JP2001149807A - 自動分離・粉砕装置 - Google Patents

自動分離・粉砕装置

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JP2001149807A JP33466899A JP33466899A JP2001149807A JP 2001149807 A JP2001149807 A JP 2001149807A JP 33466899 A JP33466899 A JP 33466899A JP 33466899 A JP33466899 A JP 33466899A JP 2001149807 A JP2001149807 A JP 2001149807A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】廃棄処分する主に食品と包装材とからなるパッ
ク食品を、自動的に食品と包装材とに分離するとともに
包装材を細かく粉砕し、粉砕した包装材片に食品の一部
や水分が付着して排出されることのないようにすること
にある。 【解決手段】自動分離・粉砕装置1に分離・粉砕機構3
を内設し、この分離・粉砕機構3が、駆動装置6と、こ
の駆動装置6によって回転する回転軸と、この回転軸に
設けた食品・包装材粉砕用の粉砕羽根並びに粉砕した包
装材を包装材排出口4に送る回転羽根とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動分離・粉砕装置
に関し、特にスーパーマーケットやコンビニエンス・ス
トア等で販売されている各種のパック食品を、賞味期限
の切れた後に処分する場合に、包装材と食品とに自動的
に分離して粉砕処理する自動分離・粉砕装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般にスーパーマーケットやコンビニエ
ンス・ストア、デパート等の食品売場においては、魚類
や肉類、惣菜類等、多種多様な食品を、陳列台や冷蔵ケ
ースに並べて販売している。これらの食品は、陳列した
場合の見栄えや取り扱いの利便性等を考えて、適宜の量
(又は数)をトレー等に入れプラスチックの樹脂シート
等で包装したり、直接、透明な包装紙等で包んで販売し
ている。また、これらの食品のトレーや包装材等には、
夫々の賞味期間(又は賞味期限)を記載したシールが貼
られている。
【0003】ところで、これらの食品は必ずしも賞味期
間内に全て売れてしまうわけではなく、多くのスーパー
マーケット等では毎日のように賞味期限の切れた多量の
売れ残り品が発生している。そのため閉店後にこれらの
売れ残り品をひとまとめにして回収業者に引き取っても
らっている。回収業者はこれらの回収した売れ残り品を
そのまま焼却している。そのため食品と共にトレー等の
化学製品も焼却されるため、環境に悪影響を及ぼす懸念
が大であった。
【0004】そこで環境への悪影響を考慮してこれらの
パック食品を安全に処分するために、スーパーマーケッ
ト等の各店の敷地内に、廃棄食品を微生物によって好気
性分解処理できるようにした生ゴミ処理装置を設置し、
この装置を使用して店側で廃棄食品を処理しているとこ
ろもある。
【0005】しかし、この場合には生ゴミ処理装置に食
品を投入する前に、その都度人手によって食品と包装材
とに分離しなければならず、廃棄する多量のパック食品
を食品と包装材とに分離することは非常に大変であっ
た。また時間も労力もかかり、パック食品の処分にかか
る店側のコスト負担も大きくなるといった問題があっ
た。
【0006】そこで、本発明と同一の発明人は、先に特
願平10ー149700号に開示したような自動分離・
粉砕装置を開発し、上記した問題点を解決できるように
していた。この自動分離・粉砕装置は、投入口からこの
装置内に投入された賞味期限切れ等のバック食品を、回
転軸の周囲に等間隔に設けた4枚の攪拌羽根によって、
叩き割ったり、装置内の内壁面との間で挟んで押し潰し
たりして、生ゴミ(食品)と包装材とに分離するととも
に、生ゴミ(食品)をこの装置の底部に設けた多数の孔
から下方に設けた生ゴミ回収受体で回収し、回転羽根の
回転による風力によって分離された比重の軽い包装材
を、投入口と反対側に設けた排出口から排出するように
したものであった。
【0007】前記の生ゴミ回収受体によって回収された
生ゴミは、自動分離・粉砕装置と別に設置された生ゴミ
処理装置に素早く投入されて、生ゴミ処理装置内で好気
性微生物によって水と二酸化炭素に好気性分解されるた
め何ら問題なく処分することができた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この自動分離
・粉砕装置では、投入口から投入されたバック食品は回
転軸の周囲に等間隔に設けた4枚の攪拌羽根の回転によ
って、包装材と生ゴミ(食品)とに分離・粉砕され、投
入から2〜3秒位で排出口から排出され、且つ粉砕され
た包装材の大きさも大きかったため、排出される包装材
に水分や食品の一部が付着して排出されてしまってい
た。
【0009】そのため、包装材とともに排出口から排出
される生ゴミは、シーズンを通じ、、特に夏場は早く腐
敗して悪臭を放つ要因となり、周囲の衛生環境に悪影響
を及ぼすといった問題があった。
【0010】本発明はこのような点に鑑みて開発された
ものであり、その目的とするところは、廃棄処分する主
に食品と包装材とからなるパック食品を、自動的に食品
と包装材とに分離するとともに包装材を細かく粉砕し、
かつ、食品の一部や水分が粉砕した包装材片に付着して
排出されることのないようにした自動分離・粉砕装置を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記のような目
的を有効に達成するために、次のような構成にしてあ
る。すなわち、請求項1に記載の本発明の自動分離・粉
砕装置は、食品を包装材で被覆したパック食品等を投入
する投入口と、投入口から投入されたパック食品を食品
と包装材とに分離し且つ粉砕する分離・粉砕機構と、粉
砕した包装材を排出する包装材排出口と、粉砕した食品
を排出する生ゴミ排出口とを有してなる自動分離・粉砕
装置において、前記の分離・粉砕機構が、駆動装置と、
この駆動装置によって回転する回転軸と、この回転軸に
