JP2000122331A - 受像シート - Google Patents

受像シート

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JP2000122331A
JP2000122331A JP29313298A JP29313298A JP2000122331A JP 2000122331 A JP2000122331 A JP 2000122331A JP 29313298 A JP29313298 A JP 29313298A JP 29313298 A JP29313298 A JP 29313298A JP 2000122331 A JP2000122331 A JP 2000122331A
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Masafumi Hayashi
雅史 林
Nobuo Ikeuchi
伸穂 池内
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー定着性が良好で画像品質に安定して優
れ、環境依存性が少なく、表面抵抗率が一定し、トナー
定着時にシリコーンオイルを使用しない電子写真方式で
も使える受像シートを提供することを目的とする。 【解決手段】 基材1の少なくとも一方の面に、金属微
粒子及び/またはπ電子共役二重結合を有する導電性ポ
リマーとバインダーを含有する層が設けられていること
により、上記の金属微粒子及び/または導電性ポリマー
を使用しているため、塗工面がべたついたり、シート保
存時に接触面に移行して、表面抵抗率が変化することが
ない。また、上記の金属微粒子及び/または導電性ポリ
マーはイオン伝導性材料でないため、シート周辺の環境
(温度、湿度)が変化しても、表面抵抗率が変化するこ
とがない。したがって、トナー定着性が良好で画像品質
に優れ、電子写真複写機、プリンターにおける搬送適性
が良好となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電潜像をトナー
現像して形成した可視像を転写記録するための受像シー
トに関し、特に受像シートの表裏面が有している表面電
気抵抗率により画像品質が著しく左右される電子写真方
式の複写機及びプリンタに使用される受像シートに関す
るものである。さらには、透明性が高い受像シートであ
るOHP用受像シートにも適用できる。
【0002】
【従来の技術】最近、電子写真方式を使用して、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの3色または上記の3色にブラッ
クを加えた4色のトナーの混色によりフルカラー画像の
形成方法が実用化されている。この電子写真方式で用い
られる受像シートは、文字や画像などの記録情報を、確
実に記録保持するため、一般的に、基材上に、受容層を
形成した構成をとっている。この受像シートは、例え
ば、講演会、学校、企業、その他の説明会や展示会など
で使用されている情報伝達手段として、OHP(オーバ
ーヘッドプロジェクター)用で用いられている。電子写
真方式の印字機構は、感光体で形成した画像を受像シー
トに転写させる時に、帯電による電気的モーメントによ
りトナーを転写させるため、受像シートの表面抵抗率の
制御が必要になっている。
【0003】プラスチックベース基材に、電子写真方式
で印字する場合、表裏面の電気抵抗率により画像品質が
かなり異なってくる。これらを制御するために、従来は
トナー受容層の下側や最表面に薄膜の帯電防止層を設け
ていた。従来使用されてきた帯電防止層は、その殆どが
イオン伝導性材料を用いているため、原理的に湿度変化
により抵抗率が2〜3桁変化する。そこで環境に依存し
ない一定抵抗を有する材料として電子伝導、金属伝導等
の原理を用いた方式が考えられる。例えば、カーボンブ
ラックはストラクチャーの相互接触による電子伝導で一
定抵抗を示すが、それ自体の色によりかなり用途が限定
されてくる。また、現在の電子写真方式を用いたフルカ
ラー複写機やプリンタでは、トナー定着時にトナーを溶
融、定着する際、熱、圧により、トナーのオフセット、
さらには受容層を設けたOHPシートでは受容層のオフ
セットが発生するため、定着時にはシリコンオイルを定
着ローラーに塗布する手法が一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電子写
真方式で用いられる受像シートは、トナー定着性や電子
写真複写機、プリンターにおける搬送適性等にバランス
良く、優れたものがなく、特にトナーを重ねて定着する
フルカラーの方式に適したものがなかった。例えば、特
開昭48−81539号公報等では、トナー定着性を向
上し、かつ良好なシート搬送性を得るために、シートに
第4級アンモニウム塩基に代表されるような界面活性剤
を含有する樹脂溶液を塗工して、その表面固有抵抗を特
定の範囲に規定することが開示されている。しかし、上
記の界面活性剤は低分子量であり、表面抵抗率を下げる
ために、界面活性剤濃度を高くする必要があり、その塗
工面がべたついたり、シート保存時に界面活性剤が接触
面に移行して、表面抵抗率が変化してしまうという問題
がある。
【0005】受像シートの受容面及び裏面の表面抵抗率
が1014Ω以上になると、トナー転写時に、画像の乱れ
が生じたり、受像シートに埃等が付着し、画質を損なう
という問題がある。また、例えば、特開昭62−238
576号公報等では、帯電防止性能を有する樹脂とし
て、第4級アンモニウム塩基を有するアクリル樹脂を塗
工して電気抵抗を制御することが開示されている。この
アクリル樹脂は、接触面への移行の問題は解消される
が、イオン伝導性材料のため、シート周辺の環境(温
度、湿度)により表面抵抗率が変化してしまうという問
題がある。そこで、本発明の目的は、上記の問題を解決
するために、トナー定着性が良好で画像品質に優れ、電
子写真複写機、プリンターにおける搬送適性が良好であ
り、シートの周辺環境に影響されない、一定の表面抵抗
を有する受像シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の受像シートは、基材の少なくとも一方の面
に、金属微粒子及び/またはπ電子共役二重結合を有す
る導電性ポリマーとバインダーを含有する層が設けられ
ていることを特徴とする。前記の含有層が、受容層であ
ることが好ましい。また、前記の含有層が、受像面及び
/または裏面の最外層の帯電制御層であることが好まし
い。前記の含有層中のバインダーが、ポリエステル樹脂
及び/または、エポキシ樹脂であることが好ましい。ま
た、前記のポリエステル樹脂及び/またはエポキシ樹脂
が、水分散型あるいは水溶性であることが望ましい。前
記のポリエステル樹脂及び/またはエポキシ樹脂の重量
平均分子量が5000〜50000で、重量平均分子量
/数平均分子量の比が1.5〜10の範囲であり、30
℃における貯蔵弾性率が105 Pa以上で、貯蔵弾性率
が1000Paになる温度が150℃以下であることが
好ましい。
【0007】前記の含有層中の金属微粒子がアンチモン
でドープした酸化スズであることが好ましい。また、前
記の酸化スズは、繊維長が2μm以下でアスペクト比が
50以下の針状であることが好ましい。また、前記の含
有層中のπ電子共役二重結合を有する導電性ポリマー
が、ポリチオフェンであることが好ましい。さらに、前
記の含有層中のπ電子共役二重結合を有する導電性ポリ
マーが、ポリアニリンであることが望ましい。前記の含
有層の表面電気抵抗率が、10℃30%〜30℃80%
