JP2001140902A - 玉軸受軌道面の超仕上加工方法 - Google Patents

玉軸受軌道面の超仕上加工方法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】玉軸受軌道面の特定多角成分のうねりを超仕上
加工によって極めて高精度に修正する超仕上加工方法を
提供する。 【構成】ワークとなる玉軸受内輪または外輪の軸線回り
の回転とこの回転軸線に直角な砥石揺動軸線をもつ柱状
砥石の揺動とによってワークの内外輪軌道面の表面を除
去加工する超仕上加工方法において、軸受玉数Zの自然
数倍±1角の軌道面周方向のうねりの波長を覆うように
軌道面周方向にとった砥石のまたぎ寸法Tを、0.8D
・sin[180°/(Z−1)]≦T≦1.5D・s
in[180°/(Z−1)](ただしDは内輪または
外輪の軌道面のうちで最大直径寸法)の範囲で設定して
超仕上加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、例えばパーソナ
ルコンピュータなどに用いられる磁気記録装置のハード
ディスクドライブ(以下HDD)主軸モータ用玉軸受に
おける内外輪軌道面の多角うねりを修正する超仕上加工
方法に関する。具体的には上記HDD主軸モータ軸受で
問題となる非同期回転振れの要因の1つである玉軸受内
外輪軌道面の真円度特定多角成分のうねりを極めて小さ
く修正する超仕上加工方法に関する。
【0002】ここで前記玉軸受の非同期回転振れの要因
となる内外輪軌道面の真円度特定多角成分のうねりとは
既に知られているように、例えば文献「綿林 英一著、
転がり軸受マニュアル、日本規格協会、頁169、19
99年」に記されるように、内外輪軌道面間に介在する
軸受転動体(玉)数の自然数倍±1に相当する回数で円
周上に繰り返されるうねりをいう。
【0003】
【従来の技術】長方形あるいは任意断面形状の柱状砥石
を揺動させながら、軸受回転時と同軸で回転する内輪あ
るいは外輪の軌道面に対して、この軌道面の断面円弧半
径方向に適切な力で押し当てながら除去加工を行う玉軸
受内外輪軌道面の超仕上加工法は既に知られている。前
記砥石の揺動軸は、加工を受ける軌道面の断面円弧中心
位置あるいはその近傍で砥石切込み方向に直角に、かつ
軸受軸線方向に位置し、前記砥石は適切な大きさの振り
角で前記揺動軸まわりに繰り返し揺動運動する。
【0004】従来から一般的に用いられている玉軸受の
加工方法では、軸受内外輪軌道面は研削加工された後、
超仕上加工により仕上げられる。研削工程には主に前記
軌道面の断面円弧形状と回転方向の真円度を精度よく成
形することが任され、超仕上工程では研削後の軌道面の
面粗度を向上させる磨きの作用が主に任されている。
【0005】ただしこの超仕上工程においても、ワーク
加工面円周上に砥石の「またぎ」寸法が投影されて出来
る接触円弧の長さよりも短い周期の凹凸が砥石とワーク
の接触範囲内の平均化効果により修正されることは公知
の事実である。しかしこの方法により修正される真円度
の多角うねりは従来一般的に10ないし20角以上のう
ねりであり、それより低い角数で周期の大きなうねり成
分に対しては、もっぱらワークと砥石の相対運動精度の
転写に基づく運動転写加工により形状成形が行われてい
る。
【0006】上述の運動精度転写加工理論に基づき、超
仕上工程におけるワークの運動精度向上には多くの努力
が注がれてきた。例えば、米国特許第5,679,06
1号明細書にはリング状ワークの回転面を静圧油膜でシ
ュー上に支持することにより、加工中のリング状ワーク
の回転精度を向上させることが記載されている。ただ
し、ワークと砥石間の切込み剛性が小さい超仕上加工法
では真円度修正の効率が低い。
【0007】一般に、回転する円筒状加工物の外周面に
柱状砥石を押し当てて、加工物回転軸と平行に砥石を直
線往復運動させる超仕上加工法の場合には、砥石の作用
面は常時全面で加工物表面に接しているため、加工物真
円度のうねりは例えば10角未満の低い角数であっても、
うねり一周期波長を覆う寸法のまたぎを有する超仕上用
砥石を用いて容易に修正できる加工方法は知られてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし玉軸受の内輪あ
るいは外輪の軌道面の場合には前記円筒加工物の外周面
の超仕上加工とは異なり、幾何学的な位置関係により揺
動する超仕上用砥石の作用面上で軌道面に接触する範囲
が変化し、作用面全てを常時軌道面に接触させることは
不可能である。そのため砥石のまたぎ寸法を大きくして
真円度のうねりを低い角数の、波長の長いうねりまで修
正することは難しいとされてきた。
【0009】この問題に関連してSKF社の発明に係わ
る米国特許第3,423,887号明細書には、玉軸受
内外輪の軌道面円周長さの1/3に相当するまたぎ寸法
の超仕上砥石を用いて軌道面ウェービネス(真円度の多
角うねり)を向上させるためには砥石を揺動させず、保
持された砥石は内輪あるいは外輪軌道面に押し当てて5
〜30kHzの高周波で垂直に微振動させることによっ
て砥石の切れ味を維持する超仕上加工法を開示してい
る。
【0010】しかしながら前述のSKF社の発明による
超仕上加工方法では、加工される軌道面に対して砥石は
揺動せずに垂直に押し当てて、砥石自身の形状を転写す
ることによって軌道面の断面円弧形状精度を維持しよう
とする方法である。従って前の工程となる研削工程から
次々に供給されるワークの幅方向の形状ばらつきや軌道
面の断面円弧形状誤差などにより、超仕上用砥石の作用
