JP2001146075A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体

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JP2001146075A JP2000268491A JP2000268491A JP2001146075A JP 2001146075 A JP2001146075 A JP 2001146075A JP 2000268491 A JP2000268491 A JP 2000268491A JP 2000268491 A JP2000268491 A JP 2000268491A JP 2001146075 A JP2001146075 A JP 2001146075A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高速消去特性が良好である可逆性感熱記録媒
体を提供すること。さらに発色特性および保存特性が良
好で、繰り返し使用によっても記録媒体の打こんの発生
のない耐久性が良好な可逆性感熱記録媒体を提供するこ
と。 【解決手段】 支持体上に、電子供与性呈色性化合物と
電子受容性化合物を用い、加熱温度および/または加熱
後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色
した状態を形成し得る可逆性熱発色組成物を含有する可
逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、
該可逆性感熱記録層中に消色促進剤として下記一般式
(I)で表わされる化合物を含有することを特徴とする
可逆性感熱記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
可逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御する
ことにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性呈色性化合物(以下、
発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物
(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した
感熱記録媒体は広く知られており、ファクシミリ、ワー
ドプロセッサー、科学計測機などのプリンターに広く使
用されている。しかし、これらの実用化されている従来
の記録媒体はいずれも不可逆的な発色であり、一度記録
した画像を消去して繰り返して使用することはできな
い。
【0003】一方、特許公報によれば発色と消色を可逆
的に行なうことができる記録媒体も提案されており、例
えば、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールを組
み合わせを用いたもの(特開昭60−193691号公
報)、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタレ
インなどの化合物を用いたもの(特開昭61−2376
84号公報)、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの
均質相溶体を記録層に含有するもの(特開昭62−13
8556号公報、特開昭62−138568号公報およ
び特開昭62−140881号公報)、顕色剤にアスコ
ルビン酸誘電体を用いたもの(特開昭63−17368
4号公報)、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸
または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いたもの
(特開平2−188293号公報および特開平2−18
8294号公報)などが開示されている。
【0004】さらに本発明者らは、先に特開平5−12
4360号公報において顕色剤として長鎖脂肪族炭化水
素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物
またはフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロ
イコ染料と組み合わせることによって、発色と消色を加
熱冷却条件により容易に行なわせることができ、しかも
その発色状態と消色状態を常温において安定に保持させ
ることが可能であり、しかも発色と消色を繰り返すこと
が可能な可逆性感熱発色組成物およびこれを記録層に用
いた可逆性感熱記録媒体を提案した。特開平5−124
360号公報に示される発明は、本発明の基本となるも
ので、日本国内で特許第2981558号として登録に
なっている他、USP5,395,433号明細書、U
SP5,432,534号明細書、USP5,296,
439号明細書、DP69,120,645号明細書、
FP E0,492,628号明細書として登録になっ
ているものである。またその後、長鎖脂肪族炭化水素基
をもつフェノール化合物について特定の構造のものを使
用することが提案されている(特開平6−210954
号公報)。
【0005】しかし、実使用条件下では繰り返して印字
・消去を行なうと画像濃度の低下や打こん(印字部分の
変形)などの問題が生じ、顕色剤とロイコ染料の組成物
がもつ発色・消色特性を十分に発揮できる可逆性感熱記
録媒体は得られていなかった。これは、サーマルヘッド
による印字が、高温への加熱と同時に記録媒体への機械
的な力を加えながら行なわれるため、記録層や保護層な
ど記録媒体を構成する層の構造が変化し、繰り返しによ
り破壊されていくことによるものである。
【0006】このような記録媒体の問題に対し、特開平
6−340171号公報には記録層厚の1.1倍以上の
平均粒子径を有する粒子の添加による繰り返し耐久性を
向上させることが提案され、また、特開平8−1564
10号公報には特定の光沢度及び表面粗さの保護層を設
けることによりヘッドマッチング性を向上させることに
より繰り返し耐久性を向上させることが提案されてい
る。
【0007】しかしながら、これらの記録層、保護層を
用いても繰り返し印字・消去の際の塗工層の破壊を完全
に防止することはできず、多数回の使用により記録媒体
表面に打こんが発生してしまうために印字の不良などが
起こり、実質的には繰り返し使用が少ない回数に制限さ
れてしまうという問題を有している。
【0008】さらに、実際の使用においては光照射下で
保存されることが多いため、耐光性が高く、光によって
発色・消色特性が劣化しないものでなければならない。
しかし、実用上印字画像部および地肌部に蛍光灯及び太
陽光等の光が長時間当たると印字画像部および地肌部が
変色し、特に印字画像部は画像消去を行なっても完全に
は消色せず残像が発生するという問題を有している。
【0009】さらに、特開平8−310128号公報、
特開平9−272262号公報、特開平9−27056
3号公報、特開平9−300817号公報、特開平9−
300820号公報には特定の消色促進剤を添加するこ
とにより、高速消去特性を付与することが提案されてい
るが、可逆的な色調変化を生じさせる電子受容性化合物
およびバインダーが変わることによって、実用上消色時
の画像濃度が高かったり、消色開始温度及び消色温度範
囲等に改善が見られないという問題を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高速
消去特性が良好である可逆性感熱記録媒体を提供するこ
とにあり、さらに発色特性および保存特性が良好で、繰
り返し使用によっても記録媒体の打こんの発生のない耐
久性が良好な可逆性感熱記録媒体を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、支持体上
に、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用
い、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違いにより
相対的に発色した状態と消色した状態を形成し得る可逆
性熱発色組成物を含有する可逆性感熱記録層を有する可
逆性感熱記録媒体において、上記課題を解決すべく鋭意
検討を行なった結果、該可逆性感熱記録層中に消色促進
剤として下記一般式(I)で表わされる化合物を含有す
ることを特徴とすることにより、熱応答性に優れ高速消
去に対応でき、さらには保存安定性(特に熱に対する保
存特性)が高い可逆性感熱記録媒体が提供されることを
見出した。
【0012】
【化2】 式(I)中、pは0〜3の整数、qおよびrは各々独立
に1〜7の整数を表わす。また、X1、X2およびX3
ヘテロ原子を含む2価の基を示し、R1、R2およびR3
は炭素数1〜20の炭化水素基であり、少なくとも1つ
以上は、炭素数8以上の脂肪族炭化水素基を表わす。さ
らにR4は水素原子、水酸基、または炭素数1〜8の脂
肪族炭化水素基を表わす。
【0013】以下、本発明の可逆性感熱記録媒体につい
て、詳細に説明する。本発明の可逆性感熱記録媒体に含
有する式(I)の化合物において、R1、R2、R3は炭
素数1から22の炭化水素基を示す。またこのとき脂肪
族は直鎖でも分岐していてもよく、不飽和結合を有して
いてもよい。また、R1、R2およびR3のうち1つ以上
は、炭素数が8以上の脂肪族を表わす。R1、R2および
3の例としては表1に示されるものが挙げられる。
【0014】
【表1】 なお、式中のq、q’、q”、q'''はそれぞれ前記
1、R2およびR3の炭素数を満足する整数を表わす。
特に、R1、R2およびR3がいずれも直鎖脂肪族炭化水
素基であることにより、消去性に対する効果がさらに大
きく、好ましい。
【0015】また、R4は、水素原子、水酸基または炭
素数1から8の脂肪族炭化水素基を表わし、脂肪族炭化
水素基の場合、直鎖でも分岐していてもよく、不飽和結
合を有していてもよい。また、R4の好ましい例として
は、表2に示されるものが挙げられる。
【0016】
【表2】 なお、式中のs、s'、s”、s'''はそれぞれ前記R4
の炭素数を満足する整数を表わす。
【0017】さらに、X1、X2およびX3は互いに独立
に、ヘテロ原子を含む2価の基を示し、好ましくは表3
で表わされる基を少なくとも1個以上有する2価の基を
表わす。
【0018】
【表3】
【0019】その例としては、表4に示されるのものが
挙げられる。
【0020】
【表4】
【0021】また、式(I)中のpは0〜3の整数を、
qおよびrは互いに独立に1〜7の整数を表わす。特
に、pが0、qおよびrが共に1であるとき、消去性に
対する効果が、さらに大きくなる。また、このとき、R
1、R2およびR3が共に等しい直鎖脂肪族炭化水素基で
あることが消去性に対する効果が大きく好ましい。
【0022】本発明で用いられる式(I)で示される消
色促進剤の具体的な例としては、表5にp,q,rの
数、R1、R2、R3、R4の構造で示された化合物が挙げ
られるが、本発明においては、何らこれらに限定される
ものではない。
【0023】
【表5−1】
【0024】
【表5−2】
【0025】
【表5−3】
【0026】
【表5−4】
【0027】また、本発明においては、式(I)で表わ
される消色促進剤とともに、発色消色促進剤として、下
記一般式(A)で表わされる化合物を用いることにより
保存特性、高速消去特性に優れたものとなる。発色消色
促進剤の例としては、下記式の構造のものが挙げられ
る。
【0028】
【化3】 式中、X11、X12及びX13はヘテロ原子を含む基を示
し、また、R11、R12及びR13は炭素数1〜22の基を
表わす。また、j及びlはそれぞれ独立に0または1を
表わし、kは0〜4の整数を示す。ただし、j、k及び
