JP3361150B2 - 電子写真用フィルム - Google Patents

電子写真用フィルム

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JP3361150B2 JP19315993A JP19315993A JP3361150B2 JP 3361150 B2 JP3361150 B2 JP 3361150B2 JP 19315993 A JP19315993 A JP 19315993A JP 19315993 A JP19315993 A JP 19315993A JP 3361150 B2 JP3361150 B2 JP 3361150B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、普通紙用の電子写真複
写機を用いて透明画を作成するのに適した透明な電子写
真用フィルムに関する。特に、OHP(オーバーヘッド
プロジェクター)に使用できる電子写真用フィルムに関
する。 【0002】 【従来の技術】電子写真は、一般に、感光体表面を帯電
させ、露光により静電画像の潜像を形成させ、この潜像
にトナーを付着させて現像し、転写紙にトナー像を転写
し、そしてこのトナー像を熱又は圧力で固定、定着する
ことにより、得られる。このように転写紙(普通紙)を
用いる方法が電子写真の間接法といわれるもので、一般
の普通紙用の電子写真複写機に採用されている。紙自体
が感光体の役目も担う方法、即ち感光層を有する紙(Z
nO塗工紙)上に、直接潜像を形成させ、トナー現像、
定着を行う方法もあり、電子写真の直接法といわれてい
る。上記間接法の普通紙用の電子写真複写機を用いて、
普通紙の代わりに電子写真用フィルム(以下透明フィル
ムとも言う)を用いて透明画の作成、即ち複写する場
合、普通紙を用いた場合と異なり、フィルム搬送ミス
(ミスフィード、重送)、曇り(ヘイズ)、取り扱い時
における摩耗損傷、トナー画像の密着不良、加熱ロール
によるエンボス跡の発生など様々な問題が生ずる。 【0003】従来から、特に複写時のトナーの転写性及
びフィルムの搬送性を向上させるために、透明プラスチ
ックフィルム上に表面電気抵抗が制御された層等の形成
が行なわれている。特公昭51−34734号公報に
は、プラスチックフィルム上にマット剤(無機微粒子及
びプラスチックのパウダー)を含む有機溶剤可溶な樹脂
層が形成された表面固有抵抗値が1×109 〜1×10
15Ωの電子写真用フィルムが開示されている。この樹脂
層は、通常の湿度ではトナー転写性はある程度良好であ
るが、低湿度では有機溶剤可溶な樹脂層のため抵抗が高
くなって重送が生じ易くなり、高湿下では抵抗が低くな
りトナー転写性が低下する。即ち、有機溶剤可溶の樹脂
を用いた場合、抵抗値の制御は界面活性剤等で行なうし
かなく充分なものとは言えない。 【0004】また、特公昭59−42864号公報に
は、フィルム上にアニオン系又はカチオン系の導電性樹
脂の下塗層、アクリル樹脂の受領層(受像層)を順に形
成した二層からなる電子写真用フィルムが、さらに特開
昭62−238526号公報には、フィルム上に導電性
付与用の有機物の塩を含む下塗層、ポリメタクリル酸メ
チルの受像層が設けられた電子写真用フィルムが提案さ
れている。このように下塗層にイオン導電性物質を使用
すると、フィルム表面の表面電気抵抗は低下するが、こ
の表面電気抵抗は下塗層の吸水量の影響を受け易いた
め、環境湿度の変化により大きく変動し、特に高湿下で
抵抗が低くなりトナーの転写性が低下するとの問題があ
る。 【0005】一方、表面電気抵抗を安定して得る方法と
して、静電記録紙(材料)の分野で金属酸化物の微粒子
を用いた材料が種々提案されている。静電記録紙(材
料)は、記録針に高圧印加して静電記録紙に電荷を帯電
させ、トナー現像、熱定着により、画像形成を行う方式
で用いられる。上記の例として、紙支持体表面に金属酸
化物の微粒子を結着剤中に分散させた導電層を設け、そ
の上に炭酸カルシウム含有の有機溶剤可溶型樹脂の層が
形成された静電記録材料が開示されている(特開昭51
−25140号公報、特公昭58−27494号公報、
特公昭58−28574号公報、特開昭55−9524
号公報、特開昭55−33134号公報及び特開昭56
