JP2001151077A - プリテンショナ - Google Patents

プリテンショナ

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JP2001151077A
JP2001151077A JP37251899A JP37251899A JP2001151077A JP 2001151077 A JP2001151077 A JP 2001151077A JP 37251899 A JP37251899 A JP 37251899A JP 37251899 A JP37251899 A JP 37251899A JP 2001151077 A JP2001151077 A JP 2001151077A
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JP
Japan
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driving
pretensioner
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lever
passage
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JP37251899A
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English (en)
Inventor
Isamu Mizuno
勇 水野
Hikari Kameyoshi
光 亀好
Shigeaki Tsuji
茂明 辻
Muneo Nishizawa
宗雄 西澤
Tetsuya Hamagami
哲也 浜上
Hiroki Takehara
弘樹 竹原
Shoji Mishina
丞司 三科
Yasushi Kanamori
靖 金森
Masahiro Shiotani
昌広 塩谷
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Takata Corp
Original Assignee
Takata Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスジェネレータの発火圧を効率良く利用す
ることができ、あるいは全体構成をコンパクト且つ軽量
にすることができるプリテンショナを提供する。 【解決手段】 プリテンショナ10はベース41により
フレーム2の側壁50外側に取り付けられる。ベース4
1にはリール4の6角筒状軸部4dが貫通する。6角筒
状軸部4dの外周にはピニオン23が固定されている。
ピニオン23は外周にわたって一様に外歯24を備えて
いる。ピニオン23の外周域には、リングギア30が配
置されている。リングギア30の内周面には、ピニオン
23の外歯24と噛合可能な内歯31が形成されてい
る。リングギア30の外周面には、外方に向けて張り出
した突起状のレバー32、33が、所定間隔おきに複数
形成されている。リングギア30のレバー32は、パイ
プ21内の先頭のボール20−15に実質的に接触して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗員を車両等のシ
ートに拘束するシートベルト装置に組み込まれて、シー
トベルトの巻取軸を緊急に巻き取り方向に回転させるプ
リテンショナに関する。特には、より確実にベルトにプ
リテンションを与えることができるプリテンショナに関
する。また、ガスジェネレータの発生圧を効率良く利用
することができるプリテンショナに関する。あるいは外
形寸法をコンパクトにでき、重量を軽くすることができ
るプリテンショナに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
等の車両に装備されるシートベルト装置は、近年、プリ
テンショナを備えるものが増えている。このプリテンシ
ョナは、車両の衝突時に、シートベルトを巻回するリー
ル(巻取軸)を瞬時に巻き取り方向に回転させ、ベルト
の巻きだるみを取るとともにベルトに張力を与えるもの
である。一般的なプリテンショナは、車両の衝突時に発
信される信号に基づき火薬に点火し、これにより発生し
たガス圧によってリール回転機構を駆動する。
【0003】このようなプリテンショナの一従来例とし
て、特開平5−162614号公報に開示されているプ
リテンショナを挙げることができる。このプリテンショ
ナは、ベルト巻取軸に固定されたピニオンを備えてい
る。このピニオンは、外周にわたって複数の外歯が形成
されている。ピニオンの外歯のさらに外周域には、ピニ
オンとは別の部品である環状をしたプーリが位置してい
る。プーリは、内周にわたって複数の内歯が形成されて
いる。プーリの内歯とピニオンの外歯は噛合可能であ
る。同プーリはハウジング内に収容され、このハウジン
グ内のピンにより保持されている。プーリがピンにより
保持されている状態では、プーリの内歯とピニオンの外
歯間には所定のクリアランスが確保されている。さら
に、同プーリの外周面には、ロープの端末が複数回巻き
付けられている。同ロープの先端は、パワーソース(ガ
スジェネレータ)のピストンに止着されている。ピスト
ンは、ガスジェネレータの発火時に、ハウジング外にス
トレートに延びるシリンダ内を直進する。
【0004】この従来のプリテンショナの作用は次の通
りである。プリテンショナの作動前において、プーリは
固定ピンによりハウジング内のある位置に保持されてお
り、この位置では、プーリの内歯とピニオンの外歯は噛
合していない。したがって、ベルト巻取軸は自由に回転
できる。しかし、ガスジェネレータが作動すると、発生
したガスに押されてピストンがシリンダ内を直進し、こ
のピストンに止着されているロープが引かれる。ロープ
が引かれるとプーリに力がかかり固定ピンが切断され、
プーリの保持が解除される。これにより、ロープが巻き
付けられたプーリが回転し始めるとともに移動し、プー
リの内歯がピニオンの外歯に噛み合う。これにより、プ
ーリの回転がピニオンに伝達され、ピニオンの回転と同
時にベルト巻取軸が回転し、ベルトにプリテンションが
与えられる。
【0005】ところが、上記プリテンショナにおいて
は、以下に述べる課題がある。 (1)プーリを引く部材としてロープを用いているの
で、このロープを通すために、ケーシング及びシリンダ
において開口部を設けなければならない。ところが、こ
の開口部からガスジェネレータのガスが洩れてしまうた
め、ピストンを押す力が減少する。 (2)ロープを引くシリンダが、ケーシング外にストレ
ートに延びているため、プリテンショナ全体の大きさ及
び重量が増えていた。
【0006】次に、もう一つの従来例を説明する。図1
7(a)は、PCT国際公開WO95/27638に開
示されているプリテンショナの分解斜視図であり、図1
7(b)はそのドライブホイルの詳細を示す斜視図であ
る。
【0007】このプリテンショナは、図17(a)に示
すように、シートベルトの巻取軸101に取り付けられ
る一対のドライブホイル片103、104を備えてい
る。一方のドライブホイル片104は巻取軸101に固
着されている。他方のドライブホイル片103はギア1
06を介して巻取軸101に組み付けられる。両ドライ
ブホイル片103、104が対向して配置されることに
より、図17(b)に示すようなドライブホイル105
が構成される。ドライブホイル片103、104の対向
面には、周方向に沿って複数の凹部103a、104a
が形成されている。これら凹部103a、104aは、
両ドライブホイル片103、104が対向したとき、カ
ップ状(ほぼ半球面状)の凹部100を形成する。両ド
ライブホイル片103、104の間には溝110も存在
する。
【0008】ドライブホイル片103、104の間には
ソードボックス114が設けられている。同ソードボッ
クス114は、カップ(ケーシング)112とともにリ
トラクタハウジング(図示されず)に取り付けられてい
る。ソードボックス114には、突片状のガイド11
6、117が形成されている。同ガイド116、117
は、ドライブホイル105の溝110内に位置するよう
になっている。
【0009】カップ112の内側には、U字状のチュー
ブ118も設けられている。同チューブ118は、ソー
ドボックス114の外周を囲うように位置する。このチ
ューブ118には、ガイド116、117間の空間と向
かい合う位置に、切り欠き開口118aが形成されてい
る。この開口118aには、ドライブホイル105の周
縁の一部が入り込んでいる。チューブ118の図の右上
の端部(基端部)にはガスジェネレータ115が取り付
けられている。チューブ118の他の端部(先端部)
は、カップ112に形成されたスロート部119に係合
される。そして、このチューブ118内には、ドライブ
ホイル105を駆動するためのマスボール120が収納
されている。同マスボール120は、複数の連なった球
状体からなる。マスボール120の基端側(ガスジェネ
レータ115に近い側)には、ピストン121が設けら
れている。
【0010】このプリテンショナの作用と課題を図16
を参照しつつ説明する。図16は、図17の従来のプリ
テンショナのドライブホイル105周りを模式的に示す
正面図である。(a)は作動前の図であり、(b)は正
常作動時の図であり、(c)は異常作動時の図である。
図16(a)の状態(作動前)では、ドライブホイル1
05に先頭のマスボール120は接しておらず、ドライ
ブホイル105及び巻取軸101は自由に回転しうる。
そのため、ドライブホイル105と巻取軸101の間に
クラッチは不要である。緊急時にガスジェネレータ11
5(図17)が作動すると、発生したガスがチューブ1
18内のマスボール120を図の下方に押す。これによ
り、まず先頭のマスボール120が、図16(b)に示
すように、チューブ118内から切り欠き開口118a
に進み、同開口に入り込んでいるドライブホイル105
の歯105aの側部に当たる。このとき、マスボール1
20は、ドライブホイル105に対して矢印αの方向に
力を及ぼし、ドライブホイル105を回転させる。
【0011】隣り合うドライブホイルの歯105aの間
の凹部105bは、マスボール120の寸法に対応する
半球状をしている。そのため、凹部105bと複数のマ
スボール120とが順次噛み合って、ドライブホイル1
05が回転する。このドライブホイル105の回転と同
時に巻取軸101も回転し、ベルトが巻取方向に巻き取
られる。
【0012】ところが、このプリテンショナにおいて
は、ドライブホイル105及び巻取軸101の回転が正
確に行われない場合がある。すなわち、図16(c)に
示すように、チューブ118から押し出されたマスボー
ル120が、ドライブホイルの歯105aの頂部Xの真
上に当たる場合がある。このとき、マスボール120か
らドライブホイル105への力は矢印βの方向、すなわ
ちドライブホイル105の軸心に向かう方向に作用す
る。この場合には、マスボール120の力がドライブホ
イル105の回転トルクとして作用せず、ベルトは巻き
取られない。つまり、WO95/27638に開示され
たプリテンショナは作動が不確実である。
【0013】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、より確実にベルトにプリテンション
を与えることができるプリテンショナ。また、ガスジェ
ネレータの発生圧を効率良く利用することができ、ある
いは外形寸法をコンパクトに、重量を軽くすることがで
きるプリテンショナを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】上
記課題を解決するため、本発明のプリテンショナは、
緊急時にシートベルトの巻取軸を巻き取り方向に回転さ
せてベルトにプリテンションを与えるプリテンショナで
あって; ガスジェネレータと、 該ガスジェネレータ
の発生するガスによって加速される一連の複数の駆動部
材と、 該駆動部材を案内する通路と、 該駆動部材が
当たって回転駆動力を与える複数の駆動点(レバー等)
を有する第1回転部材と、 上記巻取軸に取り付けられ
た第2回転部材と、 上記第1回転部材と第2回転部材
間に設けられたクラッチ機構と、 を備え、 該クラッ