設けた食品・包装材粉砕用の粉砕羽根並びに粉砕した包
装材を包装材排出口に送る回転羽根と、からなる構成に
してある。
【0012】また、請求項2に記載の本発明の自動分離
・粉砕装置は、請求項1記載の自動分離・粉砕装置にお
いて、回転羽根が、回転軸に対して円周方向に等間隔に
設けた2枚の板羽根と、この板羽根上に設けた抵抗板と
からなる構成にしてある。
【0013】また、請求項3に記載の本発明の自動分離
・粉砕装置は、請求項2記載の自動分離・粉砕装置にお
いて、板羽根の両面に、円弧状又は半円状の複数枚の抵
抗板を所定間隔を以て立設した構成にしてある。
【0014】また、請求項4に記載の本発明の自動分離
・粉砕装置は、投入口を一端側に設けたケース内に、多
数の孔を穿設した半割ドラム状本体を設けるとともに、
この半割ドラム状本体内に駆動装置によって回転する回
転軸を設け、且つこの回転軸に前記の投入口側から順に
所定間隔を以て複数の粉砕羽根、並びに回転軸の円周方
向に等間隔を以て2枚の板羽根を設けるととともに、各
板羽根の両面に所定間隔を以て複数の抵抗板を設け、且
つ半割ドラム状本体の開放上部に、前記の投入口と反対
側に包装材排出口を備えた半割ドラム状蓋体を開閉可能
に設け、且つ半割ドラム状蓋体の内面に、粉砕した包装
材を包装材排出口に導く複数の案内部材を設け、且つ半
割ドラム状本体の下方に粉砕物受体をケースの外に引出
し可能に設け、更にケースの開放上部に、前記の半割ド
ラム状蓋体の包装材排出口を外に導けるように形成した
ケース用蓋体を開閉可能に設けた構成にしてある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1〜図11は本発明に係る一例の
自動分離・粉砕装置に関する図であって、この自動分離
・粉砕装置1は、賞味期間が過ぎて廃棄されるパック食
品を、自動的に包装材と食品とに分離し、同時に分離し
た食品並びに包装材を粉砕し、粉砕した包装材に粉砕食
品の一部や水が付着して排出されるのを極力防止できる
ようにしたものである。
【0016】先ずこの自動分離・粉砕装置1によって主
に処理されるパック食品とは、例えば包装材である発泡
スチロール製の受け皿に肉や魚介類や加工食品等の食品
を載せ、別の包装材である透明のラップで包装したもの
である。勿論、パック食品は、その他の包装材で包装し
た食品でもある。尚、本発明の自動分離・粉砕装置1
は、パック食品以外に、廃棄する野菜や果物、その他の
種々の食品を粉砕処理するのに利用することもできる。
【0017】本発明の自動分離・粉砕装置1(図1〜図
5参照)は、食品を包装材で被覆したパック食品等を投
入する投入口2と、投入口2から投入されたパック食品
を食品と包装材とに分離し且つ粉砕する分離・粉砕機構
3と、粉砕した包装材を排出する包装材排出口4などか
らなる構成であり、前記の分離・粉砕機構3は、駆動装
置6(図5参照)と、この駆動装置6によって回転する
回転軸7と、この回転軸7(図2、図3参照)に設けた
食品・包装材粉砕用の粉砕羽根8並びに粉砕した包装材
を包装材排出口4に送る回転羽根9からなる構成のもの
である。
【0018】より具体的に説明すると、図示の自動分離
・粉砕装置1(図1、2参照)において、10は後述す
るドラム等を内設するためのケースであって、上部を開
放した四角い箱状のものである。ケース10の上部の片
側には、パック食品を投入する投入口2が設けられてい
る。この投入口2は、後述する半割ドラム状本体12内
(図2参照)に通じるように外から傾斜したパック食品
投入用の補助滑り台部11が設けられている。
【0019】前記のケース10の上部開口13は、ケー
ス10に開閉可能に設けられたケース用蓋体14によっ
て覆うことができるようにしてある。
【0020】ケース10内には、多数の小孔(図示せ
ず)を穿設した半割ドラム状本体12が、長方形状の開
放側を上にして設けられている。この半割ドラム状本体
12は真円状のドラムを半割りにした形状である。ま
た、前記の多数の小孔(図示せず)は、粉砕された生ゴ
ミ(食品)を半割ドラム状本体12の下方に設けた粉砕
物受体15(図3参照)内に落とす生ゴミ排出口として
の機能を有するために設けられたものである。
【0021】ケース10の両側部には軸受(図示せず)
が設けられ、この両軸受によって回転軸7は回転自在に
支持されている。したがって、回転軸7は、半割ドラム
状本体12の上部中央を両側方向に貫くように設けられ
ている。
【0022】この回転軸7(図2、図3参照)には、粉
砕羽根8、回転羽根9などが設けられている。前記の分
離・粉砕機構3は、回転軸7、粉砕羽根8、回転羽根9
によって構成されている。すなわち、半割ドラム状本体
12の全長(両側方向の長さ)に対して1/3位の範囲
の投入口2側の位置に、2枚を1組とした粉砕羽根8が
回転軸7の長手方向に所定間隔を以て2組設けてある。
各組の2枚の粉砕羽根8(図8参照)は、回転軸7の軸
芯に対して点対称に設けてあり、且つ互いの粉砕羽根8
は回転軸7の長手方向に少しずらして設けてある(図9
参照)。
【0023】各粉砕羽根8(図6〜図8参照)は、全体
が扇状であって、刃部17と、この刃部17を複数のボ
ルト・ナット18によって固定する支持板部19と、こ
の支持板部19を回転軸7に固定するためのアングル部
材20とによって構成されている。刃部17は、外周辺
部16を図示のように鋸刃状に形成してあり、鋸刃状の
各角部21を鋭利にしてある。更に各角部21は、粉砕
羽根8を回転軸7に設けた時に回転羽根9方向に向くよ
うに僅かに折り曲げてある。また、支持板部19の根元
部22はL状に切り欠き形成してあり、この部分にアン
グル部材20を係合させて溶接してある。
【0024】各粉砕羽根8を回転軸7に取り付ける場合
は、回転軸7に固着した角筒体23(図2、図3参照)
にアングル部材20を係合させ、ボルト24で角筒体2
3にアングル部材20を固定する。
【0025】尚、粉砕羽根8の形状、大きさは、投入さ
れるパック食品を包装材と生ゴミ(食品)とに分離でき
且つ粉砕できれば、如何なる形状、大きさに設計変更す
るも自由である。この要件を満たすならば、回転軸に設
ける粉砕羽根の枚数は、1枚、2枚、3枚、5枚以上と
するも、また、回転軸に対する粉砕羽根の配置につい
て、図示の例の配置以外の配置に適宜変更するも自由で