−38052号公報参照)。上記導電層を紙の支持体で
はなく透明プラスチックフィルムに適用した例として、
特開昭61−151542号公報には、プラスチックフ
ィルム上に、アンチモンをドーピングした酸化第二錫
(平均粒子径0.1μm以下)と接着剤(水溶性樹脂、
エマルジョン)からなる導電層、及び導電層上に誘電層
が形成された静電記録体が記載されている。さらに、前
記直接法の電子写真感光材料の導電層(下塗層)とし
て、特開昭56−143443号公報には、プラスチッ
クフィルム上に、酸化第二錫(平均粒子径0.5μm以
下)とバインダー(水溶性樹脂)からなる導電層も開示
されている。 【0006】このような金属酸化物の微粒子を含む導電
層は、環境の湿度変化に対応でき、前記間接法の電子写
真用フィルムに適用することも考えられる。しかしなが
ら、上記方法では、金属酸化物の微粒子を含む導電層を
設け、さらにその上に前記のマット剤を含む受像層を設
ける必要がある。即ち、前記の導電性樹脂の下塗層を用
いた時と同様に透明支持体上に二層設ける必要があり、
製造上極めて不利である。さらに、上記公報に記載され
た静電記録材料は、前記したように材料表面に直接潜像
を形成させ、トナー現像させるもので、電子写真用フィ
ルムよりはるかに低い表面抵抗を有することが必要であ
り、そのまま適用することはできない。また、直接法用
の電子写真感光材料の導電層についても同様である。す
なわち、上記間接法の電子写真用フィルムにおいては、
電子写真複写機の感光体上に形成された潜像に付着した
トナーを良好にフィルムに転写する必要があり、また一
般に簡易に複写が可能なので大量に複写が行われ、その
時のフィルムの搬送性に優れていること、更に前記の様
々な問題の解消が望まれる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明者は、環境変
化、特に大きな湿度の変化があっても表面電気抵抗の変
動が少なく、複写時に優れた転写性を示して高濃度の画
像が得られ、また低湿下でも加工工程や取り扱い時に摩
擦帯電が生じ難く、従って搬送性においても優れ、更
に、耐傷性においても優れた電子写真用フィルムを、透
明支持体上に形成される層が導電層及び受像層の二層構
成ではなく、唯一つの受像層のみの形成により得るため
鋭意研究を重ねてきた。新しい試みとして、本発明者
は、安定した表面電気抵抗を得るため、受像層中に金属
酸化物の微粒子を含有させるべく検討を行った。しかし
ながら、受像層中に金属酸化物の微粒子を添加すると、
表面電気抵抗の制御は容易となるが、表面に大きな凹凸
が生じ、トナーの密着性が充分でない、曇り(ヘイズ)
が大きい、あるいは搬送時等に傷が付き易い等の問題が
あった。本発明者の検討により、導電性金属酸化物の微
粒子として平均粒径が0.1μm以下のもの、そしてマ
ット剤として潤滑性を有する樹脂のマット剤を併用する
ことにより上記問題が解決されることが明らかとなり、
本発明に到達した。 【0008】従って、本発明は、環境変化、特に大きな
湿度の変化があっても表面電気抵抗の変動がほとんどな
く、複写時に優れた転写性を示して高濃度の画像が得ら
れ、また低湿下でも加工工程や取り扱い時に摩擦帯電が
生じ難く、従って搬送性においても優れ、更に、耐傷性
においても優れた電子写真用フィルムを提供することを
目的とする。 【0009】また、本発明は、OHP(オーバーヘッド
プロジェクター)用フィルムに好適な電子写真用フィル
ムを提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的は、透明支持体
の少なくとも一方の表面に、25℃、65%RHにおけ
る表面電気抵抗が1×109 〜1×1013Ωの範囲にあ
る受像層が設けられた電子写真用フィルムにおいて、該
受像層が、平均粒径が0.1μm以下のSb、Nbもし
くはハロゲン元素をドープした導電性金属酸化物の微粒
子、潤滑性を有する樹脂のマット剤及びポリマーからな
ることを特徴とする電子写真用フィルムにより達成する
ことができる。 【0011】上記本発明の電子写真用フィルムの好まし
い態様は下記の通りである。 【0012】1)該マット剤の材料が、0.4以下の静
摩擦係数を有する上記電子写真用フィルム。 【0013】2)該マット剤の材料が、ポリオレフィン