の環境で、常に108 〜1013Ω/sqであり、環境1
0℃30%の表面電気抵抗率をA、環境30℃80%の
表面電気抵抗率をBとした時、 A/B≦100 の関係である一定抵抗を有することが好ましい。また、
前記の受像シートの平行線透過率が70%以上であるこ
とが好ましい。
【0008】本発明の作用は、以下の通りである。本発
明は、基材の少なくとも一方の面に、金属微粒子及び/
またはπ電子共役二重結合を有する導電性ポリマーとバ
インダーを含有する層が設けられていることにより、上
記の金属微粒子及び/または導電性ポリマーを使用して
いるため、塗工面がべたついたり、シート保存時に接触
面に移行して、表面抵抗率が変化することがない。ま
た、上記の金属微粒子及び/または導電性ポリマーはイ
オン伝導性材料でないため、シート周辺の環境(温度、
湿度)が変化しても、表面抵抗率が変化することがな
い。したがって、トナー定着性が良好で画像品質に優
れ、電子写真複写機、プリンターにおける搬送適性が良
好となる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、電子写真用受像シートの具
体例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。尚、本
発明に関わる受像シートは、静電潜像をトナー現像して
形成した可視像を転写記録するための受像シート全般を
包含しており、電子写真記録用受像シートだけに限定さ
れるものではない。図面を基に、本発明の実施の形態に
ついて説明する。図1は、本発明の受像シートの一つの
実施の形態を表す縦断面図であり、基材1の一方の面
に、受容層2を設けた受像シートであり、受容層2が金
属微粒子及び/またはπ電子共役二重結合を有する導電
性ポリマーとバインダーを含有する層である。
【0010】また、図2〜5は、本発明の受像シートの
他の実施の形態を表す縦断面図であり、図2は基材1の
一方の面に、プライマー層4を介して受容層2を設けて
いて、受容層2が上記と同様に金属微粒子及び/または
導電性ポリマーとバインダーを含有する層である。図3
は、基材1の一方の面に、プライマー層4を介して受容
層2を設け、さらに基材1の他方の面に帯電制御層32
を設けた構成であり、受容層2及び/または帯電制御層
32が、上記と同様に金属微粒子及び/または導電性ポ
リマー含有層である。また、図4は、基材1の一方の面
に、プライマー層4を介して受容層2を設け、さらに基
材1の他方の面に、帯電制御層32を介して背面層5を
設けていて、受容層2が上記と同様に金属微粒子及び/
または導電性ポリマー含有層である。尚、背面層は、ト
ナー転写時に悪影響を及ぼさなければ、一般的なイオン
伝導性材料を用いても良く、さらにスリップ性を考慮し
て搬送性を向上させる機能をもたせても良い。さらに、
図5は基材1の一方の面に、受容層2を設け、その受容
層2の上に帯電制御層31を設けた構成であり、帯電制
御層31が、上記と同様に金属微粒子及び/または導電
性ポリマー含有層である。
【0011】上記のように、本発明の受像シートは、金
属微粒子及び/またはπ電子共役二重結合を有する導電
性ポリマーとバインダーを含有する層を、受容層とし
て、また受像面、裏面の最表面の帯電制御層として、使
用することができる。基材の受像面側に設けられた金属
微粒子及び/またはπ電子共役二重結合を有する導電性
ポリマーとバインダーを含有する層は、主に受像面の表
面電気抵抗率を調節する機能を有し、裏面側に設けられ
た金属微粒子及び/またはπ電子共役二重結合を有する
導電性ポリマーとバインダーを含有する層は、主に裏面
の表面電気抵抗率を調節する機能を有する。このような
金属微粒子及び/またはπ電子共役二重結合を有する導
電性ポリマーとバインダーを含有する層を受像面と裏面
のいずれの面に形成できるが、両面に設けることも可能
である。尚、基材の裏面側の表面電気抵抗率があまり高
くない場合には、裏面側の金属微粒子及び/またはπ電
子共役二重結合を有する導電性ポリマーとバインダーを
含有する層を設けなくてよい。
【0012】上記の金属微粒子及び/またはπ電子共役
二重結合を有する導電性ポリマーは、帯電制御剤として
機能するものである。金属微粒子としては、例えば、酸
化スズ(SnO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジ
ウム(In23 )、酸化チタン(Ti02 )等が挙げ
ることができ、これらの1種あるいは2種以上の組合せ
を使用することができる。このような金属微粒子は、平
均粒径が0.01〜1.0μmの範囲にあるものが好ま
しい。また、上記のような金属微粒子は、必要に応じて
ドーパントを添加しても良く、ドーパントは、例えば、
SnO2 の場合はSb(アンチモン)、ZnOの場合は
Al(アルミニウム)、またIn23 の場合はSnが
一般的に使用される。尚、上記の金属酸化物は、1種類
でも、他の種類と組み合わせて使用してもよい。さら
に、上記金属酸化物は、SnO2 または、Sbでドープ
されたSnO2 で被覆されていても良い。
【0013】さらに上記のような金属微粒子は針状粒子
であっても良く、この場合、長軸が0.1〜2μmの範
囲内にあり、アスペクト比が10〜50の範囲内にある
針状粒子が好ましい。このような針状の金属微粒子を使
用することにより、球状の金属微粒子よりも少ない量で
抵抗率制御が可能になるため、その金属微粒子を含有す
る層の透明性が向上し、受像シートをOHPのような透
過光により記録画像を観察するような用途に使用する場
合に、透過画像の品質を高めることができる。本発明の
受像シートでは、金属微粒子として塗工適性、表面電気
抵抗率の安定性と金属電気伝導性、価格等の点から、S
nO2 あるいは、SnO2 で被覆された金属酸化物や、
特にアンチモンでドープした酸化スズが好ましく用いら
れる。
【0014】上記の金属微粒子を含有した層の塗工液の
配合として、金属微粒子の重量/熱可塑性樹脂(バイン
ダー)の重量=0.2〜2.0が好ましい。金属微粒子
の重量/熱可塑性樹脂の重量比が0.2未満では、金属
微粒子の量が少ないため、形成される層の表面電気抵抗
率が安定しない。また、金属微粒子の重量/熱可塑性樹
脂の重量比が2.0を越えると、特にアンチモンでドー
プされた酸化スズの場合、その金属微粒子の特有の色が
目立ち、好ましくない。(アンチモンでドープされた酸
化スズの場合、青味の色が表面に目立って出てくる。)
上記の金属微粒子は、その微粒子表面を親水性処理を施
したり、界面活性剤、エチレングリコール等の既知の分
散剤を添加して、バインダー樹脂水溶液中に分散させる
ことが好ましく行われる。
【0015】次に、π電子共役二重結合を有する導電性
ポリマーとしては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニ
リン、スルホン化ポリアニリン、化学的にドーピングし
たポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレ
ンビニレン、ポリパラフェニレンスルフィド、化学的に
重合とドーピングしたポリピロール、熱処理により生成
したフェノール樹脂の熱処理物、ポリアミドの熱処理
物、ペリレン酸無水物の熱処理物等が挙げられる。上記
のπ電子共役系構造を有する導電性ポリマーとして、特
にスルホン基でドープしたポリアニリンやポリチオフェ
ンが有用である。本発明の受像シートの金属微粒子及び
/またはπ電子共役二重結合を有する導電性ポリマーと
バインダーを含有する層において、π電子共役二重結合
を有する導電性ポリマーとしてポリチオフェンを使用す
