JP2012208150A - 静電荷液体現像用受像シート及び静電荷液体現像用受像粘着シート - Google Patents

静電荷液体現像用受像シート及び静電荷液体現像用受像粘着シート Download PDF

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Abstract

【課題】トナー画像との密着性に優れるとともに、比較的低温で受像層を形成することのできる静電荷液体現像用受像シート及び静電荷液体現像用受像粘着シートを提供する。
【解決手段】基材2と、受像層4とを備えた静電荷液体現像用受像シート1であって、受像層4は、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体及びエポキシ系硬化剤を含有する組成物を使用して形成してなる層である。基材2と受像層4との間には、アンカーコート層3が設けられていることが好ましい。アンカーコート層3は、ポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂を含有する組成物を使用して形成してなる層であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電荷液体現像の受像に用いられる静電荷液体現像用受像シート及び静電荷液体現像用受像粘着シートに関するものである。
近年、印刷物について、少量かつ多品種の製造が要求される傾向が顕著になってきている。このような要求に対応するための方法として、費用及び時間を要する製版工程を必要としない、電子写真法が着目されている。中でも、液体トナーを用いた湿式電子写真法である静電荷液体現像法は、粉体トナーを用いた乾式電子写真法と比較して、トナーを構成する粒子の平均粒径が小さいため、グラビア印刷方式やオフセット印刷方式などと同程度の高精細性を達成することができる。
このような静電荷液体現像法では、帯電したドラムにレーザーを照射し、電荷を消散させることにより静電潜像を形成して、この潜像に電荷を有する液体トナーを接触させて、画像を現像する。この画像を静電気によってドラムから中間転写体に飛ばし、中間転写体上で画像を熱溶融して、熱及び圧力によって受像シートに転写することにより、画像を定着させる。
しかしながら、このような静電荷液体現像法においては、トナー画像と受像シートとの密着性が低く、トナー画像が受像シートから剥がれやすい、という問題があった。
そこで、トナー画像と受像シートとの密着性を改善するため、特許文献1においては、ポリエチレンを主成分とする樹脂を基材の表面に塗布して受像層を形成した受像シートが開示されている。また、特許文献2においては、受像層となるエチレン・アクリル酸系樹脂又はポリブタジエン系樹脂からなるプライマー層をプラスチックフィルム上に形成した受像シートが開示されている。さらに、特許文献3においては、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体及びテトラメチルキシリレンジイソシアナートをブロック化したイソシアナート硬化剤(TMXDIブロックイソシアナート架橋剤)を含むエマルション塗工液を、基材表面に塗布し乾燥させてなる受像層を設けた受像シートが開示されている。
特開平9−281738号公報 特開平10−76744号公報 特開2007−133166号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2においては、トナー画像と受像層との密着性は依然として不十分であり、また受像層と基材との密着性も不十分であるという問題があった。
一方、特許文献3においては、TMXDIブロックイソシアナート架橋剤を使用した受像層を形成するには、高温でエマルション塗工液を乾燥させなければならないため、軟化点の低いポリプロピレン等のポリオレフィン系の樹脂フィルムを基材とすると、当該基材が熱変形してしまうという問題があった。
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、トナー画像との密着性に優れるとともに、比較的低温で受像層を形成することのできる静電荷液体現像用受像シート及び静電荷液体現像用受像粘着シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、基材と、受像層とを備えた静電荷液体現像用受像シートであって、前記受像層は、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体及びエポキシ系硬化剤を含有する組成物を使用して形成してなることを特徴とする静電荷液体現像用受像シートを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る静電荷液体現像用受像シートは、受像層がエポキシ系硬化剤によって硬化した(架橋された)エチレン・(メタ)アクリル酸共重体から構成されることにより、トナー画像との密着性に優れる。また、上記静電荷液体現像用受像シートによれば、比較的低温で受像層を形成することができるため、軟化点の低い樹脂フィルムを基材として使用することができる。
上記発明(発明1)において、前記基材は、樹脂フィルムからなることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記基材と前記受像層との間には、アンカーコート層が設けられていることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明3)において、前記アンカーコート層は、ポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂を含有する組成物を使用して形成してなることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明4)において、前記ポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂を含有する組成物は、さらにエポキシ系硬化剤を含有することが好ましい(発明5)。