面上では研削量の分布がばらつき、即ち砥石摩耗の分布
が均一にはならないため砥石自身の断面形状を崩しやす
く、これが転写される軌道面の断面円弧形状精度を確保
することは難しい。
【0011】このSKF社の発明の例からも明らかなよ
うに、玉軸受内外輪の軌道面の断面円弧形状を精度よく
仕上げるためには、超仕上砥石の揺動運動は不可欠であ
るが、軌道面の断面円弧形状の崩れを起こさずに真円度
多角うねりを高能率に修正する方法は未だ確立されてい
なかった。
【0012】そこで本発明は、玉軸受内外輪の軌道面真
円度の特定角数、即ち[軸受玉数−1]角のうねりの波
長を覆う砥石接触長さを実現して、[軸受玉数−1]角
およびそれよりも短い波長のうねりの振幅を高精度に修
正する超仕上加工方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、玉軸受
軌道輪を軸線まわりに回転させながら、前記軌道輪の軌
道面の断面円弧中心から該軸線に垂線を下す方向に該断
面円弧の半径寸法の0ないし10%だけ該断面円弧中心
より離れた位置で、前記軌道輪の回転軸線に対して直角
方向にのびる砥石揺動軸線を中心に、この揺動軸線方向
にとった「またぎ」寸法が以下の式(1)の範囲のT、
【数2】 なる角柱状砥石を揺動させて、前記砥石を前記軌道輪の
軌道面の断面円弧半径方向に押圧して表面を除去する超
仕上加工方法が提供される。ただし前記(1)式で、Z
は前記軸受の玉数、Dは軸受軌道輪の軌道面の内で最大
直径寸法であり、前記軸受軌道輪が内輪の場合は砥石ま
たぎ寸法にTs、内輪軌道面内の最大直径寸法(多くの
場合内輪外径寸法)にDoを、また外輪の場合は砥石ま
たぎ寸法にTse、外輪軌道面内の最大直径寸法(多く
の場合外輪溝径寸法)にDeをそれぞれ前記Tおよび前
記Dの代りに用いる。
【0014】本発明の1つの態様によれば、玉軸受内輪
を軸線まわりに回転させながら、前記内輪の軌道面の断
面円弧中心から該軸線に垂線を下す方向に該断面円弧の
半径寸法の0ないし10%だけ該断面円弧中心より離れ
た位置で、前記内輪の回転軸線に対して直角方向にのび
る砥石揺動軸線を中心に、この揺動軸線方向にとった
「またぎ」寸法が以下の式(2)の範囲のTs、即ち内
輪軌道面内の最大直径(多くの場合、内輪外径寸法)を
Do、軸受の玉数をZとして、
【数3】 なる角柱状砥石を揺動させて、該砥石を前記内輪軌道面
の断面円弧半径方向に押圧して表面を除去する超仕上加
工において、砥石揺動振り角の最大値θsが軸受の玉と
内輪軌道面との接触角θcに対して80ないし200%
の範囲をとり、且つ前記揺動軸及び押圧方向に対して直
角なる方向の砥石幅側面位置が、砥石揺動振り角の最大
時に内輪軌道面の端と内輪軌道面上の玉が接触する位置
との間に収まるように、該砥石幅の寸法Bsが該内輪軌
道面の幅Bwに対して80ないし150%の範囲をとる
ことを特徴とする玉軸受内輪軌道面の超仕上加工方法が
提供される。
【0015】本発明の他の態様によれば、玉軸受外輪を
軸線まわりに回転させながら、該外輪の軌道面の断面円
弧中心から該軸線に垂線を下す方向と反対側に該断面円
弧の半径寸法の0ないし10%だけ該断面円弧中心より
離れた位置で、該外輪の回転軸線に対して直角方向にの
びる砥石揺動軸線を中心に、この揺動軸線方向にとった
「またぎ寸法」が以下の式(3)の範囲で式(4)の制
限を受けるTse、即ち外輪軌道面内の最大直径(多く
の場合、外輪溝径寸法)をDe、軸受転動体(玉)数を
Z、外輪軌道面の断面円弧半径reとして、
【数4】
【数5】 なる柱状砥石を揺動させて、該砥石を前記外輪軌道面の
断面円弧半径方向に押圧して表面を除去する超仕上加工
において、砥石揺動振り角の最大値θseが治工具等の
干渉の無い状態で軸受の玉と外輪軌道面の接触角θcに
対して50ないし200%の範囲をとり、且つ前記揺動
軸及び押圧方向に対して直角なる方向の砥石幅側面位置
が、砥石揺動振り角の最大時に外輪軌道面の端と外輪軌
道面上の玉が接触する位置との間に収まるように、該砥
石幅の寸法Bseが該外輪軌道面の幅Bweに対して8
0ないし150%の範囲をとる玉軸受外輪軌道面の超仕
上加工方法が提供される。
【0016】また本発明の他の態様によれば、上述の玉
軸受外輪軌道面の超仕上加工方法において、前記砥石揺
動軸方向にとった変位yを変数、外輪軌道面の最大直径
(多くの場合、外輪溝径寸法)De、外輪軌道面断面円
弧半径re、外輪軌道面の深さPo、外輪軌道面の幅B
weおよび最大砥石揺動振り角θseをパラメータと
し、前記柱状砥石の軸受外輪回転軸方向にとった幅寸法
Bsyを関数とした以下の演算式(5)を基に砥石断面
形状を中央線に対して軸対称な樽型、あるいは該樽型を
直線近似した多角形とする玉軸受外輪軌道面の超仕上加
工方法が提供される。
【数6】 ただし、−Tse/2≦y≦+Tse/2とする。
【0017】さらに本発明によれば、前記またぎ寸法T
sまたはTseを有する柱状砥石を保持し、玉軸受内外
輪軌道面の超仕上加工に用いられる砥石ホルダにおい
て、前記柱状砥石を前記玉軸受内輪または外輪となるワ
ークの回転方向に対向するように形成された砥石案内面
と、該砥石案内面に前記柱状砥石を弾性体を介して押し
付ける手段とを有する砥石ホルダが提供される。
【0018】また本発明の他の形態によれば、上記の玉
軸受内輪軌道面の超仕上加工方法において、またぎ寸法
Tsを有する前記柱状砥石の代りに、該柱状砥石と同等
の先端部形状をもつ柱状押圧治具と、前記玉軸受内輪軌
道面と前記柱状押圧治具との間に挟み込まれて伸張する
研磨テープとを用い、前記玉軸受内輪を軸線まわりに回