ることができる。
【0016】帯電制御剤としてのポリチオフェンは、下
記一般式(1)で表される繰り返し単位からなる構造を
有している。
【化1】 上記式(1)において、R1 及びR2 は、それぞれ独立
して水素又は炭素数1〜4のアルキル基を表わすか、或
いは、一緒になって置換されていてもよい炭素数1〜4
のアルキレン基を形成する。炭素数1〜4のアルキル基
としては、例えば、メチル基、エチル基等を例示するこ
とができる。
【0017】炭素数1〜4のアルキレン基としては、例
えば、アルキル置換されていてもよいメチレン;それぞ
れ炭素数1〜12のアルキル基又はフェニル基で置換さ
れていてもよい1,2−エチレン又は1,3−プロピレ
ン;1,2−シクロヘキシレン;2,3−ブチレン;
2,3−ジメチル−2,3−ブチレン;2,3−ペンチ
レン等を例示することができる。1,2−エチレン等の
1,2−アルキレン基は、エテン、プロプ−1−エン、
へキシ−1−エン、オクト−1−エン、デス−1−エ
ン、ドデス−1−エン等のα−オレフィン或いはスチレ
ンを臭素化して得られる1,2−ジブロモアルカンから
誘導することができる。アルキレン基の中では、メチレ
ン、1,2−エチレン、及び1,3−プロピレンが好ま
しく、1,2−エチレンが特に好ましい。
【0018】式(1)で表わされる繰り返し単位からな
るポリチオフェンは、π共役2重結合を有する電子伝導
性ポリマーであり、従来のイオン伝導性材料とは異なり
環境変化によっても帯電制御能力が変動しにくく、周囲
環境が変化しても常にほぼ一定の帯電制御性を発揮す
る。従って、かかるポリチオフェンを受像シートの帯電
制御剤として用いることにより、周囲環境の変化に影響
されることなく、常にトナー定着性が良好で画像品質に
優れ、かつ、電子写真複写機或いはプリンター内での搬
送性も良好な受像シートが得られる。
【0019】また、かかるポリチオフェンは透明性が高
いので、OHP用の受像シートを作成するのにも利用で
きる。本発明に係る受像シートに、特に透明性が求めら
れる場合には、その光線の透過率を70%以上にするこ
とができる。なお、カーボンブラックは電子伝導性或い
は金属伝導性を有しているが、透明性が無いので、ポリ
チオフェンのようにOHP用に利用することはできな
い。さらに、かかるポリチオフェンはポリマーであり、
従来の低分子帯電制御剤とは異なり、含有層からブリー
ドアウトしにくいので、受像シートのべタツキや、保存
中における帯電制御能力の低下や、ブリードアウトした
帯電制御剤によるトナー受容層の汚染(裏移り)をほと
んど起こさない。
【0020】上記のポリチオフェンは、水、又は、水と
水混和性有機溶剤(例えば、メタノール、エタノール、
アセトン等)の混合溶剤中に、ポリ陰イオンの共存下で
部分的に正の電荷を帯びて溶解又は分散する。従って、
かかるポリチオフェンを含有する帯電制御層用塗工液又
は受容層用塗工液などの塗工液を調整して受像シートの
基材上に塗布することにより、ポリチオフェンを含有す
る層を容易に形成することができる。ポリ陰イオンの供
給源としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸のよう
な高分子スルホン酸、ポリアクリル酸のような高分子カ
ルボン酸、ポリりん酸、或いはそれらのアルカリ塩、と
りわけ分子量が2,000〜500,000のものを用
いることができる。好ましいポリ陰イオンはポリスチレ
ンスルホン酸である。分散体を調製する場合には、かか
る分散体中のポリチオフェンの平均粒径を10μm以下
とするのが好ましい。ポリチオフェンの溶液又は分散体
は、市販品を入手することも可能であり、例えば、バイ
エル社から「バイトロン P(Baytron P)」
の表品名で入手できる。
【0021】ポリチオフェンを含有する層を形成するた
めの塗工液は、水又は水と有機溶剤を混合してなる水性
溶剤にポリチオフェンとその他の成分を加えるか、又
は、ポリチオフェンの溶液又は分散体と他の塗工液(例
えば受容層用塗工液)とをあらかじめ別個に調製してお
いてから両者を混合するなどして調製する。市販品のポ
リチオフェンの溶液又は分散体を使用する場合には、必
要に応じて水、水混和性有機溶剤、又は水と有機溶媒を
混合してなる水性溶剤で希釈したり、他の成分を添加し
たり、他の塗工液と混合したりして、ポリチオフェンを
含有する層を形成するための塗工液を調整する。そし
て、このようにして調整した塗工液を、基材の表面又は
基材上に設けられている他の層の上に塗布又は吹きかけ
た後、乾燥・固化させることによってポリチオフェンを
含有する層を形成することができる。
【0022】トナー受容層にポリチオフェンを含有させ
る場合には、トナー受容層用塗工液中に、インキ中の樹
脂固形分1重量部に対してポリチオフェンを通常は1〜
200重量部、好ましくは5〜100重量部の割合でポ
リチオフェンを混合する。ポリチオフェンの量が少なす
ぎると帯電制御効果が十分に発現しなくなる。また、ポ
リチオフェンの量が多すぎると着色が強くなり、その結
果、トナー受容層の透明性が損なわれたり、或いは、所
望する抵抗率が得られなくなる。なお、トナー受容層の
表面寄りの部分にだけポリチオフェンを含有させるに
は、トナー受容層用塗工液の塗布作業を2〜3回程度に
分けて行ない、初期の塗布作業ではポリチオフェンを含
有していないトナー受容層用塗工液を塗布し、最後の1
回分の塗布作業の時だけポリチオフェンを含有するトナ
ー受容層用塗工液を塗布すればよい。
【0023】プライマー層にポリチオフェンを添加する
場合には、バインダー樹脂1重量部に対してポリチオフ
ェンを通常は1〜200重量部、好ましくは5〜100
重量部の割合とする。この場合の塗工量は、固形分とし
て通常約0.01〜5g/m 2 好ましくは約0.1〜1
g/m2 とする。塗工量が上記の範囲未満だとプライマ
ー層及び帯電制御層としての性能が不十分になりやす
く、一方、上記範囲を超えても、それに見合うだけの性
能向上は期待できないので不経済である。ポリチオフェ
ンをトナー受容層やプライマー層等に含有させるのでは
なく、ポリチオフェンを含有する専用の帯電制御層を設
ける場合には、水又は水と有機溶剤を混合してなる水性
溶剤にポリ陰イオンの共存下でポリチオフェンを溶解又
は分散した塗工液を塗布する。帯電制御層中のポリチオ
フェンの添加量は、バインダー樹脂1重量部に対してポ
リチオフェンを通常は1〜200重量部、好ましくは5
〜100重量部とする。塗布量は、固形分として通常
0.001〜0.2g/m2 、好ましくは0.005〜
0.1g/m2 とする。
【0024】また、他のπ電子共役系構造を有する導電
性高分子材料として、スルホン化ポリアニリンも有用で
ある。スルホン化ポリアニリンは、スルホン基でドープ
したポリアニリンであり、種々のものが知られている
が、一例として下記化学式2で表されるスルホン化ポリ
アニリンが挙げられる。
【化2】 (上記式において、x、y及びnは、分子量が約300
〜10,000になる値である。)
【0025】上記スルホン化ポリアニリンは水またはア
ルカリ水を含む溶媒中に可溶であり、分子内塩またはア
ルカリ塩を形成して溶解する。これらのスルホン化ポリ
アニリンは、例えば、日東化学工業(株)からaqua
Pass−01Zの商品名で、かつ水溶液や水と有機
溶剤との混合溶媒の溶液として入手して本発明で使用す
ることができる。これらの溶液は黄色を帯びた溶液であ
るが、濃度が低い場合には殆ど無色の溶液であり、OH
Pシート用等で透過光により記録画像を観察する用途で
は、受像シートに透明性が要求されるが、問題なく、使
用することができる。