lが同時に0であることはない。さらに、kが2以上の
とき繰り返されるR13およびX12は同一であっても異な
っていてもよい。また、R11、R12及びR13は複素環を
含んでいてもよい。R11、R12およびR13は置換基を有
していてもよい炭化水素基を示し、これらは脂肪族炭化
水素基でも芳香族炭化水素基でもよく、またこれらの両
方から構成される炭化水素基でもよい。また脂肪族炭化
水素基は直鎖でも分岐していてもよく、不飽和結合を有
していてもよい。炭化水素基につく置換基としては、水
酸基、ハロゲン、アルコキシ基等がある。また、式
(A)中に構成されるR11、R12及びR13の炭素数の和
が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭
素数の和は8以上が好ましく、より好ましくは11以上
である。
【0029】R11、及びlが1であるときのR13の好ま
しい例としては表6に示されるものが挙げられる。
【0030】
【表6】
【0031】また、jが1のときのR12、k及びlがと
もに0であるときのR11、lが0であるときのR13の好
ましい例としては表7に示されるものが挙げられる。
【0032】
【表7】 なお、表6、表7中のq、q’、q”及びq'''はそれ
ぞれ前記R11、R12およびR13の炭素数を満足する整数
を表わす。また、jが0のときのX11、lが1であると
きのX13の好ましい例としては、表8で表わされる基を
少なくとも1個以上有する基を表わす。
【0033】
【表8】
【0034】その具体的な例としては、表9に示される
ものが挙げられる。
【0035】
【表9】
【0036】また、X12、jが0であるときのX11は、
ヘテロ原子を含む2価の基を示し、好ましくは表10で
表わされる基を少なくとも1個以上有する2価の基を表
わす。
【0037】
【表10】
【0038】その具体的な例としては、表11に示され
るものが挙げられる。
【0039】
【表11】
【0040】以下に本発明で用いられる発色消色制御剤
の好ましい構造を例示するが、本発明はこれらの化合物
に限定されるものではない。
【0041】
【化4】
【0042】
【化5】
【0043】
【化6】 上記のR11、R12、R13、X11、X12およびX13はそれ
ぞれ前記と同様の基を表わす。また、kは0〜4の整数
であり、kが2以上のときに繰り返されるR13、X12
同一であっても、異なっていてもよい。さらに、特に好
ましい構造としては以下のものが挙げられる。
【0044】
【化7】
【0045】
【化8】
【0046】
【化9】
【0047】
【化10】 式(g)中、X12’はkによる繰り返しに生成されたX
12を表わす。
【0048】
【化11】
【0049】
【化12】 本発明で用いられる発色消色制御剤の具体的な例として
は、例えば式(h)の例としては表12の化合物が挙げ
られる。また、式(i)についても同様な化合物が挙げ
られる。
【0050】
【表12−1】
【0051】
【表12−2】
【0052】さらに具体例としては例えば、表12中の
【0053】
【化13】 および
【0054】
【化14】 で表わされる化合物の例として表13に記載の化合物が
挙げられる。
【0055】
【表13】
【0056】また、記録媒体の繰り返し使用による劣
化、すなわち多数回の印字・消去による塗工膜の破壊は
記録層が最も大きく、記録層の耐熱強度が向上すること
により記録媒体の繰り返し耐久性が向上することを見い
出した。
【0057】さらにまた、本発明の可逆性感熱記録媒体
においては、可逆性感熱記録層が架橋状態にある樹脂を
含有するものとすることにより、記録層の耐熱強度が向
上して、繰り返し耐久性が向上したものとなり、その上
この架橋状態にある樹脂を含有する記録層上に架橋状態
にある樹脂を主成分とする保護層を設けることによっ
て、さらに耐久性を高めることができる。
【0058】架橋状態にある樹脂としては、例えば架橋
剤およびこの架橋剤と反応する活性基を有する樹脂の組
み合わせであり、熱により架橋硬化できる樹脂である。
ここで用いられる樹脂は、たとえばフェノキシ樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピ
オネート、セルロースアセテートブチレートなど、水酸
基、カルボキシル基など架橋剤と反応する基を持つ樹
脂、または水酸基、カルボキシル基などを持つモノマー
とそれ以外のモノマーを共重合した樹脂がある。共重合
樹脂には、例えば塩ビ系、アクリル系、スチレン系など
の樹脂があり、具体的には塩化ビニル−酢酸ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等が例示できる。
【0059】熱架橋の架橋剤としては例えば、イソシア
ネート類、アミノ類、フェノール類、アミン類、エポキ
シ化合物等が挙げられる。たとえば、イソシアネート類
としてはイソシアネート基を複数持つイソシアネート化
合物であり、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、
キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソフォロン
ジイソシアネート(IPDI)等、およびこれらのトリ
メチロールプロパンなどによるアダクトタイプ、ビュレ
ットタイプ、イソシアヌレートタイプ及びブロック化イ
ソシアネート類等が挙げられる。架橋剤の樹脂に対する
添加量としては、樹脂中の含まれる活性基の数に対する
架橋剤の官能基の比が0.01〜1が好ましく、これ以
下では熱強度が不足してしまい、またこれ以上添加する
と発色・消色特性に悪影響を及ぼす。また更に、架橋促
進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよ
い。架橋促進剤としては、例えば1,4−ジアザ−ビシ
クロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、有機
スズ化合物などの金属化合物などが挙げられる。
【0060】次に電子線及び紫外線硬化の際に用いられ
るモノマーとしては、例えば以下のものが挙げられる。 単官能性モノマーの例 メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリ
ル酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジエ
チルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸アリル、ジ
メタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリ
エチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレング
リコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコー
ル、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、トリメ
タクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸2−
エトキシエチル、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−エトキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジシクロペ
ンテニルエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、
酢酸ビニル等。
【0061】2官能性モノマーの例 1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプ
ロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオ
キサイド付加物ジアクリレート、グリセリンメタクリレ
ートアクリレート、ネオペンチルグリコールのプロピレ
ンオキサイド2モル付加物のジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール
(400)ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸とネ
オペンチルグリコールのエステルのジアクリレート、
2,2−ビス(4−アクロリキシジエトキシフェニル)
プロパン、ネオペンチルグリコールジアジペートのジア
クリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2
−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−
ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジ
アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリ
レート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート
のε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオー
ルのグリシジルエーテルのジアクリレート等。
【0062】多官能性モノマーの例 トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリン
プロピレンオキサイド付加アクリレート、トリスアクリ
ロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリト
ールアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレ
ンオキサイド3モル付加物のトリアクリレート、ジペン
タエリスリトール・ポリアクリレート、ジペンタエリス
リトールのカプロラクトン付加物のポリアクリレート、
プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロ
ピントリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールのペンタアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートのε−カプロラクトン付加物等。
【0063】オリゴマーの例 ビスフェノールA−ジエポキシアクリル酸付加物等。
【0064】また、紫外線を用いて架橋させる場合には
次のような光重合開始剤、光重合促進剤を用いる。光重
合開始剤の例としては、イソブチルベンゾインエーテ
ル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチ
ルエーテル、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン
エーテル類。1−フェニル−1,2−プロパンジオン−
2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のα−アシ
ロキシムエステル。2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン、ベンジルヒドロキシシクロヘキシルフ
ェノルケトン等のベンジルケタール類。ジエトキシアセ
トフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン等のアセトフェノン誘電体。ベン
ゾフェノン、1−クロロチオキサントン、2−クロロチ
オキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチ
ルチオキサントン、2−クロロベンゾフェノン等のケト
