性に優れ、鮮明な画像が得られ、Ｏ
ＨＰの投影画像において、グレー化を生じない受像シー
トを提供する。【解決手段】基材フィルム１の少なくとも一方の面
に、受像層２を設けた電子写真用受像シートで、該受像
層２のバインダー樹脂が下記構造式１に示すテレフタル
酸単位からなるジカルボン酸成分と、下記構造式２に示
すエチレングリコール単位からなる２価アルコール成分
との繰り返し単位からなるポリエステル樹脂を少なくと
も含有していることで、上記の課題を解決することがで
きた。【化１】【化２】

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式によ
って形成される画像を記録する受像シートに関して、特
にカラー画像をＯＨＰにて投影した場合に、投影画像の
グレー化を抑えることができる受像シートに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】最近、電子写真方式を使用して、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの３色または上記の３色にブラッ
クを加えた４色のトナーの混色によりフルカラー画像の
形成方法が実用化されている。この電子写真方式で用い
られる受像シートは、文字や画像などの記録情報を、確
実に記録保持するため、一般的に、基材上に、受像層を
形成した構成をとっている。この受像シートは、例え
ば、講演会、学校、企業、その他の説明会や展示会など
で使用されている情報伝達手段として、ＯＨＰ（オーバ
ーヘッドプロジェクター）用で用いられている。

【０００３】電子写真方式でのカラー化が進み、普通紙
だけではなく、特殊紙や紙以外の、特にＯＨＰ用フィル
ムの作成が行われるようになっている。しかし、電子写
真方式により形成されたカラーのＯＨＰ画像は投影した
際に、グレー化（グレーの色調を示す）してしまい、色
調再現の範囲が狭まったり、カラーの発色性に問題が生
じる。グレー化は、受像シートの平滑な受像表面の上に
付着したトナーが、定着時の加熱によって、充分に受像
層に埋め込み、平滑化されずに、粒状に盛り上がってし
まい、ＯＨＰの投影時に入射光が散乱され、スクリーン
上に影を形成するものである。

【０００４】このグレー化の問題の解決方法として、種
々の改良がなされてきている。特に受像層の材料の構成
について、例えば特開平５−８８４００、特表平６−５
０６３０７では、酸成分にビスフェノールＡ及びその誘
導体からなる構造については記載があるものの、他の成
分については限定されておらず、特開平９−２２１３６
ではビスフェノールＡのエチレンオキサイド付加物を含
むポリエステル樹脂のジカルボン酸成分と２価アルコー
ル成分の構成を限定することによって、良好な投影画像
が得られると述べられているが、いずれもビスフェノー
ルＡ単位を含んでいる。そこで、ビスフェノールＡ構造
にこだわらずに、幅広いポリエステル樹脂を検討した結
果、投影画像の特に良好なポリエステル樹脂の構成成分
を見出した。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明で
は、上記の問題を解決するために、色調再現性に優れ、
鮮明な画像が得られ、ＯＨＰの投影画像において、グレ
ー化を生じない受像シートを提供することを目的として
いる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の受像シートは基材フィルムの少なくとも一
方の面に、受像層を設けて、該受像層のバインダー樹脂
が少なくとも上記構造式１に示すテレフタル酸単位から
なるジカルボン酸成分と、上記構造式２に示すエチレン
グリコール単位からなる２価アルコール成分との繰り返
し単位からなるポリエステル樹脂を少なくとも含有して
いることにより、上記の課題を解決することができた。

【０００７】また、上記の受像層のバインダー樹脂が、
少なくとも、上記構造式１に示すテレフタル酸単位の他
に、上記構造式３に示すイソフタル酸単位と上記構造式
４に示すアジピン酸単位と上記構造式５に示すセバシン
酸単位の少なくとも一つ以上からなるジカルボン酸成分
と、上記構造式２に示すエチレングリコール単位からな
る２価アルコール成分との繰り返し単位からなるポリエ
ステル樹脂を含有していることが好ましい。

【０００８】上記の受像層のバインダー樹脂が、上記構
造式１に示すテレフタル酸単位からなるジカルボン酸成
分と、上記構造式２に示すエチレングリコール単位の他
に、上記構造式６に示すネオペンチルグリコール単位と
上記構造式７に示すプロピレングリコール単位の少なく
とも一つ以上からなる２価アルコール成分との繰り返し
単位からなるポリエステル樹脂を含有していることが好
ましい。また、上記の受像層のバインダー樹脂は、少な
くとも、上記構造式１に示すテレフタル酸単位の他に、
上記構造式３に示すイソフタル酸単位と上記構造式４に
示すアジピン酸単位と上記構造式５に示すセバシン酸単
位の少なくとも一つ以上からなるジカルボン酸成分と、
上記構造式２に示すエチレングリコール単位の他に、上
記構造式６に示すネオペンチルグリコール単位と上記構
造式７に示すプロピレングリコール単位の少なくとも一
つ以上からなる２価アルコール成分との繰り返し単位か
らなるポリエステル樹脂を含有していることが望まし
い。

