JP2016065169A - 粘着剤積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】粘着材料との離型性に優れ、両面に粘着剤層を有する粘着材料の両面に貼り合せた場合でも離型シート剥離の際のハンドリング性が良好である粘着剤積層体を提供する。
【解決手段】両面にアクリル系粘着剤層を有する粘着材料の両側のアクリル系粘着剤層上に、樹脂層と基材とからなる離型シートが、アクリル系粘着剤層と樹脂層が直接接するように積層された粘着剤積層体であって、前記離型シートの樹脂層は、いずれも酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部と、オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物0.1〜50質量部とを含有し、いずれの樹脂層もアクリル系粘着剤層との剥離力が1.0N/cm以下であり、かつ、少なくとも一方の樹脂層のアクリル系粘着剤層との剥離力が0.6N/cm未満である、粘着剤積層体。
【選択図】なし
【解決手段】両面にアクリル系粘着剤層を有する粘着材料の両側のアクリル系粘着剤層上に、樹脂層と基材とからなる離型シートが、アクリル系粘着剤層と樹脂層が直接接するように積層された粘着剤積層体であって、前記離型シートの樹脂層は、いずれも酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部と、オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物0.1〜50質量部とを含有し、いずれの樹脂層もアクリル系粘着剤層との剥離力が1.0N/cm以下であり、かつ、少なくとも一方の樹脂層のアクリル系粘着剤層との剥離力が0.6N/cm未満である、粘着剤積層体。
【選択図】なし
Description
本発明は、粘着剤積層体に関するものである。
粘着シートは、半導体装置、精密機器などの電子部品の製造工程をはじめ、様々な用途において使用されている。このような粘着シートは、その表面を保護するために、使用するときまで離型シートが貼り合わされて積層されている。
離型シートを構成する基材の表面には、粘着シートから剥がれやすくするために、離型剤を含有する樹脂層が設けられている。離型シート用の離型剤として、シリコーン系離型剤が最も多く使用されている。しかしながら、シリコーン系離型剤を用いた場合、シリコーン系離型剤の中に含まれる低分子量のシリコーン化合物が、粘着シートの粘着剤表面に移行して、残存することがあった。粘着シートの粘着剤表面に残存するシリコーン化合物は、粘着剤の粘着力の低下を起すだけでなく、徐々に気化して、たとえば、粘着シートが用いられた電子部品の表面に堆積することにより、その性能に悪影響を与えることが指摘されていた。
離型シートを構成する基材の表面には、粘着シートから剥がれやすくするために、離型剤を含有する樹脂層が設けられている。離型シート用の離型剤として、シリコーン系離型剤が最も多く使用されている。しかしながら、シリコーン系離型剤を用いた場合、シリコーン系離型剤の中に含まれる低分子量のシリコーン化合物が、粘着シートの粘着剤表面に移行して、残存することがあった。粘着シートの粘着剤表面に残存するシリコーン化合物は、粘着剤の粘着力の低下を起すだけでなく、徐々に気化して、たとえば、粘着シートが用いられた電子部品の表面に堆積することにより、その性能に悪影響を与えることが指摘されていた。
離型シート用の非シリコーン系離型剤として、特許文献1、2には、オレフィン系エラストマーを用いることが提案され、特許文献3、4には、酸変性ポリオレフィンを用いることが提案されている。
特許文献1、2の離型シートは、粘着シートに対して良好な離型性を示す。しかしながら、これらの離型シートは、耐熱性が低いため、粘着シートと貼り合せた状態で、高温で保存した場合に、粘着シートと強く接着してしまい、ハンドリング性が低下することがあった。特に、粘着剤を塗工した後の乾燥時や、粘着シートの転写時などにおいて、熱がかかると、離型シートは離型性が変化しやすく、ハンドリング上好ましくないものであった。
一方、特許文献3、4の離型シートは、離型剤として酸変性されたエチレン系重合体が使用されており、様々な被着体に対して、良好な離型性を示すものである。しかしながら、粘着シートに対しては、やや剥離が重い傾向があり、粘着シートを剥離する際のハンドリング性が良好でない場合があり、特に粘着シートから離型シートを高速で剥離した際に、ジッピングを起こし、粘着シート表面の平滑性や透明性が損なわれる場合があった。
特に、両面に粘着剤層を有する粘着材料の両面に離型シートを貼り合せた積層体では、離型シートを剥離する際に界面が出しにくく、また、剥離の際にジッピングが起こりやすかった。
特許文献1、2の離型シートは、粘着シートに対して良好な離型性を示す。しかしながら、これらの離型シートは、耐熱性が低いため、粘着シートと貼り合せた状態で、高温で保存した場合に、粘着シートと強く接着してしまい、ハンドリング性が低下することがあった。特に、粘着剤を塗工した後の乾燥時や、粘着シートの転写時などにおいて、熱がかかると、離型シートは離型性が変化しやすく、ハンドリング上好ましくないものであった。
一方、特許文献3、4の離型シートは、離型剤として酸変性されたエチレン系重合体が使用されており、様々な被着体に対して、良好な離型性を示すものである。しかしながら、粘着シートに対しては、やや剥離が重い傾向があり、粘着シートを剥離する際のハンドリング性が良好でない場合があり、特に粘着シートから離型シートを高速で剥離した際に、ジッピングを起こし、粘着シート表面の平滑性や透明性が損なわれる場合があった。
特に、両面に粘着剤層を有する粘着材料の両面に離型シートを貼り合せた積層体では、離型シートを剥離する際に界面が出しにくく、また、剥離の際にジッピングが起こりやすかった。
本発明は、これらの問題に鑑み、粘着材料との離型性に優れ、両面に粘着剤層を有する粘着材料の両面に貼り合せた場合でも離型シート剥離の際のハンドリング性が良好である粘着剤積層体を提供しようとするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、離型剤として酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体を使用し、これと特定の架橋剤とを含有する樹脂層を基材上に設けてなる離型シートを粘着材料の両面に所定の剥離力となるように貼り合せた積層体が上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、次のとおりである。
すなわち本発明の要旨は、次のとおりである。
(1) 両面にアクリル系粘着剤層を有する粘着材料の両側のアクリル系粘着剤層上に、樹脂層と基材とからなる離型シートが、アクリル系粘着剤層と樹脂層が直接接するように積層された粘着剤積層体であって、
前記離型シートの樹脂層は、いずれも酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部と、オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物0.1〜50質量部とを含有し、
