JPH10282710A - 受像シート - Google Patents

受像シート

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JPH10282710A
JPH10282710A JP10080997A JP10080997A JPH10282710A JP H10282710 A JPH10282710 A JP H10282710A JP 10080997 A JP10080997 A JP 10080997A JP 10080997 A JP10080997 A JP 10080997A JP H10282710 A JPH10282710 A JP H10282710A
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Shinichi Kurokawa
黒川  真一
Masumi Nishizawa
麻純 西沢
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境情報をフィードバックして、受像シート
の環境依存特性に合わせた転写バイアスをかけている電
子写真複写機、プリンターを使用する場合でも適用でき
る、トナー定着性が良好で画像品質に優れ、電子写真複
写機、プリンターにおける搬送適性が良好である受像シ
ートを提供する。 【解決手段】 基材の少なくとも一方の面に、受容層を
有する受像シートにおいて、受像面側にイオン伝導性帯
電制御剤が塗布され、該受像シートのもう一方の面にπ
電子共役系構造を有する導電性高分子材料を含有する帯
電制御層が設けられていることにより、受像面の表面抵
抗値が環境(温度、湿度)の変化に伴って変化して、受
像面の表面抵抗値と複写機内の環境情報をフィードバッ
クした転写バイアスとの整合性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受像シートに関
し、さらに詳しくは、電子写真方式で用いられるトナー
転写性、画像品質や搬送適性等にバランスをもった優れ
た受像シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、電子写真方式を使用して、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの3色または上記の3色にブラッ
クを加えた4色のトナーの混色によりフルカラー画像の
形成方法が実用化されている。この電子写真方式で用い
られる受像シートは、文字や画像などの記録情報を、確
実に記録保持するため、一般的に、基材上に、受容層を
形成した構成をとっている。この受像シートは、例え
ば、講演会、学校、企業、その他の説明会や展示会など
で使用されている情報伝達手段として、OHP(オーバ
ーヘッドプロジェクター)用で用いられている。電子写
真方式の印字機構は、感光体で形成した画像を受像シー
トに転写させる時に、帯電による電気的モーメントによ
りトナーを転写させるため、受像シートの表面抵抗値の
制御が必要になっている。
【0003】最近の電子写真用の受像シートは、電子写
真複写機、プリンターとの適性を得るために、適量の帯
電制御剤が表面にコーティングされ、表面抵抗値が制御
されているが、ほとんどの帯電制御剤がイオン伝導性材
料であるため、環境(温度、湿度)の影響を受けやす
く、環境の変化に伴い、受像シートの表面抵抗値が変化
してしまう。このため、一般のプリンター、複写機等で
は、環境情報をフィードバックして、受像シートの環境
依存特性に合わせた転写バイアスをかけている場合が多
くなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような電
子写真方式で用いられる受像シートは、トナー転写性や
画像品質及び搬送適性等にバランスをもった優れたもの
がなかった。最近の電子写真用の受像シートは、受像シ
ートの両面にイオン伝導性帯電制御剤が用いられている
ため、受像シートの裏面と受像面との表面抵抗値の環境
依存特性が異なるため、適正なトナー転写を行うことが
できなかった。さらに、環境によって受像シートの表面
抵抗値が変化するため、静電気などによって電子写真複
写機、プリンターで搬送不良が生じるという問題があ