チ機構は、プリテンショナ作動前には切り離されてお
り、プリテンショナの作動時(衝突時等)において上記
第1回転部材が回転すると連結され、 プリテンショナ
作動前において、上記駆動部材の先頭の部材が上記第1
回転部材の駆動点に実質的に接触していることを特徴と
する。
【0015】プリテンショナの非作動時(通常時)にお
いては、クラッチ機構が切り離されているので、第1回
転部材と第2回転部材間とは縁切りされている。したが
って、第2回転部材及び巻取軸はプリテンショナとは関
係なく回転可能である。プリテンショナの作動時には、
ガスジェネレータが作動して駆動部材が加速され、先頭
の部材が第1回転部材の駆動点(レバー)を押す。この
際、先頭の部材は第1回転部材の駆動点に実質的に接触
しているので、駆動点が確実に押される。駆動点が押さ
れると第1回転部材が回転駆動されるとともにクラッチ
機構が連結され、第2回転部材も回転する。この第2回
転部材の回転に伴い、巻取軸が回転してベルトが巻き取
られる。
【0016】駆動部材の先頭の部材は第1回転部材の駆
動点に実質的に接触しているので、ガスジェネレータ作
動後即座に第1回転部材の駆動点を押すことができる。
したがって、駆動部材と第1回転部材との噛み合い不良
が起こらず、プリテンショナの作動がより確実になる。
なお、“実質的に接触している”とは、作動に害を及ぼ
さない程度のスキマが駆動部材の先頭の部材と第1回転
部材の駆動点の間にあってもよいという意味である。
【0017】本発明においては、上記第2回転部材が外
歯を有するピニオンであり、 上記第1回転部材が、該
ピニオンの外歯と噛み合う内歯を有するとともに、レバ
ーを外周に有するリングギアであり、 上記クラッチ機
構が、加速された上記駆動部材が上記リングギアのレバ
ーを押して該ギアを移動させることにより該ギアの内歯
と上記ピニオンの外歯とを噛み合わせるものであってよ
い。リングギアの回転速度はピニオンで増速される。さ
らに、他のあまりコストのかかる部品を用いないので、
装置全体の構成が簡単になり、製作コストも低くてす
む。
【0018】本発明においては、上記駆動部材が粒状体
(ボール)であり、 上記通路がパイプ状で且つ湾曲し
ていることが好ましい。これにより、駆動部材の進行通
路を曲げることができる。進行通路を2次元又は3次元
的に曲げることで、プリテンショナの外形寸法を小さく
することができる。また、進行通路が直線状に限るもの
に比べて、設計自由度を向上できる。上記駆動部材は、
数珠状に連結されていてもよいし、バラバラであっても
よい。
【0019】本発明においては、上記駆動部材の尾端側
(上記ガスジェネレータ側)の部材がガスを先頭側に漏
らさないシールを有し、他の駆動部材と上記通路間は比
較的隙間があることが好ましい。ガスがシールされるの
でガス利用効率がよい。一方、上記隙間があるので、駆
動部材の移動がスムーズである。
【0020】以下、図面を参照しつつ説明する。図1〜
4は、本発明の一実施の形態に係るプリテンショナの構
成と作動時の動きを示す図である。図1はプリテンショ
ナの作動前の状態を示す正面断面図である。図2はガス
ジェネレータ発火直後の状態を示す正面断面図である。
図3はベルト巻き取り開始直後の状態を示す正面断面図
である。図4はベルト巻き取り中の状態を示す正面断面
図である。図5〜14は、本実施の形態のプリテンショ
ナを有するシートベルトリトラクタの構成例を示す図で
ある。図5はシートベルトリトラクタの全体構成を示す
分解斜視図である。図6は図5のリトラクタにおける緊
急ロック機構及びEA機構を拡大して示す分解斜視図で
ある。図7は図5のリトラクタにおけるフレーム周辺を
拡大して示す分解斜視図である。図8は図5のリトラク
タにおけるプリテンショナを拡大して示す分解斜視図で
ある。図9は図5のリトラクタにおけるEA機構の一部
を拡大して示す斜視図である。図10は図5のリトラク
タの組み立て状態のEA機構の主要部の拡大断面図であ
る。図11(a)〜(e)はEA機構の作動を説明する
ための図である。図12はプリテンショナのパイプ、ベ
ース及びギアホルダの詳細を示す斜視図である。図13
はギアホルダの詳細を示す斜視図である。図14はベー
スの詳細を示す斜視図である。
【0021】図5に示すように、本実施例のシートベル
トリトラクタ1は、大きく分けて、以下の各部からな
る。(1)フレーム2。(2)ベルト3を巻き取るリー
ル4。(3)フレーム2の一側面に配設された、緊急ロ
ック作動時にリール4のベルト引き出し方向への回転を
阻止するロック手段5。(4)ロック手段5を車両の衝
突時に作動させる緊急ロック機構6。(5)ロック手段
5の作動によりベルト3の引き出しが阻止されたとき、
同ベルト3の荷重を制限するEA機構7。(6)車両減
速度を検知する減速検知手段8。(7)リール4をベル
ト巻き取り方向に付勢するリターンスプリング9。
(8)衝突時にリール4を瞬時にベルト巻き取り方向に
回転させるプリテンショナ10。
【0022】まず、図7を参照してフレーム2について
説明する。フレーム2は、平行な一対の側壁50、51
と、これらの側壁50、51を連結する背板52とを備
えている。同フレーム2は、例えば鋼板のプレス品やア
ルミニウムダイカスト品である。このフレーム2の両側
壁50、51間には、ベルト3を巻き取るためのリール
4が配設される。一方の側壁50には円形の大孔50a
が穿設されている。また、他方の側壁51にも、円形の
大孔51aが大孔50aと同心に穿設されている。側壁
51の大孔51aには内歯形成部材53が固定されてい
る。この部材53の内周面には、所定数のラチェット歯
状の内歯53aが形成されている。内歯形成部材53の
内歯53aと大孔51aとは同心になっている。さら
に、側壁51には、減速度検知手段8を取り付ける取り
付け孔51bが穿設されている。
【0023】次に、図8を参照してリール4について説
明する。リール4は、ベルト3を巻き取るベルト巻き取
り部4aと、このベルト巻き取り部4aの両端のフラン
ジ部4b、4cを有する。リール4の図の左側のフラン
ジ部4bの左側には、外周面が断面6角形の6角軸部4
dが突設されている。さらに、この6角軸部4dの先に
は、ばね付勢軸4eが突設されている。組み立て状態に
おいて、6角軸部4dは図5に示すフレーム2の側壁5
0から図の左方向に突出する。ばね付勢軸4eは図8に
示すリターンスプリング9のブッシュシャフト71内に
挿入され、リターンスプリング9のばね付勢力が加えら
れる。リール4の図の右側のフランジ部4cの右側に
は、スプールリング支持軸部4gが形成されている。こ
の軸部4gの外周には所定数(図示例では6個)の突部
4fが形成されている。軸部4gは、組み立て状態にお
いて、図5に示すフレーム2の側壁51から図の右方向
に突出し、後述するスプールリング64を相対回転不能
に支持する。
【0024】リール4の中心には、軸方向に延びる穴4
hが穿設されている。この穴4hは、図示されないが図
の左の6角軸部4dの内部にまで延びており、6角軸部
4dに位置する部分(つまり、6角軸部の内孔)も断面
6角形となっている。そして、フランジ部4bまでの穴
4hの部分は比較的大きな穴とされており、フランジ部
4bから6角軸部4d側の部分は比較的小さな穴とされ
ている。穴4hの奥は、6角軸部4dの側壁によって閉
塞されており、この側壁からばね付勢軸4eが突設され
ている。
【0025】次に、プリテンショナ10について説明す
る。図5に示すように、プリテンショナ10は、駆動部
材であるボール20を収納するパイプ21を中心に構成
されている。このパイプ21は、ベース41に組み付け
られた状態で、フレーム2の側壁50外側に取り付けら
れる。ベース41は、図14に最も良く示すように、平
板状をした基板42を備えている。この基板42のほぼ
中心位置には挿通孔42aが形成されており、外周寄り
の位置には3個の取り付け孔42b、42c及び42d
が形成されている。挿通孔42aにはリール4のばね付
勢軸4e(図8参照)が挿通される。取り付け孔42
b、42c及び42dには、ベース41とリターンスプ
リング9を一体に固定するためのねじ44(図5参照)
が差し込まれる。
【0026】基板42の周縁には複数のガイド板43a
〜43hが一体的に設けられている。各ガイド板43a
〜43hは、基板42に対してほぼ垂直に立ち上がって
いる。図8あるいは図12に示すように、これらガイド
板43a〜43hのうち、43a、43e、43f及び
43gがプリテンショナ10のパイプ21の内側に位置
し、43b、43c及び43hがパイプ21の外側に位
置する。ガイド板43a、43c及び43fの先端部は
外側に折り返されており、この折り返し部分にそれぞれ
取り付け孔43a’、43c’及び43f’が形成され
ている。取り付け孔43a’、43c’及び43f’に
は、ベース41をフレーム2の側壁50に固定するため
のリベット49(図5参照)が挿入される。なお、この
リベット49により、取り付け孔43c’、43f’に
は後述するケース17も固定される。
【0027】プリテンショナ10のパイプ21の内側に
は、図1や図5に示すように、ほぼコ字状をしたギアホ
ルダ45が嵌合されている。ギアホルダ45は、図13
に最も分り易く示すように、屈曲変形可能な樹脂材から
なる側板47及び背板46を備えている。側板47は背
板46の一端からフランジ状に内側に張り出している。
側板47の内側面上には、対向する2ヶ所の位置に、各
々2本のピン25、26が植設されている。ピン25、
26は、プリテンショナ作動前の状態(図1)におい
て、リングギア30のレバー33を挟持する。
【0028】側板47の外側のピン25、26のほぼ裏
側の位置には、1個ずつ突起28(図12参照)が形成
されている。同突起28は、フレーム2の側壁50外側
に形成された孔(図示されず)に係合する。この突起2
8と孔の係合により、プリテンショナ10がフレーム2
に対して位置決めされる。側板47の内周辺46aは、
図1に示すようにプリテンショナ作動前の状態において
リングギヤ30の外周面30bと接している。同内周辺
46aと対向する側板内周辺46bもリングギヤ外周面
30bと接している。
【0029】背板46のコの字状の中央部には、ヒンジ
部46cが設けられている。ヒンジ部46cには孔が形
成されている。この孔はリングギア30のレバー先端の
干渉を避けるためのものである。ヒンジ部46cにおい
て、ギアホルダ45は、プリテンショナ作動直後(図2
の状態)に屈曲する。その結果、リングギア30の保持
が解除される。
【0030】図12に最も分り易く示すように、ベース
41には、その挿通孔42aの回りを囲むように湾曲し
たパイプ(通路)21が固定されている。パイプ21
は、鋼管を曲げ加工したもの(一例)である。パイプ2
1は、図1に示すように、図の下側の基端21cから右
上に約90°湾曲して直線部21gへとつながり、さら
に図の上部の半円部21hへとつながっている。半円部
21hの先は、図の下方に向う直線部21iがつながっ
ており、さらにその先にやや内側に湾曲して、直線部2
1jがつながっている。この最後の直線部21jの先
(先端)には、先端開口21bが開いている。
【0031】パイプ21の先端開口21b寄りの直線部
21i、21jの内側には、切欠部21aが形成されて
いる。切欠部21a内には、リングギア30のレバー3
2、33が入り込んでいる。このように、パイプ21が
湾曲していることで、プリテンショナ10の外形寸法全
体が小さくてすむ。また、パイプが直線状に限るものに
比べて、設計の自由度が高くなる。なお、パイプ21
は、三次元的に湾曲させるなど、他の様々な形状に湾曲
することもできる。
【0032】このパイプ21の基端部21cには、パイ
プ21よりもやや太くなったパイプ状の圧力容器21d
が接続されている。この圧力容器21d内にガスジェネ
レータ15が収納されている。このガスジェネレータ1
5は、車両の衝突時等に図示せぬ衝突検知手段から発信
される信号に応じて火薬に点火し、ガス圧をパイプ21
内に供給する。同ガスジェネレータ15は、圧力容器2
1d内に収められた後に、フランジ部21fを外側から
かしめることにより固定されている。
【0033】引続きプリテンショナ10について説明す
る。図8に示すリール4の6角軸部4dは、図5に示す
フレーム2の左側の側壁50を貫通する。この6角軸部
