JP5582775B2 - 離型シートの使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は離型シートの使用方法に関し、特にゴムシートの製造工程および製品表面の保護に用いられる離型シートの使用方法に関するものである。
ゴムシートは、優れたクッション性や伸縮性を有しているため、産業上の広い分野で使用されている。
ゴムシートを製造する方法として、例えば、離型シートの上に未架橋のゴム成分を押出キャストあるいは塗布し、そして乾燥してシート状の成形体とし、後工程で硬化・架橋処理を行う方法がある。最終的にゴムシートを製品とする際に、離型シートは剥離される。
一般にゴムは、架橋時に接着現象が起こる。これに対処するために、ゴム成分と接着しにくい離型シートとして、通常、ポリオレフィン樹脂をフィルム化した離型シートや(特許文献1)、フッ素樹脂をフィルム化した離型シートや、ポリエステルフィルムの表面にシリコーン化合物やフッ素化合物による処理を施した離型シート(特許文献2)が提案され、用いられている。
特開2006−77238号公報 国際公開第WO03/099556号パンフレット
しかし、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂フィルムは、強度や耐熱性が不十分で製造工程でフィルム切れなどのトラブルが発生しやすい。しかも、ゴム成分の架橋のための高温処理の際に樹脂の融点以上で処理されることも多く、その場合はゴムシートと強く接着してしまい、剥離作業においてトラブルが発生しやすい。
フッ素樹脂フィルムは、樹脂自体が非常に高価であるためにコストアップとなってしまうだけでなく、使用後の廃棄焼却処理において燃焼しにくくかつ有毒なガスを発生しやすい。
シリコーン化合物で処理した離型シートは、表面のぬれ性に劣るために、ゴム成分を離型シート上に塗布する際において、特にゴムシート層を薄く形成しようとした場合に、はじきが生じやすく均一なゴムシートの製造が困難である。しかも、それだけでなく、ゴムシートとの密着が悪く、架橋前のゴムシートとは十分に密着しないため、製品の製造工程や運搬中に剥離してしまうことがあり、トラブルの原因となっている。
本発明の目的は、ゴムシートの製造において好適に使用することが出来、かつゴムの架橋処理後においても適度な剥離性を有する離型シートの使用方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、基材の少なくとも片面に酸変性成分が1〜10質量%の酸変性ポリオレフィン樹脂と架橋剤とを含む樹脂組成物にて形成された離型層を積層した離型シートが、ゴムシート製造工程における離型シートとして好適に使用可能であることを見出し、本発明に達した。
本発明の要旨は、下記のとおりである。
(1)ゴム成分を有機溶媒に溶解した溶液を離型シート表面に塗工し、乾燥することで、ゴム層を形成して硬化させる工程を第1の製造工程とし、
溶融させたゴム成分を離型シートの表面上にカレンダーあるいは押出機で所定の厚さに成形して、硬化させる工程を第2の製造工程として、
ゴムシートについての前記第1または第2の製造工程のため、および/または、
前記第1または第2の製造工程で製造されたゴムシートの保護のための離型シートの使用方法であって、
この離型シートは基材の少なくとも片面に離型層が積層され、前記離型層が、酸変性成分が1〜10質量%の酸変性ポリオレフィン樹脂と、前記酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して1〜50質量部の架橋剤とを含む樹脂組成物にて形成されていることを特徴とする離型シートの使用方法
(2)離型層を形成する樹脂組成物が、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して1〜1000質量部のポリビニルアルコールを含有することを特徴とする(1)の離型シートの使用方法
(3)離型シートと、この離型シートの上に形成された架橋後のゴムシートとの剥離強度が、0.05〜1.0N/cmであることを特徴とする(1)または(2)の離型シートの使用方法
(4)基材がポリエステルフィルムであることを特徴とする(1)から(3)までのいずれかの離型シートの使用方法
(5)成分として、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴムから選ばれる少なくとも一つを含むゴムシートに用いられるものであることを特徴とする(1)から(4)までのいずれかの離型シートの使用方法
本発明によると、離型層が、酸変性成分が1〜10質量%の酸変性ポリオレフィン樹脂と、前記酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して1〜50質量部の架橋剤とを含む樹脂組成物にて形成されているため、ゴムシートの製造において好適に使用することが出来、かつゴムの架橋処理後においても適度な剥離性を有する離型シートの使用方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
離型層に含まれる酸変性ポリオレフィン樹脂は、その酸変性成分が、酸変性ポリオレフィン樹脂の1〜10質量%であることが必要である。1〜7質量%が好ましく、2〜5質量%がより好ましく、2〜3質量%が特に好ましい。酸変性成分の質量比すなわち変性量が1質量%未満の場合は、基材との十分な密着性が得られないことがあるだけでなく、被着体であるゴムシートを汚染する可能性がある。さらに、この樹脂を水性分散化して基材上に積層することが困難になる傾向がある。一方、10質量%を超える場合は、離型性が低下する場合がある。
酸変性成分としては、不飽和カルボン酸成分があげられる。不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でも、樹脂の分散安定化の面から、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂の主成分であるオレフィン成分は、特に限定されないが、エチレン、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが好ましく、これらの混合物を用いてもよい。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、エチレン、プロピレンがさらに好ましく、エチレンが最も好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、基材との接着性を向上させる理由から、(メタ)アクリル酸エステル成分を含有していることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル成分を含む場合、その含有量は、0.5〜40質量%であることが好ましく、様々な基材との良好な接着性を持たせるために、この範囲は1〜20質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル成分としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられ、中でも入手のし易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。そのような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、基材フィルムとの接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。(なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。)
酸変性ポリオレフィンを構成する各成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されない。共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられる。
酸変性ポリオレフィン樹脂の融点は、80〜150℃であることが好ましく、85〜130℃がより好ましく、90〜100℃がさらに好ましい。150℃を超えると離型層の形成に高温での処理が必要となり、80℃未満では離型性が著しく低下する。
酸変性ポリオレフィン樹脂のビカット軟化点は、50〜130℃であることが好ましく、53〜110℃がより好ましく、55〜90℃がさらに好ましい。ビカット軟化点が50℃未満の場合は離型性が低下し、130℃を超える場合は離型層の形成に高温での処理が必要となってしまう。
