JP6040681B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写受像シートに関する。
従来より、基材上に染料層が設けられた熱転写シートと、基材上に受容層が設けられた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせて、熱転写受像シート上に画像を形成する熱転写方式が知られている。
熱転写方式によって画像が形成された熱転写受像シートは、プリンタから連続して排出されプリンタの受像トレイ上に順次積み重ねられていく。受像トレイ上に排出された熱転写受像シートは、通常、先に排出された熱転写受像シートの上に正確に積み重ねられるものではなく、ある程度ランダムに積み重ねられていく。したがって、所望の枚数分、熱転写受像シートの受容層上に熱転写方式により画像を形成した後には、画像形成済みの熱転写受像シートの束を受像トレイから取出し、積み重ねられた熱転写受像シートをきれいに揃え直すことが必要である。
ところで、熱転写受像シートは電気絶縁体であり帯電しやすい性質を有する。したがって、帯電防止対策がなんらとられていない熱転写受像シートでは、プリンタから排出された熱転写受像シート同士が貼りつきを起こし、連続印画された画像形成済みの熱転写受像シートの束をきれいに揃えられない、換言すれば、画像形成済みの熱転写受像シートの束をさばけないといった問題が生じうる。つまり、帯電防止対策が施されていない熱転写受像シートではさばき性が悪いといった問題があった。
このような状況下、さばき性に着目したものではないが、例えば、特許文献1には熱転写受像シートの受容層に、帯電防止剤として高導電性粉体を含有せしめたものが提案されている。このような導電性微粒子タイプの帯電防止剤以外にも、界面活性剤タイプのものや、導電性ポリマーのもの等が帯電防止剤として広く知られている。したがって、これらの帯電防止剤を、熱転写受像シートを構成するいずれかの層に含有せしめることにより、さばき性を向上させることができるものと推察される。
しかしながら導電性ポリマータイプ、界面活性剤タイプ、特許文献1に提案がされている導電性微粒子タイプ等の帯電防止剤は、少量の添加で帯電防止性能を発現、すなわちさばき性を十分に向上させることが難しく、さばき性を十分に満足させるためには、これらの帯電防止剤を熱転写受像シートの受容層、裏面層、或いは中間層等の任意の多量に添加する必要があり、大量添加の弊害として各層に要求される機能が低下してしまう問題がある。また、導電性微粒子タイプの帯電防止剤を添加した場合には熱転写受像シートの平滑性が失われ、熱転写受像シートを用いて形成される印画物の光沢度低下を引き起こす、或いは印画物にざらつきを生じさせる原因となってしまう。また、導電性ポリマータイプの帯電防止剤は非常に高価であり、コストの面で好ましい材料とはいえない。
特開平6−155949号公報
本発明はこのような状況においてなされたものであり、熱転写受像シートの各層に要求される機能を妨げることなく、優れたさばき性を発揮することができる熱転写受像シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明の熱転写受像シートは、基材の一方の面に第1の受容層を含む1つ又は2つ以上の層が設けられ、前記基材の他方の面に、第2の受容層を含む1つ、又は2つ以上の層が設けられ、前記基材の一方の面側に設けられる第1の受容層は、前記基材の一方の面側の最表面に位置し、前記基材の他方の面側に設けられる前記第2の受容層は、前記基材の他方の面側の最表面に位置し、前記第1の受容層、及び前記第2の受容層は、ともに融点が5℃以下のイオン液体を含有している。
また、上記課題を解決するための本発明の熱転写受像シートは、基材の一方の面に第1の受容層を含む1つ又は2つ以上の層が設けられ、前記基材の他方の面に、裏面層を含む1つ、又は2つ以上の層が設けられ、前記基材の一方の面側に設けられる第1の受容層は、前記基材の一方の面側の最表面に位置し、前記基材の他方の面側に設けられる前記裏面層は、前記基材の他方の面側の最表面に位置し、前記第1の受容層、及び前記裏面層は、ともに融点が5℃以下のイオン液体を含有している。
また、上記の熱転写受像シートにおいて、前記融点が5℃以下のイオン液体を含有している層は、当該層の固形分総量に対し、前記融点が5℃以下のイオン液体を0.25質量%以上12質量%以下の割合で含有していてもよい。
また、一実施形態の熱転写受像シートは、基材の一方の面に第1の受容層を含む1つ又は2つ以上の層が設けられた熱転写受像シートであって、前記熱転写受像シートを構成する少なくとも1つの層が、イオン液体を含有している。
また、一実施形態の熱転写受像シートは、前記第1の受容層がイオン液体を含有していてもよい。
また、一実施形態の熱転写受像シートは、前記基材の他方の面に、第2の受容層又は裏面層を含む1つまたは2つ以上の層が設けられ、(A)前記基材の他方の面に、前記裏面層を含む1つ又は2つ以上の層が設けられる場合には、前記第1の受容層及び前記裏面層の何れか一方の層又は双方の層が、イオン液体を含有しており、(B)前記基材の他方の面に、前記第2の受容層を含む1つ又は2つ以上の層が設けられる場合には、前記第1の受容層及び前記第2の受容層の何れか一方の層又は双方の層が、イオン液体を含有していてもよい。
また、一実施形態の熱転写受像シートは、前記イオン液体を含有している層、当該層の固形分総量に対し、前記イオン液体を0.25質量%以上12質量%以下の割合で含有していてもよい。
本発明の熱転写受像シートによれば、熱転写受像シートの各層に要求される機能を妨げることなく、優れたさばき性を発揮することができる。また、本発明の熱転写受像シートの一態様によれば、優れたさばき性を発揮することができるほか、初期JAMの発生を防止することができる。
本発明の熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写受像シートの一例を示す概略断面図である。
以下に、本発明の熱転写受像シートについて詳細に説明する。図1〜図5示すように本発明の熱転写受像シート100は、基材の一方の面に、第1の受容層2Aを含む1つ又は2つ以上の層が設けられた構成をとる。そして、本発明の熱転写受像シート100は、熱転写受像シートを構成する少なくとも1つの層がイオン液体を含有している点に特徴を有する。なお、図1に示す構成の熱転写受像シートは、基材1の一方の面に、第1の受容層2Aが設けられた熱転写受像シート100の一例を示す概略断面図である。また、図2〜図4に示す熱転写受像シート100は、基材の一方の面に第1の受容層2Aが設けられ、基材の他方の面に裏面層5が設けられた熱転写受像シート100の一例を示す概略断面図であり、図5は、基材1の一方の面に第1の受容層2Aが設けられ、基材1の他方の面に第2の受容層2Bが設けられた熱転写受像シート100の一例を示す概略断面図である。
上記特徴を有する本発明の熱転写受像シート100(以下、単に本発明という場合がある。)によれば、熱転写受像シート100に帯電防止性能を付与することができ、優れたさばき性を発揮することができる。また、イオン液体は、少量の添加で優れたさばき性を発揮し得ることから、イオン液体が含有される層に要求される機能を妨げることもない。
以下、本発明の熱転写受像シートについて、当該熱転写受像シートが、基材1の一方の面に第1の受容層2Aが設けられ、基材1の他方の面に裏面層5が設けられた熱転写受像シートである場合と、基材1の一方の面に第1の受容層2Aが設けられ、基材1の双方の面に第2の受容層2Bが設けられた熱転写受像シートである場合とにわけて説明する。以下、第1の受容層2Aがイオン液体を含有している例を中心に説明を行うが、本発明は、この実施形態に何ら限定されることはなく、第1の受容層2A以外の層、例えば、図2〜図5に示される裏面層5や、図5に示される第2の受容層2B、若しくは、図3、図4に示される任意の構成である接着層11、ミクロボイドを有する層12、プライマー層13、或いはこれ以外の任意の層、例えば、断熱層と称される層や、バリア層と称される層等がイオン液体を含有していてもよい。これらの層がイオン液体を含有している場合であっても、熱転写受像シートに優れたさばき性を付与することができる。第1の受容層2A以外の層にイオン液体が含有されている実施形態の熱転写受像シートについては後述する。