4dの外周には、ピニオン23(第2回転部材)が固定
されている。このピニオン23は、外周に外歯24を備
えている。このピニオン23の外周域には、図1に示す
ようにリングギア30(第1回転部材)が配置されてい
る。リングギア30の内周面には、ピニオン23の外歯
24と噛合可能な内歯31が形成されている。なお、プ
リテンショナ作動前の状態(図1)では、ピニオン23
の外歯24とリングギヤ30の内歯31とは噛み合って
いない。
【0034】リングギア30の外周面には、外方に向け
て張り出した突起状のレバー(駆動点)32、33が、
所定間隔おきに複数形成されている。これらレバーのう
ちの1つ(符号32)は、突起の頂部が他のレバー33
に比べて特に大きくフラットに形成されている。これら
隣り合うレバー32、33の間には、台形状の谷が構成
される。この谷は、後述するボールに係合可能である。
【0035】ギアホルダ45に植設された各2本のピン
25、26は、リングギヤ30の軸芯をはさんで対向す
る2コのレバー33をそれぞれはさみ込んでいる。これ
により、リングギア30はギアホルダ45内の定位置に
保持されている。そして、リングギア30の内周径は、
ピニオン23の外周径より大きく形成されているので、
図1の状態において、リングギア30の内歯31とピニ
オン23の外歯24との間には、クリアランスが確保さ
れており、両者は噛み合っていない。そのため、リール
4はプリテンショナ10の存在にも拘らず自由に回転可
能である。これがピニオン23とリングギヤ30からな
るクラッチ機構が切り離されている状態である。
【0036】このプリテンショナ10のパイプ21内に
は、図1に示すように、複数個(図では15個)のボー
ル20が収められている。このうち、ガスジェネレータ
15に最も近いボール20−1を除く他のボール20−
2〜20−15は鋼等の金属製の球状体である。これら
ボール20−2〜20−15の外径は、パイプ21の内
径より若干小さくなっており、比較的クリアランスであ
る(例えばボール外径10.6mmに対してクリアラン
ス0.4mm)。そして、先頭のボール20−15は、
リングギア30のレバー32に実質的に接触している。
なお、ボール(駆動部材)の好ましい材質・特性について
は後述する。一方、ガスジェネレータ15に最も近い側
のボール20−1は、シリコンゴム等の樹脂製である。
同ボール20−1は、ガスジェネレータ15発火後にガ
ス圧を受けるピストンの役割を果たす。このボール20
−1は、ガスの射出後に変形して拡がることによりパイ
プ21内面に密接し、ガスを先頭側に漏らさないシール
の役割も果たす。
【0037】ここで、上記ボール20−1の変形状態を
図15を参照しつつ説明する。まず図15(a)に示す
ように、ガスジェネレータ15が発火する前は、ボール
20−1はほぼ球状を保っている。この状態からガスジ
ェネレータ15が発火すると、図15(b)の矢印方向
からボール20−1にガス圧がかかる。すると、図15
(c)に示すように、ガス圧と前方のボール20−2を
押す力の反力により、ボール20−1はガス圧の作用方
向(矢印方向)に潰れる。この潰れにより、ボール20
−1は、ガス圧の作用方向(矢印方向)と直交する方向
に外径が拡がる。したがって、ボール20−1のパイプ
21内面への接触面圧が増加して、シール機能が生じ
る。
【0038】ガスジェネレータ15発火後にボール20
がレバー32及び33を押すと、ギア位置決めピン2
5、26が破断して、リングギア30は回転しながら図
1の右方向に移動する(詳しくは図2〜4参照しつつ後
述する)。パイプ21の先端開口21bの先には、ケー
ス17が設けられている。同ケース17は、パイプ21
の外に射出されたボール20を収容するためのものであ
る。パイプ21終端とケース17との間にはガイド板4
3cが存在する。ケース17により、パイプ21から射
出されたボール20は一か所に集められる。
【0039】次に、図6及び図9を主に参照しつつロッ
ク手段5を説明する。ロック手段5は、ロッキングベー
ス54とパウル55とを備えている。ロッキングベース
54は、図9に最も良く示すように、円形のディスク部
54aを備えている。このディスク部54aには、中心
から偏心された外周円形の偏心カム54bが形成されて
いる。この偏心カム54bが形成された面側において、
ディスク部54aには、図9(a)に示すように断面6
角形状の軸方向6角穴54cが設けられている。なお、
この穴54cは、図9(b)に示すようにセレーション
形状としてもよい。ディスク部54aには、図6に最も
良く示すようにパウル55を回転可能に支持するための
貫通孔54dが穿設されているとともに、この貫通孔5
4dと同心円の円弧状の荷重被伝達部54eが形成され
ている。この荷重被伝達部54eはパウル55からの荷
重を受けるようになっている。
【0040】図6に示すようにディスク部54aには、
さらに、パウルスプリング56の一端を支持するスプリ
ング支持部54fが設けられている。また、ディスク部
54aの軸方向6角穴54c(図9参照)と反対側の面
の中心には、大径軸54gと小径軸54hとからなる段
付軸が突設されている。
【0041】パウル55は回転基端に穿設された孔55
aを有しており、この孔55aとロッキングベース54
の貫通孔54dにピン57を嵌合させることにより、パ
ウル55が孔55aを中心としてロッキングベース54
に対して回動可能に取り付けられている。また、パウル
55の先端には、図7に示すフレーム側壁51の内歯形
成部材53の内歯54aに係合可能な係止爪55bが形
成されているとともに、突出軸からなるカムフォロワ5
5cが設けられている。さらに、パウル55には、円弧
状に荷重伝達部55dが形成されている。この荷重伝達
部55dは、係止爪55bが内歯53aに係合したと
き、パウル55に作用する反力をロッキングベース54
の荷重被伝達部54eに伝達させるようになっている。
すなわち、パウル55の反力をロッキングベース54で
支持するようになっている。
【0042】図6に最も良く示すように、緊急ロック機
構6は、ロックギヤ58と、フライホイール59と、ロ
ックギヤ58とフライホイール59との間に縮設される
フライホイールスプリング60を備える。また、緊急ロ
ック機構6は、フレーム2の側壁51(図5参照)に着
脱可能に固定されるリテーナハウジング61と、ロッキ
ングベース54とロックギヤ58との間に縮設されるパ
ウルスプリング56とを備えている。
【0043】ロックギヤ58は、ディスク部58aと、
このディスク部58aの外周に形成された円環状フラン
ジ部58cとからなっている。円環状フランジ部58c
の外周面には、所定数のラチェット歯状の外歯58bが
形成されている。ロックギヤ58のディスク部58aの
中心には、筒状のボス58dが形成されている。このボ
ス58dの近傍にはフライホイール59を回転可能に支
持する支持軸58eが突設されている。ディスク部58
aには、フライホイール59の回転を所定範囲に規制す
る第1及び第2ストッパ58f、58gが設けられてい
る。
【0044】ディスク部58aには、さらに、同部を貫
通するカム孔58hが穿設されている。このカム孔58
hには、パウル55のカムフォロワ55cが嵌合される
ようになっている。したがって、ロックギヤ58がロッ
キングベース54に対して相対回転したとき、カムフォ
ロワ55cがカム孔58hにガイドされることにより、
パウル55が孔55aを中心として回動するようになっ
ている。さらに、ディスク部58aにはパウルスプリン
グ56の一端を支持するスプリング支持部58iが設け
られている。
【0045】ロックギヤ58は、その筒状のボス58d
の孔をロッキングベース54の大径軸54gに嵌合させ
ることで、この大径軸54gに対して相対回転可能に支
持されている。
【0046】フライホイール59は、ロックギヤ58の
支持軸58eに回転可能に嵌合される支持孔59aが穿
設されているとともに、先端に係止爪59bが形成され
た係止部59cが設けられている。そして、フライホイ
ール59が支持孔59aにおいて回転可能に支持された
とき、この係止部59cは、ロックギヤ58の第1及び
第2ストッパ58f、58gの間に位置するようになっ
ている。したがって、フライホール59の回転は、第1
及び第2ストッパ58f、58gの間に規制され、係止
部59cが第1ストッパ58fに当接しているときは係
止爪59bが内側に引っ込んだ状態になる。また、係止
部59cが第2ストッパ58gに当接しているときは係
止爪59bが外側に突出した状態になる。さらに、フラ
イホイール59には、フライホイールスプリング60の
一端を支持するスプリング支持部59dが設けられてい
る。
【0047】パウルスプリング56の一端は、ロックギ
ヤ58のスプリング支持部58iに支持されている。ま
た、パウルスプリング56の他端は、ロッキングベース
54のスプリング支持部54fに支持されて、ロックギ
ヤ58をロッキングベース54に対してベルト引出し方
向αに常時付勢している。したがって、ロックギヤ58
の非作動時は、パウル56のカムフォロワ55cがカム
孔58hの最内側位置に位置している。この状態で、ロ
ックギヤ58はパウルスプリング56によるそれ以上の
回転を阻止されている。
【0048】フライホイールスプリング60の一端は、
フライホイール59のスプリング支持部59dに支持さ
れている。また、フライホイールスプリング60の他端
は、ロックギヤ58のスプリング支持部(図示されず)
に支持されて、フライホイール59をロックギヤ58に
対してベルト引出し方向αに常時付勢している。したが
って、フライホイール59の非作動時は、係止部59c
が第1ストッパ58fに当接し、内側に引っ込んだ状態
となっている。
【0049】図10に2点鎖線で示すように、リテーナ
ハウジング61は、中心(つまり、リール4の回転軸中
心と同心)に穿設された穴61aを有するディスク部6
1bと、このディスク部61bの外周にフレーム2側に
突出して形成された、円環状フランジ部61cを有す
る。リテーナハウジング61のディスク部61bのフレ
ーム2側の面には、円環状フランジ部61eが形成され
ている。同フランジ部61eは、穴61aと同心の内周
面に形成された、ラチェット歯状の内歯61dを有す
る。この円環状フランジ部61eは、リトラクタ1が組
み立てられたとき、ロックギヤ58の円環状フランジ部
58cと第1及び第2ストッパ58f、58gとの間に
進入可能な大きさに設定されている。また、フライホイ
ール59の係止爪59bは円環状フランジ部61eの内
側に位置しており、ロックギヤ58に対してフライホイ
ール59が相対回転し、係止部59cが第2ストッパ5
8gに当接した位置では、この係止爪59cがラチェッ
ト歯状の内歯61dに係止するようになっている。ま
た、図10に示すように、ロッキングリング54の小径
軸54hは、リテーナハウジング61の穴61aに回転
可能に嵌合支持されている。
【0050】図5〜図7に示すように、EA機構7は、
トーションバー62と、ロッキングベース54の偏心カ
ム54bに制御される円環状のストッパリング63を備
える。また、EA機構7は、リール4のスプールリング
支持軸部4g(図8参照)に相対回転不能に支持される
スプールリング64(図7参照)を備える。
【0051】図6に最も良く示すように、トーションバ
ー62はトーションバー部62aと、このトーションバ
ー部62aの一端側のロッキングベース54側端部に設
けられた断面6角形状の第1トルク伝達部62bを有す
る。この第1トルク伝達部62bは、ロッキンングベー
ス54の軸方向6角穴54c(図9参照)にロッキング
ベース54と相対回転不能に嵌合する。また、トーショ
ンバー62は、トーションバー部62aの他端に設けら
れた断面6角形状の第2トルク伝達部62cを有する。
この第2トルク伝達部62cは、リール4の6角軸部4
d(図8参照)の内周面に、リール4と相対回動不能に
嵌合される
【0052】図9に最も良く示すように、円環状のスト
ッパリング63は、ロッキングベース54の偏心カム5
4bの外周面54iに摺動可能に嵌合される孔63aが
形成されている。そして、図11に示すように、偏心カ
ム54bにストッパリング63が嵌合された状態では、
偏心カム54bの外周面54iと孔63aの内周面64