る。
【0005】また、受像シートの両面に導電性ポリマー
等の電子伝導性材料を用いると、実際に使用する時の受
像シートの表面抵抗値と、プリンター、複写機内の環境
情報をフィードバックした転写バイアスとの整合性がな
く、良好な画像品質が得られないという問題がある。そ
こで、本発明の目的は、上記の問題を解決するために、
環境情報をフィードバックして、受像シートの環境依存
特性に合わせた転写バイアスをかけている電子写真複写
機、プリンターを使用する場合でも適用できる、トナー
定着性が良好で画像品質に優れ、電子写真複写機、プリ
ンターにおける搬送適性が良好である受像シートを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基材の少なくとも一方の面に、受容層を
有する受像シートにおいて、受像面側にイオン伝導性帯
電制御剤が塗布され、該受像シートのもう一方の面にπ
電子共役系構造を有する導電性高分子材料を含有する帯
電制御層が設けられていることを特徴とする。また、前
記の導電性高分子材料が、スルホン化ポリアニリンであ
ることを特徴とする。また、前記の帯電制御層中にスル
ホン化ポリアニリンが0.01〜1.0μmの粒子とし
て存在していることを特徴とする。さらに、前記の基材
が透明であることを特徴とする。
【0007】本発明の作用は、以下の通りである。本発
明は、基材の少なくとも一方の面に、受容層を有する受
像シートにおいて、受像面側にイオン伝導性帯電制御剤
が塗布され、該受像シートのもう一方の面にπ電子共役
系構造を有する導電性高分子材料を含有する帯電制御層
が設けられていることにより、受像面の表面抵抗値とプ
リンター、複写機内の環境情報をフィードバックした転
写バイアスとの整合性が得られる。それは、受像面側に
はイオン伝導性帯電制御剤が塗布されているため、環境
(温度、湿度)の変化に伴い、受像面の表面抵抗値が変
化するからである。また、受像シートの裏面にπ電子共
役系構造を有する導電性高分子材料を含有する帯電制御
層が設けられているため、π電子共役系構造を有する導
電性高分子材料はイオン伝導性材料ではなく、導電性高
分子材料であるため、受像シート周辺の環境(温度、湿
度)が変化しても、受像シートの裏面側の表面抵抗値は
変化せず、一定している。したがって、裏面側の表面抵
抗値の環境依存性が原因となる画像不良が生じない。さ
らに、上記のように、受像シートの裏面側の表面抵抗値
が、環境(温度、湿度)の変化があっても、一定してい
るため、電子写真複写機、プリンターにおける搬送不良
を生じない。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の受像シートは、基材の少なくとも
一方の面に、受容層を有し、受像面側にイオン伝導性帯
電制御剤が塗布され、該受像シートのもう一方の面にπ
電子共役系構造を有する導電性高分子材料を含有する帯
電制御層が設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0009】(基材)本発明の受像シートで用いられる
基材としては、受像シートが例えばOHPシート用等で
透過光により記録画像を観察する用途では、透明性、耐
熱性、寸法安定性、剛性を備えた熱可塑性樹脂により形
成されたものが好ましい。具体的には、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリエチレン樹脂、二酢酸セルロース樹
脂、三酢酸セルロース樹脂等の、厚さ10〜250μm
程度、好ましくは50〜180μm程度のフィルム又は
シートが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、
三酢酸セルロース樹脂が上記の性能の点でより好まし
い。
【0010】また、反射光により記録画像を観察する用
途では、これら樹脂シート又はフィルムは、着色剤等の
添加により白色等の不透明であることが好ましい。この
場合は、基材は合成紙、コート紙等の紙類であってもよ
い。また、半透明の基材とすれば、電飾用途にも使用で
きる。尚、基材上に形成される層との密着性を向上させ
る目的で、基材の表面にプライマー処理やコロナ放電処
理等の公知の易接着処理を施しても良い。
【0011】(受容層)基材の少なくとも一方の面に設
