JP7208617B2 - 離型シートおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、離型シートに関するものである。
離型シートは工業的に広く用いられており、例えば、粘着テープ、接着シート、フレキシブルプリント配線板、多層プリント配線板、液晶ディスプレイ用部品である偏光板・位相差板、層間絶縁材料であるエポキシプリプレグ、ゴムシートなどのシート状構造体などの製造工程で用いられる。
離型シートの中でも、樹脂層にシリコーン系離型剤を用いた離型シートは、シリコーン系離型剤の中に含まれる低分子量のシリコーン化合物が、製品の表面に移行して残存する場合があり、プリント配線板等の高度な信頼性が要求されるような製品の製造工程において、製品へのシリコーンの汚染による悪影響を及ぼす場合があった。
そこで、樹脂層にシリコーン系離型剤を含有しない非シリコーン系離型シートの開発が行われており、非シリコーン系離型剤が、例えば特許文献1に開示されている。
特開2002-265719号公報
近年、プリント配線板用の絶縁材料には、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられており、製造工程時間の短縮や接着性向上の観点から、従来よりも高温の熱硬化処理が行われている。特許文献1には、離型性、耐熱性に優れた離型剤が開示されているものの、前記離型剤は、プリント配線板製造工程時に晒されるほどの高温に対する耐熱性や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に対する離型性は不十分な場合があった。
本発明はこれらの問題に鑑み、高温で熱処理がなされても、離型性、耐熱性、寸法安定性に優れる離型シートを提供しようとするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、離型シートを構成する樹脂層が、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体と架橋剤とを含有することで、上記課題が解決することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)基材上に樹脂層を設けてなる離型シートであって、
樹脂層が、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体100質量部と架橋剤0.1~50質量部とを含有し、
4-メチル-1-ペンテン系重合体における4-メチル-1-ペンテン単位の含有量が80質量%以上であることを特徴とする離型シート。
(2)酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体における酸変性成分の含有量が1~10質量%であることを特徴とする(1)記載の離型シート。
)架橋剤が、オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物であることを特徴とする(1)または(2)記載の離型シート。
)基材が熱可塑性樹脂からなるフィルムであることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の離型シート。
)熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする()記載の離型シート。
)上記(1)~()のいずれかに記載の離型シートを製造するための方法であって、
基材に、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体と架橋剤とを含有する樹脂層形成用液状物を塗布する工程と、乾燥して樹脂層を形成する工程とを有することを特徴とする離型シートの製造方法。
)上記()または()記載の離型シートを製造するための方法であって、
酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体と架橋剤とを含有する樹脂層形成用液状物が塗布された基材を乾燥、延伸する工程を含むことを特徴とする離型シートの製造方法。
本発明の離型シートは、基材上に、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体と架橋剤とを含有した樹脂層が形成されており、高温で熱処理された、例えば200℃程度またはそれ以上の高温で硬化させた熱硬化性樹脂に対しても、良好な離型性および耐熱性を備えており、また、高温での寸法安定性に優れている。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の離型シートは、基材上に樹脂層が設けられたものであり、樹脂層は、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体と架橋剤とを含有する。
酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体は、4-メチル-1-ペンテン系重合体が酸変性されたものであり、4-メチル-1-ペンテン系重合体としては、4-メチル-1-ペンテンの重合体、および、4-メチル-1-ペンテンとα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)との共重合体が挙げられる。