fとの間に摩擦が生じるようにされている。ストッパリ
ング63は、所定の外力が周方向に加えられないときは
ロッキングベース54に対して相対回転せず、所定の外
力が周方向に加えられたときロッキングベース54に対
して相対回転するようになっている。
【0053】ストッパリング63の外周面63cには、
2つの第1及び第2ストッパ作動係止突起63d、63
eがそれぞれ周方向に所定の間隔を置いて形成されてい
るとともに、ストッパ係止突起63fが形成されてい
る。第1及び第2ストッパ作動係止突起63d、63e
は、ほぼ三角形状に形成されている。その場合、図11
(a)に示すように、ベルト引出し方向αに対向する面
63h、63iが、外周面63cに対してほぼ垂直面に
されているとともに、ベルト巻取り方向βに対向する面
63k等が比較的緩やかな傾斜の円弧状面にされてい
る。また、ストッパリング63の外周面63cからの第
1及び第2ストッパ作動係止突起63d、63eの高さ
はともに等しく設定されている。
【0054】また、ストッパ係止突起63fのベルト引
出し方向αに対向する端面63jは外周面63cに対し
てほぼ垂直面にされている。さらに、このストッパ係止
突起63fは円周方向に所定の長さ(幅)を有してお
り、その外周面63gはスプールリング64(図7参
照)の内周面64fと同じ径の円弧状に形成されてお
り、ストッパリング63の内及び外周面63b、63c
の中心から偏心されている。そして、この外周面63g
はスプールリング64の内周面64fに面接触可能にさ
れている。
【0055】図7に最も良く示すように、スプールリン
グ64は、ディスク部64aと、このディスク部64a
の外周縁に形成されている円環状フランジ64bとを備
えている。ディスク部64aの中心には大きな穴64c
が開いている。この穴64cの内周面には、図8に示す
スプールリング支持軸部4gの突部4fに嵌合される凹
部64dが突部4fと同数だけ形成されている。そし
て、スプールリング64の穴64cがスプールリング支
持軸部4gに、凹部64dを突部4fに嵌合させること
で、スプールリング64がリール4に相対回転不能に支
持されるようになっている。
【0056】図11に示すように、スプールリング64
の円環状フランジ64bを内側に凹ませることにより、
リール側係止突起64eが形成されている。この係止突
起64eは三角形状に形成されている。その場合、ベル
ト引出し方向αに対向する面(周方向に延びる面)が比
較的緩やかな面にされている。この面は、ストッパリン
グ63の第1ストッパ作動係止突起63dに干渉しない
形状となっている。また、ベルト巻取り方向βに対向す
る面(径方向に延びる面)は、円環状フランジ64bの
内周面64fに対してほぼ垂直面にされている。
【0057】図7に最も良く示すように、減速度検知手
段8は、フレーム側壁51に取り付けられるハウジング
65と、このハウジング65に取り付けられるセンサケ
ース66と、このセンサケース66に搭載される慣性質
量67と、この慣性質量67により作動されるアクチュ
エータ68とを備えている。ハウジング65は、フレー
ム2の側壁51の取付孔51bに取り付けられる嵌合取
付部65aと、センサケース66を支持する一対の支持
腕部65b、65cとからなっている。また、センサケ
ース66は、支持腕部65b、65cの溝に係合して支
持される一対の被支持部66a、66bと、慣性質量6
7が搭載される質量搭載部66cと、アクチュエータ6
8を回転可能に支持する一対の支持腕部66d、66c
とからなっている。
【0058】慣性質量67は、脚部67aと、この脚部
67aの上の質量部67bと、アクチュエータ68を作
動する作動部67cとからなっている。そして、慣性質
量67は質量搭載部66cに搭載されて、通常時は図示
のように直立しているが、車両に所定減速度以上の減速
度が作用したとき傾動して、作動部67cがアクチュエ
ータ68を回転するようになっている。
【0059】アクチュエータ68は、センサケース66
の一対の支持腕部66d、66eの間に回転可能に嵌合
支持される回転軸部68aと、慣性質量67の作動部6
7cによって押圧される被押圧部68bと、回転軸部6
8aと反対側に設けられ、ロックギヤ58の外歯58b
に係止可能な係止爪68cとからなっている。そして、
このアクチュエータ68は、慣性質量67が直立状態の
ときは最下位置にあって、係止爪68cがロックギヤ外
歯58bに係合しない非係合位置となり、慣性質量が傾
動したときは上方へ回転して、係止爪68cがロックギ
ア外歯58bに係合する係合位置となるようにされてい
る。
【0060】図8に示すように、ブッシュ69は、リー
ル4の軸4kに嵌合したスペーサである。図8に示すよ
うに、リターンスプリング9は、スプリングケース70
と、ブッシュシャフト71と、スパイラルスプリング7
2を備える。ブッシュシャフト71は、シートリール4
のばね付勢力付加軸4eのスプライン溝に相対回転不能
にスプライン嵌合される。スパイラルスプリング72
は、その外側端はスプリングケース70に連結されてお
り、内側端はブッシュシャフト71に連結されており、
リール4を常時ベルト巻取り方向βに付勢する。
【0061】次に、図1〜4を参照して、上記の構成を
有するシートベルトリトラクタ1におけるプリテンショ
ナ10の作用について説明する。プリテンショナの非作
動時(通常時)においては、図1に示すように、リング
ギア30は、ギアホルダ45のピン25、26と内接面
46a、46bによりケーシング内部で定位置に保持さ
れており、リングギア30とピニオン23は噛み合って
いない。したがって、巻取軸(リール4)はプリテンショ
ナ10と関係なく自由に回転する。
【0062】この後、車両の衝突状態が検知されると、
ガスジェネレータ15に信号が送信される。この信号に
より、図2に示すように、ガスジェネレータ15が発火
し、パイプ21内にガス圧を供給する。このガス圧によ
り、最もガスジェネレータ15寄りのボール20−1が
ピストンの役割を果たして押される。この押圧力により
順次複数のボール20が押されて、押圧力は最も先頭の
ボール20−15(リングギア30のレバー32に接触
しているボール)に伝達される。このとき、ボール20
−1は、前述のようにガス圧によって変形して拡がる。
したがって、パイプ21内面との間でシール機能が生じ
るので、ガスが先頭側に漏れない。
【0063】ボール20の押圧力によりリングギア30
に押圧力がかかり、ピン25、26(図1参照)が剪断
される。このため、リングギア30が図2のX方向に移
動し、リングギア30の内歯31とピニオン23の外歯
24が噛み合う。また、ギアホルダ45は、リングギア
30の回転により上部が押し上げられるためにヒンジ部
46cより屈曲し、リングギア30が自由に回転できる
ようになる。なお、ギアホルダ45は樹脂製であるの
で、ヒンジ部46cにおける屈曲は容易である。
【0064】リングギヤ30は、上記のようにピニオン
23の軸芯方向に移動するとともに、ボール20がレバ
ー32を押す力によって同軸芯周りに回転する。リング
ギア30が動き始める前の時点で、先頭のボール20−
15がリングギア30のレバー32に回転力を与えられ
る姿勢で接触しているため、レバー32はロックするこ
となく確実に回転し始める。
【0065】さらに、ガス圧を受けてボール20が順次
押し出されると、各ボール20はリングギア30のレバ
ー32、33間の谷に順次係合する。ボール20−2〜
20−15とパイプ21の間にはクリアランスがあるの
でボールはスムーズに進む。これらボール20が順次係
合することにより、リングギア30は図2〜4に示すよ
うにY方向に回転する。ピニオン外歯24とリングギヤ
内歯31は噛み合っているので、リングギア30の回転
はピニオン23に伝達され、双方が連動して回転する。
このとき、リングギア30の内歯31の数よりピニオン
23の外歯の数が少ないので、増速作用が生じ、ピニオ
ン23はリングギヤ30よりも早い角速度で回転する。
【0066】ピニオン23には、リール4の6角軸部4
dが固着されているので、リール4はピニオン23とと
もに回転して、シートベルト3(図5)が瞬時にある長
さだけ巻き取り方向へ巻き取られる。なお、上記増速作
用によりリール4のプリテンショナ作動時の回転角はリ
ングギア30の回転角よりも大きくなり、プリテンショ
ナ10によるシートベルトの引き込み長さも長くなる。
【0067】パイプ21の先端開口21bから押し出さ
れたボール20は、図4に示すようにケース17内に集
められる。したがって、プリテンショナ10作動後の処
理が容易となる。なお、パイプ21の先端開口21b
は、プリテンショナ作動前はギアホルダ45のヒレ46
eで閉じられているが、プリテンショナ作動後にボール
20で押されることで開く。
【0068】次に、このように構成されたこの例のシー
トベルトリトラクタの総合的な作用について説明する。
ベルト非装着状態においては、図5に示すシートベルト
3のかなりの部分はリターンスプリング9のばね力の作
用によりリール4に巻き取られて、フレーム2内に格納
された状態となっている。ロック作動機構6のフライホ
イール59は、フライホイールスプリング60のばね力
により付勢されて、図6に示すその係止部59cが第1
ストッパ58fに当接した状態になっている。このと
き、フライホイール59の係止爪59bはリテーナハウ
ジング61の内歯61d(図10)に係合していない。
したがって、フライホイール59とリテーナハウジング
61とは非係合位置に設定されている。
【0069】減速度検知手段8の慣性質量67(図7)
は、直立状態となっている。また、アクチュエータ67
の係止爪68cは、ロック作動機構6(図6)のロック
ギヤ58の外歯58bに係合していない。したがって、
アクチュエータ67とロックギヤ58とは非係合位置に
設定されている。
【0070】ロックギヤ58には、パウルスプリング5
6(図5)のばね力が作用している。これにより、パウ
ル55がロックギヤ58に抑制されて、ロック手段5の
パウル55が内歯形成部材53(図7)の内歯53aに
係合しない非係合位置となっている。したがって、この
状態では、リール4はベルト引出し方向α(図8)に自
由に回転可能となっている。
【0071】ストッパリング63の第1ストッパ作動係
止突起63d(図5)は、偏心カム54bによって最大
偏心位置でスプールリング64のリール側係止突起64
eに係合可能な位置に設定されている。
【0072】車両の乗員がシートベルト3を装着するた
めに、シートベルト3を通常の引出し速度で引き出す。
すると、リール4はベルト引出し方向αに自由に回転可
能となっているので、シートベルト3は自由に引き出さ
れる。このシートベルト3の引出し中は、パウル55、
フライホイール59及びアクチュエータ67がともに非
係合位置に保持されている。また、このベルト引出中
は、リール4の回転とともに、スプールリング64とロ
ッキングリング54とが一体回転する。一方、ストッパ
リング63もスプールリング64及びロッキングリング
54と一体回転する。したがって、ストッパリング63
とスプールリング64との相対位置は初期状態に保持さ
れている。
【0073】乗員がシートベルト3に設けられたタング
(図示されず)を車体に固定されたバックルに連結した
後、タングから手を離すと、リール4は、リターンスプ
リング9の付勢力に応じて、余分に引き出されたシート
ベルト3を巻き取る。これにより、シートベルト3は乗
員にフィットする。こうして、シートベルト3が乗員に
装着される。
【0074】シートベルト3の装着状態においても、パ
ウル55、フライホイール59及びアクチュエータ67
がともに非係合位置に保持されているので、リール4は
自由にベルト引出し方向αに回転する。したがって、シ
ートベルト3の装着状態で乗員が前方へ所定量移動しよ
うとした場合、シートベルト3が自由に引き出され、乗
員は自由に所定量移動できる。また、このベルト装着状
態でも、ストッパリング63とスプールリング64との
相対位置が初期状態に保持されている。
【0075】ここで、車両が走行中に障害物等に衝突す
ると、衝突センサ(図示されず)から出力される衝突検
出信号を出力によって、プリテンショナが作動する。す
ると、リール4はベルト巻取り方向βに所定量だけ回転
し、シートベルト3を所定量巻き取る。これにより、リ