ある。
【0026】更に回転軸7には、粉砕羽根8を設けた範
囲以外の半割ドラム状本体12の全長(両側方向の長
さ)に対して2/3位の範囲に回転羽根9が設けてあ
る。すなわち、回転羽根9は、2枚の長方形状の板羽根
25と、4枚の抵抗板26(図8、図9参照)とからな
る。一方の板羽根25は回転軸7に長手方向を沿わせて
配し、回転羽根9に設けた角筒体23に固着し、同様に
して他方の板羽根25は前記の板羽根25と反対側(回
転軸7の外周に対して180°の間隔を以て)に固着し
てある。両板羽根25と、前記した各組の粉砕羽根8と
の配置関係は、図8に示す通りである。勿論、この配置
は、本発明の自動分離・粉砕装置1の所期目的を阻害す
ることがなければ適宜変更してよい。
【0027】各板羽根25(図9参照)の長手方向の先
端部28に沿ってゴム板29が、ボルト・ナット27に
よって固着してある。ゴム板29の端は、半割ドラム状
本体12の内周面と僅かに隙間を有している。
【0028】この各板羽根25(図9参照)の両面に
は、前記の粉砕羽根8を設けた位置寄りに、2組4枚の
円弧状又は半円状の抵抗板26a、26bが、ボルト・
ナット30(図3参照)によって固着してある。1組2
枚の抵抗板26aは、2枚の板羽根25の両面の同一位
置(図8参照)に固着してある。同様にしてもう1組2
枚の抵抗板26bも各板羽根25に固着してある。
【0029】また、粉砕羽根8寄りの各抵抗板26a
(図9参照)は、僅かに包装材排出口4(図1参照)側
に傾けてある。また、この抵抗板26aと10〜15c
m位の間隔を空けて設けたもう1組の各抵抗板26b
は、前記の抵抗板26aより更に角度を付けて包装材排
出口4(図1参照)側に傾けてある。これは、粉砕羽根
8で粉砕された包装材を、抵抗板26aと抵抗板26b
との間で、従来に比べてより長く滞留させ、抵抗板26
bを過ぎた当たりからは少し速く包装材排出口4の方に
送ることができるようにするためである。したがって、
各抵抗板26a、抵抗板26bの間隔、傾斜角は図示の
例に限らず任意に変更するも自由である。勿論、各抵抗
板26a、抵抗板26bの間隔、傾斜角は、適宜調整で
きるようにするのが好ましい。
【0030】前記の各板羽根25の粉砕羽根8側の端に
は、支持板31(図2参照)が粉砕羽根8方向に水平に
突設してあり、この支持板31にボルト・ナット32に
よってゴム板33が固定してある。
【0031】前記の回転軸7は、補助滑り台部11の下
方に設けた駆動装置6(図5参照)によって回転する。
駆動装置6は、減速機付きモータ34と駆動軸(図示省
略)に嵌着した小歯車(図示省略)と、回転軸7に嵌着
した大歯車35と、小歯車と大歯車35に張設したベル
ト36とからなる。駆動時に回転軸7は、投入口側から
半割ドラム状本体12内を見て右回転するようにしてあ
る。尚、回転軸7を回転させる駆動装置6は、図示の例
に限らず公知の如何なる駆動装置に設計変更するも自由
である。
【0032】また、半割ドラム状本体12の開放上部
(図1参照)には、前記の投入口2の反対側に包装材排
出口4を備えた半割ドラム状蓋体37が開閉可能に設け
られている。
【0033】すなわち、半割ドラム状蓋体37(図1〜
図3参照)は、内面に三日月状の案内部材38a、38
bを設けるために端面側から見た場合に半楕円形状とな
るように形成されている。一方の案内部材38aは、前
記した粉砕羽根8の上方に位置するように半割ドラム状
蓋体37の内面に所定間隔を以て3枚設けられ、且つ半
割ドラム状蓋体37の内面に対して垂下するように設け
られている。また、他方の案内部材38bは、前記した
抵抗板26bより包装材排出口4寄りの位置に、所定間
隔を以て半割ドラム状蓋体37の内面に複数枚設けてあ
る。この各案内部材38bは、包装材排出口4側に少し
傾くようにしてある。
【0034】半割ドラム状蓋体37の外側の前部には、
半割ドラム状本体12を開閉し易いように把持部39
(図1、図10参照)が設けられている。
【0035】更に投入口2と反対側の半割ドラム状蓋体
37の前部に設けらた前記の包装材排出口4には、半割
ドラム状本体12内に連通する排出案内筒40が半割ド
ラム状蓋体37から前方に突出するように設けられてい
る。
【0036】半割ドラム状蓋体37の外側には、ケース
用蓋体14がこの半割ドラム状蓋体37を覆うようにし
て開閉可能にケース10に設けられている。ケース用蓋
体14には、このケース用蓋体14を閉じた時に半割ド
ラム状蓋体37に設けた包装材排出口4である排出案内
筒40がケース10の前方に突出できるように、排出案
内筒40の横断面積よりやや広い切欠開口41(図10
参照)が上部前面側に設けられている。
【0037】更に前記の半割ドラム状本体12の下方に
は、引出し状の粉砕物受15(図4参照)がケース10
に設けられている。この粉砕物受体15は、必要に応じ
て扉42を開けてケース10の前方に引き出すことがで
きる。
【0038】ケース10の下部の四隅にはキャスター4
3を設け、自動分離・粉砕装置1を容易に移動させるこ
とが出来るようにしてある。勿論、キャスター43を備
えていないケース10であってもよい。
【0039】次に上述のように構成からなる自動分離・
粉砕装置1によって、廃棄処分するパック食品を包装材
と食品とに分離・粉砕する処理について説明する。
【0040】先ず半割ドラム状蓋体37を閉じると共に
ケース用蓋体14を閉じる。次に減速機付きモータ34
を駆動させて回転軸7を回転させる。
【0041】このようにした後に、廃棄処分するパック
食品を順次、補助滑り台部11を滑らせて投入口2から
半割ドラム状本体12内に投入する。この本体12内に
投入されたパック食品は、半割ドラム状蓋体37の内面
に設けた案内部材38aと各粉砕羽根8によって、舞い
上がり攪拌されながら包装材排出口4方向に送られると
ともに、回転する粉砕羽根8によって包装材が破かれ、
生ゴミ(食品)と包装材とに分離される。同時に、この
分離された生ゴミ(食品)並びに包装材は、各粉砕羽根
8によって粉々に粉砕される。
【0042】粉砕された生ゴミ(食品)は、半割ドラム
状本体12の下部の多数の小孔(図示せず)から下方の
粉砕物受体15に落下していく。
【0043】一方、粉砕された包装材は、粉砕羽根8の