である上記電子写真用フィルム。 【0014】3)該マット剤の平均粒径が、0.1〜1
0μmの範囲にある上記電子写真用フィルム。 【0015】4)該金属酸化物が、Sbをドーピングし
た二酸化錫(SnO2 )である上記電子写真用フィル
ム。 【0016】5)該ポリマーが、水分散性ポリマーであ
る上記電子写真用フィルム。 【0017】6)該ポリマーのガラス転移温度が、60
〜120℃の範囲にある上記電子写真用フィルム。 【0018】7)該ポリマーが、ポリエステル樹脂であ
る上記電子写真用フィルム。 【0019】[発明の詳細な記述]本発明の電子写真用
フィルムは、透明支持体の一方の表面あるいは両方の表
面に、受像層が形成された構成を有する。図1及び図2
に本発明の電子写真用フィルムの基本的な構成の断面を
模式的に示す。 【0020】図1には、透明支持体11の一方の表面
に、受像層12が形成された電子写真用フィルムが示さ
れている。透明支持体は、透明性を有し、耐熱性に優れ
たプラスチックフィルムであり、受像層は、金属酸化物
微粒子及びマット剤が結合剤に分散された層であり、電
子写真複写機により転写された像を保持する機能を有す
る。 【0021】図2には、透明支持体21の両方の表面
に、受像層22a及び22bが形成された電子写真用フ
ィルムが示されている。 【0022】上記透明支持体11、21は、透明で、O
HPとして使用された時の輻射熱に耐え得る性質を有す
る材料であれば用いることができる。その材料として
は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類;
ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロース
アセテートブチレート等のセルロースエステル類、さら
にポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミ
ド、ポリカーボネート及びポリアミド等を挙げることが
できる。これらの中で、ポリエチレンテレフタレートが
好ましい。フィルムの厚さは、特に制限はないが、50
〜200μmのものが取り扱い易く好ましい。 【0023】上記受像層は、平均粒径が0.1μm以下
の導電性金属酸化物の微粒子及び扁平状のマット剤がポ
リマーからなる結合剤中に分散された層である。そし
て、その表面電気抵抗は1×109 〜1×1013Ωの範
囲(25℃、65%RHの条件で)の範囲にあることが
必要である。 【0024】上記受像層に使用されるポリマーには特に
制限はない。例えばポリエステル樹脂、ポリエーテル樹
脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アミ
ノ樹脂及びフェノール樹脂を挙げることができる。これ
らの中でポリエステル樹脂が好ましい。本発明で用いら
れるポリマーは、水分散性のものが好ましい。上記ポリ
マーの重量平均分子量は、2000〜30000の範囲
が好ましい。2000未満の場合は、フィルムを重ね置
きした時にブロッキングが発生し易くなると共に、膜の
強度も低下する。一方、30000を超えると定着ロー
ルへのトナーオフセット現象が起こり易くなる。上記ポ
リマーは、60〜120℃の範囲のガラス転移温度を有
することが好ましい。60℃未満の場合には、定着ロー
ルの加熱時の熱により受像層が溶融あるいは軟化して表
面に凹凸のエンボス跡が残り透明性を損ねる傾向にあ
り、120℃を超えるとトナーの密着性が低下する。本
発明では、上記のように水分散性ポリマーの水分散液
を、受像層形成用の塗布液として使用することが好まし
い。ポリマー水分散液とするために好ましいポリマーと
しては、アクリル樹脂、ポリエステル等の水分散性ポリ
マーである。本発明の水分散性ポリマーは、極性基
(例、第四級アンモニウム塩基、スルホン酸基、スルホ
ン酸塩基、カルボン酸基、カルボン酸塩基、リン酸基、
リン酸塩基)を分子中に、0.1〜10重量%の範囲で
有することが好ましく、さらに1〜5重量%の範囲で有
することが好ましい。また、金属酸化物の微粒子の分散
性を考慮すると、ポリマーは上記水分散性ポリエステル
が好ましく、特に分子中にスルホン酸塩基を有するポリ
エステルが好ましい。 【0025】導電性金属酸化物粒子の材料としては、Z
nO、TiO、TiO2 、SnO2、Al23 、In2