いずれの樹脂層もアクリル系粘着剤層との剥離力が1.0N/cm以下であり、かつ、少なくとも一方の樹脂層のアクリル系粘着剤層との剥離力が0.6N/cm未満である、粘着剤積層体。
(2)2つの樹脂層のアクリル系粘着剤層との剥離力の差が0.2N/cm以上である、(1)記載の粘着剤積層体。
(3)前記酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するエチレン成分とα−オレフィン成分との質量比(エチレン成分/α−オレフィン成分)が、60/40〜99/1であることを特徴とする(1)記載の粘着剤積層体。
(4)α−オレフィン成分が、プロピレンまたは1−ブテンであることを特徴とする(2)または(3)記載の粘着剤積層体。
(5)離型シートを構成する前記基材が、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料のいずれかであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着剤積層体。
(6)前記樹脂材料が、ポリエステル樹脂フィルムであることを特徴とする(5)記載の粘着剤積層体。
前記離型シートの樹脂層は、いずれも酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部と、オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物0.1〜50質量部とを含有し、
いずれの樹脂層もアクリル系粘着剤層との剥離力が1.0N/cm以下であり、かつ、少なくとも一方の樹脂層のアクリル系粘着剤層との剥離力が0.6N/cm未満である、粘着剤積層体。
(2)2つの樹脂層のアクリル系粘着剤層との剥離力の差が0.2N/cm以上である、(1)記載の粘着剤積層体。
(3)前記酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するエチレン成分とα−オレフィン成分との質量比(エチレン成分/α−オレフィン成分)が、60/40〜99/1であることを特徴とする(1)記載の粘着剤積層体。
(4)α−オレフィン成分が、プロピレンまたは1−ブテンであることを特徴とする(2)または(3)記載の粘着剤積層体。
(5)離型シートを構成する前記基材が、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料のいずれかであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着剤積層体。
(6)前記樹脂材料が、ポリエステル樹脂フィルムであることを特徴とする(5)記載の粘着剤積層体。
本発明の粘着剤積層体によれば、粘着材料の使用時において離型シートを剥離しても、ジッピングや破れを起こすことなく、粘着材料の品質を損なわずに簡単に剥離することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粘着剤積層体は、両面にアクリル系粘着剤層を有する粘着材料の両側のアクリル系粘着剤層上に、樹脂層と基材とからなる離型シートが、アクリル系粘着剤層と樹脂層が直接接するように積層された粘着剤積層体であり、前記離型シートの樹脂層は、いずれも酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部と、オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物0.1〜50質量部とを含有している。
本発明の粘着剤積層体は、両面にアクリル系粘着剤層を有する粘着材料の両側のアクリル系粘着剤層上に、樹脂層と基材とからなる離型シートが、アクリル系粘着剤層と樹脂層が直接接するように積層された粘着剤積層体であり、前記離型シートの樹脂層は、いずれも酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部と、オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物0.1〜50質量部とを含有している。
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレン−α−オレフィン共重合体が酸変性されたものであり、エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレン成分と一種以上のα−オレフィン成分とを含有する。
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられる。これらの中でも、経済性の観点や入手のしやすさの観点から、プロピレン、1−ブテンが好ましい。
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられる。これらの中でも、経済性の観点や入手のしやすさの観点から、プロピレン、1−ブテンが好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体における、エチレン成分とα−オレフィン成分との質量比(エチレン成分/α−オレフィン成分)は、60/40〜99/1であることが好ましく、70/30〜97/3であることがより好ましく、80/20〜95/5であることがさらに好ましい。エチレン成分とα−オレフィン成分との質量比がこの範囲外であると、得られる離型シートは離型性が低下し、また高速剥離性が低下することがある。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、メタロセン系触媒を使用して製造されることが好ましい。この方法により製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体は、分子量分布が狭く、低分子量成分の量が少なく、共重合が均一となる。
本発明において、エチレン−α−オレフィン共重合体は、得られる樹脂層と基材との密着性を向上させ、また架橋剤と反応させて耐熱性を向上させる観点から、酸変性されていることが必要である。エチレン−α−オレフィン共重合体の酸変性は、たとえば、エチレン−α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸成分を導入することによっておこなうことができる。本発明において、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体は、オレフィン成分全量、すなわちエチレン成分とα−オレフィン成分の合計、に対して、不飽和カルボン酸成分を0.1〜10質量%含有していることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.2〜3質量%であることがさらに好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体に導入される不飽和カルボン酸成分の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、メサコン酸、アリルコハク酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等のように、分子内(モノマー単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無水物基を有する化合物が挙げられる。中でもエチレン−α−オレフィン共重合体への導入のし易さの点から、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。