ン類が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独でま
たは2種類以上併用して使用される。添加量としては架
橋剤1重量部に対して0.005〜1.0重量部が好ま
しく、更に好ましくは0.01〜0.5重量部である。
【0065】光重合促進剤としては芳香族系の第3アミ
ンや脂肪族系アミンがある。具体的にはp−ジメチルア
ミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ
安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらの光重
合促進剤は、単独でまたは2種類以上併用して使用され
る。添加量としては光重合開始剤1重量部に対して0.
1〜5重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜3重
量部である。
【0066】本発明に用いる紫外線照射の際の光源とし
ては水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムラン
プ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプなどがある
が、前記した光重合開始剤および光重合促進剤の紫外線
吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使用
すればよい。また、紫外線照射条件としては、樹脂を架
橋させるために必要な照射エネルギーに応じてランプ出
力、搬送速度を決めればよい。また、電子線照射装置と
しては照射面積、照射線量などの目的の応じて走査形、
非走査形いずれかを選べばよく、照射条件としては樹脂
を架橋するのに必要な線量に応じて、電子流、照射幅、
搬送速度を決めればよい。
【0067】また、本発明によれば顕色剤として下記式
で表わされるフェノール性化合物を用いることによって
画像コントラストの良好なものとなる。
【0068】
【化15】 式中、X4はヘテロ原子を含む2価の基または直接結合
手を示し、X5はヘテロ原子を含む2価の基を示す。R
20は2価の炭化水素基を表わし、R21は炭素数1から2
2の炭化水素基を表わす。また、vは0から4の整数を
表わし、vが2から4のとき繰り返されるR20およびX
5は同一でも、異なっていてもよい。また、uは1から
3の整数を表わす。
【0069】具体的には、R20およびR21は置換基を有
していてもよい炭化水素基を示し、これらは脂肪族炭化
水素基でも芳香族炭化水素基でもよく、また、これらの
両方から構成される炭化水素基でもよい。また脂肪族炭
化水素基は直鎖でも分岐していてもよく、不飽和結合を
有していてもよい。炭化水素基につく置換基としては、
水酸基、ハロゲン、アルコキシ基等がある。なお、R20
は直接結合手でもよい。またR20およびR21炭素数の和
が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭
素数は8以上が好ましく、11以上であることがより好
ましい。R20の好ましい例としては、直接結合手の他に
表14に示されるものが挙げられる。
【0070】
【表14】
【0071】また、R21の好ましい例としては表15に
示されるものが挙げられる。
【0072】
【表15】 なお、式中のq、q’、q”、q'''はそれぞれ前記R
20、R21の炭素数を満足する整数を表わす。
【0073】また、X4及びX5は、ヘテロ原子を含む2
価の基を示し、好ましくは表16で表わされる基を少な
くとも1個以上有する2価の基を表わす。
【0074】
【表16】
【0075】その例としては、表17に示されるものが
挙げられる。
【0076】
【表17】
【0077】本発明で用いられるフェノール化合物の特
に好ましい例としては、下記式で表わされる化合物が挙
げられる。
【0078】
【化16】
【0079】
【化17】
【0080】
【化18】
【0081】
【化19】
【0082】
【化20】
【0083】
【化21】
【0084】
【化22】
【0085】
【化23】 式中のw、w'、yはそれぞれ独立にR20またはR21
炭素数を満足する整数を示す。
【0086】本発明におけるフェノール化合物のさらに
具体的な例としては、例えば化17の例として以下の表
18に示した化合物が挙げられる。また、他の化16お
よび化18〜化23で表わされる化合物もこれらと同様
なものが具体例として挙げられる。しかし、本発明は何
等これらに限定されるものではない。
【0087】
【表18−1】
【0088】
【表18−2】
【0089】
【表18−3】
【0090】また、さらに具体的なフェノール化合物と
しては例えば化24が挙げられる。その例として表18
中の下記式で表わされる化合物の具体的な例を表19に
挙げる。なお、表18中の他の式で表わされる化合物に
ついても同様なものが挙げられる。ただし、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0091】
【化24】
【0092】
【表19】
【0093】また本発明によれば記録層上に架橋状態に
ある樹脂を用いた保護層を有していてもよく、架橋状態
にある樹脂としては前記の熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹
脂、電子硬化樹脂などが用いられる。これにより、印字
時のヘッドマッチング性が向上したものとなり、さらに
繰り返し耐久性の向上したものとなる。また、保護層中
には紫外線吸収剤、無機または/及び有機フィラー、滑
剤などの添加剤を含有させることができる。
【0094】本発明においては前記のフェノール性化合
物と共に他の顕色剤を併用することができる。併用され
る顕色剤としては、すでに特開平5−124360号公
報に長鎖炭化水素基をもつリン酸化合物、脂肪族カルボ
ン酸化合物、フェノール化合物の代表例とともに開示さ
れているように、分子内に発色剤を発色させることがで
きる顕色能をもつ構造と、分子間の凝集力をコントロー
ルする構造を併せ持つ化合物を併用することができる。
【0095】以下、本発明に用いられる顕色剤としては
以下のような化合物が例示できる。有機リン酸系の顕色
剤としては以下のような化合物が例示できる。ドデシル
ホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホ
スホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホ
ン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、
リン酸ジテトラデシルエステル、リン酸ジヘキサデシル
エステル、リン酸ジオクタデシルエステル、リン酸ジエ
イコシルエステル、リン酸ジベヘニルエステルなど。
【0096】脂肪族カルボン化合物としては以下のよう
な化合物が例示できる。2−ヒドロキシテトラデカン
酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシオ
クタデカン酸、2−ヒドロキシエイコサン酸、2−ヒド
ロキシドコサン酸、2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブ
ロモオクタデカン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブ
ロモドコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロ
モドコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−
フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2
−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン
酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン
酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカ
ン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデ
カン酸、パーフルオロオクタデカン酸など。
【0097】脂肪族ジカルボン酸およびトリカルボン酸
化合物としては以下のような化合物が例示できる。2−
ドデシルオキシこはく酸、2−テトラデシルオキシこは
く酸、2−ヘキサデシルオキシこはく酸、2−オクタデ
シルオキシこはく酸、2−エイコシルオキシこはく酸、
2−ドデシルオキシこはく酸、2−ドデシルチオこはく
酸、2−テトラデシルチオこはく酸、2−ヘキサデシル
チオこはく酸、2−オクタデシルチオこはく酸、2−エ
イコシルチオこはく酸、2−ドコシルチオこはく酸、2
−テトラコシルチオこはく酸、2−ヘキサデシルジチオ
こはく酸、2−オクタデシルジチオこはく酸、2−エイ
コシルジチオこはく酸、ドデシルこはく酸、テトラデシ
ルこはく酸、ペンタデシルこはく酸、ヘキサデシルこは
く酸、オクタデシルこはく酸、エイコシルこはく酸、ド
コシルこはく酸、2,3−ジヘキサデシルこはく酸、
2,3−ジオクタデシルこはく酸、2−メチル−3−ヘ
キサデシルこはく酸、2−メチル−3−オクタデシルこ
はく酸、2−オクタデシル−3−ヘキサデシルこはく
酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、エ
イコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、ジヘキサデシル
マロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジドコシルマロン
酸、メチルオクタデシルマロン酸、2−ヘキサデシルグ
ルタル酸、2−オクタデシルグルタル酸、2−エイコシ
ルグルタル酸、ドコシルグルタル酸、2−ペンタデシル
アジピン酸、2−オクタデシルアジピン酸、2−エイコ
シルアジピン酸、2−ドコシルアジピン酸、2−ヘキサ
デカノイルオキシプロパン−1,2,3−トリカルボン
酸、2−オクタデカノイルオキシプロパン−1,2,3
−トリカルボン酸など。
【0098】また、ロイコ染料としては、従来公知のロ
イコ染料を任意に用いることができ、特に好ましくは以
下の化合物が単独もしくは混合して用いられる。
【0099】
【化25】 (式中、R32、R33は低級アルキル基、置換されてもよ
いアリール基、水素原子を示し、さらにR32、R33は互
いに結合し環を形成してもよい。R34は低級アルキル
基、ハロゲン原子または水素原子を表わし、またR35
低級アルキル、ハロゲン原子、水素原子または化26で
表わされる置換アニリノ基を示す。)
【0100】
【化26】 (式中、R36は低級アルキル基または水素原子を示し、
Yは低級アルキル基またはハロゲン原子を示す。zは0
から3の整数を表わす。)
【0101】
【化27】 (式中、R37からR40はアルキル基または水素原子を表
わし、R41はアルキル基、アルコキシル基または水素原
子を表わす。)
【0102】
【化28】 (式中、R42からR45は低級アルキル基または水素原子
を表わし、R46、R47はアルキル基、アルコキシル基ま
たは水素原子を表わす。)
【0103】以下に本発明で用いられるロイコ染料の例
を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブ
チルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピ
ル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n