3 、SiO、SiO2 、MgO、BaO及びMoO3
を挙げることがきる。これらは、単独で使用しても良
く、これらの複合酸化物を使用しても良い。また、金属
酸化物は、異種元素をさらに含有するものが好ましく、
例えば、ZnOに対してAl、In等、TiOに対して
Nb、Ta等、SnO2 に対しては、Sb、Nb、ハロ
ゲン元素等を含有(ドーピング)させたものが好まし
い。これらの中で、SbをドーピングしたSnO2 が、
経時的にも導電性の変化が少なく安定性が高いので特に
好ましい。 【0026】本発明で用いられる金属酸化物の微粒子
は、その粒子径を、受像層としての上記性能を維持する
点から、また光散乱をできるだけ抑える意味から小さく
することが好ましい。OHP(オーバーヘッドプロジェ
クター)に用いることができる透明な電子写真用フィル
ム、即ち画像を投影して利用できるタイプのフィルム、
においては、散乱効率が20%以下であることが好まし
い。このためには、導電性金属酸化物粒子の平均粒径
は、0.1μm以下であることが必要で、0.05μm
以下が好ましい。金属酸化物微粒子と上記ポリマーとの
混合比は、重量比で1:3〜3:1の範囲が好ましい。
また、上記受像層の層厚は、表面電気抵抗が30〜90
%RHの湿度範囲において1×109 〜1×1013Ωの
範囲となるように、一般に0.01〜1.00μmの範
囲であり、0.05〜0.5μmが好ましい。 【0027】上記潤滑性を有する樹脂のマット剤は、受
像層の滑り性を向上させることができるので、耐摩耗性
及び耐傷性において良好な効果を与える。マット剤材料
である潤滑性を有する樹脂の静摩擦係数は0.4以下が
好ましい。また軟化点が比較的低い(ビカット軟化点が
140℃未満であることが好ましく、特に100〜14
0℃が好ましい)ことも好ましい。 【0028】上記マット剤に使用される潤滑性を有する
樹脂としては、ポリエチレン等のポリオレフィン及びポ
リフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフ
ルオロエチレン(テフロン)等の弗素樹脂を挙げること
ができる。具体的な材料としては、低分子量ポリオレフ
ィン系ワックス(例、ポリエチレン系ワックス)、高密
度ポリエチレン系ワックス、パラフィン系又はマイクロ
クリスタリン系のワックスを挙げることができる。弗素
樹脂の例としてはポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)分散液を挙げることができる。低分子量ポリオレフ
ィン系ワックス(一般に分子量1000〜5000)が
好ましい。 【0029】また、上記樹脂のマット剤の平均粒径は、
0.1〜10μmの範囲が好ましく、特に1〜5μmの
範囲が好ましい。上記平均粒径は、大きい方が好ましい
が、大き過ぎるとマット剤が受像層から脱離して粉落ち
現象が発生し、表面が摩耗損傷し易くなり、さらに曇り
(ヘイズ度)が増大することから、上記範囲が好まし
い。更に、上記マット剤の含有量は、上記ポリマーに対
して0.1〜10重量%が好ましく、更に、0.5〜5
重量%が好ましい。 【0030】上記マット剤は扁平状であることが好まし
い。予め扁平状のマット剤を用いても良いし、軟化温度
の比較的低い(上記好ましい軟化点温度を有することが
好ましい)マット剤を用いて受像層の塗布、乾燥時の加
熱下に扁平状にしても良いし、あるいは加熱下に押圧し
ながら扁平状にしても良い。但し、受像層(ポリマー層
に当たる層)の表面からマット剤が凸状に突き出ている
ことが好ましい。 【0031】マット剤として、上記以外に無機微粒子
(例、SiO2 、Al23 、タルク又はカオリン)及
びビーズ状プラスチックパウダー(材料例、架橋型PM
MA、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート
又はポリスチレン)を併用しても良い。 【0032】上記受像層は、前記のように1×109
1×1013Ωの範囲(25、65%RHの条件にて)の
表面電気抵抗を有することが要求される。1×109 Ω
未満の場合は、電子写真用フィルムの受像層にトナーが
転写される際のトナー量が充分でなく得られるトナー画
像の濃度が低く、一方、1×1013Ωを超える場合は、