上記発明(発明2〜5)において、前記樹脂フィルムは、ポリオレフィン系の樹脂フィルムであることが好ましい(発明6)。
上記発明(発明1〜6)において、前記静電荷液体現像用受像シートに適用される液体トナーは、定着樹脂がエチレン・(メタ)アクリル酸系樹脂である液体トナーであることが好ましい(発明7)。
第2に本発明は、前記静電荷液体現像用受像シート(発明1〜7)と、前記静電荷液体現像用受像シートの前記受像層が積層された面の反対面に積層された粘着剤層と、前記粘着剤層に積層された剥離材とを備えたことを特徴とする静電荷液体現像用受像粘着シートを提供する(発明8)。
本発明に係る静電荷液体現像用受像シート及び静電荷液体現像用受像粘着シートは、トナー画像との密着性に優れる。また、本発明に係る静電荷液体現像用受像シート及び静電荷液体現像用受像粘着シートによれば、比較的低温で受像層を形成することができるため、軟化点の低い樹脂フィルムを基材として使用することができる。
本発明の一実施形態に係る静電荷液体現像用受像シートの断面図である。 本発明の一実施形態に係る静電荷液体現像用受像粘着シートの断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔静電荷液体現像用受像シート〕
図1に示すように、本実施形態に係る静電荷液体現像用受像シート1は、基材2と、基材2の片面(図1では上面)に積層されたアンカーコート層3と、アンカーコート層3に積層された受像層4とから構成される。なお、基材2と受像層4との密着性が確保される場合には、アンカーコート層3を省略することもできる。
上記静電荷液体現像用受像シート1を使用して静電荷液体現像を行った場合、図1に示すように、トナーT(トナー画像)は、受像層4の表面に形成される。
受像層4は、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体及びエポキシ系硬化剤を含有する組成物を使用して形成してなるものである。ここで、本明細書における「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を意味する。「エチレン・(メタ)アクリル酸共重体」は、エチレン・アクリル酸共重合体であってもよいし、エチレン・メタクリル酸共重合体であってもよいし、またエチレン・アクリル酸・メタクリル酸共重合体であってもよい。
受像層4がエチレン・(メタ)アクリル酸共重体とともにエポキシ系硬化剤を含有する組成物によって形成されることにより、すなわち、受像層4がエポキシ系硬化剤によって硬化した(架橋された)エチレン・(メタ)アクリル酸共重体から構成されることにより、当該受像層4は、トナーTとの密着性に優れたものとなる。
また、エポキシ系硬化剤は、従来のTMXDIブロックイソシアナート架橋剤と異なり、比較的低温で反応させることが可能である。したがって、本実施形態における受像層4は、比較的低温で形成することができ、それにより、軟化点の低い樹脂フィルム、例えば二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム等のポリオレフィン系の樹脂フィルムを基材2として使用しても、当該基材2の熱変形を防止することができる。
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体としては、水溶液タイプや分散液タイプの種々の市販品や公知のものを用いることができ、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の誘導体、又はそれらのアイオノマーを用いることができ、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマーを用いることが好ましい。エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマーは、トナーTとの密着性に特に優れた効果を発揮する。
上記エチレン・(メタ)アクリル酸共重体における構成成分としての(メタ)アクリル酸含有量は、1〜35質量%であることが好ましく、特に5〜30質量%であることが好ましい。
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体において、アクリル酸及び/又はメタクリル酸から導かれる構成単位以外の部分は、基本的にはエチレンから導かれる構成単位であるが、本実施形態に係る静電荷液体現像用受像シート1の目的を損なわない範囲で、プロピレン等のα−オレフィン、メチル(メタ)アクリル酸エステル、エチル(メタ)アクリル酸エステル、アルキルビニルエステル等から導かれる構成単位が含まれていてもよい。このような他のモノマーから導かれる構成単位は、上記エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体中に、10質量%未満の割合で含まれていてもよい。
水溶液タイプのエチレン・アクリル酸共重合体の市販品としては、例えば、東邦化学工業社製のハイテックS−3121(商品名)、住友精化社製のザイクセンA(商品名)、マイケルマン社製のDP1000(商品名)等が挙げられる。分散液タイプのエチレン・アクリル酸共重合体としては、中央理化工業社製のリカボンドET−8(商品名)等が挙げられる。