前記共重合体を構成するα-オレフィンとしては、炭素数が2~20のものを挙げることができ、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセンなどが挙げられ、好ましくは、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセンが挙げられる。これらα-オレフィンは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
共重合体は、4-メチル-1-ペンテンと上記α-オレフィンとから、従来公知の方法により共重合させて製造することができる。共重合反応は、α-オレフィンが反応物の合計モル量に対して、通常15モル%以下、好ましくは9モル%以下である条件で行われる。
4-メチル-1-ペンテン系重合体は、共重合体である場合、4-メチル-1-ペンテンとα-オレフィンとのランダム共重合体であることが好ましい。4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィンランダム共重合体は、4-メチル-1-ペンテン単位が80~99.9質量%であることが好ましく、90~98質量%であることがより好ましく、α-オレフィン単位が0.1~20質量%であることが好ましく、2~10質量%であることがより好ましい。
酸変性に用いることができる4-メチル-1-ペンテン系重合体の市販品としては、三井化学社製の「DX845」、「DX820」、「DX231」、「DX310」、「MX004」、「MX002」などが挙げられる。
樹脂層を構成する酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体は、上記4-メチル-1-ペンテン系重合体が酸変性されたものである。
酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体における酸変性成分の含有量は、1~10質量%であることが好ましく、1~7質量%であることがより好ましく、2~5質量%であることがさらに好ましく、2~3質量%であることが特に好ましい。酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体は、酸変性成分の量が1質量%未満であると、水性分散化することが困難になることがあり、また、得られる樹脂層は、基材との十分な密着性が得られないことがあり、被着体を汚染する可能性がある。一方、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体における酸変性成分の量が10質量%を超えると、得られる樹脂層は、離型性が低下することがある。
酸変性成分としては、不飽和カルボン酸成分が挙げられ、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でも、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体の分散安定性の面から、酸変性成分は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸がより好ましい。
酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体は、メルトフローレートが、260℃、2160g荷重において、1~1000g/10分であることが好ましく、1~500g/10分であることがより好ましく、2~300g/10分であることがさらに好ましく、2~200g/10分であることが特に好ましい。メルトフローレートが1g/10分未満の酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体は、製造が困難なうえ、水性分散化するのが困難となることがある。酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体のメルトフローレートが1000g/10分を超えると、得られる樹脂層は、基材との密着性が低下して、被着体への移行が起こりやすくなることがある。
本発明の離型シートを構成する樹脂層は、架橋剤を含有することが必要である。
架橋剤の含有量は、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体100質量部に対して、0.1~50質量部であることが必要であり、3~30質量部であることが好ましく、5~10質量部であることがより好ましい。架橋剤は、含有量が0.1質量部未満であると添加効果が乏しく、架橋剤の含有量が50質量部を超えると、樹脂層は、離型性が低下する場合がある。
架橋剤としては、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、メラミン化合物、イソシアネート化合物、尿素化合物、アジリジン化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が挙げられ、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体に含まれる酸変性成分との反応性の点から、オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物であることが好ましい。オキサゾリン化合物とカルボジイミド化合物とを併用する場合には、オキサゾリン化合物とカルボジイミド化合物の合計量が上記した架橋剤の含有量の範囲を満たしていればよい。
