JP2016132211A - 離型フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】粘着材料との離型性に優れており、高速での剥離や熱処理後の離型性にも優れており、帯電防止性能を有した離型フィルムを提供する。
【解決手段】
基材の両面に樹脂層が設けられた離型フィルムであって、一方の樹脂層が離型層であって、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部とオキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物からなる架橋剤0.1〜50質量部とを含有し、他方の樹脂層が帯電防止層であって、表面固有抵抗値が23℃、50%RHにおいて、1×1012Ω/□未満であることを特徴とする離型フィルム。
【選択図】なし
【解決手段】
基材の両面に樹脂層が設けられた離型フィルムであって、一方の樹脂層が離型層であって、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部とオキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物からなる架橋剤0.1〜50質量部とを含有し、他方の樹脂層が帯電防止層であって、表面固有抵抗値が23℃、50%RHにおいて、1×1012Ω/□未満であることを特徴とする離型フィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は帯電防止性および離型性に優れたフィルムに関する。
離型フィルムは、医療分野、工業分野に広く使用されている。例えば、医療用テープやハップ剤の保護フィルム、プリント配線板、フレキシブルプリント配線板、多層プリント配線板などの製造のための工程材料、粘着材料、液晶ディスプレイ用部品などの保護材料、イオン交換膜、セラミックグリーンシートなどのシート状構造体の成形材料などが挙げられる。
離型フィルム表面には、離型層を形成するために離型剤を含有する樹脂層が設けられている場合が多く、シリコーン系離型剤が最も多く使用されている。しかしながら、シリコーン系離型剤を用いた場合、シリコーン系離型剤の中に含まれる低分子量のシリコーン化合物が、被着体表面に移行して残存することがある。移行したシリコーン化合物は電子部品の表面に堆積することにより、その性能に悪影響を与えることが指摘されていた。
特許文献1、2には、離型フィルムの非シリコーン系離型剤としてオレフィン系エラストマーを用いることが開示され、特許文献3、4には、酸変性ポリオレフィンを用いることが開示されている。
特許文献1、2の離型フィルムは、粘着シートに対して良好な離型性を示すが、耐熱性が低いため粘着シートと貼り合せた状態で保管、流通の過程において、高温下に長時間曝された場合に、粘着シートと強く接着してしまい、ハンドリング性が低下することがあった。特に、粘着剤を塗工した後の乾燥時や粘着シートの転写時などにおいて熱処理されると、離型フィルムの離型性が変化しやすくハンドリング上好ましくないものであった。
特許文献1、2の離型フィルムは、粘着シートに対して良好な離型性を示すが、耐熱性が低いため粘着シートと貼り合せた状態で保管、流通の過程において、高温下に長時間曝された場合に、粘着シートと強く接着してしまい、ハンドリング性が低下することがあった。特に、粘着剤を塗工した後の乾燥時や粘着シートの転写時などにおいて熱処理されると、離型フィルムの離型性が変化しやすくハンドリング上好ましくないものであった。
また、特許文献3、4の離型用シートは、離型剤として酸変性されたエチレン系重合体が使用されており、様々な被着体に対して、良好な離型性を示すものである。しかしながら、粘着シートに対してはやや剥離が重い傾向にあり、粘着シート等と貼り合わせた後に熱処理をした場合の離型性もやや劣る傾向にあった。また、粘着シートから離型用シートを高速で剥離した際に、ジッピングを起こし粘着シート表面の平滑性や透明性が損なわれる場合があった。
一方、電子材料用途に離型フィルムを用いる場合、離型フィルムが接触摩擦や剥離することで静電気を発生し、この静電気が加工工程で影響を及ぼし、不具合を引き起こす可能性があるため、帯電防止性能を付与しておくことが好ましい。
特許文献4に記載の樹脂層は非常に柔らかいため、夏場の倉庫等高温で保管されると巻き芯に近づくにつれ剥離帯電が大きくなるという問題があった。また、フィルム表面の突起数が少なくなると、さらに剥離帯電が大きくなることがあった。
ポリエステルフィルムの帯電防止方法としては、イオン化エアーによる電荷中和法が代表的なものとして知られているが、電荷中和法はそのための装置を必要とし、その効果も持続性に乏しいなどの欠点を有している。
ポリエステルフィルムの帯電防止方法としては、イオン化エアーによる電荷中和法が代表的なものとして知られているが、電荷中和法はそのための装置を必要とし、その効果も持続性に乏しいなどの欠点を有している。
特許文献5には、酸変性ポリブタジエンまたは酸変性ポリイソプレンを用いることが提案されている。この離型シートは、粘着剤に対して離型性が良好であるものの、離型層が柔らかいため、離型シートをロール状に巻き取った場合に、シートのブロッキングが生じ、ロールから巻き出すことができなくなるおそれがあった。
特許文献6では、帯電防止層を付与する手法として、四級アンモニウム基とカルボキシル基を側鎖に有する重合体からなる易接着フィルムが開示されている。このフィルムは帯電防止性を兼ね備えているが、易接着フィルムであり、エージング等のためにロール状態のまま高温で保管されると、反対面の印刷や樹脂層とブロッキングを起こすことがあった。
また、特許文献7では基材フィルムの一方の面にシリコーン離型層を、反対面にカチオン系の帯電防止層を設けた帯電防止離型フィルムが開示されている。背面に帯電防止層を設けたことで、繰り出しや走行の際に帯電が少なくなったが、帯電防止面にシリコーンの移行が避けられず、工程の汚染や帯電防止面に印刷やコーティング等の塗布層を設けた場合に密着性が低下するという問題があった。
本発明は、これらの問題を解消し、ロール状に巻き取った場合でも、耐ブロッキング性に優れ、粘着材料との離型性に優れており、高速での剥離や熱処理後の離型性にも優れ、帯電防止性能も兼ね備えた離型フィルムを提供しようとするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、基材の一方の面に酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体と特定の架橋剤とを含有する樹脂層を設け、反対の面に特定の帯電防止層を設けることによって上記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
(1)基材の両面に樹脂層が設けられた離型フィルムであって、
一方の樹脂層が離型層であって、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部とオキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物からなる架橋剤0.1〜50質量部とを含有し、
他方の樹脂層が帯電防止層であって、表面固有抵抗値が23℃、50%RHにおいて、1×1012Ω/□未満であることを特徴とする離型フィルム。
(2)酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するエチレン成分とα−オレフィン成分との質量比(エチレン成分/α−オレフィン成分)が、60/40〜99/1であることを特徴とする(1)記載の離型フィルム。
(3)酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する酸変性成分の含有量が、エチレン成分とα−オレフィン成分との合計に対して、1質量%未満であることを特徴とする(1)または(2)に記載の離型フィルム。
(4)帯電防止層が、4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有する重合体(A)と2種類以上の架橋剤(B)を含有することを特徴とする(1)記載の離型フィルム。
(5)基材が、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料のいずれかであることを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載の離型フィルム。
(6)帯電防止層における、重合体(A)と架橋剤(B)の質量比(A/B)が95/5〜70/30である(4)または(5)に記載の離型フィルム。
(7)重合体(A)が、4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有するポリアクリル共重合体であり、架橋剤(B)が、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、ポリビニルアルコールおよびポリエチレンイミンから選ばれる2種類以上であることを特徴とする(1)〜(6)いずれかに記載の離型フィルム。
(8)離型層が、アクリル系被着体を離型層に貼り付けて測定したときの被着体との間の剥離力が0.5N/cm以下である(1)〜(7)いずれかに記載の離型フィルム。
(1)基材の両面に樹脂層が設けられた離型フィルムであって、
一方の樹脂層が離型層であって、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部とオキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物からなる架橋剤0.1〜50質量部とを含有し、
他方の樹脂層が帯電防止層であって、表面固有抵抗値が23℃、50%RHにおいて、1×1012Ω/□未満であることを特徴とする離型フィルム。
(2)酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するエチレン成分とα−オレフィン成分との質量比(エチレン成分/α−オレフィン成分)が、60/40〜99/1であることを特徴とする(1)記載の離型フィルム。
(3)酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する酸変性成分の含有量が、エチレン成分とα−オレフィン成分との合計に対して、1質量%未満であることを特徴とする(1)または(2)に記載の離型フィルム。
(4)帯電防止層が、4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有する重合体(A)と2種類以上の架橋剤(B)を含有することを特徴とする(1)記載の離型フィルム。
(5)基材が、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料のいずれかであることを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載の離型フィルム。
(6)帯電防止層における、重合体(A)と架橋剤(B)の質量比(A/B)が95/5〜70/30である(4)または(5)に記載の離型フィルム。
(7)重合体(A)が、4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有するポリアクリル共重合体であり、架橋剤(B)が、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、ポリビニルアルコールおよびポリエチレンイミンから選ばれる2種類以上であることを特徴とする(1)〜(6)いずれかに記載の離型フィルム。
(8)離型層が、アクリル系被着体を離型層に貼り付けて測定したときの被着体との間の剥離力が0.5N/cm以下である(1)〜(7)いずれかに記載の離型フィルム。
本発明の離型フィルムは、優れた離型性、耐熱性、耐ブロッキング性および帯電防止性を兼ね備えている。すなわち、本発明の離型フィルムを用いることにより、ロール状に巻き取った場合でも、ロールから抵抗感なく巻きだすことができ、粘着材料の粘着剤表面を保護することができ、粘着材料の使用時において離型フィルムを高速で剥離しても、粘着材料の品質を損なわずに簡単に剥離することができる。また、耐熱性に優れているため、粘着材料等と貼りあわせた後に熱処理しても離型性に優れている。
さらに、本発明の離型フィルムは、帯電防止性にも優れているため巻きだす際の剥離帯電も少ない。よって、本発明の離型フィルムは、両面テープや粘着材料の保護フィルムや液晶ディスプレイ用部品、プリント配線板などを製造する際の保護材料や工程材料、イオン交換膜やセラミックグリーンシート、放熱シートなどのシート状構造体成形用途などに好適である。