ける受容層は、トナー定着性を有し、特にフルカラー電
子写真方式のOHP用途では、カラートナーの濡れ性に
優れた樹脂が好ましい。したがって、アクリル系樹脂等
も受容層として使用できるが、上記の性能の点で、ポリ
エステル樹脂が良く、中でも本出願人が特願平6−36
609号で開示した特定のポリエステル樹脂が好まし
い。すなわち、ポリエステル樹脂として、化学式1で表
されるエチレングリコールまたはプロピレングリコール
で変性した変性ビスフェノールAを、ジオール成分とし
て用いたポリエステル樹脂が優れたトナー定着性を有す
る。また、化学式2は係る変性ビスフェノールAの具体
的化合物である。プロピレングリコール変性ビスフェノ
ールAを表す。
【0012】
【化1】 (式中Rはエチレンまたはプロピレン基、x、yは1以
上5以下の整数かつxとyの平均値が1〜3である。)
【0013】
【化2】
【0014】一方、ポリエステル樹脂の酸成分として
は、特に制限はなく、例えば、フマル酸、フタル酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、シトラコン酸、イタコン酸、セバシン酸、マ
ロン酸、ヘキサカルボン酸等を用いることができる。係
るポリエステル樹脂の中でも前記化学式2で表すプロピ
レングリコール変性ビスフェノールAをジオール成分と
して用い、フマル酸を酸成分として用いた樹脂が、トナ
ーのバインダー樹脂との相溶性が良く、トナー定着性及
びトナー濡れ性が良く、良好な複写画像を与える。
【0015】また、受容層には上記ポリエステル樹脂に
加えて、他に樹脂を併用することもできる。例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、
塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸
エステル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ
アミド樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他
の重合性モノマーとの共重合体、エチルセルロース、酢
酸セルロース等のセルロース系樹脂、アイオノマー、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等の上記以外のポリエステル
樹脂である。
【0016】また、受容層に有機微粒子や無機微粒子の
いずれか一方または両方を含有させると、搬送適性を向
上させることができる。有機微粒子としては、四フッ化
エチレン樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体等
のフッ素系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ベンゾグアナミン
樹脂等の有機樹脂からなる微粒子が挙げられる。一方、
無機微粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、アル
ミナ、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、タルク、二
酸化チタン、炭酸カルシウム等が挙げられる。また、含
有させる微粒子の平均粒径は0.1〜10μmの範囲が
好ましい。平均粒径が0.1μm未満であると、所望の
効果が充分に得られず、また10μmを越えても画像ヌ
ケを起こしたり、OHPに使用する時の透明感が低下す
るので好ましくない。また、微粒子の含有量は受容層形
成樹脂に対して0.1〜10重量%の範囲が好ましい。
含有量が多すぎると、透明性が低下し、特に透明性が要
求される場合にはヘイズを10以下に抑えるべく、含有
量上限は3重量%とすることが好ましい。また、含有量
が少なすぎると、所望の搬送適性の向上効果が得られな
い。
【0017】また、受容層には上記微粒子の他、各種界
面活性剤、帯電防止剤、ワックス、オイル等の添加剤を
本発明の効果を妨げない範囲で混合使用しても良い。受
容層の形成は、上記樹脂成分、その他必要に応じて微粒
子、各種添加剤などを有する塗液を、グラビア印刷、シ
ルクスクリーン印刷等の公知の印刷手段、あるいは、グ