次に回転軸7に設けた回転羽根9によって、半割ドラム
状蓋体37で被われた半割ドラム状本体12内を攪拌さ
れながら包装材排出口4方向に送られていく。この時、
回転羽根9を構成する2枚の板羽根25の両面に所定間
隔を以て設けた各抵抗板26a、26bによって、粉砕
包装材は回転羽根9を配した箇所を通過する滞空時間が
長くなる。この間に、板羽根25によって攪拌される各
々粉砕包装材に付着している生ゴミ片(食品片)や水
は、遠心力によって吹き飛ばされ、粉砕包装材と、生ゴ
ミ片(食品片)や水とに分離される。このことにより、
包装材排出口4から排出される粉砕包装材には、生ゴミ
片(食品片)や水の付着がなくなる。したがって、排出
された粉砕包装材が腐敗するといったこともなく、衛生
的に処理することができる。また、回転羽根9によって
吹き飛ばされた粉砕包装材に付着していた生ゴミ片(食
品片)や水は、前記したように半割ドラム状本体12の
小孔(図示せず)から下方の粉砕物受体15に落下して
回収される。
【0044】粉砕物受体15が、生ゴミ片(食品片)や
水で一杯になったら、扉42を開けて取り出し、この粉
砕物受体15内の生ゴミ片(食品片)や水を、好気性微
生物と木屑を入れた好気性生ゴミ処理装置(図示せず)
に投入し、好気性微生物の働きによって生ゴミ片(食品
片)を二酸化炭素と水に分解処理するのが好ましい。
【0045】尚、本発明の自動分離・粉砕装置は、処理
するパック食品の処理量に対応して、処理能力の大きい
装置に設計するも、小さい装置に設計するも自由であ
る。また、賞味期間の過ぎたパック食品の処分用に限ら
ず、その他のものを分離・粉砕して処分するのに使用す
ることもできる。更に本発明の自動分離・粉砕装置は、
粉砕物受体15を設けた構成に変えて、半割ドラム状本
体12の下方に落下する粉砕物をコンベヤによって搬送
するように設計変更した構成とするも、或いは袋で受け
取るように設計変更した構成とするも自由である。
【0046】更に包装材排出口4は、ケース10の前方
に限らず、半割ドラム状本体12と半割ドラム状蓋体3
7との端(投入口2と反対側)或いは後ろ又は半割ドラ
ム状蓋体37の上部に設けて、ケース10の外に排出で
きるように設計変更するも自由である。
【0047】
【発明の効果】このように本発明の自動分離・粉砕装置
は、投入された直後にパック食品等を、回転する回転軸
に設けた粉砕羽根によって食品と包装材とに分離し、且
つ食品とともに包装材を従来に比べより細かく粉砕する
ことができる。そのため、細かく粉砕された包装材は、
粉砕羽根の次に回転軸に設けた回転羽根により、装置内
をより激しく攪拌されて滞留するため、粉砕包装材に付
着している食品片や水は、粉砕包装材から分離され易く
なり、包装材排出口から排出される粉砕包装材に食品片
や水の付着がなくなる。したがって、排出された粉砕包
装材は、食品片等の付着もなくて腐敗することもなく衛
生的に処分することができる。
【0048】また、回転羽根が、回転軸に対して円周方
向に等間隔に設けた2枚の板羽根と、この板羽根上に設
けた抵抗板とからなることにより、粉砕した包装材の滞
空時間を長くすることができ、また装置内の掃除をする
場合にも、2枚の板羽根が回転軸の円周上に一直線上に
設けられているので、従来のように回転軸の円周上に9
0°毎に設けた板羽根の場合に比べ、板羽根に邪魔され
ることなく装置内の底まで確実に掃除することができ
る。そのため、生ゴミの残渣が装置内の底に付着して溜
まることもなく、衛生的に装置を使用することができ
る。
【0049】更に板羽根の両面に、円弧状又は半円状の
複数枚の抵抗板を所定間隔を以て立設したことにより、
粉砕された包装材の装置内での滞空時間を長くすること
ができる。そのため、この間に粉砕包装材に付着してい
る生ゴミ片(食品片)や水を粉砕包装材から分離するこ
とができ、生ゴミ片等のない粉砕包装材を排出すること
ができ、粉砕包装材の処理を衛生的に行うことができ
る。
【0050】また、半割ドラム状本体に駆動装置によっ
て回転する回転軸を設け,この回転軸に粉砕羽根、2枚
の板羽根を設け、投入口から投入されたパック食品を、
食品と包装材とに分離するとともに、包装材を粉々に粉
砕し、食品片や水の付着のないようにして包装材排出口
から排出できるようにしてあるので、粉砕包装材を衛生
的に処分することができる。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動分離・粉砕装置のケース用蓋体を
開けた状態の斜視図である。
【図2】装置内の粉砕羽根の箇所を示す説明図である。
【図3】装置内の粉砕羽根並びに回転羽根の箇所を示す
説明図である。
【図4】ケースから粉砕物受体を引き出した状態を示す
説明図である。
【図5】駆動装置の箇所を示す説明図である。
【図6】粉砕羽根の正面図である。
【図7】粉砕羽根の側面図である。
【図8】回転軸に対する粉砕羽根と回転羽根との取り付
け関係を示す説明図である。
【図9】回転軸に対する粉砕羽根と回転羽根との取り付
け関係を正面から見た簡略図である。
【図10】本発明の自動分離・粉砕装置の正面図であ
る。
【図11】本発明の自動分離・粉砕装置の側面図であ
る。
【符号の説明】
1 自動分離・粉砕装置 2 投入口 3 分離・粉砕機構 4 包装材排出口 5 生ゴミ排出口 6 駆動装置 7 回転軸 8a 粉砕羽根 8b 粉砕羽根 9 回転羽根 10 ケース 12 半割ドラム状本体 14 ケース用蓋体 15 粉砕物受体 25 板羽根 26a 抵抗板 26b 抵抗板 37 半割ドラム状蓋体 38a 案内部材 38b 案内部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月28日(2001.2.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 自動分離・粉砕装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動分離・粉砕装置
に関し、特にスーパーマーケットやコンビニエンス・ス
トア等で販売されている各種のパック食品を賞味期限の
切れた後に処分する場合に、包装材と食品とに自動的に
分離すると共に粉砕処理する自動分離・粉砕装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般にスーパーマーケットやコンビニエ