オキサゾリン化合物は、分子中にオキサゾリン基を2つ以上有しているものであればよく、特に限定されない。例えば、2,2′-ビス(2-オキサゾリン)、2,2′-エチレン-ビス(4,4′-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2′-p-フェニレン-ビス(2-オキサゾリン)、ビス(2-オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィドなどのオキサゾリン基を有する化合物や、オキサゾリン基含有ポリマーなどが挙げられる。これらは、1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、取り扱いやすさから、オキサゾリン基含有ポリマーが好ましい。オキサゾリン基含有ポリマーは、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン等の付加重合性オキサゾリン重合させることにより得られる。必要に応じて他の単量体が共重合されていてもよい。オキサゾリン基含有ポリマーの重合方法は、特に限定されず、公知の種々の重合方法を採用することができる。
オキサゾリン基含有ポリマーの市販品としては、日本触媒社製のエポクロスシリーズが挙げられる。より具体的には、水溶性タイプの「WS-500」、「WS-700」や、エマルションタイプの「K-1010E」、「K-1020E」、「K-1030E」、「K-2010E」、「K-2020E」、「K-2030E」などが挙げられる。
カルボジイミド化合物は、分子中に少なくとも2つ以上のカルボジイミド基を有しているものであればよく、特に限定されない。例えば、p-フェニレン-ビス(2,6-キシリルカルボジイミド)、テトラメチレン-ビス(t-ブチルカルボジイミド)、シクロヘキサン-1,4-ビス(メチレン-t-ブチルカルボジイミド)などのカルボジイミド基を有する化合物や、カルボジイミド基を有する重合体であるポリカルボジイミドが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、取り扱いやすさから、ポリカルボジイミドが好ましい。ポリカルボジイミドの製法は、特に限定されない。ポリカルボジイミドは、例えば、イソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応により製造することができる。イソシアネート化合物も限定されず、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソシアネートのいずれであってもよい。イソシアネート化合物は、必要に応じて多官能液状ゴムやポリアルキレンジオールなどが共重合されていてもよい。
ポリカルボジイミドの市販品としては、日清紡社製のカルボジライトシリーズが挙げられる。より具体的には、水溶性タイプの「SV-02」、「V-02」、「V-02-L2」、「V-04」;エマルションタイプの「E-01」、「E-02」;有機溶液タイプの「V-01」、「V-03」、「V-07」、「V-09」;無溶剤タイプの「V-05」が挙げられる。
エポキシ化合物は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテル型、ビスフェノールFグリシジルエーテル型、ビスフェノールS型グリシジルエーテル型、ビスフェノールADグリシジルエーテル型、ビフェニルグリシジルエーテル型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、脂環式、複素環式、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、ソルビトールグリシジルエーテル型、グリセロールグリシジルエーテル型等のものが挙げられる。
エポキシ化合物の市販品としては、ADEKA社製の「EM-051R」、三菱化学社製の「JER-828」、「JER-1001」、「JER-1004」、「JER-1007」、「JER-1009」、ナガセケムテックス社製の「EX-612」、「EX-614」、「EX-614B」、「EX-313」、「EX-314」、「EX-810」、「EX-811」、「EX-850」、「EX-851」、「EX-821」などが挙げられる。
樹脂層は、上記酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体と架橋剤とを含有するが、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、耐候安定剤、スリップ剤、核剤、顔料、染料などが挙げられる。
樹脂層の厚みは、0.01~5μmであることが好ましく、0.1~2μmであることがより好ましく、0.2~1μmであることがさらに好ましく、0.3~0.7μmであることが特に好ましい。樹脂層は、厚みが0.01μm未満であると、十分な離型性が得られず、5μmを超えると、離型性が低下することがある。また、後述する帯電防止処理がなされた基材上に設けられた樹脂層においては、厚みが5μmを超えると、十分な帯電防止性が得られず、剥離工程において帯電し、表面に大気中の塵や埃が付着することにより、剥離された製品において、欠陥および粘着力の低下の原因となる可能性がある。
離型シートを構成する基材としては、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料等で形成されたものが挙げられる。