ラビアコート等の公知の塗工手段により形成し、厚さは
乾燥時で1〜10μm程度とする。
【0018】(イオン伝導性帯電制御剤)本発明の受像
シートは受像面側にイオン伝導性帯電制御剤が塗布され
ている。すなわち、基材の上に受容層を設け、さらに受
容層の上にイオン伝導性帯電制御剤を含有する塗工層が
設けてある。イオン伝導性帯電制御剤としては、帯電防
止性能を有するイオン伝導性の樹脂であれば、受容層と
密着性があり、また、OHP用途では透明性があれば、
特に限定されるものではない。尚、好ましくは、カチオ
ン変性アクリル系樹脂が適している。カチオン変性アク
リル系樹脂としては、例えば4級アンモニウム塩基を有
するアクリル樹脂が挙げられる。
【0019】受容層の上に設ける塗工層は、帯電防止性
能を有するイオン伝導性樹脂のみで形成しても良いが、
密着性、面積抵抗等を適宜調整するために、他の樹脂、
例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビ
ニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール
等の樹脂成分を混合してもよい。尚、カチオン変性アク
リル系樹脂の量は、その塗工層の全樹脂量に対して、5
0〜100重量%の範囲で使用することが好ましい。5
0重量%未満では、望ましい面積抵抗まで抵抗値が低下
しない。イオン伝導性帯電制御剤を含有する塗工層の形
成は、上記樹脂成分を有する塗工液を、グラビア印刷、
シルクスクリーン印刷等の公知の印刷手段、あるいは、
グラビアコート等の公知の塗工手段により形成し、厚さ
は乾燥時で1.0〜10.0μm程度が好ましい。厚く
しすぎても面積抵抗は下がらなくなり経済性が悪く、薄
すぎると帯電防止性能の所望の効果が得られない。
【0020】(帯電制御層)本発明の受像シートは、該
受像シートの裏面にπ電子共役系構造を有する導電性高
分子材料を含有する帯電制御層が設けられている。帯電
制御層は、基材に良好な接着性を有するバインダーと、
帯電防止剤としてのπ電子共役系構造を有する導電性高
分子材料を主体として形成する。但しπ電子共役系構造
を有する導電性高分子材料単体で接着する場合は、バイ
ンダーなしで帯電制御層を形成してもよい。上記の基材
に良好な接着性を有するバインダーとしては、例えば、
ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリ
ル系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−
アクリル共重合体系樹脂等が挙げられるが、これらの中
ではカルボキシル基を有する水溶性若しくは水分散性ポ
リエステル樹脂が、基材に対する密着性、スルホン化ポ
リアニリンとの相溶性等の点で特に好ましく、例えば、
日本合成化学工業(株)等からポリエスターWR−96
1等の商品名で入手して本発明で使用することができ
る。
【0021】帯電防止剤として使用するπ電子共役系構
造を有する導電性高分子材料としては、具体的には、例
えばスルホン化ポリアニリン、化学的にドーピングした
ポリアセチレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリパ
ラフェニレンスルフィド、化学的に重合とドーピングし
たポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、熱処
理により生成したフェノール樹脂の熱処理物、ポリアミ
ドの熱処理物、ペリレン酸無水物の熱処理物等が挙げら
れる。上記のπ電子共役系構造を有する導電性高分子材
料として、特にスルホン化ポリアニリンが有用である。
スルホン化ポリアニリンとしては、種々のものが知られ
ているが、一例として下記化学式3で表されるスルホン
化ポリアニリンが挙げられる。
【化3】 (上記式において、x、y及びnは、分子量が約300
〜10,000になる値である。)
【0022】上記スルホン化ポリアニリンは水またはア
ルカリ水を含む溶媒中に可溶であり、分子内塩またはア
ルカリ塩を形成して溶解する。これらのスルホン化ポリ
アニリンは、例えば、日東化学工業(株)からアクアー
SAVE−01Zの商品名で、かつ水溶液や水と有機溶
剤との混合溶媒の溶液として入手して本発明で使用する