【０００９】上記のポリエステル樹脂の数平均分子量は
１，５００〜１０，０００の範囲であることが望まし
い。また、前記の受像シートの受像面及び／または裏面
の最外層に、または受像層と基材フィルムの間及び／ま
たは裏面層と基材フィルムの間に、抵抗制御層を設ける
ことが好ましく、行われる。前記の受像層と基材フィル
ムの間に、プライマー層を設けることが望ましい。ま
た、前記の抵抗制御層の表面抵抗率が温度２３±２℃、
相対湿度５０±１０％の環境下で、１×１０⁸〜１×１
０¹⁴Ω／□の範囲にある。前記の受像シートの平行線透
過率が７０％以上であることが望ましい。

【００１０】本発明の受像シートは、基材フィルムの少
なくとも一方の面に、受像層を設けて、該受像層のバイ
ンダー樹脂が上記構造式１に示すテレフタル酸単位から
なるジカルボン酸成分と、上記構造式２に示すエチレン
グリコール単位からなる２価アルコール成分との繰り返
し単位からなるポリエステル樹脂を少なくとも含有して
いることにより、色調再現性に優れ、鮮明な画像が得ら
れ、ＯＨＰの投影画像において、グレー化を生じないも
のとなった。

【００１１】また、前記の受像シートの受像面及び／ま
たは裏面の最外層に、抵抗制御層を設けたことにより、
受像シートの帯電防止性を良好に保持させることができ
る。さらに、前記の受像層と基材フィルムの間に、プラ
イマー層を設けることにより、基材フィルムと受像層と
の接着性が向上し、受像層の基材フィルムからの剥離が
なくなり、受像層の定着ローラーへのオフセットを防止
できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、電子写真用受像シートの具
体例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。尚、本
発明に関わる受像シートは、静電潜像をトナー現像して
形成した可視像を転写記録するための受像シート全般を
包含しており、電子写真記録用受像シートだけに限定さ
れるものではない。図面を基に、本発明の実施の形態に
ついて説明する。図１は本発明の受像シートの一つの実
施の形態を表す縦断面図であり、基材フィルム１の一方
の面に、受像層２を設けた受像シートであり、該受像層
２のバインダー樹脂が前記構造式１に示すテレフタル酸
単位からなるジカルボン酸成分と、前記構造式２に示す
エチレングリコール単位からなる２価アルコール成分と
の繰り返し単位からなるポリエステル樹脂を少なくとも
含有している。

【００１３】また、図２〜５は、本発明の受像シートの
他の実施の形態を表す縦断面図であり、図２は基材フィ
ルム１の一方の面に、受像層２を設け、その受像層２の
上に抵抗制御層３を設けている。図３は、基材フィルム
１の一方の面に、受像層２を設け、その受像層２の上に
抵抗制御層３を設け、さらに基材フィルム１の他方の面
に抵抗制御層４を設けた構成である。また、図４は、基
材フィルム１の一方の面に、プライマー層５を介して、
受像層２を設けた構成である。

【００１４】さらに、図５は基材フィルム１の一方の面
に、プライマー層５、受像層２、抵抗制御層３をこの順
に設け、さらに基材フィルム１の他方の面に裏面層６、
抵抗制御層４この順に設けた構成である。上記のよう
に、本発明の受像シートは、基材フィルムの一方の面に
受像層を設け、必要に応じて、抵抗制御層を受像面及び
／または裏面の最外層に、また受像層と基材フィルムの
間にプライマー層を設けることができ、また基材フィル
ムの他方の面に裏面層を設けることが可能である。

【００１５】以下、本発明の受像シートの各部の構成に
ついて順次説明する。（基材フィルム）本発明の受像シートで用いられる基材
フィルム１としては、受像シートが例えばＯＨＰシート
用等で透過光により記録画像を観察する用途では、透明
性、耐熱性、寸法安定性、剛性を備えた熱可塑性樹脂に
より形成されたものが好ましい。具体的には、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アク
リル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、二酢酸セルロー
ス樹脂、三酢酸セルロース樹脂等の、厚さ１０〜２５０
μｍ程度、好ましくは５０〜１５０μｍ程度のフィルム
又はシートが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹
脂、三酢酸セルロース樹脂が上記の性能の点でより好ま
しい。

【００１６】尚、本発明の受像シートをＯＨＰシート用
等で透過光により記録画像を観察する用途の場合では、
基材フィルムと受像層、必要に応じて、抵抗制御層、プ
ライマー層、裏面層等を加えた受像シート全体の構成
で、平行線透過率が７０％以上にすることが望ましい。
それによって、優れた透過画像を得ることができる。
尚、基材フィルム上に形成される層との密着性を向上さ
せる目的で、基材フィルムの表面にプライマー処理やコ
ロナ放電処理等の公知の易接着処理を施しても良い。

【００１７】（受像層）基材の少なくとも一方の面に設
ける受像層２は、トナー定着性を有し、カラートナーの
濡れ性に優れた樹脂が用いられる。すなわち、受像層の
バインダー樹脂は、下記の構造式１に示すテレフタル酸
単位からなるジカルボン酸成分と、下記構造式２に示す
エチレングリコール単位からなる２価アルコール成分と
の繰り返し単位からなるポリエステル樹脂を少なくとも
含有している。