−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチ
ルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル
−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルア
ミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p
−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメ
チルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−
メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−
3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N
−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−
エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−
トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−
トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n
−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o
−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフル
オラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−
ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジ
メチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフ
ルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフル
オラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオ
ラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミル
アミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニ
リノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオ
ラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−ク
ロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−
ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメ
チルアニリノ)フルオラン、3−(1−エチル−2−メ
チルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4
−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3
−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7
−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチ
ルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−
メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタ
リド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニ
ル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチ
ルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ
フェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−
アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリ
ド−(3−1−メチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノ
フェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エ
トキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタ
リド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミ
ノフェニル)−7−アザフタリド。
【0104】本発明で用いる発色剤は前記のフルオラン
化合物、アザフタリド化合物の他に、従来公知のロイコ
染料を単独または混合して使用することができる。その
発色剤を以下に示す。2−(p−アセチルアニリノ)−
6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオ
ラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N
−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2
−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチ
ルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベン
ジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−
(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α
−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−
メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−
(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ
−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチ
ルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオ
ラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−
ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6
−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)
フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルア
ニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−
メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルア
ミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルアニリ
ノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−エ
チルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メ
チルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エ
チルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プ
ロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6
−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ア
ミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−
エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミ
ノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フ
ルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジ
メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2
−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フ
ルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロ
アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピ
ル−p−クロロアニリノ)フルオラン、1,2−ベンゾ
−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラ
ン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシ
ルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エ
チル−N−トルイジノ)フルオラン、その他。
【0105】本発明において好ましく用いられる他の発
色剤の具体例を示すと以下の通りである。2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−
エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリ
ノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2
−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルミチル
アミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6
−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾ
イルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベ
ンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジベン
ジルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミ
ノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メ
トキシカルボニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−ト
ルイジノ)フルオラン、4−メトキシ−6−(N−エチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−エトキシエチル