ンス・ストア、デパート等の食品売場においては、魚類
や肉類、惣菜類等、多種多様な食品を、陳列台や冷蔵ケ
ースに並べて販売している。これらの食品は、陳列した
場合の見栄えや取り扱いの利便性等を考えて、適宜の量
(又は数)をトレー等に入れプラスチックの樹脂シート
等で包装したり、直接、透明な包装紙等で包んだりして
販売している。また、これらの食品のトレーや包装材等
には、夫々の賞味期間(又は賞味期限)を記載したシー
ルが貼られている。
【0003】ところで、これらの食品は必ずしも賞味期
間内に全て売れてしまうわけではなく、多くのスーパー
マーケット等では毎日のように賞味期限の切れた多量の
売れ残り品が発生している。そのため閉店後にこれらの
売れ残り品をひとまとめにして回収業者に引き取っても
らっている。回収業者はこれらの回収した売れ残り品を
そのまま焼却している。そのため食品と共にトレー等の
化学製品も焼却されるため、環境に悪影響を及ぼす懸念
が大であった。
【0004】そこで環境への悪影響を考慮してこれらの
パック食品を安全に処分するために、スーパーマーケッ
ト等の各店の敷地内に、廃棄食品を微生物によって好気
性分解処理できるようにした生ゴミ処理装置を設置し、
この装置を使用して店側で廃棄食品を処理しているとこ
ろもある。
【0005】しかし、この場合には生ゴミ処理装置に食
品を投入する前に、その都度人手によって食品と包装材
とに分離しなければならず、廃棄する多量のパック食品
を食品と包装材とに分離することは非常に大変であっ
た。また時間も労力もかかり、パック食品の処分にかか
る店側のコスト負担も大きくなるといった問題があっ
た。
【0006】そこで、本発明と同一の発明は、先に特
願平10ー149700号に開示したような自動分離・
粉砕装置を開発し、上記した問題点を解決できるように
していた。この自動分離・粉砕装置は、投入口からこの
装置内に投入された賞味期限切れ等のバック食品を、回
転軸の周囲に等間隔に設けた4枚の攪拌羽根によって、
叩き割ったり、装置内の内壁面との間で挟んで押し潰し
たりして、生ゴミ(食品)と包装材とに分離するととも
に、生ゴミ(食品)をこの装置の底部に設けた多数の孔
から下方に設けた生ゴミ回収受体で回収し、一方、回転
羽根の回転による風力によって分離された比重の軽い包
装材を、投入口と反対側に設けた排出口から排出するよ
うにしたものであった。
【0007】前記の生ゴミ回収受体によって回収された
生ゴミは、自動分離・粉砕装置と別に設置された生ゴミ
処理装置に素早く投入されて、生ゴミ処理装置内で好気
性微生物によって水と二酸化炭素に好気性分解されるた
め何ら問題なく処分することができた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この自動分離
・粉砕装置では、投入口から投入されたバック食品は回
転軸の周囲に等間隔に設けた4枚の攪拌羽根の回転によ
って、包装材と生ゴミ(食品)とに分離・粉砕され、投
入から2〜3秒位で排出口から排出され、且つ粉砕され
た包装材の大きさも大きかったため、排出される包装材
に水分や食品の一部が付着して排出されてしまってい
た。
【0009】そのため、包装材とともに排出口から排出
される生ゴミは、シーズンを通じ特に夏場は早く腐敗
して悪臭を放つ要因となり、周囲の衛生環境に悪影響を
及ぼすといった問題があった。
【0010】本発明はこのような点に鑑みて開発された
ものであり、その目的とするところは、廃棄処分する主
に食品と包装材とからなるパック食品を、自動的に食品
と包装材とに分離するとともに包装材を細かく粉砕し、
つ、食品の一部や水分が粉砕した包装材片に付着して
排出されることのないようにした自動分離・粉砕装置を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記のような目
的を有効に達成するために、次のような構成にしてあ
る。すなわち、請求項1に記載の本発明の自動分離・粉
砕装置は、食品を包装材で被覆したパック食品等を投入
する投入口と、投入口から投入されたパック食品を食品
と包装材とに分離し且つ粉砕する分離・粉砕機構と、粉
砕した包装材を排出する包装材排出口と、粉砕した食品
を排出する生ゴミ排出口とを有してなる自動分離・粉砕
装置において、前記の分離・粉砕機構が、駆動装置と、
この駆動装置によって回転する回転軸と、この回転軸に
設けた食品・包装材粉砕用の粉砕羽根並びに粉砕した包
装材を包装材排出口に送る回転羽根と、からなる構成に
してある。
【0012】また、請求項2に記載の本発明の自動分離
・粉砕装置は、請求項1記載の自動分離・粉砕装置にお
いて、回転羽根が、回転軸に対して円周方向に等間隔に
設けた2枚の板羽根と、この板羽根上に設けた抵抗板と
からなる構成にしてある。
【0013】また、請求項3に記載の本発明の自動分離
・粉砕装置は、請求項2記載の自動分離・粉砕装置にお
いて、板羽根の両面に、円弧状又は半円状の複数枚の抵
抗板を所定間隔を以て立設した構成にしてある。
【0014】また、請求項4に記載の本発明の自動分離
・粉砕装置は、投入口を一端側に設けたケース内に、多
数の孔を穿設した半割ドラム状本体を設けるとともに、
この半割ドラム状本体内に駆動装置によって回転する回
転軸を設け、且つこの回転軸に前記の投入口側から順に
所定間隔を以て複数の粉砕羽根、並びに回転軸の円周
方向に等間隔を以て2枚の板羽根を設けるとととも
に、各板羽根の両面に所定間隔を以て複数の抵抗板を
設け、且つ半割ドラム状本体の開放上部に、前記の投入
口と反対側に包装材排出口を備えた半割ドラム状蓋体を
開閉可能に設け、且つ半割ドラム状蓋体の内面に、粉砕
した包装材を包装材排出口に導く複数の案内部材を設
け、且つ半割ドラム状本体の下方に粉砕物受体をケース
の外に引出し可能に設け、更にケースの開放上部に、前
記の半割ドラム状蓋体の包装材排出口を外に導けるよう
に形成したケース用蓋体を開閉可能に設けた構成にして
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1〜図11は本発明に係る一例の
自動分離・粉砕装置に関する図であって、この自動分離
・粉砕装置1は、賞味期間が過ぎて廃棄されるパック食