不飽和カルボン酸成分は、エチレン−α−オレフィン共重合体中に共重合されていればよく、その形態は限定されるものではなく、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
不飽和カルボン酸成分は、エチレン−α−オレフィン共重合体中に共重合されていればよく、その形態は限定されるものではなく、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
不飽和カルボン酸単位をエチレン−α−オレフィン共重合体へ導入する方法は、特に限定されない。例えば、ラジカル発生剤存在下、エチレン−α−オレフィン共重合体と不飽和カルボン酸とを、エチレン−α−オレフィン共重合体の融点以上に加熱溶融して反応させる方法や、エチレン−α−オレフィン共重合体と不飽和カルボン酸とを有機溶剤に溶解させた後、ラジカル発生剤の存在下で加熱、攪拌して反応させる方法等により、エチレン−α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸をグラフト共重合する方法が挙げられる。操作が簡便である点から前者の方法が好ましい。
グラフト共重合に使用するラジカル発生剤としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジラウリルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、エチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert−ブチルジパーフタレート等の有機過酸化物類や、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾニトリル類が挙げられる。これらは反応温度によって適宜、選択して使用すればよい。
グラフト共重合に使用するラジカル発生剤としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジラウリルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、エチルエチルケトンパーオキシド、ジ−tert−ブチルジパーフタレート等の有機過酸化物類や、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾニトリル類が挙げられる。これらは反応温度によって適宜、選択して使用すればよい。
本発明において、樹脂層製造原料の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートは、特に限定されないが、230℃、2160g荷重において、0.01〜500g/10分であることが好ましく、0.1〜100g/10分であることがより好ましく、0.3〜10g/10分であることがさらに好ましい。メルトフローレートが0.01g/10分未満の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体は、溶剤に溶解することが困難であり、一方、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートが500g/10分以上であると、得られる樹脂層は、基材との密着性が低下することがあり、また粘着剤等の被着体に、低分子量成分の移行が起こりやすくなる。
酸変性するためのエチレン−α−オレフィン共重合体として、市販のエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることができる。市販のエチレン−α−オレフィン共重合体として、住友化学社製エスプレンシリーズ、三井化学社製タフマーシリーズなどが挙げられる。このような市販のエチレン−α−オレフィン共重合体を用いて、上記の方法で酸変性を行って、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を得ることができる。
また酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体として、市販のものを用いてもよい。市販の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体として、三井化学社製タフマーシリーズのMP−0620、MH−7020、MA−8510などが挙げられる。
また酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体として、市販のものを用いてもよい。市販の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体として、三井化学社製タフマーシリーズのMP−0620、MH−7020、MA−8510などが挙げられる。
離型シートの樹脂層は、架橋剤を含有する。架橋剤としては、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物が用いられ、反応性の観点から、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物から選ばれる少なくとも一つの架橋剤であることが必要である。
オキサゾリン化合物は、分子中にオキサゾリン基を2つ以上有しているものであれば、特に限定されるものではない。例えば、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレン−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)、ビス(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィドなどのオキサゾリン基を有する化合物や、オキサゾリン基含有ポリマーが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、取り扱いやすさからオキサゾリン基含有ポリマーが好ましい。
オキサゾリン基含有ポリマーは、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の付加重合性オキサゾリンを重合させることにより得られる。必要に応じて他の単量体が共重合されていてもよい。オキサゾリン基含有ポリマーの重合方法は、特に限定されず、公知の種々の重合方法を採用することができる。
オキサゾリン基含有ポリマーの市販品としては、日本触媒社製のエポクロスシリーズが挙げられ、具体的には、水溶性タイプの「WS−500」、「WS−700」、固形タイプの「RPS−1005」などが挙げられる。