ール4外周に巻かれたベルト3の巻きだるみスラグが取
られ、ベルトが巻き締まる。
【0076】このとき、リール4の回転につれてトーシ
ョンバー62も回転して、同バー62の第1トルク伝達
部62bも同方向βに回転するので、ロッキングリング
54及びロックギヤ58もリール4と一体に同方向βに
所定量だけ回転する。
【0077】一方、車両の衝突によって、車両には非常
に大きな車両減速度が発生する。このため、減速度感知
手段8の慣性質量67が車両前方へ傾く。すると、アク
チュエータ68が上方に回動し、その係止爪68cがロ
ックギヤ58の外歯58bに係合する係合位置に設定さ
れる。この状態では、乗員が慣性により前方へ移動しよ
うとするので、シートベルト3が引き出されようとし、
リール4がベルト引出し方向αに回転する。このリール
4の回転で、ロッキングリング54及びロックギヤ58
もリール4と一体に同方向αに回転する。これに伴い、
すぐにロックギヤ58の外歯58bが係止爪68cに係
合してロックギヤ58の回転が阻止される。ロックギヤ
58の回転が阻止されても、リール4、ロッキングリン
グ54及びスプールリング64は引き続き同方向αに回
転するので、ロッキングリング54とロックギヤ58と
の間に相対回転が生じる。
【0078】このロッキングリング54とロックギヤ5
8との相対回転で、パウル55のカムフォロワ55cが
ロックギヤ58のカム孔58h内をガイドされつつ移動
する。この移動により、パウル55が回動して、係止爪
55bがフレーム2の側壁51に固着された内歯形成部
材53の内歯53aに係合する係合位置に設定される。
シートベルト3は引き続き引き出されると、リール4が
さらに同方向αに回転し、すぐに係止爪55bが内歯5
3aに係合する。このため、ロッキングリング54の回
転が阻止され、リール4及びスプールリング64だけが
引き続き同方向αに回転しようとする。すると、リール
4とロッキングリング54とが相対回転する(つまりト
ーションバー62の第1及び第2トルク伝達部62b、
62cが互いに相対回転する)ので、トーションバー部
62aがねじられる。そして、リール4はこのトーショ
ンバー62をねじりながらベルト引出し方向αに回転す
るので、このトーションバー62のねじり変形によっ
て、シートベルト3によって乗員に加えられる衝撃が吸
収緩和される。
【0079】一方、スプールリング64もロッキングリ
ング54に対して同方向αに相対回転するので、図11
(a)に示すように、すぐにリール側係止突起64eが
第1ストッパ作動係止突起63dに係合する。スプール
リング64が引き続き相対回転すると、リール側係止突
起64eと第1ストッパ作動係止突起63dが係合し、
ストッパリング63もスプールリング64と一体に同方
向αに回転する。この一体回転で、ストッパリング63
のリール側係止突起64eは、偏心カム54bによって
次第にリール側係止突起64eとの係合が解除される方
向に移動する。
【0080】そして、図11(b)に示すように、第1
ストッパ作動係止突起63dとリール側係止突起64e
とが係合解除位置となった後、リール4がさらに同方向
αに回転する。これにより、第1ストッパ作動係止突起
63dとリール側係止突起64eとの係合が外れる。し
たがって、スプールリング64だけがリール4と一体に
回転し、ストッパリング63は回転しなくなる。また、
第1ストッパ作動係止突起63dとリール側係止突起6
4eとの係合が外れた時点では、ストッパリング63の
第2ストッパ作動係止突起63eがリール側係止突起6
4eに係合可能な位置となっている。
【0081】この状態で、乗員の慣性でシートベルト3
がさらに引き出され、リール4がさらに同方向αに回転
するとスプールリング64も回転する。すると、スプー
ルリング64のリール側係止突起64eがストッパリン
グ63の第2のストッパ作動係止突起63eに係合し、
ストッパリング63も再びスプールリング64と一体に
回転する。そして、パウル55の係止爪55bが内歯5
3aに係合した後リール4がほぼ1回転すると、図11
(c)に示すように、第2ストッパ作動係止突起63e
は偏心カム54bによって最大に偏心する。これによ
り、第2ストッパ作動係止突起63eとリール側係止突
起64eが最大に係合する。すなわち、第1ストッパ作
動係止突起63dとリール側係止突起64eとの係合の
場合と同じ状態となる。
【0082】これ以後、前述した第1ストッパ作動係止
突起63dの場合と同様に、リール4及びスプールリン
グ64がさらに同方向αに回転すると、第2ストッパ作
動係止突起63eとリール側係止突起64eとの係合が
次第に小さくなる。そして、図11(b)と同様の図1
1(d)に示す係合解除位置を越える。すると、第2ス
トッパ作動係止突起63eとリール側係止突起64eと
の係合が外れ、再びリール4及びスプールリング64の
みが引き続き同方向αに回転し、ストッパリング63の
回転が停止する。
【0083】また、このときには、ストッパ係止突起6
3fがリール側係止突起64eと係合可能な位置となっ
ているが、偏心カム54bによる最大偏心位置にはまだ
なっていない。さらに、リール4及びスプールリング6
4がベルト引出し方向αに回転すると、リール側係止突
起64eがストッパ作動係止突起63fに係合し、再び
ストッパリング63がスプールリング64と一体に回転
する。
【0084】ストッパリング63が同方向αに回転して
いくと、ストッパ係止突起63fの偏心が偏心カム54
bによって次第に大きくなっていく。また、偏心カム5
4bの外周面54iと円環状フランジ64bの内周面6
4fとの間隔が次第に狭くなっていく。このため、スト
ッパ係止突起63fがこれらの両面54i、64fに次
第に狭圧されていく。そして、両面54i、64fの最
小隙間aがストッパ係止突起63fの最大高さbより小
さく設定されているので、最終的には、図11(e)に
示すように、ストッパ係止突起63fは、その外周面6
3gが円環状フランジ64bの内周面64fに密着す
る。これにより、両面54i、64fの間が強固にかつ
楔状に狭圧され、ストッパリング63の回転が抑制され
る。
【0085】このように、ストッパ係止突起63fの外
周面63gが円環状フランジ64bの内周面64fに密
着することで、荷重が効果的に分散される。また、スト
ッパリング63から円環状フランジ64bに局部的に荷
重が加えられないので、その分円環状フランジ64bの
強度を小さくできる。しかし、これに限定されることは
なく、ストッパ係止突起63fの外周面63gの一部が
円環状フランジ64bの内周面64fに部分的に当接す
ることもできることは言うまでもない。
【0086】このとき、リール側係止突起64eがスト
ッパ係止突起63fに係合しているので、スプールリン
グ64の回転も抑止される。したがって、スプールリン
グ64と一体回転するリール4のベルト引出し方向αの
回転が停止する。すなわち、スプールリング64がロッ
キングベース54にベルト引出し方向αの相対回転に対
しては一体に連結される。これにより、トーションバー
62がねじられなくなり、シートベルト3の引出が阻止
される。したがって、乗員の前方移動が阻止されるよう
になる。
【0087】このように、リール4及びスプールリング
64とロッキングベース54との間に回転差が生じてい
る間は、トーションバー部62aがねじられる。したが
って、EA機構7は車両衝突時のベルト荷重を制限する
EA機能を発揮するようになり、ストッパリング63が
ロッキングベース54に当接し、EA機能が終了する。
そして、トーションバー62はこの例の回転連結装置
(ロッキングベース54、ストッパリング63及びスプ
ールリング64)によって最大ねじり量が制限されるの
で、トーションバー62のねじりによる切断が防止され
る。
【0088】この例のシートベルトリトラクタ1によれ
ば、リール4内にはトーションバー62だけが設けられ
るので、リール4の小型化を効果的に図ることが可能と
なる。また、スプールリング64が回転方向のみの運動
だけでロッキングベース54に係合されるようになり、
スプールリング64は軸方向には移動しないので、軸方
向長さがより短縮される。しかも、リール4とロッキン
グベース54との間にディスク状のストッパリング63
とスプールリング64とが介在するだけであるので、シ
ートベルトリトラクタ1は軸方向にもそれほど長くなる
ことはない。したがって、全体的にコンパクトに構成す
ることができる。
【0089】以上説明したプリテンショナは以下の効果
を発揮する。 (1)ガスジェネレータ作動開始直後に第1回転部材の
駆動点をより確実に回転方向に押すことができるので、
プリテンショナの作動がより確実である。 (2)第1回転部材をリングギアで構成し、第2回転部
材をピニオンで構成した場合は、増速機能を生むことが
できる。また、ギア比を変えることで、引き込み量と引
き込み力をバランスさせることも可能である。
【0090】(3)駆動部材の尾端側にシールを有する
ものは、このシールによりガスが漏れないのでガス利用
効率がよい。 (4)通路の終端側にケースを設けた場合は、このケー
スにより通路から射出された駆動部材を一か所に集める
ことができるので、メンテナンスが容易である。
【0091】次に、本発明の第2の形態に係るプリテン
ショナについて説明する。上述の図1〜4に示されたプ
リテンショナは、ボール(駆動部材)とリングギア(第
1回転部材)との噛合い不良が起こらず、プリテンショ
ナの作動がより確実になる。
【0092】しかしながら、プリテンショナ作動後につ
いて考えると、特に巻取軸回動型のエネルギ吸収機構
(EA機構ともいう)を有するシートベルトリトラクタ
において、次のような現象が起こる可能性がある。すな
わち、車体に大きなGが働いてプリテンショナが作動し
た後に、乗員が慣性力で前方に移動すると、ベルトが延
び出そうとする。このときEA機構が作動し、巻取軸
が、ある抵抗トルクを維持しながらベルト引き出し方向
に徐々に回動する。そのとき、図4においてリングギア
30は時計回りに回動し、ボール20はパイプ21内に
押し戻される形となる。その際に、ボール20がロック
ぎみとなって抵抗力をリングギア30に与えると、リー
ル(巻取軸)4の回動抵抗トルクが規定の値より高くな
って、ベルト張力が高くなるおそれがあり好ましくな
い。
【0093】この形態のプリテンショナは、作動後にシ
ートベルトリトラクタの動作が妨げられることのないよ
う改良を加えたものである。
【0094】上記課題を解決するため、本発明のプリテ
ンショナは、 ガスジェネレータと、 該ガスジェネレ
ータの発生するガスによって加速される一連の複数の駆
動部材と、 該駆動部材を案内する通路と、 該駆動部
材が当たって回転駆動力を与える複数の駆動点(レバー
等)を有する上記巻取軸に連結される回転部材と、を備
え、 プリテンショナ作動後に、該回転部材の駆動点近
辺に残留している駆動部材を排出しやすくする機構を備
えることを特徴とする。
【0095】プリテンショナの作動後に、ボール等の駆
動部材が駆動点近辺に残留していても、その駆動部材を
容易に排出できるため、回転部材ひいては巻取軸の動き
を妨げるようなことはない。
【0096】上記ベルトに所定値以上の張力がかかった
場合に、上記巻取軸を徐々にベルト引き出し方向に回転
させるエネルギ吸収機構が付設されている場合には、プ
リテンショナ作動後にエネルギ吸収機構が作動する際
に、巻取軸のベルト引き出し方向への回転に伴い、上記
回転部材の駆動点が上記駆動部材を上記通路中に戻そう
とする動作が生じる。このようなエネルギ吸収機構が装
備されている場合、上記駆動部材を排出しやすくする機
構として、上記動作が生じた場合に、上記通路の一部が
変形又は脱落して駆動部材が通路外に排出されやすく構
成することができる。
【0097】図を参照しつつ第2形態のプリテンショナ
の具体例について説明する。図18〜20は、本発明の
第2の形態に係るプリテンショナの構成と作動を示す図
である。図18は、本形態の特徴事項である、プリテン
ショナ作動後のボール排出機構の動作を示す正面断面図
である。図19は、ボール排出機構の変形例を示す正面
図である。図20は、ボール排出機構の他の変形例を示
す正面図である。
【0098】図18に示すように、第2形態のプリテン
ショナにおいては、パイプ21(駆動部材通路)の先端