さらに、本発明の離型フィルムは、帯電防止性にも優れているため巻きだす際の剥離帯電も少ない。よって、本発明の離型フィルムは、両面テープや粘着材料の保護フィルムや液晶ディスプレイ用部品、プリント配線板などを製造する際の保護材料や工程材料、イオン交換膜やセラミックグリーンシート、放熱シートなどのシート状構造体成形用途などに好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の離型フィルムは、基材の両面に樹脂層が設けられたものであり、一方の樹脂層は、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と特定の架橋剤とを特定量含有する離型層であり、反対面の樹脂層は、4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有する重合体(A)、2種類以上の架橋剤(B)を含有する帯電防止層である。
本発明の離型フィルムは、基材の両面に樹脂層が設けられたものであり、一方の樹脂層は、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と特定の架橋剤とを特定量含有する離型層であり、反対面の樹脂層は、4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有する重合体(A)、2種類以上の架橋剤(B)を含有する帯電防止層である。
本発明の離型フィルムを構成する基材としては、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料等で形成されたものが挙げられる。基材の厚みは、特に限定されるものではないが、通常は1〜1000μmであればよく、1〜500μmが好ましく、10〜200μmがより好ましく、25〜100μmが特に好ましい。
基材に用いることができる樹脂材料としては、例えば熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)などのポリエステル樹脂;ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン樹脂;ナイロン6、ポリ−m−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)等のポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアクリルニトリル樹脂;ポリイミド樹脂;これらの樹脂の複層体(例えば、ナイロン6/MXD6ナイロン/ナイロン6、ナイロン6/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体等が挙げられる。
樹脂材料は延伸処理されていてもよい。中でも、基材は、機械的特性および熱的特性に優れるポリエステル樹脂フィルムが好ましく、安価で入手が容易という点からポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
樹脂材料は延伸処理されていてもよい。中でも、基材は、機械的特性および熱的特性に優れるポリエステル樹脂フィルムが好ましく、安価で入手が容易という点からポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムに塗工液を塗布して用いてもよい。塗工液の塗布方法としては、二軸延伸されたフィルムに塗布後乾燥、熱処理してもよく、また、配向が完了する以前の未延伸フィルム、あるいは一軸延伸の終了したフィルムに塗工液を塗布し、乾燥後加熱して延伸するか、あるいは加熱して乾燥と同時に延伸して、配向を完了させてもよい。後者の未延伸フィルム、あるいは一軸延伸終了後のフィルムに塗工液を塗布後、乾燥、延伸配向する方法は、熱可塑性樹脂フィルムの製膜と同時に樹脂層を積層することができるため、コストの点から好ましい。
上記熱可塑性樹脂フィルムは、公知の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などを含んでいてもよい。熱可塑性樹脂フィルムは、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよく、バリア層や易接着層、帯電防止層、紫外線吸収層などの他の層が積層されていてもよい。その他の材料と積層する場合の密着性を良くするために、熱可塑性樹脂フィルムの表面に、前処理としてコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理等が施されてもよい。
基材として用いることができる紙としては、和紙、クラフト紙、ライナー紙、アート紙、コート紙、カートン紙、グラシン紙、セミグラシン紙等が挙げられる。紙には、目止め層などが設けてあってもよい。
基材として用いることができる合成紙は、その構造は特に限定されず、単層構造であっても多層構造であってもよい。多層構造としては、例えば基材層と表面層の2層構造、基材層の表裏面に表面層が存在する3層構造、基材層と表面層の間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造を例示することができる。各層は、無機や有機のフィラーを含有していてもよいし、含有していなくてもよい。微細なボイドを多数有する微多孔性合成紙も使用することができる。
基材として用いることができる布としては、上述した合成樹脂からなる繊維や、木綿、絹、麻などの天然繊維からなる不織布、織布、編布などが挙げられる。
基材として用いることができる金属材料としては、アルミ箔や銅箔などの金属箔や、アルミ板や銅板などの金属板などが挙げられる。
基材として用いることができるガラス材料としては、ガラス板やガラス繊維からなる布などが挙げられる。
次に、本発明の離型フィルムを構成する基材の一方の面に設けられた離型層について説明する。
本発明の離型層は、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を含有する。酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレン−α−オレフィン共重合体が酸変性されたものであり、エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレン成分と一種以上のα−オレフィン成分とを含有する。
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられる。これらの中でも、経済性の観点や入手のしやすさの観点から、プロピレン、1−ブテンが好ましい。
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられる。これらの中でも、経済性の観点や入手のしやすさの観点から、プロピレン、1−ブテンが好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体における、エチレン成分とα−オレフィン成分との質量比(エチレン成分/α−オレフィン成分)は、60/40〜99/1であることが好ましく、70/30〜97/3であることがより好ましく、80/20〜95/5であることがさらに好ましい。エチレン成分とα−オレフィン成分との質量比がこの範囲外であると、得られる離型フィルムの離型性が低下し、高速剥離性も低下することがある。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、メタロセン系触媒を使用して製造されることが好ましい。この方法により製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体は、分子量分布が狭く、低分子量成分の量が少なく、共重合が均一となる。
本発明において、エチレン−α−オレフィン共重合体は、得られる樹脂層と基材との密着性を向上させ、また架橋剤と反応させて耐熱性を向上させる観点から、酸変性されていることが必要である。エチレン−α−オレフィン共重合体の酸変性は、たとえば、エチレン−α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸成分を導入することによっておこなうことができる。
本発明において、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する酸変性成分の含有量は、オレフィン成分全量、すなわちエチレン成分とα−オレフィン成分の合計に対して、1質量%未満であることが好ましく、0.01質量%以上、1質量%未満であることがより好ましく、0.05質量%以上、1質量%未満であることがさらに好ましく、0.1質量%以上、1質量%未満であることが特に好ましく、0.2質量%以上、1質量%未満であることが最も好ましい。酸変性成分の含有量が0.01質量%未満の場合、基材との密着性が不十分になったり、架橋剤との反応が不十分となり、耐熱性に劣ることがある。また、酸変性成分の含有量が1質量%以上である場合、離型性が低下する傾向があり、また、通常エチレン成分を含有するポリオレフィン樹脂を酸変性させる場合、協奏的に架橋反応も進行するために、酸変性量が高いものを製造することは、操業性の観点から、実質的に困難となることがある。
本発明において、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する酸変性成分の含有量は、オレフィン成分全量、すなわちエチレン成分とα−オレフィン成分の合計に対して、1質量%未満であることが好ましく、0.01質量%以上、1質量%未満であることがより好ましく、0.05質量%以上、1質量%未満であることがさらに好ましく、0.1質量%以上、1質量%未満であることが特に好ましく、0.2質量%以上、1質量%未満であることが最も好ましい。酸変性成分の含有量が0.01質量%未満の場合、基材との密着性が不十分になったり、架橋剤との反応が不十分となり、耐熱性に劣ることがある。また、酸変性成分の含有量が1質量%以上である場合、離型性が低下する傾向があり、また、通常エチレン成分を含有するポリオレフィン樹脂を酸変性させる場合、協奏的に架橋反応も進行するために、酸変性量が高いものを製造することは、操業性の観点から、実質的に困難となることがある。
エチレン−α−オレフィン共重合体に導入される不飽和カルボン酸成分の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、メサコン酸、アリルコハク酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等のように、分子内(モノマー単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無水物基を有する化合物が挙げられる。中でもエチレン−α−オレフィン共重合体への導入のし易さの点から、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。
不飽和カルボン酸成分は、エチレン−α−オレフィン共重合体中に共重合されていればよく、その形態は限定されるものではなく、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
不飽和カルボン酸成分は、エチレン−α−オレフィン共重合体中に共重合されていればよく、その形態は限定されるものではなく、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
不飽和カルボン酸単位をエチレン−α−オレフィン共重合体へ導入する方法は、特に限定されない。例えば、ラジカル発生剤存在下でエチレン−α−オレフィン共重合体と不飽和カルボン酸とを、エチレン−α−オレフィン共重合体の融点以上に加熱溶融して反応させる方法や、エチレン−α−オレフィン共重合体と不飽和カルボン酸とを有機溶剤に溶解させた後、ラジカル発生剤の存在下で加熱、攪拌して反応させる方法等により、エチレン−α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸をグラフト共重合する方法が挙げられる。操作が簡便である点から前者の方法が好ましい。
グラフト共重合に使用するラジカル発生剤としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジラウリルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、エチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert−ブチルジパーフタレート等の有機過酸化物類や、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾニトリル類が挙げられる。これらは反応温度によって適宜、選択して使用すればよい。
グラフト共重合に使用するラジカル発生剤としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジラウリルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、エチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert−ブチルジパーフタレート等の有機過酸化物類や、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾニトリル類が挙げられる。これらは反応温度によって適宜、選択して使用すればよい。