転させながら、前記柱状押圧治具を前記研磨テープを介
して前記内輪軌道面の断面円弧半径方向に押圧しつつ、
上記玉軸受内輪軌道面の超仕上加工方法における前記柱
状砥石の揺動中心軸線と同じ軸線まわりに前記柱状押圧
治具を前記研磨テープと一体で揺動させることを特徴と
する研磨テープを用いた玉軸受内輪軌道面の超仕上加工
方法が提供される。
【0019】また本発明の他の形態によれば、上記の玉
軸受外輪軌道面の超仕上加工方法において、またぎ寸法
Tseを有する前記柱状砥石の代りに、該柱状砥石と同
等の先端部形状をもつ柱状押圧治具と、前記玉軸受外輪
軌道面と前記柱状押圧治具との間に挟み込まれて伸張す
る研磨テープとを用い、前記玉軸受外輪を軸線まわりに
回転させながら、前記柱状押圧治具を前記研磨テープを
介して前記外輪軌道面の断面円弧半径方向に押圧しつ
つ、上記玉軸受外輪軌道面の超仕上加工方法における前
記柱状砥石の揺動中心軸線と同じ軸線まわりに前記柱状
押圧治具を前記研磨テープと一体で揺動させることを特
徴とする研磨テープを用いた玉軸受外輪軌道面の超仕上
加工方法が提供される。
【0020】また本発明によれば、内輪と外輪との間に
複数個の転動体(玉)が介在された玉軸受において、前
記内輪または外輪の少なくとも一方が[軸受玉数−1]
角及びこれよりうねり周期が短いすべての軌道面うねり
の振幅が片振幅で1nm(ナノメータ)未満で形成され
ている玉軸受が提供される。
【0021】
【作用】本発明では、玉数Zの玉軸受における(nZ±
1)角のうねり振幅を修正するため、(Z−1)角をま
たぐ軸受円周方向のまたぎ長さを持つ柱状砥石によって
超仕上加工を行うことを特徴としている。ここでnは自
然数である。玉軸受内外輪の(nZ±1)角は軸受半径
方向の振動を大きくするうねり成分である。したがって
(nZ±1)角のうねり振幅を小さくするのが本発明の
目的であり、この角の頂点を円周方向にまたいで、最も
うねり周期の大きな(Z−1)角以上の山を選択的に超
仕上により修正する。図1は玉数が7個の場合について
玉軸受内輪(ワーク)1と砥石3のまたぎ状態を模式的
に示したものである。20は軸受内外輪間に介在される
玉である。図中のTsがこの場合のまたぎ寸法であり、
前述の式(2)で特定される。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明を好適な実施形態に
ついて図面を参照して説明する。まず被加工物である玉
軸受内輪の軌道面の超仕上加工について説明する。内輪軌道面と砥石の接触状態について 玉軸受内輪の軌道面を揺動する柱状砥石で超仕上加工す
る場合には、前記砥石は砥石全面が常に軌道面に接触し
つつ加工することは不可能である。図2は砥石3とワー
クとなる内輪1の外周軌道面の接触状態を例示した図で
あり、砥石が揺動するに従って砥石3と前記ワークの接
触状態が変化する様子を同図(A)から(C)まで段階
的に表している。ここでは長方形断面の角柱砥石3の先
端が同図(A)の直立状態から図中左方向に振れて、同
図(B)の状態を経て、同図(C)の揺動振り角が最大
状態となるまでを砥石揺動振り角0°(直立)時の砥石
押圧方向から、つまりワーク上面から見た図と、これに
該当するワーク円周方向の砥石中央位置(F−F線)に
おける砥石断面図を示してある。なお、図2の「ワーク
上面」を示す図では砥石は説明上図示省略してある。
【0023】図2において、太線は揺動運動する砥石が
通過しながらワーク1の軌道面に接触する「線当り」位
置を示し、平行斜線で示された範囲は砥石揺動振り角が
最大の瞬間においてのみ砥石が軌道面に広い面積で接触
する「面当り」範囲を示している。ここで前記線当りと
は、砥石の揺動軸中心から最も近いワーク表面を結んだ
線を示し、前記面当りとは、砥石作用面上で軌道面と線
当りしない部分に対して砥石揺動振り角最大時における
軌道面形状が転写されて出来た砥石の形状が、再び振り
角最大時に軌道面に接触する範囲を示す。
【0024】砥石とワークの接触状態は、砥石が反対方
向に揺動した場合の最大振り角位置では図2で軌道面底
部の縦中央面(軸受軸線に垂直な軌道面底部中央面)に
対し対称の形状となる。また途中の振り角位置では砥石
位置に相応した範囲で線当りのみ生じる。
【0025】図3は図2における砥石揺動振り角最大時
の砥石と内輪軌道面の接触状態を詳しく説明した図であ
り、図4は内輪軌道面に対する円弧中心Orと砥石揺動
軸心Osとの関係を示した図である。図3は長方形断面
の角柱砥石の先端が図中左方向に振れて、揺動振り角最
大での接触状態を砥石揺動振り角0°(直立)時の砥石
押圧方向から、つまり上面から見た図を示してある。な
お、砥石は説明上図示省略してある。図2と同様に、図
中で太線は揺動運動する砥石が通過しながら軌道面に接
触する「線当り」位置を示し、平行斜線で示された範囲
は砥石揺動振り角が最大の瞬間においてのみ砥石が軌道
面に接触する「面当り」範囲を示している。なお、図中
には玉軸受で転動体(玉)が軌道面と接触する位置(以
下玉接触位置という)と軌道面底部及びワーク回転中心
線Cが一点鎖線で記入してある。また、図上基礎となる
点と座標軸X−Yを記入してある。Fが上述の玉接触位
置であり、Gが軌道面底部である。
【0026】接触状態図について 図3に示された砥石と内輪軌道面の接触状態は、砥石の
面当り範囲が玉接触範囲を含み、円周方向またぎ長さが
目的とする真円度多角うねりを覆う、本発明の効果を得
るための理想的な状態である。
【0027】内輪軌道面はその最大直径をDo、幅をB
wとし、断面円弧半径をrwとする。また超仕上用砥石