<<第1実施形態の熱転写受像シート>>
第1実施形態の熱転写受像シート100は、図1〜図4に示すように、基材1の一方の面に第1の受容層2Aを含む1つ又は2つ以上の層が設けられた構成をとる。なお、図2〜図4で示す形態の熱転写受像シートは、図1に示される形態において、さらに基材1の他方の面に裏面層5を含む1つ又は2つ以上の層が設けられた構成をとる。
第1実施形態の熱転写受像シートは、第1の受容層2Aがイオン液体を含有している点を特徴とする。具体的には、基材1の一方の面側の最表面に位置する第1の受容層2Aがイオン液体を含有している点を特徴とする。第1実施形態の熱転写受像シート100は、第1の受容層2Aがイオン液体を含有しているとの条件を満たせばよく、基材1の他方の面上に裏面層5が設けられていなくともよい。以下、熱転写受像シートの各構成とともに、第1実施形態の熱転写受像シート100について説明する。
(基材)
基材1は、本発明の熱転写受像シート100における必須の構成であり、第1の受容層2A、及び任意の構成である裏面層5や、後述する第2の受容層2Bを保持するために設けられる。基材1について特に限定はなく、例えば、上質紙、コート紙、レジンコート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルム等を使用することができる。
基材1の厚みについて特に限定はなく、通常10μm〜300μm程度であり、好ましくは110μm〜140μmの厚さである。また、本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、RC紙ペーパー(三菱製紙(株)製、商品名:STF−150)、コート紙(日本製紙(株)製、商品名:オーロラコート)等を好適に使用可能である。
(第1の受容層)
図1〜図4に示すように、基材1上には、直接的又は間接的に第1の受容層2Aが設けられている。以下、第1の受容層2Aを単に受容層2Aとして説明する場合がある。受容層2Aは本発明で用いられる熱転写受像シート100における必須の構成である。本実施形態では、受容層2Aが、バインダー樹脂と、イオン液体とを含有している。受容層2Aは、基材1の一方の面に設けられる1つ又は2つ以上の層のうち、基材1から最も遠い位置に配置される層である。なお、図3、図4に示す構成の熱転写受像シート100は、基材1と受容層2Aとの間に、接着層11、ミクロボイドを有する層12、プライマー層13が基材1からこの順で設けられているが、接着層11、ミクロボイドを有する層12、プライマー層13は本発明の熱転写受像シート100における任意の構成である。
イオン液体は、従来公知の帯電防止剤と比較して少量の添加量で帯電防止効果を発現させることができる性質を有する。したがって、受容層2Aにイオン液体が含有されている本実施形態によれば、受容層2Aに要求される機能を妨げることなく、熱転写受像シート100に優れたさばき性を付与することができる。このことは、受容層以外の層にイオン液体が含有されている以下で説明する実施形態の熱転写受像シートについても同様である。なお、本実施形態では、熱転写受像シート100の最表面に配置される受容層2Aにイオン液体が含有されていることから、基材1と受容層2Aとの間に設けられる任意の層にイオン液体を含有させた場合と比較して、少量の含有量で、優れたさばき性が付与される。
なお、従来公知の帯電防止剤、例えば、導電性微粒子を受容層に含有させた場合には、受容層の表面から導電性微粒子が突出し、当該受容層を備える熱転写受像シートを用いて形成される画像にざらつきが発生する問題が生じうる。また、導電性微粒子タイプ、界面活性剤タイプ、導電性ポリマータイプの帯電防止剤を用いて受容層に帯電防止効果を発現させるためには大量の添加が必要となる。換言すれば、イオン液体と同等の含有量では帯電防止効果を発現させることができない。したがって、大量添加の弊害として受容層に要求される機能、例えば、染料受容性や、光沢性が低下することとなる。なお、このことは、例えば、裏面層に従来公知の帯電防止剤を含有させた場合についても同様のことがいえる。
また、イオン液体は、イオン同士が静電的な相互作用力によって、互いに束縛されているため、液体であっても蒸気圧がほとんどない。したがって、イオン液体が大気中で飛散することがなく、環境面にも優れるといえる。
さらに、本実施形態では、優れたさばき性とともに、熱転写受像シートにイニシャルJAMの発生防止効果が付与される。イニシャルJAMとは、プリンタの初期動作時に、染料層と受容層との間における摩擦帯電によりプリンタ内で染料層と受容層とが貼りつきを起こし、熱転写シートがプリンタ内に巻き込まれるトラブルのことをいう。具体的には、熱転写シートと熱転写受像シートをセットすると、プリンタ初期動作時に熱転写受像シートの外側をカットする動作が行われる。カット時に染料層と受容層とはこすれ染料層と受容層との間に摩擦帯電が発生し、この摩擦帯電がイニシャルJAM発生の原因となる。
本実施形態では、上記熱転写受像シートをカットする動作が行われる際に、熱転写シートの染料層とこすれあう受容層2Aに帯電防止性が付与されており、受容層2Aに優れた帯電防止性能が付与されている。したがって、上記熱転写受像シートをカットする動作が行われる際に、染料層と受容層2Aがこすれた場合であっても、受容層2Aに電荷はたまらず染料層と受容層2Aとの貼りつきが防止される。またイニシャルJAMの防止効果以外にも、染料層と受容層とが貼りつくことによる搬送不良や、熱転写受像シートの排紙不良等の発生防止効果も発揮される。以下、イオン液体について具体的に説明する。
<イオン液体>
イオン液体とは、一般に、カチオンとアニオンとからなり、融点が100℃以下、すなわち100℃以下で液体状態となるものをさす。
イオン液体を構成するカチオンとしては、たとえば、トリエチルペンチルアンモニウム、シクロヘキシルトリメチルアンモニウム、メチルトリ−n-オクチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラブチルホスホニウム、トリブチルヘキサデシルホスホニウム、トリブチル(2−メトキシエチル)ホスホニウム、トリブチルメチルアンモニウム、トリブチルメチルホスホニウム、トリエチルスルホニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、1−ブチル−1−メチルピペリジニウム、ヒドロキシエチルピペラジン、2−メチルピペラジン、N−エチルモルホリン、N.N.ジメチルエタノールアミン、N.N.ジメチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウ、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−n−オクチルイミダゾリウム、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−ブチル−4−メチルピリジニウム、1−ブチル−3−メチルピリジニウム、1−ブチルピリジニウム、1−エチル−3−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム、1−エチル−3−メチルピリジニウム、1−エチルピリジニウム、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムなどを挙げることができる。
なお、カチオンは、イオン液体を構成することができるものであれば、いかなる限定もされることはなく、上記で例示したカチオン以外を使用することもできる。
イオン液体を構成するアニオンについても上記カチオン同様に、イオン液体を構成することができるものであればいかなる限定もされることはなく、以下で例示するアニオン以外を使用することもできる。