本発明において、樹脂層製造原料の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートは、特に限定されないが、230℃、2160g荷重において、0.01〜500g/10分であることが好ましく、0.1〜100g/10分であることがより好ましく、0.3〜10g/10分であることがさらに好ましい。メルトフローレートが0.01g/10分未満の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体は、溶剤に溶解することが困難であり、一方、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートが500g/10分以上であると、得られる樹脂層は、基材との密着性が低下することがあり、また粘着剤等の被着体に、低分子量成分の移行が起こりやすくなる。
酸変性するためのエチレン−α−オレフィン共重合体として、市販のエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることができる。市販のエチレン−α−オレフィン共重合体として、住友化学社製エスプレンシリーズ、三井化学社製タフマーシリーズなどが挙げられる。このような市販のエチレン−α−オレフィン共重合体を用いて、上記の方法で酸変性を行って、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を得ることができる。
また、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体として、市販のものを用いてもよい。市販の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体として、三井化学社製タフマーシリーズのMP−0620、MH−7020、MA−8510などが挙げられる。
また、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体として、市販のものを用いてもよい。市販の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体として、三井化学社製タフマーシリーズのMP−0620、MH−7020、MA−8510などが挙げられる。
本発明の離型フィルムを構成する離型層は、架橋剤を含有する。架橋剤としては、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物が用いられ、反応性の観点から、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも1種の架橋剤であることが必要である。架橋剤として、オキサゾリン化合物やカルボジイミド化合物以外の化合物を用いると、得られる樹脂層は耐熱性が低下し、熱処理後の離型性が低下する傾向にある。
オキサゾリン化合物は、分子中にオキサゾリン基を2つ以上有しているものであれば、特に限定されるものではない。例えば、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレン−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)、ビス(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィドなどのオキサゾリン基を有する化合物や、オキサゾリン基含有ポリマーが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、取り扱いやすさからオキサゾリン基含有ポリマーが好ましい。
オキサゾリン基含有ポリマーは、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の付加重合性オキサゾリンを重合させることにより得られる。必要に応じて他の単量体が共重合されていてもよい。オキサゾリン基含有ポリマーの重合方法は、特に限定されず、公知の種々の重合方法を採用することができる。
オキサゾリン基含有ポリマーの市販品としては、日本触媒社製のエポクロスシリーズが挙げられ、具体的には、水溶性タイプの「WS−500」、「WS−700」、固形タイプの「RPS−1005」などが挙げられる。
オキサゾリン基含有ポリマーは、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の付加重合性オキサゾリンを重合させることにより得られる。必要に応じて他の単量体が共重合されていてもよい。オキサゾリン基含有ポリマーの重合方法は、特に限定されず、公知の種々の重合方法を採用することができる。
オキサゾリン基含有ポリマーの市販品としては、日本触媒社製のエポクロスシリーズが挙げられ、具体的には、水溶性タイプの「WS−500」、「WS−700」、固形タイプの「RPS−1005」などが挙げられる。
カルボジイミド化合物は、分子中に少なくとも2つ以上のカルボジイミド基を有しているものであれば特に限定されるものではない。例えば、p−フェニレン−ビス(2,6−キシリルカルボジイミド)、テトラメチレン−ビス(t−ブチルカルボジイミド)、シクロヘキサン−1,4−ビス(メチレン−t−ブチルカルボジイミド)などのカルボジイミド基を有する化合物や、カルボジイミド基を有する重合体であるポリカルボジイミドが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、取り扱いやすさから、ポリカルボジイミドが好ましい。
ポリカルボジイミドの製法は、特に限定されるものではない。ポリカルボジイミドは、例えば、イソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応により製造することができる。イソシアネート化合物も限定されるものではなく、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソシアネートのいずれであってもよい。イソシアネート化合物は、必要に応じて多官能液状ゴムやポリアルキレンジオールなどが共重合されていてもよい。
ポリカルボジイミドの市販品としては、日清紡社製のカルボジライトシリーズが挙げられ、具体的には、水溶性タイプの「SV−02」、「V−02」、「V−02−L2」、「V−04」、有機溶液タイプの「V−01」、「V−03」、「V−07」、「V−09」、無溶剤タイプの「V−05」などが挙げられる。
ポリカルボジイミドの製法は、特に限定されるものではない。ポリカルボジイミドは、例えば、イソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応により製造することができる。イソシアネート化合物も限定されるものではなく、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソシアネートのいずれであってもよい。イソシアネート化合物は、必要に応じて多官能液状ゴムやポリアルキレンジオールなどが共重合されていてもよい。
ポリカルボジイミドの市販品としては、日清紡社製のカルボジライトシリーズが挙げられ、具体的には、水溶性タイプの「SV−02」、「V−02」、「V−02−L2」、「V−04」、有機溶液タイプの「V−01」、「V−03」、「V−07」、「V−09」、無溶剤タイプの「V−05」などが挙げられる。
オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物からなる架橋剤の含有量は、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが必要であり、1〜30質量部であることが好ましく、2〜20質量部であることがより好ましい。架橋剤の含有量が0.1質量部未満では添加効果が乏しく、経時的に離型性が低下したり、十分な耐熱性が得られない場合があり、含有量が50質量部を超えると、離型性が低下する場合がある。なお、架橋剤は複数の種類を併用することもできる。併用した場合、架橋剤の合計量が上記の架橋剤の含有量の範囲を満たしていればよい。
本発明の離型フィルムを構成する離型層は、上記のように、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤とを含有するものであるが、必要に応じてレベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、帯電防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤等の各種薬剤や、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等の顔料あるいは染料を含有してもよい。また、後述する樹脂層を形成するための液状物の安定性を損なわない範囲で、上記以外の有機もしくは無機の化合物を液状物に添加して、離型層に含有させることもできる。
本発明の離型フィルムにおいて離型層の厚みは、0.01〜5.0μmであることが好ましく、0.03〜3.0μmであることがより好ましく、0.05〜1.0μmであることがさらに好ましい。離型層の厚みが0.01μm未満であると、十分な離型性が得られない場合があり、一方、厚みが5.0μmを超えると、コストアップとなるため好ましくない。
本発明において、基材上に離型層を設ける方法は特に限定されない。例えば、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と、架橋剤と、媒体とを含む液状物を作製し、この液状物を基材上に塗布して媒体を乾燥させる方法が、離型層の厚みを均一にしやすく、大量生産が可能という点で好ましい。あるいは、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤とを混合したものを基材上に溶融押出して、離型層を形成してもよい。また、基材を構成する樹脂材料と離型層形成材料とを共押出することにより、離型フィルムを得てもよい。
上記、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤と含む液状物を作製するための媒体として、酸変性エチレン−α−オレフィンおよび架橋剤を溶解または分散することが可能な有機溶剤で、製膜の過程で乾燥することにより除去可能なものを使用することができる。効率よく塗膜から除去させる観点から、有機溶剤の沸点は、150℃以下であることが好ましい。沸点が150℃を超える有機溶剤は、塗膜から乾燥により飛散させることが困難となる傾向にあり、特に塗膜の接着性や耐内容物性等が低下する場合がある。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン(3−ペンタノン)、メチルプロピルケトン(2−ペンタノン)、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2−ペンタノン)、2−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2−へプタノン、3−へプタノン、4−へプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、ベンゼン、ソルベッソ100、ソルベッソ150等の芳香族炭化水素類;ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン等の含ハロゲン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−tert−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、γーブチロラクトン、イソホロン等のエステル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセトニトリル、そのほか、アンモニアを含む、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−ジエタノールアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等の有機アミン化合物;等を挙げることができる。
中でも、安定な液状物が得られ、コーティングを行ないやすいという観点から、トルエン、キシレン、ベンゼン、ソルベッソ100、ソルベッソ150等の芳香族炭化水素類、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素類が好ましく、溶解度の観点からトルエンが特に好ましい。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン(3−ペンタノン)、メチルプロピルケトン(2−ペンタノン)、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2−ペンタノン)、2−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2−へプタノン、3−へプタノン、4−へプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、ベンゼン、ソルベッソ100、ソルベッソ150等の芳香族炭化水素類;ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン等の含ハロゲン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−tert−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、γーブチロラクトン、イソホロン等のエステル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセトニトリル、そのほか、アンモニアを含む、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−ジエタノールアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等の有機アミン化合物;等を挙げることができる。