また、水溶液タイプのエチレン・メタクリル酸共重合体としては、東邦化学工業社製のハイテックSC−100(商品名)等が挙げられる。分散液タイプのエチレン・メタクリル酸共重合体としては、中央理化工業社製のアクアテックスAC−3100(商品名)等が挙げられる。
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマーとしては、三井化学社製のケミパール(商品名)シリーズ、デュポン社製のサーリン(商品名)シリーズ、三井・デュポン ポリケミカル社製のハイミラン(商品名)シリーズ等が挙げられる。
上記のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を混合して使用することもできる。
受像層4を構成するための組成物は、上記エチレン・(メタ)アクリル酸共重体とともに、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸プロピル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体等のエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体を併用することができる。これらは、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を混合して使用することもできる。
エポキシ系化合物としては、分子中に2個以上のエポキシ基又はグリシジル基を有するものであればよく、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、ソルビトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−611」、「デナコールEX−612」、「デナコールEX−614」、「デナコールEX−614B」、「デナコールEX−622」等)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−512」、「デナコールEX−521」等)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−411」等)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−421」等)、グリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−313」、「デナコールEX−314」等)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−321」等)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−211」等)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−212」等)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−810」、「デナコールEX−811」等)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−850」、「デナコールEX−851」等)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−821」、「デナコールEX−830」、「デナコールEX−832」、「デナコールEX−841」、「デナコールEX−861」等)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−911」等)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−941」、「デナコールEX−920」、「デナコールEX−931」等)、ジグリシジルアニリン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N′−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
上記のエポキシ系硬化剤は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を混合して使用することもできる。
受像層4を構成するための組成物におけるエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体100質量部に対するエポキシ系硬化剤の配合比(固形分比)は、1〜40質量部であることが好ましく、特に2〜25質量部であることが好ましく、さらには5〜15質量部であることが好ましい。エポキシ系硬化剤の配合比が上記の範囲内にあると、受像層4とアンカーコート層3との密着性が十分なものとなる。
受像層4の厚さは、10〜350nmであることが好ましく、特に40〜230nmであることが好ましい。10nm未満の厚さの受像層4は、形成するのが困難なことが多い。一方、受像層4の厚さが350nmを超えると、静電荷液体現像用受像シート1を巻き取った際に、ブロッキングが生じやすい。