イオン液体を構成するアニオンとしては、例えば、AlCl4−、Al2Cl7−、BF4−、PF6−、F(HF)n−、CF3COO−、CH3CH2OSO3−CF3SO3−(TfO)、(CF3SO22N−(TFSI)、(CF3SO23C−(TFSM)、HN(Tf)2、NO3−、(NC)2N−、CH3COO−、Br−、Cl−、I−、(CH3O)2OPO−、また直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ジアルキルサクシネートスルホン酸、α-スルホ脂肪酸メチルエステル、α-オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸等のスルホン酸型(スルホネート型)アニオン、高級脂肪酸等の脂肪酸型のアニオン、アルキル硫酸エステル、グリコールエーテル硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸エステル等の硫酸エステル型(サルフェート型)アニオン、(モノ)アルキルリン酸エステル等のリン酸エステル型(フォスフェート型)アニオン等を挙げることができる。
イオン液体の例としては、N−エチルエタノールアミンとアルキルベンゼンスルホン酸とを含むイオン液体や、N−エチルエタノールアミンとグリコールエーテル硫酸エステル、N−エチルエタノールアミンとジアルキルサクシネートスルホン酸を含むイオン液体等を挙げることができる。カチオンとアニオンとからなるイオン液体は、単独のものを使用してもよく、2種以上を混合して使用することもできる。また、イオン液体には、2種以上のカチオン及び/又は2種以上のアニオンが含まれていてもよい。
受容層2A中におけるイオン液体の含有量について特に限定はないが、受容層2Aの全構成成分の固形分総量に対し、イオン液体は0.25質量%以上12質量%以下の範囲で含有されていることが好ましく、0.4質量%以上10質量%以下の範囲で含有されていることが特に好ましい。イオン液体の含有量が0.25質量%未満である場合には帯電防止性能が低下し、さばき性が低下する傾向にある。一方、12質量%を超えると、受容層の塗膜構成比のバランスが崩れ、塗工適性が低下する傾向にある。また、本実施形態の熱転写受像シートを用いて形成される画像に僅かなざらつきが生じる場合がある。
受容層2Aにイオン液体が含有される場合には、当該イオン液体の融点は5℃以下であることが好ましい。通常、受容層に画像形成を行うために用いられるプリンタの動作保証温度は、5℃〜40℃の間で設定されていることが多い。したがって、融点が5℃以下のイオン液体を受容層2Aに含有させた場合には、上記動作保証温度の範囲内において、イオン液体を、液体の状態で存在、換言すれば、良好な帯電防止性能を発揮できる状態で存在させることができる。これにより、熱転写受像シートに、上記動作保証温度の範囲内で良好な帯電防性能を付与することができ、上記で説明したイニシャルJAMの発生防止効果をより高めることができる。なお、イオン液体の融点は、JIS K 0064に準拠した方法で測定される融点を意味する。
<バインダー樹脂>
受容層2Aに含有されるバインダー樹脂についてはいかなる限定もされることはなく、熱転写受像シートの受容層のバインダー樹脂として従来公知のものを適宜選択して用いることができ、溶剤系のものであっても、水系のものであってもよい。
溶剤系のバインダー樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート、アクリル系樹脂等を挙げることができる。
水系のバインダー樹脂としては、水系溶媒に溶解或いは分散可能な樹脂、例えば水溶性樹脂、水溶性高分子、若しくは水系樹脂等を挙げることができる。水溶性樹脂、水溶性高分子としてはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロエチルセルロース、カルボキシメチルセルロス、フェノール樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸などの水溶性のアクリル樹脂、ゼラチン、澱粉、カゼインおよびそれらの変性物などを挙げることができる。水系樹脂とは塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル樹脂エマルジョンなどの塩ビ系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョン、塩ビ系樹脂ディスパージョン、アクリル系樹脂ディスパージョン、ウレタン系樹脂ディスパージョンなど溶媒の一部が水で構成されているものを挙げることができる。なお、上記水系樹脂は、例えば、溶剤系樹脂を含む溶液をホモジナイザーによって分散し調製することで形成することができる。
バインダー樹脂の含有量について特に限定はないが、受容層2Aの固形分総量に対し、固形分で50質量%以上であることが好ましい。以下で説明する裏面層、或いは任意の層についても同様である。
<離型剤>
受容層2Aには離型剤が含有されていてもよい。受容層2Aに離型剤を含有させることで、画像形成時における離型性を向上させることができる。なお、離型剤は受容層2Aにおける任意の成分である。任意の成分である離型剤としては、例えば、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、アミドワックス、弗素系やリン酸エステル系の界面活性剤等を挙げることができる。シリコーンオイルとして各種の変性シリコーンを用いることもできる。
また、受容層2Aには、増粘材等の他の任意の成分や、本発明の趣旨を妨げない範囲で、イオン液体以外の帯電防止剤が含有されていてもよい。
(接着層)
図3、図4に示すように基材1と受容層2Aとの間にミクロボイドを有する層12や、他の任意の層を設ける場合には、基材1とこれらの層との間に接着層11が設けられていることが好ましい。なお、接着層11は、本発明の熱転写受像シート100における任意の構成である。任意の構成である接着層11は接着剤を含んでおり接着機能を有する層である。接着剤成分としては、例えば、ウレタン系樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウリア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シアノアクリレート系樹脂等を挙げることができる。中でもアクリル系樹脂の反応型のものや、変成したもの等を好ましく使用することができる。また、接着剤は硬化剤を用いて硬化させると、接着力も向上し、耐熱性も上がるため好ましい。硬化剤としては、イソシアネート化合物が一般的であるが、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を使用することができる。
接着層11の厚みは、通常、乾燥状態で2g/m2〜10g/m2程度である。接着層の形成は、一般的に行われている塗工手段を用いることができ、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の手段により、基材1上に塗工し、乾燥することで得ることができる。
(ミクロボイドを有する層)
図3、図4に示すように基材1と受容層2Aとの間にミクロボイドを有する層12が設けられていてもよい。以下、ミクロボイドを有する層12を単にミクロボイド層12という場合がある。ミクロボイド層12としては、内部にミクロボイドを有するプラスチックフィルムや合成紙を用いることができる。また、基材1上に、各種の塗工方式でミクロボイド層12を形成することもできる。内部にミクロボイドを有するプラスチックフィルム又は合成紙としては、ポリオレフィン、特に、ポリプロピレンを主体として、それに無機顔料及び/又はポリプロピレンと非相溶なポリマーをブレンドし、これらを発泡開始剤として用い、これらの混合物を延伸、成膜したプラスチックフィルム又は合成紙が好ましい。これらプラスチックフィルムや合成紙は、それ自体が、ミクロボイドを含む層の単層であっても良いし、複数の層構成であっても良い。複数の層構成の場合には、その構成する全ての層にミクロボイドを含有しても良いし、ミクロボイドが存在しない層が存在しても良い。また、プラスチックフィルムや合成紙には、必要に応じて隠ぺい剤として、白色顔料を混入させても良い。また、白色性を増すために、蛍光増白剤等の添加剤を加えることができる。さらに、光沢性、平滑性を与えるために、表面にスキン層を設けても良い。ミクロボイド層の厚みは、30〜80μm程度が好ましい。