【００１８】

【化８】

【化９】

【００１９】また、受像層のバインダー樹脂に用いるポ
リエステル樹脂は、ジカルボン酸成分として、上記構造
式１に示すテレフタル酸だけでなく、イソフタル酸やフ
タル酸等の芳香族ジカルボン酸、またアジピン酸、シュ
ウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、セバシン酸、
マロン酸等の脂肪族ジカルボン酸と、エチレングリコー
ル単位等からなる２価アルコール成分との繰り返し単位
のものが挙げられる。特に、上記構造式１に示すテレフ
タル酸に加えて、下記構造式３に示すイソフタル酸単位
と下記構造式４に示すアジピン酸単位と下記構造式５に
示すセバシン酸単位の少なくとも一つ以上からなるジカ
ルボン酸を用いることにより、受像表面上に付着したト
ナーが、定着時の加熱によって、より平滑化すること
で、画像の再現性が良好となり、好ましく用いられる。

【００２０】

【化１０】

【化１１】

【化１２】

【００２１】さらに、受像層のバインダー樹脂に用いる
ポリエステル樹脂は、２価アルコール成分として、上記
構造式２に示すエチレングリコール単位だけでなく、ネ
オペンチルグリコール、プロピレングリコール、トリメ
チレングリコール等の２価アルコール成分と、上記に挙
げたジカルボン酸成分との繰り返し単位のものが挙げら
れる。特に、上記構造式２に示すエチレングリコールに
加えて、下記構造式６に示すネオペンチルグリコール単
位と下記構造式７に示すプロピレングリコール単位の少
なくとも一つ以上からなる２価アルコール成分を用いる
ことにより、受像表面上に付着したトナーが、定着時の
加熱によって、より平滑化することで、画像の再現性が
良好となり、好ましく用いられる。

【００２２】

【化１３】

【化１４】

【００２３】上記に挙げたポリエステル樹脂は、その構
成成分の種類に関わらず、その数平均分子量が１，５０
０〜１０，０００の範囲であることが好ましく、その分
子量が小さすぎると、樹脂が柔らかすぎるため、受像シ
ートを積み重ねた時に受容層が接触面と接着し、ブロッ
キングが生じやすい。また、トナー定着時の熱及び／ま
たは圧力により、トナー画像のオフセットを起こしてし
まう。一方、その分子量が大きすぎると、受像層バイン
ダー樹脂としては硬すぎるため、トナーとの相溶性が低
下し、定着時の加熱によって、受像層バインダー樹脂が
充分に柔らかくならないために、受像表面上に付着した
トナーが、充分に受容層に埋め込まれずに、粒状に盛り
上がってしまい、ＯＨＰの投影時に入射光が散乱され、
スクリーン上に影を形成する、いわゆる投影画像のグレ
ー化が特にハイライト部で生じやすい。

【００２４】上記のポリエステル樹脂を主体にして、そ
の他の樹脂を加えることが可能であり、その樹脂として
は、トナーとの相溶性に優れた樹脂を使用することが好
ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリアクリル酸エステル、ポリスチレン等のビニル
樹脂、ビスフェノール骨格やアルキレン骨格を有するジ
オールと、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等
のポリオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体、
アイオノマー、エチルセルロース、酢酸セルロース等の
セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹
脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。

【００２５】受像層のバインダー樹脂は、ポリエステル
樹脂やその他の樹脂でも、軟化点が３０℃以上２００℃
以下のものが用いられる。軟化点が３０℃未満のもの
は、保存性の点で好ましくなく、受像シートを積み重ね
た時に受像層が接触面と接着する、いわゆるブロッキン
グが生じやすい。また、軟化点が２００℃を越えると、
画像形成（定着）時に多量のエネルギーを必要とするた
め好ましくない。以上のような受像層バインダー樹脂
は、電子写真記録に用いるトナーのバインダー樹脂との
相溶性が良く、トナー定着性及びトナー濡れ性が良いも
のであり、優れた画像再現性を発揮する。

【００２６】本発明で使用する受像層のバインダー樹脂
のポリエステル樹脂の貯蔵弾性率（Ｇ’）が、１３０℃
から２００℃において、１≦Ｇ’≦１０００Ｐａである
ことが好ましい。上記の貯蔵弾性率の測定には、Ｒｈｅ
ｏｍｅｔｒｉｃＳｃｉｅｎｔｉｆｉｃ社製の粘弾性測
定装置（ＡＲＥＳ）を用い、測定条件は周波数１ｒａｄ
ｓ^-1とした。上記範囲の貯蔵弾性率の樹脂を受容層バイ
ンダーとして使用すれば、受容層が軟化しやすいため、
受容層の上にあるトナーが受容層に埋め込まれやすく、
受像面が平滑化し、ＯＨＰ投影画像のグレー化が生じに
くく、色調再現性に優れ、鮮明な投影画像が得られる。

【００２７】また、受像層には有機フィラーや無機フィ
ラーのいずれか一方、または両方を含有させることがで
き、搬送適性を向上させる。有機フィラーとしては、四
フッ化エチレン樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重
合体等のフッ素系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂等の有機樹脂からなる微粒子が挙げられる。一
方、無機フィラーとしては、シリカ、コロイダルシリ
カ、アルミナ、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、タ
ルク、二酸化チタン、炭酸カルシウム等が挙げられる。