電子写真用フィルムの取り扱い中に静電気を帯びて塵埃
が付着し易く、また複写時にミスフィード、重送が発生
し易くなる。さらに、表面電気抵抗が高い場合で低湿度
下に発生し易い画像欠陥(ブラー)を抑えるためには、
表面電気抵抗を1×109 〜1.5×1010Ωの範囲に
設定することが特に好ましい。 【0033】本発明の受像層は、塗布時の濡れ性、耐エ
ンボス性さらには転写性を向上させるため、界面活性剤
を含有していることが好ましい。界面活性剤としては、
種々のものを使用することができるが、非イオン界面活
性剤が好ましく、さらにエチレンオキサイド系非イオン
界面活性剤が好ましい。 【0034】エチレンオキサイド系非イオン界面活性剤
のHLB(Hydrophile Lipophile Balance)としては、1
1〜14の範囲が好ましい。HLBが11未満の場合
は、水に対する溶解性が低くなり効果が小さく、またH
LBが14を超えた場合は、水に対してはじき易くなり
塗膜欠陥が生じ易くなる。エチレンオキサイド系非イオ
ン界面活性剤を用いた受像層は、他のアニオン系あるい
はカチオン系界面活性剤を用いた場合に比較して、トナ
ー画像に対する密着性が向上するとの利点がある。この
ようなエチレンオキサイド系非イオン界面活性剤の具体
例としては、ノニポール70、同85、同95、同10
0及び同110、オクタポール60、同80及び同10
0及びドデカポール90及び同120(以上三洋化成工
業(株)製)、そしてEMALEX/NP8.5(以上
日本エマルジョン(株)製)等のアルキルフェノールに
エチレンオキサイドが付加した非イオン界面活性剤を挙
げることができる。上記非イオン界面活性剤は、受像層
中に、結合剤に対して0.1〜30重量%の範囲で含ま
れることが好ましい。 【0035】受像層は、所望により、さらに着色剤、紫
外線吸収剤、架橋剤、酸化防止剤等公知の材料を、本発
明の電子写真用フィルムの特性を損なわない限り、使用
することができる。 【0036】上記受像層の形成は、例えば、上記金属酸
化物微粒子、マット剤、結合剤及び界面活性剤等を水に
分散又は溶解させ、得られた塗布液を上記透明支持体上
に塗布、加熱乾燥することにより実施することができ
る。塗布は、例えばエアードクターコーター、ブレード
コーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズ
コーター、リバースロールコーター、バーコーター等の
公知の塗布方法で行なうことができる。 【0037】 【実施例】 【0038】[実施例1]二軸延伸により熱固定された
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
にコロナ放電処理し、支持体を作製した。次いで、下記
の組成を有する受像層形成用塗布液を調製した。(以下
の全ての塗布液の配合量を示す重量部の値は、全て固形
分又は不揮発分を表わす) 【0039】 [受像層形成用塗布液] 水分散型ポリエステル樹脂 1.44重量部 (WR−905; ガラス転移点:70℃、 極性基:スルホン酸ナトリウム塩、 日本合成化学工業(株)製) 二酸化スズ 2.28重量部 (SN−88;平均粒径=88nm;石原産業(株)製) エチレンオキサイド系非イオン界面活性剤 0.17重量部 (EMALEX/NP8.5;HLB=12.6、 日本エマルジョン(株)製) 低分子量ポリエチレン系ワックスのマット剤 0.07重量部 (ケミパールW100; 平均粒径: 3μm 軟化点:128℃、三井石油化学(株)製) 架橋型PMMAマット剤 0.04重量部 (MR−2G−20−5;平均粒径: 3μm、 総研化学(株)製) 純水 96.00重量部 【0040】上記受像層形成用塗布液を、上記導電性下
塗層上に、バーコーター#2.4を用いて塗布速度10
5m/分で塗布し、120℃で1分間乾燥した。次いで
もう一方の面も同様に塗布乾燥して受像層形成し、フィ
ルムの両面に受像層を形成した。層厚は0.15μmで
あった。このようにして、ポリエチレンテレフタレート
フィルムの両面に受像層が形成された電子写真用フィル
ムを作成した。 【0041】[実施例2]実施例1において、上記二酸
化スズ(SN−88;平均粒径=88nm;石原産業
(株)製)の代わりに二酸化スズ(SN−38;平均粒
径=38nm;石原産業(株)製)を使用した以外は実