酸変性ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートは、190℃、2160g荷重において1〜1000g/10分であることが好ましく、1〜500g/10分であることがより好ましく、2〜300g/10分であることがさらに好ましく、2〜200g/10分であることが特に好ましい。1g/10分未満のものは、樹脂の製造が困難なうえ、水性分散体とするのが困難になる。これに対し1000g/10分を超えるものは、基材との密着性が低下し、被着体としてのゴムシートへの移行が起こりやすくなる。
本発明において、離型シートにおける離型層は、架橋剤を含有する。その含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、1〜50質量部であることが必要である。3〜30質量部であることがより好ましく、5〜20質量部であることがさらに好ましい。1質量部未満では添加効果が乏しく、50質量部を超えると離型性が低下する場合がある。架橋剤を用いて酸変性ポリオレフィン樹脂を架橋させることによって、ゴムシートを架橋させる際に高温での処理を行った場合でも、離型シートの剥離力の変化が小さく容易に剥離できるという効果を奏することができる。
酸変性ポリオレフィン樹脂を架橋させるための架橋剤としては、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が挙げられる。なかでも、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物が効果的であって好ましく、オキサゾリン基含有化合物が特に好ましい。
オキサゾリン基含有化合物は、分子中に少なくともオキサゾリン基を2つ以上有しているものであれば、特に限定されるものではない。たとえば、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレン−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレン−ビス(2−オキサゾリン)、ビス(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィドなどのオキサゾリン基を有する化合物や、オキサゾリン基含有ポリマーなどが挙げられる。これらは、1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、取り扱いやすさから、オキサゾリン基含有ポリマーが好ましい。オキサゾリン基含有ポリマーは、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の付加重合性オキサゾリンを重合させることにより得られる。必要に応じて他の単量体が共重合されていてもよい。オキサゾリン基含有ポリマーの重合方法は、特に限定されず、公知の種々の重合方法を採用することができる。
オキサゾリン基含有ポリマーの市販品としては、日本触媒社製のエポクロスシリーズが挙げられる。より具体的には、水溶性タイプの「WS−500」、「WS−700」や、エマルションタイプの「K−1010E」、「K−1020E」、「K−1030E」、「K−2010E」、「K−2020E」、「K−2030E」などが挙げられる。
カルボジイミド化合物の場合は、分子中に少なくとも2つ以上のカルボジイミド基を有しているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、p−フェニレン−ビス(2,6−キシリルカルボジイミド)、テトラメチレン−ビス(t−ブチルカルボジイミド)、シクロヘキサン−1,4−ビス(メチレン−t−ブチルカルボジイミド)などのカルボジイミド基を有する化合物や、カルボジイミド基を有する重合体であるポリカルボジイミドが挙げられる。これらは、1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、取り扱いやすさからポリカルボジイミドが好ましい。ポリカルボジイミドの製法は、特に限定されるものではないが、例えば、イソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応により製造することができる。
ポリカルボジイミドの市販品としては、日清紡社製のカルボジライトシリーズが挙げられる。商品名を用いて説明すると、より具体的には、水溶性タイプの「SV−02」、「V−02」、「V−02−L2」、「V−04」、エマルションタイプの「E−01」、「E−02」、有機溶液タイプの「V−01」、「V−03」、「V−07」、「V−09」、無溶剤タイプの「V−05」が挙げられる。
イソシアネート化合物も限定されるものではなく、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、芳香族イソシアネートのいずれであっても構わない。また、必要に応じて多官能液状ゴムやポリアルキレンジオールなどが共重合されていてもよい。
本発明において、離型シートにおける離型層は、ポリビニルアルコールを含有することが好ましい。含有する場合に、その含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して1〜1000質量部であることが必要である。10〜600質量部であることが好ましく、20〜400質量部であることがより好ましく、30〜300質量部であることが最も好ましい。ポリビニルアルコールをこの範囲で含有することで、ゴムシートを架橋させる際に高温での処理を行った場合でも、離型層の軟化を防ぐことが出来、離型シートの剥離力の変化が小さく容易に剥離できるという効果を奏することができる。含有量が1質量部未満では添加効果が乏しく、1000質量部を超えても添加効果の向上に乏しい。また1000質量部を超える場合は、ゴムシートと離型層が強く密着してしまい、離型性が得られないだけでなく、液状物としての使用の際に液安定性が低下することがある。
ポリビニルアルコールの種類は、特に限定されない。たとえば、ビニルエステルの重合体を完全または部分ケン化したものが挙げられる。そのケン化方法としては、公知のアルカリケン化法や酸ケン化法を挙げることができる。なかでも、メタノール中で水酸化アルカリを使用して加アルコール分解する方法が好ましい。後述のように、液状物として使用する場合のために、水溶性を有していることが好ましい。
ビニルエステルとしては、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられる。なかでも、酢酸ビニルが、工業的に最も好ましい。
本発明の効果を損ねない範囲で、ビニルエステルに対し他のビニル化合物を共重合することも可能である。他のビニル系モノマーとしては、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸およびそのエステル、塩、無水物、アミド、ニトリル類;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびその塩;炭素数2〜30のα−オレフィン類;アルキルビニルエーテル類;ビニルピロリドン類などが挙げられる。
ポリビニルアルコールの平均重合度は、特に限定されるものではないが、300〜2,000であることが好ましい。
市販のポリビニルアルコールとしては、日本酢ビ・ポバール社「J−ポバール」の「JC−05」、「VC−10」、「ASC−05X」、「UMR−10HH」;クラレ社「クラレポバール」の「PVA−103」、「PVA−105」や「エクセバール」の「AQ4104」、「HR3010」;電気化学工業社「デンカ ポバール」の「PC−1000」、「PC−2000」などが挙げられる。
本発明において、離型シートは、上述の構成からなる離型層を有するため、様々な基材に対して良好な密着性を有する。さらに、ゴムシートに対して適度な離型性を有している。さらに、耐熱性も併せ持つため、ゴムシートの架橋工程における高温処理後も、離型性を維持することが出来る。したがって、の離型シートを用いることにより、ゴムシート製造工程においては離型シートとゴムシートとは十分に密着し、ゴムシートの架橋処理を行った後においてはゴムシートと離型層との間で良好な離型性を発現することが出来る。
離型シートの基材としては、樹脂材料、紙、合成紙、布、金属材料、ガラス材料等が挙げられる。