基材の厚みは、特に限定されるものではないが、通常は1~1000μmであればよく、1~500μmが好ましく、1~100μmがより好ましく、1~50μmが特に好ましい。
基材に用いることができる樹脂材料としては、例えば熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)などのポリエステル樹脂;ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン樹脂;6-ナイロン、ポリ-m-キシリレンアジバミド(MXD6ナイロン)等のポリアミド樹脂;半芳香族ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアクリルニトリル樹脂;ポリイミド樹脂;これらの樹脂の複層体(例えば、ナイロン6/MXD/ナイロン6、ナイロン6/エチレン-ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体等が挙げられる。
基材は熱可塑性樹脂からなるフィルムであることが好ましく、中でも、機械的特性、熱的寸法安定性に優れるポリエステル樹脂フィルムが好ましく、安価で入手が容易という点からポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
樹脂材料は、寸法安定性の観点から延伸されているものであることが好ましい。
樹脂材料は、公知の添加剤や安定剤、例えば、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などを含んでいてもよい。また、樹脂材料は、その他の材料と積層する場合の密着性を向上させるために、表面に前処理としてコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理等を施したものでもよい。また、樹脂材料は、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよく、バリア層や易接着層、帯電防止層、紫外線吸収層、接着層などの他の層が積層されていてもよく、さらに、紙、合成紙、布、他の樹脂材料、金属材料等を、樹脂層を設ける側とは反対側に積層してもよい。
樹脂材料は、非常に帯電しやすく、種々の障害を生じる場合があるため、樹脂材料からなる基材は、帯電防止処理されていることが好ましい。基材が帯電防止処理されていると、離型シートは、工程フィルムとして使用する場合には、剥離工程において発生する摩擦帯電や剥離帯電により帯びた静電気が大気中のゴミや塵、埃等を吸着することにより生じる製品の欠陥を防止できる。また、粘着剤の保護材料として使用した場合には、剥離帯電により発生した静電気により粘着面に塵や埃が付着して粘着力が低下することを防止できる。
帯電防止処理された樹脂材料を得る方法としては、樹脂材料中に帯電防止剤を練りこむ方法、樹脂材料に帯電防止層を積層する方法がある。帯電防止層を積層する方法が、より低コストで帯電防止処理することができる。
上記帯電防止処理は、樹脂材料に限定されるものではなく、後述する紙や合成紙、布やガラス材料などにも施されてもよい。
基材として用いることができる紙としては、和紙、クラフト紙、ライナー紙、アート紙、コート紙、カートン紙、グラシン紙、セミグラシン紙等を挙げることができる。
基材として用いることができる合成紙は、その構造は特に限定されず、単独構造であっても多層構造であってもよい。多層構造としては、例えば基材層と表面層の2層構造、基材層の表裏面に表面層が存在する3層構造、基材層と表面層の間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造を例示することができる。各層は、無機や有機のフィラーを含有していてもよいし、含有していなくてもよい。微細なボイドを多数有する微多孔性合成紙も使用することができる。
基材として用いることができる布としては、上述した合成樹脂からなる繊維や、木綿、絹、麻などの天然繊維からなる、不織布、織布、編布などが挙げられる。
基材として用いることができる金属材料としては、アルミ箔や銅箔などの金属箔や、アルミ板や銅板などの金属板などが挙げられる。
基材として用いることができるガラス材料としては、ガラス板やガラス繊維からなる布などが挙げられる。
本発明の離型シートは、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体と架橋剤とを含有し、水性媒体などに分散または溶解された液状物を、基材上に塗布したのち乾燥して樹脂層を形成する方法によって、工業的に簡便に製造することができる。
酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体と架橋剤とを含有する樹脂層形成用液状物を調製する方法は、各成分が液状媒体中に均一に混合される方法であれば、特に限定されない。例えば、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体の分散液または溶液に、架橋剤の分散液または溶液を添加して混合する方法が挙げられる。また、樹脂層が他の成分を含有する場合においても、任意の段階で他の成分を添加して液状物を調製することができる。
樹脂層形成用液状物を構成する溶媒は、基材上に液状物の塗布が可能なものであれば、特に限定されず、水、有機溶剤、あるいは水と両親媒性有機溶剤とを含む水性媒体などが挙げられる。なかでも、環境上、水または水性媒体であることが好ましい。