【００２８】また、含有させるフィラーの平均粒径は
０．１〜３０μｍ程度、好ましくは３〜２０μｍ程度で
ある。平均粒径が０．１μｍ未満であると、所望の効果
が充分に得られず、また３０μｍを越えても画像ヌケを
起こしたり、ＯＨＰに使用する時の透明感が低下するの
で好ましくない。また、フィラーの含有量は受像層バイ
ンダー樹脂に対して０．１〜１０質量％の範囲が好まし
い。含有量が多すぎると透明性が低下し、また、含有量
が少なすぎると、所望の搬送適性の向上効果が得られな
い。また、受像層には上記フィラーの他、各種界面活性
剤、ワックス、オイル等の添加剤を本発明の効果を妨げ
ない範囲で混合使用しても良い。受像層の形成は、上記
樹脂成分、フィラー、その他必要に応じて各種添加剤な
どを有する塗液を、グラビア印刷、シルクスクリーン印
刷等の公知の印刷手段、あるいは、グラビアコート等の
公知の塗工手段により形成し、厚さは乾燥時で１〜１０
μｍ程度とする。

【００２９】（裏面層）本発明の受像シートは、必要に
応じて前記基材フィルムの他方の面に、フィラーあるい
はＳｉ基を含有した裏面層６を設けることができる。本
発明の受像シートは、搬送適性をより向上させ、基材フ
ィルム表面側の受像層に対して、カール防止性をもたせ
るため、基材フィルムの受像層の設けられていない側
に、裏面層を形成できる。さらに、裏面層は、基材フィ
ルム表面の受像層と同様の画像受容性をもたせれば、受
像シートの表、裏に関わらず、また受像シートの両面に
画像を形成することができる。

【００３０】裏面層は、アクリル系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ウレタン系樹脂等や、シリコーン基が付加され
た熱可塑性樹脂として、シリコーン変性アクリル系樹
脂、シリコーン変性ウレタン系樹脂、シリコーン変性ポ
リエステル系樹脂等が使用できる。さらに、アクリル
系、ビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリ
アミド系又はセルロース系樹脂のバインダー樹脂の主鎖
に、ポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント
及び長鎖アルキルセグメントの中の少なくとも１種の離
型性セグメントを有するグラフトコポリマーも、熱可塑
性樹脂として、使用できる。

【００３１】裏面層の形成は、上記の樹脂と有機フィラ
ーまたは無機フィラーと、その他添加剤を必要に応じて
加えて、受像層と同様に公知の塗工手段により、行わ
れ、裏面層の厚さは、乾燥時で０．０１〜１．０μｍ程
度あれば十分な効果が得られるが、表面電気抵抗率を制
御する場合には、それに応じた厚みが必要になり、０．
１〜２．０μｍ程度が好ましい。裏面層のフィラーは、
有機フィラーとしては、四フッ化エチレン樹脂、エチレ
ン−四フッ化エチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリ
エチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリ
アミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機樹脂からな
るフィラーが挙げられる。一方、無機フィラーとして
は、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、カオリン、
クレー、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、炭酸
カルシウム等が使用できる。

【００３２】（抵抗制御層）抵抗制御層を受像面及び／
または裏面の最外層に、または受像層と基材の間及び／
または裏面層と基材の間に、設けることで、帯電防止性
やトナー定着性を良好に保持させることができる。抵抗
制御層で使用する抵抗制御材料として、イオン伝導性材
料、金属微粒子、π電子共役二重結合を有する導電性ポ
リマーが挙げられる。イオン伝導性材料としては、陽イ
オン、陰イオン、両性イオン系のものがあり、例えば、
第４級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン
系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯
電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤が
挙げられる。

【００３３】金属微粒子としては、例えば、酸化スズ
（ＳｎＯ₂）、酸化亜鉛（ＺｎＯ）、酸化インジウム
（Ｉｎ₂Ｏ₃）、酸化チタン（ＴｉＯ₂）等が挙げること
ができ、これらの１種あるいは２種以上の組合せを使用
することができる。このような金属微粒子は、平均粒径
が０．０１〜１．０μｍの範囲にあるものが好ましい。
また上記のような金属微粒子は、必要に応じてドーパン
トを添加しても良く、ドーパントは、例えば、ＳｎＯ₂
の場合はＳｂ（アンチモン）、ＺｎＯの場合はＡｌ（ア
ルミニウム）、またＩｎ₂Ｏ₃の場合はＳｎが一般的に使
用される。尚、上記の金属酸化物は、１種類でも、他の
種類と組み合わせて使用してもよい。さらに、上記金属
酸化物は、ＳｎＯ₂または、ＳｂでドープされたＳｎＯ₂
で被覆されていても良い。

【００３４】さらに上記のような金属微粒子は針状粒子
であっても良く、この場合、長軸が０．１〜２μｍの範
囲内にあり、アスペクト比が１０〜５０の範囲内にある
針状粒子が好ましい。このような針状の金属微粒子を使
用することにより、球状の金属微粒子よりも少ない量で
抵抗率制御が可能になるため、その金属微粒子を含有す
る層の透明性が向上し、受像シートをＯＨＰのような透
過光により記録画像を観察するような用途に使用する場
合に、透過画像の品質を高めることができる。本発明の
受像シートでは、金属微粒子として塗工適性、表面電気
抵抗率の安定性と金属電気伝導性、価格等の点から、Ｓ
ｎＯ₂あるいは、ＳｎＯ₂で被覆された金属酸化物や、特
にアンチモンでドープした酸化スズが好ましく用いられ
る。