の断面形状(角柱砥石の長さ方向に直角な断面形状)は
長方形で、またぎ寸法をTs、砥石幅(内輪軸方向に平
行な幅)をBs(図3では図示省略)とする。図4に示
すように、砥石揺動軸の軸心Osは内輪軌道面断面円弧
中心Orからδsだけ軌道面方向にずれて位置し、最大
砥石揺動振り角θsが与えられ、軌道面断面円弧半径r
wより小さい揺動半径で内輪軸線を含む平面内(垂直平
面内)で前記Osを中心に揺動させる。図3を参照し
て、作図上、座標原点Oを内輪の縦横中心線の交点と
し、内輪および砥石の幅方向をX、砥石のまたぎ方向を
Yとする。また図上基礎となる点をそれぞれp1、p
2、p3、p4およびp5とし、p4またはp5を含む
曲線を各々f4、f5とする。
【0028】本発明の効果を得るためには、砥石またぎ
方向の長さがTsなる面当り範囲が、軌道面上の玉接触
位置を含むことが必要である。また同時に軌道面断面形
状の悪化を起こさない様、各々の面当り範囲の大きさを
調整する必要が有る。図中の面当り範囲α1、α2及び
βを適切な大きさとするためには、砥石またぎ寸法Ts
および面当り範囲α1、α2の境界線となるf4と、面
当り範囲βの境界線、つまり曲線f5の位置と境界線を
決定する点であるp1、p2の座標が重要である。
【0029】点p1およびp2は線当り即ち砥石揺動軸
中心から最も近い内輪軌道面上の点を結んだ線の節点で
あり、二つの点の間は直線で結んで差し支えない。p1
およびp2のX座標は図より明らかであるが、Y座標は
砥石揺動軸心と軌道面断面円弧中心の距離δsを変数と
した関数であり、δsを大きくすることによりp1およ
びp2のY座標は大きくなる。即ち軌道面の幅方向中央
でY方向に伸びる線当りを示す線分が長くなると共に、
面当り範囲βはY方向に広がる。δsが0の場合は砥石
揺動軸中心と軌道面断面円弧中心が一致してp1および
p2のY座標は0となり、面当り範囲βは消滅するが、
p1とp2間およびp1とp5間の線当りは残る。δs
が負の場合はこれらの線当りも消滅し、砥石と軌道面の
当りは不安定になる。
【0030】前記曲線f4は砥石揺動振り角最大時の砥
石幅方向中央の母線位置であり、線当りを示す直線と共
に、面当り範囲α1、α2の境界線となる。f4位置は
最大砥石揺動振り角θsによる関数であり、θsが大き
いとα1、α2は幅が小さくなる。
【0031】曲線f5は砥石揺動振り角最大時における
砥石作用面上の幅方向側面位置であり、線当りを示す図
中の太い直線とともに、面当り範囲βの境界線となる。
f5位置は最大砥石揺動振り角θsと砥石幅Bsによっ
て決まる関数であり、θsが大きいほど、Bwが小さい
ほどf5は軌道面の縦中央線に近くなり、従ってβ範囲
の幅は小さくなる。以上により砥石と内輪軌道面の接触
状態図を説明した。以下で本発明による最適接触状態を
実現するための超仕上パラメータを説明する。
【0032】内輪軌道面の超仕上パラメータについて 図3で長方形断面形状の柱状砥石のまたぎ寸法Tsは、
内輪軌道面内最大円周上で目的とする真円度角数のうち
最大の波長を有するもの、即ち[玉数−1]角のうねり
波長に対する弦の長さを基に設定する。砥石またぎ寸法
Tsは以下の式(2)で表す範囲が適正である。
【0033】
【数7】 ここで、Doは内輪軌道面内の最大直径(多くの場合内
輪外径寸法)、Zは玉数である。砥石またぎ寸法は注目
する真円度角数うねりを修正するために適正な範囲にと
って、軌道面断面円弧形状の崩れを最小限に抑える必要
がある。なぜならば、玉軸受軌道面の超仕上では、軸受
回転軸を含み砥石揺動軸と垂直に交わる平面内でのみ、
砥石揺動運動の軌跡となる円弧と、軸受内外輪軌道面の
円弧が一致するため、この面から離れた位置で砥石揺動
させることは玉軸受内外輪軌道面の断面円弧形状精度を
著しく悪化させる要因となるからである。従って上述の
またぎ寸法Tsは小さい方が前記軌道面の断面円弧半径
と砥石軌跡との違いが少なく望ましいが、またぎ寸法T
sが上記(2)式の下限を下回ると、うねりの頂点間距
離より短くなり過ぎて本発明の目的であるうねり修正が
困難となる。Do・sin180°/(Z−1)=Ts
がうねりの頂点を丁度またぐ寸法であって、うねりの片
振幅の修正に対して理論的には好ましい値であるが、図
1に示す砥石幅方向両端部が薄くなって砥石が欠け易く
なるので、仮に欠けても上述の理論上のまたぎ寸法を補
償するため(2)式の上限を定めた。
【0034】最大砥石揺動振り角θsは玉接触位置での
軌道面断面円弧形状の精度を維持するため、玉と軌道面
の接触角(以下玉接触角という)θc近傍とする。最大
砥石揺動振り角θsは玉接触角θcの80%ないし20
0%の範囲が適正である。80%未満では、内輪軌道面
の溝形状を軸受の接触角範囲にわたって充分な超仕上加
工ができない。理論的には100%であれば良いが、超
仕上前の内輪の軌道面溝形状の製作誤差、加工上の内輪
取付誤差などを考えて砥石保持部材(砥石ホルダ)が干
渉し加工に不具合を生じない範囲であれば、200%と
余裕をもって設定するのが良い。
【0035】玉軸受軌道面のうち特に玉接触位置近傍に
おける真円度精度が重要である。本発明では砥石作用面
の接触範囲内の平均化効果を利用して軸受内外輪表面を
修正するのであるから、面当り接触範囲βが玉接触位置
を含む必要がある。従って砥石幅は小さすぎると玉接触
位置の真円度うねりが修正されず、大きすぎると砥石最
大揺動振り角時に砥石が軌道面幅内に収まりきらず加工
精度に悪影響を及ぼす。砥石幅Bsは内輪軌道面の幅B
wに対し80%ないし150%の範囲が適正である。本
発明の最大砥石振り角θsの範囲では80%未満になる