側(反ガスジェネレータ側)の直線部21jは、断面形
状がパイプの円環の一部のみからなっており、変形しや
すくなっている。なお、直線部21jのボール排出機構
としての作用については後述する。
【0099】パイプ21の最後の直線部21jは、図1
9に示すように、先端に塑性変形する部材(例えばアル
ミブロック等)21j′を組み込んで構成してもよい。
又は、図20に示すように、パイプ21の直線部21i
と最後の直線部21j″を別体に構成することもでき
る。この場合、直線部21iと直線部21j″とは連な
るように配置する。直線部21j″は、弾性変形する部
材(例えば板ばね又は塑性変形する部材(一例アルミブ
ロック)等)から形成するのがよい。
【0100】次に、図18を参照しつつプリテンショナ
10の作動後の作用について説明する。このようなプリ
テンショナ10の作動後に、慣性力で前に移動する乗員
の体に引かれてベルト3が引き出されようとし、このベ
ルトの張力が一定値以上になると、EA機構7(図6参
照)が作動し、同機構7のトーションバー62aが捩れ
変形を起す。すると、徐々にリール4がベルト引き出し
方向に回動(図18の矢印W方向)し、ほぼ一定の引力
をかけながらシートベルトが引き出される。このリール
4のベルト引き出し方向Wへの回転に伴い、ピニオン2
3及びリングギア30も同方向に回転しようとする。こ
のリングギア30の回転によって、レバー33間の台形
状の谷に係合しているボール20をパイプ21内に押し
戻そうとする動作が生じる。このときにボール20がロ
ックぎみとなって抵抗力をリングギア30に与えると、
リール4の回動抵抗トルクが規定の値より高くなって、
シートベルトの張力が高くなるおそれがある。
【0101】このような動作が生じた場合には、ボール
20が押される力を受けて、パイプ21の最後の直線部
21jが図18の矢印Z方向に屈曲する。この屈曲によ
って、直線部21jは、図18の一点鎖線で示す位置に
移動する。その結果、ボール20の通路が広がることに
よって、ボール20がリングギア30のレバー33間に
残留していても、ボール20はケース17の方向に排出
される。したがって、ボール20がリングギア30及び
リール4の動きを妨げることはない。
【0102】図19に示すように、パイプ21の最後の
直線部が、先端部材21j′を組み込んで構成したもの
である場合、ボール20をパイプ21内に押し戻そうと
する力(図19の矢印α方向)が生じると、先端部材2
1j′が図19に一点鎖線で示す位置に塑性変形する。
この先端部材21j′の塑性変形に伴い、ボール20は
図19の矢印β方向に弾かれるので、この場合もボール
20は容易に排出される。
【0103】図20に示すように、パイプ21の直線部
21j″を別体に弾性部材から構成したものである場
合、ボール20をパイプ21内に押し戻そうとする力
(図20の矢印α方向)が生じると、直線部21j″が
図3に一点鎖線で示す位置に弾性変形する。この直線部
21j″の弾性変形に伴い、ボール20は図20の矢印
β方向に弾かれる。したがって、上記と同様に、この場
合もボール20は容易に排出される。
【0104】次に、プリテンショナのボールとパイプ、
リングギア相互の形状の関係について考察する。図21
は、パイプ221(駆動部材案内通路)の駆動力伝達部
の形状と、ボール20(駆動部材)からリングギア23
0への駆動力伝達状態を模式的に示す正面図である。
(A)はパイプ221がストレートの場合であり、
(B)はパイプ221の駆動力伝達部(先端部)がリン
グギア230の中心寄りに湾曲している場合である。こ
の状態は、プリテンショナが作動中で、ボール20は図
の下方向に動いており、リングギア230はピニオン2
23と噛み合って反時計回りに回転している。図21に
は、リングギア230の2ヶのレバー233−1と23
3−2とが通路221中のボール20と接触して示され
ている。このうち、図の下のレバー233−1は、図の
上のレバー233−2よりも先行している。下のレバー
233−1は、ボール20との接触が終わって、ボール
20からの駆動力が消失するところである。レバー23
3−2は、レバー233−1を追うように進んでおり
(後行しており)、その上のボール20から駆動力を受
けている。
【0105】図21(A)においては、パイプ21の終
端部221jはストレートであり、ボール20がリング
ギア23のレバー233に当って進むパイプ221の部
分(駆動力伝達部)はストレートである。一方、図21
(B)においては、パイプ21の終端部221j´はリ
ングギア230の中心に寄るように湾曲しており、その
結果駆動力伝達部も湾曲している。そのため、先行する
レバー233−1がボール20と接触し終わる点が、図
21(A)の場合よりも、図21(B)の方が、図の下
の方に下がる。それにつれて、後行するレバー233−
2の位置も図21(B)の方が下がっている。
【0106】ここで、後行するレバー233−2の中心
(レバーとボール20との接点としても良い)と、リン
グギア230の回転中心(リール4の6角軸部4dの中
心に等しい)とを結ぶ線234と、該レバー233−2
を押すボール20の進行方向(パイプの軸方向に等し
い)とのなす角αについて考察する。この角αは、別の
表現をすれば、上のレバー233−2が駆動力伝達を単
独で受け持ち始める位置を示す。
【0107】図21(A)の場合は、αが比較的小さく
(例えば65°)、ボール20からレバー233−2に
伝わる力のベクトルFが、リングギア230の回転中心
方向に倒れており、この力Fがリングギア230に加え
るトルクが減殺されている。一方、図21(B)の場合
は、αが比較的大きく(例えば70°)、ボール20か
らレバー233−2に伝わる力のベクトルFが、リング
ギア230の回転中心方向にあまり倒れておらず、リン
グギア230のトルクが十分に得られる。
【0108】つまり、図21(A)の場合、パワー伝達
のタイミングが中心より離れているため軸方向に力が分
散して回転力のロスが生じている。ところが、図21
(B)の場合は、パイプの終端部221jが湾曲してい
るので、下のレバー233−1をボール20が押してい
る時間が長くなる。その結果、上のレバー233−2の
伝達位置が変わるタイミングが遅くなるので、パワー伝
達の位置を中心に寄せることができパワーロスが少なく
なる。なお、図1のプリテンショナにおいてもパイプ終
端部21jは、リングギア30の回転中心に寄るように
傾斜付けられているので、同様の効果を期待できる。
【0109】図22は、パイプ221の駆動力伝達部の
形状と、リングギア230とピニオン223との噛み合
い関係を考察するための模式的正面図である。この場合
も、図22(A)ではパイプ終端部221jがストレー
トであるのに対して、図22(B)では同部221j´
がリングギア230の回転中心に寄るように湾曲してい
る。
【0110】ここで、図22(A)では、1ヶのレバー
233−2のみがボール20と係合しているが、このと
きボールの内側(図の右側)とリングギア230との間
に空間238が生じる。そしてこのとき、レバー233
−2をボール20が押す力Fの、リングギア230回転
中心に向く成分は小さい。そのため、なにかの拍子で、
リングギア230が図の左側に動いて、リングギア23
0とピニオン223との噛み合いが外れる恐れがある。
【0111】ところが、図22(B)の場合、パイプ終
端部221j´がリングギア230の回転中心方向に湾
曲しており、同部221j´でもボール20がリングギ
アレバー233−1と係合しているので、ピニオン22
3との噛み合いが外れる方向にリングギア230が移動
するのを妨げることができる。そのため、リングギア2
30とピニオン223との噛み合いが外れる恐れがな
い。
【0112】図23は、リングギアとピニオンの噛合い
歯の形状について考察するための模式的平面図である。
図23(A)の場合は、リングギア230´の内歯23
1´及びピニオン223´の外歯224´ともに基本的
にインボリュート歯形であり、圧力角は20°である。
なお、リングギア内歯231´の頭部は一部削除されて
おり、噛合いがスムーズに起こりやすくなっている。し
かし、このクラッチ機構において、リングギア230´
の軸は固定されていない(フローティングギアである)
ため、両歯224´、231´の間の接触力で、リング
ギア230´が図の左方に押され、両歯の噛合いが外れ
る恐れがある。
【0113】そこで、図23(B)に示すように、両歯
224,231の接する面224a、231aを圧力角
が20°よりも低い切り立った面としている。なお、こ
れらの面はプリテンショナ作動時に接する面である。圧
力角の下限値については、0°やマイナスでもよく、ギ
アの係合に支障を来さない程度まで一方向の角度まで設
定することができる。圧力角の具体例としては、0°、
10°等を選択できる。なお、図18のプリテンショナ
においても、歯形は図23(B)のような片面が切り立
った形となっている。
【0114】次に、ボールの材質とボールの付勢手段に
ついて説明する。図24は、プリテンショナのパイプ内
におけるボールの配置状況を示す断面図である。図24
(A)の例では、最もガスジェネレータ15寄りのボー
ル220−1をシリコーンゴム製としてピストンの役割
を持たせ、その他は鋼製(硬度HRC50以上)として
ある。鋼球は、アルミニウム球より硬度が高く、変形・
摩擦が小さいため、後述する効果がある。この例におい
ては、ボール220−1とガスジェネレータ15の間
に、ボール220−1を先端方向に付勢するコイルスプ
リング201を組み込んでいる。コイルスプリング20
1の付勢力により、先頭のボール210−15がリング
ギア230のレバー233に当っている。
【0115】図24(B)の例では、次のようにボール
材質を考えている。プリテンショナ作動開始後にパイプ
221のR部221aに加速されて打ち込まれるボール
220−2〜8については鋼製として、パイプ221と
ボール220との摩擦抵抗を減少させている。先頭のボ
ール220−15は、リングギアレバー232に当たる
ものではあるが、アルミニウム製としている。ここで
は、1球目(ボール220−15)は、ギアをかませる
だけで力があまりかからないこと、及び、軽量化のた
め、アルミニウムを用いている。その他ボール220−
9〜14については、リングギアレバー233に当たる
ものについては鋼製とし、レバー233に当たらないも
のはアルミニウム製としている。これは、できるだけ軽
量化を図りつつ、かつ摩擦抵抗・コスト減を追求するた
めである。
【0116】ここで、軟らかいアルミニウム製のボール
を高負荷がかかる位置に用いた場合の問題点について説
明する。プリテンショナのハイパワー化に伴い、プリテ
ンショナ作動時に、ボール220にかかる負荷が大きく
なると、以下のような状態となってボールが変形してし
まう。 パイプ221内で、ボール同士が押し合って隣り合
うボールとボールの接点が変形してしまう。 ボールが、隣のボールに押されて、パイプ221の
壁面に押し付けられ、壁面とボールとの接点が変形して
しまう。 ボールがリングギアレバー233に押し付けられ
て、ボールとリングギアレバー233の接点が変形して
しまう。そして、ボールが変形してしまうと、以下のよ
うな不具合が生じる。 変形したボールでは、プリテンショナ作動時にパイ
プ221内をスムーズに動けなくなる。 変形により、ボール同士、また、ボールとパイプ2
21の壁面の接触面積が増大する可能性がある。その結
果、摩擦抵抗が増大し、パワーロスが起きてしまう。特
に、プリテンショナがコンパクト化された場合には、摩
擦抵抗の影響が大きくなる。 変形がさらに大きくなると、ボールがプリテンショ
ナ作動時にリングギアレバー233を回転させることな
く、リングギアレバー233とパイプ221とのスキマ
をすり抜けてしまう可能性がある。そこで、このような
弊害が起きないようにするため、上述のような十分な硬
度を有するボールを用いることが好ましいのである。
【0117】さらに、他の実施の形態に係るプリテンシ
ョナ及びシートベルトリトラクタについて説明する。図
25(A)は、他の実施の形態に係るプリテンショナ及
びシートベルトリトラクタの構成を示す断面図である。
図25(B)は、図25(A)のシートベルトリトラク
タのフレーム、ピン、パイプ及びガイドブロックの結合