【００３５】上記の金属微粒子を含有した層の塗工液の
配合として、金属微粒子の質量／熱可塑性樹脂（バイン
ダー）の質量＝０．２〜２．０が好ましい。金属微粒子
の質量／熱可塑性樹脂の質量比が０．２未満では、金属
微粒子の量が少ないため、形成される層の表面電気抵抗
率が安定しない。また、金属微粒子の質量／熱可塑性樹
脂の質量比が２．０を越えると、特にアンチモンでドー
プされた酸化スズの場合、その金属微粒子の特有の色が
目立ち、好ましくない。（アンチモンでドープされた酸
化スズの場合、青味の色が表面に目立って出てくる。）
上記の金属微粒子は、その微粒子表面を親水性処理を施
したり、界面活性剤、エチレングリコール等の既知の分
散剤を添加して、バインダー樹脂水溶液中に分散させる
ことが好ましく行われる。

【００３６】次に、π電子共役二重結合を有する導電性
ポリマーとしては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニ
リン、スルホン化ポリアニリン、化学的にドーピングし
たポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレ
ンビニレン、ポリパラフェニレンスルフィド、化学的に
重合とドーピングしたポリピロール、熱処理により生成
したフェノール樹脂の熱処理物、ポリアミドの熱処理
物、ペリレン酸無水物の熱処理物等が挙げられる。上記
のπ電子共役系構造を有する導電性ポリマーとして、特
にスルホン基でドープしたポリアニリンやポリチオフェ
ンが有用である。

【００３７】また、上記のポリチオフェンは透明性が高
いので、ＯＨＰ用の受像シートを作成するのにも利用で
きる。本発明に係る受像シートに、特に透明性が求めら
れる場合には、その光線の透過率を７０％以上にするこ
とができる。さらに、かかるポリチオフェンはポリマー
であり、従来の低分子帯電制御剤とは異なり、含有層か
らブリードアウトしにくいので、受像シートのべタツキ
や、保存中における帯電制御能力の低下や、ブリードア
ウトした帯電制御剤によるトナー受像層の汚染（裏移
り）をほとんど起こさない。

【００３８】上記のポリチオフェンは、水、又は、水と
水混和性有機溶剤（例えば、メタノール、エタノール、
アセトン等）の混合溶剤中に、ポリ陰イオンの共存下で
部分的に正の電荷を帯びて溶解又は分散する。従って、
かかるポリチオフェンを含有する帯電制御層用塗工液又
は受像層用塗工液などの塗工液を調整して受像シートの
基材上に塗布することにより、ポリチオフェンを含有す
る層を容易に形成することができる。ポリ陰イオンの供
給源としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸のよう
な高分子スルホン酸、ポリアクリル酸のような高分子カ
ルボン酸、ポリりん酸、或いはそれらのアルカリ塩、と
りわけ分子量が２，０００〜５００，０００のものを用
いることができる。好ましいポリ陰イオンはポリスチレ
ンスルホン酸である。分散体を調製する場合には、かか
る分散体中のポリチオフェンの平均粒径を１０μｍ以下
とするのが好ましい。ポリチオフェンの溶液又は分散体
は、市販品を入手することも可能であり、例えば、バイ
エル社から「バイトロンＰ（ＢａｙｔｒｏｎＰ）」
の表品名で入手できる。

【００３９】また、他のπ電子共役系構造を有する導電
性高分子材料として、スルホン化ポリアニリンも有用で
ある。スルホン化ポリアニリンは、スルホン基でドープ
したポリアニリンである。スルホン化ポリアニリンは、
例えば、日東化学工業（株）からａｑｕａＰａｓｓ−
０１Ｚの商品名で、かつ水溶液や水と有機溶剤との混合
溶媒の溶液として入手して本発明で使用することができ
る。これらの溶液は黄色を帯びた溶液であるが、濃度が
低い場合には殆ど無色の溶液であり、ＯＨＰシート用等
で透過光により記録画像を観察する用途では、受像シー
トに透明性が要求されるが、問題なく使用することがで
きる。

【００４０】抵抗制御層の形成は、バインダー樹脂と抵
抗制御材料を主体とした塗工液を受像シートの最表面
（受像面、裏面）または受像層の下、あるいは裏面層の
下に、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、ワ
イヤーバー等の慣用の塗工方式で塗工及び乾燥して行わ
れる。その塗工量は、乾燥後の塗工厚みとして約０．０
０１〜５μｍ程度であり、塗工量が上記範囲より少ない
と、帯電制御の性能が不十分であり、一方、塗工量が上
記範囲より多くても、その厚みに比例して、上記性能が
向上する訳ではないので、経済的に不利であるばかりで
なく、電子写真複写機、プリンターによる画像の濃度が
低下するので好ましくない。