基材2は、アンカーコート層3や受像層4が形成され得るシート状の材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、樹脂フィルム、金属フィルム、金属を蒸着させた樹脂フィルム、紙、それらの積層体等が挙げられる。中でも、安価でかつ汎用性が高い点から、基材2として樹脂フィルムが好ましく用いられる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、アクリルウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ABS樹脂、アイオノマー樹脂、各種熱可塑性エラストマーなどの樹脂からなるフィルム、それらの積層フィルム、合成紙等を使用することができる。樹脂フィルムは、延伸フィルムであってもよいし、無延伸フィルムであってもよく、工程材料を用いてキャスティング法等で形成したものを使用してもよい。前述した通り、本実施形態によれば、軟化点の低い樹脂フィルムも基材2として使用することができる。
樹脂フィルムには、アンカーコート層3(アンカーコート層3が省略される場合には受像層4)との密着性の向上のために、それらの層が形成される側の面に対して、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
紙としては、例えば、上質紙、グラシン紙、コート紙、ラミネート紙等を使用することができる。
基材2の厚さは、静電荷液体現像用印刷機での使用を考慮すると、10〜300μmであることが好ましく、特に20〜200μmであることが好ましい。
アンカーコート層3は、受像層4が基材2から脱落するのを防止・抑制することのできるものであれば特に限定されないが、ポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂を含有する組成物を使用して形成してなるものであることが好ましく、特に、ポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂、並びにエポキシ系硬化剤を含有する組成物を使用して形成してなるものであることが好ましい。
上記組成物を使用して形成してなるアンカーコート層3は、前述した基材2、特に樹脂フィルムとの密着性に優れるとともに、受像層4との密着性にも優れる。特に、上記組成物がエポキシ系硬化剤を含有する場合には、アンカーコート層3自体の凝集力が向上するだけでなく、アンカーコート層3と受像層4との密着性も向上する。
また、ポリウレタン樹脂を使用したアンカーコート層3は、特にポリプロピレン等のポリオレフィン系の樹脂フィルムに対する密着性に優れ、ポリエステル樹脂を使用したアンカーコート層3は、特にポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系の樹脂フィルムに対する密着性に優れる。
ポリウレタン樹脂としては、水溶液タイプや分散液タイプの種々の市販品や公知のものを用いることができる。このポリウレタン樹脂としては、1分子中に2個の活性水素基を持つ化合物と、1分子中に2個のイソシアネート基を持つ化合物とを反応させて得られる化合物の水溶液又は水分散液が好ましく用いられる。
1分子中に2個の活性水素基を持つ化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシアルカン、ひまし油、ポリウレタンポリオール等のポリオール化合物が好ましく用いられる。
1分子中に2個のイソシアネート基を持つ化合物としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、トリイソシアネート、ポリイソシアネート等が好ましく用いられる。
分散液タイプのポリウレタン樹脂の市販品としては、例えば、三井化学社製のタケラックws−5000、5100、6010(商品名)、三洋化成社製のユーコートUWS−145、UX−4300(商品名)等が挙げられる。
上記のポリウレタン樹脂は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を混合して使用することもできる。
ポリエステル樹脂としては、水溶液タイプや分散液タイプの種々の市販品や公知のものを用いることができる。このポリエステル樹脂としては、特に制限されないが、ジカルボン酸とグリコール化合物とを共重合して得られる共重合体の水溶液又は水分散液が好ましく用いられる。
ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、スルホテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、セバシン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸が好ましく用いられる。
また、ポリエステル樹脂には、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂を用いることができる。スルホン酸基を有するポリエステル樹脂は、スルホン酸金属化合物を使用することで得られ、スルホン酸金属化合物としては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸等のスルホン酸アルカリ金属塩等が好ましく用いられる。
グリコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシレングリコール、トリエチレングリコール等が好ましく用いられる。
分散液タイプのポリエステル樹脂の市販品としては、例えば、東洋紡績社製のバイロナール MD−1100、1245、(商品名)、ユニチカ社製のエリーテルKZA−1449、1734(商品名)、高松油脂社製ペスレジンA−124G(商品名)、互応化学社製のプラスコートZ−450(商品名)等が挙げられる。
上記のポリエステル樹脂は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を混合して使用することもできる。また、上記ポリウレタン樹脂と上記ポリエステル樹脂とは、混合して使用することができる。