アミノ−3−クロロ−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−ジベンジルアミノ−4−クロロ−6−(N−エチル
−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエ
チルアミノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−(N−ベンジル−p−トリフルオロメチルア
ニリノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ピロリジノフル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル
−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フルオラン、2
−メシジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)
−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−(α−
ナフチルアミノ)−3,4ベンゾ−4’−ブロモ−6−
(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラ
ン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−n−プロピル−p−トリフルオロメチルアニ
リノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−(ジ−N−
p−クロロフェニル−メチルアミノ)−6−ピロリジノ
フルオラン、2−(N−n−プロピル−m−トリフルオ
ロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オクチル
アミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジアリルア
ミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エトキシ
エチル−N−エチルアミノ)フルオラン、ベンゾロイコ
メチレンブルー、2−[3,6−ビス(ジエチルアミ
ノ)−7−(o−クロロアニリノ)キサンチル]安息香
酸ラクタム、2−[3,6−(ジエチルアミノ)−9−
(o−クロロアニリノ)キサンチル]安息香酸ラクタ
ム、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フ
タリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)
−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオ
レットラクトン)、3,3−ビス−(p−ジメチルアミ
ノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−
ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフ
タリド、3,3−ビス−(p−ジブチルアミノフェニ
ル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロ
ロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ク
ロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−
ジメトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5
−クロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−
4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−
5−ニトロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ
−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ
−5−メチルフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ
−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキ
シ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)フタリド、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ
(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、6’−
クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピ
ラン、6’−ブロモ−2’−メトキシ−ベンゾインドリ
ノ−スピロピラン、その他。
【0106】本発明の可逆性感熱記録媒体は、加熱温度
および/または加熱後の冷却速度により、相対的に発色
した状態と消色した状態を形成しうるものである。この
本発明に用いられる発色剤と顕色剤からなる組成物の基
本的な発色・消色現象を説明する。図1はこの記録媒体
の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ
消色状態(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融
し始める温度T1で発色が起こり溶融発色状態(B)と
なる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のま
ま室温に下げることができ、固まった発色状態(C)と
なる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態か
らの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で
消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷
発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成され
る。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していく
と発色温度より低い温度T2で消色が起き(Dから
E)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)
に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と
発色剤の組み合わせにより変化するので目的に合わせて
選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの
発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場
合もある。
【0107】本発明の記録媒体では、溶融状態から急冷
して得た発色状態(C)は顕色剤と発色剤が分子どうし
で接触反応しうる状態で混合された状態であり、これは
固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤
と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝
集構造の形成により発色が安定化していると考えられ
る。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。こ
の状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメ
インを形成したり結晶化した状態であり、凝集あるいは
結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化
した状態であると考えられる。本発明では多くの場合、
両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完
全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から徐冷によ
る消色および発色状態からの昇温による消色は、いずれ
もこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶
化が起きている。
【0108】本発明の可逆性感熱記録媒体の発色記録の
形成はサーマルヘッドなどによりいったん溶融混合する
温度に加熱し、急冷すればよい。また、消色は加熱状態
から徐冷する方法と発色温度よりやや低い温度に加熱す
る方法の二つである。しかし、これらは両者が相分離し
たり、少なくとも一方が結晶化する温度に一時的に保持
するという意味で同じである。発色状態の形成で急冷す
るのは、この相分離温度または結晶化温度に保持しない
ようにするためである。ここにおける急冷と徐冷はひと
つの組成物に対して相対的なものであり、その境界は発
色剤と顕色剤の組み合わせにより変化する。
【0109】発色剤と顕色剤の割合は、使用する化合物
の組み合わせにより適切な範囲が変化するが、おおむね
モル比で発色剤1に対し顕色剤が0.1から20の範囲
であり、好ましくは0.2から10の範囲である。この
範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が
低下し問題となる。また、本発明の消色促進剤、発色消
色促進剤の割合は、ともにそれぞれ、顕色剤に対し0.
1重量%から300重量%が好ましく、より好ましくは
3重量%から100重量%が好ましい。また、発色剤、
顕色剤、消色促進剤及び/又は発色消色促進剤はマイク
ロカプセル中に内包して用いることもできる。
【0110】記録層中の発色成分と樹脂成分の割合は、
発色成分1に対して0.1から10が好ましく、これよ
り少ないと記録層の熱強度が不足し、これより多い場合
には発色濃度が低下して問題となる。記録層の形成に
は、前記の顕色剤、発色剤、消色促進剤、発色消色促進
剤、およびバインダー樹脂(好ましくは架橋されうる樹
脂)ならびに塗液溶媒よりなる混合物を均一に混合分散
させて調製した塗液を用いる。塗液調製に用いられる溶
媒の具体例としては、水;メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノ
ールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノン、エ
チルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロ
ン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの
アミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジ
ヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;2−メトキシ
エタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエ
タノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどの
グリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテー
ト、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチ
ルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミ
ル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル
類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロ
ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,
2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼ
ンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシド
などのスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、
N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類等を
例示することができる。
【0111】塗液調製はペイントシェーカー、ボールミ
ル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サ
ンドミル、コロイドミル等公知の塗液分散装置を用いて
行なうことができる。また、上記塗液分散装置を用いて
各材料を溶媒中に分散してもよいし、各々単独で溶媒中
に分散して混ぜ合わせてもよい。
【0112】記録層を設ける塗工方法については特に制
限はなく、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工、スプレー
塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グ
ラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ
塗工、ダイ塗工等公知の方法を用いることができる。
【0113】記録層の乾燥・硬化方法は塗布・乾燥後、
必要に応じて硬化処理を行なう。熱で架橋するものであ
れば恒温槽等を用いて比較的高温で短時間でもよく、ま
た比較的低温で長時間かけて熱処理してもよい。また、
紫外線硬化・電子線硬化であれば、それぞれ公知の硬化
装置を用いればよい。例えば、紫外線照射の際の光源と
しては水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムラ
ンプ、水銀キセノンランプ、フラッシュランプなどがあ
るが、前記した光重合開始剤および光重合促進剤の紫外
線吸収波長に対応した発光スペクトルを有する光源を使
用すればよい。また、紫外線照射条件としては、樹脂を
架橋させるために必要な照射エネルギーに応じてランプ
出力、搬送速度を決めればよい。また、電子線照射装置
としては照射面積、照射線量などの目的に応じて走査
形、非走査形いずれかを選べばよく、照射条件としては
樹脂を架橋するのに必要な線量に応じて、電子流、照射
幅、搬送速度を決めればよい。
【0114】記録層の膜厚は1〜20μmの範囲が好ま
しく、より好ましくは3〜10μmである。
【0115】本発明の可逆性感熱記録媒体の支持体とし
ては、紙、樹脂フィルム、合成紙、金属箔、ガラスまた
はこれらの複合体などがであり、記録層を保持できるも
のであればよい。
【0116】本発明の可逆性感熱記録媒体には、必要に
応じて記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制
御するための添加剤を用いることができる。これらの添
加剤には、例えば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防
止剤、光安定化剤、発色安定化剤などがある。
【0117】本発明の可逆性感熱記録媒体は、基本的に
支持体上に上記の架橋状態にある樹脂を含む記録層、お
よび必要に応じ架橋状態にある樹脂を含む保護層が設け
られたものであるが、記録媒体としての特性を向上する
ため、接着層、中間層、アンダーコート層、支持体に対
し記録層と反対の面に設けるバックコート層などを設け
ることができる。さらに磁気記録層を設けていてもよ
い。また、前記の各層、支持体は着色剤により着色され
ていてもよい。これは記録媒体の一部あるいは全面が例
えば印刷により着色されていてもよい。また、着色した
印刷層上に樹脂を主成分とする無色あるいは淡色の印刷
層を設けてもよい。
【0118】保護層に用いる樹脂としては、前記の架橋
状態にある樹脂の他にポリビニルアルコール、スチレン
無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリスチレ
ン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムア
ルデヒド樹脂などが挙げられる。保護層の膜厚は0.1
〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜
10μmである。
【0119】記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗
布よる記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層へ
の移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設けるこ
とも好ましい。また、印加した熱を有効に利用するため
支持体と記録層の間に断熱性のアンダーコート層を設け
ることができる。断熱層は有機または無機の微小中空体
粒子をバインダー樹脂を用いて塗布することにより形成
できる。支持体と記録層の接着性の改善や支持体への記
録層材料の浸透防止を目的としたアンダーコート層を設
けることもできる。中間層、アンダーコート層には、前
記の記録層用の樹脂と同様の樹脂を用いることができ
る。
【0120】また、アンダーコート層、記録層、中間
層、保護層にフィラーを添加してもよく、フィラーとし
ては無機フィラーと有機フィラーに分けることができ
る。無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウムなどの炭酸塩;無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水
ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸カルシウムなどのケイ
酸塩;酸化亜鉛、酸化インジウム、アルミナ、シリカ、
酸化ジルコニア、酸化スズ、酸化セリウム、酸化鉄、酸
化アンチモン、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ビ
スマス、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化クロ
ム、酸化マンガン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ト
リウム、酸化ハフニウム、酸化モリブデン、鉄フェライ
ト、ニッケルフェライト、コバルトフェライト、チタン
酸バリウム、チタン酸カリウムのような金属酸化物;硫
化亜鉛、硫酸バリウムのような金属硫化物あるいは硫酸
化合物;チタンカーバイド、シリコンカーバイド、モリ
ブデンカーバイド、タングステンカーバイド、タンタル
カーバイドのような金属炭化物;窒化アルミニウム、窒
化珪素、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、窒化バナジウ
ム、窒化チタニウム、窒化ニオブ、窒化ガリウムのよう
な金属窒化物等が挙げられる。
【0121】有機フィラーとしては、シリコーン樹脂、
セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレ
ン、ポリスチレン、ポリスチレン・イソプレン、スチレ
ンビニルベンゼンなどのスチレン系樹脂、塩化ビニリデ
ンアクリル、アクリルウレタン、エチレンアクリルなど
のアクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ベンゾグアナミ
ンホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒドなどの
ホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹
脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。本発明では有機フ
ィラーを単独で用いることもできるが、2種類以上含ま
れてもよく、複合粒子であってもよい。また、形状とし
ては球状、粒状、板状、針状等が挙げられる。
【0122】また、層中のフィラーの含有量は体積比で
1〜95%、より好ましくは5〜75%である。
【0123】また、アンダーコート層、記録層、中間
層、保護層に滑剤を添加してもよく、滑剤の具体例とし
ては、エステルワックス、パラフィンワックス、ポリエ
チレンワックス等の合成ワックス類:硬化ひまし油等の
植物性ワックス類:牛脂硬化油等の動物性ワックス類:
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級ア
ルコール類:マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチル酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の高級
脂肪酸類:ソルビタンの脂肪酸エステルなどの高級脂肪
酸エステル類:ステアリン酸アミド、オレイン酸アミ
ド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステ
アリン酸アミド等のアミド類などが挙げられる。
【0124】層中の滑剤の含有量は体積比で0.1〜9
5%、より好ましくは1〜75%である。
【0125】また、中間層、保護層中に無機または有機
紫外線吸収剤を含有してもよく、その含有量はバインダ
ー100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲が
好ましい。
【0126】有機紫外線吸収剤としては、2−(2’−
ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−オクトキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−
5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−エトキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤。
【0127】2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’
−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェ
ノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキシベン
ジルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’
−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン
−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン系紫外線吸
収剤。
【0128】フェニルサリシレート、p−オクチルフェ
ニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレー
ト、カルボキシフェニルサリシレート、メチルフェニル
サリシレート、ドデシルフェニルサリシレート、2−エ
チルヘキシルフェニルサリシレート、ホモメンチルフェ
ニルサリシレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収
剤。
【0129】2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,
3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−
3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレ
ート系紫外線吸収剤、p−アミノ安息香酸、p−アミノ
安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミ
ル、p−ジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等のp−
アミノ安息香酸系紫外線吸収剤。
【0130】p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシ
ル、p−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等のケ
イ皮酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキ
シ−ジベンゾイルメタン、ウロカニン酸、ウロカニン酸
エチル等が挙げられる。
【0131】中間層、保護層の塗液に用いられる溶媒、
塗液の分散装置、塗工方法、乾燥・硬化方法等は上記記
録層で用いられた公知の方法を用いることができる。
【0132】本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて発色
画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加
熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、
例えばサーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱すると
記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し急
激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。一方、消色
させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し
冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱
すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が昇
温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色が
起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラー、熱スタ
ンプ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用
いて長時間加熱してもよい。記録層を消色温度域に加熱
するためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧やパ
ルス数、パルス幅、パルス間隔を調節することによっ
て、印加エネルギーを記録時よりやや低下させればよ
い。この方法を用いれば、サーマルヘッドだけで記録・
消去ができ、いわゆるオーバーライトが可能になる。記
録装置としては、通常用いられるプリンター以外にイン
クジェットプリンター、熱転写プリンター、昇華型プリ
ンターなどを用いてもよい。また、熱ローラー、熱スタ
ンプによって消色温度域に加熱して消去することもでき
る。
【0133】本発明の可逆性感熱記録媒体を、前記発色
させうる加熱方法を設けたプリンターにより、コンピュ
ーター等からの情報を出力した表示メディア(ハードコ
ピー)として使用することが可能である。更に、この表
示情報を前記消色させうる加熱手段により消去可能であ
るため、本発明の可逆性感熱記録媒体を何度でも再利用
できる。また、前記消去加熱手段と発色加熱手段をとも
に設けたプリンターを用いることにより、前回の出力を
消去しながら新たな情報の出力を同じメディアに表示す
ることが可能である。その上、サーマルヘッドのような
加熱印画手段が組み込まれたプリンターにより、全面に
少なくとも消去可能な印加エネルギーを与え、新たな情
報を印字する部分に発色させうる印加エネルギーを加え
る、いわゆるオーバーライトにより、容易に情報の書き
換えが可能となる。このように、本発明の可逆性感熱記
録媒体をリライタブルペーパーとして使用することによ
って、近年増大する紙の使用量を低減させ、資源保護に
有効な手段とすることができる。
【0134】また、本発明の可逆性感熱記録媒体は前記
に例示される支持体上に記録層を保持して形成される
が、このとき使用される支持体は必要に応じた厚みのも
のが単独あるいは貼り合わす等して用いることができ
る、すなわち、数μm程度から数mm程度まで任意の厚
みの支持体が用いられる。また、本発明の可逆性感熱記
録媒体は、磁気記録層を、可逆性感熱記録層と同一面、
支持体と可逆性感熱記録層の間、あるいは支持体の可逆
性感熱記録層側と反対側の面上に設けることができる。
また、本発明の可逆性感熱記録媒体は粘着層等を介し
て、他の媒体へ貼り付けてもよい。本発明の可逆性感熱
記録媒体は、シート状あるいはカード状に加工されてい
てもよく、その形状は任意の形状に加工することがで
き、また、媒体表面への印刷加工を施すことができる。
カードの表面に印刷画像を形成しても良い。カード状の
記録媒体の場合は、支持体が厚みのあるものが好ましい
が、薄い支持体上に記録層を設けたものを一旦形成し、
それを厚みのある別の支持体に貼り付けても良いし、厚
みのある支持体に直接記録層を設けたものでも良い。ま
た、本発明の可逆性感熱記録媒体は、非可逆の感熱記録
層を併用してもよく、このときそれぞれの記録層の発色
色調は同じでも異なってもよい。
【0135】本発明の可逆性感熱記録媒体は、表示装置
の表示体として用いられる。図2に、本発明の可逆性感
熱記録媒体を用いる表示装置の一例についての構成概念
図を示す。図中、(1)はエンドレスの可逆性感熱記録
媒体からなる表示体、(2)は表示体(1)の表示部を
加熱するためのサーマルヘッド、(3)は表示体(1)
の表示部を選択的にあるいは全体にわたって加熱して消
去するためのサーマルヘッド、(4)及び(5)は表示
体(1)を回転させるためのローラーである。この装置
においては、表示体(1)を図中矢印の方向に回転させ
ながら、サーマルヘッド(2)、(3)を用いて情報の
記録、消去を行なう。このように情報の記録、消去の基
本動作を独立した部位で行ない、表示体(1)を周期的
に回転させて表示動作を行なわせることにより、シンプ
ルな装置構成で大画面表示を行なうサーマルディスプレ
イを実現することが可能となる。更に、本発明の可逆性
感熱記録媒体は、投影表示装置の投影表示体としても用
いられる。
【0136】本発明の可逆性感熱記録媒体において、そ
の特徴部である記録層中に特定の発色消色制御剤を含有
させる点を除いては、それを構成する各種材料と諸々の
層及びその各種用途とその用途を実現する具体的な方法
等に関しては、前述の特開平5−124360号公報に
開示されるものが適用可能である。
【0137】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例中の「部」および「%」はいず
れも重量を基準とするものである。 (実施例1) 1)2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 2)下記の構造の顕色剤 8部
【0138】
【化29】 3)下記の構造の消色促進剤 3部
【0139】
【化30】 4)アクリルポリオール樹脂の15%テトラヒドロフラン (THF)溶液 70部 上記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜3μ
mまで粉砕分散した。得られた分散液に日本ポリウレタ
ン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメチレンジイ
ソシアネートの75%酢酸エチル溶液)を10部加え、
よく攪拌し記録層塗布液を調製した。上記組成の記録層
塗布液を、厚さ188μmのポリエステルフィルム上に
ワイヤーバーを用いて塗布し、100℃、2分で乾燥し
た後、60℃、24時間加熱して、膜厚約8.0μmの
記録層を設け、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製し
た。
【0140】(実施例2)実施例1中の消色促進剤の代
わりに下記の消色促進剤を用いた他は、実施例1と同様
にして、可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0141】
【化31】 (実施例3)実施例1中の顕色剤と消色促進剤の代わり
に下記の顕色剤と消色促進剤を用いた他は、実施例1と
同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。顕色剤
【0142】
【化32】 消色促進剤
【0143】
【化33】
【0144】(実施例4)実施例3中の消色促進剤の代
わりに下記の消色促進剤を用いた他は、実施例3と同様
にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0145】
【化34】
【0146】(実施例5)実施例3中の消色促進剤の代
わりに下記の消色促進剤を用いた以外は、実施例3と同
様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0147】
【化35】
【0148】(実施例6)実施例3中の消色促進剤の代
わりに下記の消色促進剤を用いた以外は、実施例3と同
様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0149】
【化36】
【0150】(実施例7)実施例3中の消色促進剤の代
わりに下記の消色促進剤を用いた以外は、実施例3と同
様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0151】
【化37】
【0152】(実施例8)実施例3中の消色促進剤の代
わりに下記の消色促進剤を用いた以外は、実施例3と同
様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0153】
【化38】
【0154】(実施例9)実施例3中の消色促進剤の代
わりに下記の消色促進剤を用いた以外は、実施例3と同
様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0155】
【化39】
【0156】(実施例10)実施例3中の消色促進剤の
代わりに下記の消色促進剤を用いた以外は、実施例3と
同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0157】
【化40】
【0158】(実施例11)実施例3中の消色促進剤の
代わりに下記の消色促進剤を用いた以外は、実施例3と
同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0159】
【化41】
【0160】(実施例12)実施例1の分散液を下記の
組成に変えた他は、実施例1と同様にして可逆性感熱記