【００４１】上記の抵抗制御層を、受像シートの受像面
及び／または裏面の最外層に、または受像層と基材フィ
ルムの間及び／または裏面層と基材フィルムの間に、設
け、その抵抗制御層の抵抗制御剤の含有量、塗工量を制
御することで、受像シートの抵抗制御層を表面にした状
態で、表面抵抗率を、温度２３±２℃、相対湿度５０±
１０％の環境で、１×１０⁸〜１×１０¹⁴Ω／□の範囲
に収めることが好ましい。その表面抵抗率が１×１０⁸
Ω／□より低いと、転写効率が低下し、記録濃度が低下
しやすく、逆に１×１０¹⁴Ω／□を越えると、トナー転
写後に感光体から受像シートを剥離する時に放電が発生
し、トナーが飛散する等文字、画像が乱れるため、画
質、鮮明性が低下し、また静電気発生や滑性不足により
電子写真複写機、プリンターにおける搬送不良や埃の付
着が起こりやすい。

【００４２】（プライマー層）本発明の受像シートは、
受像層と基材フィルムの間に、プライマー層を設けるこ
とができ、基材フィルムと受像層との接着性が向上し、
受像層の基材フィルムからの剥離がなくなり、受像層の
定着ローラーへのオフセット等を防止できる。プライマ
ー層に用いる樹脂として、例えばアルキッド樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹
脂、ＮＢＲ樹脂、ＳＢＲ樹脂、ポリウレタン樹脂、アク
リル系樹脂、ポリアミド等が単独もしくは混合物、共重
合物、あるいは変性物として用いられる。変性物とは、
例えば、水酸基やカルボン酸、４級アンモニウム塩含有
モノマーを共重合もしくはグラフトさせて、接着性、親
水性を上げたもの等である。

【００４３】また、プライマー層の接着性、塗膜強度を
向上させるために、上記の樹脂を各種硬化剤、例えばエ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート等により架
橋させてもよい。上述したプライマー層の形成方法は、
前述の受像層の形成方法と同様な方法が選べる。プライ
マー層の厚みは、乾燥時で、０．０１〜１０μｍ、好ま
しくは０．０５〜１．０μｍとするのが良い。この厚み
が、少なすぎると、接着性で充分な性能が発揮せず、一
方で、厚みが多すぎると、受像シートを裁断時に端面が
ベタついたり、製造コストが高くついたり、好ましくな
い。

【００４４】

【実施例】次に実施例をあげて、本発明を具体的に説明
する。尚、文中、部または％とあるのは、特に断りのな
い限り質量基準である。（実施例１）下記に示す基材フィルムの一方の面に、下
記組成の受像層塗工液１を用いて、受像層を形成し、そ
の受像層の上に、下記の抵抗制御層塗工液を用いて、抵
抗制御層を形成し、実施例１の受像シートを作製した。
また、受像層の厚み（乾燥時）は２μｍ、抵抗制御層の
厚みは受像シートの表面電気抵抗率が１〜５×１０¹¹Ω
／□になるように調整した。

【００４５】基材フィルム厚さ１００μｍのポリエチレンテレフタレートフィルム受像層塗工液１ポリエステル樹脂溶液３０部（固形分３０％、ジカルボン酸成分が前記構造式１に示
すテレフタル酸と前記構造式３に示すイソフタル酸であ
り、２価アルコール成分が前記構造式２に示すエチレン
グリコールと前記構造式６に示すネオペンチルグリコー
ルである繰り返し単位からなるポリエステル樹脂で、そ
の数平均分子量は１，８００、ガラス転移点（Ｔｇ）４
０℃、軟化点６３℃である。）シリカフィラー（平均粒径５μｍ）０．５部メチルエチルケトン３５部トルエン３５部

【００４６】抵抗制御層塗工液カチオン変性４級アンモニウム塩１部イソプロピルアルコール１００部

【００４７】（実施例２）実施例１で使用した基材フィ
ルムの一方の面に、下記の受像層塗工液２を用いて、受
像層を形成し、その受像層の上に、実施例１で使用した
抵抗制御層塗工液を用いて、抵抗制御層を形成し、実施
例２の受像シートを作製した。また、受像層の厚み（乾
燥時）は２μｍ、抵抗制御層の厚みは受像シートの表面
電気抵抗率が１〜５×１０¹¹Ω／□になるように調整し
た。

【００４８】受像層塗工液２ポリエステル樹脂溶液３０部（固形分３０％、ジカルボン酸成分が前記構造式１に示
すテレフタル酸と前記構造式３に示すイソフタル酸であ
り、２価アルコール成分が前記構造式２に示すエチレン
グリコールと前記構造式６に示すネオペンチルグリコー
ルである繰り返し単位からなるポリエステル樹脂で、そ
の数平均分子量は４，０００、Ｔｇ５３℃である。）シリカフィラー（平均粒径５μｍ）０．５部メチルエチルケトン３５部トルエン３５部

【００４９】（実施例３）実施例１で使用した基材フィ
ルムの一方の面に、下記の受像層塗工液３を用いて、受
像層を形成し、その受像層の上に、実施例１で使用した
抵抗制御層塗工液を用いて、抵抗制御層を形成し、実施
例３の受像シートを作製した。また、受像層の厚み（乾
燥時）は２μｍ、抵抗制御層の厚みは受像シートの表面
電気抵抗率が１〜５×１０¹¹Ω／□になるように調整し
た。