部分の詳細を示す拡大分解斜視図である。図26は、他
の実施の形態に係るプリテンショナ及びシートベルトリ
トラクタの構成を示す分解斜視図である。図27(A)
は、図25(A)のシートベルトリトラクタのフレーム
(ベースユニット)、ピン、パイプ及びガイドブロック
の結合部分の詳細を示す拡大図である。図27(B)
は、図27(A)とは別の他の例を示す拡大図である。
図25のこれらの図のプリテンショナ及びシートベルト
リトラクタは、図1〜14のプリテンショナ・シートベ
ルトリトラクタに様々な改良を加えたものである。
【0118】図25及び図26に示すシートベルトリト
ラクタ310は、図5に示す上記シートベルトリトラク
タ1に対して、主に次の各部材が異なる。 (1)カバー301 このカバー301は、図5のシートベルトリトラクタ1
においてベース41に相当する部材であるが、形状が相
当異なっているとともに、ボールケース等の部品も複合
化してある。なお、詳細については後述する。 (2)ガイドブロック318 ガイドブロック318は、図5のシートベルトリトラク
タにおいてパイプ21の最後の直線部21j(又は図1
9の21j′、図20の21j″)に相当する部材であ
る。なお、パイプ321は、図5等に示すパイプ21と
ほぼ同様のものである。パイプ321は、基端321
c、直線部321g、半円部321h、直線部321
i、先端開口321bを有する。
【0119】(3)プレート345 図5のシートベルトリトラクタ1においてプレート34
5に相当する部材はなく、本実施例で追加された部材で
ある。 (4)ロッキングベース354及びパウル355 これらロッキングベース354及びパウル355は、図
5のシートベルトリトラクタ1においてロッキングベー
ス54及びパウル55に相当する部材である。これらロ
ッキングベース354及びパウル355は、図5のロッ
キングベース54及びパウル55とは形が異なってい
る。
【0120】(5)ピン319、ネジ319’ 図5のシートベルトリトラクタ1において、パイプ21
はベース41にブレーシング(ろう付け)又は溶接で固
定されている。図25〜図27において、シートベルト
リトラクタ310のパイプ321、ガイドブロック31
8は、ピン319によりフレーム302(ベースユニッ
ト)に固定されている。図27(B)に示すネジ31
9’は、シートベルトリトラクタ310において、パイ
プ321、ガイドブロック318及びプレート345を
一体に結合するためのものである。 (6)リングギア330の初期位置決め形態 図5のシートベルトリトラクタ1において、リングギア
330は、ギアホルダ45により初期位置決めされてい
た。図25〜図27のシートベルトリトラクタ310に
おけるリングギア330は、カバー301に立てたシェ
アピン(ボッチ)(図示されず)を、リングギア330
のザグリ穴に嵌める構造により初期位置決めされる。
【0121】カバー301について詳しく説明する。カ
バー301は、アルミニウムダイカスト製の部材であっ
て、平板状をした基板312を備えている。この基板3
12のほぼ中心位置には挿通孔312aが形成されてい
る。この挿通孔312aにはリール304のばね付勢軸
304eが挿通される。さらに、基板312には、3個
の取り付け孔342b等が形成されている。これら取り
付け孔42b等には、カバー301にリターンスプリン
グ9を固定するためのねじ44(図5とほぼ同様のも
の)が差し込まれる。なお、この基板312において
は、パイプ321が取り付けられる側の面をパイプ側の
面と呼び、リターンスプリング9が取り付けられる側の
面をスプリング側の面と呼ぶ。
【0122】基板312のパイプ側の面には、大別して
2箇所にパイプガイド411、413が設けられてい
る。各パイプガイド411、413は、基板312のパ
イプ側の面から突出するように一体成形されている。パ
イプガイド411は、パイプ321上部の半円部321
hの内側をガイドする。パイプガイド413は、パイプ
321の直線部321gの始端部分の内側をガイドす
る。これらパイプガイド411、413には、取り付け
孔412等が形成されている。これら取り付け孔412
等には、カバー301及びプレート345をフレーム3
02の側壁に固定するためのリベット49(図5とほぼ
同様のもの)が挿入される。
【0123】基板312のパイプ側の面下辺寄りにおい
て、パイプガイド411と413間には、ボールケース
317が形成されている。図5のケース17は、ベース
41に対してリベット49により取り付けられていた
が、本実施例のボールケース317は、基板312と一
体に形成されている。ボールケース317は、パイプ3
21の外に射出されたボール320を収容するためのも
のである。同ケース317により、パイプ321から射
出されたボール320は一か所に集められる。
【0124】次に、ガイドブロック318について説明
する。ガイドブロック318は、アルミニウムダイカス
ト製部材である。同ガイドブロック318は、パイプ3
21の終端に組み込まれる。そして、図25(B)に示
すように、フレーム302に圧入又はネジ固定されたピ
ン319により固定されている。ガイドブロック318
は、滑らかなカーブ状の通路面318aを有する。この
通路面318aは、パイプ321の直線部321iとボ
ールケース317間のボール320の通路の一部を構成
する。
【0125】このガイドブロック318は、ボール32
0をパイプ321内に押し戻そうとする動作が生じた場
合に、ボール320が押される力を受けて、その端部3
18bが塑性変形する。これにより、ボール320の通
路が広くなり、ボール320は排出されやすくなる。し
たがって、本実施例の場合も、ボール320はケース3
17の方向に容易に排出され、ボール320がリングギ
ア及びリールの動きを妨げることはない。
【0126】次にプレート345について説明する。プ
レート345は、パイプ321とフレーム302に介装
される金具である。同プレート345のほぼ中心位置に
は挿通孔345aが形成されている。この挿通孔345
aにはリール304のばね付勢軸304eが挿通され
る。プレート345の一側辺には、円筒管半部状のパイ
プカバー部345bが形成されている。このパイプカバ
ー部345bは、パイプ321の直線部321iの外側
を覆う。このプレート345には、リベット49を挿通
させるための孔345c等が形成されている。
【0127】次にピン319及びネジ319’について
説明する。図27(A)に分かり易く示すように、ピン
319は、フレーム302に圧入されている。このピン
319は、フレーム302にネジ固定することもでき
る。パイプ321内にガイドブロック318を挿入した
状態で、これらの穴にピン319が入り込むことによ
り、これら両者がフレーム302に固定されている。図
27(B)に示す例では、ネジ319’により、パイプ
321、ガイドブロック318及びプレート345が一
体に結合されている。この場合、プレート345のパイ
プカバー部345bを下側に延びるように形成する。
【0128】なお、ピン319、ネジ319’を両方用
いてガイドブロック318を固定することもできる。こ
の場合は、図27(B)において、図27(A)のピン
319をさらに設ける。ピン319、ネジ319’を両
方用いると、パイプ321、ガイドブロック318及び
プレート345を一層強固に結合することができる利点
がある。なお、図27(A)、(B)においては、ガイ
ドブロック318の上端に段部があるように描かれてい
るが、この段部をなくし、ガイドブロック上端がパイプ
321内面と面一になるような形状にすることもでき
る。
【0129】以上、プリテンショナの例を図面を参照し
つつ説明したが、本発明はこれらの例に限定されるもの
ではなく、様々な改変が可能なことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態で説明したプリテンショナの作動
前の状態を示す正面断面図である。
【図2】ガスジェネレータ発火直後の状態を示す正面断
面図である。
【図3】ベルト巻き取り開始直後の状態を示す正面断面
図である。
【図4】ベルト巻き取り中の状態を示す正面断面図であ
る。
【図5】本実施の形態で説明したシートベルトリトラク
タの全体構成を示す分解斜視図である。
【図6】図5における緊急ロック機構及びEA機構の部
分拡大図である。
【図7】図5におけるフレーム周辺の部分拡大図であ
る。
【図8】図5におけるプリテンショナの部分拡大図であ
る。
【図9】図5及び図6におけるEA機構の一部を示す部
分拡大図である。
【図10】シートベルトリトラクタの組み立て状態のE
A機構部分を示す一部断面図である。
【図11】図11(a)〜(e)はEA機構の作動を説
明する説明図である。
【図12】本発明に係るプリテンショナのパイプ、ベー
ス及びギアホルダの詳細を示す斜視図である。
【図13】図12のギアホルダの詳細を示す斜視図であ
る。
【図14】図12のベースの詳細を示す斜視図である。
【図15】樹脂製ボールの変形状態を説明する説明図で
ある。図15(a)はガスジェネレータ発火前の状態を
示す図であり、図15(b)はガスジェネレータ発火直
後の状態を示す図であり、図15(c)はガス圧を受け
て変形した状態を示す図である。
【図16】従来のプリテンショナの作用を説明する説明
図である。図16(a)はプリテンショナの作動前の状
態を示す図であり、図16(b)はプリテンショナの正
常作動時の状態を示す図であり、図16(c)はプリテ
ンショナの異常作動時の状態を示す図である。
【図17】図17(a)は従来のプリテンショナの分解
斜視図であり、図17(b)はドライブホイルの詳細図
である。
【図18】プリテンショナ作動後のボール排出機構の動
作を示す正面断面図である。
【図19】ボール排出機構の変形例を示す正面図であ
る。
【図20】ボール排出機構の他の変形例を示す正面図で
ある。
【図21】パイプ221の駆動力伝達部の形状と、ボー
ル20からリングギア230への駆動力伝達状態を模式
的に示す正面図である。
【図22】パイプ221の駆動力伝達部の形状と、リン
グギア230とピニオン223との噛み合い関係を考察
するための模式的正面図である。
【図23】リングギアとピニオンの噛合い歯の形状につ
いて考察するための模式的平面図である。
【図24】プリテンショナのパイプ内におけるボールの
配置状態を示す断面図である。
【図25】図25(A)は、他の実施の形態に係るプリ
テンショナ及びシートベルトリトラクタの構成を示す断
面図である。図25(B)は、図25(A)のシートベ
ルトリトラクタのフレーム、ピン、パイプ及びガイドブ
ロックの結合部分の詳細を示す拡大分解斜視図である。
【図26】他の実施の形態に係るプリテンショナ及びシ
ートベルトリトラクタの構成を示す分解斜視図である。
【図27】図27(A)は、図25(A)のシートベル
トリトラクタのフレーム(ベースユニット)、ピン、パ
イプ及びガイドブロックの結合部分の詳細を示す拡大図
である。図27(B)は、図27(A)とは別の他の例
を示す拡大図である。
【符号の説明】
1 シートベルトリトラクタ 2 フレーム 3 ベルト 4 リール 4a ベルト巻き取り部 4b、4c フ
ランジ部 4d 6角軸部 4e ばね付勢
力付加軸 4f 突部 4g スプールリング支持部
4h 穴 5 ロック手段 6 緊急ロッ
ク機構 7 EA機構 8 減速度検
知手段 9 リターンスプリング 10 プリテ
ンショナ 15 ガスジェネレータ 17 ケース 20 ボール 21 パイプ 21a 切欠部 21b 先端開
口 21c 基端部 21d 圧力容
器 21f フランジ部 21g 直線部 21h 半円部 21i、21j
直線部 23 ピニオン 24 外歯 25、26 ピン 28 突起 30 リングギア 30a、30b
外周面 31 内歯 32、33 レ
バー 41 ベース 42 基板 42a 挿通孔 42b、42
c、42d 取り付け孔 43a〜h ガイド板 44 ねじ 45 ギアホルダ 46 背板 46a、46b 内周辺 46c ヒンジ
部 46e ヒレ 47 側板 49 リベット 50、51 側
壁 50a、51a 大孔 51b 取り付
け孔 52 背板 53 内歯形
成部材 53a 内歯 54 ロッキ
ングベース 55 パウル 55a 孔 58 ロックギヤ 61 リテー