アンカーコート層3の形成に使用されるエポキシ系硬化剤としては、上記受像層4の形成に使用されるエポキシ系硬化剤と同様のものを使用することが好ましい。このとき、アンカーコート層3の形成に使用されるエポキシ系硬化剤と、受像層4の形成に使用されるエポキシ系硬化剤とは、同一の種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
エポキシ系硬化剤を使用したアンカーコート層3は、比較的低温で形成することができ、それにより、軟化点の低い樹脂フィルム、例えば二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム等のポリオレフィン系の樹脂フィルムを基材2として使用しても、当該基材2の熱変形を防止することができる。
アンカーコート層3を構成するための組成物におけるポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂(ポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂を併用する場合には、それらの合計量)100質量部に対するエポキシ系硬化剤の配合比(固形分比)は、1〜90質量部であることが好ましく、特に5〜70質量部であることが好ましく、さらには10〜25質量部であることが好ましい。エポキシ系硬化剤の配合比が上記の範囲内にあると、アンカーコート層3と受像層4との密着性がより優れたものとなる。
アンカーコート層3の厚さは、10〜350nmであることが好ましく、特に20〜230nmであることが好ましく、さらには40〜120nmであることが好ましい。アンカーコート層3が10nm未満の厚さであると、受像層4が基材2から脱落するおそれがある。一方、アンカーコート層3の厚さが350nmを超えると、静電荷液体現像用受像シート1を巻き取った際に、ブロッキングが生じやすい。
以上説明した静電荷液体現像用受像シート1を製造するには、まず、アンカーコート層3を構成する組成物を含有する塗工液を、基材2の片面に塗布し、乾燥させて、アンカーコート層3を形成する。次いで、受像層4を構成する組成物を含有する塗工液を、アンカーコート層3の表面(露出面)に塗布し、乾燥させて、受像層4を形成する。
アンカーコート層3用の塗工液及び受像層4用の塗工液は、塗工性を鑑みて、溶媒を含有することが好ましい。溶媒としては、水及びイソプロピルアルコールの混合溶媒を用いることが好ましい。この混合溶媒を使用すると、塗工面状態が良好で、透明性に優れるアンカーコート層3又は受像層4を形成することができる。溶媒として水だけを使用すると、塗工時にハジキが発生し、良好なアンカーコート層3又は受像層4を形成することが困難となる。一方、溶媒としてイソプロピルアルコールだけを使用すると、塗工液がゲル状態となり、良好なアンカーコート層3又は受像層4を形成することが困難となる。
水とイソプロピルアルコールとの混合割合は、水100質量部に対し、イソプロピルアルコール10〜100質量部、特に45〜85質量部であることが好ましい。水とイソプロピルアルコールとの混合割合が上記の範囲外であると、良好な塗工面状態が得られ難い。
アンカーコート層3用の塗工液及び受像層4用の塗工液における固形分濃度は、0.5〜10重量%であることが好ましく、特に1〜5重量%であることが好ましい。これにより、良好な塗工性が得られる。
アンカーコート層3用の塗工液及び受像層4用の塗工液の塗布は、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、カーテンコーター、マイヤーバーコーター等を用いて行うことができる。これらの中でも、ブレードコーター又はグラビアコーターを用いることが好ましい。塗工液を上記コーターで塗布する場合、塗工液は、各コーターに適する濃度および粘度に適宜希釈して塗布する。
塗工後に上記塗工液を乾燥する方法としては、熱風乾燥機等の通常使用されている方法を適用することができる。使用する基材2(樹脂フィルム)の種類によっても異なるが、アンカーコート層3用の塗工液を乾燥させるときの温度は、50〜120℃であることが好ましく、特に60〜100℃であることが好ましい。また、受像層4用の塗工液を乾燥させるときの温度は、60〜80℃であることが好ましい。本実施形態に係る静電荷液体現像用受像シート1によれば、基材2(樹脂フィルム)の軟化点が低い場合には、それに見合った低い温度で各塗工液を乾燥させることが可能である。
ここで、本実施形態に係る静電荷液体現像用受像シート1に適用することのできる静電荷現像用の液体トナーとしては、トナー粒子を水及び/又は有機溶剤に分散した一般的なものが挙げられる。通常、液体トナーは、トナー粒子を被印刷物に固定するための定着樹脂、トナー粒子を可視化するための着色剤、液体トナーの電気的特性を調整するための電荷調整剤等を含有する。
定着樹脂としては、静電荷現像用液体トナーに使用されている公知の樹脂を用いることができるが、特に熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン・アクリル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリエチレン、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体を使用した受像層4と親和性・密着性に優れたエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体が特に好ましい。