中でも、安定な液状物が得られ、コーティングを行ないやすいという観点から、トルエン、キシレン、ベンゼン、ソルベッソ100、ソルベッソ150等の芳香族炭化水素類、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素類が好ましく、溶解度の観点からトルエンが特に好ましい。
また、液状物の安定性向上、溶解度の向上、基材への塗工性、塗工外観の改善等の観点から上記の有機溶剤を2種類以上組み合わせて使用してもよい。有機溶剤を2種類以上用いる場合、芳香族炭化水素類と、アルコール類および/またはケトン類と、を組み合わせて使用することが好ましい。有機溶剤を2種類以上用いる場合の芳香族炭化水素類としては、トルエン、キシレンなどが好ましく、アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどが好ましく、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが好ましい。
これらの溶媒を組み合わせて使用することにより、レベリング性が向上し、塗膜の干渉縞が解消され、塗工外観に優れた離型フィルムを得ることができる。干渉縞のある離型フィルムを用いた場合、粘着剤等の表面にも干渉縞が転写されてしまうおそれがあり、光学系の材料に対して使用できなくなることがある。
有機溶剤を2種類以上混合する場合の混合割合は、特に限定されないが、芳香族炭化水素系溶媒と、アルコール類および/またはケトン類との質量比((芳香族炭化水素系溶媒)/(アルコール類および/またはケトン類))は、99/1〜50/50であることが好ましく、97/3〜70/30がより好ましく、95/5〜80/20であることがさらに好ましい。
これらの溶媒を組み合わせて使用することにより、レベリング性が向上し、塗膜の干渉縞が解消され、塗工外観に優れた離型フィルムを得ることができる。干渉縞のある離型フィルムを用いた場合、粘着剤等の表面にも干渉縞が転写されてしまうおそれがあり、光学系の材料に対して使用できなくなることがある。
有機溶剤を2種類以上混合する場合の混合割合は、特に限定されないが、芳香族炭化水素系溶媒と、アルコール類および/またはケトン類との質量比((芳香族炭化水素系溶媒)/(アルコール類および/またはケトン類))は、99/1〜50/50であることが好ましく、97/3〜70/30がより好ましく、95/5〜80/20であることがさらに好ましい。
液状物を基材上に塗布して離型層を形成する方法においては、公知の方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等により、液状物を基材表面に均一に塗布し、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥処理または乾燥のための加熱処理に供することにより、均一な離型層を基材に密着させて形成することができる。
基材上に離型層を形成した後、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤との反応を促進させるために、一定の温度にコントロールされた環境下でエージング処理を行ってもよい。エージング温度は、基材へのダメージを軽減させる観点からは、比較的低いことが好ましいが、反応を十分かつ速やかに進行させるという観点からは、高温で処理することが好ましい。エージング処理は20〜100℃で行うことが好ましく、30〜70℃で行うことがより好ましく、40〜60℃で行うことがさらに好ましい。
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と、架橋剤と、媒体とを含む液状物を作製する方法としては、媒体となる有機溶剤に、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤とを溶解させる方法が挙げられる。
また、液状物を作製する方法として、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性分散体とし、架橋剤を混合する方法が挙げられる。酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性媒体に分散させ、水性分散体を得る方法は特に限定されないが、例えば、密閉可能な容器に酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体、有機溶剤、水などの原料を投入し、槽内の温度を40〜150℃程度の温度に保ちつつ攪拌を行うことにより、水性分散体とする方法などが挙げられる。例えば、国際公開02/055598号パンフレットに記載された方法が挙げられ、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性媒体中で塩基性化合物を用いて中和することにより、良好な水性分散体が得られる。
また、液状物を作製する方法として、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性分散体とし、架橋剤を混合する方法が挙げられる。酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性媒体に分散させ、水性分散体を得る方法は特に限定されないが、例えば、密閉可能な容器に酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体、有機溶剤、水などの原料を投入し、槽内の温度を40〜150℃程度の温度に保ちつつ攪拌を行うことにより、水性分散体とする方法などが挙げられる。例えば、国際公開02/055598号パンフレットに記載された方法が挙げられ、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性媒体中で塩基性化合物を用いて中和することにより、良好な水性分散体が得られる。
液状物における固形分の含有率は、離型層の形成条件や厚み、性能等により適宜選択することができ、特に限定されるものではないが、液状物の粘度を適度に保ち、かつ良好な離型層を形成させるためには、1〜60質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。
本発明の離型フィルムを構成する離型層は、様々な材料に対して良好な離型性を有することから、様々な材料に対して使用することができるが、特に粘着材料に対して好適に使用することができる。
粘着材料としては、粘着シート、接着シート、粘着テープ、接着テープなどが挙げられる。より具体的には、基材に粘着剤が積層されたものである。粘着剤の成分や基材は特に限定されないが、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤が挙げられ、ここには、ロジン系、クマロン−インデン系、テルペン系、石油系、スチレン系、フェノール系、キシレン系などの粘着付与剤が含まれていてもよい。基材としては、上述の、紙、布、樹脂材料などが挙げられる。
粘着材料としては、粘着シート、接着シート、粘着テープ、接着テープなどが挙げられる。より具体的には、基材に粘着剤が積層されたものである。粘着剤の成分や基材は特に限定されないが、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤が挙げられ、ここには、ロジン系、クマロン−インデン系、テルペン系、石油系、スチレン系、フェノール系、キシレン系などの粘着付与剤が含まれていてもよい。基材としては、上述の、紙、布、樹脂材料などが挙げられる。
本発明の離型フィルムを構成する離型層は、粘着材料から高速で剥離しても、剥離時にジッピングやスティックスリップと呼ばれる現象が起こりにくい。したがって、スムーズに剥がすことができるので、粘着材料の表面の状態が粗くなることにより透明性が低下したり、粘着性が低下することを抑制したりすることができる。
また、粘着材料に対して使用される離型フィルムは、その取り扱い上、離型性に優れるものが求められており、たとえば、アクリル系粘着材料との剥離強度が0.5N/cm以下であるものが求められている。本発明の離型フィルムを構成する離型層は、アクリル系粘着材料に対して使用した場合、アクリル系粘着材料を貼り付けて、放置した後の離型層とアクリル系粘着材料との間の剥離強度を、0.5N/cm以下とすることができ、より好ましくは、0.4N/cm以下、さらに好ましくは0.3N/cm以下、最も好ましくは、0.2N/cm以下とすることができる。アクリル系粘着材料との剥離強度が0.5N/cmを超える場合、離型フィルムを粘着材料から剥離する際に、抵抗を感じたり、粘着材を剥離する際ジッピングやスティックスリップと呼ばれる現象が起こり、表面が荒れて白化することがある。また、基材レス粘着シートを剥離する場合には、粘着シートが延びて変形したり、破れることがあるので好ましくない。
ジッピングやスティックスリップと呼ばれる現象は、剥離が重いために被着体が持ち上がってしまい、剥離角が変動することによって起こり、剥離方向に対し垂直方向に横段模様を伴いながらバチバチと音がすることが多い。
また、粘着材料に対して使用される離型フィルムは、その取り扱い上、離型性に優れるものが求められており、たとえば、アクリル系粘着材料との剥離強度が0.5N/cm以下であるものが求められている。本発明の離型フィルムを構成する離型層は、アクリル系粘着材料に対して使用した場合、アクリル系粘着材料を貼り付けて、放置した後の離型層とアクリル系粘着材料との間の剥離強度を、0.5N/cm以下とすることができ、より好ましくは、0.4N/cm以下、さらに好ましくは0.3N/cm以下、最も好ましくは、0.2N/cm以下とすることができる。アクリル系粘着材料との剥離強度が0.5N/cmを超える場合、離型フィルムを粘着材料から剥離する際に、抵抗を感じたり、粘着材を剥離する際ジッピングやスティックスリップと呼ばれる現象が起こり、表面が荒れて白化することがある。また、基材レス粘着シートを剥離する場合には、粘着シートが延びて変形したり、破れることがあるので好ましくない。
ジッピングやスティックスリップと呼ばれる現象は、剥離が重いために被着体が持ち上がってしまい、剥離角が変動することによって起こり、剥離方向に対し垂直方向に横段模様を伴いながらバチバチと音がすることが多い。
本発明の離型フィルムを構成する離型層は、耐熱性に優れるため、離型フィルムが貼り付けられた粘着材料が、保管、流通の過程において、高温下に長時間曝されても、粘着材料と強く接着することがない。すなわち、離型フィルムの離型層側にアクリル系粘着剤を貼り付けて、70℃、20時間の熱処理後の離型層とアクリル系粘着材料との間の剥離強度を、0.5N/cm以下とすることができ、より好ましくは、0.4N/cm以下、さらに好ましくは0.3N/cm以下、最も好ましくは、0.2N/cm以下とすることができる。アクリル系粘着材料との剥離強度が0.5N/cmを超える場合、粘着材を剥離する際ジッピングやスティックスリップと呼ばれる現象が起こり、表面があれて白化することがある。
本発明の離型フィルムを構成する離型層は、工程および被着体に対して汚染を生じないものであり、また、本発明の離型フィルムをロール状に巻いても、離型層が設けられた面の反対面、すなわち帯電防止層面が、離型層によって汚染されることがない。
次に、本発明の離型フィルムを構成する基材の他方の面に設けられた帯電防止層について説明する。
本発明の帯電防止層は、その表面固有抵抗値が23℃、50%RHにおいて、1×1012Ω/□未満とする必要があり、1×1011Ω/□未満であることが好ましく、1×1010Ω/□未満であることがより好ましい。なお、一般的に表面固有抵抗値が1×1012Ω/□未満であれば帯電防止性能を有しているといえる。
本発明の帯電防止層を形成する方法については特に限定されるものではなく、溶融混練などにより、あらかじめ基材に帯電防止剤を含有させておく方法や基材に帯電防止性能を有する塗工液を塗布、乾燥して帯電防止層を形成する方法などがある。
あらかじめ基材に含有させておく帯電防止剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラックなどの無機物や、導電性ポリマー、有機系界面活性剤などの有機物が挙げられる。