と、砥石先端の振れ方向と反対側の当り面(β)のX方
向の幅が小さくなり、内輪軌道面のうねりを修正するこ
とが困難となり、150%を超えると、この振れ方向反
対側の内輪軌道面の溝からはみ出た部分の砥石が振動を
起して加工精度を悪化させる。
【0036】軌道面断面円弧形状の悪化を防ぐために、
砥石揺動軸と軌道面断面円弧中心の距離δsを変更し、
図3における軌道面幅中央部の線当りO−p1の長さ、
即ち面当りβの円周方向範囲を調整する。δsが過大で
は軌道面断面円弧の中央部Gが過度に除去されて凹み、
δsが過小では同円弧の中央部Gが除去されずに盛り上
がって残る、または目的とする軌道面真円度のうねり角
数が修正されない。後述の図15にも例示するように、
例えば溝底での円周方向当り長さが長くなると、溝底が
過度に除去されて溝形状がくずれる。しかがってδsは
内輪軌道面の断面円弧半径rwに対し0ないし10%の
範囲が適正である。以上により本発明による最適接触状
態を実現するための超仕上パラメータを説明した。
【0037】次に、本発明の他の実施形態、即ち玉軸受
外輪軌道面の超仕上加工の場合について説明する。外輪軌道面と砥石の接触状態について 加工中の外輪軌道面と砥石の接触状態は図5に示されて
いる。図5は長方形断面の角柱砥石が揺動振り角最大状
態で外輪軌道面に接する状態を、砥石揺動振り角0°
(直立)時の砥石押圧方向から見た平面図であり、ここ
では図3と同様砥石は図示省略してある。なお外輪2は
断面で示してある。図6は外輪軌道面に対する円弧中心
と砥石3の揺動中心軸心との関係を示した図である。図
5中、太線は揺動運動する砥石が通過しながら外輪軌道
面に接触する「線当り」位置を示し、平行斜線で示され
た範囲は砥石揺動振り角が最大の瞬間に砥石が軌道面に
接する「面当り」を示す。図5においては図3と同様に
玉軸受で玉が外輪2の軌道面と接する位置、即ち玉接触
位置Fと軌道面底部G及びワーク回転中心線Cが一点鎖
線で示されている。
【0038】接触状態図について 図5に示される砥石と軸受外輪軌道面の接触状態は、砥
石の面当り接触範囲が玉接触位置を含み、円周方向接触
長さが目的とする真円度多角うねりを覆う、本発明の効
果を得るための理想的な状態である。また、長方形断面
の砥石の作用面は最大揺動振り角時にすべて軌道面内に
収まっている。超仕上パラメータを説明する前に、砥石
と外輪軌道面の接触状態図を説明する。
【0039】外輪軌道面はその最大直径をDe、幅をB
weとし、断面円弧半径をreとする。また超仕上用砥
石の断面形状は長方形で、またぎ寸法をTse、幅(外
輪軸方向に平行な幅)をBseとする。図6に示すよう
に、砥石揺動軸の軸心Oseは外輪軌道面断面円弧中心
Oreからδseだけ外輪の回転軸心方向にずれて位置
し、最大砥石揺動振り角θseが与えられ、軌道面断面
円弧半径reより大きい揺動半径で外輪軸線を含む平面
内(垂直平面内)で揺動させる。図5を参照して、図
上、座標原点Oを外輪の縦横中心線の交点とし、外輪及
び砥石の幅方向をX、砥石のまたぎ方向をYとする。ま
た作図上基礎となる点をp6、p7、p8、p9および
p10とし、p8を含む曲線をf8、p9及びp10を
含む曲線をf9とする。
【0040】本発明の効果を得るためには、砥石またぎ
方向の長さがTseなる面当たり範囲が軌道面上の玉接
触位置を含むことが必要である。また同時に軌道面断面
形状の悪化を起こさない様、各々の面当り範囲の大きさ
を調整する必要がある。図中の面当り範囲γおよびε
1、ε2を適切な大きさとするためには、外輪の場合の
砥石またぎ寸法Tseと、面当り範囲γの境界線となる
曲線f8と境界線を決定する点p6及びp7の座標と、
面当り範囲ε1、ε2の境界線となる曲線f9の位置が
重要である。
【0041】p6およびp7は線当り即ち砥石揺動中心
から最も近い外輪軌道面上の点を結んだ線の節点であ
り、二つの点の間は直線で結んで差し支えない。p6お
よびp7のX座標は図より明らかであるが、Y座標は砥
石揺動軸心と軌道面断面円弧中心の距離δseを変数と
した関数であり、δseを大きくすることによりp6及
びp7のY座標は大きくなる。即ち面当り範囲γはY方
向に広がる。δseが0の場合は砥石揺動軸中心と軌道
面断面円弧中心が一致してp6およびp7のY座標は0
となり、面当り範囲γは消滅するが、p6とp7間およ
びp6とp9間の線当りは残る。δseが負の場合はこ
れらの線当りも消滅し、砥石と軌道面の当りは不安定に
なる。
【0042】曲線f8は砥石揺動振り角最大時の砥石幅
方向中央の母線位置であり、線当りを示す直線と共に、
面当り範囲γの境界線となる。f8位置は最大砥石揺動
振り角θseによる関数であり、θseが大きいとf8
位置は外輪軌道面端に近くなり、面当り範囲γは幅が小
さくなる。
【0043】曲線f9は砥石揺動振り角最大時の砥石作
用面上の幅方向側面位置であり、線当りを示す直線とと
もに、面当り範囲ε1およびε2の境界線となる。f9
位置は最大砥石揺動振り角θseと砥石幅Bseによっ
て決まる関数であり、θseが大きいほど、Bseが小
さいほど曲線f9は軌道面縦中央線に近くなり、面当り
範囲ε1およびε2のX方向の幅は小さくなる。以上に
より砥石と外輪軌道面の接触状態を説明したので、以下
で本発明による最適接触状態を実現するための超仕上パ
ラメータを説明する。
【0044】外輪軌道面の超仕上パラメータについて 外輪軌道面に対する超仕上砥石またぎ寸法Tseは次式
(3)の範囲が適正である。
【数8】 ここでDeは外輪軌道面内の最大直径、即ち軌道面底部
の直径であり、Zは軸受の玉数である。外輪超仕上の場