基材に用いることのできる樹脂材料としては、例えば熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)などのポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂;ナイロン6、ポリ−m−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)等のポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアクリルニトリル樹脂;ポリイミド樹脂;これらの樹脂の複層体(例えば、ナイロン6/MXD/ナイロン6、ナイロン6/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体等が挙げられる。基材は、その融点がゴムシートの架橋温度より高いものであることが好ましい。中でも、ポリエステル樹脂が好ましく、さらに、比較的安価で、耐熱性、寸法安定性に優れるポリエチレンテレフタレート樹脂がより好ましい。樹脂材料は延伸処理されていてもよい。
また樹脂材料は、公知の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤などを含んでいてもよく、離型層との密着性を良くするために、表面に前処理としてコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理等を施しておいてもよい。また、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよく、バリア層、易接着層、帯電防止層、紫外線吸収層、接着層などの他の層が積層されていてもよい。
基材に用いることができる紙としては、和紙、クラフト紙、ライナー紙、アート紙、コート紙、カートン紙、グラシン紙、セミグラシン紙等を挙げることができる。
基材に用いることができる合成紙は、その構造は特に限定されず、例えば単層構造であっても多層構造であってもよい。多層構造としては、例えば基材層と表面層の2層構造、基材層の表裏面に表面層が存在する3層構造、基材層と表面層の間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造を例示することができる。また、各層は無機や有機のフィラーを含有していてもよいし、含有していなくてもよい。また、微細なボイドを多数有する微多孔性合成紙も使用することができる。
基材に用いることのできる布としては、上述した合成樹脂からなる繊維や、木綿、絹、麻などの天然繊維からなる、不織布、織布、編布などが挙げられる。
基材に用いることができる金属材料としては、アルミ箔や銅箔などの金属箔や、アルミ板や銅板などの金属板などが挙げられる。ガラス材料の例としては、ガラス板や、ガラス繊維からなる布などが挙げられる。
上記樹脂材料を用いた基材は、さらに、紙、合成紙、布、他の樹脂材料、金属材料等が、この基材における離型層とは反対側に積層されたものであってもよい。
本発明において、離型シートは、同離型シートとゴムシートとの積層体をロール状にした際に、離型シートの逆側の面とゴムシートとの間のブロッキングの防止を目的として、離型シートの離型層とは逆側の面にも、同様の離型層を形成する処理を行ってもよい。すなわち一対の離型層で基材を挟み込んだ構成としてもよい。
本発明において、基材の表面粗度(性状)は、特に限定されない。しかしながら、ゴムシートの表面に特殊な形状を付与することが望まれる場合、それに対応して離型シートの表面に特殊な形状を付与することが望ましい。表面粗度を制御する方法は特に限定されないが、例えばポリエステルフィルムの表面粗度を制御する方法として、例えば、無機粒子あるいは有機粒子を数質量%添加したポリエステル樹脂原料を使用してフィルムを製膜する方法(練りこみマット)、微細無機砂を表面に吹き付けて表面を粗らす方法(サンドマット)、ポリエステルフィルム表面を薬液で浸食し化学的に侵食する方法(ケミカルマット)、基材をエンボスロールに押し付けて表面にエンボス加工を施す方法などが挙げられる。このような表面粗度を制御した基材上に離型層を形成することにより、ゴムシートの表面に特殊な形状を付与することが可能である。また、基材表面に離型層を形成する際に離型層中に無機粒子または有機粒子を添加することにより、表面形状を制御する方法(コートマット)を用いてもよい。
上記、表面粗度の制御は、離型シートとゴムシートとの積層体をロール状にした際に、離型シートの逆側の面とゴムシートとの間のブロッキングの防止を目的として、基材における離型層を設ける側とは逆側の面に施してもよい。
離型シートにおける離型層の厚みは、0.01〜5μmの範囲とすることが好ましく、0.1〜2μmであることがより好ましく、0.2〜1μmであることがさらに好ましく、0.3〜0.7μmであることが特に好ましい。0.01μm未満では十分な離型性を得られない場合があり、5μmを超えるとコストアップとなるだけでなく離型性が低下する場合がある。
離型シートにおける基材の厚みは、特に限定されるものではない。しかし、10〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは50〜300μmであり、さらに好ましくは70〜200μmであり、75〜150μmであることがもっとも好ましい。特に、基材として樹脂材料を用いる場合は、フィルム状となるので、その厚みが小さいと、架橋時の熱でフィルムが収縮して裂けたり、厚みムラの原因となったりする場合があるだけでなく、フィルム自体の強度がないため剥離時に破れやすく、取り扱いにくくなる可能性がある。基材の厚みが1000μmを超える場合は、コストアップとなってしまう。
本発明において、離型シートは、酸変性ポリオレフィン樹脂と架橋剤と必要に応じて用いられるポリビニルアルコールとを含有する液状物を基材上に塗工したのち乾燥するという製造方法によって、工業的に簡便に得ることができる。
酸変性ポリオレフィン樹脂と架橋剤と必要に応じてポリビニルアルコールとを含む液状物を製造する方法は、各成分が液状媒体中に均一に混合される方法であれば、特に限定されるものではない。たとえば、次のような方法が挙げられる。
(A):酸変性ポリオレフィン樹脂の分散液または溶液に、架橋剤の分散液または溶液と、必要に応じて用いられるポリビニルアルコールの分散液または溶液とを添加して混合する方法。
(B):酸変性ポリオレフィン樹脂と、架橋剤と、必要に応じて用いられるポリビニルアルコールとの混合物を液状化する方法。
上記(A)の方法の場合は、分散液または溶液を適宜混合すればよい。ポリビニルアルコールの分散液または溶液の溶質濃度は、特に制限されるものではないが、取り扱いやすさの点から、5〜10質量%であることが好ましい。上記(B)の手法の場合は、酸変性ポリオレフィン樹脂を液状化する際に、架橋剤と必要に応じて求められるポリビニルアルコールとを添加すればよい。
また、他の成分を添加する場合においても、(A)または(B)の製法における任意の段階で添加することができる。
本発明において、離型シートの製造に際して、酸変性ポリオレフィン樹脂と架橋剤と必要に応じてポリビニルアルコールとを含む液状物における溶媒は、基材上への塗工が可能であれば、特に限定されずに用いることができる。例えば、水、有機溶剤、あるいは水と両親媒性有機溶剤とを含む水性媒体などが挙げられる。なかでも、環境上の観点およびポリビニルアルコールの溶解性の観点から、水または水性媒体を使用することが好ましい。
有機溶剤としては、ジエチルケトン(3−ペンタノン)、メチルプロピルケトン(2−ペンタノン)、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2−ペンタノン)、2−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2−へプタノン、3−へプタノン、4−へプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、ベンゼン、ソルベッソ100、ソルベッソ150等の芳香族炭化水素類;ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン等の含ハロゲン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、γ―ブチロラクトン、イソホロン等のエステル類;加えて後述の両親媒性有機溶剤などが挙げられる。
水と両親媒性有機溶剤とを含む水性媒体とは、ここでは、水の含有量が2質量%以上である溶媒を意味する。ここにいう両親媒性有機溶剤とは、20℃における有機溶剤に対する水の溶解性が5質量%以上である有機溶剤をいう〔20℃における有機溶剤に対する水の溶解性については、例えば「溶剤ハンドブック」(講談社サイエンティフィク、1990年第10版)等の文献に記載されている〕。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコール−n−ブチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジメチル等のエステル類;そのほか、アンモニアを含む、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−ジエタノールアミン等の有機アミン化合物;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンなどのラクタム類等を挙げることができる。