【0026】スルホン化ポリアニリンを含有する層を形
成するための塗工液の組成としては、バインダー樹脂が
約0.5〜40重量%、好ましくは1.0〜30重量
%、スルホン化ポリアニリン(固形分)は約0.01〜
10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、界面活性
剤が約0〜2重量%、好ましくは0.2〜1重量%及び
残量の溶媒からなる組成が好ましい。特に塗工液中にお
けるスルホン化ポリアニリンが0.01〜1.0μmの
粒子として存在するように溶媒組成を選択することによ
って最も優れた帯電防止効果が得られる。すなわち、ス
ルホン化ポリアニリンは水溶性であるが、水溶性有機溶
剤には不溶性であり、塗工液の調整に際して水と水溶性
有機溶剤との混合比を調節し、場合によっては適当な界
面活性剤を併用することによって、スルホン化ポリアニ
リンを微細な粒子の分散状態とすることができる。液媒
体としての水と有機溶剤との混合比によって、塗工液中
のスルホン化ポリアニリンの粒度分布を変えることがで
きる。
【0027】例えば、水/IPA=40/60の塗工液
では、スルホン化ポリアニリンの粒子が約0.04μm
と約5μmを中心とした二つの別れた粒度分布が見られ
るため、あまり好ましくない。それは、二つの別れた粒
度分布を有するスルホン化ポリアニリンの粒子が、塗工
液中で均一に分散されにくく、特殊な塗工条件によって
のみ、帯電制御の機能を果たすことができるからであ
る。それに対し、例えば水/IPA=47/53〜60
/40の塗工液では、スルホン化ポリアニリンの粒子が
0.01〜1.0μmの間に分布され、好ましく用いら
れる。但し、塗工液に界面活性剤を併用すると、水と有
機溶剤との混合比によるスルホン化ポリアニリンの粒度
分布が変化するため、界面活性剤の添加についても配合
量に注意する必要がある。
【0028】スルホン化ポリアニリン及びバインダーを
含有する層の形成は、上記塗工液を受像シートの最表面
(受像面、裏面)または受容層の下に、例えば、グラビ
アコーター、ロールコーター、ワイヤーバー等の慣用の
塗工方式で塗工及び乾燥して行われる。その塗工量は、
乾燥後の塗工厚みとして約0.05〜10μm、好まし
くは0.5〜5μmの範囲であり、塗工量が上記範囲よ
り少ないと、帯電制御の性能が不十分であり、一方、塗
工量が上記範囲より多くても、その厚みに比例して上記
性能が向上する訳ではないので、経済的に不利であるば
かりでなく、電子写真複写機、プリンターによる画像の
濃度が低下するので好ましくない。
【0029】以下、本発明の受像シートの各部の構成に
ついて順次説明する。 (基材)本発明の受像シートで用いられる基材1として
は、受像シートが例えばOHPシート用等で透過光によ
り記録画像を観察する用途では、透明性、耐熱性、寸法
安定性、剛性を備えた熱可塑性樹脂により形成されたも
のが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリエチレン樹脂、二酢酸セルロース樹脂、三酢酸
セルロース樹脂等の、厚さ10〜250μm程度、好ま
しくは50〜180μm程度のフィルム又はシートが挙
げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、三酢酸セル
ロース樹脂が上記の性能の点でより好ましい。
【0030】尚、本発明の受像シートをOHPシート用
等で透過光により記録画像を観察する用途の場合では、
基材と受容層、必要に応じて、帯電制御層、背面層等を
加えた受像シート全体の構成で、平行線透過率が70%
以上にすることが望ましい。それによって、優れた透過
画像を得ることができる。また、反射光により記録画像
を観察する用途では、これら樹脂シート又はフィルム
は、着色剤等の添加により白色等の不透明であることが
好ましい。この場合は、基材1は合成紙、コート紙等の
紙類であってもよい。また、半透明の基材とすれば、電
飾用途にも使用できる。尚、基材1上に形成される層と
の密着性を向上させる目的で、基材1の表面にプライマ
ー処理やコロナ放電処理等の公知の易接着処理を施して
も良い。
【0031】(受容層)/(受容層+帯電制御層) 基材の少なくとも一方の面に設ける受容層2は、トナー
定着性を有し、特にフルカラー電子写真方式のOHP用
途では、カラートナーの濡れ性に優れた樹脂が好まし
い。受容層を形成する樹脂としては、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリスチレン等のビニル樹脂、ビスフェノール骨格
やアルキレン骨格を有するジオールと、2価のカルボン
酸あるいは3価のカルボン酸が縮重合してなるポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン
やプロピレン等のポリオレフィンと他のビニルモノマー
との共重合体、アイオノマー、エチルセルロース、酢酸
セルロース等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート樹
脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、
軟化点が30℃以上200℃以下のものが用いられる。
軟化点が30℃未満のものは保存性の点で好ましくな
く、受像シートを積み重ねた時に受容層が接触面と接着
する、いわゆるブロッキングが生じやすい。また、軟化
点が200℃を越えると、画像形成時に多量のエネルギ
ーを必要とするため好ましくない。
【0032】受容層の熱可塑性樹脂として、親水性の帯
電制御剤を含有する場合には、カルボキシル基を有する
水溶性若しくは水分散性ポリエステル樹脂やエポキシ樹
脂が、基材に対する密着性、トナーとの相溶性の点で好
ましい。そして、上記の性能の点で、本出願人が特願平
6−36609号で開示した特定のポリエステル樹脂が
好ましく用いられる。すなわち、ポリエステル樹脂とし
て、下記化学式3で表されるエチレングリコールまたは
プロピレングリコールで変性した変性ビスフェノールA
を、ジオール成分として用いたポリエステル樹脂が優れ
たトナー定着性を有する。また、下記化学式4は係る変
性ビスフェノールAの具体的化合物である。プロピレン
グリコール変性ビスフェノールAを表す。
【0033】
【化3】 (式中Rはエチレンまたはプロピレン基、x、yは1以
上5以下の整数かつxとyの平均値が1〜3である。)
【0034】
【化4】
【0035】使用するポリエステル樹脂として、エチレ
ングリコールまたはプロピレングリコールで変性したビ
スフェノールAをジオール成分として用いたポリエステ
ル樹脂が優れたトナー定着性を有する。ポリエステル樹
脂の酸成分としては、特に制限はなく、例えば、フマル
酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン
酸、コハク酸、アジピン酸、シトラコン酸、イタコン
酸、セバシン酸、マロン酸、ヘキサカルボン酸、トリメ
リット酸等を用いることができる。係るポリエステル樹
脂の中でも前記化学式3で表すプロピレングリコールあ
るいはエチレングリコール変性ビスフェノールAをジオ
ール成分として用い、フマル酸、マレイン酸、テレフタ
ル酸、トリメリット酸を酸成分として用いた樹脂が、特
にトナーのバインダー樹脂との相溶性が良く、トナー定
着性及びトナー濡れ性が良く、良好な品質の画像を与え
る。上記のようなポリエステル樹脂あるいはエポキシ樹
脂を水分散性にするには、ポリエステル樹脂をケトン系
溶剤に溶解し、分散剤と水を加えた後に、その溶剤を除
去する手法が一般的である。