合、砥石またぎ寸法が大きくなり外輪軌道面と砥石揺動
軸との交点を結んだ線分長さ以上になると、砥石は揺動
運動が出来なくなる。図7は砥石が外輪軌道面に振り角
0°(直立)で接触している状態を側面から見た断面図
である。これを基に砥石またぎ寸法の大きさを砥石揺動
軸Oseと外輪軌道面断面円弧中心Oreを一致させて
近似的に導いた以下の式(4)により制限する。
【数9 】 ここでreは外輪軌道面の断面円弧半径である。上述の
またぎ寸法Tseは小さい方が前記軌道面の断面円弧半
径と砥石軌跡との違いが少なく望ましいが、またぎ寸法
Tseが上記(3)式の下限を下回ると、うねりの頂点
間距離より短くなり過ぎて本発明の目的であるうねり修
正が困難となる。De・sin180°/(Z−1)=
Tseがうねりの頂点を丁度またぐ寸法であって、うね
りの片振幅の修正に対して理論的には好ましい値である
が、外輪軌道面溝加工の場合、外輪内径に挿入できる砥
石の大きさの制限を受けるので、またぎ寸法を充分与え
てうねりの修正機能を確保するため(3)式の上限とし
た。ただしTseの上限は砥石の揺動上、(4)式の制
限を受けるので、この値を上限とした。
【0045】最大砥石揺動振り角θseは、軸受外輪の
内側に挿入し揺動運動させる砥石保持の為の治工具と外
輪の干渉が生じない範囲で、玉接触角θcの近傍とす
る。最大砥石揺動振り角θseは玉接触角θcの50%
ないし200%の範囲が適正である。この砥石揺動振り
角θseは、軸受の外輪内径が小さくなると、この中に
挿入される砥石保持部材も小さくせざるを得ず、揺動角
もスペース上の制限を受け小さくせざるを得ず、内輪よ
り小さな50%を下限とする。また、揺動振り角は可能
な限り大きい方が外輪軌道面のうねり修正機能上からは
望ましいので、上限は200%とする。
【0046】図5の外輪軌道面に対して、砥石の面当り
接触範囲ε1およびε2は玉接触位置を含む必要があ
る。砥石幅が小さすぎるとε1およびε2が玉接触位か
ら外れると真円度うねりは修正されず、砥石幅が大きす
ぎると砥石最大振り角時に砥石が軌道面幅内に収まりき
らず、砥石先端の振れ方向と反対側の外輪軌道面溝から
はみ出た部分の砥石が欠け易く、軌道面を傷付けるおそ
れがあり、加工精度に悪影響を及ぼす。砥石幅Bseは
外輪軌道面の幅Bweに対し80%ないし150%の範
囲が適正である。
【0047】軌道面断面円弧形状の悪化を防ぐため、即
ち図5中の点p6座標と共に面当り範囲γの大きさを調
整するために、砥石揺動軸心Oseと軌道面断面円弧中
心Oreの距離δseを調整する。δseが過大では軌
道面断面円弧の中央部が除去されずに盛り上がって残
り、δseが過小では同円弧の中央部が過度に除去され
て凹む、または軌道面全体に砥石が当たらずに前加工面
が残る。δseは外輪軌道面の断面円弧半径reに対し
0ないし10%の範囲が適正である。
【0048】一方、砥石断面形状(砥石伸長方向に対し
て直角な横断面形状)を上述の長方形ではなく樽型とし
て、砥石揺動振り角が最大時に砥石幅方向の側面を外輪
軌道面の端と一致させる、即ち図5における曲線f9を
軌道面端と一致させることにより、砥石と外輪軌道面の
接触効率を向上させることが可能である。図8(a)の
樽型砥石は砥石幅Bsyをまたぎ方向中央位置Oneか
らのY方向変位を変数とする関数の式(5)を基に得ら
れる本発明による最適な砥石形状である。
【数10】 ここでDeは外輪軌道面内の最大直径(多くの場合外輪
溝径寸法)、reは軌道面断面円弧半径、poは軌道面
の深さ、θseは最大砥石揺動振り角、Bweは軌道面
の幅である。当然yはまたぎ寸法Tseに対し、−Ts
e/2≦y≦+Tse/2の範囲をとる。また、砥石断
面形状を図8(a)の砥石幅方向側面を構成する曲線を
直線近似した多角形とすることにより砥石3の製造が容
易となる。同図(b)あるいは(c)はその例である。
いずれも砥石3の両側面はまたぎ方向中央線に対し対称
に形成されている。
【0049】次に、本発明を実施する場合の砥石ホルダ
及びワーク保持構造を玉軸受内輪を例にとって説明す
る。図9は本発明の実施例に係る玉軸受の内輪軌道面を
超仕上加工する装置のワーク装着部分の側面断面図であ
る。リング状のワーク1は玉軸受内輪であり、ワーク主
軸装置10に装着されたバッキングプレート4の端部と
プレッシャプレート5との間にワーク1が挟圧されて保
持され、前記主軸装置10の駆動によりワーク1とバッ
キングプレート4およびプレッシャプレート5が一体で
主軸軸線まわりに回転する。なおワーク1を軸線方向に
固定する手段としては図示のプレッシャプレート5以外
に例えばプレッシャロールなども採用され得る。ワーク
1は径方向には該ワーク内に挿入されるシュー6によっ
て支持され、シュー6上のワーク1の中心と主軸バッキ
ングプレート4の中心の間に適当な大きさの偏心を持た
せることにより、回転中のワーク1は常にシュー6に対
して押し付けられた状態となっている。図9の実施例で
はシュー6はワーク1の内径を支持する構成となってい
るが、ワーク1の外径部を支持する構造でも良く、また
チャックなどでワーク1を主軸装置10の回転主軸に固
定することもできる。
【0050】後述する砥石ホルダ7は、ワーク軌道面断
面円弧中心の近傍を軸心として主軸装置の主軸軸線を含
む垂直平面内で適切に設定された振り角θsで揺動運動
する。これと同時に砥石3は、図9には図示しない加圧
ピストンによりワーク軌道面断面円弧の半径方向に押圧
され(加圧力Fs)、これによってワーク軌道面は砥石
3の先端作用面で超仕上加工される。なおワーク1はバ