オキサゾリン基含有ポリマーは、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の付加重合性オキサゾリンを重合させることにより得られる。必要に応じて他の単量体が共重合されていてもよい。オキサゾリン基含有ポリマーの重合方法は、特に限定されず、公知の種々の重合方法を採用することができる。
オキサゾリン基含有ポリマーの市販品としては、日本触媒社製のエポクロスシリーズが挙げられ、具体的には、水溶性タイプの「WS−500」、「WS−700」、固形タイプの「RPS−1005」などが挙げられる。
カルボジイミド化合物は、分子中に少なくとも2つ以上のカルボジイミド基を有しているものであれば特に限定されるものではない。例えば、p−フェニレン−ビス(2,6−キシリルカルボジイミド)、テトラメチレン−ビス(t−ブチルカルボジイミド)、シクロヘキサン−1,4−ビス(メチレン−t−ブチルカルボジイミド)などのカルボジイミド基を有する化合物や、カルボジイミド基を有する重合体であるポリカルボジイミドが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、取り扱いやすさから、ポリカルボジイミドが好ましい。
ポリカルボジイミドの製法は、特に限定されるものではない。ポリカルボジイミドは、例えば、イソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応により製造することができる。イソシアネート化合物も限定されるものではなく、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソシアネートのいずれであってもよい。イソシアネート化合物は、必要に応じて多官能液状ゴムやポリアルキレンジオールなどが共重合されていてもよい。
ポリカルボジイミドの市販品としては、日清紡社製のカルボジライトシリーズが挙げられ、具体的には、水溶性タイプの「SV−02」、「V−02」、「V−02−L2」、「V−04」、有機溶液タイプの「V−01」、「V−03」、「V−07」、「V−09」、無溶剤タイプの「V−05」などが挙げられる。
ポリカルボジイミドの製法は、特に限定されるものではない。ポリカルボジイミドは、例えば、イソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応により製造することができる。イソシアネート化合物も限定されるものではなく、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソシアネートのいずれであってもよい。イソシアネート化合物は、必要に応じて多官能液状ゴムやポリアルキレンジオールなどが共重合されていてもよい。
ポリカルボジイミドの市販品としては、日清紡社製のカルボジライトシリーズが挙げられ、具体的には、水溶性タイプの「SV−02」、「V−02」、「V−02−L2」、「V−04」、有機溶液タイプの「V−01」、「V−03」、「V−07」、「V−09」、無溶剤タイプの「V−05」などが挙げられる。
オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物からなる架橋剤の含有量は、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが必要であり、1〜30質量部であることが好ましく、2〜20質量部であることがより好ましい。架橋剤の含有量が0.1質量部未満では、添加効果が乏しく、経時的に離型性が低下したり、十分な耐熱性が得られなかったりする場合があり、含有量が50質量部を超えると、離型性が低下する場合がある。なお、架橋剤は、複数の種類を同時に用いることもでき、同時に用いた場合、架橋剤の合計量が上記の架橋剤の含有量の範囲を満たしていればよい。
離型シートを構成する樹脂層は、上記のように、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤とを含有するものであるが、必要に応じてレベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、帯電防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤等の各種薬剤や、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等の顔料あるいは染料を含有してもよい。また、後述する樹脂層を形成するための液状物の安定性を損なわない範囲で、上記以外の有機もしくは無機の化合物を液状物に添加して、樹脂層に含有させることもできる。
離型シートにおいて樹脂層の厚みは、0.01〜5.0μmであることが好ましく、0.03〜3.0μmであることがより好ましく、0.05〜1.0μmであることがさらに好ましい。樹脂層の厚みが0.01μm未満であると、十分な離型性が得られない場合があり、一方、厚みが5.0μmを超えると、コストアップとなるため好ましくない。
離型シートにおいて、基材上に樹脂層を設ける方法は特に限定されない。例えば、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と、架橋剤と、媒体とを含む液状物を作成し、この液状物を基材上に塗布して媒体を乾燥させる方法が、樹脂層の厚みを均一にしやすく、大量生産が可能という点で好ましい。あるいは、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤とを混合したものを基材上に溶融押出して、樹脂層を形成してもよい。また、基材を構成する樹脂材料と樹脂層形成材料とを共押出することにより、離型シートを得てもよい。
液状物を基材上に塗布して樹脂層を形成する方法においては、公知の方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等により、液状物を基材表面に均一に塗布し、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥処理または乾燥のための加熱処理に供することにより、均一な樹脂層を基材に密着させて形成することができる。
基材上に樹脂層を形成した後、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤との反応を促進させるために、一定の温度にコントロールされた環境下でエージング処理をおこなってもよい。エージング温度は、基材へのダメージを軽減させる観点からは、比較的低いことが好ましいが、反応を十分かつ速やかに進行させるという観点からは、高温で処理することが好ましい。エージング処理は20〜100℃でおこなうことが好ましく、30〜70℃でおこなうことがより好ましく、40〜60℃でおこなうことがさらに好ましい。
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と、架橋剤と、媒体とを含む液状物を作成する方法としては、媒体となる有機溶剤に、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と架橋剤とを溶解させる方法が挙げられる。