(プライマー層)
図3、図4に示すように、基材1と受容層2Aとの間にミクロボイドを有する層12や、他の任意の層等を設ける場合には、これらの層と受容層2Aとの間に、プライマー層13を設けることが好ましい。プライマー層13を設けることで、ミクロボイドを有する層12等と受容層2Aとの接着性を向上させることができる。なお、プライマー層は、本発明の熱転写受像シート100の任意の構成である。任意の構成であるプライマー層13に含まれるバインダー樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、プライマー層13は、水分散系のプライマー層であってもよく、溶剤分散系のプライマー層であってもよい。プライマー層13の厚みとしては、塗工量で、乾燥時0.1〜20g/m2程度が好ましい。
(裏面層)
図2〜図4に示す形態の熱転写受像シートでは、基材1の受容層2Aが設けられている側と反対側の面に裏面層5が設けられている。裏面層5は本発明の熱転写受像シートにおける任意の構成である。なお、図4に示す構成の熱転写受像シート100は、基材1と裏面層5との間に、接着層11、ミクロボイドを有する層12が、基材1上にこの順で設けられているが、接着層11やミクロボイドを有する層12も本発明の熱転写受像シート100における任意の構成である。
裏面層5は、本発明の熱転写受像シートの用途等に応じて所望の機能を有するものを適宜選択して用いることができる。中でも、熱転写受像シートの搬送性向上機能や、カール防止機能を有する裏面層5を用いることが好ましい。このような機能をもつ裏面層5としては、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲン化ポリマー等の樹脂中に、添加剤として、ナイロンフィラー、アクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックス、アミノ酸系粉体等の有機系フィラー、二酸化珪素や金属酸化物等の無機フィラーを加えたものが使用できる。
また、裏面層5には、これ以外の他の任意の成分が含有されていてもよい。
基材1と裏面層5との間には、必要に応じて他の任意の層を設けることができる。他の任意の層としては、例えば、図4に示すように、接着層11や、ミクロボイドを有する層12等を挙げることができる。これらの層は、上記で説明した接着層11、ミクロボイドを有する層12をそのまま使用することができ、ここでの詳細な説明は省略する。
<<第2実施形態の熱転写受像シート>>
第2実施形態の熱転写受像シート100は、図2〜図4に示されるように、上記第1実施形態の熱転写受像シートと同様、基材1の一方の面に受容層2Aを含む1つ又は2つ以上の層が設けられ、基材1の他方の面に裏面層5を含む1つ又は2つ以上の層が設けられた構成をとる。
第2実施形態の熱転写受像シート100は、裏面層5がイオン液体を含有している点に特徴を有する。具体的には、基材の一方の面の最表面に位置する第1の受容層2Aにイオン液体が含有されておらず、基材の他方の面の最表面に位置する裏面層5がイオン液体を含有している点に特徴を有する。
上記第1実施形態の熱転写受像シート100が、受容層2Aがイオン液体を含有しているのに対し、第2実施形態の熱転写受像シート100は、裏面層5がイオン液体を含有している点で、第1実施形態の熱転写受像シートと相違する。したがって、特に断りがない限り、第2実施形態の熱転写受像シートの各構成については、第1実施形態の熱転写受像シートの各構成をそのまま用いることができ、詳細な説明は省略する。
裏面層5がイオン液体を含有している本実施形態によれば、裏面層5に要求される機能、例えば、搬送性向上機能や、カール防止機能を妨げることなく、熱転写受像シート100に優れたさばき性を付与することができる。また、第1実施形態の熱転写受像シート100と同様、裏面層5は、熱転写受像シートの受容層2Aとは反対側の面の最表面に位置することから、基材1と裏面層5との間に設けられる任意の層がイオン液体を含有している場合と比較して、高いさばき性が発揮される。
第2実施形態の受容層2Aとしては、上記第1実施形態の受容層2Aからイオン液体を除いた構成とすればよく、ここでの詳細な説明は省略する。つまり、イオン液体を含有していない従来公知の受容層を適宜選択して用いればよい。
裏面層5が含有するイオン液体は、上記第1実施形態の受容層2Aが含有しているイオン液体と同様である。なお、裏面層5がイオン液体を含有する本実施形態についても、イオン液体の融点について特に限定はなく、プリンタから排出された画像形成後の熱転写受像シート100をさばくときに、帯電防止性能が発揮されている状態、すなわち液体の状態となっていればよく、このときの温度等に応じて、適切な融点のものを選択すればよい。好ましくは、上記第1実施形態の受容層2Aが含有しているイオン液体と同様、融点が5℃以下のイオン液体であることが好ましい。
裏面層5が含有しているイオン液体以外の成分については、第1実施形態の熱転写受像シートの裏面層5で説明したものをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。裏面層5の固形分総量に対するイオン液体の含有量についても特に限定はないが、上記第1実施形態の受容層2Aが含有しているイオン液体の好ましい含有量と同様の理由により、裏面層5が含有している全構成成分の固形分総量に対し、0.25質量%以上12質量%以下の範囲で含有されていることが好ましく、0.4質量%以上10質量%以下の範囲で含有されていることが特に好ましい。
また、裏面層5は、本発明の趣旨を妨げない範囲で、イオン液体以外の帯電防止剤を含有していてもよい。
<<第3実施形態の熱転写受像シート>>
第3実施形態の熱転写受像シート100は、図2〜図4に示されるように、基材1の一方の面に受容層2Aを含む1つ又は2つ以上の層が設けられ、基材1の他方の面に裏面層5を含む1つ又は2つ以上の層が設けられた構成をとる。
第3実施形態の熱転写受像シートは、当該熱転写受像シートの最表面に位置する第1の受容層2A、及び裏面層5の双方の層がイオン液体を含有している点に特徴を有する。
第3実施形態の熱転写受像シート100は、上記第1実施形態の受容層2Aと、第2実施形態の裏面層5とを組合せた実施形態である。第3実施形態の熱転写受像シートによれば、第1実施形態の効果であるイニシャルJAMの発生防止効果に加え、熱転写受像シートの一方の面側、及び他方の面側の最表面に配置される双方の層が、イオン液体を含有していることから、最表面に配置されるいずれか一方の層のみがイオン液体を含有している場合、すなわち、上記第1実施形態や、上記第2実施形態の熱転写受像シートと比較して、さばき性のさらなる向上が図られる。具体的には、本実施形態の熱転写受像シートを用いて画像形成を行ったときにプリンタから排出され、受像トレイ上で重なり合う熱転写受像シートは、イオン液体を含有している層同士が重なり合うことから、受容層2A、裏面層5の何れか一方の面にのみがイオン液体を含有している場合よりもさばき性は向上する。また、本実施形態によれば、最表面に位置する全ての層がイオン液体を含有していることから、本発明の熱転写受像シートの裏面層5同士が対向するように重ねた場合や、受容層2A同士が対向するように重ね合わせた場合にも、熱転写受像シート同士が貼りつきを起こすことがない。一方、上記第1実施形態の熱転写受像シートでは、例えば、イオン液体を含有していない裏面層5同士を対向するように重ね合わせたときに、熱転写受像シート同士が貼りつきを起こす場合があり、裏面層同士を重ね合わせて製本等する場合などに問題が生ずる場合が起こり得る。
第3実施形態の熱転写受像シートの受容層2Aについては、上記第1実施形態の熱転写受像シートの受容層2Aをそのまま用いることができる。また、第3実施形態の熱転写受像シートの裏面層5については、上記第2実施形態の熱転写受像シートの裏面層5をそのまま用いることができる。それ以外の各構成については、第1実施形態で説明した各構成をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