録媒体を作製した。 1)2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 2)下記の構造の顕色剤 8部
【0161】
【化42】 3)下記の構造の消色促進剤 1部
【0162】
【化43】 4)下記の構造の発色消色促進剤 3部
【0163】
【化44】 5)アクリルポリオール樹脂の15%テトラヒドロフラン (THF)溶液 70部
【0164】(実施例13)実施例12中の消色促進剤
の代わりに下記の消色促進剤を用いた他は、実施例12
と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0165】
【化45】
【0166】(実施例14)実施例12中の消色促進剤
の代わりに下記の消色促進剤を用いた他は、実施例12
と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0167】
【化46】
【0168】(実施例15)実施例12中の消色促進剤
の代わりに下記の消色促進剤を用いた他は、実施例12
と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0169】
【化47】
【0170】(比較例1)実施例1中の顕色剤と消色促
進剤の代わりに下記の顕色剤を用いて、消色促進剤を用
いなかった他は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録
媒体を作製した。
【0171】
【化48】
【0172】(比較例2)実施例1中の消色促進剤の代
わりに下記の化合物を用いた他は、実施例1と同様にし
て可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0173】
【化49】 以上のようにして作製した可逆性感熱記録媒体を大倉電
機社製感熱印字装置にて、電圧13.3V、パルス幅
1.2msecで印字し、得られた画像をマクベス濃度
計RD−914で測定した。また、発色画像を、東洋精
機社製熱傾斜試験機で110℃、1秒の条件で消色し
て、消色後の画像部の濃度と地肌濃度を測定した。次に
下記式から消し残り濃度を算出した。
【0174】
【数1】消し残り濃度=(消去後の画像部の濃度)−
(地肌濃度) 次いで、得られた画像部および地肌部の濃度を測定し、
それぞれ試験前画像濃度、試験前地肌濃度として測定し
た後、このサンプルを50℃乾燥条件下で24時間保存
し、同様に画像部及び地肌部の濃度を測定してそれぞれ
試験後画像濃度、試験後地肌濃度とする。次に下記の式
から濃度保持率を算出した。
【0175】
【数2】
【0176】以上の結果を表20に示す。
【0177】
【表20】
【0178】(実施例16)実施例14で作製した記録
層上に下記の組成の保護層を設け、可逆性感熱記録媒体
を作製した。 ・保護層の作製 1)ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 15部 (大日本インキ社製、C7−157) 2)酢酸エチル 85部 上記組成物を、よく溶解撹拌し、保護層塗布液を調製し
た。上記組成の保護層塗布液を、上記記録層上にワイヤ
ーバーを用いて塗工し、90℃、1分で乾燥した後、照
射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分
の搬送速度で通して硬化して膜厚3μmの保護層を設
け、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0179】(実施例17)実施例15で作製した記録
層上に実施例16と同様にして、保護層を設け、可逆性
記録媒体を作製した。上記実施例16および実施例17
において作製した可逆性感熱記録媒体を前記の発色条件
および消色条件で50回繰り返したところ、実施例の可
逆性感熱記録媒体は打こんの発生などがなく、良好な発
色および消色濃度を維持していた。結果を表21に示
す。
【0180】(実施例18)実施例14で用いたアクリ
ルポリオール樹脂の代わりに塩ビ−酢ビ樹脂(ユニオン
カーバイド社製VYHH)の15%MEK溶液を120
部用い、コロネートHLを用いずに記録層を作製し、次
いで実施例16で用いた保護層の代わりに塩ビ−酢ビ樹
脂(ユニオンカーバイド社製VYHH)MEK溶液を用
い、100℃、3分間乾燥させて膜厚約3μmの保護層
を設けた他は実施例16と同様にして可逆性感熱記録媒
体を作製した。上記実施例18において作製した可逆性
感熱記録媒体を、前記の発色条件および消色条件で50
回繰り返したところ、この可逆性感熱記録媒体は打こん
の発生が多発し、均一な画像発色と消去が行なえなかっ
た。結果を表21に示す。
【0181】
【表21】
【0182】(実施例19)実施例14で作製した記録
層上に、下記の組成の中間層を設けた。 ・中間層の作製 アクリルポリオール樹脂の15%メチルエチルケトン (MEK)溶液 30部 共同薬品社製 Viosorb 130 (2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ)ベンゾフェノン 4部 コロネートHL 4部 上記の液をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃、2
分間乾燥した後、60℃、24時間加熱して膜厚2μm
の中間層を設けた。次いで、実施例16と同様に保護層
を設け、本発明の可逆性感熱記録媒体を得た。
【0183】(実施例20)実施例15で作製した記録
層上に、実施例19と同様にして中間層を設けた。さら
に、実施例16と同様にして、保護層を設け、本発明の
可逆性感熱記録媒体を得た。
【0184】以上のように実施例19および実施例20
で作製した可逆性感熱記録媒体を前記と同様の発色条件
で発色させた後、蛍光灯5000luxで100時間照
射し、その後前記と同様の消去条件で消去して、光によ
る劣化を調べたところ、光照射後の画像部に変化は見ら
れず、また、消去後の消し残りのない良好な状態であっ
た。
【0185】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明の可逆性感熱記録媒体は高速消去性に
優れるものであり、さらに保存性、耐久性および耐光性
に優れるものであるという極めて優れた効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録媒体の発色・消色特性
を示す図である。
【図2】本発明の表示装置の一例を示す構成概念図であ
る。
【符号の説明】
1 表示体 2 サーマルヘッド 3 サーマルヘッド 4 ローラー 5 ローラー

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、電子供与性呈色性化合物と
    電子受容性化合物を用い、加熱温度および/または加熱
    後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態と消色
    した状態を形成し得る可逆性熱発色組成物を含有する可
    逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、
    該可逆性感熱記録層中に消色促進剤として下記一般式
    (I)で表わされる化合物を含有することを特徴とする
    可逆性感熱記録媒体。 【化1】 式(I)中、pは0〜3の整数、qおよびrは各々独立
    に1〜7の整数を表わす。また、X1、X2およびX3
    ヘテロ原子を含む2価の基を示し、R1、R2およびR3
    は炭素数1〜22の炭化水素基であり、このうち少なく
    とも1つ以上は、炭素数8以上の脂肪族炭化水素基で表
    わされる。さらにR4は水素原子、水酸基、または炭素
    数1〜8の脂肪族炭化水素基を表わす。
  2. 【請求項2】 式(I)で表わされる化合物のpが0、
    qおよびrが共に1であることを特徴とする請求項1に
    記載の可逆性感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 式(I)で表わされる化合物のR1、R2
    およびR3が、いずれも直鎖脂肪族炭化水素基であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の可逆性感熱記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 可逆性感熱記録層中に架橋状態にある樹
    脂を含有したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか
    1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】 電子受容性化合物として炭素数8以上の
    アルキル鎖を有するフェノール化合物を用いることを特
    徴とする請求項1乃至4の何れか1に記載の可逆性感熱
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 発色消色促進剤として、ヘテロ原子を含
    む2価の基と炭素数6以上のアルキル鎖を有する化合物
    を用いることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1に
    記載の可逆性感熱記録媒体。
  7. 【請求項7】 架橋状態にある樹脂が、イソシアネート
    化合物によって架橋状態にあることを特徴とする請求項
    4に記載の可逆性感熱記録媒体。
  8. 【請求項8】 無機または有機の紫外線吸収剤を含有す
    る層を記録層上に設けたことを特徴とする請求項1乃至
    7の何れか1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  9. 【請求項9】 記録層上に保護層として、架橋状態にあ
    る樹脂を用いた層を設けたことを特徴とする請求項1乃
    至8の何れか1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  10. 【請求項10】 磁気記録層を有することを特徴とする
    請求項1乃至9の何れか1に記載の可逆性感熱記録媒
    体。
  11. 【請求項11】 カード状またはシート状に加工されて
    いることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1に記
    載の可逆性感熱記録媒体。
  12. 【請求項12】 表面および/または裏面の少なくとも
    一部に、印刷部分を有することを特徴とする請求項1乃
    至11の何れか1に記載の可逆性感熱記録媒体。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体
    を、表示体として設けてなることを特徴とする表示装
    置。
  14. 【請求項14】 出力された情報を用い、加熱手段を設
    けたプリンターによって請求項1に記載の可逆性感熱記
    録媒体に画像を形成し、表示メディアとして利用するこ
    とを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 前記形成された画像を、加熱手段によ
    って消去することを特徴とする請求項14に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】 前記画像形成と、画像消去を繰り返す
    ことを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
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