【0036】エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を2
個以上含有するポリマー及びそのエポキシ基の開環反応
により生成する樹脂であり、主にエピクロルヒドリンと
活性水素を有する化合物とを反応させた後、脱塩酸反応
を行って得られる。エポキシ樹脂の中でも、エポキシ当
量が500g〜5000gのビスフェノールA型エポキ
シ樹脂が好ましく、エピクロルヒドリンとビスフェノー
ルAとの縮合反応で得られるもので、構造式を下記化学
式5に示す。
【化5】
【0037】また、受容層バインダー樹脂として、フェ
ノキシ樹脂も用いることができる。フェノキシ樹脂は、
主にエピクロルヒドリンとビスフェノールから合成さ
れ、末端に反応性のエポキシ基をもたない。詳しくは、
高純度ビスフェノールAとエピクロルヒドリンを1:1
のモル比、または高純度ビスフェノールAジグリシジル
エーテルとビスフェノールAを1:1のモル比の反応で
合成される。また、受容層2には上記ポリエステル樹脂
に加えて、他に樹脂を併用することもできる。例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹
脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル
酸エステル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リアミド樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと
他の重合性モノマーとの共重合体、エチルセルロース、
酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、アイオノマー、
ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等の上記以外のポリエステ
ル樹脂である。
【0038】また、受容層2に有機微粒子や無機微粒子
のいずれか一方または両方を含有させると、搬送適性を
向上させることができる。有機微粒子としては、四フッ
化エチレン樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体
等のフッ素系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ベンゾグアナミン
樹脂等の有機樹脂からなる微粒子が挙げられる。一方、
無機微粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、アル
ミナ、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、タルク、二
酸化チタン、炭酸カルシウム等が挙げられる。また、含
有させる微粒子の平均粒径は0.1〜10μmの範囲が
好ましい。平均粒径が0.1μm未満であると、所望の
効果が充分に得られず、また10μmを越えても画像ヌ
ケを起こしたり、OHPに使用する時の透明感が低下す
るので好ましくない。また、微粒子の含有量は受容層形
成樹脂に対して0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
含有量が多すぎると、透明性が低下し、特に透明性が要
求される場合にはヘイズを10以下に抑えるべく、含有
量上限は3重量%とすることが好ましい。また、含有量
が少なすぎると、所望の搬送適性の向上効果が得られな
い。
【0039】また、受容層には上記微粒子の他、各種界
面活性剤、ワックス、オイル等の添加剤を本発明の効果
を妨げない範囲で混合使用しても良い。受容層の形成
は、上記樹脂成分、その他必要に応じて微粒子、各種添
加剤などを有する塗液を、グラビア印刷、シルクスクリ
ーン印刷等の公知の印刷手段、あるいは、グラビアコー
ト等の公知の塗工手段により形成し、厚さは乾燥時で1
〜10μm程度とする。受容層に帯電制御剤として、金
属微粒子及び/またはπ電子共役二重結合を有する導電
性ポリマーを含有させることができる。この場合、受容
層がバインダーと帯電制御剤を含有し、帯電制御剤の上
記金属微粒子や導電性ポリマーがバインダーに溶解又は
分散した塗工液を調整し、基材上に塗布、乾燥して、受
容層が形成される。
【0040】帯電制御剤である金属微粒子及び/または
π電子共役二重結合を有する導電性ポリマーは、上記に
説明したように、水溶性あるいは水分散型であるため、
バインダー樹脂として、水分散型の熱可塑性樹脂とし
て、ポリエステル樹脂及び/またはエポキシ樹脂が好ま
しく用いられる。このポリエステル樹脂及び/またはエ
ポキシ樹脂を受容層バインダーとして用いる際に、その
重量平均分子量が5000〜50000で、重量平均分
子量/数平均分子量の比が1.5〜10の範囲であり、
30℃における貯蔵弾性率が105 Pa以上で、貯蔵弾
性率が1000Paになる温度が150℃以下であるも
のがより好ましく、それによっていわゆるシャープメル
ト性を有しているため、トナーとの相溶性が良好であ
り、光透過時の光散乱が防止できる。
【0041】上記のポリエステル樹脂及び/またはエポ
キシ樹脂の重量平均分子量が5000未満では、樹脂が
柔すぎるため、受像シートを積み重ねた時に受容層が接
触面と接着する、いわゆるブロッキングが生じやすい。
一方、その重量平均分子量が50000を越えると、受
容層樹脂としては硬すぎるため、トナーとの相溶性が低
下し、受像表面上に付着したトナーが、定着時の加熱に
よって、充分に受容層に埋め込まれずに、粒状に盛り上
がってしまい、OHPの投影時に入射光が散乱され、ス
クリーン上に影を形成する、いわゆる投影画像のグレー
化が特にハイライト部で生じる。上記の重量平均分子量
と数平均分子量の測定には、ゲル浸透クロマトグラフィ
ー(GPC)を用いた。カラムはWaters製ULT
RA STYRAGELPLUSMX1000A、溶媒
はテトラヒドロフラン(THF)、検量線はポリスチレ
ンを使用し、流量は1ml/minとした。
【0042】そして、重量平均分子量/数平均分子量の
比が2未満では、上記と同様に樹脂が柔すぎるため、受
像シートを積み重ねた時に受容層が接触面と接着しやす
い。一方、その比が10を越えると、上記と同様に樹脂
が硬すぎるため、トナーとの相溶性が低下し、受像表面
上に付着したトナーが、定着時の加熱によって、充分に
受容層に埋め込まれずに、粒状に盛り上がってしまい、
投影画像のグレー化が特にハイライト部で生じる。上記
の貯蔵弾性率の測定には、Rheometric Sc
ientific社製の粘弾性測定装置(ARES)を
用い、測定条件は周波数1rads-1とした。
【0043】上記のポリエステル樹脂及び/またはエポ
キシ樹脂の30℃における貯蔵弾性率が105 Pa以上
であり、貯蔵弾性率が1000Paになる温度が150
℃以下であることが好ましい。それは、上記の貯蔵弾性
率の樹脂を受容層や帯電制御層のバインダーとして使用
すれば、その層が軟化しやすいため、その層の上にある
トナーが層に埋め込まれやすく、受像面が平滑化し、投
影画像のグレー化が生じない。すなわち、トナーの受像
面への埋め込みには、バインダー樹脂の貯蔵弾性率が1
000Pa以下、好ましくは100Pa以下が良く、そ
の時の温度がトナー定着温度以下であることが好まし
い。
【0044】また、上記のバインダー樹脂のポリエステ
ル樹脂及び/またはエポキシ樹脂の130℃の時の貯蔵
弾性率をG′130 、200℃の時の貯蔵弾性率をG′
200 とした時に、 0.2≦G′130 /G′200 ≦9.0 の関係を有することが好ましく、受像シートの平滑な受