ことができる。これらの溶液は黄色を帯びた溶液である
が、濃度が低い場合には殆ど無色の溶液であり、OHP
シート用等で透過光により記録画像を観察する用途で
は、受像シートに透明性が要求されるが、問題なく、使
用することができる。
【0023】本発明の帯電制御層は、上記のバインダー
と上記π電子共役系構造を有する導電性高分子材料を主
成分として形成され、形成方法としては水を含む溶媒、
例えば、水と、メタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール、ノルマルプロピルアルコール等の水溶性有
機溶剤との混合物に前記バインダー及び前記π電子共役
系構造を有する導電性高分子材料を溶解又は分散した塗
工液を作製する。この塗工液には、塗工時における基材
の濡れ性向上のために界面活性剤や、気泡を抑制するた
めの消泡剤等の任意の添加剤を加えることができる。特
に、界面活性剤としてはリン酸エステル系の界面活性剤
の使用が好ましい。
【0024】帯電制御層用塗工液の組成としては、バイ
ンダー樹脂が約0.5〜10重量%、好ましくは0.7
5〜2重量%、π電子共役系構造を有する導電性高分子
材料(固形分)は約0.01〜3重量%、好ましくは
0.01〜1重量%、界面活性剤が約0〜2重量%、好
ましくは0.2〜1重量%及び残量の溶媒からなる組成
が好ましい。特に帯電防止剤がスルホン化ポリアニリン
である場合には、帯電制御層用塗工液中におけるスルホ
ン化ポリアニリンが0.01〜1.0μmの粒子として
存在するように溶媒組成を選択することによって最も優
れた帯電防止効果が得られる。すなわち、スルホン化ポ
リアニリンは水溶性であるが、水溶性有機溶剤には不溶
性であり、塗工液の調整に際して水と水溶性有機溶剤と
の混合比を調節し、場合によっては適当な界面活性剤を
併用することによって、スルホン化ポリアニリンを微細
な粒子の分散状態とすることができる。液媒体としての
水と有機溶剤との混合比によって、塗工液中のスルホン
化ポリアニリンの粒度分布を変えることができる。
【0025】例えば、水/IPA=40/60の塗工液
では、スルホン化ポリアニリンの粒子が約0.04μm
と約5μmを中心とした二つの別れた粒度分布が見られ
るため、あまり好ましくない。それは、二つの別れた粒
度分布を有するスルホン化ポリアニリンの粒子が、塗工
液中で均一に分散されにくく、特殊な塗工条件によって
のみ、本発明の帯電制御層の機能を果たすことができる
からである。それに対し、例えば水/IPA=47/5
3〜60/40の塗工液では、スルホン化ポリアニリン
の粒子が0.01〜1.0μmの間に分布され、好まし
く用いられる。但し、塗工液に界面活性剤を併用する
と、水と有機溶剤との混合比によるスルホン化ポリアニ
リンの粒度分布が変化するため、界面活性剤の添加につ
いても配合量に注意する必要がある。
【0026】帯電制御層の形成は、上記塗工液を受像シ
ートの裏面に、例えば、グラビアコーター、ロールコー
ター、ワイヤーバー等の慣用の塗工方式で塗工及び乾燥
して行われる。帯電制御層の塗工量は塗工液の固形分と
して約0.05〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.
5μmの範囲であり、塗工量が上記範囲より少ないと、
帯電制御層としての性能が不十分であり、一方、塗工量
が上記範囲より多くても、その厚みに比例して上記性能
が向上する訳ではないので、経済的に不利であるばかり
でなく、電子写真方式による画像の濃度が低下するので
好ましくない。
【0027】(表面抵抗値)本発明の受像シートでは、
表面抵抗値が107 〜1013Ω/sqの範囲にすること
が好ましく、この範囲の表面抵抗値にすれば、トナー定
着性が良好で画像品質に優れ、電子写真複写機、プリン
ターにおける搬送適性も良好となる。本発明では、受像
シートのおもて面及び裏面の表面抵抗値すなわち面積抵
抗は、受容層、帯電制御層、イオン伝導性帯電制御剤を
含有する塗工層と基材の各層の厚みと、帯電制御層にお
けるπ電子共役系構造を有する導電性高分子材料と混合
する樹脂の比率と、帯電制御層の水と有機溶剤と界面活
性剤の混合比率により、さらにイオン伝導性帯電制御剤
を含有する塗工層のイオン伝導性帯電制御剤と混合する