また液状物を作成する方法として、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性分散体とし、架橋剤を混合する方法が挙げられる。酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性媒体に分散させ、水性分散体を得る方法は特に限定されないが、例えば、密閉可能な容器に酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体、有機溶剤、水などの原料を投入し、槽内の温度を40〜150℃程度の温度に保ちつつ攪拌を行うことにより、水性分散体とする方法などが挙げられる。例えば、国際公開02/055598号パンフレットに記載された方法が挙げられ、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性媒体中で塩基性化合物を用いて中和することにより、良好な水性分散体が得られる。
また液状物を作成する方法として、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性分散体とし、架橋剤を混合する方法が挙げられる。酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性媒体に分散させ、水性分散体を得る方法は特に限定されないが、例えば、密閉可能な容器に酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体、有機溶剤、水などの原料を投入し、槽内の温度を40〜150℃程度の温度に保ちつつ攪拌を行うことにより、水性分散体とする方法などが挙げられる。例えば、国際公開02/055598号パンフレットに記載された方法が挙げられ、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を水性媒体中で塩基性化合物を用いて中和することにより、良好な水性分散体が得られる。
液状物における固形分の含有率は、樹脂層の形成条件や厚み、性能等により適宜選択することができ、特に限定されるものではないが、液状物の粘度を適度に保ち、かつ良好な樹脂層を形成させるためには、1〜60質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。
離型シートを構成する基材としては、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料等で形成されたものが挙げられる。基材の厚みは、特に限定されるものではないが、通常は1〜1000μmであればよく、1〜500μmが好ましく、10〜200μmがより好ましく、25〜100μmが特に好ましい。
基材に用いることができる樹脂材料としては、例えば熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)などのポリエステル樹脂;ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン樹脂;ナイロン6、ポリ−m−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)等のポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアクリルニトリル樹脂;ポリイミド樹脂;これらの樹脂の複層体(例えば、ナイロン6/MXD6ナイロン/ナイロン6、ナイロン6/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体等が挙げられる。
樹脂材料は延伸処理されていてもよい。中でも、基材は、機械的特性および熱的特性に優れるポリエステル樹脂フィルムが好ましく、安価で入手が容易という点からポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
樹脂材料は延伸処理されていてもよい。中でも、基材は、機械的特性および熱的特性に優れるポリエステル樹脂フィルムが好ましく、安価で入手が容易という点からポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムに液状物を塗布する場合、二軸延伸されたフィルムに塗布後乾燥、熱処理してもよく、また、配向が完了する以前の未延伸フィルム、あるいは一軸延伸の終了したフィルムに液状物を塗布し、乾燥後加熱して延伸するか、あるいは加熱して乾燥と同時に延伸して、配向を完了させてもよい。後者の未延伸フィルム、あるいは一軸延伸終了後のフィルムに液状物を塗布後、乾燥、延伸配向する方法は、熱可塑性樹脂フィルムの製膜と同時に樹脂層を積層することができるため、コストの点から好ましい。
上記熱可塑性樹脂フィルムは、公知の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などを含んでいてもよい。熱可塑性樹脂フィルムは、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよく、バリア層や易接着層、帯電防止層、紫外線吸収層、識別のために印刷層や発泡層などの他の層が積層されていてもよい。その他の材料と積層する場合の密着性を良くするために、熱可塑性樹脂フィルムの表面に、前処理としてコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理等が施されてもよい。
基材として用いることができる紙としては、和紙、クラフト紙、ライナー紙、アート紙、コート紙、カートン紙、グラシン紙、セミグラシン紙等が挙げられる。紙には、目止め層などが設けてあってもよい。
基材として用いることができる合成紙は、その構造は特に限定されず、単層構造であっても多層構造であってもよい。多層構造としては、例えば基材層と表面層の2層構造、基材層の表裏面に表面層が存在する3層構造、基材層と表面層の間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造を例示することができる。各層は、無機や有機のフィラーを含有していてもよいし、含有していなくてもよい。微細なボイドを多数有する微多孔性合成紙も使用することができる。
基材として用いることができる布としては、上述した合成樹脂からなる繊維や、木綿、絹、麻などの天然繊維からなる不織布、織布、編布などが挙げられる。
基材として用いることができる金属材料としては、アルミ箔や銅箔などの金属箔や、アルミ板や銅板などの金属板などが挙げられる。
基材として用いることができるガラス材料としては、ガラス板やガラス繊維からなる布などが挙げられる。
基材として用いることができる合成紙は、その構造は特に限定されず、単層構造であっても多層構造であってもよい。多層構造としては、例えば基材層と表面層の2層構造、基材層の表裏面に表面層が存在する3層構造、基材層と表面層の間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造を例示することができる。各層は、無機や有機のフィラーを含有していてもよいし、含有していなくてもよい。微細なボイドを多数有する微多孔性合成紙も使用することができる。