受容層2A、裏面層5が含有しているイオン液体の含有量について特に限定はなく、第1実施形態の受容層2Aと同様に、第3実施形態の受容層2Aには、当該受容層2Aの全構成成分の固形分総量に対し、イオン液体は0.25質量%以上12質量%以下の範囲で含有されていることが好ましく、0.4質量%以上10質量%以下の範囲で含有されていることが特に好ましい。また、初期JAM発生の防止効果を考慮すると、融点が5℃以下のイオン液体が含有されていることが好ましい。また、第3実施形態の裏面層5には、当該裏面層5の全構成成分の固形分総量に対し、イオン液体は0.25質量%以上12質量%以下の範囲で含有されていることが好ましく、0.4質量%以上10質量%以下の範囲で含有されていることが特に好ましい。
なお、さばき性の向上を主目的とする場合には、受容層2A、及び裏面層5に含有せしめるイオン液体の総量を適宜調整すればよく、受容層2Aの全構成成分と、裏面層5の全構成成分との合計固形分総量に対し、イオン液体が0.25質量%以上12質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましい。
本実施形態は、上記第1実施形態、及び第2実施形態の熱転写受像シート100によってもたらされる双方の効果を有し、またさばき性を向上させることができる点で、上記第1実施形態、及び第2実施形態よりも好ましい実施形態であるといえる。
(第4実施形態の熱転写受像シート)
第4実施形態の熱転写受像シート100は、図5に示されるように、基材1の一方の面に第1の受容層2Aを含む1つ又は2つ以上の層が設けられ、基材1の他方の面に第2の受容層2Bを含む1つ又は2つ以上の層が設けられた構成をとる。つまり、両面に受容層が設けられた熱転写両面受像シートの構成をとる。
第4実施形態の熱転写受像シートは、第2の受容層2Bがイオン液体を含有しておらず、第1の受容層2Aがイオン液体を含有している点に特徴を有する。
第4実施形態の熱転写受像シートは、図2〜図4で示す形態の熱転写受像シートの裏面層5にかえて、イオン液体を含有していない第2の受容層2Bを設けた点以外は全て第1実施形態の熱転写受像シートと共通する。この構成を有する本実施形態の熱転写受像シートによれば、上記第1実施形態の熱転写受像シートと同様の効果が図られる。第4実施形態の熱転写受像シートの各構成については、特に断りがない限り、第2の受容層2Bを除いて、第1実施形態の熱転写受像シートの各構成をそのまま用いることができ、詳細な説明は省略する。なお、図示しないが、図3、図4に示す形態の裏面層5を、第2の受容層2Bに置き換えた構成とすることもできる。
第4実施形態の第1の受容層2Aは、上記第1実施形態の熱転写受像シートで説明したイオン液体を含有している第1の受容層2Aをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施形態における第2の受容層2Bは、イオン液体を含有していない受容層である。したがって、上記第1実施形態の第1の受容層2Aからイオン液体を除いた構成、すなわち第2実施形態で説明したイオン液体を含有していない第1の受容層2Aと同じ構成とすればよく、ここでの詳細な説明は省略する。つまり、イオン液体を含有していない従来公知の受容層を適宜選択して用いればよい。
(第5実施形態の熱転写受像シート)
第5実施形態の熱転写受像シート100は、基材1の一方の面に第1の受容層2Aを含む1つ又は2つ以上の層が設けられ、基材1の他方の面に第2の受容層2Bを含む1つ又は2つ以上の層が設けられた構成をとる。
第5実施形態の熱転写受像シート100は、当該熱転写受像シートの最表面に位置する第1の受容層2A、及び第2受容層2Bの双方の受容層がイオン液体を含有している点に特徴を有する。
第5実施形態の熱転写受像シートは、上記第3実施形態の熱転写受像シートの構成において、イオン液体を含有している裏面層5にかえて、イオン液体を含有している第2の受容層2Bを設けた点以外は、全て第3実施形態の熱転写受像シートと共通する。換言すれば、熱転写受像シートの最表面に位置する双方の層がイオン液体を含有している点において共通する。この構成を有する本実施形態の熱転写受像シートによれば、熱転写受像シート100の最表面に位置する双方の層がイオン液体を含有していることから、上記第3実施形態の熱転写受像シートと同様の効果が図られる。つまり、熱転写受像シート100の最表面に位置する、第1の受容層2Aと、第2の受容層2Bの双方の層がイオン液体を含有している本実施形態は、第1の受容層2Aのみがイオン液体を含有している第4実施形態の熱転写受像シートよりも、さばき性を向上させることができ、また、第1の受容層2A、及び第2の受容層2Bの双方の受容層で、イニシャルJAMの発生を防止できる点で、好ましい実施形態である。
第1の受容層2A、第2の受容層2Bは、それぞれ、第1実施形態で説明したイオン液体を含有している第1の受容層2Aをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。なお、本実施形態における第1の受容層2Aと、第2の受容層2Bは、イオン液体を含有しているとの条件を満たせば、異なる受容層であってもよく、同一の受容層であってもよい。例えば、第1の受容層2Aと、第2の受容層2Bに含有されるイオン液体は異なるものであってもよく、同一のイオン液体が含有されていてもよい。また、第1の受容層2Aと、第2の受容層2Bに含有されるバインダー樹脂は異なるものであってもよく、同一のバインダー樹脂が含有されていてもよい。
第1の受容層2A、第2の受容層2Bが含有しているイオン液体の含有量について特に限定はなく、さばき性とともに、イニシャルJAMの発生防止の点からは、それぞれの受容層2A、2Bの全構成成分の固形分総量に対し、イオン液体は0.25質量%以上12質量%以下の範囲で含有されていることが好ましく、0.4質量%以上10質量%以下の範囲で含有されていることが特に好ましい。
なお、さばき性の向上を主目的とする場合には、第1の受容層2A、及び第2の受容層2Bに含有せしめるイオン液体の総量を適宜調整すればよく、第1の受容層2Aの全構成成分と、第2の受容層2Bの全構成成分との合計固形分総量に対し、イオン液体が0.25質量%以上12質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましい。
(第6実施形態の熱転写受像シート)
第6実施形態の熱転写受像シートは、上記第1実施形態〜第5実施形態の熱転写受像シートの構成において、さらに、熱転写受像シートを構成する任意の層が、イオン液体を含有している構成をとる熱転写受像シートである。換言すれば、本実施形態の熱転写受像シートでは、当該熱転写受像シートを構成する2つ以上の層が、イオン液体を含有している。本実施形態の熱転写受像シートでは、例えば、上記第1実施形態の熱転写受像シートにおいて、任意の構成である接着層11、ミクロボイドを有する層12、プライマー層13、或いはこれ以外の任意の層にイオン液体を含有させることで、イオン液体が含有されている受容層2Aと、イオン液体が含有されている他の任意の層との相乗効果により、さばき性の更なる向上が期待できる。また、受容層2Aと、他の任意の層の双方の層に、帯電防止性の役割を分担させることで、受容層2Aに含有されているイオン液体の含有量をさらに減少させることができ、受容層2Aに要求される各種の機能を向上させることができる。
また、熱転写受像シートの一方の面側の最表面に位置する層と、熱転写受像シートの他方面側の最表面に位置しない層がイオン液体を含有していてもよい。