樹脂の比率によって、帯電制御層とイオン伝導性帯電制
御剤を含有する塗工層の導電性を適宜調整することによ
り、所望の面積抵抗に制御することができる。例えば、
帯電制御層、イオン伝導性帯電制御剤を含有する塗工層
の厚みを増やせば面積抵抗は低下する。受像シートの表
面抵抗値が107 Ω/sqより低いと、画像不良(画像
ヌケ)が生じやすく、逆に1×1013Ω/sqを越える
と画像不良(濃度不足)、静電気発生や滑性不足により
電子写真複写機、プリンターにおける搬送不良が起こり
やすい。
【0028】
【実施例】次に実施例をあげて、本発明を具体的に説明
する。尚、文中、部または%とあるのは、特に断りのな
い限り重量基準である。 (実施例1)下記に示す基材、受容層塗工液、帯電制御
層塗工液1、イオン伝導性帯電制御剤を含有する塗工層
を用いて、本発明の実施例1の受像シートを作製した。
また、受容層の厚み(乾燥時、以下同様)は3μm、帯
電制御層、イオン伝導性帯電制御剤を含有する塗工層の
厚みは両方とも0.3μmである。基材 厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
【0029】受容層塗工液 ポリエステル樹脂 30部 (フマル酸とプロピレングリコール変性ビスフェノールAとの重合物、ガラス 転移温度60℃、軟化点100℃) シリカ微粒子(平均粒径5μm) 0.15部 メチルエチルケトン 35部 トルエン 35部
【0030】帯電制御層塗工液1 スルホン化ポリアニリン 0.46部(固形分) (日東化学工業(株)製 SAVE−01Z、固形分10%水溶液) 水溶性ポリエステル 2.4部(固形分) (日本合成化学(株)製 ポリエスターWR−961、固形分30重量%) リン酸エステル系界面活性剤 0.01部 (第一工業製薬(株)製 プライサーフ217E) 水 36.53部 IPA 60.6部
【0031】イオン伝導性帯電制御剤を含有する塗工層1 カチオン変性アクリル樹脂 10部 (綜研化学(株)製 エレコンドPQ−50B) メチルエチルケトン 15部 トルエン 15部
【0032】(実施例2)実施例1の帯電制御層塗工液
1を下記組成の帯電制御層塗工液2に変更し、帯電制御
層の塗工量を1μmにした以外は実施例1と同様にて、
実施例2の受像シートを作製した。帯電制御層塗工液2 スルホン化ポリアニリン 0.05部(固形分) (日東化学工業(株)製 SAVE−01Z、固形分10%水溶液) 水溶性ポリエステル 2.4部(固形分) (日本合成化学(株)製 ポリエスターWR−961、固形分30重量%) リン酸エステル系界面活性剤 0.01部 (第一工業製薬(株)製 プライサーフ217E) 水 36.89部 IPA 60.6部
【0033】(比較例1)実施例1の帯電制御層塗工液
1を下記組成の帯電制御層塗工液3に変更し、帯電制御
層の塗工量を0.01μmにした以外は実施例1と同様
にて、比較例1の受像シートを作製した。帯電制御層塗工液3 4級アンモニウム系界面活性剤(松本油脂(株)製 TB−34) 0.1部 IPA 200部
【0034】(比較例2)実施例1のイオン伝導性帯電
制御剤を含有する塗工層1を下記組成の塗工層2に変更
し、その塗工量を0.01μmにした以外は実施例1と
同様にて、比較例2の受像シートを作製した。塗工層2 スルホン化ポリアニリン 0.46部(固形分) (日東化学工業(株)製 SAVE−01Z、固形分10%水溶液) 水溶性ポリエステル 2.4部(固形分) (日本合成化学(株)製 ポリエスターWR−961、固形分30重量%) リン酸エステル系界面活性剤 0.01部 (第一工業製薬(株)製 プライサーフ217E) 水 36.53部 IPA 60.6部
【0035】上記の実施例及び比較例の受像シートを用
いて、下記の方法にて、搬送適性、トナー定着性及び画
像品質の評価を実施した。 (評価方法)搬送適性 キャノン(株)製フルカラー複写機CLC−700に
て、10℃20%RH、23℃60%RH、30℃80
%RHの各環境下で、各実施例及び比較例の受像シート
50枚ずつ通紙を行った。その判断基準は以下の通りで
ある。 ○: 搬送不良を生じなかった。 ×: 搬送不良を生じた。
【0036】トナー定着性 受像シートの環境依存特性に合わせた転写バイアスをか