基材として用いることができる布としては、上述した合成樹脂からなる繊維や、木綿、絹、麻などの天然繊維からなる不織布、織布、編布などが挙げられる。
基材として用いることができる金属材料としては、アルミ箔や銅箔などの金属箔や、アルミ板や銅板などの金属板などが挙げられる。
基材として用いることができるガラス材料としては、ガラス板やガラス繊維からなる布などが挙げられる。
粘着材料としては、両面がアクリル系粘着剤層であれば特に限定されず、基材に粘着剤が積層されたものでも、アクリル系粘着剤の単層からなるものであってもよく、例えば、粘着シート、接着シート、粘着テープ、接着テープなどの形態で使用されるものが挙げられる。アクリル系粘着剤には、ロジン系、クマロン−インデン系、テルペン系、石油系、スチレン系、フェノール系、キシレン系などの粘着付与剤が含まれていてもよい。基材としては、上述の紙、布、樹脂材料などが挙げられる。
本発明の粘着剤積層体においては、アクリル系粘着剤層に貼り合せたいずれの樹脂層もアクリル系粘着剤層との剥離力が1.0N/cm以下であり、かつ、少なくとも一方の樹脂層のアクリル系粘着剤層との剥離力が0.6N/cm未満である必要がある。アクリル系粘着剤層との剥離力が1.0N/cmを超えると、剥離の際の作業性が低下したり、ジッピングが発生したりすることがある。
また、両方の樹脂層のアクリル系粘着剤層との剥離力が0.6N/cm以上の場合には、軽剥離側のフィルムを剥離する際に、重剥離側のフィルムを持ち上げて剥離角度が変わってしまい、剥離力が安定しないことがある。
また、両方の樹脂層のアクリル系粘着剤層との剥離力が0.6N/cm以上の場合には、軽剥離側のフィルムを剥離する際に、重剥離側のフィルムを持ち上げて剥離角度が変わってしまい、剥離力が安定しないことがある。
粘着剤積層体の2つの樹脂層のアクリル系粘着剤層との剥離力の差は、0.2N/cm以上であることが好ましい。剥離力の差が0.2N/cmよりも大きい場合には、剥離速度や剥離角度がばらついたときに、粘着剤が破れてしまう現象(いわゆる泣き別れ)が生じることがあり、好ましくない。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(1)酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の不飽和カルボン酸成分含有量
オレフィン成分全量に対する不飽和カルボン酸成分の含有量は、下記に示す方法(A)または(B)を用いて求めた。
(A):酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の酸価をJIS K5407に準じて測定し、その値から不飽和カルボン酸の含有量(グラフト率)を次式から求めた。
含有量(質量%)=(グラフトした不飽和カルボン酸の質量)/(原料ポリオレフィン樹脂の質量)×100
(B):赤外吸収スペクトル分析(Perkin Elmer社製フーリエ変換赤外分光光度計 System−2000、分解能4cm−1)を行い、不飽和カルボン酸成分の含有量を求めた。
オレフィン成分全量に対する不飽和カルボン酸成分の含有量は、下記に示す方法(A)または(B)を用いて求めた。
(A):酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の酸価をJIS K5407に準じて測定し、その値から不飽和カルボン酸の含有量(グラフト率)を次式から求めた。
含有量(質量%)=(グラフトした不飽和カルボン酸の質量)/(原料ポリオレフィン樹脂の質量)×100
(B):赤外吸収スペクトル分析(Perkin Elmer社製フーリエ変換赤外分光光度計 System−2000、分解能4cm−1)を行い、不飽和カルボン酸成分の含有量を求めた。
(2)不飽和カルボン酸成分以外の酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の構成
オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて、1H−NMR、13C−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い、求めた。13C−NMR分析では定量性を考慮したゲート付きデカップリング法を用いて測定した。
オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて、1H−NMR、13C−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い、求めた。13C−NMR分析では定量性を考慮したゲート付きデカップリング法を用いて測定した。
(3)酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレート
JIS 6730(230℃、2160g荷重)に準拠する方法で測定した。
JIS 6730(230℃、2160g荷重)に準拠する方法で測定した。
(4)離型フィルムのアクリル系粘着剤に対する剥離強度(70℃)
離型フィルムの樹脂層側に、巾50mm、長さ150mmのポリエステル粘着テープ(日東電工社製、No.31B/アクリル系粘着剤)をゴムロールで圧着して、試料とした。試料を、金属板/ゴム板/試料/ゴム板/金属板の形で挟み、2kPa荷重、70℃の雰囲気で20時間放置し、剥離強度測定用試料を得た。この剥離強度測定用試料の、粘着テープと離型シートとの剥離強度を、厚さ0.5mmのSUS板に離型フィルムの背面を固定した後、離型フィルムの剥離角度が180°、剥離速度は300mm/分となるように引張試験機(島津製作所社製 オートグラフAGS−100B型)にて測定した。なお、測定は23℃50%RHの恒温恒湿室で実施した。
(5)アクリル系両面テープに対する剥離強度(70℃)
両面を離型フィルムで挟んだ粘着積層体の離型フィルムを剥がそうとすると、剥離の軽い側から界面がでるため、最初から重剥離側を剥がして剥離抵抗を測定することは非常に難しい。そこで、粘着テープと離型フィルム間の剥離抵抗について、以下の手順で測定した。
巾50mm、長さ150mm市販のアクリル系両面テープ3種類を用いた(日東電工社製PET基材両面テープNo.5605、同No.5608、同社製基材レス両面粘着テープNo.591)。
両面テープを引き出して露出した粘着面を、離型フィルムの離型面にゴムロールで圧着し、保護フィルム/粘着テープ/離型フィルムからなる試料を作成した。試料を、金属板/ゴム板/試料/ゴム板/金属板の形で挟み、2kPa荷重、70℃の雰囲気で20時間放置し、剥離強度測定用試料を得た。この剥離強度測定用試料の保護フィルムを剥がした後、トルエンで洗浄した厚さ0.5mmのSUS版に粘着面をローラーで貼り付けた後、23℃、50%RHで8時間放置した。その後、離型フィルムの剥離角度が180°、剥離速度が300mm/分となるように引張試験機(島津製作所社製 オートグラフAGS−100B型)にて剥離強度を測定した。なお、測定は23℃、50%RHの恒温恒湿室で実施した。