以上、第1実施形態〜第6実施形態の熱転写受像シートについて説明を行ったが、本発明の熱転写受像シートは、当該熱転写受像シートを構成する何れか1つの層がイオン液体を含有しているとの条件を満たせば、これ以外の実施形態をとることもできる。例えば、熱転写受像シートの最表面に位置しない任意の層のみがイオン液体を含有している構成とすることもできる。なお、任意の層のみがイオン液体を含有している構成をとる場合には、上記第1実施形態〜第5実施形態の熱転写受像シートと比較して、十分な帯電防止性能を発現させるためには、当該任意の層に含有せしめるイオン液体の含有量を多くしなければならず、コスト高となり、また、その含有量によっては、任意の層に要求される機能が低下してしまうことが懸念される。この点では、上記第1実施形態〜第6実施形態の熱転写受像シートの方が有利である。なお、任意の層のみがイオン液体を含有している構成とする場合には、当該任意の層に要求される機能を妨げない範囲内でイオン液体を含有せしめることが必要がある。また、帯電防止性能は、最表面に位置する層に発現されていることが重要であり、任意の層のみがイオン液体を含有している場合には、熱転写受像シートの最表面に位置する層の表面抵抗率(Ω/□)が、1.0×10の12乗以下、好ましくは1.0×10の11乗以下となるような範囲内で、イオン液体を含有していることが好ましい。
また、熱転写受像シートを構成する全ての層がイオン液体を含有していてもよい。
以下、実施例、参考例、比較例を挙げて本発明を説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。また、各塗工液中に含まれる成分は、特に断りのない限り固形分100%である。
参考例1)
コート紙(三菱製紙株式会社製パールコートN:157.0g/m2)の一方の面上に
35μmの多孔質ポリプロピレンフィルム(トヨパールSS 東洋紡績(株)製)を、また、該コート紙の他方の面上に50μmの白色ポリエチレンテレフタレート(ルミラーE63S 東レ(株)製)を、それぞれ下記組成の接着層用塗工液1(塗工量:4g/m2(乾燥後))を用いて貼合した支持体を作成した。次いで、支持体の多孔質ポリプロピレンフィルムの面に、下記組成のプライマー層用塗工液1を、バーコーターにより乾燥時塗工量2.0g/m2となるように塗工、乾燥(130℃、1分)してプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、下記組成の受容層用塗工液1をバーコーターにより、乾燥時塗工量3.0g/m2となるように塗工、乾燥(130℃、1分)して受容層を形成した。また、支持体の受容層が設けられている面とは反対の面に、下記組成の裏面層用塗工液1をバーコーターにより、塗布量2.0g/m2(乾燥後)となるように塗布、乾燥(110℃、1分)して裏面層を形成することで、参考例1の熱転写受像シートを得た。
<接着層用塗工液1>
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株)製)
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株)製)
・酢酸エチル 60部
<プライマー層用塗工液1>
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株)製)
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ製)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製)
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
<受容層用塗工液1>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(ソルバインCN 日信化学工業(株)製)
・エポキシ変性シリコーン 1部
(X−22−3000T 信越化学工業(株)製)
・カルビノール変性シリコーン 0.2部
(X−22−160AS 信越化学工業(株)製)
・イオン液体(融点;0℃以下) 0.6部
(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)
(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)
・メチルエチルケトン 80部
・トルエン 80部
<裏面層用塗工液1>
・ポリビニルブチラール樹脂 10部
(♯3000−1 電気化学工業(株)製)
・キレート剤 4.3部
(テンカレート TP110)
・ナイロン12フィラー 2部
(NW330 神東塗料(株)製)
・トルエン/イソプロピルアルコール 83.7部
参考例2)
基材としてRCペーパー(三菱製紙(株)製)を用い、下記組成の断熱層用塗工液、および受容層用塗工液2を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、乾燥時の厚みがそれぞれ12μm、3μmとなるよう塗布し、5℃にて30秒冷却した後、50℃にて2分間乾燥させて参考例2の熱転写受像シートを得た。なお、下記組成の塗工液は、いずれも全固形分が15〜30%となるように純水を用いて希釈したものである。
(断熱層用塗工液)
・中空粒子(体積平均粒子径:0.5μm) 70部
(MH5055 日本ゼオン(株)製)
・ゼラチン 25部
(RR 新田ゼラチン(株)製)
・水性ポリウレタン樹脂 5部
(AP40 DIC(株)製)
<受容層用塗工液2>
・塩酢ビ系エマルジョン(塩ビ/酢ビ=97.5/2.5):固形分36%) 411部
・離型剤の水分散体(固形分:17%) 98部
・エポキシ架橋剤 7.6部
(ナガセケムテックス(株)製、商品名EX−512:固形分100%)
・純水(エポキシ架橋剤分散用として) 11.4部
・増粘材(固形分30%) 45部
(アデカノールUH−526 (株)ADEKA製)
・イオン液体(融点;0℃以下) 4.5部
(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)
(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)
・純水(増粘材分散用として) 230部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液:固形分20%) 23部
なお、上記の塩ビ系エマルジョン、及び離型剤の水分散体は下記のようにして調製した。
(塩酢ビ系エマルジョンの合成)
2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水600g、塩化ビニル単量体438.8g(全仕込み単量体に対して97.5重量%)と酢酸ビニル11.2g(全仕込み単量体に対して2.5重量%)からなる単量混合体、過硫酸カリウム2.25gを仕込んだ。この反応混合物を攪拌翼で回転数120rpmを維持するように攪拌し、反応混合物の温度を60℃に上げて重合を開始した。5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液180g(全仕込み単量体に対して2重量%)を重合開始〜4hr後まで連続添加し、重合圧が60℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.6MPa降下した時に重合を停止した後、残存の単量体を回収して、塩酢ビ系エマルジョンを得た。
(離型剤の水分散体の作成)
酢酸エチル85gにエポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−22−3000T)16gとアラルキル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−24−510)8gを溶解した。次にトリイソプロピルナフタレンスルフォン酸ナトリウム塩(固形分10%)14gを純水110gに溶解した。上記2液を混合・攪拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調製した。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で酢酸エチルを除去し、シリコーンの水分散体を得た。
参考例3)
受容層用塗工液2を下記組成の受容層用塗工液3に変更した以外は、全て参考例2と同様にして参考例3の熱転写受像シートを得た。