酸変性ポリオレフィン樹脂を上記のような水性媒体に分散化する方法は、特に限定されない。例えば、国際公開第WO02/055598号パンフレットに記載されたものが挙げられる。
水と両親媒性有機溶剤とを含む水性媒体中の酸変性ポリオレフィン樹脂の分散粒子径は、他の成分との混合時の安定性および混合後の保存安定性の点から、数平均粒子径が1μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましい。このような粒径は、前記国際公開第WO02/055598号パンフレットに記載の製法により達成可能である。
液状物の固形分含有率は、積層条件、目的とする離型層の厚さや性能等により適宜選択でき、特に限定されるものではない。しかし、液状物の粘性を適度に保ち、かつ良好な離型層を形成させるためには、1〜60質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。
液状物を基材に塗工する際には、公知の方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等により基材表面に均一に塗工し、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥処理または乾燥のための加熱処理に供することにより、均一な離型層を基材に密着させて形成することができる。
本発明において、離型シートを用いてゴムシートを形成するためのゴム成分は、特に限定されない。例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム等の任意のゴム、またはこれらの混合物が挙げられる。これらのゴム成分は、使用目的に応じた必要特性により適宜選択して用いればよい。これらのゴム成分を二種類以上含んでいてもよい。
ゴムシートには、架橋開始剤、架橋助剤、架橋調整剤等の反応調整剤;導電化剤、電磁波吸収剤、着色剤、光学特性調整剤、親水化剤、難燃化剤等の各種機能化剤;補強性充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、離型剤、チクソトロピー性付与剤、充填剤用分散剤等の各種充填剤;接着性改良剤等の添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤を二種類以上同時に用いてもよい。
一般的に、ゴムには、弾性や強度、耐溶剤性などの物性を向上させるために架橋剤が添加され、ゴムシートを成形した後、架橋工程を経て製品とされることが多い。このためにゴムシートに用いられる架橋剤は、特に限定されないが、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄などの硫黄類;一塩化硫黄、二塩化硫黄などの塩化硫黄;テトラメチルチウラムジスルフィド;含硫黄化合物;アシル系パーオキサイドおよびアルキル系パーオキサイドが知られている。
例えばベンゾイルパーオキサイド、モノクロルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機化酸化物;酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛などの金属酸化物;トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、4,4’−メチレン−ビス−オルソクロロアニリンなどの有機多価アミン;アルキルフェノール樹脂などの変性フェノール樹脂;p−キノンジオキシム;p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム;テトラクロロ−p−ベンゾキノン;イソシアナ―ト類;過酸化鉛;光明丹;ベンゾクロリドなどが挙げられる。これらの架橋剤を二種類以上同時に用いてもよい。
さらに、ゴムの架橋時間の短縮、架橋温度の低下、架橋剤量の減少などを目的として、架橋促進剤を添加してもよい。架橋促進剤としては、特に限定されないが、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(ZnMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩(NaMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩(CMBT)、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール(DPBT)などのチアゾール系架橋促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(TBBS)、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、N,N′−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DPBS)などのスルフェンアミド系架橋促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)などのチウラム系架橋促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム(NaMDC)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(NaEDC)、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(NaBDC)、ジメチルジチオカルバミン酸鉛(PbMDC)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnMDC)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC)、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBDC)、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛(ZnPDC)、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEPDC)、ジエチルジチオカルバミン酸テルル(TeEDC)、ジメチルジチオカルバミン酸セレン(SeMDC)、ジエチルジチオカルバミン酸セレン(SeEDC)、ジメチルジチオカルバミン酸銅(CuMDC)、ジメチルジチオカルバミン酸鉄(FeMDC)、ジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアミン(EAEDC)、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン(PPDC)、メチルペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペコリン(PMPDC)などのジチオ酸塩系架橋促進剤;ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリルグアニジン(DOTG)、オルトトリルビグアニド(OTBG)などのグアニジン系架橋促進剤;チオカルボアニリド(CA)、ジオルトトリルチオウレア(DOTU)、エチレンチオウレア(EU)、ジエチルチオウレア(DEU)、トリメチルチオウレア(TMU)などのチオウレア系架橋促進剤;ヘキサメチレンテトラミン(H)、アセトアルデヒド・アンモニア(AA)などのアルデヒド−アンモニア系架橋促進剤;n−ブチルアルデヒド・アニリン反応生成物(BAA)などのアルデヒド−アミン系架橋促進剤などのような有機架橋促進剤や、消石灰、酸化マグネシウム、リサージなどの無機架橋促進剤が挙げられる。これらの架橋促進剤を二種類以上同時に用いてもよい。
架橋剤および架橋促進剤の配合量は、特に限定されないが、それぞれ、上記ゴム成分100質量部に対して、0.1〜50質量部とするのが好ましく、より好ましくは0.2〜30質量部であり、0.5〜20質量部であることがさらに好ましい。配合量が、0.1質量部未満では、ゴムの物性が十分に得られにくい。逆に50質量部を超えて配合しても十分なゴムの物性が得られ難く、むしろゴムの物性が低下する可能性がある。二種類以上の架橋剤や架橋促進剤を用いた場合、その合計の配合量が、上記範囲内にあることが好ましい。