着色剤としては、静電荷現像用液体トナーに使用されている公知の顔料及び/又は染料を用いることができる。この着色剤としては、例えば、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ベンジジンオレンジ、ファーストレッド、ブリリアントカーミン3B、銅フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スピリットブラック、オイルブルー、ローダミン6B、ニグロシン、カーボンブラック、ジクロロキナクドリン、イソインドリン、酸化チタン等が挙げられる。
電荷調整剤としては、例えば、ナフテン酸、オクテン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸の金属塩、スルホコハク酸エステルの金属塩、ポリオキシエチル化アルキルアミンのような非イオン性界面活性剤、レシチン、アマニ油等の油脂類、ポリビニルピロリドン、多価アルコールの有機酸エステルなどの公知の電荷調整剤を使用することができる。
上記の液体トナーの中でも、受像層4との密着性の点から、定着樹脂がエチレン・(メタ)アクリル酸系樹脂である液体トナーを用いることが好ましい。
以上の本実施形態の静電荷液体現像用受像シート1によれば、受像層4はトナーTとの密着性に優れ、また、受像層4及びアンカーコート層3、アンカーコート層3及び基材2もそれぞれ密着性に優れるため、静電荷液体現像用受像シート1の受像層4に印刷したトナー画像は、当該静電荷液体現像用受像シート1から剥離・脱落し難い。また、基材2として、軟化点の低い樹脂フィルムを使用することができるため、基材2の選択肢が広いという利点もある。
〔静電荷液体現像用受像粘着シート〕
図2に示すように、本実施形態に係る静電荷液体現像用受像粘着シート10は、前述した静電荷液体現像用受像シート1と、静電荷液体現像用受像シート1の受像層4が積層された面の反対面(図2では下面)に積層された粘着剤層5と、その粘着剤層5に積層された剥離材6とから構成される。この静電荷液体現像用受像粘着シート10は、テープ状、シート状、所望の幾何学形状等、あらゆる形状をとりうる。
粘着剤層5を構成する粘着剤の種類としては、静電荷液体現像用受像粘着シート10を所望の被着体に貼付することができるものであれば特に限定されるものではなく、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系、シリコーン系等のいずれであってもよい。また、粘着剤はエマルション型、溶剤型又は無溶剤型のいずれでもよく、架橋タイプ又は非架橋タイプのいずれであってもよい。
粘着剤層5の厚さは、通常は1〜300μm、好ましくは5〜100μm程度であるが、静電荷液体現像用受像粘着シート10の用途に応じて適宜変更することができる。
剥離材6の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂からなるフィルム又はそれらの発泡フィルムや、グラシン紙、コート紙、ラミネート紙等の紙に、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル基含有カルバメート等の剥離剤で剥離処理したものを使用することができる。
剥離材6の厚さは、通常10〜250μm程度であり、好ましくは20〜200μm程度である。また、剥離材6における剥離剤の厚さは、通常0.05〜5μmであり、好ましくは0.1〜3μmである。
本実施形態に係る静電荷液体現像用受像粘着シート10を製造するには、まず、剥離材6の剥離処理面に、粘着剤層5を形成する。粘着剤層5を形成するには、粘着剤層5を構成する粘着剤と、所望によりさらに溶媒とを含有する塗布剤を調製し、エアーナイフコーター、ブレードコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、カーテンコーター、マイヤーバーコーター等の塗工機によって剥離材6の剥離処理面に塗布して乾燥させればよい。そして、形成された粘着剤層5の表面に電荷液体現像用受像シート1を圧着する。
以上の本実施形態の静電荷液体現像用受像粘着シート10においても、当該静電荷液体現像用受像粘着シート10に印刷したトナー画像は、当該静電荷液体現像用受像粘着シート10に対する密着性が高く、剥離・脱落し難い。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、電荷液体現像用受像シート1又は電荷液体現像用受像粘着シート10におけるアンカーコート層3は省略されてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
水分散タイプのポリウレタン樹脂(三井化学社製,タケラックws−5100,固形分30質量%)100質量部に対して、エポキシ系硬化剤(ナガセケムテックス社製,EX−313,固形分100質量%)を5質量部添加し、さらに、水/イソプロピルアルコールが60質量部/40質量部の割合からなる混合溶剤を添加して希釈し、固形分1.5質量%のアンカーコート層用の塗工液を得た。
この塗工液を、基材としてのコロナ処理を施したポリプロピレンフィルム(王子製紙社製,アルファンSY202,厚さ60μm)のコロナ処理面に、グラビアコーターを用いて塗布し、70℃で乾燥させて、厚さ80nmのアンカーコート層を形成した。このアンカーコート層は、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
また、水分散タイプのエチレン・アクリル酸共重合体(三井化学社製,ケミパールS75N,固形分24質量%,エチレン・アクリル酸共重合体アイオノマー)100質量部に対して、エポキシ系硬化剤(ナガセケムテックス社製,EX−313,固形分100質量%)を0.5質量部添加し、さらに、水/イソプロピルアルコールが60質量部/40質量部の割合からなる混合溶剤を添加して希釈し、固形分1.5質量%の受像層用の塗工液を得た。