有機溶剤としては、ジエチルケトン(3-ペンタノン)、メチルプロピルケトン(2-ペンタノン)、メチルイソブチルケトン(4-メチル-2-ペンタノン)、2-ヘキサノン、5-メチル-2-ヘキサノン、2-へプタノン、3-へプタノン、4-へプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、ベンゼン、ソルベッソ100、ソルベッソ150等の芳香族炭化水素類;ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、m-ジクロロベンゼン、p-ジクロロベンゼン等の含ハロゲン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸-sec-ブチル、酢酸-3-メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、γ-ブチロラクトン、イソホロン等のエステル類;後述の両親媒性有機溶剤などが挙げられる。
本発明において、水性媒体とは、水と両親媒性有機溶剤とを含み、水の含有量が2質量%以上である溶媒を意味する。両親媒性有機溶剤とは、20℃における有機溶剤に対する水の溶解性が5質量%以上である有機溶剤をいう〔20℃における有機溶剤に対する水の溶解性については、例えば「溶剤ハンドブック」(講談社サイエンティフィク、1990年第10版)等の文献に記載されている〕。具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジメチル等のエステル類;そのほか、アンモニアを含む、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N-ジエタノールアミン等の有機アミン化合物;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドンなどのラクタム類等を挙げることができる。
酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体を上記のような水性媒体に分散化する方法は、特に限定されず、例えば、国際公開WO02/055598号に記載された方法が挙げられる。
水性媒体中の酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体の分散粒子径は、他の成分との混合時の安定性および混合後の保存安定性の点から、数平均粒子径が1μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましい。このような粒子径は、WO02/055598号に記載の製法により達成可能である。
樹脂層形成用液状物における固形分濃度は、積層条件、目的とする厚さや性能等により適宜選択でき、特に限定されないが、液状物の粘性を適度に保ち、かつ良好な樹脂層を形成させるためには、1~60質量%であることが好ましく、5~30質量%であることがより好ましい。
樹脂層形成用液状物を基材に塗布する方法としては、公知の方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等を挙げることができる。これらの方法により液状物を基材の表面に均一に塗布し、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥処理または乾燥のための加熱処理に供することにより、均一な樹脂層を基材に密着させて形成することができる。
基材上に樹脂層を形成した後、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体と架橋剤との反応を促進させるために、一定の温度にコントロールされた環境下でエージング処理をおこなってもよい。エージング温度は、基材へのダメージを軽減する観点からは、比較的低いことが好ましく、反応を十分かつ速やかに進行させるという観点からは、高温で処理することが好ましい。エージングは20~100℃でおこなうことが望ましく、30~70℃でおこなうことがより好ましく、40~60℃でおこなうことがさらに好ましい。
ポリエステル樹脂フィルムなどの熱可塑性樹脂フィルムからなる樹脂材料を基材とし、これに樹脂層形成用液状物を塗布する場合、二軸延伸されたフィルムに、樹脂層形成用液状物を塗布後、乾燥、熱処理してもよく(オフラインコート)、また、配向が完了する以前の未延伸フィルムあるいは一軸延伸の終了したフィルムに、樹脂層形成用液状物を塗布し、乾燥後、加熱して延伸するか、あるいは加熱して乾燥と同時に延伸して、熱可塑性樹脂の配向を完了させてもよい(インラインコート)。
後者の未延伸フィルムあるいは一軸延伸終了後のフィルムに液状物を塗布後、乾燥、延伸配向する方法は、熱可塑性樹脂フィルムの製膜と同時に樹脂層を積層することができるため、コストの点から好ましい。また延伸工程において樹脂層に高温の熱がかかることにより、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体と架橋剤との反応を効率的に進められるという点からも好ましい。また、液状物として水性分散体を使用することが、製造工程内に防爆設備が不要であるなどの点からより好ましい。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(1)酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体の酸変性成分含有量
酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体における酸変性成分の含有量は、酸価をJIS K5407に準じて測定し、その値から不飽和カルボン酸の含有量(グラフト率)を次式から求めた。
酸変性成分含有量(質量%)=(グラフトした不飽和カルボン酸の質量)/(酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体の質量)×100
(2)酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体のメルトフローレート
JIS K6730記載(260℃、2160g荷重)の方法で測定した。
(3)水性分散体の有機溶剤含有率
島津製作所社製、ガスクロマトグラフGC-8A[FID検出器使用、キャリアーガス:窒素、カラム充填物質(ジーエルサイエンス社製):PEG-HT(5%)-Uniport HP(60/80メッシュ)、カラムサイズ:直径3mm×3m、試料投入温度(インジェクション温度):150℃、カラム温度:60℃、内部標準物質:n-ブタノール]を用い、水性分散体または水性分散体を水で希釈したものを直接装置内に投入して、有機溶剤の含有率を求めた。検出限界は0.01質量%であった。
(4)水性分散体の固形分濃度
液状物を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱することで、固形分濃度を求めた。
(5)樹脂粒子の数平均粒子径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340、動的光散乱法)を用い、数平均粒子径を求めた。粒子径算出に用いた樹脂の屈折率は1.57とした。
(6)樹脂層の厚み
離型シートの全体の厚さを接触式膜厚計により測定し、その測定値から基材の厚さを減じて求めた。
(7)基材と樹脂層との密着性
離型シートの樹脂層の表面に、粘着テープ(ニチバン社製TF-12)を貼り付けた後、この粘着テープを勢いよく剥離した。そして、離型シートの表面状態を目視で観察し、以下の基準で密着性を評価した。
○:樹脂層が剥がれない
×:樹脂層の一部または全部が剥がれる
(8)離型性
3官能エポキシ樹脂(プリンテック社製 VG3101)およびメチルナジック酸を、質量比で75/25となるように、トルエン中で混合して、固形分濃度30質量%の溶液を調製した。
この溶液を、離型シートの樹脂層表面に、乾燥後の厚みが50μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥させて、半硬化状態のエポキシ樹脂層が積層された離型シートを作製した。
次いで、離型シート上の半硬化状態のエポキシ樹脂層の上に、銅箔(古河電気工業社製F2-WS、厚み18μm)を積層し、1.07kPa(8Torr)の真空プレス機中で、30℃から190℃まで10℃/分で昇温し、60分間保持した後、230℃まで10℃/分で昇温し、230℃で2時間保持した後、室温まで冷却を行うことで、離型シート/エポキシ樹脂層/銅箔からなる構成の積層体を得た。なお、上記加熱処理は、15kg/cmの圧力をかけながら行った。
得られた積層体の、エポキシ樹脂層と離型シートとの間の剥離強度を、25℃の恒温室で引張試験機(インテスコ社製、精密万能材料試験機、2020型)にて測定し、離型性を評価した。剥離角度は180度、剥離速度は300mm/分とした。
離型シートは、通常の使用において、剥離強度が小さい方が好ましく、具体的には、製造工程における作業性の観点から30g/cm以下であることが好ましく、20g/cm以下であることがより好ましく、10g/cm以下であることがさらに好ましい。
(9)寸法安定性
離型シートから20cm×20cmの正方形の試験片を切り出した。
170℃に設定したオーブンの中に試験片を5分間静置させ、その後オーブンから取出し、常温冷却させた後に、試験片の面積を測定し、下記式から面積の減少率を算出した。
以下の基準で寸法安定性を評価した。
○:減少率が3.0%以下
△:減少率が3.0%を超え、5.0%以下であるか、熱しわが確認される
×:減少率が5.0%を超える
減少率(%)=〔400(cm)-熱処理後の試験片の面積(cm)〕/〔400(cm)〕×100
離型シートの原料として、下記のものを使用した。
〔酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体P-1〕
4-メチル-1-ペンテン系重合体(三井化学社製 TPX DX820)280gを4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下でキシレン470gに加熱溶解させた後、系内温度を140℃に保って攪拌下、不飽和カルボン酸として無水マレイン酸40.0gとラジカル発生剤としてパークミルD(日本油脂社製)5.0gをそれぞれ2時間かけて加え、その後6時間反応させた。反応終了後、得られた反応生成物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。
この析出させた樹脂を、アセトンで繰り返し洗浄することで未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体P-1を得た。その酸変性成分の含有量は3質量%、メルトフローレートは35g/10分であった。