ゴムシートのゴム成分および添加剤を配合する方法は、特に限定されない。例えば2本ロール、バンバリーミキサー、ドウミキサー(ニーダー)などの公知の混練機を用いて配合してもよく、また、ゴム成分を溶剤に溶解して溶液を作成する際、または溶液にした後に各種配合剤を添加してもよい。
ゴムシートの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることが出来る。例えば、ゴム成分を有機溶媒に溶解した溶液を離型シート表面に塗工し、乾燥することで、ゴム層を形成して硬化させる方法や、高温で溶融させたゴム成分を離型シートの上にカレンダーあるいは押出機で所定の厚さのシート状に成形して、硬化させる方法などが挙げられる。
ゴム成分の溶液を用いてゴムシートを得る場合に、ゴム溶液を作るための溶媒としては、ゴムを溶解させることが出来るものであれば特に限定されず、任意に用いることが出来る。例えば、前述した有機溶剤等を用いることが出来る。ゴム溶液の濃度は任意であり、ゴムの種類や配合物の組成により異なるが、濃度が5〜90質量%の範囲であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。
ゴムシートの架橋方法は、特に限定されず、公知の架橋方法を用いることが出来る。例えば、熱架橋や、紫外線、電子線、γ線のようなエネルギー活性線による架橋などが挙げられる。熱架橋を行う場合、処理温度は、特に限定されず、用いるゴム成分、架橋剤、架橋促進剤に応じて、適宜選択すればよい。詳しくは、80〜250℃が好ましく、100〜200℃がより好ましく、120〜180がさらに好ましい。熱による架橋処理は、必要に応じて数回の段階に分けて行ってもよい。例えば、一次架橋を1分〜30分間行った後、二次架橋を1〜20時間程度行うなどの方法がある。
本発明において、離型シートと架橋処理後のゴムシートとの剥離強度は、ゴムシートを保持して離型シートから剥離しようとした場合に、温度20℃の条件下、T型剥離、引っ張り速度300mm/分で測定したときの、剥離強度が安定したときの平均値が、0.05〜1.0N/cmであることが好ましい。より好ましくは、0.05〜0.8N/cm、さらに好ましくは0.1〜0.6N/cm、最も好ましくは0.1〜0.5N/cmである。剥離強度が上記範囲にある場合、ゴムシートの製造工程におけるゴムシートの巻き取り時や、保管時、輸送時に、離型シートの浮きを抑制することが出来て、製品の歩留まりの向上を図ることや、品位を高く保つことが出来、さらに、離型シート剥離する際に、ストレスなく、またゴムシート層表面に悪影響なく、良好に剥離することが出来る。剥離強度が0.05N/cm未満である場合は、離型シートとゴムシートとが、製造工程中、保管時、搬送中に簡単に剥離してしまい、保護の役割を果たすことが出来なくなり、ゴムシートの品質の悪化を招く可能性がある。また、剥離強度が1.0N/cmよりも大きい場合は、ゴムシートを使用する際に、離型シートが剥がれにくく、ゴムシート表面を傷めてしまうおそれがある。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらによって限定されるものではない。
下記の実施例・比較例における各種の特性は、以下の方法によって測定または評価した。
(1)酸変性ポリオレフィン樹脂の構成
高分解能核磁気共鳴装置(バリアン社製、商品名「GEMINI2000/300」)を用いて、H−NMR分析することにより、酸変性ポリオレフィン樹脂の構成を求めた。
分析条件を以下に示す。
周波数:300MHz
溶媒:オルトジクロロベンゼン(d
温度:120℃
(2)酸変性ポリオレフィン樹脂分散体の有機溶剤含有率(質量%)
FID検出器(島津製作所社製、商品名「ガスクロマトグラフGC−8A」)を用い、酸変性ポリオレフィン樹脂分散体または酸変性ポリオレフィン樹脂分散体を水で希釈したものを直接装置内に投入して、有機溶剤の含有率を求めた。検出限界は0.01質量%であった。
測定条件を以下に示す。
キャリアーガス:窒素
カラム充填剤:ジーエルサイエンス社製、商品名「PEG−HT(5%)−Uniport HP(60/80メッシュ)」
カラムサイズ:直径3mm×3m
試料投入温度(インジェクション温度):150℃
カラム温度:60℃
内部標準物質:n−ブタノール
(3)酸変性ポリオレフィン樹脂分散体の固形分濃度(質量%)
酸変性ポリオレフィン樹脂分散体を適量(例えば、5g)秤量し、これを残存物(固形分)の質量が恒量(すなわち、残存物がそれ以上減少しない量)になるまで150℃で加熱した。そして、以下の式に従って固形分濃度を算出した。
固形分濃度(質量%)=加熱後の質量/加熱前の質量×100
(4)離型層の厚み
接触式膜厚計(HEIDENNHAIN社製、商品名「MT12B」)により基材の厚みを測定した。続いて基材に離型層形成用液状物を塗工し、乾燥させて離型層を積層した。得られた積層体の厚みを接触式膜厚計により測定し、積層体の厚みから離型層を塗工する前の厚みを減じて離型層の厚みを求めた。
(5)離型シートとゴムシートとの離型性
後述する方法により、離型シートの上にゴムをシート状に形成した後に架橋を行って、離型シートとゴムシートとからなる積層体を得た。この積層体を幅15mm、長さ10cmの大きさに裁断したものをサンプルとした。
このサンプルについて、引張り試験機(インテスコ社製、精密万能材料試験機、2020型)にて、温度20℃、T型剥離、引っ張り速度300mm/分の条件で剥離強度を測定し、離型性を評価した。測定結果はN/cmの単位で記載した。
調製例1(酸変性ポリオレフィン樹脂P−1の調製)
プロピレン−ブテン−エチレン三元共重合体(ヒュルスジャパン社製、商品名「ベストプラスト708」、プロピレン/ブテン/エチレン=64.8/23.9/11.3(質量比))280gを4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下において加熱溶融させた。次いで、系内温度を170℃に保持し攪拌しながら、不飽和カルボン酸として無水マレイン酸32.0g、ラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド6.0gをそれぞれ1時間かけて加え、その後攪拌しながら1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、酸変性ポリオレフィン樹脂を析出させた。この酸変性ポリオレフィン樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して、酸変性ポリオレフィン樹脂P−1を得た。
調製例2(酸変性ポリオレフィン樹脂P−2の調製)
プロピレン−ブテン−エチレン三元共重合体(ヒュルスジャパン社製、商品名「ベストプラスト408」、プロピレン/ブテン/エチレン=12.3/82.2/5.5質量%)を用いた。それ以外は調製例1と同様の方法で、ポリオレフィン樹脂P−2を得た。
調製例3(ポリオレフィン樹脂P−3の調製)
プロピレン−エチレン共重合体(プロピレン/エチレン=81.8/18.2質量%、重量平均分子量85,000)280gを、4つ口フラスコ中において、窒素雰囲気下で加熱溶融させた。次いで、系内温度を180℃に保って攪拌しながら、不飽和カルボン酸として無水マレイン酸35.0gとラジカル発生剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド6.0gとをそれぞれ2時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して、ポリオレフィン樹脂P−3を得た。
調製例1〜3の樹脂、および、下記の実施例および比較例で用いたそれ以外の酸変性ポリオレフィン樹脂の特性を、表1に示す。
Figure 0005582775