基材に帯電防止性能を有する塗工液を塗布、乾燥する塗工液としては、例えば、酸化スズや4級アンモニウム塩などを含有した塗工液が挙げられる。
離型フィルムを電気部品用途で使用する場合、金属物の含有量は少ない方が好ましい。また、基材に帯電防止剤を練り込む場合、粒子径の大きい無機物を使用すると、基材表面に形成された凹凸が、相手材に転写してしまう場合があるため、粒子径が小さい方が好ましい。
さらに、導電性ポリマーや有機系界面活性剤を用いる場合には、生産後の経時変化により基材表面にブリードアウトさせることで、帯電防止性能を発現する場合があるが、これにより接触する相手材に帯電防止剤が転写してしまう場合がある。
上記の観点から、本発明で用いる帯電防止層としては、4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有する重合体(A)、および2種類以上の架橋剤(B)を含有するものを用いることが好ましい。
さらに、導電性ポリマーや有機系界面活性剤を用いる場合には、生産後の経時変化により基材表面にブリードアウトさせることで、帯電防止性能を発現する場合があるが、これにより接触する相手材に帯電防止剤が転写してしまう場合がある。
上記の観点から、本発明で用いる帯電防止層としては、4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有する重合体(A)、および2種類以上の架橋剤(B)を含有するものを用いることが好ましい。
4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有する重合体(A)、および2種類以上の架橋剤(B)を含有する帯電防止層を形成する場合、前記(A)、(B)を含有する塗工液を基材に塗布し、塗工液の塗布された基材を乾燥する方法によって、工業的に簡便に形成することができ、帯電防止層と反対面の離型層の帯電を効果的に抑制することができる。
帯電防止層に含まれる4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有する重合体(A)は、静電分極緩和性を有する高分子(イオン伝導高分子)であればよく、重合体(A)中の4級アンモニウム塩は、静電分極性とイオン導電性による速やかな静電分極緩和性を付与することができる。
重合体(A)としては、4級アンモンニウム基を側鎖に有するとともに、カルボキシル基も側鎖に有するポリアクリル共重合体が好ましい。ポリアクリル共重合体は架橋剤との架橋反応により、接着性、耐久性、耐熱性などの特性が著しく向上するとともに、重合体の静電分極緩和性能により、基材に効果的な帯電防止性を付与することができる。なお、重合体(A)が水溶性又は水分散性であると、有機溶剤を使用せずに基材に塗工できるので好ましい。
ポリアクリル共重合体を構成する4級アンモニウム塩を有する単量体としては、対イオンがメチルサルフェートまたはエチルサルフェートのジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート4級化物などが挙げられ、カルボキシル基を有する単量体としては(メタ)アクリル酸が挙げられ、さらに、その他の単量体として(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、その他のビニル誘導体が挙げられる。
これらの単量体の組成比は広い範囲で変えることができるが、4級アンモニウム基を有する単量体は、共重合体の全単量体に対して15〜25mol%であることが好ましく、カルボキシル基を有する単量体は、5〜10mol%であることが好ましく、その他の単量体は、65〜80mol%であることが好ましい。4級アンモニウム基を有する単量体やカルボキシル基を有する単量体の共重合量がこの範囲を超えると、得られる重合体(A)を用いた塗工液は、粘度が上昇し、基材への塗工性が低下することがある。
本発明では、側鎖の4級アンモニウム基の対イオンとしてアルキルサルフェートイオンを使用することが好ましい。アルキルサルフェートイオンの具体例としては、メチルサルフェート、エチルサルフェートなどが例示される。これらのイオンは本重合体中に1種または2種以上が用いられる。
本発明において、帯電防止層に用いる架橋剤(B)としては、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール等が挙げられ、これらの架橋剤2種類以上を併用することが必要である。架橋剤を1種類のみ用いた場合、塗膜の凝集性・密着性が不十分であり、シールバー取られが発生することがある。なお、架橋剤(B)も、有機溶剤を使用せずに基材に塗工するためには、水溶性又は水分散性であることが好ましい。
エポキシ化合物としては、ジエチレングリコールジグリシジールエーテル、グリセリンジグリシジールエーテル、ビスフェノールAジグリシジールエーテルなどの2官能誘導体、トリメチロールプロパントリグリシジールエーテルなどの3官能誘導体などが挙げられる。なおエポキシ化合物は、原料にエピクロヒドリンを使用する関係から塩素イオンの残留が避けられないので、可能な限り塩素イオンを除去したものが好ましい。
メラミン系樹脂としては、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、トリスメトキシメチルメラミン、ヘキサキスメトキシメチルメラミンなどが挙げられる。
イソシアネート化合物としては、トルエンジイソシアネートやジフェニルメタンジイソシアネートなどのような芳香族ポリイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ブタンジイソシアネートなどのような脂肪族ポリイソシアネート及びこれらの誘導体が挙げられ、反応性を調整し塗工液の安定性を高める点でブロックイソシアネート化合物が好ましい。塗工液が水系の場合には、ブロックイソシアネートの水分散体が好ましく、液の安定性という点でノニオン系水分散体が特に好ましい。
シランカップリング剤としては、エポキシアルキルシラン、アミノアルキルシラン類が挙げられ、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が好ましい。
ポリエチレンイミンとしては、一級、二級、三級アミンからなる枝分かれ構造を有する高極性・高密度ポリアミンが挙げられる。そのほかに水溶性樹脂としてポリビニルアルコール樹脂などが挙げられ、ポリビニルアルコール樹脂はケン化度が89%以上、分子量が100〜1000であるものが好ましい。
本発明の離型フィルムを構成する帯電防止層において、重合体(A)と架橋剤(B)との固形分質量比(A/B)は、95/5〜70/30であることが好ましく、90/10〜80/20であることがより好ましい。架橋剤(B)が5質量%未満であると基材と帯電防止層の密着性が悪化することがあり、30質量%を超えると帯電防止性能が低下することがある。
なお、架橋剤(B)の触媒として、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール誘導体、ポリアミン、ポリエチレンイミン誘導体などのエポキシ開環反応触媒、パラトルエンスルホン酸のようなメラミン架橋用触媒、イミダゾール、有機錫化合物などのウレタン架橋用触媒等を用いてもよい。これらの触媒の量は特に規定されないが、重合体(A)と架橋剤(B)との合計質量に対して5〜30質量%、特に5〜15質量%であることが好ましい。触媒量が30質量%を超えると帯電防止層が脆くなり、高湿下ではべたつきなどが生じやすくなる。
本発明において帯電防止層を形成する際に使用する塗工液には、上記重合体(A)、架橋剤(B)に加えて、界面活性剤(C)および分散消泡剤(D)を含有していることが好ましい。
界面活性剤(C)は、静電分極緩和性を有する重合体(A)の帯電防止性能をより引き出すために、特に湿度に依存せずに帯電防止性を安定させるため添加することが好ましく、低分子イオン伝導タイプの界面活性剤を好適用いることができる。具体的には、一般的なアニオン系界面活性剤、カチオン系界面剤、ノニオン系界面活性剤から選択することができる。特に4級アンモンニウム塩を有する化合物、スルホン酸塩を有する化合物が、塗工液との相溶性、塗工適性、接着性、耐ブロッキング性から好ましい。
界面活性剤(C)の添加量(固形分)は、重合体(A)と架橋剤(B)の固形分の合計100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。添加量が1質量部未満であると、帯電防止の効果が十分でなく、10質量部を超えると、基材の塗工面の反対面を汚染することがある。
分散消泡剤(D)としては、ノニオン系界面活性剤が挙げられ、アセチレングリコール系化合物やそのエチレンオキシド付加体が好ましい。具体的には、3,6−ジメチル−4−デシン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、およびこれらにエチレンオキサイドを付加した化合物も有効である。
分散消泡剤(D)の添加量は、塗工液100質量部に対して通常使用される量より多い0.5〜3質量部であることが好ましい。
分散消泡剤(D)を塗工液に添加することによって、極性の高い重合体(A)、架橋剤(B)、及び界面活性剤(C)を混合均一分散して塗工液を調合することが可能となり、またこれにより、塗工時の発泡を抑えることができ、塗膜の均一性に優れた帯電防止層を得ることができる。
本発明における帯電防止層は、重合体(A)、架橋剤(B)、界面活性剤(C)、及び分散消泡剤(D)を含有する塗工液を塗布、乾燥して形成することが好ましい。塗工液は、生産工程での安全性、衛生性の観点から水溶性および又は水分散溶体であることが好ましい。また、塗工液の濃度は、5〜30質量%が好ましく、塗工作業性から10〜20質量%がさらに好ましい。
本発明の帯電防止層の厚さは、0.05〜0.5μmであることが好ましい。帯電防止層の厚さが0.05μm未満であると帯電防止性能が発現しないことがあり、0.5μmを超えると帯電防止性能が飽和し、塗工粘度を高く設定する必要があるため外観不良が生じやすくなる。
本発明における樹脂層は、離型層、帯電防止層の積層順序は限定されず、離型層の後に帯電防止層、帯電防止層の後に離型層、もしくは同時塗工によって設けることができる。
本発明の離型フィルムは、例えば液晶ディスプレイ用部品の偏光板、位相差偏光板、位相差板などの保護材料として好適に用いることができる。
本発明の離型フィルムは、プリプレグの工程材料としても用いられるものであり、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの樹脂および硬化剤等を含む溶液を、塗布、乾燥してシートを形成する際のキャリアシートとして、好適に使用することができる。
本発明の離型フィルムは、耐熱性も併せ持つため、硬化工程における高温処理後においても、離型性を維持することができる。プリプレグは、補強効果を高めるために、炭素繊維やガラス繊維等の織物等の補強材が使用されていてもよい。プリプレグが使用される工程としては、プリント配線板のプレス工程、航空機、自転車、風車等の構造部材の成形工程、ゴルフシャフト、テニスラケット等のスポーツ・レジャー用品の成形工程が挙げられる。プリント配線板としては、片面プリント配線板、両面プリント配線板、フレキシブルプリント配線板、多層プリント配線板などが挙げられる。
本発明の離型フィルムは、耐熱性も併せ持つため、硬化工程における高温処理後においても、離型性を維持することができる。プリプレグは、補強効果を高めるために、炭素繊維やガラス繊維等の織物等の補強材が使用されていてもよい。プリプレグが使用される工程としては、プリント配線板のプレス工程、航空機、自転車、風車等の構造部材の成形工程、ゴルフシャフト、テニスラケット等のスポーツ・レジャー用品の成形工程が挙げられる。プリント配線板としては、片面プリント配線板、両面プリント配線板、フレキシブルプリント配線板、多層プリント配線板などが挙げられる。
本発明の離型フィルムをベース基材として用いて製造することができるシート状構造体の例としては、シリコーンゴムやフッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴムシート、塩化ビニルやウレタンからなる合成皮革、パーフロロスルホン酸樹脂などの高分子電解質などからなるイオン交換膜や、誘電体セラミックスやガラスなどからなるセラミックグリーンシート、放熱材料等を含有する放熱シート等が挙げられる。
これらの製造工程においては、ベース基材となる本発明の離型フィルム上に、溶媒でペースト状あるいはスラリー状とした原料を塗布、乾燥することにより、シート状構造体を形成することができる。あるいは、離型フィルム上に、溶融させた樹脂を押出すことにより、シート状構造体を形成することができる。
これらの製造工程においては、ベース基材となる本発明の離型フィルム上に、溶媒でペースト状あるいはスラリー状とした原料を塗布、乾燥することにより、シート状構造体を形成することができる。あるいは、離型フィルム上に、溶融させた樹脂を押出すことにより、シート状構造体を形成することができる。