品を、自動的に包装材と食品とに分離し、同時に分離し
た食品並びに包装材を粉砕し、粉砕した包装材に粉砕食
品の一部や水が付着して排出されるのを極力防止できる
ようにしたものである。
【0016】先ずこの自動分離・粉砕装置1によって主
に処理されるパック食品とは、例えば包装材である発泡
スチロール製の受け皿に肉や魚介類や加工食品等の食品
を載せ、別の包装材である透明のラップで包装したもの
である。勿論、パック食品は、その他の包装材で包装し
た食品でもある。尚、本発明の自動分離・粉砕装置1
は、パック食品以外に、廃棄する野菜や果物、その他の
種々の食品を粉砕処理するのに利用することもできる。
【0017】本発明の自動分離・粉砕装置1(図1〜図
5参照)は、食品を包装材で被覆したパック食品等を投
入する投入口2と、投入口2から投入されたパック食品
を食品と包装材とに分離し且つ粉砕する分離・粉砕機構
3と、粉砕した包装材を排出する包装材排出口4などか
らなる構成であり、前記の分離・粉砕機構3は、駆動装
置6(図5参照)と、この駆動装置6によって回転する
回転軸7と、この回転軸7(図2、図3参照)に設けた
食品・包装材粉砕用の粉砕羽根8並びに粉砕した包装材
を包装材排出口4に送る回転羽根9からなる構成のもの
である。
【0018】より具体的に説明すると、図示の自動分離
・粉砕装置1(図1、2参照)において、10は後述す
るドラム等を内設するためのケースであって、上部を開
放した四角い箱状のものである。ケース10の上部の片
側には、パック食品を投入する投入口2が設けられてい
る。この投入口2は、後述する半割ドラム状本体12
内(図2参照)に通じるように外から傾斜したパック食
品投入用の補助滑り台部11が設けられている。
【0019】前記のケース10の上部開口13は、ケー
ス10に開閉可能に設けられたケース用蓋体14によっ
て覆うことができるようにしてある。
【0020】ケース10内には、多数の小孔(図示せ
ず)を穿設した半割ドラム状本体12が、長方形状の開
放側を上にして設けられている。この半割ドラム状本体
12は真円状のドラムを半割りにした形状である。ま
た、前記の多数の小孔(図示せず)は、粉砕された生ゴ
ミ(食品)を半割ドラム状本体12の下方に設けた粉砕
物受体15(図3参照)内に落とす生ゴミ排出口として
の機能を有するために設けられたものである。
【0021】ケース10の両側部には軸受(図示せず)
が設けられ、この両軸受によって回転軸7は回転自在に
支持されている。したがって、回転軸7は、半割ドラム
状本体12の上部中央を両側方向に貫くように設けられ
ている。この回転軸7には、粉砕羽根8、回転羽根9な
どが設けられている。
【0022】前記の分離・粉砕機構3(図2、図3参
照)は、回転軸7、粉砕羽根8、回転羽根9によって構
成されている。すなわち、半割ドラム状本体12の全長
(両側方向の長さ)に対して1/3位の範囲の投入口2
側の位置に、2枚を1組とした粉砕羽根8が回転軸7の
長手方向に所定間隔を以て2組設けてある。各組の2
枚の粉砕羽根8(図8参照)は、回転軸7の軸芯に対し
て点対称に設けてあり、且つ互いの粉砕羽根8は回転軸
7の長手方向に少しずらして設けてある(図9参照)。
【0023】各粉砕羽根8(図6〜図8参照)は、全体
が扇状であって、刃部17と、この刃部17を複数のボ
ルト・ナット18によって固定する支持板部19と、こ
の支持板部19を回転軸7に固定するためのアングル部
材20とによって構成されている。刃部17は、外周辺
部16を図示のように鋸刃状に形成してあり、鋸刃状の
各角部21を鋭利にしてある。更に各角部21は、粉砕
羽根8を回転軸7に設けた時に回転羽根9方向に向くよ
うに僅かに折り曲げてある。また、支持板部19の根元
部22はL状に切り欠き形成してあり、この部分にアン
グル部材20を係合させて溶接してある。
【0024】各粉砕羽根8を回転軸7に取り付ける場合
は、回転軸7に固着した角筒体23(図2、図3参照)
にアングル部材20を係合させ、ボルト24で角筒体2
3にアングル部材20を固定する。
【0025】尚、粉砕羽根8の形状、大きさは、投入さ
れるパック食品を包装材と生ゴミ(食品)とに分離でき
且つ粉砕できれば、如何なる形状、大きさに設計変更す
るも自由である。この要件を満たすならば、回転軸に設
ける粉砕羽根の枚数は、1枚、2枚、3枚、5枚以上と
するも、また、回転軸に対する粉砕羽根の配置につい
て、図示の例の配置以外の配置に適宜変更するも自由で
ある。
【0026】更に回転軸7には、粉砕羽根8を設けた範
囲以外の半割ドラム状本体12の全長(両側方向の長
さ)に対して2/3位の範囲に回転羽根9が設けてあ
る。すなわち、回転羽根9は、2枚の長方形状の板羽根
25と、4枚の抵抗板26a、26b(図8、図9参
照)とからなる。一方の板羽根25は回転軸7に長手方
向を沿わせて配し、回転羽根9に設けた角筒体23に固
着し、同様にして他方の板羽根25は前記の板羽根25
と反対側(回転軸7の外周に対して180°の間隔を以
て)に固着してある。両板羽根25と、前記した各組
の粉砕羽根8との配置関係は、図8、図9に示す通りで
ある。勿論、この配置は、本発明の自動分離・粉砕装置
1の所期目的を阻害することがなければ適宜変更してよ
い。
【0027】各板羽根25(図参照)の長手方向の先
端部28に沿ってゴム板29が、ボルト・ナット27に
よって固着してある。ゴム板29の端は、半割ドラム状
本体12の内周面と僅かに隙間を有している。
【0028】この各板羽根25(図8、図9参照)の両
面には、前記の粉砕羽根8を設けた位置寄りに、2組4
枚の円弧状又は半円状の抵抗板26a、26bが、ボル
ト・ナット30(図3参照)によって固着してある。1
組2枚の抵抗板26aは、2枚の板羽根25、25の両
面の同一位置(図8参照)に固着してある。同様にして
もう1組2枚の抵抗板26bも各板羽根25に固着して
ある。
【0029】また、粉砕羽根8寄りの各抵抗板26a
(図9参照)は、僅かに包装材排出口4(図1参照)側
に傾けてある。また、この抵抗板26aと10〜15c
m位の間隔を空けて設けたもう1組の各抵抗板26b
は、前記の抵抗板26aより更に角度を付けて包装材排
出口4(図1参照)側に傾けてある。これは、粉砕羽根
8で粉砕された包装材を、抵抗板26aと抵抗板26b