調製例4(酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体のE−1の調製)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器に、60.0gの酸変性ポリオレフィン樹脂(P−1)、45.0gのエチレングリコール−n−ブチルエーテル(和光純薬社製、特級、沸点171℃、以下「Bu−EG」と称する場合がある)、6.9gのN,N−ジメチルエタノールアミン(和光純薬社製、特級、沸点134℃、樹脂中の無水マレイン酸単位のカルボキシル基に対して1.0倍当量、以下、「DMEA」と称する場合がある)、188.1gの蒸留水を注入し、該容器に備えられた攪拌翼の回転速度を300rpmとして攪拌した。攪拌中において、容器底部には樹脂の沈殿は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこで、この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに60分間攪拌した。その後、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ、空冷にて室温(25℃)まで冷却し、300メッシュのステンレス製フィルター(線径:0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白黄色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂分散体E−1を得た。なお、フィルター上には残存樹脂は殆ど無かった。
調製例5(酸変性ポリオレフィン樹脂分散体E−2の調製)
調製例4における酸変性ポリオレフィン樹脂(P−1)に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂(P−2)を用いた。それ以外は調製例4と同様の操作を行って、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2を得た。
調製例6(酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3の調製)
調製例4における酸変性ポリオレフィン樹脂(P−1)に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂(P−3)を用いた。それ以外は調製例4と同様の操作を行って、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3を得た。
調製例7(酸変性ポリオレフィン樹脂分散体E−4の調製)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を用意した。該容器に、60.0gの無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(アルケマ社製、商品名「ボンダイン LX−4110」)、90.0gのイソプロパノール(和光純薬社製、以下「IPA」と称する場合がある)、3.0gのトリエチルアミン(和光純薬社製、以下「TEA」と称する場合がある)、147.0gの蒸留水を注入し、該容器に備えられた攪拌翼の回転速度を300rpmとして攪拌した。攪拌中においては、容器底部には樹脂の沈殿は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこで、この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140〜145℃に保ってさらに30分間攪拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ、室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂分散体E−4を得た。なお、フィルター上には残存樹脂は殆ど無かった。
調製例8(酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−5の調製)
調製例7における酸変性ポリオレフィン樹脂「ボンダイン LX−4110」に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂「ボンダイン HX−8210」(アルケマ社製)を用いた。それ以外は調製例7と同様の操作を行って、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−5を得た。
調製例9(酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−6の調製)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの「プリマコール5980I」(ダウケミカル社製、アクリル酸変性ポリオレフィン樹脂)、16.8gのTEA、および223.2gの蒸留水をガラス容器内に仕込んだ。そして、撹拌翼の回転速度を300rpmとし、系内温度を140〜145℃に保って、30分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(空気圧0.2MPa)して、微白濁の水性分散体E−6を得た。この際、フィルター上に樹脂は殆ど残っていなかった。
調製例4〜9で得られた酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1〜E−6の組成および樹脂の粒子径を表2に示す。
Figure 0005582775
調製例10(ウレタンゴムシートの調製)
ミラブルウレタンゴム(デュポン社製アジプレンCM)100質量部に対して、ケッチェンブラック(ライオン社製 EC300J)8質量部、有機過酸化物(日本油脂社製 パークミルD)2質量部、ステアリン酸(花王社製 ルナックS30)0.5質量部を添加し、バンバリーミキサーで十分に混練して、ウレタンゴム成分を調製した。
このウレタンゴム成分を離型シートの上に押し出して、シート状に形成し、プレス成形をした後、二次架橋を行った。このときのプレス成形は、温度180℃、10分間で行った。二次架橋は、120℃で15時間の処理を行った。
調製例11(フッ素ゴムシートの調製)
ビニリデンフロライド/ヘキサフルオロプロピレン共重合体の二元系フッ素ゴム(ダイキン社製 ダイエルG801)をメチルエチルケトンに溶解させ、フッ素ゴム100質量部に対して、カーボンブラック(旭カーボン社製 旭#50H)1質量部、ステアリン酸(花王社製 ルナックS30)0.5質量部、有機過酸化物(日本油脂社製 パーヘキサ25B−40)2質量部、トリアリルイソシアヌレート(日本化成社製 タイクM−60)2質量部を添加し、フッ素ゴム溶液を調製した。このフッ素ゴム溶液を、ロールコータを用いて、乾燥後の厚みが0.5mmとなるように離型シート上に塗工して、80℃で乾燥を行い、ゴム層を形成した。そして、160℃、10分間の条件でプレスした後、二次架橋を行った。二次架橋の条件は、180℃、4時間とした。
調製例12(シリコーンゴムシートの調製)
ポリオルガノシロキサンポリマー(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製 TSE2527U)100質量部に対して、有機過酸化物(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製 TC−8)0.4質量部、酸化鉄(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製 ME−41F)4質量部、カーボンブラック(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製 ME−41B)5質量部を添加し、バンバリーミキサーを用いて十分に混練することで、シリコーンゴム成分を調製した。
このシリコーンゴム成分を離型シートの上に押し出して、シート状に形成し、プレス成形した後、二次架橋を行った。このときのプレス成形条件は、温度170℃、10分間とした。二次架橋は、200℃、4時間の条件で行った。
実施例1
基材としての二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ社製 エンブレット S−75 厚み75μm)のコロナ処理面に、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1とオキサゾリン化合物の水性溶液(日本触媒社製 エポクロスWS−500 固形分濃度40質量%、以下「OX」と称する場合がある)とを酸変性ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対してオキサゾリン化合物固形分が10質量部となるように添加した液状物をマイヤーバーを用いてコートし、120℃で30秒間乾燥させて、厚さ0.3μmの離型層を形成させた。その後、50℃で二日間エージングを行うことで、離型シートを得た。
実施例2
実施例1における酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例3