施例1と同様にして電子写真用フィルムを作成した。 【0042】[比較例1]実施例1において、上記二酸
化スズ(SN−88;平均粒径=88nm;石原産業
(株)製)の代わりに硫酸ナトリウム系界面活性剤を用
い、かつエチレンオキサイド系非イオン界面活性剤を用
いない下記の組成の受像層形成用塗布液を使用した以外
は実施例1と同様にして電子写真用フィルムを作成し
た。 【0043】 [受像層形成用塗布液] 水分散型ポリエステル樹脂 1.79重量部 (WR−905; ガラス転移点:70℃、 極性基:スルホン酸ナトリウム塩、 日本合成化学工業(株)製) 硫酸ナトリウム系界面活性剤 0.11重量部 (エマール O;花王(株)製) 低分子量ポリエチレン系ワックスのマット剤 0.07重量部 (ケミパールW100; 平均粒径: 3μm 軟化点:128℃、三井石油化学(株)製) 架橋型PMMAマット剤 0.04重量部 (MR−2G−20−5;平均粒径: 3μm、 総研化学(株)製) 純水 97.99重量部 【0044】[比較例2]比較例1において、硫酸ナト
リウム系界面活性剤の代わりにアニオン性界面活性剤
(デモールN、花王(株)製)を使用した以外は比較例
1と同様にして電子写真用フィルムを作成した。 【0045】[比較例3]実施例1において、上記受像
層形成用塗布液の代わりに下記の組成の受像層形成用塗
布液を使用した以外は実施例1と同様にして電子写真用
フィルムを作成した。 【0046】 [受像層形成用塗布液] 水分散型アクリル樹脂 1.44重量部 (ET−410; ガラス転移点:44℃、 日本純薬(株)製) 二酸化スズ 2.28重量部 (SN−88;平均粒径=88nm;石原産業(株)製) 純水 96.28重量部 【0047】このようにして得られた電子写真用フィル
ムを下記の方法によりその特性を評価した。 【0048】1)ヘイズ(%) ヘイズメーター(HGP−2DP、スガ試験機(株)
製)を用いて測定した。 【0049】2)トナー密着性 電子写真複写機(5017、富士ゼロックス(株)製)
で複写し、得られた複写フィルムについて全面が画像の
部分(黒ベタ部分)をセロテープ剥離試験し、セロテー
プ剥離前後のトナー画像の光学濃度を光学濃度計(X−
Rite310TR、X−Rite社製)にて測定し、
下式によりトナー密着性を評価した。 【0050】3)耐エンボス性 電子写真複写機(5026、富士ゼロックス(株)製)
で画像を複写し、目視でフィルムの凹凸ムラ(凹凸が大
きくなると平滑性の低下をもたらす)有無を観察し、耐
エンボス性を下記のように評価した。 ○: 複写フィルムに凹凸ムラが無かった。 ×: 複写フィルムに凹凸ムラがあり、平滑性が低下し
ていた。 【0051】4)トナー転写性 電子写真複写機(5026、富士ゼロックス(株)製)
で画像を複写し、得られた10枚の複写フィルムについ
て、画像の光学濃度を光学濃度計(X−Rite310
TR、X−Rite社製)にて測定し、その平均値でト
ナー画像の転写性を評価した。尚、上記試験は、28
℃、85%RHの雰囲気で行なった。 【0052】5)フィルム搬送性 電子写真複写機(ビバーチェ120;富士ゼロックス
(株)製)で複写し、複写枚数100枚に対する重送回
数を測定し、測定値から得られる重送率(%)でフィル
ム搬送性を評価した。 【0053】6)表面電気抵抗 (Ω) ASTM D257−78に従って測定した。測定時の
温度及び相対湿度は25℃、65%RH及び20℃、3
0%RHにて測定した。 【0054】7)耐傷性 電子写真複写機(5026、富士ゼロックス(株)製)
で画像を複写し、表面に生じた傷を観察し、下記のよう
に評価した。 ○: 複写フィルムの傷がほとんど目立たなかった。 ×: 複写フィルムの傷が多く、目立った。 【0055】上記測定結果を下記の表1に示す。 【0056】 【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 評価項目 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 比較例3 ──────────────────────────────────── ヘイズ 3.3 2.0 2.5 3.3 8.2 トナー密着性(%) 92 92 35 40 28 耐エンボス性 ○ ○ ○ ○ × トナー転写性 1.20 1.22 0.21 0.15 0.90 フィルム搬送性(%) 0 0 5 6 22表面電気抵抗 (Ω ) 25℃、65%RH 1.1×1010 1.0×1010 2.3×1010 2.2×1010 1.3×1010 20℃、30%RH 1.1×1010 1.1×1010 4.0×1014 3.9×1014 1.4×1010 耐傷性 ○ ○ ○ ○ × ──────────────────────────────────── 【0057】 【発明の効果】本発明の電子写真用フィルムは、透明支