離型フィルムの樹脂層側に、巾50mm、長さ150mmのポリエステル粘着テープ(日東電工社製、No.31B/アクリル系粘着剤)をゴムロールで圧着して、試料とした。試料を、金属板/ゴム板/試料/ゴム板/金属板の形で挟み、2kPa荷重、70℃の雰囲気で20時間放置し、剥離強度測定用試料を得た。この剥離強度測定用試料の、粘着テープと離型シートとの剥離強度を、厚さ0.5mmのSUS板に離型フィルムの背面を固定した後、離型フィルムの剥離角度が180°、剥離速度は300mm/分となるように引張試験機(島津製作所社製 オートグラフAGS−100B型)にて測定した。なお、測定は23℃50%RHの恒温恒湿室で実施した。
(5)アクリル系両面テープに対する剥離強度(70℃)
両面を離型フィルムで挟んだ粘着積層体の離型フィルムを剥がそうとすると、剥離の軽い側から界面がでるため、最初から重剥離側を剥がして剥離抵抗を測定することは非常に難しい。そこで、粘着テープと離型フィルム間の剥離抵抗について、以下の手順で測定した。
巾50mm、長さ150mm市販のアクリル系両面テープ3種類を用いた(日東電工社製PET基材両面テープNo.5605、同No.5608、同社製基材レス両面粘着テープNo.591)。
両面テープを引き出して露出した粘着面を、離型フィルムの離型面にゴムロールで圧着し、保護フィルム/粘着テープ/離型フィルムからなる試料を作成した。試料を、金属板/ゴム板/試料/ゴム板/金属板の形で挟み、2kPa荷重、70℃の雰囲気で20時間放置し、剥離強度測定用試料を得た。この剥離強度測定用試料の保護フィルムを剥がした後、トルエンで洗浄した厚さ0.5mmのSUS版に粘着面をローラーで貼り付けた後、23℃、50%RHで8時間放置した。その後、離型フィルムの剥離角度が180°、剥離速度が300mm/分となるように引張試験機(島津製作所社製 オートグラフAGS−100B型)にて剥離強度を測定した。なお、測定は23℃、50%RHの恒温恒湿室で実施した。
樹脂層を構成する樹脂として、次のものを使用した。
P−1:
エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)100gを、4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下で、130℃に加熱したキシレン400gに溶解させた。次いで、この溶液に、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)10gおよびジクミルパーオキサイドのトルエン溶液(10質量%)5gをそれぞれ30分間かけて加え、その後、系内を130℃に保って、4時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥して得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−1を使用した。
P−1:
エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)100gを、4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下で、130℃に加熱したキシレン400gに溶解させた。次いで、この溶液に、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)10gおよびジクミルパーオキサイドのトルエン溶液(10質量%)5gをそれぞれ30分間かけて加え、その後、系内を130℃に保って、4時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥して得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−1を使用した。
P−2:
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をエチレン−ブテン共重合体(エチレン/1−ブテン=70/30質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−2を使用した。
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をエチレン−ブテン共重合体(エチレン/1−ブテン=70/30質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−2を使用した。
P−3:
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をエチレン−(エチレン/プロピレン=90/10質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−3を使用した。
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をエチレン−(エチレン/プロピレン=90/10質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−3を使用した。
P−4:
P−1の製造において、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)の量を20gに変更した以外は同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−4を使用した。
P−1の製造において、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)の量を20gに変更した以外は同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−4を使用した。
P−5:
P−1の製造において、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)の量を3gに変えた以外は同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン樹脂P−5を使用した。
P−1の製造において、無水マレイン酸のトルエン溶液(5質量%)の量を3gに変えた以外は同様の操作を行って得られた、酸変性エチレン−α−オレフィン樹脂P−5を使用した。
P−6:
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をプロピレン−1−ブテン共重合体(プロピレン/ブテン=70/30質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性プロピレン−α−オレフィン共重合体P−6を使用した。
P−1の製造において、エチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=75/25質量%)をプロピレン−1−ブテン共重合体(プロピレン/ブテン=70/30質量%)に変更した以外は、同様の操作を行って得られた、酸変性プロピレン−α−オレフィン共重合体P−6を使用した。