実施例1における酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例4
実施例1における酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−4を用いた。また、酸変性ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対してオキサゾリン化合物固形分が5質量部となるように変えた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例5
実施例4における酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−4に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−5を用いた。それ以外は実施例4と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例6
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1に対して、オキサゾリン化合物の水性溶液(日本触媒社製 エポクロスWS−500 固形分濃度40質量%)と、ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製 VC−10 重合度1000、以下「PVA」と称する場合がある)の8質量%水溶液とを、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してオキサゾリン化合物固形分が10質量部となり、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してポリビニルアルコールが50質量部となるようにそれぞれ添加した液状物を得た。この液状物を、基材としての二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ社製 エンブレット S−75 厚み75μm)のコロナ処理面にマイヤーバーを用いてコートし、120℃で30秒間乾燥させて、厚さ0.3μmの離型層をフィルム上に形成させた。その後、50℃で二日間エージングを行うことで、離型シートを得た。
実施例7
実施例6における酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2を用いた。それ以外は実施例6と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例8
実施例6における酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3を用いた。それ以外は実施例6と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例9
実施例6における酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−4を用いた。かつ、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してオキサゾリン化合物固形分が5質量部となるようにした。それ以外は実施例6と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例10
実施例9における酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−4に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−5を用いた。それ以外は実施例9と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例11
実施例6に比べ、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してポリビニルアルコールが1質量部となるように変えた。それ以外は実施例6と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例12
実施例6に比べ、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してポリビニルアルコールが100質量部となるように変えた。それ以外は実施例6と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例13
実施例6に比べ、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してポリビニルアルコールが300質量部となるように変えた。それ以外は実施例6と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例14
実施例6に比べ、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してポリビニルアルコールが500質量部となるように変えた。それ以外は実施例6と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例15
実施例6に比べ、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してポリビニルアルコールが1000質量部となるように変えた。それ以外は実施例6と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例16
実施例9に比べ、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してポリビニルアルコールが300質量部となるように変えた。それ以外は実施例9と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例17
実施例9に比べ、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してポリビニルアルコールが1000質量部となるように変えた。それ以外は実施例9と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例18
実施例6に比べ、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してオキサゾリン化合物が50質量部となるように変えた。それ以外は実施例6と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例19
実施例16に比べ、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してオキサゾリン化合物が1質量部となるように変えた。それ以外は実施例16と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例20
実施例6におけるオキサゾリン化合物の水性溶液「WS−500」に代えて、ポリカルボジイミド化合物の水性溶液(日清紡社製 「V−02」、固形分濃度40質量%、以下「CI」と称する場合がある)を用いた。かつ、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、ポリカルボジイミド化合物が30質量部になるように変えた。それ以外は実施例6と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例21
実施例9におけるオキサゾリン化合物の水性溶液「WS−500」に代えて、ポリカルボジイミド化合物の水性溶液CIを用いた。かつ、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してポリカルボジイミド化合物が10質量部になるように変えた。それ以外は実施例9と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例22
実施例6における基材としての二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ社製 エンブレット S−75 厚み75μm)に代えて、二軸延伸ポリエステル練りこみマットフィルム(ユニチカ社製 PTH−50 厚み50μm)を用いた。それ以外は実施例6と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例23