本発明の離型フィルムを転写印刷用に使用する場合、本発明の離型フィルム上にコーティングすることによって、印刷層、電極、保護層などの様々な機能層を形成し、離型フィルム上の機能層を、被転写体に対して、加熱、圧着することにより、被転写体に機能層を転写し、次いで離型フィルムを、機能層から剥離する。このように、本発明の離型フィルムはスタンピング箔とも呼ばれるものに使用することができる。機能層としては、メタリック箔、顔料箔、多色印刷箔、ホログラム箔、静電気破壊箔、ハーフミラーメタリック箔等が挙げられる。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。離型フィルムの特性は下記の方法で測定した。
(1)酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の不飽和カルボン酸成分含有量
オレフィン成分全量に対する不飽和カルボン酸成分の含有量は、下記に示す方法(A)または(B)を用いて求めた。
(A):酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の酸価をJIS K5407に準じて測定し、その値から不飽和カルボン酸の含有量(グラフト率)を次式から求めた。
含有量(質量%)=(グラフトした不飽和カルボン酸の質量)/(原料ポリオレフィン樹脂の質量)×100
(B):赤外吸収スペクトル分析(Perkin Elmer社製フーリエ変換赤外分光光度計 System−2000、分解能4cm−1)を行い、不飽和カルボン酸成分の含有量を求めた。
オレフィン成分全量に対する不飽和カルボン酸成分の含有量は、下記に示す方法(A)または(B)を用いて求めた。
(A):酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の酸価をJIS K5407に準じて測定し、その値から不飽和カルボン酸の含有量(グラフト率)を次式から求めた。
含有量(質量%)=(グラフトした不飽和カルボン酸の質量)/(原料ポリオレフィン樹脂の質量)×100
(B):赤外吸収スペクトル分析(Perkin Elmer社製フーリエ変換赤外分光光度計 System−2000、分解能4cm−1)を行い、不飽和カルボン酸成分の含有量を求めた。
(2)不飽和カルボン酸成分以外の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の構成
オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて、1H−NMR、13C−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い、求めた。13C−NMR分析では定量性を考慮したゲート付きデカップリング法を用いて測定した。
オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて、1H−NMR、13C−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い、求めた。13C−NMR分析では定量性を考慮したゲート付きデカップリング法を用いて測定した。
(3)酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレート
JIS K7210(230℃、2160g荷重)に準拠する方法で測定した。
JIS K7210(230℃、2160g荷重)に準拠する方法で測定した。
(4)アクリル系粘着剤に対する剥離強度(25℃)
得られた離型フィルムの離型層側に、巾50mm、長さ150mmのポリエステル粘着テープ(日東電工社製、No.31B/アクリル系粘着剤)をゴムロールで圧着して、試料とした。試料を、金属板/ゴム板/試料/ゴム板/金属板の形で挟み、2kPa荷重、25℃の雰囲気で20時間静置し、剥離強度測定用試料を得た。剥離強度測定用試料の、粘着テープと離型フィルムとの剥離強度を、25℃の恒温室で、引張試験機(島津製作所社製オートグラフAGS−100B)にて測定した。剥離角度は180℃、剥離速度は300mm/分とした。
得られた離型フィルムの離型層側に、巾50mm、長さ150mmのポリエステル粘着テープ(日東電工社製、No.31B/アクリル系粘着剤)をゴムロールで圧着して、試料とした。試料を、金属板/ゴム板/試料/ゴム板/金属板の形で挟み、2kPa荷重、25℃の雰囲気で20時間静置し、剥離強度測定用試料を得た。剥離強度測定用試料の、粘着テープと離型フィルムとの剥離強度を、25℃の恒温室で、引張試験機(島津製作所社製オートグラフAGS−100B)にて測定した。剥離角度は180℃、剥離速度は300mm/分とした。
(5)アクリル系粘着剤に対する剥離強度(70℃)
試料をゴムロールで圧着し、静置する際の条件を、70℃、20時間とした以外は上記(4)に記載の方法で剥離強度測定用試料を得た。この剥離強度測定用試料の、粘着テープと離型フィルムとの剥離強度を、上記(4)に記載の方法で測定した。
試料をゴムロールで圧着し、静置する際の条件を、70℃、20時間とした以外は上記(4)に記載の方法で剥離強度測定用試料を得た。この剥離強度測定用試料の、粘着テープと離型フィルムとの剥離強度を、上記(4)に記載の方法で測定した。
(6)高速剥離性
上記(4)に記載された方法で得られた剥離強度測定用試料を用いて、その離型フィルム部分を両面テープにてステンレス板に固定し、粘着テープの端部を手で持ち、一気に剥離(剥離速度約30m/分)した際の、手の感触及び剥離時に発する音で、下記指標にて評価を行った。
実用上、下記評価の○であることが好ましい。
○:音がなく、抵抗感なく剥離ができる。
△:ジッピングによる音が発生し、剥離時に抵抗を感じる。
×:ジッピングにより大きな音が発生し、剥離時の抵抗が大きいため、剥離速度約30m/分での剥離ができない。
上記(4)に記載された方法で得られた剥離強度測定用試料を用いて、その離型フィルム部分を両面テープにてステンレス板に固定し、粘着テープの端部を手で持ち、一気に剥離(剥離速度約30m/分)した際の、手の感触及び剥離時に発する音で、下記指標にて評価を行った。
実用上、下記評価の○であることが好ましい。
○:音がなく、抵抗感なく剥離ができる。
△:ジッピングによる音が発生し、剥離時に抵抗を感じる。
×:ジッピングにより大きな音が発生し、剥離時の抵抗が大きいため、剥離速度約30m/分での剥離ができない。
(7)残留接着率
前記(4)の剥離強度試験(常温)、(5)の剥離強度試験(70℃)および(6)の高速剥離試験により離型フィルム表面から剥離した巾50mm、長さ150mmのポリエステル粘着テープ(日東電工社製No.31B/アクリル系粘着剤)を、それぞれステンレス板(SUS304 厚さ1mm)に貼付し、2kPa荷重、室温で20時間放置した。その後、ポリエステル粘着テープとステンレス板の剥離強度を、25℃の恒温室で引張試験機(インテスコ社製、精密万能材料試験機、2020型)にて測定した。剥離角度は180度、剥離速度は300mm/分とした。この測定により得られた剥離強度を、それぞれF1(4)、F1(5)、F1(6)とした。
ステンレス板(SUS304 厚さ1mm)に、巾50mm、長さ150mmのポリエステル粘着テープ(日東電工社製No.31B/アクリル系粘着剤)を貼付し、2kPa荷重、室温で20時間放置した。その後、ポリエステル粘着テープとフィルムの剥離強度を、25℃の恒温室で引張試験機(インテスコ社製、精密万能材料試験機、2020型)にて測定(剥離角度は180度、剥離速度は300mm/分)し、得られた剥離強度をF2とした。
下記式を用いて、それぞれの粘着テープの残留接着率を得た。
常温放置後の残留接着率(%)=(F1(4)/F2)×100
70℃放置後の残留接着率(%)=(F1(5)/F2)×100
高速剥離後の残留接着率(%)=(F1(6)/F2)×100
粘着テープの粘着剤表面が離型フィルムにより汚染されたり、剥離の際に粘着テープの表面が著しく粗くなった場合、粘着テープの再粘着性が低下し、粘着テープとしての性能を損なう。したがって、残留接着率は高い方が好ましい。
前記(4)の剥離強度試験(常温)、(5)の剥離強度試験(70℃)および(6)の高速剥離試験により離型フィルム表面から剥離した巾50mm、長さ150mmのポリエステル粘着テープ(日東電工社製No.31B/アクリル系粘着剤)を、それぞれステンレス板(SUS304 厚さ1mm)に貼付し、2kPa荷重、室温で20時間放置した。その後、ポリエステル粘着テープとステンレス板の剥離強度を、25℃の恒温室で引張試験機(インテスコ社製、精密万能材料試験機、2020型)にて測定した。剥離角度は180度、剥離速度は300mm/分とした。この測定により得られた剥離強度を、それぞれF1(4)、F1(5)、F1(6)とした。
ステンレス板(SUS304 厚さ1mm)に、巾50mm、長さ150mmのポリエステル粘着テープ(日東電工社製No.31B/アクリル系粘着剤)を貼付し、2kPa荷重、室温で20時間放置した。その後、ポリエステル粘着テープとフィルムの剥離強度を、25℃の恒温室で引張試験機(インテスコ社製、精密万能材料試験機、2020型)にて測定(剥離角度は180度、剥離速度は300mm/分)し、得られた剥離強度をF2とした。
下記式を用いて、それぞれの粘着テープの残留接着率を得た。
常温放置後の残留接着率(%)=(F1(4)/F2)×100
70℃放置後の残留接着率(%)=(F1(5)/F2)×100
高速剥離後の残留接着率(%)=(F1(6)/F2)×100
粘着テープの粘着剤表面が離型フィルムにより汚染されたり、剥離の際に粘着テープの表面が著しく粗くなった場合、粘着テープの再粘着性が低下し、粘着テープとしての性能を損なう。したがって、残留接着率は高い方が好ましい。
(8)帯電防止性
帯電防止性は、両面に樹脂層を設けたポリエステルフィルムの帯電防止層表面の表面固有抵抗値をもって評価した。積層ポリエステルフィルムを温度23℃、湿度50%RH下で3時間静置し、調湿後、同温度、湿度においてダイアインスツルメンツ社製高抵抗計HT−260測定器を用いて、印加電圧500V−10秒後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定した 。
帯電防止性は、両面に樹脂層を設けたポリエステルフィルムの帯電防止層表面の表面固有抵抗値をもって評価した。積層ポリエステルフィルムを温度23℃、湿度50%RH下で3時間静置し、調湿後、同温度、湿度においてダイアインスツルメンツ社製高抵抗計HT−260測定器を用いて、印加電圧500V−10秒後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定した 。
(9)灰付着高さ
長さ方向に200mm、幅方向に25mmのサイズの試験片を温度23℃、湿度50%RH下で2時間以上調湿後、試験片の離型層面を綿布と往復20回強く摩擦し、摩擦した試験片を真直ぐに引張った状態で、離型層面を下面にして、上質紙の上に広げたたばこ灰(60℃で2時間以上乾燥したもの)の上に保持し、試験片に灰が付着するまで、試験片を徐々に下降させ、灰の付着が観察される位置をスケールにて5mm単位で読み取った。なお、たばこ灰から5mmの高さでも試験片に灰が付着しなかった場合は、0mmとした。
長さ方向に200mm、幅方向に25mmのサイズの試験片を温度23℃、湿度50%RH下で2時間以上調湿後、試験片の離型層面を綿布と往復20回強く摩擦し、摩擦した試験片を真直ぐに引張った状態で、離型層面を下面にして、上質紙の上に広げたたばこ灰(60℃で2時間以上乾燥したもの)の上に保持し、試験片に灰が付着するまで、試験片を徐々に下降させ、灰の付着が観察される位置をスケールにて5mm単位で読み取った。なお、たばこ灰から5mmの高さでも試験片に灰が付着しなかった場合は、0mmとした。
(10)耐ブロッキング性
得られた離型フィルムを50mm×50mmの大きさに2枚切り出し、樹脂層と樹脂層反対面とが接触するように重ね合せ、60℃で10kPaの荷重をかけた状態で、24時間静置したあと、荷重を取り除いて室温まで冷却した後、樹脂層と樹脂層反対面との密着状態を調べることで耐ブロッキング性を評価した。
○:2枚のフィルムに密着が見られない、または、2枚のフィルムが簡単に剥がれ、樹脂層に白化などの変化が見られない。
×:樹脂層が凝集破壊を起こす、または、2枚のフィルムを剥がした後の樹脂層が全体的に白くなっている。
得られた離型フィルムを50mm×50mmの大きさに2枚切り出し、樹脂層と樹脂層反対面とが接触するように重ね合せ、60℃で10kPaの荷重をかけた状態で、24時間静置したあと、荷重を取り除いて室温まで冷却した後、樹脂層と樹脂層反対面との密着状態を調べることで耐ブロッキング性を評価した。
○:2枚のフィルムに密着が見られない、または、2枚のフィルムが簡単に剥がれ、樹脂層に白化などの変化が見られない。
×:樹脂層が凝集破壊を起こす、または、2枚のフィルムを剥がした後の樹脂層が全体的に白くなっている。
離型層を形成する樹脂層を構成する樹脂として、次のものを使用した。
P−1:
エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)100gを、4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下で、130℃に加熱したキシレン400gに溶解させた。次いで、この溶液に、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)10gおよびジクミルパーオキサイドのトルエン溶液(10質量%)5gをそれぞれ30分間かけて加え、その後、系内を130℃に保って、4時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥して得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−1を使用した。
P−1:
エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)100gを、4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下で、130℃に加熱したキシレン400gに溶解させた。次いで、この溶液に、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)10gおよびジクミルパーオキサイドのトルエン溶液(10質量%)5gをそれぞれ30分間かけて加え、その後、系内を130℃に保って、4時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥して得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−1を使用した。
P−2:
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をエチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=55/45質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−2を使用した。
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をエチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=55/45質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−2を使用した。
P−3:
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をエチレン−ブテン共重合体(エチレン/1−ブテン=75/25質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−3を使用した。
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をエチレン−ブテン共重合体(エチレン/1−ブテン=75/25質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−3を使用した。
P−4:
P−1の製造において、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)の量を20gに変更した以外は同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−4を使用した。
P−1の製造において、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)の量を20gに変更した以外は同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−4を使用した。
P−5:
P−1の製造において、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)の量を40gおよびジクミルパーオキサイドのトルエン溶液(10質量%)の量を7gに変更した以外は、同様の操作を行って得た、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−5を使用した。
P−1の製造において、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)の量を40gおよびジクミルパーオキサイドのトルエン溶液(10質量%)の量を7gに変更した以外は、同様の操作を行って得た、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−5を使用した。
P−6:
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をプロピレン−1−ブテン共重合体(プロピレン/ブテン=70/30質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性プロピレン−α−オレフィン共重合体P−6を使用した。
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をプロピレン−1−ブテン共重合体(プロピレン/ブテン=70/30質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性プロピレン−α−オレフィン共重合体P−6を使用した。
P−7:
アルケマ社製、ボンダイン「LX−4110」(無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂)を使用した。
アルケマ社製、ボンダイン「LX−4110」(無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂)を使用した。
P−8:
クラレ社製、クラプレン「LIR−403」(酸変性ポリイソプレン、数平均分子量34000、酸価9〜11mgKOH/g)を使用した。
クラレ社製、クラプレン「LIR−403」(酸変性ポリイソプレン、数平均分子量34000、酸価9〜11mgKOH/g)を使用した。
P−9:
酸変性されていないエチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)を使用した。
酸変性されていないエチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)を使用した。
上記樹脂層を構成する樹脂P−1〜P−9の組成、特性を表1に示す。
<帯電防止層形成用液状物を調製するための塗工液T−1の製造>
重合体(A)として、重合体(A−1)(メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸/ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルサルフェート4級化物を、45/5/5/45の質量比で共重合したもの、固形分濃度30質量%)30kg(固形分9kg)を用い、これに、架橋剤(B)としてポリエチレンイミン(日本触媒社製、P−1000、固形分濃度30質量%)3kg(固形分0.9kg)を加えて、プロペラ攪拌機で強く撹拌した後に、界面活性剤(C)としてアデカミン4MAC−30(旭電化工業社製、固形分濃度30質量%)1kg(固形分0.3kg)を添加し撹拌した。次に分散消泡剤(D)としてオルフインE1004(日信化学工業社製、有効成分100質量%)1kgを添加後、30分間撹拌し、さらに撹拌しながら、2種類目の架橋剤(B)としてエポキシ化合物(ナガセ化成工業社製、デナコールEX1610、固形分濃度100質量%)1kg(固形分1kg)を添加し、60分間撹拌した。次いで純水で希釈して、総固形分濃度を12.8質量%に調整し、更に30分撹拌後、停止し脱泡して、塗工液T−2を得た。なお、塗工液の調製は20〜25℃で行った。
<帯電防止層形成用液状物を調製するための塗工液T−2の製造>
T−1において純水による希釈で固形分濃度を5.0質量%に調整したこと以外はT−1と同様の方法でT−2とした。
<帯電防止層形成用液状物を調製するための塗工液T−3の製造>
T−1において、架橋剤(B)としてポリエチレンイミン(日本触媒社製、P−1000、固形分濃度30質量%)の添加量を0.7kg(固形分0.2kg)、2種類目の架橋剤(B)としてエポキシ化合物(ナガセ化成工業社製、デナコールEX1610、固形分濃度100質量%)の添加量を0.8kg(固形分0.8kg)に変更したこと以外はT−1と同様の方法でT−3とした。
重合体(A)として、重合体(A−1)(メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸/ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルサルフェート4級化物を、45/5/5/45の質量比で共重合したもの、固形分濃度30質量%)30kg(固形分9kg)を用い、これに、架橋剤(B)としてポリエチレンイミン(日本触媒社製、P−1000、固形分濃度30質量%)3kg(固形分0.9kg)を加えて、プロペラ攪拌機で強く撹拌した後に、界面活性剤(C)としてアデカミン4MAC−30(旭電化工業社製、固形分濃度30質量%)1kg(固形分0.3kg)を添加し撹拌した。次に分散消泡剤(D)としてオルフインE1004(日信化学工業社製、有効成分100質量%)1kgを添加後、30分間撹拌し、さらに撹拌しながら、2種類目の架橋剤(B)としてエポキシ化合物(ナガセ化成工業社製、デナコールEX1610、固形分濃度100質量%)1kg(固形分1kg)を添加し、60分間撹拌した。次いで純水で希釈して、総固形分濃度を12.8質量%に調整し、更に30分撹拌後、停止し脱泡して、塗工液T−2を得た。なお、塗工液の調製は20〜25℃で行った。
<帯電防止層形成用液状物を調製するための塗工液T−2の製造>
T−1において純水による希釈で固形分濃度を5.0質量%に調整したこと以外はT−1と同様の方法でT−2とした。
<帯電防止層形成用液状物を調製するための塗工液T−3の製造>
T−1において、架橋剤(B)としてポリエチレンイミン(日本触媒社製、P−1000、固形分濃度30質量%)の添加量を0.7kg(固形分0.2kg)、2種類目の架橋剤(B)としてエポキシ化合物(ナガセ化成工業社製、デナコールEX1610、固形分濃度100質量%)の添加量を0.8kg(固形分0.8kg)に変更したこと以外はT−1と同様の方法でT−3とした。
実施例1
<ポリエステルフィルムの製造と帯電防止層の形成>
平均粒径2.3μmの無定形シリカ粒子を0.08質量%含有するポリエチレンテレフタレートを280℃で溶融押出し、Tダイ法−静電ピニング方式でキャスティングドラムに密着急冷し、厚さ600μmの未延伸フィルムを成形した。続いてこの未延伸フィルムを90℃に加熱した縦延伸ロールで3.5倍に延伸した。この縦延伸したフィルムの片面に、リバースクラビアコーターを用いて、塗工液T−1を5g/m2(WET換算)の塗布量になるように塗工し、横延伸テンターを用いて120℃で4.5倍延伸後、230℃で10秒間熱処理したのち、冷却し巻き取った。得られた帯電防止ポリエステルフィルムの厚さは38μmであり、帯電防止層はおよそ0.15μmであった。
<離型層の形成>
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−1をトルエンに溶解させて、2質量%の溶液を作製した。酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と、オキサゾリン化合物の溶液(日本触媒社製、エポクロス「WS−500」、固形分濃度:39質量%、イソプロピルアルコールで希釈)とを、オキサゾリン化合物の固形分が、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、2質量部となるように混合して得た液状物を得た。得られた液状物を、上記の方法で得た帯電防止性能を有する樹脂層を形成したポリエステルフィルムの、帯電防止層を形成した反対面に対して、マイヤーバーを用いてコートした後、140℃で15秒間乾燥させて樹脂層厚み0.2μmの離型層を形成させた後、50℃で2日間エージングを行った。
<ポリエステルフィルムの製造と帯電防止層の形成>
平均粒径2.3μmの無定形シリカ粒子を0.08質量%含有するポリエチレンテレフタレートを280℃で溶融押出し、Tダイ法−静電ピニング方式でキャスティングドラムに密着急冷し、厚さ600μmの未延伸フィルムを成形した。続いてこの未延伸フィルムを90℃に加熱した縦延伸ロールで3.5倍に延伸した。この縦延伸したフィルムの片面に、リバースクラビアコーターを用いて、塗工液T−1を5g/m2(WET換算)の塗布量になるように塗工し、横延伸テンターを用いて120℃で4.5倍延伸後、230℃で10秒間熱処理したのち、冷却し巻き取った。得られた帯電防止ポリエステルフィルムの厚さは38μmであり、帯電防止層はおよそ0.15μmであった。
<離型層の形成>