【００５０】受像層塗工液３ポリエステル樹脂溶液３０部（固形分３０％、ジカルボン酸成分が前記構造式１に示
すテレフタル酸と前記構造式３に示すイソフタル酸と前
記構造式４に示すアジピン酸であり、２価アルコール成
分が前記構造式２に示すエチレングリコールと前記構造
式６に示すネオペンチルグリコールである繰り返し単位
からなるポリエステル樹脂で、その数平均分子量は５，
０００、Ｔｇ５２℃、軟化点７７℃である。）シリカフィラー（平均粒径５μｍ）０．５部メチルエチルケトン３５部トルエン３５部

【００５１】（実施例４）実施例１で使用した基材フィ
ルムの一方の面に、下記の受像層塗工液４を用いて、受
像層を形成し、その受像層の上に、実施例１で使用した
抵抗制御層塗工液を用いて、抵抗制御層を形成し、実施
例４の受像シートを作製した。また、受像層の厚み（乾
燥時）は２μｍ、抵抗制御層の厚みは受像シートの表面
電気抵抗率が１〜５×１０¹¹Ω／□になるように調整し
た。

【００５２】受像層塗工液４ポリエステル樹脂溶液３０部（固形分３０％、ジカルボン酸成分が前記構造式１に示
すテレフタル酸であり、２価アルコール成分が前記構造
式２に示すエチレングリコールと前記構造式７に示すプ
ロピレングリコールである繰り返し単位からなるポリエ
ステル樹脂で、その数平均分子量は４，２００、Ｔｇ７
５℃である。）シリカフィラー（平均粒径５μｍ）０．５部メチルエチルケトン３５部トルエン３５部

【００５３】（実施例５）実施例１で使用した基材フィ
ルムの一方の面に、下記の受像層塗工液５を用いて、受
像層を形成し、その受像層の上に、実施例１で使用した
抵抗制御層塗工液を用いて、抵抗制御層を形成し、実施
例５の受像シートを作製した。また、受像層の厚み（乾
燥時）は２μｍ、抵抗制御層の厚みは受像シートの表面
電気抵抗率が１〜５×１０¹¹Ω／□になるように調整し
た。

【００５４】受像層塗工液５ポリエステル樹脂溶液３０部（固形分３０％、ジカルボン酸成分が前記構造式１に示
すテレフタル酸と前記構造式３に示すイソフタル酸と前
記構造式５に示すセバシン酸であり、２価アルコール成
分が前記構造式２に示すエチレングリコールと前記構造
式６に示すネオペンチルグリコールである繰り返し単位
からなるポリエステル樹脂で、その数平均分子量は７，
０００、Ｔｇ３８℃である。）シリカフィラー（平均粒径５μｍ）０．５部メチルエチルケトン３５部トルエン３５部

【００５５】（比較例１）実施例１で使用した基材フィ
ルムの一方の面に、下記の受像層塗工液６を用いて、受
像層を形成し、その受像層の上に、実施例１で使用した
抵抗制御層塗工液を用いて、抵抗制御層を形成し、比較
例１の受像シートを作製した。また、受像層の厚み（乾
燥時）は２μｍ、抵抗制御層の厚みは受像シートの表面
電気抵抗率が１〜５×１０¹¹Ω／□になるように調整し
た。

【００５６】受像層塗工液６ポリエステル樹脂溶液３０部（固形分３０％、ジカルボン酸成分がフマル酸であり、
２価アルコール成分がプロピレングリコール変性ビスフ
ェノールＡである繰り返し単位からなるポリエステル樹
脂で、その数平均分子量は３，５００、Ｔｇ５５℃、軟
化点１０３℃である。）シリカフィラー（平均粒径５μｍ）０．５部メチルエチルケトン３５部トルエン３５部

【００５７】（比較例２）実施例１で使用した基材フィ
ルムの一方の面に、下記の受像層塗工液７を用いて、受
像層を形成し、その受像層の上に、実施例１で使用した
抵抗制御層塗工液を用いて、抵抗制御層を形成し、比較
例２の受像シートを作製した。また、受像層の厚み（乾
燥時）は２μｍ、抵抗制御層の厚みは受像シートの表面
電気抵抗率が１〜５×１０¹¹Ω／□になるように調整し
た。

【００５８】受像層塗工液７ポリエステル樹脂溶液３０部（固形分３０％、ジカルボン酸成分が前記構造式１に示
すテレフタル酸と前記構造式３に示すイソフタル酸と前
記構造式５に示すセバシン酸であり、２価アルコール成
分が前記構造式２に示すエチレングリコールと前記構造
式６に示すネオペンチルグリコールである繰り返し単位
からなるポリエステル樹脂で、その数平均分子量は２
０，０００、Ｔｇ５４℃である。）シリカフィラー（平均粒径５μｍ）０．５部メチルエチルケトン３５部トルエン３５部

【００５９】上記の実施例及び比較例の受像シートを用
いて、下記の方法にて、画像品質の評価を実施した。
尚、実施例及び比較例の受像シートの受像シートの表面
電気抵抗率は、各受像シートの表面に、２３℃５０％Ｒ
Ｈの環境下で、５００Ｖの電圧を印加し、印加開始から
１０秒後の表面電気抵抗率を、表面抵抗測定機（Ｈｉｅ
ｓｔａ、三菱油化株式会社製）を用いて測定した。