像表面上に付着したトナーが、種々の定着時の温度によ
って、充分に受容層に埋め込んで、平滑化しやすい。ま
た、130〜200℃の間で、トナー結着樹脂の貯蔵弾
性率(G′A )と、受容層結着樹脂の貯蔵弾性率(G′
B )とにおいて、 0.5≦G′A /G′B ≦2500 の関係を有することが良く、これにより、さらに上記の
トナーの受容層へ埋め込みが適切に行われ、製造メーカ
ーの異なる各種の電子写真複写機/プリンタ(各種トナ
ー)に対し、OHPの投影画像がグレー化を生じない
で、色調再現性に優れ、鮮明な投影画像が得られる。
【0045】以上に説明した内容は、受容層に関するも
のであるが、帯電制御層についても同様の内容をとるこ
とができる。尚、帯電制御層が受容層の上に形成する場
合は、帯電制御層が金属微粒子及び/またはπ電子共役
二重結合を有する導電性ポリマーとバインダーを含有
し、受容層は上記のような帯電制御剤を含有せず、従来
公知のものを使用することが好ましい。また、帯電制御
層の厚さは受容層より少なく、乾燥時で0.01〜1μ
m程度である。
【0046】(プライマー層)本発明の受像シートは、
受容層と基材の接着性を向上させる目的で、プライマー
層4を形成しても良い。プライマー層は、基材及び/ま
たは受容層に良好な接着性を有するバインダーと、帯電
防止剤としての金属微粒子及び/またはπ電子共役二重
結合を有する導電性ポリマーを主体として形成する。但
し、π電子共役二重結合を有する導電性ポリマー単体で
接着する場合は、バインダーなしで帯電制御層、プライ
マー層を形成してもよい。上記の基材及び/または受容
層に良好な接着性を有するバインダーとしては、例え
ば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリア
クリル系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレ
ン−アクリル共重合体系樹脂等が挙げられる。
【0047】尚、プライマー層は、上記の帯電防止剤を
含有せずに、接着性を有するバインダーを主体に形成す
ることも可能である。プライマー層は、上記のバインダ
ーと前記で説明した金属微粒子及び/またはπ電子共役
二重結合を有する導電性ポリマーを主成分として形成さ
れ、形成方法としては水を含む溶媒、例えば、水や、メ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノル
マルプロピルアルコール等の水溶性有機溶剤との混合物
に前記バインダー及び前記金属微粒子及び/またはπ電
子共役二重結合を有する導電性ポリマーを溶解又は分散
した塗工液を作製する。この塗工液には、塗工時におけ
る基材の濡れ性向上のために界面活性剤や、気泡を抑制
するための消泡剤等の任意の添加剤を加えることができ
る。特に、界面活性剤としてはリン酸エステル系の界面
活性剤の使用が好ましい。
【0048】(背面層)本発明の受像シートは、必要に
応じて前記基材の他方の面に、フィラーあるいはSi基
を含有した背面層5を設けることができる。本発明の受
像シートは、搬送適性をより向上させ、基材表面側の受
容層に対して、カール防止性をもたせるため、基材の受
容層の設けられていない側に、背面層を形成してもよ
い。さらに、背面層は、基材表面の受容層と同様の画像
受容性をもたせれば、受像シートの表、裏に関わらず、
また受像シートの両面に画像を形成することができる。
また、受像シートの裏面側に一定の表面電気抵抗率が必
要な場合(トナー転移性のため)には、上記で説明した
金属微粒子及び/またはπ電子共役二重結合を有する導
電性ポリマーの帯電制御剤を添加してもよい。但し、必
要なければ、一般的なイオン伝導材料で良い。
【0049】背面層は、アクリル系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ウレタン系樹脂等や、シリコーン基が付加され
た熱可塑性樹脂として、シリコーン変性アクリル系樹
脂、シリコーン変性ウレタン系樹脂、シリコーン変性ポ
リエステル系樹脂等が使用できる。さらに、アクリル
系、ビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリ
アミド系又はセルロース系樹脂のバインダー樹脂の主鎖
に、ポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント
及び長鎖アルキルセグメントの中の少なくとも1種の離
型性セグメントを有するグラフトコポリマーも、熱可塑
性樹脂として、使用できる。
【0050】背面層の形成は、上記の樹脂と有機フィラ
ーまたは無機フィラーと、その他添加剤を必要に応じて
加えて、受容層と同様に公知の塗工手段により、行わ
れ、背面層の厚さは、乾燥時で0.01〜1.0μm程
度あれば十分な効果が得られるが、表面電気抵抗率を制
御する場合には、それに応じた厚みが必要になり、0.
1〜2.0μm程度が好ましい。背面層のフィラーは、
有機フィラーとしては、四フッ化エチレン樹脂、エチレ
ン−四フッ化エチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリ
エチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリ
アミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機樹脂からな
るフィラーが挙げられる。一方、無機フィラーとして
は、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、カオリン、
クレー、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、炭酸
カルシウム等が使用できる。
【0051】本発明の受像シートの表面抵抗率の制御方
法は、受像シートの表、裏の個々に金属微粒子及び/ま
たはπ電子共役二重結合を有する導電性ポリマーとバイ
ンダーを含有する層の上記金属微粒子及び/または導電
性ポリマーの含有量、塗工量を制御することで、受像シ
ートの表面抵抗率を、10℃30%〜30℃80%の環
境で、常に108 〜1013Ω/sqであり、2桁以内の
変化量の一定抵抗に収めることができる。ここで、「2
桁以内の変化量」とは、変化する表面電気抵抗率の最小
値がa(Ω/sq)、最大値がb(Ω/sq)であると
きに、b/a≦100の関係が成立することを意味す
る。
【0052】受像シートの受像面、裏面それぞれの表面
電気抵抗率すなわち面積抵抗は、帯電制御性を有する層
の導電性を変えることにより制御できる。例えば、帯電
制御層の厚みを増やせば、その導電性が高くなって面積
抵抗が低下する。帯電制御性を有する層の導電性は、ト
ナー受容層、帯電制御層、基材等の厚みや、層における
帯電制御剤とバインダー樹脂との配合比や、塗工液中の
水と有機溶剤と界面活性剤の混合比率などの諸条件によ
って変えることができる。仮に、図3に示すような構成
の受像シートにおいて、裏面の面積抵抗に合わせて帯電
制御層32の厚みを設定した場合、おもて面の面積抵抗
が適性値より外れる場合には、目標値よりも下がり過ぎ
たならば、受容層2の厚みを厚くしたり、逆に目標値よ
りも大きすぎたならば、受容層2厚みを少なくしたりす
れば良い。
【0053】図3に示した受像シートのように、帯電制
御性を有する層(プライマー層4)が基材1とトナー受
容層2の間に設けられている場合には、トナー受容層2
と帯電制御性を有する層4の界面と受像シートの受像面