<受容層用塗工液3>
・塩化ビニル系樹脂 80部
(ビニブラン900 日信化学工業(株)製)
・ポリエーテル変性シリコーン 10部
(KF615A 信越化学工業(株)製)
・ゼラチン 20部
(RR 新田ゼラチン(株)製)
・イオン液体(融点;0℃以下) 2.4部
(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)
(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)
・界面活性剤 0.5部
(サーフィノール440 日信化学工業(株)製)
・水 400部
参考例4)
受容層用塗工液2を下記組成の受容層用塗工液4に変更した以外は、全て参考例2と同様にして参考例4の熱転写受像シートを得た。
<受容層用塗工液4>
・エマルジョン(固形分として) 90部
・ゼラチン(固形分として) 10部
(RR 新田ゼラチン(株)製)
・ポリエーテル変性シリコーン 10部
(KF615A 信越化学工業(株)製)
・イオン液体(融点;0℃以下) 2.7部
(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)
(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)
・界面活性剤 1部
(サーフィノール440 日信化学工業(株)製)
・水 333部
なお、上記のエマルジョンは下記のようにして調製した。
エマルジョンの合成
500mL(リットル)三角フラスコに、共重合体形成モノマーとして、スチレン121g、エチルアクリレート77g、及びアクリル酸2gと、乳化剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬社製)1.9gを入れ、攪拌して混合した(これを以下モノマーAと呼ぶ)。1L三口フラスコに、蒸留水200gを入れて80℃まで加熱し、上記モノマーA全量の約20%程度を加え、10分間攪拌した。その後、純水20gに溶解させた過硫酸アンモニウム0.4gを加えて10分間攪拌した後、残り80%のモノマーAを滴下ロートにて3時間かけて滴下し、さらに3時間攪拌した。その後室温まで冷却し、#150メッシュ(日本織物)にてろ過し、エマルジョンを得た(分子量240000、Tg50℃)。また、スチレン及びエチルアクリレートの分子量と反応に使用した量から、それぞれのmol比は60%及び40%となる。
参考例5)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、0.1部に変更した点以外は参考例1と同様にして参考例5の熱転写受像シートを得た。
参考例6)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、0.06部に変更した点以外は参考例1と同様にして参考例6の熱転写受像シートを得た。
参考例7)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、2.0部に変更した点以外は参考例1と同様にして参考例7の熱転写受像シートを得た。
参考例8)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、2.4部に変更した点以外は参考例1と同様にして参考例8の熱転写受像シートを得た。
参考例9)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、イオン液体(融点;0℃以下)(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:ジアルキルサクシネートスルホン酸)(JNA−10912 日本乳化剤(株)製)0.6部に変更した点以外は参考例1と同様にして参考例9の熱転写受像シートを得た。
参考例10)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、イオン液体(融点;12℃)(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:アルキルベンゼンスルホン酸)(JNA−10911 日本乳化剤(株)製)0.6部に変更した点以外は参考例1と同様にして参考例10の熱転写受像シートを得た。
参考例11)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、イオン液体(カチオン:1−ブチル−1−メチルピロリジニウム、アニオン:ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)0.6部に変更した点以外は参考例1と同様にして参考例11の熱転写受像シートを得た。
参考例12)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、イオン液体(カチオン:メチルトリ−n−オクチルアンモニウム、アニオン:ビス(トリフ
ルオロメタンスルホニル)イミド)0.6部に変更した点以外は参考例1と同様にして参考例12の熱転写受像シートを得た。
参考例13)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、イオン液体(カチオン:1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、アニオン:トリフルオロメタンスルホネート)0.6部に変更した点以外は参考例1と同様にして参考例13の熱転写受像シートを得た。
参考例14)
受容層用塗工液1を下記組成の受容層用塗工液5に変更し、裏面層用塗工液1を下記組成の裏面層用塗工液2に変更した以外は全て参考例1と同様にして参考例14の熱転写受像シートを得た。
<受容層用塗工液5>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(ソルバインCN 日信化学工業(株)製)
・エポキシ変性シリコーン 1部
(X−22−3000T 信越化学工業(株)製)
・カルビノール変性シリコーン 0.2部
(X−22−160AS 信越化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 80部
・トルエン 80部
<裏面層用塗工液2>
・ポリビニルブチラール樹脂 10部
(#30000−1 電気化学工業(株)製)
・キレート剤 4.3部
(テンカレート TP110 松本製薬(株)製)
・ナイロン12フィラー 2部
(NW330 神東塗料(株)製)
・イオン液体(融点;0℃以下) 0.3部
(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)
(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)
・トルエン/イソプロピルアルコール 83.7部
(実施例15)
裏面層用塗工液1を上記組成の裏面層用塗工液2に変更した以外は全て参考例1と同様にして実施例15の熱転写受像シートを得た。
(実施例16)
基材として、原紙(坪量157g/m2、厚み130μm)を用い、基材の一方の面に、下記組成の接着層用塗工液2を、3本リバースロールコート方式で塗布・乾燥して接着層を形成した。次いで、該接着層上に厚さ35μmの基材内部に空隙(ミクロボイド)を有するポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製、トヨパールSS)を積層した。次いで、該ポリプロピレンフィルム上に、下記組成のプライマー層用塗工液2を、グラビアリバースコート方式で塗布・乾燥してプライマー層を形成した。次いで、該プライマー層上に、下記組成の受容層用塗工液6をグラビアリバースコート方式で塗布・乾燥して第1の受容層を形成した。同様にして、基材シート1の他方の面に、上記と同様の接着層、(ミクロボイド)を有するポリプロピレンフィルム、プライマー層を形成し、該プライマー層上に下記組成の受容層用塗工液6を、グラビアリバースコート方式で塗布・乾燥して第2の受容層を形成し実施例16の熱転写両面受像シートを得た。上記の各々の塗工量は、全て乾燥状態で、接着層は3g/m2、プライマー層は1.5g/m2、第1の受容層、及び第2の受容層は4.0g/m2であった。