この塗工液を、アンカーコート層を形成した基材の当該アンカーコート層上に、グラビアコーターを用いて塗布し、70℃で乾燥させて、厚さ80nmの受像層を形成することによって、静電荷液体現像用受像シートを製造した。この静電荷液体現像用受像シートは、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
〔実施例2〕
実施例1において、エチレン・アクリル酸共重合体100質量部に対するエポキシ系硬化剤の添加量を1質量部に変更して受像層を形成する以外は、実施例1と同様にして静電荷液体現像用受像シートを製造した。この静電荷液体現像用受像シートは、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
〔実施例3〕
実施例1において、エチレン・アクリル酸共重合体100質量部に対するエポキシ系硬化剤の添加量を1.5質量部に変更して受像層を形成する以外は、実施例1と同様にして静電荷液体現像用受像シートを製造した。この静電荷液体現像用受像シートは、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
〔実施例4〕
実施例1において、エチレン・アクリル酸共重合体100質量部に対するエポキシ系硬化剤の添加量を3質量部に変更して受像層を形成する以外は、実施例1と同様にして静電荷液体現像用受像シートを製造した。この静電荷液体現像用受像シートは、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
〔実施例5〕
実施例4において、ポリウレタン樹脂100質量部に対するエポキシ系硬化剤の添加量を10質量部に変更してアンカーコート層を形成する以外は、実施例4と同様にして静電荷液体現像用受像シートを製造した。この静電荷液体現像用受像シートは、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
〔実施例6〕
実施例3において、ポリウレタン樹脂100質量部に対するエポキシ系硬化剤の添加量を20質量部に変更してアンカーコート層を形成する以外は、実施例3と同様にして静電荷液体現像用受像シートを製造した。この静電荷液体現像用受像シートは、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
〔実施例7〕
実施例4において、ポリウレタン樹脂100質量部に対するエポキシ系硬化剤の添加量を20質量部に変更してアンカーコート層を形成する以外は、実施例4と同様にして静電荷液体現像用受像シートを製造した。この静電荷液体現像用受像シートは、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
〔実施例8〕
水分散タイプのポリウレタン樹脂(三井化学社製,タケラックws−5100,固形分30質量%)100質量部に対して、エポキシ系硬化剤(ナガセケムテックス社製,EX−313,固形分100質量%)を20質量部添加し、さらに、水/イソプロピルアルコールが60質量部/40質量部の割合からなる混合溶剤を添加して希釈し、固形分1.5質量%の塗工液を得た。
この塗工液を、基材としてのコロナ処理を施したポリプロピレンフィルム(王子製紙社製,アルファンSY202,厚さ60μm)のコロナ処理面に、グラビアコーターを用いて塗布し、70℃で乾燥させて、厚さ80nmのアンカーコート層を形成した。このアンカーコート層は、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
また、水分散タイプのエチレン・アクリル酸共重合体(三井化学社製,ケミパールS75N,固形分24質量%)100質量部に対して、エポキシ系硬化剤(ナガセケムテックス社製,EX−313,固形分100質量%)を5質量部添加し、さらに、水/イソプロピルアルコールが60質量部/40質量部の割合からなる混合溶剤を添加して希釈し、固形分1.5質量%の塗工液を得た。
この塗工液を、アンカーコート層を形成した基材の当該アンカーコート層上に、グラビアコーターを用いて塗布し、70℃で乾燥させて、厚さ230nmの受像層を形成することによって、静電荷液体現像用受像シートを製造した。この静電荷液体現像用受像シートは、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
〔実施例9〕
水分散タイプのポリエステル樹脂(東洋紡績社製,バイナールMD−1100,固形分30質量%)100質量部に対して、水/イソプロピルアルコールが20質量部/30質量部の割合からなる混合溶剤を添加して希釈し、固形分2.0質量%の塗工液を得た。
この塗工液を、基材としてのコロナ処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製,ルミナーT60)のコロナ処理面に、グラビアコーターを用いて塗布し、70℃で乾燥させて、厚さ80nmのアンカーコート層を形成した。このアンカーコート層は、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
また、水分散タイプのエチレン・アクリル酸共重合体(三井化学社製,ケミパールS75N,固形分24質量%)100質量部に対して、エポキシ系硬化剤(ナガセケムテックス社製,EX−313,固形分100質量%)を3質量部添加し、さらに、水/イソプロピルアルコールが60質量部/40質量部の割合からなる混合溶剤を添加して希釈し、固形分1.5質量%の塗工液を調整した。