(露出面)の間の距離の大小と、面積抵抗率の大小と
は、逆の関係で制御できる。すなわち、受像面の面積抵
抗が目標値よりも低すぎる場合にはトナー受容層をもっ
と厚くし、逆に目標値よりも高すぎる場合には、トナー
受容層をもっと薄くするか或いはトナー受容層の上にも
帯電制御層を設ければよい。受像シートの表面抵抗率が
108 Ω/sqより低いと、転写効率が低下し、記録濃
度が低下しやすく、逆に1×1013Ω/sqを越える
と、トナー転写後に感光体から受像シートを剥離する時
に放電が発生し、トナーが飛散するなど文字、画像が乱
れるため、画質、鮮明性が低下し、また静電気発生や滑
性不足により電子写真複写機、プリンターにおける搬送
不良や埃の付着が起こりやすい。
【0054】
【実施例】次に実施例をあげて、本発明を具体的に説明
する。尚、文中、部または%とあるのは、特に断りのな
い限り重量基準である。 (実施例1)下記に示す基材、受容層塗工液1を用い
て、図1に示すような構成の実施例1の受像シートを作
製した。また、受容層の厚み(乾燥時)は3μmであ
る。
【0055】基材 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム受容層塗工液1 ポリエステル樹脂水分散体 40部 (フマル酸とプロピレングリコール変性ビスフェノールAとの重合物をメチル エチルケトンで溶解後、ノニオン系界面活性剤と水を添加し、その後メチルエチ ルケトンを除去する。) (ポリエステル樹脂のガラス転移温度55℃、固形分30%、重量平均分子量 (Mw )14500、Mw /数平均分子量(Mn )=3.5、30℃の貯蔵弾性 率1×108 Pa、貯蔵弾性率1000Paになる温度は100℃) アンチモンドープ酸化スズ微粒子の水分散体 20部 (平均粒径20nm、固形分30%) フィラー(シリカ、平均粒径5μm) 0.01部 水 40部
【0056】(実施例2)実施例1で使用した基材と受
容層塗工液1を用い、さらに下記のプライマー層塗工液
1を用い、図2に示すような構成の実施例2の受像シー
トを作製した。受容層の厚み(乾燥時)は3μm、プラ
イマー層の厚み(乾燥時)は1μmである。プライマー層塗工液1 ウレタン変性ポリエステル樹脂(固形分20%) 30部 メチルエチルケトン 35部 トルエン 35部
【0057】(実施例3)上記実施例2の受像シートの
基材の他方の面に、下記の背面層塗工液1を用いて、背
面層を形成し、実施例3の受像シートを作製した。背面
層の厚み(乾燥時)は1μmである。背面層塗工液1 シリコーン変性アクリル(固形分50%) 20部 (信越シリコーン(株)製 KR−3093) メチルエチルケトン 40部 トルエン 40部
【0058】(実施例4)実施例1で使用した基材の一
方の面に、実施例2で使用したプライマー層塗工液1を
用い、プライマー層を形成し、そのプライマー層の上
に、下記の受容層塗工液2を用いて、受容層を形成し
た。さらに基材の他方の面に、下記の帯電制御層塗工液
1を用いて、帯電制御層を形成し、実施例4の受像シー
トを作製した。(図3参照) プライマー層の厚み(乾燥時)は1μm、受容層の厚み
(乾燥時)は3μm、帯電制御層の厚み(乾燥時)は
0.1μmである。
【0059】受容層塗工液2 エポキシ樹脂水分散体 40部 (エポキシ当量が900gのビスフェノールA型エポキシ樹脂をメチルエチル ケトンで溶解後、ノニオン系界面活性剤と水を添加し、その後メチルエチルケト ンを除去する。) (エポキシ樹脂のガラス転移温度57℃、固形分30%、Mw =6000、M w /Mn =1.6、30℃の貯蔵弾性率1×109 Pa、貯蔵弾性率1000P aになる温度は95℃) アンチモンドープ酸化スズ微粒子の水分散体 20部 (平均粒径20nm、固形分20%) 水 40部
【0060】帯電制御層塗工液1 カチオン変性4級アンモニウム塩(固形分50%) 1部 イソプロピルアルコール 99部
【0061】(実施例5)上記実施例4の受像シートに
おいて、受容層塗工液2を下記の受容層塗工液3に変更
した以外は、実施例4と同様にして、実施例5の受像シ
ートを作製した。 受容層塗工液3 ポリエステル樹脂水分散体 40部 (テレフタル酸とエチレングリコール変性ビスフェノールAとの重合物をメチ ルエチルケトンで溶解後、ノニオン系界面活性剤と水を添加し、その後メチルエ チルケトンを除去する。) (ポリエステル樹脂のガラス転移温度60℃、固形分30%、Mw =2000 0、Mw /Mn =4.5、30℃の貯蔵弾性率1×108 Pa、貯蔵弾性率10 00Paになる温度は120℃) アンチモンドープした針状の酸化スズ微粒子の水分散体 20部 (繊維長0.5μm、アスペクト比20、固形分20%) 水 40部
【0062】(実施例6)上記実施例4の受像シートに
おいて、受容層塗工液2を下記の受容層塗工液4に変更
した以外は、実施例4と同様にして、実施例6の受像シ
ートを作製した。 受容層塗工液4 ポリエステル樹脂水分散体 60部 (フマル酸とプロピレングリコール変性ビスフェノールAとの重合物をメチル エチルケトンで溶解後、ノニオン系界面活性剤と水を添加し、その後メチルエチ ルケトンを除去する。) (ポリエステル樹脂のガラス転移温度55℃、固形分30%、Mw =1450 0、Mw /Mn =3.5、30℃の貯蔵弾性率1×108 Pa、貯蔵弾性率10 00Paになる温度は100℃) スルホン化ポリアニリン(固形分10%) 5部 水 35部
【0063】(実施例7)上記実施例4の受像シートに
おいて、受容層塗工液2を下記の受容層塗工液5に変更
した以外は、実施例4と同様にして、実施例7の受像シ
ートを作製した。 受容層塗工液5 ポリエステル樹脂水分散体 30部 (フマル酸とプロピレングリコール変性ビスフェノールAとの重合物をメチル エチルケトンで溶解後、ノニオン系界面活性剤と水を添加し、その後メチルエチ ルケトンを除去する。) (ポリエステル樹脂のガラス転移温度55℃、固形分30%、Mw =1450 0、Mw /Mn =3.5、30℃の貯蔵弾性率1×108 Pa、貯蔵弾性率10 00Paになる温度は100℃) ポリチオフェン(バイエル社製、Baytron P、固形分1%) 30部 水 40部
【0064】(実施例8)実施例1で使用した基材の一
方の面に、実施例2で使用したプライマー層塗工液1を
用い、プライマー層を形成し、そのプライマー層の上
に、下記の受容層塗工液6を用いて、受容層を形成し
た。また、その受容層の上に下記の帯電制御層塗工液2
を用いて、帯電制御層を形成し、さらに基材の他方の面
に、実施例4で使用した帯電制御層塗工液1を用いて、
帯電制御層を形成し、実施例8の受像シートを作製し
た。プライマー層の厚み(乾燥時)は1μm、受容層の
厚み(乾燥時)は3μm、受像面側の帯電制御層の厚み
(乾燥時)は0.5μm、裏面側の帯電制御層の厚み
(乾燥時)は0.1μmである。
【0065】受容層塗工液6 ポリエステル樹脂水分散体 30部 (フマル酸とプロピレングリコール変性ビスフェノールAとの重合物をメチル エチルケトンで溶解後、ノニオン系界面活性剤と水を添加し、その後メチルエチ ルケトンを除去する。) (ポリエステル樹脂のガラス転移温度55℃、固形分30%、Mw =1450 0、Mw /Mn =3.5、30℃の貯蔵弾性率1×108 Pa、貯蔵弾性率10 00Paになる温度は100℃) シリカフィラー(平均粒径5μm) 0.03部 メチルエチルケトン 35部 トルエン 35部