との間で、従来に比べてより長く滞留させ、抵抗板26
bを越えた辺りからは少し速く包装材排出口4の方に送
ることができるようにするためである。したがって、各
抵抗板26a、抵抗板26bの間隔、傾斜角は図示の例
に限らず任意に変更するも自由である。勿論、各抵抗板
26a、抵抗板26bの間隔、傾斜角は、適宜調整でき
るようにするのが好ましい。
【0030】前記の各板羽根25の粉砕羽根8側の端に
は、支持板31(図2参照)が粉砕羽根8方向に水平に
突設してあり、この支持板31にボルト・ナット32に
よってゴム板33が固定してある。
【0031】前記の回転軸7は、補助滑り台部11の下
方に設けた駆動装置6(図5参照)によって回転する。
駆動装置6は、減速機付きモータ34と駆動軸(図示省
略)に嵌着した小歯車(図示省略)と、回転軸7に嵌着
した大歯車35と、小歯車と大歯車35に張設したベル
ト36とからなる。駆動時に回転軸7は、投入口側から
半割ドラム状本体12内を見て右回転するようにしてあ
る。尚、回転軸7を回転させる駆動装置6は、図示の例
に限らず公知の如何なる駆動装置に設計変更するも自由
である。
【0032】また、半割ドラム状本体12の開放上部
(図1参照)には、前記の投入口2の反対側に包装材排
出口4を備えた半割ドラム状蓋体37が開閉可能に設け
られている。
【0033】すなわち、半割ドラム状蓋体37(図1〜
図3参照)は、内面に三日月状の案内部材38a、38
bを設けるために端面側から見た場合に半楕円形状とな
るように形成されている。一方の案内部材38aは、前
記した粉砕羽根8の上方に位置するように半割ドラム状
蓋体37の内面に所定間隔を以て3枚設けられ、且つ
半割ドラム状蓋体37の内面に対して垂下するように設
けられている。また、他方の案内部材38b(図3参
照)は、前記した抵抗板26bより包装材排出口4寄り
の位置に、所定間隔を以て半割ドラム状蓋体37の内
面に複数枚設けてある。この各案内部材38bは、包装
材排出口4側に少し傾くようにしてある。
【0034】半割ドラム状蓋体37の外側の前部には、
半割ドラム状本体12を開閉し易いように把持部39
(図1、図10参照)が設けられている。
【0035】更に投入口2と反対側の半割ドラム状蓋体
37の前部に設けらた前記の包装材排出口4には、半
割ドラム状本体12内に連通する排出案内筒40が半割
ドラム状蓋体37から前方に突出するように設けられて
いる。
【0036】半割ドラム状蓋体37の外側には、ケース
用蓋体14がこの半割ドラム状蓋体37を覆うようにし
て開閉可能にケース10に設けられている。ケース用蓋
体14には、このケース用蓋体14を閉じた時に半割ド
ラム状蓋体37に設けた包装材排出口4である排出案内
筒40がケース10の前方に突出できるように、排出案
内筒40の横断面積よりやや広い切欠開口41(図10
参照)が上部前面側に設けられている。
【0037】更に前記の半割ドラム状本体12の下方に
は、引出し状の粉砕物受15(図4参照)がケース10
に設けられている。この粉砕物受体15は、必要に応じ
て扉42を開けてケース10の前方に引き出すことがで
きる。
【0038】ケース10の下部の四隅にはキャスター4
3を設け、自動分離・粉砕装置1を容易に移動させるこ
とが出来るようにしてある。勿論、キャスター43を備
えていないケース10であってもよい。
【0039】次に上述のように構成からなる自動分離・
粉砕装置1によって、廃棄処分するパック食品を包装材
と食品とに分離・粉砕する処理について説明する。
【0040】先ず半割ドラム状蓋体37を閉じると共に
ケース用蓋体14を閉じる。次に減速機付きモータ34
を駆動させて回転軸7を回転させる。
【0041】このようにした後に、廃棄処分するパック
食品を順次、補助滑り台部11を滑らせて投入口2から
半割ドラム状本体12内に投入する。この本体12内に
投入されたパック食品は、半割ドラム状蓋体37の内面
に設けた案内部材38aと各粉砕羽根8によって、舞い
上がり攪拌されながら包装材排出口4方向に送られると
ともに、回転する粉砕羽根8によってパック食品の包装
材が破かれ、生ゴミ(食品)と包装材とに分離される。
同時に、この分離された生ゴミ(食品)並びに包装材
は、各粉砕羽根8によって粉々に粉砕される。
【0042】粉砕された生ゴミ(食品)は、半割ドラム
状本体12の下部の多数の小孔(図示せず)から下方の
粉砕物受体15に落下していく。
【0043】一方、粉砕された包装材は、粉砕羽根8の
次に回転軸7に設けた回転羽根9によって、半割ドラム
状蓋体37で被われた半割ドラム状本体12内を攪拌さ
れながら包装材排出口4方向に送られていく。この時、
回転羽根9を構成する2枚の板羽根25の両面に所定間
隔を以て設けた各抵抗板26a、26bによって、粉
砕包装材は回転羽根9を配した箇所を通過する滞空時間
が長くなる。この間に、板羽根25によって攪拌される
各々粉砕包装材に付着している生ゴミ片(食品片)や水
は、遠心力によって吹き飛ばされ、粉砕包装材と、生ゴ
ミ片(食品片)や水とに分離される。このことにより、
包装材排出口4から排出される粉砕包装材には、生ゴミ
片(食品片)や水の付着がなくなる。したがって、排出
された粉砕包装材が腐敗するといったこともなく、衛生
的に処理することができる。また、粉砕包装材に付着し
ていて回転羽根9によって吹き飛ばされた生ゴミ片(食
品片)や水は、前記したように半割ドラム状本体12の
小孔(図示せず)から下方の粉砕物受体15に落下して
回収される。
【0044】粉砕物受体15が、生ゴミ片(食品片)や
水で一杯になったら、扉42を開けて取り出し、この粉
砕物受体15内の生ゴミ片(食品片)や水を、好気性微
生物と木屑を入れた好気性生ゴミ処理装置(図示せず)
に投入し、好気性微生物の働きによって生ゴミ片(食品
片)を二酸化炭素と水に分解処理するのが好ましい。
【0045】尚、本発明の自動分離・粉砕装置は、処理
するパック食品の処理量に対応して、処理能力の大きい
装置に設計するも、小さい装置に設計するも自由であ
る。また、賞味期間の過ぎたパック食品の処分用に限ら
ず、その他のものを分離・粉砕して処分するのに使用す
ることもできる。更に本発明の自動分離・粉砕装置は、
粉砕物受体15を設けた構成に変えて、半割ドラム状本