ッキングプレート4の端部位置まで図示しない供給装置
により自動的に1個ずつ供給され、超仕上加工の終了し
たワークは自動的に排出されるとともに次ワークが自動
的に供給され、このサイクルを繰り返す。
【0051】図10は本発明の実施例に係る砥石ホルダ
の縦断面図であり、ワーク1の内輪軌道面に対して砥石
ホルダ7の先端に保持された砥石3が垂直に押し当てら
れている状態を示している。図10を参照すれば、砥石
ホルダ7は内部に柱状砥石3を収容するように貫通する
角穴が形成され、外側部の下部に大径フランジ部11を
有し、このフランジ部11の外周に所定深さの切欠き1
2が形成されている。切欠き12はその片側部でホルダ
角穴部と連通しており、このフランジ部外周の切欠き部
位置にOリング9が或る程度の張力を有して装着されて
いる。図11は図10のX−X面で切断した断面図であ
る。図11を参照して、柱状砥石3は砥石ホルダ7の角
穴内に或る隙間をもって挿入されるが、角穴部に通じる
切欠き部位置で砥石3の片側部がOリング9に接当しか
つ該Oリング9の張力により、柱状砥石3は砥石ホルダ
7内の角穴部の反対側砥石案内面8に常に弾性的に押し
付けられている。
【0052】砥石またぎ寸法はワーク1の内輪軌道面真
円度の注目する角数うねりの波長を覆うように設定され
るため、柱状砥石3とワーク1は大きな円弧で接する。
砥石3は回転するワーク1に引きずられてワーク円周方
向に振動しやすく、砥石作用面形状がワーク1の軌道面
の曲面と誤差を生じて摩耗する恐れがある。これを防止
するために、図10に示す如く、砥石案内面8はワーク
1の回転方向に対向する側に形成されており、これによ
って砥石3は砥石ホルダ7の角穴部砥石案内面8に対し
て常時弾性的に押し当てられた状態で使用される。砥石
ホルダ7は大径フランジ部11より上部分がスリーブ1
3に嵌挿され、該スリーブ13内に設けられた加圧ピス
トン14により空圧付加手段などを介して砥石3がワー
ク1の軌道面に押し付けられる。
【0053】次に本発明による超仕上加工パラメータの
設定例を示す。まず実施例の玉軸受は直径2mmの玉7
個を接触角17°で有する構成としており、ワークとな
る軸受内輪軌道面の最大直径は7.5mm、最小直径は
7mm、幅は1.1mmである。軌道面断面円弧半径は
玉半径と同じとする。図12は従来の加工条件により超
仕上加工された軸受内輪軌道面の玉接触部の真円度測定
結果を示した図である。従来条件における砥石またぎ寸
法は2.3mm(0.613De・sin180°/
(Z−1)=0.613×3.75)である。同図
(A)はうねり状態つまり内輪軌道面の玉接触部全周を
拡大して示した図、同図(B)は真円度ハーモニクス解
析を示している。図12(B)でUPRとあるのは1回
転当りの山数(角数)であり、縦欄の0,5,10,1
5…はNの値を示している。真円度の測定はランクテー
ラーホブソン社のタリロンド73を使用した。図中の真
円度ハーモニクス解析結果は真円度各角成分の片振幅を
μm単位で表示してある。同図(B)中、横線で数値が
記入されていない角数成分の片振幅は0.001μm、
即ち1ナノメータ未満であることを示す。本例で目的と
される角数は玉数である7の自然数倍±1角、つまり
(N±1)角、即ち6、8、13、15、……角である
が、各々4、3、1未満、1、……ナノメータの片振幅
が測定されている。
【0054】本発明による好適な内輪軌道面の超仕上加
工パラメータ、即ち内輪軌道面に対する超仕上砥石の寸
法、最大砥石揺動振り角および砥石揺動中心位置を決定
する。なお本例では柱状超仕上砥石の断面形状を長方形
としているが、これは別の任意断面形状であってもよ
い。砥石のまたぎ寸法Tsは、既に述べた式(2)によ
り求められる。ここで式(2)中の係数を1.1とし、
Doに7.5mm、Zに7を代入すると、Ts=4.1
mmが得られる。また最大砥石揺動振り角θsは玉接触
角θc=17(deg.)に対して120%を適用し、
θs=20(deg.)とする。
【0055】砥石幅を設定する際に本発明における適正
範囲よりも小さすぎる値、即ち砥石幅Bsを内輪軌道面
の幅Bw=1.1mmに対して70%としてBs=0.
8mmを与え、既に設定したTs=4.1mmとθs=
20(deg.)および後述のδs=0.05mmを用
いて超仕上加工した内輪軌道面の玉接触部真円度測定結
果を図13に示す。同図(B)のハーモニクス解析結果
によれば、目的とする真円度角数うねり即ち6、8、1
3、15、……角は各々2、4、1未満、1未満、……
ナノメータであり十分に修正されていない。次に、砥石
幅を本発明の適正範囲とした場合を説明する。砥石の幅
方向側面が砥石振り角最大時にすべて軌道面内に収まる
範囲で大きくした砥石幅、即ち内輪軌道面の幅に対して
120%である砥石幅Bs=1.3mmを上述の条件に
加えることによって得られた内輪軌道面の玉接触部真円
度測定結果を図14に示す。図14(A)は内輪軌道面
の玉接触部全周を拡大して示したである。同図(B)の
ハーモニクス解析結果によれば、目的とする真円度角数
うねり即ち6、8、13、15、……角の片振幅は数秒
の加工時間内にすべて1ナノメータ未満に修正されてお
り、注目する[玉数−1]角以上のすべての角数うねり
を選択的に極めて高精度に仕上げることができた。
【0056】砥石揺動軸の軌道面断面円弧中からの軸心
の距離δsを設定する際に本発明における適正範囲より
も大きすぎる値、即ちδsが内輪軌道面半径rw=1m
mの15%つまりδs=0.15mmを既に設定したT
s=4.1mm、θs=20(deg.)とBs=1.