〔酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体P-2〕
無水マレイン酸を45.0g、ラジカル発生剤のパークミルDを10.0g使用した以外は、重合体P-1と同様にして、酸変性成分の含有量が5質量%、メルトフローレートが50g/10分である酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体P-2を得た。
〔酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体P-3〕
無水マレイン酸を25.0g、ラジカル発生剤のパークミルDを2.8g使用した以外は、重合体P-1と同様にして、酸変性成分の含有量が1.5質量%、メルトフローレートが15g/10分である酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体P-3を得た。
〔酸変性ポリオレフィン樹脂P-4〕
無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂(アルケマ社製 ボンダイン LX-4110、酸変性成分の含有量2質量%、メルトフローレート5g/10分(190℃))を使用した。
〔酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体P-1の水性分散体E-1〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用い、60.0gの酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体P-1、180gのテトラヒドロフラン(THF)、30.0gのトリエチルアミン(TEA)および330gの蒸留水をガラス容器内に仕込んだ。そして、撹拌翼の回転速度を300rpmとし、系内温度を130℃に保って、30分間撹拌した。その後、攪拌しながら室温付近(約30℃)まで冷却し、50gの蒸留水を追加した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(空気圧0.2MPa)した。得られた水性分散体を1Lナスフラスコに入れ、80℃に加熱した湯浴につけながらエバポレーターを用いて減圧し、THF、水の混合媒体約250gを留去し、乳白色の均一な水性分散体E-1を得た。
得られた水性分散体E-1は、固形分濃度が15.0質量%、有機溶剤の含有率が0.5質量%であり、重合体P-1の数平均粒子径は0.07μmであった。
〔酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体P-2の水性分散体E-2〕
酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体の種類をP-2に変更した以外は重合体P-1の水性分散体E-1と同様の操作を行って、乳白色の均一な水性分散体E-2を得た。
得られた水性分散体E-2は、固形分濃度が15.1質量%、有機溶剤の含有率が0.4質量%であり、重合体P-2の数平均粒子径は0.05μmであった。
〔酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体P-3の水性分散体E-3〕
酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体の種類をP-3に変更した以外は重合体P-1の水性分散体E-1と同様の操作を行って、乳白色の均一な水性分散体E-3を得た。
得られた水性分散体E-3は、固形分濃度が15.0質量%、有機溶剤の含有率が0.6質量%であり、重合体P-3の数平均粒子径は0.10μmであった。
〔酸変性ポリオレフィン樹脂P-4の水性分散体N-1〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用い、60.0gの酸変性ポリオレフィン樹脂P-4、90.0gのイソプロパノール、3.0gのTEAおよび147.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込んだ。そして、撹拌翼の回転速度を300rpmとし、系内温度を140~145℃に保って、30分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(空気圧0.2MPa)した。これによって、乳白色の均一な水性分散体N-1を得た。
得られた水性分散体N-1は、固形分濃度が20.0質量%、有機溶剤の含有率が30.0質量%であり、樹脂P-4の数平均粒子径は0.10μmであった。
〔架橋剤〕
・オキサゾリン化合物の水性溶液(日本触媒社製、エポクロス WS-700、固形分濃度40質量%)
・カルボジイミド基含有高分子分散体(日清紡ケミカル社製、カルボジライトシリーズE-01、固形分濃度40質量%)
・エポキシ基含有高分子水溶液(ADEKA社製、アデカレジンEM-051R、固形分濃度49.8質量%)
〔基材〕
・二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(ユニチカ社製、エンブレット S-50、厚み50μm)
実施例1
酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体P-1の水性分散体E-1と、オキサゾリン化合物の水性溶液とを、それぞれの固形分の質量比が100/0.1となるように混合し、室温で5分間攪拌して、樹脂層形成用液状物を得た。
この液状物をポリエステル樹脂フィルムに、マイヤーバーを用いて塗布した後、120℃で15秒間乾燥することで、フィルム上に0.1μmの樹脂層が形成された離型シートを得た。
実施例2~9、比較例1~3
酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体の水性分散体と架橋剤の種類、それらの固形分の質量比が表1記載のものになるように樹脂層形成用液状物を調製した以外は実施例1と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例10
ポリエチレンテレフタレート樹脂(日本エステル社製、固有粘度0.6)を、Tダイを備えた押出機(75mm径、L/Dが45の緩圧縮タイプ単軸スクリュー)を用いて、シリンダー温度260℃、Tダイ温度280℃でシート状に押出し、表面温度25℃に調節された冷却ロール状に密着させて急冷し、厚み500μmの未延伸フィルムとした。
続いて、未延伸フィルムを90℃で縦方向に3.4倍延伸した後、グラビアコート機を用いて、実施例2で調製した樹脂層形成用液状物を、乾燥、延伸後の塗布量が0.1g/mになるように塗布し、次に温度90℃で2秒間予熱した後、240℃で横方向に3.5倍の倍率で延伸し、離型シートを得た。得られた離型シートにおける樹脂層の厚みは、0.1μmであった。
実施例11、12
樹脂層形成用液状物を実施例8、9で調製したものに変更した以外は、実施例10と同様の操作を行って、離型シートを得た。
比較例4、5
ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム、東レ社製、トレファン 2500H 厚み50μm)、ポリメチルペンテンフィルム(PMPフィルム、三井化学東セロ社製、オピュラン X-88B 厚み50μm)を、それぞれ樹脂層を形成することなく、離型シートとして評価した。
得られた離型シートについて、樹脂層の構成、形成方法、特性を表1に示す。
Figure 0007208617000001
表1に示すように、実施例において得られた離型シートは、基材上に酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体と架橋剤を含有する樹脂層が設けられたものであり、離型シート上で230℃の高温条件において硬化させたエポキシ樹脂に対して、良好な離型性を示した。また、高温で熱処理されても寸法安定性に優れるものであった。
なかでも、樹脂層形成用液状物を塗布後に基材とともに延伸した(インラインコート)離型シート(実施例10~12)は、より離型性に優れていた。
一方、樹脂層が架橋剤を含有しない離型シート(比較例1)は、基材と樹脂層の間の密着性が劣っていた。
樹脂層における架橋剤の含有量が本発明で規定する範囲を超える離型シート(比較例2)や、樹脂層を構成する樹脂が、本発明で規定する酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体以外の樹脂である離型シート(比較例3)は、離型性が劣る結果となった。
ポリオレフィン樹脂単体からなる離型シート(比較例4、5)は、離型性や寸法安定性が劣っていた。

Claims (7)

  1. 基材上に樹脂層を設けてなる離型シートであって、
    樹脂層が、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体100質量部と架橋剤0.1~50質量部とを含有し、
    4-メチル-1-ペンテン系重合体における4-メチル-1-ペンテン単位の含有量が80質量%以上であることを特徴とする離型シート。
  2. 酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体における酸変性成分の含有量が1~10質量%であることを特徴とする請求項1記載の離型シート。
  3. 架橋剤が、オキサゾリン化合物および/またはカルボジイミド化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の離型シート。
  4. 基材が熱可塑性樹脂からなるフィルムであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の離型シート。
  5. 熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項記載の離型シート。
  6. 請求項1~のいずれかに記載の離型シートを製造するための方法であって、
    基材に、酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体と架橋剤とを含有する樹脂層形成用液状物を塗布する工程と、乾燥して樹脂層を形成する工程とを有することを特徴とする離型シートの製造方法。
  7. 請求項または記載の離型シートを製造するための方法であって、
    酸変性4-メチル-1-ペンテン系重合体と架橋剤とを含有する樹脂層形成用液状物が塗布された基材を乾燥、延伸する工程を含むことを特徴とする離型シートの製造方法。
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