実施例16における二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ社製 エンブレット S−75 厚み75μm)に代えて、二軸延伸ポリエステル練りこみマットフィルム(ユニチカ社製 PTH−50 厚み50μm)を用いた。それ以外は実施例16と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例24
実施例6における基材としての二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ社製 エンブレット S−75 厚み75μm)に代えて、ポリエステルサンドマットフィルム(ユニチカ社製 SM−75 厚み75μm)を用いた。それ以外は実施例6と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例25
実施例9における基材としての二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ社製 エンブレット S−75 厚み75μm)に代えて、ポリエステルサンドマットフィルム(ユニチカ社製 SM−75 厚み75μm)を用いた。それ以外は実施例9と同様の操作を行って、離型シートを得た。
実施例1〜25の各離型シートについての評価結果を表3〜表5に示す。
Figure 0005582775
Figure 0005582775
Figure 0005582775
比較例1
二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム(ユニチカ社製 エンブレット S−75 厚み75μm)に離型層を形成せずに、同フィルムのコロナ未処理面について、評価を行った。
比較例2
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学社製 FOK−P 厚み30μm)について、評価を行った。
比較例3
実施例1に比べ、基材として用いた二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ社製、商品名「エンブレット S−75」)のコロナ処理面に、シリコーン離型剤(東芝シリコーン社製、商品名「TSM6341」、固形分濃度:40質量%)を0.3μmの厚みになるようにコートして、離型シートを得た。
比較例4
実施例1における酸変性ポリオレフィン樹脂分散体E−1に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−6を用いた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、離型シートを得た。
比較例5
実施例6における酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1に代えて、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−6を用いた。それ以外は実施例6と同様の操作を行って、離型シートを得た。
比較例6
実施例1に比べ、オキサゾリン化合物の添加量を、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して60質量部となるように変更した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、離型シートを得た。
比較例7
二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ社製、商品名「エンブレット S−75」)のコロナ処理面に、酸変性ポリオレフィンE−1をを0.3μmの厚みになるようにコートして、離型シートを得た。
比較例8
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1に、ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製 VC−10 重合度1000)の水溶液を、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対してポリビニルアルコールが50質量部となるように添加して、液状物を得た。この液状物を、基材としての二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ社製、商品名「エンブレット S−75」)のコロナ処理面に、マイヤーバーを用いてコートし、120℃で30秒間乾燥させて、厚さ0.3μmの離型層をフィルム上に形成させた。その後、50℃で二日間エージングを行うことで、離型シートを得た。
比較例1〜8の各離型シートについての評価結果を表6に示す。
Figure 0005582775
実施例1〜25は、酸変性成分が1〜10質量%の酸変性ポリオレフィン樹脂と、架橋剤と、任意的に含まれるポリビニルアルコールとを本発明で規定する範囲に含有する離型層を、基材の上に形成した離型シートであった。このため、離型シート上にゴムをシート状に形成し、このゴムを架橋した後も、適度な離型性を有していた。
これに対し比較例1は、離型層を設けていないポリエステルフィルムを用いたものであったため、架橋処理後にゴムシートを剥離することが出来なかった。
比較例2は、離型層を設けていないポリオレフィン樹脂フィルムを用いたものであったため、同様に、架橋処理後にゴムシートを剥離することが出来なかった。
比較例3は、ポリエステルフィルム上にシリコーン系の離型剤をコートした離型シートであったため、剥離強度があまりに小さすぎて適度な離型性を有するとはいえず、離型シートを用いてゴムシートを作成した場合に、製造工程中や製品の保存時に剥離してしまう可能性が高いものであった。さらに、シリコーン系ゴムシートに対して使用した場合には、剥離することが出来なかった。
比較例4および比較例5は、本発明外の変性量の酸変性ポリオレフィン樹脂を使用したものであったため、ゴムシートと強くくっ付いてしまい、剥離することが出来なかった。
比較例6は、架橋剤の添加量が本発明の範囲外のものであったため、剥離することは出来るが、ゴムシートと強くくっ付いてしまい好適に使用できるものとは言い難いものであった。
比較例7は、架橋剤を添加しないものであったため、ゴムシートと強くくっ付いてしまい、剥離することが出来なかった。
比較例8は、ポリビニルアルコールを含むが架橋剤を含まないものであったため、離型シートをゴムシートから剥離することは出来るものの、剥離強度が非常に大きく、好適に使用できるとは言い難いものであった。

Claims (5)

  1. ゴム成分を有機溶媒に溶解した溶液を離型シート表面に塗工し、乾燥することで、ゴム層を形成して硬化させる工程を第1の製造工程とし、
    溶融させたゴム成分を離型シートの表面上にカレンダーあるいは押出機で所定の厚さに成形して、硬化させる工程を第2の製造工程として、
    ゴムシートについての前記第1または第2の製造工程のため、および/または、
    前記第1または第2の製造工程で製造されたゴムシートの保護のための離型シートの使用方法であって、
    この離型シートは基材の少なくとも片面に離型層が積層され、前記離型層が、酸変性成分が1〜10質量%の酸変性ポリオレフィン樹脂と、前記酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して1〜50質量部の架橋剤とを含む樹脂組成物にて形成されていることを特徴とする離型シートの使用方法
  2. 離型層を形成する樹脂組成物が、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して1〜1000質量部のポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項1記載の離型シートの使用方法
  3. 離型シートと、この離型シートの上に形成された架橋後のゴムシートとの剥離強度が、0.05〜1.0N/cmであることを特徴とする請求項1または2記載の離型シートの使用方法
  4. 基材がポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の離型シートの使用方法
  5. 成分として、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴムから選ばれる少なくとも一つを含むゴムシートに用いられるものであることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の離型シートの使用方法
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