3mmと共に用いて超仕上加工した内輪軌道面の断面円
弧形状を図15に示す。同図は軌道面断面円弧形状を単
一円弧に近似した際の誤差を縦方向の凹凸で表し、図の
横軸と平行な線より下方向へ凹んだ部分は目標よりも多
く加工されたことを示す。また横軸方向は軌道面の幅方
向を示し、ここでは軌道面の幅すべてが表示されてい
る。図15によれば、内輪軌道面の幅方向中央部は目標
よりも多く加工されて凹んでいる。次に、砥石揺動軸の
軌道面断面円弧中からの軸心の距離δsを本発明の適正
範囲である、内輪軌道面半径rwに対し5%のδs=
0.05mmとした場合の超仕上加工では、図16に示
される内輪軌道面の断面円弧形状が測定された。図15
と同様に横軸上に軌道面の全幅を表示してある。図16
に示される軌道面断面円弧形状は単一円弧からの誤差が
少なく良好である。また同時に測定された軌道面玉接触
部の真円度測定結果は前記図14の通りであり、目的と
する真円度角数のうねりは極めて高精度に仕上げられて
いる。
【0057】図17は本発明の他の実施例に係る超仕上
加工装置によって軸受内輪軌道面の超仕上を行う状態を
示した斜視図である。この実施例では図9〜図11のよ
うな柱状砥石を用いず、代りに先端が前記柱状砥石の先
端円弧形状と同じ形状をなす柱状押圧治具15と、該押
圧治具15の先端に密着される研磨テープ16が用いら
れる。研磨テープ16の片面、即ち研磨作用面には前述
した砥石の砥粒サイズ、砥粒密度と同等な研磨材が付着
されている。研磨テープ16は柱押圧治具15の両側に
配置された支持ロール17に掛け渡されて押圧治具15
の先端に一体的に張り付くように張力が与えられてお
り、柱状押圧治具15を回転するワーク1に向けて押し
付けながら、押圧治具15、研磨テープ16および支持
ロール17が一体でワーク1の軌道面断面円弧中心の近
傍の軸心位置15a(この軸心位置については図4、図
6に関して既述した)を中心に揺動することにより、ワ
ーク軌道面の超仕上加工がなされる。
【0058】ワーク軌道面に対する柱状押圧治具15の
またぎ寸法、該治具先端の幅寸法、揺動振り角等は柱状
砥石で既に述べた事項が適用される。研磨テープ16の
作用面が磨耗した場合は該テープ16を長さ方向に所定
量移動(インデックス)させることで押圧治具先端に新
たな超仕上作用面を形成する。図示しないテープ供給部
に巻かれた充分長い研磨テープを繰り出していくことに
より、砥石の場合よりも取り付け、取り外しの交換頻度
が少なく、その分加工能率が向上する。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により求め
た柱状超仕上砥石の断面寸法と、最大砥石揺動振り角お
よび揺動軸と軌道面断面円弧中心の距離を適用すること
により、玉軸受の内外輪軌道面で注目される真円度の玉
数の自然数倍±1角のうねり成分を、軌道面断面円弧形
状の崩れを起こさずに、極めて高精度に超仕上加工する
ことができ、これによって上記玉軸受を組み込んだ主軸
の非同期回転振れを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】玉数が7個の場合について玉軸受内輪と砥石の
またぎ状態を模式的に示した図である。
【図2】砥石と内輪軌道面の接触状態の変化を例示した
図である。
【図3】砥石揺動振り角最大状態で砥石と内輪軌道面の
接触状態を例示した図である。
【図4】内輪軌道面に対する円弧中心Orと砥石の揺動
軸心Osとの関係を示した図である。
【図5】砥石揺動振り角最大状態で長方形断面の砥石と
外輪軌道面の接触状態を例示した図である。
【図6】外輪軌道面に対する円弧中心Oreと砥石の揺
動軸心Oseとの関係を示した図である。
【図7】砥石と外輪軌道面の接触状態を外輪側面から見
た断面図である。
【図8】外輪軌道面を超仕上する樽型あるいは樽型近似
砥石の断面形状を示した図である。
【図9】本発明の実施例に係る玉軸受の内輪軌道面を超
仕上加工する装置のワーク装着部分の側面断面図であ
る。
【図10】本発明の実施例に係る砥石ホルダの縦断面図
である。
【図11】本発明の実施例に係る砥石ホルダの横断面図
である。
【図12】従来の超仕上加工方法による軸受内輪軌道面
の玉接触位置の真円度測定結果を示す図である。
【図13】本発明を適用するが砥石幅が不適切な条件で
超仕上加工した内輪軌道面の玉接触位置の真円度測定結
果を示す図である。
【図14】本発明を適用して適切な条件により超仕上加
工した軸受内輪軌道面の玉接触位置の真円度測定結果を
示す図である。
【図15】本発明を適用するが砥石揺動軸心の位置が不
適切な条件で超仕上加工した内輪軌道面の断面円弧形状
の測定結果を示す図である。
【図16】本発明を適用して適切な砥石揺動軸心の位置
で超仕上加工した内輪軌道面の断面円弧形状の測定結果
を示す図である。
【図17】本発明の他の実施例に係る玉軸受の内輪軌道
面を研磨テープにより超仕上加工する装置のワーク装着
部分の斜視図である。
【符号の説明】
1 内輪 2 外輪 3 柱状砥石 4 バッキングプレート 5 プレッシャプレート 6 シュー 7 砥石ホルダ 8 砥石案内面 9 Oリング 10 ワーク主軸装置 11 フランジ 12 切欠き 13 スリーブ 14 加圧ピストン 15 柱状押圧治具 16 研磨テープ 17 支持ロール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】玉軸受軌道輪を軸線まわりに回転させなが
    ら、前記軌道輪の軌道面の断面円弧中心から該軸線に垂
    線を下す方向に該断面円弧の半径寸法の0ないし10%
    だけ該断面円弧中心より離れた位置で、前記軌道輪の回
    転軸線に対して直角方向にのびる砥石揺動軸線を中心
    に、この揺動軸線方向にとった「またぎ」寸法が以下の
    式(1)の範囲のT、 【数1】 なる角柱状砥石を揺動させて、前記砥石を前記軌道輪の
    軌道面の断面円弧半径方向に押圧して表面を除去する超
    仕上加工方法。ただし前記(1)式で、Zは前記軸受の
    玉数、Dは軸受軌道輪の軌道面の内で最大直径寸法であ
    り、前記軸受軌道輪が内輪の場合は砥石またぎ寸法にT
    s、内輪軌道面内の最大直径寸法(多くの場合内輪外径
    寸法)にDoを、また外輪の場合は砥石またぎ寸法にT
    se、外輪軌道面内の最大直径寸法(多くの場合外輪溝
    径寸法)にDeをそれぞれ前記Tおよび前記Dの代りに
    用いる。
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