この塗工液を、アンカーコート層を形成した基材の当該アンカーコート層上に、グラビアコーターを用いて塗布し、70℃で乾燥させて、厚さ80nmの受像層を形成することによって、静電荷液体現像用受像シートを製造した。この静電荷液体現像用受像シートは、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
〔実施例10〕
グラシン紙の表面にシリコーンを塗布した剥離材(リンテック社製,SP−8Kアオ,厚さ90μm)の剥離層の表面に、アクリル系粘着剤(東洋インキ製造社製,オリバインBPS−1109)100重量部に架橋剤(日本ポリウレタン工業社製,コロネートL)3重量部を添加した粘着剤を、乾燥後の厚さが30μmとなるようにロールコーターを用いて塗布し、90℃で1分間乾燥させて粘着剤層を形成した。この剥離材上の粘着剤層を、実施例1で得た静電荷液体現像用受像シートの受像層を設けた面の反対面に積層して、静電荷液体現像用受像粘着シートを製造した。
〔比較例1〕
実施例1において、エチレン・アクリル酸共重合体100質量部に対するエポキシ系硬化剤の添加量を0質量部に変更して受像層を形成する以外は、実施例1と同様にして静電荷液体現像用受像シートを製造した。この静電荷液体現像用受像シートは、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
〔比較例2〕
実施例8において、エチレン・アクリル酸共重合体100質量部に対するエポキシ系硬化剤の添加量を0質量部に変更して受像層を形成する以外は、実施例8と同様にして静電荷液体現像用受像シートを製造した。この静電荷液体現像用受像シートは、表面状態が平滑であり、乾燥後の透明性が優れていた。
〔試験例1〕(トナー画像密着性評価)
定着樹脂がエチレン・(メタ)アクリル酸系樹脂である液体トナー(ヒューレットパッカード社製,Electroinnk)を使用したデジタル印刷機(ヒューレットパッカード社製,hp−indigo−press−ws−4500)によって、実施例及び比較例で得られた静電荷液体現像用受像シートまたは静電荷液体現像用受像粘着シートの受像層表面に対し、色濃度100%のベタ印刷を施した。
上記の印刷面にセロハンテープ(ニチバン社製)を20Nの荷重で貼付した後、当該セロハンテープを手作業で剥離し、トナー画像の剥がれ具合(静電荷液体現像用受像シートまたは静電荷液体現像用受像粘着シートに対するトナー画像の密着性)を、目視により下記の5段階により評価した。結果を表1に示す。
5:トナー画像が静電荷液体現像用受像シートから剥がれなかった。
4:トナー画像の剥離面積が全印刷面積に対して0%超、5%以下であった。
3:トナー画像の剥離面積が全印刷面積に対して5%超、10%以下であった。
2:トナー画像の剥離面積が全印刷面積に対して10%超、15%以下であった。
1:トナー画像の剥離面積が全印刷面積に対して15%以上であった。
Figure 2012208150
表1から明らかなように、実施例で製造した静電荷液体現像用受像シートおよび静電荷液体現像用受像粘着シートは、トナー画像の密着性に優れるものであった。
本発明に係る静電荷液体現像用受像シート及び静電荷液体現像用受像粘着シートは、静電荷液体現像法においてトナー画像との密着性に優れたシート又は粘着シートとして有用である。
1…静電荷液体現像用受像シート
2…基材
3…アンカーコート層
4…受像層
5…粘着剤層
6…剥離材
10…静電荷液体現像用受像粘着シート
T…トナー

Claims (8)

  1. 基材と、受像層とを備えた静電荷液体現像用受像シートであって、
    前記受像層は、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体及びエポキシ系硬化剤を含有する組成物を使用して形成してなる
    ことを特徴とする静電荷液体現像用受像シート。
  2. 前記基材は、樹脂フィルムからなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷液体現像用受像シート。
  3. 前記基材と前記受像層との間には、アンカーコート層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷液体現像用受像シート。
  4. 前記アンカーコート層は、ポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂を含有する組成物を使用して形成してなることを特徴とする請求項3に記載の静電荷液体現像用受像シート。
  5. 前記ポリウレタン樹脂及び/又はポリエステル樹脂を含有する組成物は、さらにエポキシ系硬化剤を含有することを特徴とする請求項4に記載の静電荷液体現像用受像シート。
  6. 前記樹脂フィルムは、ポリオレフィン系の樹脂フィルムであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の静電荷液体現像用受像シート。
  7. 前記静電荷液体現像用受像シートに適用される液体トナーは、定着樹脂がエチレン・(メタ)アクリル酸系樹脂である液体トナーであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電荷液体現像用受像シート。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の静電荷液体現像用受像シートと、
    前記静電荷液体現像用受像シートの前記受像層が積層された面の反対面に積層された粘着剤層と、
    前記粘着剤層に積層された剥離材と
    を備えたことを特徴とする静電荷液体現像用受像粘着シート。
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