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−1をトルエンに溶解させて、2質量%の溶液を作製した。酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と、オキサゾリン化合物の溶液(日本触媒社製、エポクロス「WS−500」、固形分濃度:39質量%、イソプロピルアルコールで希釈)とを、オキサゾリン化合物の固形分が、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、2質量部となるように混合して得た液状物を得た。得られた液状物を、上記の方法で得た帯電防止性能を有する樹脂層を形成したポリエステルフィルムの、帯電防止層を形成した反対面に対して、マイヤーバーを用いてコートした後、140℃で15秒間乾燥させて樹脂層厚み0.2μmの離型層を形成させた後、50℃で2日間エージングを行った。
実施例2〜9、比較例1、4〜6
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の種類、架橋剤の種類と含有量、帯電防止層形成用液状物を表3に記載のように変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、帯電防止性離型フィルムを得た。なお、カルボジイミド化合物からなる架橋剤として、日清紡社製カルボジライト「V−03」を用いた。
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の種類、架橋剤の種類と含有量、帯電防止層形成用液状物を表3に記載のように変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、帯電防止性離型フィルムを得た。なお、カルボジイミド化合物からなる架橋剤として、日清紡社製カルボジライト「V−03」を用いた。
比較例2
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂P−9(アルケマ社製、ボンダイン「LX−4110」)、90.0gのイソプロパノール、3.0gのトリエチルアミンおよび147.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとした。そして系内温度を140〜145℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリエチレン樹脂水性分散体E−1を得た。
得られた酸変性ポリエチレン樹脂水性分散体E−1と、オキサゾリン化合物の溶液とを、オキサゾリン化合物の固形分が、酸変性ポリエチレン樹脂100質量部に対して、5質量部となるように混合した以外は、実施例1と同様の操作を行って、離型フィルムを得た。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂P−9(アルケマ社製、ボンダイン「LX−4110」)、90.0gのイソプロパノール、3.0gのトリエチルアミンおよび147.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとした。そして系内温度を140〜145℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリエチレン樹脂水性分散体E−1を得た。
得られた酸変性ポリエチレン樹脂水性分散体E−1と、オキサゾリン化合物の溶液とを、オキサゾリン化合物の固形分が、酸変性ポリエチレン樹脂100質量部に対して、5質量部となるように混合した以外は、実施例1と同様の操作を行って、離型フィルムを得た。
比較例3
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの酸変性ポリイソプレンP−10(クラレ社製、クラプレン「LIR−403」)、60.0gのイソプロパノール、15gのトリエチルアミンおよび165gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌しながら、加熱し、系内温度を120℃に保ってさらに60分間撹拌した。その後、空冷にて攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリイソプレン水性分散体を得た。得られた酸変性ポリイソプレン水性分散体とオキサゾリン化合物の溶液とを、オキサゾリン化合物の固形分が、酸変性ポリエチレン樹脂100質量部に対して、5質量部となるように混合した以外は、実施例1と同様の操作を行って、離型フィルムを得た。
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの酸変性ポリイソプレンP−10(クラレ社製、クラプレン「LIR−403」)、60.0gのイソプロパノール、15gのトリエチルアミンおよび165gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌しながら、加熱し、系内温度を120℃に保ってさらに60分間撹拌した。その後、空冷にて攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリイソプレン水性分散体を得た。得られた酸変性ポリイソプレン水性分散体とオキサゾリン化合物の溶液とを、オキサゾリン化合物の固形分が、酸変性ポリエチレン樹脂100質量部に対して、5質量部となるように混合した以外は、実施例1と同様の操作を行って、離型フィルムを得た。
比較例7
実施例1において、オキサゾリン化合物の溶液に代えて、イソシアネート化合物(BASF社製、Basonat「HW−100」、固形分濃度:100質量%)をイソプロパノールで希釈した液を用い、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、10質量部となるように混合した以外は同様の操作を行なって、離型フィルムを得た。
実施例1において、オキサゾリン化合物の溶液に代えて、イソシアネート化合物(BASF社製、Basonat「HW−100」、固形分濃度:100質量%)をイソプロパノールで希釈した液を用い、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、10質量部となるように混合した以外は同様の操作を行なって、離型フィルムを得た。
比較例8
実施例1において、オキサゾリン化合物の溶液に代えて、エポキシ化合物(DIC社製、EPICLON「860−90X」、固形分濃度:90質量%)を、イソプロパノールで希釈した液を用い、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、5質量部となるように混合した以外は同様の操作を行なって、離型フィルムを得た。
実施例1において、オキサゾリン化合物の溶液に代えて、エポキシ化合物(DIC社製、EPICLON「860−90X」、固形分濃度:90質量%)を、イソプロパノールで希釈した液を用い、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、5質量部となるように混合した以外は同様の操作を行なって、離型フィルムを得た。
比較例9
実施例1において、オキサゾリン化合物の溶液に代えて、メラミン系化合物(日本サイテックインダストリーズ社製、サイメル「325」、固形分濃度:80質量%)をイソプロパノールで希釈した液を用い、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、10質量部となるように混合した以外は同様の操作を行なって、離型フィルムを得た。
実施例1において、オキサゾリン化合物の溶液に代えて、メラミン系化合物(日本サイテックインダストリーズ社製、サイメル「325」、固形分濃度:80質量%)をイソプロパノールで希釈した液を用い、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、10質量部となるように混合した以外は同様の操作を行なって、離型フィルムを得た。
実施例、比較例で得られた離型フィルムについて評価した結果を表3に示す。
実施例1〜9で得られた離型フィルムは、室温での離型性、熱処理後の離型性、高速剥離性、耐ブロッキング性、帯電防止性に優れるものであった。実施例2は、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するエチレン成分とα−オレフィン成分との質量比が好ましい範囲でなかったため、離型性、高速剥離性が少し低下した。また、実施例5は、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する酸変性成分の含有量が好ましい範囲でなかったため、離型性が少し低下した。
一方、樹脂層を構成する樹脂として、エチレン成分とα−オレフィン成分とを同時に含有しないものを使用した場合(比較例1、2)、得られた離型フィルムは、離型性、高速剥離性に劣るものであった。また、樹脂層を構成する樹脂として、酸変性ポリイソプレンを用いた場合(比較例3)、得られた離型フィルムは、優れた離型性および耐熱性、残留接着性を有するものの、耐ブロッキング性が著しく低下した。
樹脂層を構成する樹脂として、酸変性されていないものを使用した場合(比較例4)、得られた離型フィルムは、耐熱性に劣り、熱処理により離型性が著しく低下した。
樹脂層が架橋剤を含有していない場合も(比較例5)、離型フィルムは、熱処理により離型性が著しく低下した。また、樹脂層における架橋剤の含有量が本発明で規定する範囲よりも多い場合(比較例6)、得られた離型フィルムは、常温での離型性に劣り、熱処理によりさらに離型性が低下した。
本発明で規定しない架橋剤を用いた場合(比較例7〜9)、得られた離型フィルムは、耐熱性に劣り、熱処理により離型性が著しく低下した。
比較例10は、帯電防止層を形成していなかったため、帯電を十分に抑制できなかった。
樹脂層を構成する樹脂として、酸変性されていないものを使用した場合(比較例4)、得られた離型フィルムは、耐熱性に劣り、熱処理により離型性が著しく低下した。
樹脂層が架橋剤を含有していない場合も(比較例5)、離型フィルムは、熱処理により離型性が著しく低下した。また、樹脂層における架橋剤の含有量が本発明で規定する範囲よりも多い場合(比較例6)、得られた離型フィルムは、常温での離型性に劣り、熱処理によりさらに離型性が低下した。
本発明で規定しない架橋剤を用いた場合(比較例7〜9)、得られた離型フィルムは、耐熱性に劣り、熱処理により離型性が著しく低下した。
比較例10は、帯電防止層を形成していなかったため、帯電を十分に抑制できなかった。
Claims (8)
- 基材の両面に樹脂層が設けられた離型フィルムであって、
一方の樹脂層が離型層であって、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部とオキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物からなる架橋剤0.1〜50質量部とを含有し、
他方の樹脂層が帯電防止層であって、表面固有抵抗値が23℃、50%RHにおいて、1×1012Ω/□未満であることを特徴とする離型フィルム。 - 酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するエチレン成分とα−オレフィン成分との質量比(エチレン成分/α−オレフィン成分)が、60/40〜99/1であることを特徴とする請求項1記載の離型フィルム。
- 酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する酸変性成分の含有量が、エチレン成分とα−オレフィン成分との合計に対して、1質量%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の離型フィルム。
- 帯電防止層が、4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有する重合体(A)と2種類以上の架橋剤(B)を含有することを特徴とする請求項1記載の離型フィルム。
- 基材が、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の離型フィルム。
- 帯電防止層における、重合体(A)と架橋剤(B)の質量比(A/B)が95/5〜70/30である請求項4または5に記載の離型フィルム。
- 重合体(A)が、4級アンモニウム基とカルボキシル基とを側鎖に有するポリアクリル共重合体であり、架橋剤(B)が、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、ポリビニルアルコールおよびポリエチレンイミンから選ばれる2種類以上であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の離型フィルム。
- 離型層が、アクリル系被着体を離型層に貼り付けて測定したときの被着体との間の剥離力が0.5N/cm以下である請求項1〜7いずれかに記載の離型フィルム。
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-
2015
- 2015-01-21 JP JP2015009552A patent/JP2016132211A/ja active Pending
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