けている電子写真複写機(キャノン(株)製フルカラー
複写機CLC−700)にて、カラーチャートを複写
し、トナー定着性をセロハンテープ剥離にて評価した。
(トナー定着部にセロハンテープを手の親指で1回擦り
つけ、手で90°剥離した。) その判断基準は以下の通りである。 ◎:トナーの剥がれが目視にて認められない。 ○:トナーの剥がれが目視にて、ほとんど認められな
い。 △:トナーが一部剥がれる箇所が、目視にて認められ
る。
【0037】画像品質 受像シートの環境依存特性に合わせた転写バイアスをか
けている電子写真複写機(キャノン(株)製フルカラー
複写機CLC−700)にて、10℃20%RH、23
℃60%RH及び30℃80%RHの各環境下でカラー
チャートを複写し、画像品質の評価を行った。その判断
基準は以下の通りである。 ○:色再現性に優れ、濁りがない。 ×:色再現性が悪く、濁りがある。
【0038】(評価結果)各実施例及び比較例の評価結
果を表1に示す。 (以下余白)
【0039】
【表1】
【0040】以上の通り、実施例1、2は、受像シート
のおもて面において、イオン伝導性帯電制御剤が塗布さ
れ、裏面にはπ電子共役系構造を有する導電性高分子材
料を含有する帯電制御層が設けられているため、環境
(温度、湿度)の変化に伴い、イオン伝導性帯電制御剤
により表面抵抗値が変化して、環境情報をフィードバッ
クして、受像シートの環境依存特性に合わせた転写バイ
アスをかけている電子写真複写機、プリンターを使用す
る場合でも、トナー定着性が良好となり、画像品質に優
れ、電子写真複写機、プリンターにおける搬送適性も良
好となっている。
【0041】それに対し、比較例1では、受像シートの
裏面に4級アンモニウム系界面活性剤が塗布されている
ため、受像シートの受像面と裏面との表面抵抗値の環境
依存特性が異なり、適正なトナー定着が行われない。ま
た、受像シートの表面抵抗値の変化により、静電気が発
生し、電子写真複写機、プリンターにおける搬送適性が
劣る。比較例2では、受像シートのおもて面及び裏面に
π電子共役系構造を有する導電性高分子材料を含有する
層を設けているため、受像シートの環境依存特性に合わ
せた転写バイアスをかけている電子写真複写機では、表
面抵抗値が環境変化によっても変化せず、トナー定着で
悪い結果が生じる。
【0042】
【発明の効果】本発明の受像シートは、基材の少なくと
も一方の面に、受容層を有する受像シートにおいて、受
像面側にイオン伝導性帯電制御剤が塗布され、該受像シ
ートのもう一方の面にπ電子共役系構造を有する導電性
高分子材料を含有する帯電制御層が設けられているの
で、環境情報をフィードバックして、受像シートの環境
依存特性に合わせた転写バイアスをかけている電子写真
複写機、プリンターを使用する場合でも適用できる、ト
ナー定着性が良好で画像品質に優れ、電子写真複写機、
プリンターにおける搬送適性が良好となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも一方の面に、受容層を
    有する受像シートにおいて、受像面側にイオン伝導性帯
    電制御剤が塗布され、該受像シートのもう一方の面にπ
    電子共役系構造を有する導電性高分子材料を含有する帯
    電制御層が設けられていることを特徴とする受像シー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記の導電性高分子材料が、スルホン化
    ポリアニリンであることを特徴とする上記の請求項1に
    記載する受像シート。
  3. 【請求項3】 前記の帯電制御層中にスルホン化ポリア
    ニリンが0.01〜1.0μmの粒子として存在してい
    ることを特徴とする上記の請求項2に記載する受像シー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記の基材が透明であることを特徴とす
    る上記の請求項1〜3のいずれかに記載する受像シー
    ト。
JP10080997A 1997-04-04 1997-04-04 受像シート Withdrawn JPH10282710A (ja)

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