P−7:
アルケマ社製、ボンダイン「LX−4110」(無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂)を使用した。
アルケマ社製、ボンダイン「LX−4110」(無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂)を使用した。
P−8:
酸変性されていないエチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=70/30質量%)を使用した。
酸変性されていないエチレン−プロピレン共重合体(エチレン/プロピレン=70/30質量%)を使用した。
上記樹脂層を構成する樹脂P−1〜P−8の組成、特性を表1に示す。
離型フィルム1
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−1をトルエンに溶解させて、2質量%の溶液を作製した。酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と、オキサゾリン化合物の溶液(日本触媒社製、エポクロス「WS−500」、固形分濃度:39質量%、イソプロピルアルコールで希釈)とを、オキサゾリン化合物の固形分が、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、2質量部となるように混合して得た液状物を、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(ユニチカ社製「エンブレットPET−38」、厚み38μm)のコロナ処理面に、マイヤーバーを用いてコートした後、140℃で15秒間乾燥させて、厚み0.2μmの樹脂層をフィルム上に形成させたのち、50℃で2日間エージングを行うことで離型フィルム1を得た。
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体P−1をトルエンに溶解させて、2質量%の溶液を作製した。酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と、オキサゾリン化合物の溶液(日本触媒社製、エポクロス「WS−500」、固形分濃度:39質量%、イソプロピルアルコールで希釈)とを、オキサゾリン化合物の固形分が、酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部に対して、2質量部となるように混合して得た液状物を、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(ユニチカ社製「エンブレットPET−38」、厚み38μm)のコロナ処理面に、マイヤーバーを用いてコートした後、140℃で15秒間乾燥させて、厚み0.2μmの樹脂層をフィルム上に形成させたのち、50℃で2日間エージングを行うことで離型フィルム1を得た。
離型フィルム2〜13
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の種類、架橋剤の種類と含有量を表2に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、離型フィルムを得た。なお、カルボジイミド化合物からなる架橋剤として、日清紡社製カルボジライト「V−03」を用いた。
酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体の種類、架橋剤の種類と含有量を表2に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、離型フィルムを得た。なお、カルボジイミド化合物からなる架橋剤として、日清紡社製カルボジライト「V−03」を用いた。
表2に、離型フィルム1〜13の樹脂層の構成と、剥離強度について評価した結果を表2に示す。
粘着剤積層体の作成
前記した市販のアクリル系両面テープを、調整したA4サイズの離型フィルムの離型面にゴムロールで圧着した。その後、両面テープの剥離ライナーを剥がして露出させた後、粘着面に幅60mm、長さ200mmに切り出した他の離型フィルムの離型面をローラーで貼り付け積層体を得た。この積層体を、金属板/ゴム板/試料/ゴム板/金属板の形で挟み、2kPa荷重、70℃の雰囲気で20時間し、表3に示す粘着剤積層体構成例1〜7および参考構成1〜4を得た。
前記した市販のアクリル系両面テープを、調整したA4サイズの離型フィルムの離型面にゴムロールで圧着した。その後、両面テープの剥離ライナーを剥がして露出させた後、粘着面に幅60mm、長さ200mmに切り出した他の離型フィルムの離型面をローラーで貼り付け積層体を得た。この積層体を、金属板/ゴム板/試料/ゴム板/金属板の形で挟み、2kPa荷重、70℃の雰囲気で20時間し、表3に示す粘着剤積層体構成例1〜7および参考構成1〜4を得た。
離型フィルム1〜8を用いた粘着剤積層体(構成例1〜7)は、離型フィルムを剥がす際にジッピングや破れが起こることなくスムーズに剥がすことができた。
一方、離型フィルム9〜13を用いた粘着剤積層体(参考構成1〜4)は離型フィルムを剥がす際に界面が出しにくく、また剥離抵抗が大きいため、作業性が悪かった。
Claims (6)
- 両面にアクリル系粘着剤層を有する粘着材料の両側のアクリル系粘着剤層上に、樹脂層と基材とからなる離型シートが、アクリル系粘着剤層と樹脂層が直接接するように積層された粘着剤積層体であって、
前記離型シートの樹脂層は、いずれも酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体100質量部と、オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物0.1〜50質量部とを含有し、
いずれの樹脂層もアクリル系粘着剤層との剥離力が1.0N/cm以下であり、かつ、少なくとも一方の樹脂層のアクリル系粘着剤層との剥離力が0.6N/cm未満である、粘着剤積層体。 - 2つの樹脂層のアクリル系粘着剤層との剥離力の差が0.2N/cm以上である、請求項1記載の粘着剤積層体。
- 前記酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するエチレン成分とα−オレフィン成分との質量比(エチレン成分/α−オレフィン成分)が、60/40〜99/1であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤積層体。
- α−オレフィン成分が、プロピレンまたは1−ブテンであることを特徴とする請求項2また3記載の粘着剤積層体。
- 離型シートを構成する前記基材が、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤積層体。
- 前記樹脂材料が、ポリエステル樹脂フィルムであることを特徴とする請求項5記載の粘着剤積層体。
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