(接着層用塗工液2)
・ウレタン系樹脂 30部
(タケラックA969V、三井化学ポリウレタン(株)製)
・イソシアネート化合物 10部
(タケネートA5、三井化学ポリウレタン(株)製)
・酢酸エチル 120部
(プライマー層用塗工液2)
・ポリエステル樹脂 13.1部
(WR−905、日本合成化学(株)製)
・酸化チタン 26.2部
(TCA−888、トーケムプロダクツ社製)
・蛍光増白剤 0.39部
(ベンゾイミダゾール誘導体、製品名;チノパールIJT、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・水/イソプロピルアルコール〔IPA〕(質量比2/1) 60部
(受容層用塗工液6)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 12部
(ソルバインC、日信化学工業(株)製)
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T、信越化学工業(株)製)
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510、信越化学工業(株)製)
・微粉末シリカ 0.12部
(サイリシア310P、富士シリシア化学(株)製)
・イオン液体(融点;0℃以下) 0.36部
(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)
(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 60部
(比較例1)
受容層用塗工液1を上記組成の受容層用塗工液5に変更した以外は全て参考例1と同様にして比較例1の熱転写受像シートを得た。
(比較例2)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、導電性合成層状珪酸塩(ラポナイトJS ウィルバー・エリス社製)2.0部に変更した点以外は参考例1と同様にして比較例2の熱転写受像シートを得た。
(比較例3)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、導電性針状結晶(FT−1000 石原産業(株)製)2.0部に変更した点以外は参考例1と同様にして比較例3の熱転写受像シートを得た。
(比較例4)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、導電性針状結晶(FT−3000 石原産業(株)製)2.0部に変更した点以外は参考例1と同様にして比較例4の熱転写受像シートを得た。
(比較例5)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、導電性微粒子(FSS0−10M 石原産業(株)製)2.0部に変更した点以外は参考例1と同様にして比較例の熱転写受像シートを得た。
(比較例6)
受容層用塗工液1のイオン液体(カチオン:アルカノールアミン、アニオン:グリコールエーテル硫酸エステル)(JNA−08803 日本乳化剤(株)製)0.6部を、ノニオン系界面活性剤(アデカリアソープER−10 株式会社ADEKA社製)0.6部に変更した点以外は参考例1と同様にして比較例の熱転写受像シートを得た。
(塗工適性評価)
各実施例、参考例、及び比較例の熱転写受像シートの形成に用いた各受容層用塗工液を塗工・乾燥させた直後の面質を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて塗工適性の評価を行った。なお、参考例14については、裏面層用塗工液を塗工・乾燥させた直後の面質を目視で確認した。評価結果を表1に示す。
「評価基準」
○:塗工時の面質が良好である。
×:塗工時、面質に異物が確認できる。
(表面電気抵抗評価)
各実施例、参考例、及び比較例の熱転写受像シートの受容層表面の表面電気抵抗値(Ω/□)を表面電気抵抗計(三菱油化(株)製 Hiresta IP MCP−HT250)を用いて以下の条件で測定し、下記の評価基準に基づいて表面電気抵抗の評価を行った。なお、参考例14の熱転写受像シートにおいては、裏面層表面の表面電気抵抗値の測定を行った。また、実施例15の熱転写受像シートにおいては、受容層表面、及び裏面層表面の表面電気抵抗値を、また、実施例16の熱転写両面受像シートにおいては、第1の受容層表面、及び第2の受容層表面の表面電気抵抗値の測定を行った。評価結果を表1に併せて示す。表面電気抵抗値の測定は、20℃、60%環境下で行った。
<測定条件>
PROBE TYPE : HR
SUPPLY VOLTAGE : 500V
TIMER : 10sec
<評価基準>
○:1.0×10の11乗以下
△:1.0×10の11乗以上、1.00×10の12乗以下
×:1.0×10の12乗以上
(ざらつき評価)
昇華型熱転写プリンタ(ALTECH ADS(株)製、型式:CW−01)と、メディアセットCW−MS46を用いて、各実施例、参考例、及び比較例の熱転写受像シートの受容層上に、195/255階調、155/255階調、115/255階調の3パターンの画像を形成した。この画像を目視で確認し、以下の評価基準に基づいてざらつき評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。ざらつきとは画像着色部全体にみられる、無数の極微小の濃度ムラを言う。印画は、20℃、60%環境下で行った。
「評価基準」
○・・・全ての画像でざらつきの発生がなく良好である。
△・・・1以上の画像で僅かにざらつきの発生があるが、使用上問題ないレベルである。
×・・・各画像で使用上問題となるざらつきの発生がみられる。
(さばき性評価)
昇華型熱転写プリンタ(ALTECH ADS(株)製、型式:CW−01)と、メディアセットCW−MS46を用いて、各実施例、参考例、及び比較例の熱転写受像シートの受容層上に、10枚連続で印画し、印画物の貼りつき(さばき性)を評価した。印画は、20℃、60%環境下で行った。
<評価基準>
◎:印画物を1枚ずつ取り出した際にまったく貼りつきが見られない
○:印画物を1枚ずつ取出した際にまったく貼りつきが見られない、若しくは印画物を1枚ずつ取り出した際に若干の貼りつきを起こす場合があるが問題なく取り出すことが出来る
×:印画物に貼りつきが発生し、一枚ずつ取り出すことができない
Figure 0006040681
100…熱転写受像シート
1…基材
2…受容層
5…裏面層
11…接着層
12…ミクロボイドを有する層
13…プライマー層

Claims (3)

  1. 基材の一方の面に第1の受容層を含む1つ又は2つ以上の層が設けられ
    前記基材の他方の面に、第2の受容層を含む1つ、又は2つ以上の層が設けられ、
    前記基材の一方の面側に設けられる第1の受容層は、前記基材の一方の面側の最表面に位置し、前記基材の他方の面側に設けられる前記第2の受容層は、前記基材の他方の面側の最表面に位置し、
    前記第1の受容層、及び前記第2の受容層は、ともに融点が5℃以下のイオン液体を含有している熱転写受像シート。
  2. 基材の一方の面に第1の受容層を含む1つ又は2つ以上の層が設けられ、
    前記基材の他方の面に、裏面層を含む1つ、又は2つ以上の層が設けられ、
    前記基材の一方の面側に設けられる第1の受容層は、前記基材の一方の面側の最表面に位置し、前記基材の他方の面側に設けられる前記裏面層は、前記基材の他方の面側の最表面に位置し、
    前記第1の受容層、及び前記裏面層は、ともに融点が5℃以下のイオン液体を含有している熱転写受像シート。
  3. 前記融点が5℃以下のイオン液体を含有している層は、当該層の固形分総量に対し、前記融点が5℃以下のイオン液体を0.25質量%以上12質量%以下の割合で含有している請求項1又は2に記載の熱転写受像シート。
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