体12の下方に落下する粉砕物をコンベヤによって搬送
するように設計変更した構成とするも、或いは袋で受け
取るように設計変更した構成とするも自由である。
【0046】更に包装材排出口4は、ケース10の前方
に限らず、半割ドラム状本体12と半割ドラム状蓋体3
7との端(投入口2と反対側)或いは後ろ又は半割ドラ
ム状蓋体37の上部に設けて、ケース10の外に排出で
きるように設計変更するも自由である。
【0047】
【発明の効果】このように本発明の自動分離・粉砕装置
は、投入された直後にパック食品等を、回転する回転軸
に設けた粉砕羽根によって食品と包装材とに分離し、且
つ食品とともに包装材を従来に比べより細かく粉砕する
ことができる。そのため、細かく粉砕された包装材は、
粉砕羽根の次に回転軸に設けた回転羽根により、装置内
をより激しく攪拌されて滞留するため、粉砕包装材に付
着している食品片や水は、粉砕包装材から分離され易く
なり、包装材排出口から排出される粉砕包装材に食品片
や水の付着がなくなる。したがって、排出された粉砕包
装材は、食品片等の付着もなくて腐敗することもなく衛
生的に処分することができる。
【0048】また、回転羽根が、回転軸に対して円周方
向に等間隔に設けた2枚の板羽根と、この板羽根上に設
けた抵抗板とからなることにより、粉砕した包装材の滞
空時間を長くすることができ、また装置内の掃除をする
場合にも、2枚の板羽根が回転軸の円周上に一直線上に
設けられているので、従来のように回転軸の円周上に9
0°毎に設けた板羽根の場合に比べ、板羽根に邪魔され
ることなく装置内の底まで確実に掃除することができ
る。そのため、生ゴミの残渣が装置内の底に付着して溜
まることもなく、衛生的に装置を使用することができ
る。
【0049】更に板羽根の両面に、円弧状又は半円状の
複数枚の抵抗板を所定間隔を以て立設したことによ
り、粉砕された包装材の装置内での滞空時間を長くする
ことができる。そのため、この間に粉砕包装材に付着し
ている生ゴミ片(食品片)や水を粉砕包装材から分離す
ることができ、生ゴミ片等のない粉砕包装材を排出する
ことができ、粉砕包装材の処理を衛生的に行うことがで
きる。
【0050】また、半割ドラム状本体に駆動装置によっ
て回転する回転軸を設け,この回転軸に粉砕羽根、2枚
の板羽根を設け、投入口から投入されたパック食品を、
食品と包装材とに分離するとともに、包装材を粉々に粉
砕し、食品片や水の付着のないようにして包装材排出口
から排出できるようにしてあるので、粉砕包装材を衛生
的に処分することができる。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動分離・粉砕装置のケース用蓋体を
開けた状態の斜視図である。
【図2】装置内の粉砕羽根の箇所を示す説明図である。
【図3】装置内の粉砕羽根並びに回転羽根の箇所を示す
説明図である。
【図4】ケースから粉砕物受体を引き出した状態を示す
説明図である。
【図5】駆動装置の箇所を示す説明図である。
【図6】粉砕羽根の正面図である。
【図7】粉砕羽根の側面図である。
【図8】回転軸に対する粉砕羽根と回転羽根との取り付
け関係を示す説明図である。
【図9】回転軸に対する粉砕羽根と回転羽根との取り付
け関係を正面から見た簡略図である。
【図10】本発明の自動分離・粉砕装置の正面図であ
る。
【図11】本発明の自動分離・粉砕装置の側面図であ
る。
【符号の説明】 1 自動分離・粉砕装置 2 投入口 3 分離・粉砕機構 4 包装材排出口 5 生ゴミ排出口 6 駆動装置 7 回転軸8 粉砕羽根 9 回転羽根 10 ケース 12 半割ドラム状本体 14 ケース用蓋体 15 粉砕物受体 25 板羽根 26a 抵抗板 26b 抵抗板 37 半割ドラム状蓋体 38a 案内部材 38b 案内部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 5/00 B09B 5/00 E P

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品を包装材で被覆したパック食品等を
    投入する投入口と、投入口から投入されたパック食品を
    食品と包装材とに分離し且つ粉砕する分離・粉砕機構
    と、粉砕した包装材を排出する包装材排出口と、粉砕し
    た食品を排出する生ゴミ排出口とを有してなる自動分離
    ・粉砕装置において、 前記の分離・粉砕機構が、駆動装置と、この駆動装置に
    よって回転する回転軸と、この回転軸に設けた食品・包
    装材粉砕用の粉砕羽根並びに粉砕した包装材を包装材排
    出口に送る回転羽根と、からなることを特徴とする自動
    分離・粉砕装置。
  2. 【請求項2】 回転羽根が、回転軸に対して円周方向に
    等間隔に設けた2枚の板羽根と、この板羽根上に設けた
    抵抗板とからなることを特徴とする請求項1記載の自動
    分離・粉砕装置。
  3. 【請求項3】 板羽根の両面に、円弧状又は半円状の複
    数枚の抵抗板を所定間隔を以て立設したことを特徴とす
    る請求項2記載の自動分離・粉砕装置。
  4. 【請求項4】 投入口を一端側に設けたケース内に、多
    数の孔を穿設した半割ドラム状本体を設けるとともに、
    この半割ドラム状本体内に駆動装置によって回転する回
    転軸を設け、且つこの回転軸に前記の投入口側から順に
    所定間隔を以て複数の粉砕羽根、並びに回転軸の円周方
    向に等間隔を以て2枚の板羽根を設けるととともに、各
    板羽根の両面に所定間隔を以て複数の抵抗板を設け、且
    つ半割ドラム状本体の開放上部に、前記の投入口と反対
    側に包装材排出口を備えた半割ドラム状蓋体を開閉可能
    に設け、且つ半割ドラム状蓋体の内面に、粉砕した包装
    材を包装材排出口に導く複数の案内部材を設け、且つ半
    割ドラム状本体の下方に粉砕物受体をケースの外に引出
    し可能に設け、更にケースの開放上部に、前記の半割ド
    ラム状蓋体の包装材排出口を外に導けるように形成した
    ケース用蓋体を開閉可能に設けたことを特徴とする自動
    分離・粉砕装置。
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