【0066】帯電制御層塗工液2 ポリエステル樹脂水分散体 20部 (フマル酸とプロピレングリコール変性ビスフェノールAとの重合物をメチル エチルケトンで溶解後、ノニオン系界面活性剤と水を添加し、その後メチルエチ ルケトンを除去する。) (ポリエステル樹脂のガラス転移温度55℃、固形分30%、Mw =1450 0、Mw /Mn =3.5、30℃の貯蔵弾性率1×108 Pa、貯蔵弾性率10 00Paになる温度は100℃) アンチモンドープした針状の酸化スズ微粒子の水分散体 20部 (繊維長0.5μm、アスペクト比20、固形分20%) イソプロピルアルコール 30部 水 30部
【0067】(比較例1)実施例1で使用した基材の一
方の面に、下記の受容層塗工液7を用い、受容層を形成
し、その受容層の上に、下記の帯電制御層塗工液3を用
いて、帯電制御層を形成し、比較例1の受像シートを作
製した。受容層の厚み(乾燥時)は3μm、帯電制御層
の厚み(乾燥時)は0.1μmである。
【0068】受容層塗工液7 ポリエステル樹脂 30部 (フマル酸とプロピレングリコール変性ビスフェノールAとの重合物、ガラス 転移温度60℃、軟化点100℃) シリカ微粒子(平均粒径5μm) 0.15部 メチルエチルケトン 35部 トルエン 35部
【0069】帯電制御層塗工液3 4級アンモニウム系界面活性剤 0.1部 イソプロピルアルコール 100部
【0070】(比較例2)上記実施例1の受像シートに
おいて、受容層塗工液1を下記の受容層塗工液8に変更
した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の受像シ
ートを作製した。 受容層塗工液8 ポリエステル樹脂水分散体 40部 (テレフタル酸とエチレングリコール変性ビスフェノールAとの重合物をメチ ルエチルケトンで溶解後、ノニオン系界面活性剤と水を添加し、その後メチルエ チルケトンを除去する。) (固形分30%、30℃の貯蔵弾性率1×109 Pa、貯蔵弾性率1000P aになる温度は170℃) アンチモンドープ酸化スズ微粒子の水分散体 20部 (平均粒径20nm、固形分30%) 水 40部
【0071】上記の実施例及び比較例の受像シートを用
いて、下記の方法にて、画像品質及び表面電気抵抗の評
価を実施した。 (評価方法)画像品質 各実施例及び比較例の受像シートの受像面に、10℃3
0%RH、23℃50%RH及び30℃80%RHの各
環境下で、自作の電子写真方式のプリンタを用いて、0
〜100%の階調パターンを5%刻みで印字し、画像品
質をトナー転移性とハイライト部のグレー化について、
目視にて観察し、評価した。その判断基準は以下の通り
である。
【0072】トナー転移性 ○:良好である。 ×:転移性が劣り、濃度低下している。ハイライト部のグレー化 ○:OHPの投影画像で、イエローのハイライト部が良
好でグレー化が無い。 ×:OHPの投影画像で、イエローのハイライト部でグ
レー化が生じている。
【0073】表面電気抵抗 各受像シートの表面に、上記の各環境下で500Vの電
圧を印加し、印加開始から10秒後の表面電気抵抗率
を、表面抵抗測定機(Hiesta、三菱油化株式会社
製)を用いて測定した。
【0074】(評価結果)各実施例及び比較例の評価結
果を表1及び表2に示す。
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【発明の効果】本発明の受像シートは、基材の少なくと
も一方の面に、金属微粒子及び/またはπ電子共役二重
結合を有する導電性ポリマーとバインダーを含有する層
が設けられていることにより、上記の金属微粒子及び/
または導電性ポリマーを使用しているため、塗工面がべ
たついたり、シート保存時に接触面に移行して、表面抵
抗率が変化することがない。また、上記の金属微粒子及
び/または導電性ポリマーはイオン伝導性材料でないた
め、シート周辺の環境(温度、湿度)が変化しても、表
面抵抗率が変化することがない。したがって、トナー定
着性が良好で画像品質に優れ、電子写真複写機、プリン
ターにおける搬送適性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の受像シートの一つの実施の形態を表す
縦断面図である。
【図2】本発明の受像シートの他の実施の形態を表す縦
断面図である。
【図3】本発明の受像シートの他の実施の形態を表す縦
断面図である。
【図4】本発明の受像シートの他の実施の形態を表す縦
断面図である。
【図5】本発明の受像シートの他の実施の形態を表す縦
断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 受容層 31、32 帯電制御層 4 プライマー層 5 背面層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも一方の面に、金属微粒
    子及び/またはπ電子共役二重結合を有する導電性ポリ
    マーとバインダーを含有する層が設けられていることを
    特徴とする受像シート。
  2. 【請求項2】 前記の含有層が、受容層であることを特
    徴とする上記の請求項1に記載する受像シート。
  3. 【請求項3】 前記の含有層が、受像面及び/または裏
    面の最外層の帯電制御層であることを特徴とする上記の
    請求項1または2に記載する受像シート。
  4. 【請求項4】 前記の含有層中のバインダーが、ポリエ
    ステル樹脂及び/または、エポキシ樹脂であることを特
    徴とする上記の請求項1に記載する受像シート。
  5. 【請求項5】 前記のポリエステル樹脂及び/またはエ
    ポキシ樹脂が、水分散型あるいは水溶性であることを特
    徴とする上記の請求項4に記載する受像シート。
  6. 【請求項6】 前記のポリエステル樹脂及び/またはエ
    ポキシ樹脂の重量平均分子量が5000〜50000
    で、重量平均分子量/数平均分子量の比が1.5〜10
    の範囲であり、30℃における貯蔵弾性率が105 Pa
    以上で、貯蔵弾性率が1000Paになる温度が150
    ℃以下であることを特徴とする上記の請求項4に記載す
    る受像シート。
  7. 【請求項7】 前記の含有層中の金属微粒子がアンチモ
    ンでドープした酸化スズであることを特徴とする上記の
    請求項1〜6のいずれかに記載する受像シート。
  8. 【請求項8】 前記の酸化スズは、繊維長が2μm以下
    でアスペクト比が50以下の針状であることを特徴とす
    る上記の請求項7に記載する受像シート。
  9. 【請求項9】 前記の含有層中のπ電子共役二重結合を
    有する導電性ポリマーが、ポリチオフェンであることを
    特徴とする上記の請求項1〜8のいずれかに記載する受
    像シート。
  10. 【請求項10】 前記の含有層中のπ電子共役二重結合
    を有する導電性ポリマーが、ポリアニリンであることを
    特徴とする上記の請求項1〜8のいずれかに記載する受
    像シート。
  11. 【請求項11】 前記の含有層の表面電気抵抗率が、1
    0℃30%〜30℃80%の環境で、常に108 〜10
    13Ω/sqであり、環境10℃30%の表面電気抵抗率
    をA、環境30℃80%の表面電気抵抗率をBとした
    時、 A/B≦100 の関係である一定抵抗を有することを特徴とする上記の
    請求項1〜10のいずれかに記載する受像シート。
  12. 【請求項12】 前記の受像シートの平行線透過率が7
    0%以上であることを特徴とする上記の請求項1〜11
    のいずれかに記載する受像シート。
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