持体上に導電性金属酸化物の微粒子(0.1μm以下の
粒子径)と潤滑性を有する樹脂のマット剤及びポリマー
からなる受像層が形成された構造を有する。即ち、本発
明では、安定した表面電気抵抗を得るため、金属酸化物
の微粒子をポリマーに分散させた導電層を用い、その際
問題となる搬送性、トナー定着性、曇り(ヘイズ)及び
耐傷性を得るために、金属酸化物の微粒子の粒子径を
0.1μm以下とし、さらに潤滑性を有する(搬送性に
優れた)マット剤を併用している。このような組み合わ
せにすることにより、従来考えられなかった受像層中に
金属酸化物の微粒子を含有させることを可能にし、金属
酸化物微粒子を使用することによる利点である高湿度で
も安定して所定の表面電気抵抗を確保しながら、上記欠
点を解消したものである。これにより、受像層一層で、
導電層と受像層の二層構成に相当する特性(安定した表
面電気抵抗と優れた他の諸特性)を有する電子写真用フ
ィルムを得ることが可能となった。従って、本発明の電
子写真用フィルムは、環境変化、特に大きな湿度の変化
があっても表面電気抵抗の変動が少なく、複写時に優れ
た転写性を示して高濃度の画像が得られ、また低湿下で
も加工工程や取り扱い時に摩擦帯電が生じ難く、従って
搬送性においても優れ、更に、耐傷性においても優れた
電子写真用フィルムということができる。特に、受像層
の結合剤として水分散性ポリマーを用いた場合、両方の
層の形成が有機溶剤を用いずに行なうことができ且つ所
望の効果が得られることから、上記フィルムの作成には
作業環境の汚染や大気汚染などの問題の発生することが
ないとの利点も有する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の電子写真用フィルムの基本構成の一例
を示す断面図である。 【図2】本発明の電子写真用フィルムの基本構成の別の
一例を示す断面図である。 【符号の説明】 11、21 透明支持体 12、22a、22b 受像層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 善夫 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 原田 勝巳 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社海老名事業所内 (72)発明者 浅香 一夫 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社海老名事業所内 (56)参考文献 特開 昭54−105549(JP,A) 特開 昭63−266460(JP,A) 特開 平3−279963(JP,A) 特開 昭62−238576(JP,A) 特開 昭62−170970(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 7/00 B G03G 7/00 H

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 透明支持体の少なくとも一方の表面に、
    25℃、65%RHにおける表面電気抵抗が1×109
    〜1×1013Ωの範囲にある受像層が設けられた電子写
    真用フィルムにおいて、該受像層が、平均粒径が0.1
    μm以下のSb、Nbもしくはハロゲン元素をドープし
    導電性金属酸化物の微粒子、潤滑性を有する樹脂のマ
    ット剤及びポリマーからなることを特徴とする電子写真
    用フィルム。
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