【００６０】（評価方法）画像品質下記の電子写真方式のフルカラープリンターにより、各
受像シートにカラーチャートの画像を形成して、その受
像シートをＯＨＰにて投影した時の投影画像について、
グレー化の有無、色調再現性を目視にて評価する。プリンター：日立製作所製カラーページプリンターＨＴ
−４５５１−１１

【００６１】画像品質の評価の判断基準は以下の通りで
ある。 ○：イエローのハイライト部において、グレー化が無
く、色調再現性が良好であり、鮮明な投影画像である。 △：イエローのハイライト部において、グレー化が少し
認められるが、色調再現性はほぼ良好であり、画像鮮明
性もほぼ良好である。 ×：イエローのハイライト部において、グレー化が明瞭
に認められ、色調再現性が悪く、不鮮明な画像である。

【００６２】（評価結果）各実施例及び比較例の評価結
果を表１に示す。

【表１】

【００６３】

【発明の効果】本発明の受像シートは、基材フィルムの
少なくとも一方の面に、受像層を設けて、該受像層のバ
インダー樹脂が上記構造式１に示すテレフタル酸単位か
らなるジカルボン酸成分と、上記構造式２に示すエチレ
ングリコール単位からなる２価アルコール成分との繰り
返し単位からなるポリエステル樹脂を少なくとも含有し
ていることにより、色調再現性に優れ、鮮明な画像が得
られ、ＯＨＰの投影画像において、グレー化を生じない
ものとなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の受像シートの一つの実施の形態を表す
縦断面図である。

【図２】本発明の受像シートの他の実施の形態を表す縦
断面図である。

【図３】本発明の受像シートの他の実施の形態を表す縦
断面図である。

【図４】本発明の受像シートの他の実施の形態を表す縦
断面図である。

【図５】本発明の受像シートの他の実施の形態を表す縦
断面図である。

【符号の説明】

１基材フィルム２受像層３，４抵抗制御層５プライマー層６裏面層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】基材フィルムの少なくとも一方の面に、
受像層を設けた電子写真用受像シートにおいて、該受像
層のバインダー樹脂が少なくとも下記構造式１に示すテ
レフタル酸単位からなるジカルボン酸成分と、下記構造
式２に示すエチレングリコール単位からなる２価アルコ
ール成分との繰り返し単位からなるポリエステル樹脂を
少なくとも含有していることを特徴とする受像シート。【化１】【化２】
【請求項２】上記の請求項１に記載の受像層のバイン
ダー樹脂が、少なくとも、上記構造式１に示すテレフタ
ル酸単位の他に、下記構造式３に示すイソフタル酸単位
と下記構造式４に示すアジピン酸単位と下記構造式５に
示すセバシン酸単位の少なくとも一つ以上からなるジカ
ルボン酸成分と、上記構造式２に示すエチレングリコー
ル単位からなる２価アルコール成分との繰り返し単位か
らなるポリエステル樹脂を含有していることを特徴とす
る受像シート。【化３】【化４】【化５】
【請求項３】上記の請求項１に記載の受像層のバイン
ダー樹脂が、上記構造式１に示すテレフタル酸単位から
なるジカルボン酸成分と、上記構造式２に示すエチレン
グリコール単位の他に、下記構造式６に示すネオペンチ
ルグリコール単位と下記構造式７に示すプロピレングリ
コール単位の少なくとも一つ以上からなる２価アルコー
ル成分との繰り返し単位からなるポリエステル樹脂を含
有していることを特徴とする受像シート。【化６】【化７】
【請求項４】上記の請求項１に記載の受像層のバイン
ダー樹脂が、少なくとも、上記構造式１に示すテレフタ
ル酸単位の他に、上記構造式３に示すイソフタル酸単位
と上記構造式４に示すアジピン酸単位と上記構造式５に
示すセバシン酸単位の少なくとも一つ以上からなるジカ
ルボン酸成分と、上記構造式２に示すエチレングリコー
ル単位の他に、上記構造式６に示すネオペンチルグリコ
ール単位と上記構造式７に示すプロピレングリコール単
位の少なくとも一つ以上からなる２価アルコール成分と
の繰り返し単位からなるポリエステル樹脂を含有してい
ることを特徴とする受像シート。
【請求項５】上記の請求項１〜４のいずれか一つに記
載のポリエステル樹脂の数平均分子量が１，５００〜１
０，０００の範囲であることを特徴とする受像シート。
【請求項６】前記の受像シートの受像面及び／または
裏面の最外層に、または受像層と基材フィルムの間及び
／または裏面層と基材フィルムの間に、抵抗制御層を設
けたことを特徴とする上記の請求項１〜５のいずれか一
つに記載する受像シート。
【請求項７】前記の受像層と基材フィルムの間に、プ
ライマー層を設けたことを特徴とする上記の請求項１〜
６のいずれか一つに記載する受像シート。
【請求項８】前記の抵抗制御層の表面抵抗率が温度２
３±２℃、相対湿度５０±１０％の環境下で、１×１０
⁸〜１×１０¹⁴Ω／□の範囲にあることを特徴とする上
記の請求項６に記載する受像シート。
【請求項９】前記の受像シートの平行線透過率が７０
％以上であることを特徴とする上記の請求項１〜８のい
ずれか一つに記載する受像シート。