ナハウジング 62 トーションバー 63 ストッ
パリング 64 スプールリング 69 ブッシ
ュ 71 ブッシュシャフト 100 凹部 101 巻取軸 103、104
ドライブホイル片 103a、104a 凹部 105 ドライ
ブホイル 105a 歯 105b 凹部 106 ギア 110 溝 112 カップ 114 ソード
ボックス 115 ガスジェネレータ 116、117
ガイド 118 チューブ 118a 開口 120 マスボール 121 ピスト
ン 201 コイルスプリング 220 ボール 221 パイプ 221a R部 221j、221j´ 終端部 223 ピニオ
ン 224´ 外歯 224a 内歯
と接する面 230 リングギア 231´ 内歯 231a 外歯と接する面 233 レバー 234 回転中心と6角軸部とを結ぶ線 301 カバー 302 フレー
ム 304 リール 304e ばね
付勢軸 310 シートベルトリトラクタ 312 基板 312a 挿通孔 317 ボール
ケース 318 ガイドブロック 318a 通路
面 319 ピン 321 パイプ 321b 先端開口 321c 基端 321g 直線部 321h 半円
部 321i 直線部 342b 取り
付け孔 345 プレート 345a 挿通
孔 345b パイプカバー部 345c 孔 354 ロッキングベース 355 パウル 411、413 パイプガイド 412 取り付
け孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 茂明 東京都港区六本木1丁目4番30号 タカタ 株式会社内 (72)発明者 西澤 宗雄 東京都港区六本木1丁目4番30号 タカタ 株式会社内 (72)発明者 浜上 哲也 東京都港区六本木1丁目4番30号 タカタ 株式会社内 (72)発明者 竹原 弘樹 東京都港区六本木1丁目4番30号 タカタ 株式会社内 (72)発明者 三科 丞司 東京都港区六本木1丁目4番30号 タカタ 株式会社内 (72)発明者 金森 靖 東京都港区六本木1丁目4番30号 タカタ 株式会社内 (72)発明者 塩谷 昌広 東京都港区六本木1丁目4番30号 タカタ 株式会社内 Fターム(参考) 3D018 DA07 MA02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緊急時にシートベルトの巻取軸を巻き取
    り方向に回転させてベルトにプリテンションを与えるプ
    リテンショナであって;ガスジェネレータと、 該ガスジェネレータの発生するガスによって加速される
    一連の複数の駆動部材と、 該駆動部材を案内する通路と、 該駆動部材が当たって回転駆動力を与える複数の駆動点
    (レバー等)を有する第1回転部材と、 上記巻取軸に取り付けられた第2回転部材と、 上記第1回転部材と第2回転部材間に設けられたクラッ
    チ機構と、 を備え、 該クラッチ機構は、プリテンショナ作動前には切り離さ
    れており、プリテンショナの作動時(衝突時等)におい
    て上記第1回転部材が回転すると連結され、 プリテンショナ作動前において、上記駆動部材の先頭の
    部材が上記第1回転部材の駆動点に実質的に接触してい
    ることを特徴とするプリテンショナ。
  2. 【請求項2】 上記第2回転部材が外歯を有するピニオ
    ンであり、 上記第1回転部材が、該ピニオンの外歯と噛み合う内歯
    を有するとともに、レバーを外周に有するリングギアで
    あり、 上記クラッチ機構が、加速された上記駆動部材が上記リ
    ングギアのレバーを押して該ギアを移動させることによ
    り該ギアの内歯と上記ピニオンの外歯とを噛み合わせる
    ものであることを特徴とする請求項1記載のプリテンシ
    ョナ。
  3. 【請求項3】 上記駆動部材が粒状体(ボール)であ
    り、 上記通路がパイプ状で且つ湾曲していることを特徴とす
    る請求項1又は2項記載のプリテンショナ。
  4. 【請求項4】 上記駆動部材の尾端側(上記ガスジェネ
    レータ側)の部材がガスを先頭側に漏らさないシールを
    有し、他の駆動部材と上記通路間は比較的隙間があるこ
    とを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のプリテ
    ンショナ。
  5. 【請求項5】 上記駆動部材の尾端側の部材を先端方向
    に付勢する手段を有することを特徴とする請求項1記載
    のプリテンショナ。
  6. 【請求項6】 緊急時にシートベルトの巻取軸を巻き取
    り方向に回転させてベルトにプリテンションを与えるプ
    リテンショナであって;ガスジェネレータと、 該ガスジェネレータの発生するガスによって加速される
    一連の複数の駆動部材と、 該駆動部材を案内する通路と、 該駆動部材が当たって回転駆動力を与える複数の駆動点
    (レバー等)を有する上記巻取軸に連結される回転部材
    と、 を備え、 プリテンショナ作動後に、該回転部材の駆動点近辺に残
    留している駆動部材を排出しやすくする機構を備えるこ
    とを特徴とするプリテンショナ。
  7. 【請求項7】 上記シートベルトに所定値以上の張力が
    かかった場合に、上記巻取軸を徐々にベルト引き出し方
    向に回転させるエネルギ吸収機構が付設されており、 プリテンショナ作動後にエネルギ吸収機構が作動する際
    に、上記通路の一部が変形又は脱落することを特徴とす
    る請求項6記載のプリテンショナ。
  8. 【請求項8】 上記巻取軸のベルト引き出し方向への回
    転に伴い、上記回転部材の駆動点が上記駆動部材を上記
    通路中に戻そうとする動作が生じ、上記駆動部材を排出
    しやすくする機構として、上記動作が生じた場合に、上
    記通路の一部が変形又は脱落して駆動部材が通路外に排
    出されやすく構成されていることを特徴とする請求項7
    記載のプリテンショナ。
  9. 【請求項9】 緊急時にシートベルトの巻取軸を巻き取
    り方向に回転させてベルトにプリテンションを与えるプ
    リテンショナであって;ガスジェネレータと、 該ガスジェネレータの発生するガスによって加速される
    一連の複数の駆動部材と、 該駆動部材を案内する通路と、 該駆動部材が当たって回転駆動力を与える複数の駆動点
    (レバー等)を有する上記巻取軸に連結される回転部材
    と、 を備え、 上記通路の内、上記駆動部材が上記回転部材の駆動点に
    当って進む部分(駆動力伝達部)が、該回転部材の回転中
    心に寄るように湾曲していることを特徴とするプリテン
    ショナ。
  10. 【請求項10】 緊急時にシートベルトの巻取軸を巻き
    取り方向に回転させてベルトにプリテンションを与える
    プリテンショナであって;ガスジェネレータと、 該ガ
    スジェネレータの発生するガスによって加速される一連
    の複数の駆動部材と、 該駆動部材を案内する通路と、 該駆動部材が当たって回転駆動力を与える複数の駆動点
    (レバー等)を有する上記巻取軸に連結される回転部材
    と、 を備え、 上記駆動部材が上記回転部材の複数の駆動点に当って同
    部材を回転させていく際に、 先行する駆動点への駆動力が消失するときにおいて、後
    行する駆動点を押す駆動部材の進行方向と、該駆動点と
    回転部材の回転中心とを結ぶ線とのなす角が70°以上
    であることを特徴とするプリテンショナ。
  11. 【請求項11】 緊急時にシートベルトの巻取軸を巻き
    取り方向に回転させてベルトにプリテンションを与える
    プリテンショナであって;ガスジェネレータと、 該ガスジェネレータの発生するガスによって加速される
    一連の複数の駆動部材と、 該駆動部材を案内する通路と、 該駆動部材が当たって回転駆動力を与える複数の駆動点
    (レバー等)を有する第1回転部材と、 上記巻取軸に取り付けられた第2回転部材と、 上記第1回転部材と第2回転部材間に設けられたクラッ
    チ機構と、 を備え、 上記第2回転部材が外歯を有するピニオンであり、 上記第1回転部材が、該ピニオンの外歯と噛み合う内歯
    を有するとともに、レバーを外周に有するリングギアで
    あり、 上記クラッチ機構が、加速された上記駆動部材が上記リ
    ングギアのレバーを押して該ギアを移動させることによ
    り該ギアの内歯と上記ピニオンの外歯とを噛み合わせる
    ものであり、 上記駆動部材と上記通路が、駆動力伝達部において、上
    記リングギアが上記ピニオンと噛合いが外れる方向に移
    動するのを妨げるように構成されていることを特徴とす
    るプリテンショナ。
  12. 【請求項12】 上記通路の内の駆動力伝達部が、上記
    回転部材の回転中心に寄るように湾曲していることを特
    徴とする請求項11記載のプリテンショナ。
  13. 【請求項13】 緊急時にシートベルトの巻取軸を巻き
    取り方向に回転させてベルトにプリテンションを与える
    プリテンショナであって;ガスジェネレータと、 該ガスジェネレータの発生するガスによって加速される
    一連の複数の駆動部材と、 該駆動部材を案内する通路と、 該駆動部材が当たって回転駆動力を与える複数の駆動点
    (レバー等)を有する第1回転部材と、 上記巻取軸に取り付けられた第2回転部材と、 上記第1回転部材と第2回転部材間に設けられたクラッ
    チ機構と、 を備え、 上記第2回転部材が外歯を有するピニオンであり、 上記第1回転部材が、該ピニオンの外歯と噛み合う内歯
    を有するとともに、レバーを外周に有するリングギアで
    あり、 上記クラッチ機構が、加速された上記駆動部材が上記リ
    ングギアのレバーを押して該ギアを移動させることによ
    り該ギアの内歯と上記ピニオンの外歯とを噛み合わせる
    ものであり、 上記駆動部材が上記リングギアを回転駆動する際に接触
    する上記外歯と内歯の歯面の圧力角が20°未満(マイ
    ナス含む)であることを特徴とするプリテンショナ。
  14. 【請求項14】 緊急時にシートベルトの巻取軸を巻き
    取り方向に回転させてベルトにプリテンションを与える
    プリテンショナであって;ガスジェネレータと、 該ガスジェネレータの発生するガスによって加速される
    一連の複数の駆動部材と、 該駆動部材を案内する通路と、 該駆動部材が当たって回転駆動力を与える複数の駆動点
    (レバー等)を有する上記巻取軸に連結される回転部材
    と、 を備え、 上記複数の駆動部材の内、最も尾端側の部材を除く他の
    部材が鋼球又はそれに相当する硬度を有する金属球であ
    ることを特徴とするプリテンショナ。
  15. 【請求項15】 緊急時にシートベルトの巻取軸を巻き
    取り方向に回転させてベルトにプリテンションを与える
    プリテンショナであって;ガスジェネレータと、 該ガスジェネレータの発生するガスによって加速される
    一連の複数の駆動部材と、 該駆動部材を案内する通路と、 該駆動部材が当たって回転駆動力を与える複数の駆動点
    (レバー等)を有する上記巻取軸に連結される回転部材
    と、 を備え、 上記複数の駆動部材の内、上記回転部材の駆動点に当た
    る部材が、鋼球又はそれに相当する硬度を有する金属球
    であることを特徴とするプリテンショナ。
  16. 【請求項16】 緊急時にシートベルトの巻取軸を巻き
    取り方向に回転させてベルトにプリテンションを与える
    プリテンショナであって;ガスジェネレータと、 該ガスジェネレータの発生するガスによって加速される
    一連の複数の駆動部材と、 該駆動部材を案内する通路と、 該駆動部材が当たって回転駆動力を与える複数の駆動点
    (レバー等)を有する上記巻取軸に連結される回転部材
    と、 を備え、 上記複数の駆動部材の内、通路の湾曲部を通過する部材
    が、鋼球又はそれに相当する硬度を有する金属球である
    ことを特徴とするプリテンショナ。
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